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「物思いにふけり空ばかり見ている」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。つれづれと 空ぞ見らるる 思ふ人 天降り来む ものならなくに[玉葉集恋二・夫木抄雑十八・万代集恋三]物思いにふけって空ばかり見ている 愛しいあの人が空から降りてくるわけでもないのに見えもせむ 見もせむ人を 朝ごとに おきてはむかふ 鏡ともがな[新勅撰集恋四]見られていたい 見てもいたいあの人を 毎朝起きて見る鏡にでもしていつも見ていたい田子の浦に 寄せては寄する 浪のごと 立つやと人を 見るよしもがな田子の浦に寄せてはまた寄せてくる波のように わたしから去っていってもまた戻って来る人とわかる手立てがあればいいのに
2022.07.31
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「老いてゆくほど悲しいことはない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。かづけども みるめは風も たまらねば 寒きにわぶる 冬のあま人海に潜っても取った海松藻は着物と違って風を防ぐこともないから 寒さにふるえている冬の海人かぞふれば 年の残りも なかりけり 老いぬるば かり 悲しきはなし[新古今集冬・新撰朗詠集冬]数えてみると今年も残り少ない 老いてゆくほど悲しいことはない いたづらに 身をぞ捨てつる 人を思ふ 心や深き 谷となるらむ虚しくも恋に身を滅ぼしてしまった あの人を想う心が深い谷となっているのだろうか
2022.07.30
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「冬はせせらぎも聞こえない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。氷みな 水という水は 閉ぢつれば 冬はいづくも 音無の里[夫木抄雑十三]氷が水という水を閉ざしてしまったから 冬はどこもせせらぎも聞こえない音無しの里下もゆる 雪まの草の めづらしく わが思ふ人に あひみてしがな[後拾遺集恋一]雪の間から芽を出している若草 そんな見ることがめったにない愛しいあの人に逢いたくてならないせこが来て 臥ししかたはら 寒き夜は わが手枕を 我ぞしてぬる[夫木抄雑十八]あの人が来ても添い寝をしてくれない寒い夜は じぶんの腕を枕にして寝る
2022.07.29
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「柴を折り焚いている冬の山里」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。見わせば 真木の炭やく 気をぬるみ 大原山の 雪のむら消え [後拾遺集冬]見渡すと 炭焼きで空気が暖かくなったせいか 大原山の雪がまだら になっているわびぬれば 煙をだにも 絶たじとて 柴折り焚ける 冬の山里[後拾遺集冬・古来風躰抄]淋しいので 煙だけでも絶やさないようにと 柴を折って焚いている冬の山里水こほる 冬だに来れば 浮草の おのが心と ねざし顔なる[万代集冬]水が凍る冬が来ると 浮草は思うままに根を下ろしたような顔をしている ほかの草はみんな枯れたのに
2022.07.28
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「物思いにふけりながら明かす」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。ぬる人を おこすともなき 埋み火を 見つつはかなく 明す夜な夜な[正集一六七・続集五六三・万代集冬]寝ている人を起こすこともなく 灰にうずめてある炭火を見ながら毎晩物思いにふけりながら明かす冬の池の つがはぬ鴛鴦は さ夜中に 飛び立ちぬべき 声きこゆなり冬の池でつがいでない鴛鴦(おし)が 真夜中に寒さで飛び上がりそうな声で鳴いているのが聞こえる鴛鴦は雌離れしないでいることが多いので、夫婦仲のよいことにたとえる天の原 かきくらがりて 降る雪を 夜目には明き 月かとぞ見る[夫木抄冬三]空が一面に曇って降ってくる雪を 夜見る目には月明かりかと見えた
2022.07.27
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「独り寝の袖の下から冷えてくる」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。置く霜は 払はぬほどは おしなべて 鴨の上毛の 衣手ぞする涙で霜が降りた袖を払う人もいないのは まさに鴨の上毛(うわげ)のようねやの上に 霜や置くらむ 片敷ける 下こそいたく さえのぼるなれ[夫木抄冬一]寝室の上に霜がおりているのだろうか 独り寝の袖の下からどんどん冷えてくる宿は荒れて 霰しふれば 白玉を 敷けるが如も 見ゆる庭かな家が荒れたとはいえ 霰(あられ)が振ると まるで玉を敷き詰めたように美しく見える庭である
2022.07.26
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「今はもう枯れてゆく浅茅生」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。もみぢ葉の この木の下に あるを見て かみな月とは 言ふにざりける紅葉が木の下に散って木の上にはなにもないから 十月のことを上(かみ)な月と言うのかしら(神無月)白ながら 露の置きたる 白菊を 今朝初霜に 見ぞ紛(まが)へつる白いままで露が置いている白菊を 今朝初霜と見違えてしまったあき果てて 今はとかるる 浅茅生は 人の心に 似たるものかな秋が終わって 今はもうと枯れてゆく浅茅生は わたしに飽きて離れていったあの人の心に似ている
2022.07.25
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「秋の霧は心の中に立ち込めるのだろうか」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。晴れずのみ ものぞ悲しき 秋ぎりは 心のうちに たつにやあるらむ[後拾遺集秋上]いつまでも気持ちが晴れないで悲しくてならない 秋の霧は心の中に立ち込めるのだろうか落ちつもる 紅葉の色に 山川の 浅きも深き 流れとぞ見る散り積もっている紅葉(もみじ)の色のせいで 浅い山川の水も深みをおびて見えるともかくも 散らさぬわざは してましを 一夜ば かりの もみぢなりせばもし散らさない方法があるならするものを 一夜(ひとよ)かぎりの紅葉だから
2022.07.24
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「ひたすら哀愁をおぼえる秋の山里」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。松垣に 這ひくる葛を 訪ふ人は 見るに悲しき 秋の山里[夫木抄秋五]松の垣根に這いかかっている葛を見に来る人は ひたすら哀愁をおぼえる秋の山里在りとても 頼むべきかは 世の中を 知らするも のは あさがほの花 [後拾遺集秋上・新撰朗詠集・秋風集・夫木抄]生きていても どうなるかわからないこの世 それを教えてくれるのが朝顔の花〔朝顔は朝咲いたらすぐに萎れてしまう〕頼めたる 人もなけれど 秋の夜は 月見で寝べき 心地こそせね[新古今集秋上・続詞花集秋上]逢う約束をした人もいないけれど こんな秋の夜は月を見ないで寝る気はしない
2022.07.23
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「沈むまでずっと眺めていた」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。秋吹けば 常磐の山の 松風も 色づくばかり 身にぞしみける[新古今集秋上]秋の風が吹くと 常磐山の松も紅葉するのではないかと思うほど身にしみる入るまでも 眺めつるかな わが背子が 出づるに出でし 有明の月[万代集雑二]あの人が急いで帰って行ったときの有明の月を沈むまで物思いにふけりながらずっと眺めていた さ雄鹿の 朝たちすだく 萩原に 心のしめは いふかひもなし[雲葉集秋上]雄鹿が朝から群がっていて 萩の原を踏み荒らさないようにと心にしめ縄を張っていてもむだ
2022.07.22
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「秋をわかる人がいたら聞かせたい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。鈴虫の 声ふりたつる 秋の夜は あはれにものの なりまさるかな[玉葉集秋上・万代集秋下]鈴虫が鈴を振るように鳴く秋の夜は しみじみとした情趣が一段と感じられる白露の かけておきたる 藤袴 ほころびにけり きりやたつらむ白露を置いて藤袴が咲いたのだから 霧も立ち込めるのかしら人もがな 見せむ聞かせむ 萩の花 咲く夕かげの ひぐらしの声[千載集秋上・古来風躰抄本]秋をわかる人がいたら 見せたい 聞かせてあげたい 夕日に映えて咲く萩の花とひぐらしの声を
2022.07.21
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「秋になると聞こえる荻の音」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。風吹けば いつも靡けど あき来れば 殊に聞ゆる 荻の音かな[万代集秋上] 風が吹けばいつも靡(なび)くけれど 秋になると特別に聞こえる荻(おぎ)の音 里人の 衣打つなる 槌の音に あやなく我も ねざめぬるかな村里の人が衣を打つ槌(つち)の音に 待つ人もいないわたしなのに目が覚めてしまって雁が音の 聞ゆるなへに 見わたせば 四方の梢も 色付きにけり[風雅集秋中・万代集・雲葉集秋上]初雁の鳴き声に気づいてあたりを見渡すと 四方(よも)の梢(こずえ)もすっかり色づいている
2022.07.20
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「露が滴り落ちて眠れない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。憂しと思ふ わが身にあきに あらねども よろづにつけて ものぞ悲しき[万代集秋一]辛いと思うわたしにも秋が来たわけではないけれど なににつけても 秋は悲しい根こじにも 掘らば掘らなむ 女郎花 人に後るる 名をば残さず根がついたまま掘り取るなら掘り取ってください 女郎花だって人に取り残されたと噂されたくないから秋の田の 庵に葺ける 苫をあらみ もりくる露の いやは寝らるる[続後撰集秋中]秋の田にしつらえた仮小屋の屋根にふいた草の編み目があらいので 露が滴り落ちて眠れない
2022.07.19
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「一晩のうちに秋が来ていた」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。思ふこと みなつきねとて 麻の葉を 切りに切り ても はらひつるかな[後拾遺集雑六]物思いがみな失くなってしまえと 今日の六月祓(みなずきばら)えに 麻の葉をせっせと切って青和幣(あおにぎて)を作ってお祓いをした 朝風に 今日おどろきて 数ふれば 一夜のほど 秋は来にけり朝の風にはっとして指折り数えてみると 一晩のうちに秋が来ていた一日だに 休みやはする たなばたに 貸してもじ 恋をこそすれ[夫木抄秋一]一日(ひとひ)だってあの人と逢わないでいられるだろうか 七夕だといっても わたしだって織姫と同じ恋をする女です 七夕の日は、一年に一度しか会えない不吉な恋にあやからないよう恋人との逢瀬は避けた
2022.07.18
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「蝉は薄い衣を着ているのに」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。花こそあれ 花橘を 宿に植ゑて 山時鳥 待つぞ苦しき桜を待つのは仕方ないが 花橘を家に植えて 時鳥(ほととぎす)が来るのを待つのは苦しい蚊遣火の 煙けぶたき あふぐ間に 夜は暑さも 身おぼえざりけり[夫木抄雑一]蚊を追い払う煙が煙たいので扇いでいるうちに 夏の暑さも忘れてしまう声聞けば あつさぞまさる 蝉の羽の 薄き衣は みに着たれども蝉の声を聞くと暑苦しくてたまらない 蝉はあんな薄い衣を着ているというのに
2022.07.17
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「蛍の光で木陰の草まで明るい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。蛍火は 木の下草も 暗からず 五月の闇は 名のみなりけり蛍の光で木陰の草まで暗くない 昔から「五月闇」というけれど これでは名ばかり 五月闇―五月雨の頃の夜の暗いこと。人の身も 恋には代へつ 夏虫の あらはに燃ゆと 見えぬばかりぞ[後拾遺集恋四]人だって恋に身を焦がして死んでしまう 夏の虫が炎の中に飛び込むように 燃えるのがはっきり見えないだけながめには 空さへ濡れぬ 五月雨に 下り立つ田子の 裳裾ならねど長雨のとき 物思いに沈んで空を見ると空までも濡れてしまう 五月雨の中を田んぼで働く農夫の裳裾でもないのに
2022.07.16
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「涼しい風もききめがない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。手にむすぶ 水さへぬるき 夏の日は 涼しき風も かひなかりけり手にすくう水まで生ぬるく感じる夏の日は 涼しい風もききめがない真菰草 おなじ汀に 生ふれども あやめを見てぞ 人も引きけるあやめとそっくりの真菰草(まこもぐさ)が汀(みぎわ)に生えているけれど 人は見分けてあやめだけを抜いてゆく夏の夜は ともしの鹿の 目をだにも 合はせぬ程に あけぞしにける[新後拾遺集夏]夏の夜は 鹿狩の灯ではないが 目を合わせるひまもないほど早く明けてしまう
2022.07.15
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「この里は魂のない私だけ」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。おのがみな 思ひ思ひに 神山の 児手柏と 手ごとにぞ採る[夫木抄雑十一]誰もがご利益にあずかろうと 神様の山の児手柏(このてがしわ)を手で摘んでいる 児手柏(このてがしわ)―ヒノキ科の常緑樹。とこなつに おきふす露は 何なれや あつれて背子が 間遠なるらむ常夏〔撫子〕にかかっている露は涼しそう なのにあの人は暑がってわたしから遠のいている亡き人の 来る夜ときけど 君もなし わが住む里や 魂なきの里お盆は亡き人が来る夜ですが、貴方は来られず私の住んでいるこの里は魂のない私だけが住んでいます。
2022.07.14
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「夏の夜には風さえ吹かなかったら」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。夏の夜は 槇のとたたき かくたたき 人だのめなる くひななりけり[万代集夏]夏の夜には風さえ吹かなかったら 庭の桜もいつかは散っても 春の間は見ることができるのに山がつの 垣根に見えし 卯の花は みみにこそ咲きの 盛りなりけれ山里に住む人の垣根に見える卯の花(ウツギの花)は 今真っ盛りでとてもきれいかざさじと たれか思はむ ちはやぶる 神のまれまれ 許すあふひを[万代集雑一]葵をかざさないと誰が思うのだろうか 葵祭を催すこの日だけは神さまが逢うことを許してくれるのに
2022.07.13
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「物思いをする人は眠れない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。待たねども 物思ふ人は おのづから 山時鳥 まづぞ聞きつる[続拾遺集夏・万代集]待っていなくても 物思いをする人は 眠れないからしぜんと山ほととぎすの初音を誰よりも早く聞く庭のまま ゆるゆる生ふる 夏草を わけてばかりに 来む人もがな庭一面にのびのびと生い茂った夏草をかきわけて来る人が わたしにもいたら夏の日の 脚に当れば さしながら はかなく消ゆる 道芝の露[夫木抄雑一]夏の日差しが足にあたったならば あっけなく消えてゆく道端の草の露
2022.07.12
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「もうしばらく見ていたいから」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。岩つつじ 折りもてぞ見る せこが着し 紅ぞめの 衣に似たれば[後拾遺集春下]あの人が着ていた紅染の衣の色に似ていたので岩つつじを折ってじっと見る 花はみな 散り果てぬめり 春深き ふぢだに散るな 今しばし見む春の花はみんな散ってしまった 晩春の藤の花だけでも散らないで もうしばらく見ていたいから 桜色に そめし衣を ぬぎかけて 山時鳥 けふよりぞ待つ[後拾遺集夏・新撰朗詠集]桜色に染めた衣を夏の衣に着替えて 夏を告げる山ほとどきすの初音 を今日から待つ
2022.07.11
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「井手で美しく咲く山吹の花」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。見にと来る 人だにもなし わが宿の はひりの柳 下払へども[夫木抄春三]見に来る人もいない 入ってくるときに邪魔にならないように柳の下枝を切ったのだけれどかくれぬも かひなかりけり 春駒の あさればこもの ねだに残らず沼だって人目につかない所にあっても甲斐がない 子馬が暴れて餌を探すから 真菰(まこも)の根一本残りはしない 真菰はイネ科で水辺に群生する。かはべなる 所はさらに 多かるを 井手にしも咲く 山吹の花川辺はどこにだってあるのに この井手だけで美しく咲く山吹の花井手―山城国相楽郡井手の里。
2022.07.10
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「垣根の一面の草は青々としてきた」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。春雨の 日をふるままに わが宿の 垣根の草は 青みわたりぬ春雨が何日も降り続いているうちに わたしの家の垣根の一面の草は青々としてきた(芝生が良い香りなのか頬をすりすり匂いを擦り付けている)狩人の いとまもいらじ 草若み あさるきぎすの かくれなければ[万代集春上・夫木抄春五]狩人(かりびと)はすぐに射止めるだろう 草も伸びていないで 餌をあさる雉(きじ)の隠れるところもないからつれづれと もの思ひをれば 春の日の めに立つものは 霞なりけり[玉葉集雑一]日々することもなく物思いに沈んでいると 春の日に目を惹きつける ものは霞だった わたしも涙で目がかすむ
2022.07.09
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「住んでいる人が美しいかどうかだ」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。見るままに しづ枝の梅も 散り果てぬ さも待ち遠に 咲く桜かな[風雅集春上]毎日眺めているうちに下枝の梅も散ってしまった ああ いつまでも人を待たせて咲かない桜人も見ぬ 宿に桜を 植ゑたれば 花もてやつす みにぞなりぬる[後拾遺集春上]誰も来ない家に桜を植えたので せっかく花が咲いても寂しい思いを させられるわが宿の 桜はかひも なかりけり あるじからこそ 人も見にくれ[後拾遺集春上]わたしの家の桜は咲いても無駄 人が見に来るのは花が美しからではなく 住んでいる人が美しいかどうかだから
2022.07.08
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「目を覚まして花を探しても」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。春の夜は 睡こそ寝られぬ 起きゐつつ まもりにとまる ものならなくに[新撰朗詠集]春の夜は梅が気になって眠れない 別に起きてじっと見ていたって散らないわけでもないのに梅が香に おどろかれつつ 春の夜は 闇こそ人は あくがらしけれ[千載集春上]梅の香りにはっと目を覚まして花を探しても 春の夜の闇は梅を隠してしまって人を焦れさせる秋までの 命も知らず 春の野に 花の古根を やくとやくかな[後拾遺集春上]秋まで命があるかどうかわからないのに 秋に美しい花を見たいので 春の野で古い根をせっせと焼いている
2022.07.07
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「訪れの途絶えたあの方もその梅を見に」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。春はただ わが宿にのみ 梅咲かば かれにし人も 見にと来なまし[後拾遺集春上]春に梅の花が、わたしの家にだけ咲くとしたら、訪れの途絶えたあの方もその梅を見に、わたくしのもとを訪ねてくださるでしょうにね。花にのみ 心をかけて おのづから 人はあだなる 名ぞ立ちぬべき[続後撰集春中]春は花にばかり惹かれて歩くから浮気な評判が立ってしまいそう春の日を うらうら伝ふ あまはしぞ あなつれづれと 思ひしもせず日の長い春に浦から浦へと働く海人たちは することもないと思うどころではない
2022.07.06
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「山や川の氷もとけて岩間を潜り」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。春がすみ 立つやおそきと 山川の 岩間をくくる 音聞こゆなり[後拾遺集春上]春霞みが立つのを待ちかねたように 山や川の氷もとけて 岩間(いわま)をくぐって流れる音が聞こえてくる春日野は 雪ふりつむと 見しかども 生ひたるものは 若葉なりけり[後拾遺集春上・麗花集]春日野(かすがの)は雪ばかり積もっていると思っていたが 生えているのを見ると 若菜だった引きつれて 今日は子の日の 松に又 今千年を のべに出でつる[後拾遺集春上]七日に若菜を摘んで命を延ばしたが 今日の子(ね)の日には松を引いて千年(ちとせ)も命を延ばそうと野辺に出かけてきた
2022.07.05
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「春霞を詠んだ歌にも名歌が沢山ある」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。『新古今和歌集』は、鎌倉時代初期に編纂された勅撰和歌集。全二十巻。 1980首。1201年後鳥羽上皇の命により和歌所を設置、寄人(よりうど)のうち源通具、藤原有家、藤原定家、藤原家隆、藤原雅経、寂蓮の6人が撰者とされた。いわゆる八代集の最後を飾る。略称は『新古今集』「拾遺集」の後継たるべく編まれた勅撰和歌集であり、勅命は白河天皇で撰者は藤原通俊が執り行った。1075年に勅命を受け1086年完成した。総歌数1218首。 構成は『古今和歌集』を基とし、春、夏、秋、冬、賀、別羇旅、哀傷、恋、雑からなり春の歌といえば梅、桃、桜を詠んだものが多い。春霞を詠んだ歌にも名歌がたくさんある。七十二候の歌が詠まれている。霞は、空気中に浮かぶ埃や細かな水滴により遠くがはっきり見えない現象。万葉の頃には、霧と霞は区別されることがなかったが、平安時代辺りから秋は霧(きり)、春は霞(かすみ)と区別されるようになった。
2022.07.04
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「詞花和歌集は藤原顕輔が撰者」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。『金葉和歌集』は、平安時代後期に編纂された勅撰和歌集。全10巻。『後拾遺和歌集』の後、『詞花和歌集』の前に位置し、第5番目の勅撰集に当たる。略称『金葉集』。撰者は源俊頼。 『詞花和歌集』は、八代集の第六にあたる勅撰和歌集。10巻。1144年6月2日に崇徳院が下命し、藤原顕輔が撰者となって編集した。1150年から1152年の間に成立した。総歌数409首。古写本では『詞華和歌集』と記されている。 『千載和歌集』(せんざいわかしゅう)は、平安時代末期に編纂された。勅撰和歌集で 全二十巻。 『詞花和歌集』の後、『新古今和歌集』の前に撰集され、勅撰和歌集の第七番目に当たる。 略称は『千載集』まずは八代集の説明をし二日後より和泉式部の歌を綴りたい。
2022.07.03
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「撰者は藤原通俊が執り行った」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部集」の研鑽を公開してます。「後拾遺和歌集」は、八代集「古今和歌集」「後撰和歌集」「拾遺和歌集」「後拾遺和歌集」「金葉和歌集」「詞花和歌集」「千載和歌集」「新古今和歌集」「拾遺集」の後継たるべく編まれた勅撰和歌集であり、勅命は白河天皇で撰者は藤原通俊が執り行った。1075年に勅命を受け1086年完成した。総歌数1218首。 構成は『古今和歌集』を基とし、春、夏、秋、冬、賀、別羇旅、哀傷、恋、雑からなり春の歌といえば梅、桃、桜を詠んだものが多い春霞を詠んだ歌にも名歌がたくさんある。七十二候の歌が詠まれている。白河天皇の勅命により編まれた『後拾遺和歌集』は勅撰和歌集の中でも女流歌人の比率が3割と、非常に多いのが特徴でありこちらは実力本位で選ばれ、その中でも最も多い67首が収録されているのが和泉式部の歌だ。
2022.07.02
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「物思いの絶えない身の上だ」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。勝手な事は言えないので、黙って聞いていたが、聞きづらい事を言われる間はしばらく退出していたいと思うが、退出しても嫌な事を言われそうだからそのままお仕えしているが、やはり物思いの絶えない身の上だと思う。宮さまが北の方のお部屋に入ると、北の方は何気ない風にしておられる。宮さまが、本当ですか、女御さまの所へ行かれると聞いたのですが。どうして車の用意もわたしにおっしゃらないのですとおっしゃる。北の方は、あちらからお迎えが来たものですからと言っただけで、後はなにもおっしゃらない。宮の北の方のお手紙や、女御さまのお言葉は実際はこんなものではない、それらしく作って書いたようだと書き写した元の本には書いてある。明日より和泉式部の和歌だけを紹介したい。
2022.07.01
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