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母ましろのうさぎが、大腿骨骨折で2が月に及ぶ病院生活を終え、無事自宅療養に入ってからというもの、それまでのように、プライベートの時間管理のかじ取りが制御不全のまま、春を迎えました。交流分析で言えば、時間の構造化がうまくできてない。なにをするにしても相手の出方任せで、振り回されてばかりでいると、ストレスは相当になります。ここはやはり、『わくわく』や『どきどき』、『ささやかな楽しみ』といった人生のスパイスを用いて、一日一日を耀かせていかないと、ますます追いつめられてしまう。こちらの都合や状態お構いなしに、大声で呼びつけられたりしていると、ひどく消耗していくようなきがします。このあいだ、いいことを思いついた、ベルを買って、いつでもくれないとりを呼べばいい、とましろうさぎにいわれた時、トワイライト・ゾーンに入り込んでしまったような気がして、くらくらっとしてしまいました。ぜったい、呼び鈴なんか、買うものか。それよりもっといい、瞬間気分転換になるものを手に入れよう。本でも、ビデオでも、音楽でも、テレビや映画でも、とにかく何でもいい。普段も、勿体ながらず、お気に入りの服や小物をまとって、気分を高揚させなくちゃ。手で無理やり笑顔になるよう、ほおをつまんで持ち上げ、なるべく気取って歩き、背筋をぴんとさせよう。恥ずかしがらず鼻歌も歌うのだ。めげそうになったら、気分が持ち直すまで何度でもやりなおす。いつか、歳をとったら、いろいろ工夫して自分でできることを目いっぱい見つけていこう。ましろうさぎのように、まず誰に何をさせるか考える、なんてまっぴらごめんですからね。
2016.04.15
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好みでなくとも苦手でも、いいものは良い。というか迫ってくるフォースが凄まじいというのは、美術で天才の仕事に見られる現象。アンテナ感度の素晴らしいhakapyonさんお奨め印度映画、ラジニ・カーント氏の『ムトゥ・踊るマハラジャ』から始まって、『スラムドッグ・ミリオネア』『ロボット』『きっとうまくいく』『マダム・イン・ニューヨーク』と観ました。印度ではなんとも、面白い作り方をするというのが、正直な印象。お約束のダンスと歌があって、たいがいミュージカルめいた仕立てがベースらしい。しかも、同じ東洋であることを実感するリズムー盆踊りや田植えにもってこい、の音楽。日本人の皆さん、それをとってつけたような不自然な流れというなかれ。今から三十年前、歌って踊れなければ役者ぢゃないとか、渋谷で石を投げれば自称役者にあたるだの、百人に一人は自称役者、一億総タレント化などといわれ、外からは、ディスコミュージックやマイケル・ジャクソン、内からは、ピンクレディなどの歌いながら踊るタレントが、ブームを引き起こし、若者たちにけん引されるかっこうで、生活の中に音楽や踊りが入り込んできました。老いも若きも、歌や踊りに対する抵抗や苦手感がなくなってきたではありませんか。タレントはもれなく、歌と踊りと特技が求められ、一般人でも、どこかで何らかの芸を求められる。かの原宿の竹の子族やヴァルプルギスの夜さながらのジュリアナ東京は、一般市民の間で生まれ、すべてが作り物ではなかったことを忘れないで。そう、これを綴っているのは、そんな前世紀後半を生きてきた、歌って踊れる、どこにでもいるごくふつうのおばさん、(上手下手はともかく、)なのです。『チェイス!』主演男優アーミル・カーンさんは、顔の濃さの許容範囲は、草刈正雄、京本政樹、玉木宏くらいまでの筆者にとって、濃さの極み。印度の人は、濃い顔の人が多いけれど、その中でもかなり濃い、のでは。もっとも典型的なインド人というより、アラビア半島あたりにいたほうがふさわしいような、熱と風と砂がよく似合う方。しかも、『きっとうまくいく』のランチョー役のように、必要とあらば、スコールのようにしゃべる。そのうえ、びびりまくりの超強力目ヂカラ(その威力たるや、一度見てしまうと、すっかり釘付けで捕らわれ状態になる)そのくるくる変わる表情をみているうちに、ローワン・アトキンソンさんのイメージが脳裏にちらほら。狂信的なファンの皆様、ごめんなさい。でも、どうしても、『Mr.ビーン』が頭に浮かんじゃうのです。ファンの集いで、こんなことをつぶやけば、五体満足でその場を脱出するのは難しいだろうだから、決して悪意のないことを示すため、声を大にして言います。チャームポイントのなべの取っ手を思わせるユニークな耳の持ち主ですが、よくみると、間違いなくかなりの甘い美形。そして、かなりの童顔。『きっとうまくいく』では、実年齢40歳超え、だったそうな。そんな三大苦手がそろい踏みでやってきたというのに、すっかりとはまった、それを凌駕するよさというか感動の理由とは?たぶんアーミル・カーンさんが演じる2人の兄弟の役における、大げさー豊すぎる表情等、でないほう、つまりは演技力が、最大の要因。いずれも優れた観察力と人間の心理の追究に裏付けされた演技です。ー役者なら、こんな人が、同期にいなくてよかった、と思うことでしょう。幼い日、目の前で父親が自殺して以来、弟以外にたいしては凍りついてしまったサーヒルの心。復讐こそが生きがいであり、人生の目的になってしまっている。発達障害とサヴァン症候群をもって生まれたと思われる弟サマルは、父と兄によって閉じ込められることで、守られてきたようなものだ。ささやかな物事にも、幸せを見つけられる彼は、欲しいものすべてを手にするが、決して父の仇も、父の言葉を一つたりとも忘れない。兄サーヒルには自分しかいないのだということをよく承知している。『形』から入るタイプのようにお見受けするが、それていて、役の解析、表現の巧みさで、ぐいぐい見るものを引っ張っていきます。たゆまぬ努力と精進の結果が端々に見受けられ、まこと頭の下がる仕事ぶり。本国では、ミスター・パーフェクトと呼ばれるのは、そんなとこからではないでしょうか。十数億の人口を有する中から生まれた、選りすぐりの俳優さんなのですね。『チェイス!』は心の琴線に触れるドラマ仕立て、アクション、ダンス、歌、ロマン、劇中のショー、兄弟愛・家族愛などがてんこ盛りながら、そこには、作り物にありがちな、不自然さや突飛さ、あらゆるナンセンスとありえなさを大きく覆い隠してしまう真実がある。くどさも苦にならぬ同じアジアの感触、湿気、母なる大地と、熱と風と砂で培われてきたインド映画に、すっかり魅せられてしまいました。さあ、日本の映画界よ、長く人々の心に残るような、どんな作品を世界に向けて発信する?さてと、楽しみがまたひとつ増えました。
2016.04.14
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