今が生死

今が生死

2011.06.26
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カテゴリ: 健康
腎移植に関連して暴力団に金を払ったとして医師が逮捕されましたが、患者がたまたま医師でしたがその患者の主治医だったらの立場で考えてみたいと思います。

腎臓が悪くなると遅かれ早かれ次第に進行し、全く治る治療法は今はありません。蛋白制限などの食事療法などで、その進行を遅らせて天寿を全うする人もいますが、血液透析にお世話になる方が年々増えています。

近年医学の進歩で腎移植が可能になり、透析患者の何割かの方が移植を受けています。生体腎移植は親、子、兄弟などの血縁者、または配偶者から腎臓の提供を受けて移植します。腎臓はひとりに2個あり、ひとつになっても腎臓の機能に問題がないため、1個を取り出してレシピエント(移植を受ける人)の体に移植します。
 提供する側には手術に対する恐怖心などがあり、移植を受ける側にも、提供してくれた相手に負担をかけたという負い目の感情が生ずる場合があります。血縁者又は配偶者となっていますが、養子からはいけないという規定はありません。

以前は血液型が同一との条件がありましたが今は血液型が違っても可能です。したがって誰でも好意で提供してくれる人がいたらOKです。70歳くらいまでOKですが健康で腎臓が悪くない人に限られます。今回のケースでも奥様が提供OKなら問題なかったケースですが患者の方から腎臓くれるかとは中々切り出せないものです。

移植した後免疫抑制剤を服用しますが5年で70%、10年で50%位の人は透析しないで普通に暮らせます。しかも移植は保険適用され費用は数万円程度で済みます。

それなら移植したいとなりますが死体腎の提供が少ない現状があります。提供したいと登録している人はいっぱいいますが死んだ時に連絡して腎臓摘出のため急行してもらう体制が整っていない面があります。生体腎では、提供する側が何となく怖い気持ちがあり、そう簡単に提供しない現実があります。

今回の患者さん(医師)のケースに主治医は様々なアドバイスをしたと思いますがその中に養子縁組の話もあったかもしれません。その相手が暴力団だったというのが今回の事件を大きくしましたが、主治医としてはその患者さんのベストのことを考えて治療しますので移植の選択枝の説明は間違っていなかったと思います。移植は全国ほとんどの大学病院や大きな総合病院、腎臓専門病院で可能です。





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Last updated  2011.06.26 10:41:46
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