今が生死

今が生死

2013.06.28
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カテゴリ: 健康
昔は精神分裂病と呼ばれ、差別的扱いを受けることが多かった病気ですが、呼び名が変わったのを契機に最近人々の中にかなり溶け込んできた病気なのでその概説をしたいと思います。

有病率は1000人に7人位でそれほど珍しい病気ではありません。精神疾患で最も多いのがうつ病ですが、その次が統合失調症で最近急増していると言われる認知症よりも多い数です。

好発年齢のピークは10代後半から20歳代前半です。原因は病気にかかりやすい脆弱性(脳の神経伝達系の障害)が生じているところにその人が対処できる範囲を超えた、心理、社会的ストレスが加わってそれに耐えきれなくて発症すると考えられています。

症状はケースによって異なりますが、典型例ではイライラ、眠れないなどの前触れがあり、その後の急性期には、幻聴、妄想、考えがまとまらないなどの症状が平均6ヶ月くらい続きます。その後意欲の低下、社会生活に支障を生ずるなどが多くのケースで起こります。

最初の精神症状発現から診断治療までの期間は患者さんによって1週間から2年以上と幅があり、この期間が長いとその後の予後が悪いとされていますので、早期発見、早期治療が必要とされています。

治療は内服薬やカウンセリングが中心になりますが、急性期後にある程度の障害が残ったり、再発と寛解を繰り返したりします。完全に良くなって治療を必要としなくなる人はまだそれほど多くありませんが、治療を継続しながら社会生活を送っているケースは確実に増えています。

精神科の専門医に紹介して診療していただくことになりますが、それ以外の科の医師もこの疾患をよく理解して患者さんと心をふれあいながら診療していくことが必要だと思います。
精神科病院で治療を受けながら、肝炎や胃腸障害などで私の外来を受診している人もいますので、精神科のこともよく勉強しながら治療させて頂いています。





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Last updated  2013.06.28 18:10:02
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