「五感力を育てる」を読みました。
斎藤 孝さんと、現代人の五感の喪失をレポートした
『五感力喪失』の著者、山下柚実さんが、
"五感喪失"時代の処方箋を子どもたちに授けたい、
子どもたちの身体を救おう!とまとめた1冊です。
現代の子どもたちは、五感を統合する力が欠けているようです。
コミュニケーション力の土台として、感覚の発達と統合が
何より、大前提ですが、
その感覚を統合する機能自体が衰えているのではないか、
という危機感で貫かれています。
ADHD児の特徴的な行動が、
感覚を呼び覚ます刺激訓練で良くなっていく事例に
目をとっても開かされました。
これまで愛情や心の問題とされてきたことも、
身体や五感の変化の中で起こったことかもしれないと思わされます。
学習も、心理的な面ばかりを重視して、
身体や感覚を大事なものとしてとらえることが、
学校をはじめ、社会で欠けていたようです。
学校は、「変わった子」の問題点ばかり指摘するのではなく、
具体的にどういう援助や刺激を与えつづければ、
希望が見えるのか、具体的に、前向きに 家庭に対し、また社会に対し
発信すべきだろうと、つくづく思わされます。
そのためには、まず、知らないと。ね。
また、子どもによって、感覚のアンバランスさが、千差万別なんで、
統一的なマニュアルなんて作れないこと。
だからこそ、子どもを見て、知ることの大切さ。
それにしても、社会が便利になったことの代償が、
子どもたちの本来の感覚を奪っていることは、
全くの皮肉です。
「親は子どもに対し、五感を研ぎ澄ますチャンスは、
その気になりさえすれば、
実はいろいろなところにあるんだと教えてあげることが非常に大切ですね。
そうした経験を重ねていけば、豊かな「五感力」は、必ず育っていくと思います」と・・・・・・。
その実践として、
巻末で『「五感力」を育てる10のメソッド』を提言しています。
「親子で楽しみたい7つのメソッド」「五感が目覚める3つのメソッド」とあり、
親子で、先生と生徒で実践できるものばかりです。
多くの教育関係者と保護者に読んでいただきたい一冊だと思いました。
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