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久しぶりにこちらにカキコを。早川圭さんが興味深いことを言っていたので、久しぶりにコメントしてみたたと同時に、こちらでも書いてみようと思います。最近、システムトレードがはやっています。私も、いろいろな紆余曲折があって、ようやく自分流を確立することが出来つつあります。●資金量にあわせた検証作業を行う●小さなロットで仕掛けることが重要だと自分なりに気づいてからは迷いがなくなったのですが、ブログを見ているとまだまだ「迷える人たち」が多いような気がします。そもそも、確率論と統計学の違いが分かっていない発言が多々見られます。それは非常に危険なのですが、典型的には●少ない資金でシステムトレードを始める(例えば、100万円)という行動にそれが表れています。まあ、確率論と統計学は、基礎の部分でもほとんどの人が間違ったことを言っているという、数学の中でもとくに難しい分野だと思いますので、仕方ないのかもしれませんが。多分、「平均」と「期待値」の違いを説明することが出来るのはどのくらいいるかも怪しいと思います。一応、参考までに、以下のページをご覧ください。期待値の定義平均の定義早川圭さんのブログに書いてあった、機械的投資による株式投資を薦められているKAPPAさんが言っているのは全て統計学のほうですね。私が実施しているシステムトレードも、「期待値」ではなくて「平均」です。統計学と確率論をつなぐ肝となる概念は、「全事象が分かっていること」と「無限回の施行を行うこと」です。でも、現実の世界でこの2つが同時に満たされるなんてありえないから、「統計的有意性」で妥協していることになります。実際、現実の株式投資の世界では、期待値という概念は見えないのです。だから、バリュー投資などの有意性やシステムトレードの有意性なども、厳密な「確率論」を適用すると、全て棄却されてしまうのです。もう一方の「統計学」にしても、「統計的有意性」で妥協している以上、その有意性を決定する閾値次第でどうにでもなってしまうのです。だから、「ピーター・リンチが本物かどうか見極めるには70年の成績が必要」といっても、確率論的観点からは「厳密には無限の年数が必要」ということになるのです。統計学の見地からは、それこそ学者の解釈に委ねられてしまいます。極端な話、「ピーター・リンチという人物は、私の研究成果(例えば、効率的市場仮説)にとって不都合なサンプルだから」という本音から、「まだまだ本物というには早すぎる」ということを、統計的有意性の閾値を変えるだけで結論付けることも可能なのです。しかし、実際にそんなことを言ってもしょうがないと思います。人生は有限ですし、確率論や統計学にそのような欠陥があるのですから、そこは一定程度の妥協が必要ということになります。経済学の世界の学者というのは少なからず、このような統計的有意性を自分の都合の良いように解釈する傾向が強いので、注意しないといけないません。
2006年08月24日
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先日の日記において、シグナルだけを出しておいて、結果の検証がないというのはよろしくないと思ったので、確認をしたいと思います。結果は、平均して3.2%のリターンということでした。(ちなみに、勝率は76%)銘柄によってまちまちですが、急落銘柄の逆張りシグナルが多数出てきたこの日はめでたく利益が出たことだけは確認できました。また、TOPIXは、7/19 始値 1,479.817/20 始値 1,497.54リターン 1.2%でしたから、それよりは良かったです。ちなみに、こちらに書いてあることと同じものです。
2006年07月21日
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新しい日記にも同じ内容を書いたので、こちらにも。逆張りシステムに引っかかった銘柄がなんと195銘柄もありました。今回は、その銘柄を以下に掲載しておきます。(最終的な投資判断は、自己責任でお願いします。)1515 日鉄鉱業1518 三井松島産業1754 東新住建1813 不動建設1821 三井住友建設1839 真柄建設1863 テトラ1872 アゼル1880 スルガコーポレーション1889 佐伯建設工業1919 エス・バイ・エル1924 パナホーム1995 鈴木工務店2107 東洋精糖2321 ソフトフロント2330 フォーサイド・ドット・コム2337 アセット・マネジャーズ2347 アイ・ビー・イー2350 オックスホールディングス2355 シーフォーテクノロジー2371 カカクコム2373 ケア212385 総合医科学研究所2388 ウェッジホールディングス2389 オプト2399 綜合臨床薬理研究所2402 アマナ2450 一休2459 アウンコンサルティング2468 フュートレック2471 エスプール2476 テンプスタッフ2477 比較.com2656 ベクター2665 ネクストコム2667 イメージ ワン2725 ITX2732 クインランド3104 富士紡績3107 ダイワボウ3113 BSL3202 大東紡織3204 トーア紡コーポレーション3311 アップガレージ3315 三井鉱山3330 アガスタ3334 イーネット・ジャパン3356 テリロジー3403 東邦テナックス3433 トーカロ3713 ネットマークス3715 ドワンゴ3726 SDホールディングス3730 マクロミル3732 イーウェーヴ3738 テレパーク3750 セブンシーズホールディングス3751 ジー・エフ3756 豆蔵3758 アエリア3768 リスクモンスター3776 ブロードバンドタワー3777 ターボリナックス3780 メビックス3782 ディー・ディー・エス3783 ナノ・メディア3785 エイティング3786 テレビ東京ブロードバンド3798 ウルシステムズ3800 ビーエスピー4007 日本化成4022 ラサ工業4041 日本曹達4047 関東電化工業4064 日本カーバイド工業4065 紀文フードケミファ4271 日本カーリット4281 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム4287 ジャストプランニング4293 セプテーニ4295 フェイス4296 ゼンテック・テクノロジー・ジャパン4304 Eストアー4308 Jストリーム4316 ビーマップ4320 シーエスアイ4347 クラビット4350 メディカルシステムネットワーク4355 日本ロングライフ4401 ADEKA4518 富山化学工業4651 サニックス4686 ジャストシステム4700 アクセス4712 アドアーズ4745 東京個別指導学院4751 サイバーエージェント4764 デジタルデザイン4771 エフアンドエム4772 デジタルアドベンチャー4776 サイボウズ4779 ソフトブレーン4788 サイバー・コミュニケーションズ4794 デザインエクスチェンジ4797 アイ・シー・エフ4800 オリコン4815 ジャパン・デジタル・コンテンツ信託4820 EMシステムズ4823 サイバード4831 オープンループ4835 インデックス・ホールディングス4848 フルキャスト4974 タカラバイオ5352 黒崎播磨5393 ニチアス5445 東京鐵鋼5471 大同特殊鋼5481 山陽特殊製鋼5631 日本製鋼所5632 三菱製鋼5727 東邦チタニウム5912 日本橋梁6242 日本スピンドル製造6277 ホソカワミクロン6330 東洋エンジニアリング6362 石井鐵工所6369 トーヨーカネツ6375 日本コンベヤ6379 新興プランテック6445 蛇の目ミシン工業6463 帝国ピストンリング6474 不二越6517 デンヨー6622 ダイヘン6659 メディアグローバルリンクス6675 田村大興ホールディングス6677 エスケーエレクトロニクス6720 プリヴェチューリッヒ企業再生グループ6766 宮越商事6769 ザインエレクトロニクス6771 池上通信機6791 コロムビアミュージックエンタテインメント6881 キョウデン7518 ネットワンシステムズ7595 アルゴグラフィックス7724 金門製作所7736 ユニオンホールディングス7748 ホロン7835 ウィズ7844 マーベラスエンターテイメント7860 エイベックス・グループ・ホールディングス7937 ツツミ7952 河合楽器製作所7954 ジャレコ・ホールディング7995 日本バルカー工業8029 ルック8175 ベスト電器8258 オーエムシーカード8260 井筒屋8338 関東つくば銀行8404 みずほ信託銀行8424 芙蓉総合リース8458 エヌ・アイ・エフ SMBC ベンチャーズ8562 福島銀行8563 大東銀行8585 オリエントコーポレーション8628 松井証券8703 カブドットコム証券8704 トレイダーズ証券8742 小林洋行8746 第一商品8767 ウェブクルー8834 藤和不動産8835 太平洋興発8839 ニチモ8840 大京8869 明和地所8888 クリード8901 ダイナシティ8902 パシフィックマネジメント8923 東誠不動産8941 レイコフ8942 シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ8947 ノエル9123 太平洋海運9318 ジェイ・ブリッジ9378 ワールド・ロジ9424 日本通信9435 光通信9448 インボイス9449 GMOインターネット9514 ファーストエスコ9609 ベンチャー・リンク9712 トランスデジタル9982 タキヒヨーっていうか銘柄多すぎ!どれを買おうかな?
2006年07月18日
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久しぶりの日記になります。最近、ずっとロットを落としてシステムトレードを仕掛けています。仕事が忙しいので、シグナルが出ている銘柄を前日の夜に(朝の寄付で)発注していて、昼間は全くといっていいほどマーケットを見ていないのですが、それが結果的にはいいようです。システムトレードを継続させるためのコツとして、「ロットを小さくして仕掛ける」「昼間にマーケットを見ない」が挙げられます。しかし、最初のころはなかなか実行できませんでした。なぜ出来なかったかというと、「仕掛けるロットが大きかった」とか「昼間にマーケットを見すぎていた」のだということにはっきりと気づきました。実際、ロットが大きいと、ポジションがどうなっているのかを常に確認しなければならなかったり、それによって、損失を恐れてシグナルどおりの売買が出来なかったりしたこともあったというところがありました。あと、昼間にマーケットを見たところでルールでは場中に手仕舞うことはないのだから、かえって害になるのだということです。熟練のシステムトレーダーにとっては当たり前なんでしょうけど、システムに従うことの難しさを意外な形で知ることができたというのが正直なところです。そういう意味では、「コンピュータに自動発注させる」とか「他人(例えば、奥さんとか)にデータだけを渡して、自分は発注しない」ということも、誤発注リスクさえなければ、実はその方が良いかもしれません。「良いシステムなのに、そのシステムに従えない」ということを回避するための一案ですが、いかがでしょうか?
2006年06月24日
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ここ数日間、シグナルを無視していたのですが、明日はロットを小さめにして買いに行こうかと思います。
2006年06月01日
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中途半端な下げが続いていて、シグナルが出るには出るんですが、はっきり言って仕掛ける気が起こらないですね。今日もいくつかシグナルが出るでしょうけど、仕掛けません。5月のシステムトレードは若干のマイナスですが、完全にシグナルどおりに仕掛けていればそれよりは多くやられています。私の場合、資金管理の問題から1日決済型の逆張りなのですが、持ち越しの逆張りをやっているとさらに苦しいと思います。反発力が弱くて利食いできるチャンスが少ないからです。システムトレードだからきっちりとシグナルどおりにやるのが筋なのかも知れませんが、個別銘柄の株価変動だけが検証材料ですから、瞬間的な需給を把握するのに不十分なのです。ましてや、昨今の相場は信用倍率が高いですし、相場変動に付和雷同する初心者の急増による追随買いや追随売りによって相場が一方向に行きがちです。かなり検証をやったつもりの私でもきつい相場ですから、大した検証もやらないでいきなり逆張りをやった人が相当にやられているというのは、想像に難くありません。今日に関して言えば、私のシステムではおそらく30銘柄~50銘柄くらいのシグナルがでるのではないかと思いますが、パニック売りが来てシグナル数が3桁になったときに限って仕掛けるくらいがちょうど良いのではないかと考えております。
2006年05月30日
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3日間ほど逆張りシグナルが続いたので、各10銘柄~15銘柄ほど仕掛けておりました。1日目:負け(▲57)2日目:勝ち(+44)3日目:勝ち(+24)というわけで、僅かながらお小遣いを稼いだ程度の勝ちでした。最近は、逆張りのロットも落として勝負しているので、勝ち幅が少なくなってもまあ良いかという感じです。個人投資家のマインドが低下したとはいえ、まだまだという感じが個人的にはしますので。それよりも、大量シグナルが出たときに備えたいと考えております。最近、何かと忙しいので、このあたりで留めたいと思います。
2006年05月22日
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シグナル大量発生につき、明日は仕掛けます。ただ、新興市場はパニック売りが多そうなので、東証一部銘柄を中心に行きたいと思います。
2006年05月16日
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かなり前からうすうすと感じてはいたのですが、最近になって確信するようになったことがありますので、今回はそれを書いてみたいと思います。あくまでも、システムトレードで成功するための一つの考え方であるという点を踏まえた上でご覧いただければと思います。世の中には無数のトレーダーや投資家がいます。*長期の人、短期の人*分散の人、集中の人*システムの人、裁量の人などなどです。どの組み合わせにおいても、勝つ人もいれば負ける人もいます。そんな中で、「システムを選ぶということは何なのか?」を突き詰めたとき、それは「自己裁量による意思決定の否定」という側面が多分にあるのではないかということです。これは、アメリカの優秀なシステムトレーダーへのインタビュー記録である「マーケットの魔術師・・・システムトレーダー編」においても、登場する何人かのシステムトレーダーが認めているところです。それらのシステムトレーダーは一様に、「意思決定としてシステムを採用するのは、人間の心理面から自己裁量で勝ち続けることは難しいからである」と考えているのです。もちろん、システムに自己裁量の余地が厳密に全くないというわけではありません。有効なシステムを開発する段において、パラメータ設定等の部分で自己裁量が入っているといえばそのとおりでしょうし、諸制約(主に、資金量の制約)から自己裁量で銘柄を選り分けなければならない部分もあるでしょう。とはいえ、システムトレードは裁量トレードに比べれば自己裁量の余地が小さいことだけは間違いありません。裁量トレードはいくつかの点で非常に魅力があると思いますが、ここでは2つだけ上げてみたいと思います。(1)得られるリターンがシステムトレードよりも大きいあくまでも、凄腕トレーダーを前提とした話ですが、非常に高いパフォーマンスを上げたということで話題にのぼるトレーダーの多くは(システムトレーダーではなく)裁量トレーダーです。(2)意思決定を全て自分で行っているという満足感が得られるこれは、何者にも代えがたい満足感でしょう。現実の社会(例えば、企業組織など)においては、自分の意思決定が通らないことが多いことを考えると、自己実現のために裁量トレードを行うのはそうしたストレス発散のためにも有り得ます。もちろん、そのような行為に経済的合理性がないのは言うまでもありませんが、人間が経済的合理性だけでは動かない動物であることを踏まえると、十分な説明力ではあると思います。以上のような裁量トレードの魅力を振り払って、あえてシステムトレードを選択して成功するためには、「自己裁量による意思決定の否定」、すなわち、「自分はヘタクソである」ことを認めることがポイントになるのではないかという結論に至ったのです。そして、私自身も例外ではなく、過去のトレード記録や投資記録を冷静に振り返ってみると、思い当たるフシが多々あるのです。トレードの話題に限定するならば、かつて、株価指数先物や株価指数オプションを裁量でトレードして大損をした経験がそれに当てはまるのではないかと思います。これは、5年以上も前の話ですが、今回の日記のような結論に行き着くにあたって、あながち無関係な事実ではないと感じております。つい最近までは、「その当時はトレード技術が未熟だった」と考えていたのですが、実際にはそうではなく、「そもそも本来的にヘタクソなんだから自己裁量でやってはいけない」と考えたほうがしっくりくると感じるようになったのです。ここで、誤解して頂きたくないのは、「ヘタクソであると自認する = トレードや投資で儲けられない」ではないということです。「投資やトレードで勝つために最も必要な素養は何か?」と言われれば、(昔の私ならばともかく)今の私であれば、「自分のことをよく知っていること」と言うでしょう。そして、もし「自分がヘタクソであればそれを踏まえた上で戦略を練る」ということが最重要なんだとも思います。「自分がヘタクソである」ことを認めるのは勇気が要るかも知れませんが、それによって投資で利益を得るための道が閉ざされるわけではないと思います。むしろ、投資の世界においては、本当はヘタクソなのかもしれないのにそれを認めようとしないことで払う代償のほうが大きいのではないかと思います。また、システムトレードと裁量トレードの両方を併用して良いパフォーマンスを上げることができるトレーダーもいるかもしれませんが、私がそれを行うと最悪の結果が生まれるのではないかとも感じております。
2006年05月03日
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すみません。いろいろとやることが多かったものでして。久しぶりに、システムトレード関連の進捗状況を報告したいと思います。4月から導入した逆張りシステムですが、先月は逆張りがものすごく機能したこともあり、良好な運用成果となりました。今後は、シミュレーションベースの結果をフリーページにアップしておきたいと思います。実ファンドの運用結果でも良いのですが、システムがきちんと機能しているかどうかをまずは重視したいので、シミュレーションベースの結果を表示させることにしました。結果を見る際に以下の点にご注意ください。(1)シミュレーションの結果と実ファンドの結果が必ずしも一致しているとは限りません。しかしながら、両者の結果が大きく異なるということは私自身がシステムから発生する売買ルールを守っていないということですので、それはシステムの問題というよりは、トレーダーたる私自身の問題であるということになります。(2)シミュレーションの結果だけでは把握することができない諸々の潜在的リスクについては、私が想定している限りにおいては万全を期しているつもりではありますが、それでも見落としているリスクが存在しているかもしれません。(3)1992年1月~2006年3月末までの約14年3ヶ月間のバックテスト結果として有効なシステムを実際の運用に採用しておりますが、過去のパフォーマンスが将来のパフォーマンスを保証するものではありません。したがって、環境の変化等の理由で有効でないと私自身が判断したならば、システムの運用停止に踏み切る可能性はあります。
2006年05月02日
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またもやご無沙汰です。今回は2本立てでお送りします。1.システムトレード開始4月からシステムトレードを本格的に開始することになりましたので、この場でご報告しておきます。(シグナルが発生していないので、まだ売買なしです。)既にご報告しているように、ベースストラテジーは逆張りです。(前回までに示したルールに若干チューンアップしたものを使っております。)資金管理の問題も含めた検証が終了したので、はじめは小さな建て玉ではじめたいと考えております。売買履歴についても、事後的にはなりますが、定期的にフリーページにアップしていきたいと考えております。それによって、「システムがどのようにワークしているのか?」「ルールを守ったトレードが出来ているか?」などを振り返ることができるからです。2.破滅願望についてとある投機系サイト(投機だけではなく投資についても詳しいサイトです)を閲覧していたところ、「破滅願望」についてかかれておりました。そして、私も思うところがあり、かつて読んでいた「マーケットの魔術師」を読み返していたところ、スーパートレーダーであるエド・スィコータの言葉を思い出しました。「人は相場から手に入れたいものを手にしている。」リターンに見合わない過大なポジションというのは、その人が持つ潜在的な「破滅願望」(エド・スィコータは「刺激」と表現している)があるのではないかということを感じ取りました。これについては、私も詳細を突き詰めていきたいと思っており、投資やトレードで最も重要な要素である「退場させられないこと」を今まで以上に重視していきたいと改めて考えた次第です。
2006年04月06日
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今回は、パイロン(あるいはオメガチャート)のような株式の個別銘柄のシステムで「条件にあう銘柄は全て売買する」という、資金制約を無視したソフトウエアでシステムを構築しようとしている方にとっては最も重要な問題の一つではないかと思います。前回の表は、あくまでもパイロンによって出された「シミュレーション上の」結果をEXCEL上で集計した結果に過ぎません。これがシステムトレードの最終的な指針にならないことを今回はお話したいと思います。それを確認するためには、トレード日ベースでの損益状況とトレード数などの把握が必要になります。これを実施することでシミュレーション上の結果と実トレードとのギャップを埋めることが出来ます。データ数が多くなる関係上、今回は2006年2月のトレードデータのサマリーだけを示すことにします。<表1>2006年2月のシミュレーション上の結果表の見方ですが、2月1日のトレード数は1、その損益は-27000円となります。くどいようですが、1トレードあたりの予算をここでは100万円と設定しております。2月の「シミュレーション上の」月間損益は約3177万円のプラスであり、総トレード数が843トレードであることも分かります。しかし、これはトレーダーの資金制約を全く無視したものであり、実トレードに耐えられるシステムにするためにはもう一段階のデータ加工が必要です。例えば、(必要ならば信用取引枠も含めて)システムトレードに使える予算が2000万円しかないトレーダーを想定します。上記のシミュレーションでは1トレード100万円と仮定しておりますから、このトレーダーが保有できるポジションは最大20銘柄までです。今回は持ち越しを前提としないシステムなので、日々のトレードに必要なトレード予算は トレード数×百万円です。このような資金制約を考えると、上記の表における2月14日・・・236トレード2月15日・・・32トレード2月20日・・・114トレード2月21日・・・386トレードは実行不可能であることが分かります。例えば、2月14日はシミュレーション上では236トレードとなっておりますが、実際には20トレードしか出来ません。すなわち、この4日間についてはデータの補正が必要になるのです。補正のやり方ですが、実トレードでは何らかの優先順位をつけて20銘柄に絞るルールが必要になるのですが、過去のパフォーマンスを計るという意味では「平均値が実現した」と仮定するのが良いのではないかと思います。例えば、2月14日の場合、以下のように補正します。(10,629,483円÷236トレード)×20トレード=900,804円2000万円という資金制約を考慮した場合、2月14日は90万円の利益という計算になるのです。これはシミュレーション上の利益1062万円と大きな開きがあるのは明らかです。このような補正を行った結果が以下の表です。<表2>資金制約2000万円を考慮した2006年2月の結果すると、2000万円という資金制約を考慮した場合の2月の月間損益は193万円の損失になるのです。このように、パイロンのシミュレーション上では利益になっているはずなのに、資金制約を考慮すると損失(あるいは、利益幅が小さくなる)という可能性は十分に有り得るのです。前回の日記に示した数値結果がシステムトレードの最終的な指針にならないといったのはこのような理由からです。これを踏まえた上で、構築したシステムを採用すべきか否かを決める必要があります。
2006年03月26日
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ずいぶんとご無沙汰になりましたが、前回の続きを取り上げたいと思います。3日連続下落の逆張りシステムをパイロンで検証したところ、シミュレーションベースでの統計値(平均損益、勝率)を見る限りでは、良好であることが分かりました。詳細は、前回と前々回の日記をご覧下さい。しかし、この統計値だけで判断していきなり運用を開始してよいかというと、それは違います。むしろ、これからのほうが重要なのです。その重要なことを知るためには、全トレードデータをCSVファイルに落とすことから始まります。そして、そのCSVファイル形式で落とされた全トレードデータをEXCELのワークシートで分析することになります。パイロンから取得できるCSVファイルでは、全トレードデータについて、以下のような項目が落とされてきます。A列:コード・・・トレードした銘柄の証券コードE列:日付・・・トレードを仕掛けた日付F列:価格・・・トレードを仕掛けた価格G列:株数・・・トレードを仕掛けた株数K列:日付・・・トレードを手仕舞いした日付L列:価格・・・トレードを手仕舞いした価格M列:株数・・・トレードを手仕舞いした株数R列:損益・・・トレードした損益金額この中で何が重要であるかですが、分析上最低限必要なデータはE列:日付・・・トレードを仕掛けた日付K列:日付・・・トレードを手仕舞いした日付R列:損益・・・トレードした損益金額の3項目です。実際、今のところ、これ以外のデータは使用していません。さらに、持ち越しを前提としなければ、K列は不要です。これを基に加工・分析を行うことで、(シミュレーションベースではなく)実トレードベースでの損益状況や潜在的リスクを把握することが可能になります。検証すべき項目は多数ありますが、まず行うべきことは、トレード日ベースでの損益状況やトレード数の把握です。トレード日ベースでの損益状況やトレード数の把握を行うことができれば、月間ベースや年間ベースでの損益状況やトレード数の把握も容易です。そのためには、EXCEL関数の「SUMIF」や「COUNTIF」を利用することになります。分析する際には、E列(すなわち、トレードを仕掛けた日)をキーに並べ替えをすると便利だという点を強調しておきます。ここでは、前回の3日連続下落の逆張りシステムの結果のみを示したいと思います。また、トレード日ベースではデータ数が多すぎるので、月間ベースや年間ベースの数値にとどめたいと思います。その結果は以下のとおりです。<表1>トレード損益合計 <表2>トレード数合計 <表3>平均損益<表4>勝率<表5>プロフィット・ファクター表の見方ですが、1992年1月のトレード損益は-5315円、トレード数は15トレード、平均損益は-354円、勝率は40%、プロフィット・ファクターは0.96であるという意味になります。なお、売買コストは考慮していません。この表を見ると、コスト控除前ベースで1992年~2006年の15年間について、15年間負けなしであることが分かります。平均損益/勝率/プロフィット・ファクターもそれなりであることが分かります。だからと言って、「それなら問題ないから今すぐ始めよう」ということではありません。この数字を鵜呑みにして運用をするのは危険です。何が問題なのでしょうか?それは、パイロンの前提条件にあります。パイロンは資金制約を全く無視しております。したがって、資金に制約があるトレーダー(すなわち、私も含めた殆どの人たち)にとって、このシミュレーション上の数字はシステムトレードの最終的な指針にはなりません。これについては、次回以降にとりあげていきたいと思います。
2006年03月25日
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前回は、3日連続下落の逆張りシステムについて紹介し、パイロンから出力される統計値も表示しました。投資期間:1992年1月1日~2006年2月28日総トレード数:15264勝ちトレード数:10243負けトレード数:5021勝率:67.11%平均損益:22126円(1トレードあたりの期待値は約2.21%)平均保有日数:1.42日全期間で見ると上記のような結果となり、システム構築上の最低条件である「平均損益がプラス」という条件はクリアしています。そして、「勝率はそこそこ」「平均保有日数も短い」という結果も得られました。だからといって、「これで実際に運用してみよう」というのはまだまだ早計であり、検証すべきことは山ほど残っています。それは、構築したストラテジーに基づいた全てのトレード履歴のデータをCSVファイルにダウンロードし、エクセル(マイクロソフト社)を使って加工したり分析したりする作業です。パイロンでは、構築したストラテジーに基づいた全てのトレード履歴のデータをCSVファイルでダウンロードする機能があります。ダウンロードしたCSVファイルを開くとエクセルが立ち上がります。エクセルによる加工作業・分析作業がパイロンによるバックテスト結果をさらに吟味するためには不可欠であり、これが出来ないということであれば、実際の運用システムまで構築が出来ないと言っても過言ではありません。なぜならば、これまでもさんざん言いましたように、パイロンのバックテスト結果というのは「スクリーニングに引っ掛かった銘柄は全て購入することが出来る」ということを仮定しておりますので、予算制約を考慮した資金管理は分析者が別途やらなければならないからです。したがって、システムの構築に当たって、パイロンのバックテストが終了した直後に出てくる「サマリー画面」(私が上記に示した統計値の羅列)だけしか見ていないというのでは不十分なのです。CSVファイルをダウンロードして、それをエクセルを使って加工・分析が出来なければ、実際の運用に持っていくというのは無謀な試みであると言わざるを得ません。CSVファイルのダウンロード方法は、パイロンのヘルプ「ストラテジーエディタ」→「レポートリスト」に記載されていますので、そちらをご参考ください。次に、CSVファイルをどのようにして利用してエクセルで分析するかについてですが、ここで全てを詳細に説明するのは難しいのですが、エクセルのデータベース関連の関数である「SUM」「SUMIF」「COUNTIF」などを利用する必要があるということだけを述べるに留めておきます。これらを利用することで、「年間ベースの損益状況やトレード数」「月間ベースの損益状況やトレード数」「トレード日ベースの損益状況やトレード数」などを把握することができ、さらなる発展的な検証作業ができることになります。逆にいうと、この作業なしでパイロンを使ったバックテスト結果に基づいて実弾で運用するというのは、資金管理面で必ず致命的な壁にぶち当たることになるかと思います。可能であれば、このサイトでもエクセルによる分析方法について説明したいと思うのですが、当面は、ある程度エクセルが使いこなせるという前提条件の下で、次のステップ以降の検証作業についての話をしていきたいと思います。
2006年03月15日
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前回までの日記で、「持ち越しを前提としたシステムを構築するのは、資金管理面を考慮すると難しいのではないか?」という結論に至りつつあります。すなわち、今私が考えているのはもっぱら「1日で決済することを前提としたシステム」です。(始値→次の日の始値、終値→次の日の終値、という意味であり、いわゆる「デイトレード」のことではない。)この「1日で決済することを前提としたシステム」を採用した場合、バックテストでやれることもたかが知れております。恐らくですが、「急落銘柄のリバウンド」か「強い銘柄のギャップアップ」のいずれかしかないのではないかと思います。これ以外のテクニカル指標をこねくり回しても大した結果は出ないのではないかというのが私の見解です。そして、「急落銘柄の逆張り」についてはいくつかのアイデアがありますので、今回はそのシステムの一つを紹介しながら、これまでのシステム構築のプロセスをまとめてみたいと思います。採用しているルールは以下のとおりです。(このルールに至るまでにいろいろな紆余曲折があったのですが、それは順を追って説明します。)1.対象銘柄東証1部、東証2部、JASDAQ、東証マザーズ、ヘラクレス(パイロンで扱うことの出来る銘柄全て)2.株価と出来高に関する制約(1)直近10日間の平均売買代金が1000万円以上(2)直近10日間で出来高ゼロの日がない(3)株価100円以上3.買いシグナルの条件(1)0日前の終値が1日前の終値より下(2)1日前の終値が2日前の終値より下(3)2日前の終値が3日前の終値より下(4)ROC(1日)が-7%より下4.仕掛けルール(1)翌日の始値(成行注文)(2)1トレード100万円の定額売買(売買単位考慮)5.決済ルール(1)仕掛けから1営業日後の始値(成行注文)(2)バックテストの最終日にある銘柄は終値決済6.その他手数料はゼロとして計算(利用する証券会社によって異なるため)「パイロン」を使うと上記のルールに基づいたバックテストは非常に簡単で、そのルールが有効であるか否かはすぐに検証できます。ちなみに、1992年1月~2006年2月までのデータでバックテストを実施すると以下のような結果が得られます。この結果はパイロンのサマリーで確認できます。総トレード数:15264勝ちトレード数:10243負けトレード数:5021勝率:67.11%平均損益:22126円(1トレードあたりの期待値は約2.21%)平均保有日数:1.42日最近はIPO銘柄や市場の鞍替えが多いせいか、銘柄グループの構築の関係で若干異なる結果が出る可能性はあるかも知れませんが、それほど大きく異なる結果になるとは考えられません。(ちなみに、私はパイロンを昨年11月の中旬に購入しており、ただ単に「面倒くさい」という理由でそれ以降、銘柄グループを再構築していません。)これだけを見て「これはすごい!明日からでもやってみよう!」と思うのは、相当オメデタイ人です。私もそうでした(笑い)。私の場合は、師匠のDVDに掲載されていたシステムだったのですが、資金管理上の制約からすぐに実施できないと判断したのです。1月中旬のライブドアショックが起こったときに実験的にトレードを行って分かったことです。したがって、パイロンによるバックテストの結果が良かったからといって、それだけでいきなり運用を開始してはいけません。まだまだ確認しなければならないことがたくさんあります。この続きは次回以降とさせていただきます。
2006年03月12日
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前回の続きを、事例で考えてみたいと思います。パイロンのバックテスト結果から実際の運用にシフトさせる場合、 「翌日以降に出てくるシグナル数がいくつになるか分からない」ことを前提に適切なポジション取りをしなければなりません。そして、これが思いの他に厄介であることをご確認できればと思います。***************************<事例>トレード予算の上限は2000万円で、標準的なトレードロットは100万円/1銘柄とします。本日は2月1日です、この日のシグナルは5銘柄でした。この銘柄にいくら投資するべきでしょうか?日付 シグナル数2月1日 5***************************ここでは、持ち越しを前提として標準的なトレードロットどおりにポジションを作るとします。すなわち、5銘柄なので使用する予算は500万円であり、トレード予算の残りは1500万円です。***************************この状態で次の日、また、次の日になったとします。(ここでは、保有中の5銘柄の損益は特に問題視しないことにします。)翌日以降のシグナル数が以下のようになった場合、どう対応すべきでしょうか?日付 シグナル数2月2日 20***************************シグナルとして20銘柄出て、現在5銘柄保有している状況です。持ち越しを前提とした場合、資金管理として以下の2パターンが考えられるかと思います。(1)何らかの銘柄選択ルールを作って20銘柄から15銘柄を選択して、残りの5銘柄は切り捨てる。(2)トレード予算1500万円でシグナルが出た20銘柄を均等に買い付ける。すなわち、2回目の買い付けは1銘柄75万円。資金配分案(2)はアンバランスなので、あまり好ましい状況とは言えません。とはいえ、資金配分案(1)もすんなり受け入れられるかどうか微妙です。2月1日に建てた5銘柄と2月2日に建てた5銘柄の魅力度を全く確認できないからです。しかしながら、ここでは資金配分案(1)を採用したとして、トレード予算を使い切ったとします。***************************この状態で次の日のシグナル数が以下のようになった場合、どう対応すべきでしょうか?日付 シグナル数2月3日 50***************************結論から言うと対応も何もありません。持ち越しを前提としていて、かつ、トレード予算がないので、2月3日に出てくる50銘柄というシグナルには全く対応できないことになります。1月のライブドアショックや、2月の新興市場の暴落時で起こったのは、まさにこのような現象でした。そして、厄介なことにシグナルが大量発生する日が続いてそれに基づいた売買をしていると、「後から振り返ればこの日がセリングクライマックスで、この日に仕掛けることができれば簡単に利食いすることができたのに」という「大切な日」には、既にトレード予算を使い切っているということが起こってしまうのです。そして、もう1つ重要なことは逆張りによるシステムトレードの期待値は、事前には決して予測できないこの「大切な日」によって多分にかさ上げされているという事実です。もし、予算制約上、この「大切な日」にトレードができないということであれば、パイロンのバックテストの結果から得られる「期待値」はかなり割り引かなければなりません。少なくともバックテストの結果と実弾の結果は資金管理という側面を見ただけでかなり乖離が生じる可能性があることだけは肝に銘じておかなければなりません。さらに、このようなケースで大きな含み損を抱えているとメンタル面でつらいことに加えて、もし多大なレバレッジを活用してこのようなストラテジーを策定しようものならば「大切な日」に追証が発生して、本来であれば絶好の買い時に逆に大量の損切りをするという最悪の事態にも陥りかねません。持ち越しを前提にしたストラテジーだと「予算を使い切った後に『大切な日』を迎えてしまう」ということに気づいた私は、1日決済タイプの逆張りシステムを考案する必要があるのではと考えた次第です。ちなみに、持ち越しを前提としない場合、*資金配分案(1)・2月1日 5銘柄×100万円・2月2日 20銘柄×100万円(2月1日の5銘柄は決済。)・2月3日 20銘柄×100万円(2月2日の20銘柄は決済。50銘柄のうち、20銘柄を選択。)ということも可能ですし、*資金配分案(2)・2月1日 5銘柄×200万円(銘柄が少ないので、1銘柄の投資額を多めに。)・2月2日 20銘柄×100万円(2月1日の5銘柄は決済。)・2月3日 40銘柄×50万円(2月2日の20銘柄は決済。銘柄が多いので、銘柄分散を実施。)ということも可能です。次回は、私が考案中のシステムについて取り上げていきたいと思います。
2006年03月03日
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これまでいろいろ悩まされていたシステム構築の問題点について、ここ数日の間で急速に解決へ向けて進んでおりますので、それについてご報告したいと思います。現状は、「パイロン」というソフトウエアで良い売買システムを構築できないかを検証していますので、このソフトウエアをお持ちの方でなければ今回の一連の話の流れがわかりにくいかもしれませんが、その点はご了承ください。既に何度かお話したように、私は短期の逆張りシステムを開発しています。その逆張りシステムですが、バックテスト上は有効だと考えられるものを開発しております。そして、そのバックテストから得られる「平均損益(期待値)」「勝率」「プロフィットファクター」などは申し分ないのですが、そこからを実弾で運用する際に最も重要要素の一つである「資金管理」に関して必ず壁にぶち当たってしまうのです。これは、パイロンのバックテスト環境が、(1)スクリーニング条件に合う銘柄を全て売買すると仮定している(2)同じ銘柄について同方向のシグナル(買いシグナル、もしくは、売りシグナル)が連発した場合、その銘柄を保有している限りは、2度目以降のシグナルが無視されるとなっていることに起因しています。それぞれの問題点は以下のとおりです。(1)について:これは、資金量に限りがあるトレーダー(私も含めて、殆どの人がこの制約にぶち当たるかと思います)を配慮していないということで、資金管理はパイロンとは別に自らが考えなければならない問題であるということを示唆しております。(2)について:これは、連発するシグナルでは必ず初日で買うということを意味するのですが、それ以外にも「シグナルが連発したときナンピンすべきかどうか」とか「最初の仕掛けは少なめにして次のシグナルに備えるべきかどうか」という可能性を検証出来ないことを意味します。バックテスト上の結果だけで実際の運用に踏み切ることが出来ない根本的な原因が資金管理にあるのは明らかなのですが、今まではそれに対する具体的解決策がなかったのです。しかし、(1)と(2)の問題点を受けて私なりに考えたとき、以下のような考えに至りました。それは、「ポジションを何日も持ち越すことを前提にしたストラテジーだと、システマティックな資金管理ができないのではないか?」ということです。これについては、次回以降に事例を用いて説明したいと思います。
2006年02月28日
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前回、「ファット・テール(fat tail)現象」の日記を書いてから、「今の私にシステムトレードは無理か?」と考えていたのですが、あるトレーダーからいくつかのアイデアを貰ったのでそれを検証するとともに、私のほうでも何か解決の糸口はないかと考えていました。現在研究中である個別銘柄のシステムトレードの実行を困難ならしめている事実を整理すると以下のとおりです。(1)メンタル・コントロール逆張りという心理的に最も恐怖を感じるところで仕掛けて、その後の価格変動でもルールを破らないこと(2)資金配分個別銘柄の逆張りシステムにおいて出てくるシグナルの数がばらばらであることに伴う、効果的な資金の配分に関するルール整備(3)銘柄選択ルール資金量に限りがあることに伴う、大量のシグナルが発生時の仕掛け銘柄の優先順位に関するルール整備(4)ファット・テール現象統計的平均値を享受する途中の過程で、逆張りで仕掛けた銘柄がさらに急落し、強制的に(もしくは、心理的に)損切りをせざるを得ないという事態に陥ることへの対応策(1)は私自身のことなのでこればかりは私が強くなるしかないのですが、(2)~(4)、特に(4)をどうするかが非常に重要になってきます。(4)の問題を解決することなしにシステムトレードを行うと破産するからです。2月は月中であれほどの下げがあったにも関わらず、バックテストはプラスであったことから、結果的には(実現損益ベースでは)逆張りが有効であったことに変わりはなかったのですが、途中の急落局面で大きな含み損を抱えることから、この問題をどう考えるかが不可欠となった次第です。そんな中、検証を前向きにするためのヒントが1月末から2月20日までの主要指数の推移にありました。2月20日とは、今月の急落局面の大底です。*主要指数の推移(1月末から2月20日まで)TOPIX・・・・・・・・▲8,1%JASDAQ指数 ・・・・・▲17.3%ヘラクレス指数 ・・・▲29.5%当たり前ですが、「東証1部と新興市場ではボラティリティが違いすぎる」ということです。これは、「東証1部の銘柄のほうが全般的に事業基盤がしっかりとしている」「東証1部の銘柄は機関投資家が中心で、新興市場の銘柄は個人投資家が中心である」ことなどが原因ではないかと思います。さらに、最近は、個人投資家でも信用取引が容易にできるようになっているので、その信用拡大と信用縮小の影響で、時価総額の小さい新興市場銘柄が上にも下にも行き過ぎる原因になっているのではないかとも感じています。このことから、(1)同じ逆張りシステムでも東証1部と新興市場では仕掛けの基準となるパラメタを変える措置が不可欠である。ボラティリティ別に仕掛け基準のパラメタを変更できるとなお良い。(2)多少期待値が落ちてもやられが少ない東証1部銘柄だけでシステムを構築するもの悪くないかもしれない。これは、全銘柄だと仕掛けシグナルが大量に出すぎて資金量的に対応できないという問題も緩和できるメリットがある。ことが分かりました。これらを踏まえた上で、さらなる検証を進めていきたいと思います。
2006年02月26日
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株式投資における統計学的なリスク管理として考えなければならない現象として、「ファット・テール現象」というものがあります。英語では「fat tail(太い尾)」と書きます。これは「リターンの推移が定常的である」ことを前提にした「正規分布」と違い、「正規分布の両端が実現する可能性が高い分布」のことを言います。株式市場に当てはめると、「暴落は、正規分布が想定する頻度以上に起こりやすいし、しかも、暴落時は(多次元)正規分布が想定する以上に銘柄間の相関が高くなる」ということを主張しているものです。これとシステムトレードがどのように関係するのかというと、「数年に一度だけ現われるファット・テール現象によって、システムが一瞬だけ機能しなくなり、その結果、破産の危機に追い込まれてしまう」ということです。有効な逆張りシステムはレンジ相場やちょっとした暴落相場であれば基本的には機能し、いわゆる「統計的平均値」という優位性を享受できるものの、今月のような暴落局面では資金管理を誤ると一気に破産寸前まで追い込まれる可能性があるということです。ましてや、今月の下げは、月間としては過去5年ほどの中で最大級とも言える短期的な暴落であり、逆張りシグナルが点灯してから買い付けるとさらなる下落によって大きなダメージを負ったことになります。私自身は、様々な課題があってシステムトレードを今だ手掛けていないのですが、2月に関しては手を出さなくて正解だったような気がします。これは、私自身がファンダメンタルズ投資のポジションで多少のダメージを受けていたので、システムトレードを行う余裕がなかったということもあります。もし、ファンダメンタルズ投資と平行して逆張りシステムも運用していたら、退場させられかねないダメージを食らっていたに違いありません。もっとも、逆張りシステムで破産しかねないような短期的な暴力的な下げは殆どないのでしょうけど、この可能性を考えて資金管理や相場観を入れないとどこかで破産する可能性があることを再確認しました。かといって、このファット・テール現象を想定した資金管理だと、殆どのときにポジションを賭けることが出来ないという事態に陥り、システムトレードそのものが不可能になってしまうということになります。現実的な解決策としては、(1)外部データも含めたシステム構築個別銘柄のリターンだけではなく、外部データ(信用評価損率、信用倍率、外国人投資家動向、日経平均動向など)も導入して、システム構築をする(2)相場観を含めたリスクマネジメント破産することを回避するために、ルールを破って損切りすることを容認する局面も与えるなどが考えられます。いずれにしても決して簡単な問題ではなく、個人的にはシステムトレードの導入がますます遠ざかっております。しかし、この問題を解決することなしにシステムトレードを導入することは絶対にあってはならないので、またもや研究会における課題として持ち越しになりそうです。
2006年02月22日
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今回は、プロフィットファクター(以下、PF)とペイオフレシオ(以下、PR)について説明したいと思います。(1)PRとは、以下のように定義される指標です。PR=勝ちトレード平均利益÷負けトレード平均損失(2)PFとは、以下のように定義される指標です。PF=勝ちトレード総利益÷負けトレード総利益' =(勝率×勝ちトレード平均利益)÷((1-勝率)×負けトレード平均損失)' =勝率÷(1-勝率)×PR定義から明らかですが、PFは1を上回っていないといけません。これは、「平均損益がプラス」 ⇔ 「PFが1より上」ということになります。PFは、勝率とPRによって定義されますので、トレードシステムがどのような特徴を持つかを簡単に把握することが出来ます。先の事例を再掲載します。<例>*システム1勝率・・・60%勝ちトレードの平均利益・・・100負けトレードの平均損失・・・100*システム2勝率・・・40%勝ちトレードの平均利益・・・200負けトレードの平均損失・・・100このときのPFを算出します。システム1は、PR=100÷100=1PF=(0.6×100)÷((1-0.6)×100)=1.5システム2は、PR=200÷100=2PF=(0.4×200)÷((1-0.4)×100)=1.33となります。したがって、システム1は「勝ちと負けは等しいが、勝率の高さで利益を上げるシステム」であり、システム2は「勝率は低いが、利益が出るときに大きくとるシステム」であるということになります。一般的に、システム1は逆張りに、システム2は順張りのシステムに多く見られます。あと、これは今までの検証と種々の文献調査の結果なのですが、株式の個別銘柄はシステム1のようなものが多く、先物はシステム2のようなタイプのものが多いです。先物のシステムを見ているとPFが2を超えるようなものは滅多にありませんが、株式の個別銘柄のシステムを見ているとPFが2を超えるものを探すのは不可能ではないように思えます。安定したシステム運用という意味では、この指標が2を超えるところを目指したいので、やはり株式の個別銘柄のシステムのほうが良いようです。
2006年02月15日
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明日と明後日は、合宿形式で第二回システムトレード研究会の会合が行われます。今回は、研究員4名(師匠含む)が全員揃うということで、非常に有意義なものとなりそうです。クリアすべき課題は様々ですが、目下の私の最大の課題は「資金管理」であると考えております。私はシステムトレード専業というわけではなく、ファンダメンタルズ投資の空いた枠でシステムトレードを行うという制約付きで、その制約下で最大の効率を追求しなければなりません。しかも、最近になってファンダメンタルズ面で良いと思う銘柄が見つかったためか、その銘柄にかなりのウエイトをかけており、このあたりの兼ね合いを如何にするかが非常に重要なポイントであると考えております。前回欠席した研究員の方は、私と似たような戦略をとっているようで、この問題をどのように考えているのかが議論になりそうです。P.S.意外と使えないことが判明したライブドア証券の代わりにコスモ証券への口座開設手続きをしているのですが、こちらもかなり時間がかかっており、本格導入にあたって足踏みの要因となっております。昨今は口座開設だけでもこんなに時間がかかるのでしょうか?
2006年02月10日
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今回は2本立てで行きたいと思います。1.システムトレード研究会の会合昨日は、都内某所にてシステムトレード研究会の会合を行いました。研究員1名が本業の都合で欠席だったため、師匠と研究員と私の3名による会合となりました。システムトレードの検証上の問題点や運営上の問題点を議論したり師匠に質問をしたりすることで、私自身が抱えていた問題点の多くが解決する運びとなりました。私個人の問題ですが、1月中旬のライブドアショックで株価が暴落した際に逆張りのシグナルが大量発生したものの、諸問題があって上手く仕掛けることが出来ず、しっかりと運営していれば得られたはずの利益を手にすることができなかったことです。これは、(1)トレードインフラの問題(現在、手数料の高い証券会社を利用していて、システムトレードを長く実施する環境に適していないこと)(2)実ポートフォリオの運営上の問題(シグナルが大量発生した際における、仕掛ける銘柄の優先順位とポジションサイズのルールが明確になっていなかったこと)(3)メンタル面の問題(さらなる下落を恐れてしまい、シグナルどおりに買うことができなかったこと)などが要因です。利益は出し損ねましたが、この問題を解決することなしにシステムトレードを運営してもどこかで破綻することになるので、これについては早めに考えることが出来て良かったと思っています。バックテストで振り返ってみると、ルールどおりに行っていれば1月はかなりの収益を稼ぐことができたということを確認することができました。当然ながら、1月の師匠のパフォーマンスはやはりすごかったということになります。師匠とのやり取りで確認できたことは以下の3点です。(1)それほど特殊な運用手法を取り入れているわけではなく、如何にシステムに忠実に運用できるかが重要であるかということ。検証についても、当面はパイロンで十分なのではないかと私は感じました。(2)ポジションサイズについては、最大ドローダウンから逆算し追証がかからない程度までならばいけるということ。ちなみに、MAXでレバレッジ率2倍までならば余裕だという話でした。(3)平均保有期間が短期の銘柄であるほど、ファンダメンタルズを見ないで機械的に実施したほうが良いということ。ファンダメンタルズをなまじ見てしまうと、仕掛けられずに統計的な期待利益を逸してしまうという話でした。2.将来のための出口戦略システムトレードを始めたのは収益機会の拡大ということですが、その背景には割安な銘柄が少なくなっているという問題があります。もちろん、ファンダメンタルズ面でまだ割安という銘柄がいくつかはあるのですが、これまでどおりの収益を上げられるかという話になると、そう簡単ではないと考えております。私自身、今は勤め人ですが、最終的にはフリーの投資家になりたいと考えており、しかも可能ならばなるべく早く達成したいと考えているので、今のうちから将来のための出口戦略をきっちりと考えておくことは非常に重要だと認識しております。師匠はシステムトレードで十分に食えるということなので、フリーの投資家で生きていけるための資金量がある程度必要であるということはもちろんありますが、それ以上に自分が検証したシステムを信じる心が重要だと思いました。私事で恐縮ですが、「ずっと雇われ人でいるのは嫌だが、かといって経営者になってビジネスを興すのはもっと大変だ。」というわがままな性格を有しております。したがって、こんなわがままな私の場合、やはりフリーの投資家になるというのが理想の出口戦略であると強く感じた次第です。
2006年02月03日
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今回は、第二回は「平均損益」についてです。<平均損益>システムトレードは、多くの売買記録から得られる「統計的優位性」を利用しますから、何よりもバックテストにおける全期間の平均損益がプラスであるということが必須条件です。なぜならば、定常的な損益分布を仮定した場合、単一のシステムで運用するならば、平均損益がマイナスのシステムをマネーマネジメントでプラスに変えることは不可能だからです。厳密には損益分布が定常的であるかどうかについては、別途検討する必要があります。ただ、それを考えるまでもなく、平均損益がマイナスのシステムを採用したいとは思わないのが常識的感覚だと思います。その平均損益ですが、バックテストの全期間のみならず年間ベースでの平均損益でもプラスであることが重要かと思います。典型的には、買いのシステムで「上げ相場だと勝てるが下げ相場だと勝てないシステム」は利用したくないというものです。この基準を満たして初めて他の指標を見る意味が出てくるのではないかと思います。
2006年02月02日
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ご無沙汰です。今月分のシステムトレードの成果は後日報告するとしまして、今回から何度かに分けて「システムの頑健性を測る指標」について考えたいと思います。このシリーズは教科書どおりの内容ですが、システム構築上不可欠なものでありますし、心理面にも多大な影響を与えるものですので、ここでいったんまとめておきたいと思います。システムの頑健性を測るための指標は様々なものがあり、それらは総合的にみて判断する必要がありますが、典型的な指標について、私なりに重要度を考察してみたいと思います。第一回は、「勝率」についてです。<勝率>システムのバックテストにおいて、多くの人が一番最初に目に付く指標ではないかと思います。しかし、それとは対照的に、優れたトレーダーは「勝率は何の意味もない」と断じています。このギャップは何でしょう。そして、私なりの見解も述べたいと思います。多くの人が勝率の高いシステムを追求しようとするのは事実です。それは、「勝率が高くないと勝てない」と多くの人が考えるからだと思います。これは、なにもシステムトレードの世界だけに限りません。個別銘柄の推奨の世界でも「的中率○○%」という表記があり、このような謳い文句にはついつい多くの人が騙されてしまいます。しかし、勝率90%でもトータルで見れば損をすることは有り得ます。残りの10%の負けトレードによる損失が致命的なものであるというシステムがそれです。極端な例を挙げると、「1ティックでも上に行けば利食い、評価損となっているときは絶対に売らない」というシステムなどを考えると分かりやすいかと思います。確かに勝率は高いかも知れませんが、「平均的に稼ぐ実現利益」と「平均的に被る含み損失」の割合があまりにもアンバランスだという点を見逃してはなりません。たとえ90%の確率で1ティック抜きができたとしても、残り10%の確率で、大きく株価が下がり回復する見込みが殆どない銘柄をつかんでしまったらおしまいです。逆に、勝率が低くても勝ちトレードによる利益が負けトレードの損失よりも大きく上回るというシステム(主に、トレンドフォロー型システム)であるならば、それは試してみる価値はあるかと思います。いずれにしても、「勝率」の前に「平均損益」から見なければなりません。「平均損益」については、次回述べたいと思います。平均損益がプラスであることが絶対条件の上で、勝率を見るというのがシステムの指標を見る順番としては不可欠です。その上で、勝率についてどのようにこだわるべきかについてですが、私としては「勝率が高いほうがよい」という結論に至ります。勝率の追求は、トレードにおいて心理的負担をかけないためには不可欠な要素であると思います。以下は、同じ平均損益を持つシステムですが、システム1とシステム2ではどちらが良いかという話になると、これは好みの問題があるかと思います。<例>*システム1勝率・・・60%勝ちトレードの平均利益・・・100負けトレードの平均損失・・・100→ 平均損益・・・20*システム2勝率・・・40%勝ちトレードの平均利益・・・200負けトレードの平均損失・・・100→ 平均損益・・・20また、平均損益でみれば多少悪くなったとしても、高い勝率を維持できるシステムがあるならば、心理的負担を考えると人によっては「平均損益で見れば劣るが勝率の高いシステム」のほうが良いかも知れない可能性はあるかと思います。人間は感情の罠から完全に抜け出すことが出来ませんから、連続して負けが続くとシステムを信用できなくなる可能性がありますし、精神衛生上良くないという問題もあります。もっとも、システムを100%信じきることこそが究極のシステムトレーダーであるとも言えますが・・・。
2006年01月31日
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昨日は仕掛けると言っていましたが、仕掛けられませんでした。今日はシグナルに引っ掛かった銘柄を見て検討したいと思います。(多分、仕掛けないと思います。)
2006年01月24日
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ライブドアショックの中、シグナルが大量発生したということは前回の日記でもお話しました。複数のシステムを見ていたところ、約30銘柄ほどシグナルが出ており、そのうち10銘柄を仕掛けました。結果としては、一時的な急騰局面で首尾よく利益確定できました。売買記録につきましては、近日中にフリーページにでも添付したいと思いますし、今後も継続的にそれを公表していきしたいと思います。しかし、同時にまだまだ課題があることに気づきましたので、それをまとめたいと思います。(1)取引コストの問題手数料の安い証券会社への口座に現物移管が出来ていない状態で今回は仕掛けましたので、手数料の影響が大きかったことをまず痛感しました。システムトレードにおいては、手数料の問題はやはりきっちりとしておかなければなりません。定額制手数料のライブドア証券に口座が出来たのですが、私自身が重要な点を見落としており、ライブドア証券では実はJASDAQの信用取引が出来ないことがわかりました。これはシステムトレードとファンダメンタルズ投資の両方を行うという運営面上、かなり致命的な欠陥であり、別の証券会社との併用で解決しなければならない問題であると判断し、現在、コスモ証券にも口座開設の手続きをしております。(2)ファンダメンタルズ投資とシステムトレードの両立ファンダメンタルズ投資でかなり多くのポジションを保有している中、ライブドアショックによって逆張りのシステムから大量のシグナルが発生し、今回の事態に対してはあまり多くの銘柄をトレードする余力がなかったことも今後の反省点です。システムのドローダウンや信用ポジションの維持率を精緻に管理して、効率の良いマネー・マネジメントが不可欠であると感じた次第です。(3)メンタル面の弱さ実は、18日の寄り付きに10銘柄購入したのですが、そこで購入した銘柄がその日のザラ場中にさらに下がって一時6%程度の含み損を抱える状態が続き、やや滅入ってしまいました。シグナルは19日にも大量に発生したものの、「これ以上含み損を抱えたくない」と考えてしまい、その日は資金的余力があったにも関わらず、購入することが出来ませんでした。結果的には、19日の大引けにはかなり値を戻して含み損から一気に含み益になって、20日の寄り付きで全て売却して利益を得たのですが、システムのルールに従えなかった自分の弱さを露呈してしまいました。これは、システムトレードがメンタル面での参入障壁がかなり大きいことを肌で感じたということで、それはそれで一つ勉強になりました。多分、このライブドアショックによって発生した逆張りシグナルから師匠はものすごく荒稼ぎしたに違いありません。(4)大量のシグナルに対する銘柄選別実は、これも自分なりにルールが整備できていなかったことが判明しました。19日は売買しなかったのですが、この日は約数百銘柄にシグナルが発生しました。私の現在の資金量でこれを全て売買できるわけはないので、もしこのような局面が来た際にはどのようなルールで銘柄選別をするのかも非常に重要であると感じました。18日に発生した30銘柄を10銘柄に絞るプロセスにしても、かなり恣意的な裁量の余地があり、メカニカルにトレードできているというレベルではありませんでした。今後の課題です。以上のように、システムの検証だけではなく、運営面で多大な課題が残ったシステムトレードデビューでした。これらの課題をきっちりとクリアした上で、今年は自己資金を飛躍的に伸ばせるきっかけとすることが出来ればと思います。2月には、システムトレード研究会の研究員報告会がありますので、そこで自分も何らかの成果を発表したいと思います。P.S.ライブドアショックによる株価下落が続いており、月曜日にはまたシグナルが発生しております。前回の反省を生かしながら、悔いの残らぬ形でトレードに望みたいと思います。
2006年01月21日
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私が考えている売買システムからシグナルが30銘柄ほど発生しました。新しい証券会社への移管手続きが終っていないのですが、実験的に10銘柄程度を仕掛けたいと思います。今後は、売買システムから出たシグナルと実売買記録についても、事後的に報告したいと思います。
2006年01月18日
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リンク先の「むすこ1929」さんが書いていたシグナル回数と資金配分に関する話について、私見を書いてみたいと思います。以下、引用です。+++++++++++++++++++++++++>バックテストしたデータを分析してみると、システムトレードでは、シグナルがものすごい大量に出ている日の方が、期待値が高くなる傾向があるな。うん。考えてみればわかることだけど、市場参加者がパニックにおちいっている時であればあるほど、有利だってことだと思う。>シグナルが1日に、50銘柄で発生したとする。1銘柄100万買いつけたとしても、5000万必要だわな。>一方、普通の時は、シグナルは3つか4つぐらい。暴落に備えて、5000万とか信用枠をあけといても、なんだかイマイチ無駄なんだよな。>シグナルが3つか4つの時は、一銘柄ごとに大きくポジションをとって、シグナルが大量に出たときは、分散させる。(引用終了)+++++++++++++++++++++++++資金配分について考慮しなければならない要因を3つ指摘してくれました。1.シグナルが大量に発生しているときには通常時よりも期待値が高い2.シグナルが大量に発生しているときには予め用意していた資金では購入しきれない可能性がある3.通常時はシグナルが発生する銘柄数が少ないので予め用意していた資金がキャッシュポジションとして眠っている可能性が高く効率的ではないこれを踏まえた上での、私の資金配分案は以下のとおりです。今回はシグナルが大量に発生した場合を考え、次回はシグナルが少ない場合を考えます。+++++++++++++++++++++++++*シグナルが大量に発生した場合の資金配分例として、・用意している資金が5000万円・通常時の1トレードあたりのポジションが100万円の場合を考えます。一般的には、以下の3通りのやり方が考えられます。(1)1トレードあたりのポジションを、通常時のそれよりも少なくする。1トレードあたりのポジションを50万円にして、全ての銘柄をカバーできるようにします。(2)信用枠を使って、用意している資金以上のポジションを建てる自己資金の2倍のポジションを許容することで全ての銘柄をカバーできるようにします。ただし、信用枠の活用には十分に気をつけなければなりません。バックテスト上において、最大ドローダウンがどの程度であるのかを把握して破滅する可能性がないかを常に考える必要があります。(3)何らかの基準で優先順位を付けておいて、シグナルが発生した銘柄のうちの一部だけをカバーする売買ルールとは別に、何らかの基準で優先順位を予め決めておいて、シグナルが発生した100銘柄のうち上位50銘柄だけをカバーして残りの50銘柄は諦めます。+++++++++++++++++++++++++実際の資金配分案は、上に示した3通りの方法をミックスさせて破滅リスクを押えながらも、期待値の高さを享受できるようにすることが良いのではないかと考えております。
2006年01月15日
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昨日ついにライブドア証券口座開設案内が到着しました。システムトレード実施に向けて、可能な限り早い時期に現物移管を実施したいと思います。現在使用している証券会社から移管させるのですが、こちらでも信用ポジションがあって一回で現物移管をすることが出来ないので2回に分けることになります。その現物移管のための書類を昨日請求しました。1月中は難しいかもしれませんが、2月からは確実に実施できる予定です。
2006年01月14日
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テクニカル指標が紹介されている書籍は多数ありますが、テクニカル指標がどの程度有効であるのかを検証している書籍は本当に少ないですね。同様に、「この指標から株価はトレンドを形成した」とか、「この指標から株価は反転の兆しを示した」などという相場解説がありますが、これとて何らかの検証による統計的裏づけとして公表されることが殆どありません。このように、テクニカル指標というのは、大した統計的検証がされていないにも関わらず大衆に広がっていったという歴史的経緯があるように感じられます。なぜか?---これは、厳密に検証されると、本当に利益が出るパターンが限られているからではないかと思います。すなわち、殆どのテクニカル指標は有効性に乏しいのではないかという推測です。事実、こうした私の推測について、成功しているシステムトレーダーは既に気づいている節があります。特に、マメな検証を実施したトレーダーであれば、様々なパラメータで実験した結果としてうまくいったテクニカル指標は殆どなかったと分かっているかもしれません。これはまた聞きベースによるもので、私自身の検証結果によるものではないのですが、これが事実ならば、時間と労力の無駄になる分析に陥り過ぎないように気をつけなければなりません。間もなく、値動きに関する基礎統計の結果の一部を公表できるところまで検証は進んでいるのですが、私が今実施している基礎統計の結果よりも結果が芳しくないテクニカル指標には深入りする必要はないのではないかと考えております。世の中にはさまざまな検証用のソフトウエアがあり、そのためにテクニカル指標が多数用意されているのですが、有効性に乏しいテクニカル指標までもがとりあえず用意されているんだという認識が大切です。分析できる指標が多いことは、成功できるシステム構築ができることを約束するものではなく、むしろ、テクニカル指標に関する情報過多のために成功を邪魔している要因であるかもしれません。大して有効ではないテクニカル指標を検証することに一生懸命になっているトレーダーの卵がいる可能性は高いとおもいます。テクニカル指標が多すぎること---この事実は、システムトレードの一つの参入障壁になっているのではないかと考える今日この頃でした。
2006年01月12日
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昨日の夜は、システムトレードの師匠が最近行ったセミナーのDVDを観賞しておりました。それ以前に行っていたセミナーのDVDも観ていたのでこれで2本目です。あまり内容の詳細を書きすぎるのもなんですので、ここでは割愛させていただきますが、私が事前に知っていたことも含めて、システムトレードの検証の進め方についていくつかのヒントは得られました。その中でも、重要だと思ったのは、「自分なりに仮説を立ててそれを数量的なストラテジーに落とし込む」「単純なストラテジーで上手くいかないものに固執しない」という2点でしょうか?テクニカル分析そのものに嵌るのではなく、あくまでも利益を上げるためにどのように考えるべきかが重要ではないかと思った次第です。その他では、リスク管理(資金管理)の重要性にも振れておりました。今後の検証と実践のための糧にしたいと思います。
2006年01月09日
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私事で恐縮ですが、メモとして。+++++++++++++++++++++++++++++++*進捗状況メモ1.ライブドア証券の口座開設と現物移管昨年末に、定額制の証券会社であるライブドア証券に口座開設のための資料は送ったのですが、口座開設のお知らせがまだ届いていないため、現物移管の準備が出来ていません。ちょっと遅いのではと思い、連休明けにでも電話してみようと思います。2.システムの検証年末年始はまとまった時間があまり取れなかったのですが、ここにきてようやく落ち着いてきましたので、システムの検証を再開したいと思います。ちなみに、現状では、逆張りで有効だと考えられるシステムを一つ見つけており、これについては、ライブドア証券の口座開設と現物移管が完了次第、適用したいと考えております。ただ、これとは別のシステムを探すことで戦略分散も図りたいと考えておりますので、基礎統計のまとめを含めて、システムの検証をどんどん実施していきたいと思います。+++++++++++++++++++++++++++++++*研究員の募集システムトレードの検証を行っていると、さまざまな困難にぶつかると共に、いろいろとやってみたいことがあるということが分かってきました。また、「パイロン」や「オメガチャート」などの既存のソフトウエアだけに留まらない独自環境を構築したいとも考えているのですが、これは一人の力で出来るものではありませんし、仮に出来たとしても、かなり非効率であると考えております。そこで、当システムトレード研究会では、優秀な研究員を随時募集しております。システムトレードで収益を上げたいと本気で考えている方で、以下の条件に合致している方と一緒に研究が出来ればと考えております。1.システムトレード用の資金が1000万円以上あることシステムトレードを安定的に稼動させるための最低資金であると考えております。したがって、この最低資金に満たない方が研究員になられても、当事者意識をもって研究できるかどうかという点に疑問が残りますので、申し訳ありませんが対象外とさせていただきます。2.トレード(もしくは、投資)で一定程度の実績があることどんなトレード手法(もしくは、投資手法)でも構わないのですが、一定程度の実績を残していることを前提とさせていただきます。こうした実績がないと、深い洞察をもって現実のトレードに関する研究ができるとは思えないからです。したがって、「今年(もしくは、昨年)から株式投資を始めました」とか「今まであまり儲かってなかったのですが、システムトレードで挽回したいと考えています」という、初心者に毛の生えた程度のレベルの方は対象外とさせていただきます。3.以下に示すスキルのうち、いずれか1つ以上を保有していること(1)システムトレードで既に一定の実績があること言うまでもなく、大歓迎です。(2)本職のプログラマーと同等の、プログラミング関連・データベース関連のスキルがあること独自システムを構築するために不可欠なスキルであると考えています。(3)大学1~2年レベルの数学(特に、統計学)の知識があることシステムトレードを理論面からサポートするために不可欠なスキルであると考えています。(4)ファンダメンタルズ投資に関する知識と理解があることシステムトレードと併用することで大きな成果が上がると考えています。(5)英語で書かれたウエブサイトや文献がすらすらと読めることシステムトレードの本場であるアメリカから有用な情報を収集するために不可欠なスキルであると考えています。(6)ファイナンス関連の研究者、もしくは、それと同等の実務経験者ただし、現実の市場で利益を上げることに興味がない方はハッキリとお断りいたします。
2006年01月08日
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今日は都内某所にて、システムトレード研究会の決起集会を開催しました。現在のところ、研究員は私を含めて4名です。細々ながらも、システムトレード時代の幕開けとなるような、歴史に残る1日の始まりになればと思います。
2006年01月07日
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明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。年明け最初の日記は、「隣接パラメータでの検証について」書いてみたいと思います。隣接パラメータとは、文字通り「近い数値」という意味です。*******************************「移動平均のクロス」を事例にこれを説明したいと思います。例えば、「25日移動平均のクロスで売買する」というシミュレーションを実施して仮にそれがうまくいったとき、それに近い値である24日移動平均とか26日移動平均についても、同様に検証するべきであるということです。仮に、25日移動平均で上手くいったものが24日移動平均だと上手くいかないというならば、すなわち、隣接パラメータでの検証で上手くいかないということであれば、移動平均のクロスというその売買システムは頑健でなく「たまたまうまくいっただけ」と考えるべきです。*******************************パラメータを少しずらすと検証結果が大きく変わるのではなく、少しずつ変わるというシステムこそ頑健なものであると言えます。これは「過剰最適化」の罠に陥らないためにも、必要不可欠な配慮だと思います。「ラリー・ウイリアムズの相場で儲ける法」の第3章には、先物市場における移動平均のクロスに関するフォワード・テストについて書かれています。フォワード・テストとは、過去の価格データを最適化部分(前半部分)と売買部分(後半部分)の2つに分けてシミュレーションする方法です。詳細は本を見ていただければと思いますが、最適化部分(前半部分)のデータを使って過去一番フィットした移動平均日数を利用して、それを売買部分(後半部分)のデータに当て嵌めると、結果は散々だったというものです。仮にある売買ルールが過去の数値テスト上で有効だったからといって、「金のなる木を見つけた!」と有頂天になり、いきなり大金を投入すべきではありません。隣接パラメータでの検証を忘れてはいけません。隣接パラメータでの検証もパスして、初めて頑健であると判断できるのですから。もちろん、売買の再現性や売買コストなど、基本的な要素も見落としてはなりません。
2006年01月04日
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さて今年も終わりです。今年はいろいろな意味で、株式投資について考えさせられる1年でした。いろいろとは、「飛躍感と挫折感」です。この日記の本題であるシステムトレードは準備中につき、まだ実践していないのですが、私が行っているファンダメンタルズ投資の成績は約+140%でした。この数字自体はそれなりのものであると納得しております。市場環境がよく、かつ、いくらかのレバレッジを賭けていたとはいえ、市場平均であるTOPIXやJASDAQが約+40%でありその3倍以上のパフォーマンスを上げることができたと考えると、まあ良かったと考えるのが普通です。しかし、私がシステムトレードを始めようと考えたきっかけを与えてくれた師匠の成績はなんと約+400%なのです。実際には、幾分の裁量があるようですし、ファンダメンタルズ的な判断もしているようですが、ここまでのパフォーマンスを出されると唖然とします。これが、FX(外国為替証拠金取引)と株式投資の違いというように、異なるフィールドであれば、リスク特性の違いや得意/不得意の問題もあるので、パフォーマンスの差を問題にすることもなかったかも知れません。しかし、同じ株式市場をフィールドとしているならば、「そのパフォーマンスの差はどこから生まれたのか」ということは、自分が現状よりもさらに進化するためには考えなければならない命題かと思います。もちろん、単純なパフォーマンス比較は愚かであり、ましてや1年間という短期のパフォーマンスを他人と比較をすることはその典型かもしれません。それに、「リスク/リターン特性」「労力」「再現性」という基準から総合的に判断しなければなりません。*リスク/リターン特性例えば、レバレッジを追証ぎりぎりまで賭けているというように、ある人の投資手法が非常にリスクが高いと明らかに分かるのであれば、そこから得られるリターンは自分とは無縁のものであると割り切ることができる*労力例えば、デイ・トレードのように、1日中マーケットに張り付きながら神経をすり減らしながらやらなければならないような投資手法であれば、それは自分とは無縁なものであると割り切ることができる*再現性例えば、大局的相場観に基づく裁量トレードのように、ある人が投資で成功していたとしても、そのノウハウがその人の能力特性に大きく依存しているような投資手法であれば、それは自分とは無縁なものであると割り切ることができるこれらの観点をもってしても、ファンダメンタルズ投資で+140%とシステムトレードで+400%では、後者のほうが効率が良いのではないかと私は感じたのです。もちろん、これは「システムトレードが簡単である」と主張するものではなく、様々な検証作業や参入障壁を乗り越えて初めて実践できるものであるということは当然ながら「労力」や「再現性」の問題として考慮すべきものであると思います。しかも、実践したことのない人間が「システムトレードは簡単だ」などと言おうものならば「システムトレードを舐めるな!」というお叱りが来ることは間違いないでしょう。ただ、ファンダメンタルズ投資においても、財務諸表やビジネスモデルなどを見る訓練などが不可欠であり、それは当然ながら「労力」や「再現性」の問題として考慮すべきものですので、それを踏まえた上でどちらが効率が良いかという話になりそうです。以上のような、「リスク/リターン特性」「労力」「再現性」を考慮してもシステムトレードの+400%は挑戦するに値するのではないかと。少なくとも、自分がそれなりに良いパフォーマンスで飛躍感を感じながらも、それと同時に挫折感も味わったきっかけであったことは間違いありません。来年は更なる飛躍をしたいと思います。
2005年12月31日
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そろそろ、システムトレードの検証プロセスとその結果を、このブログでもアップしていきたいと考えているのですが、無方針に闇雲にテクニカル指標を組み合わせながらああでもないこうでもないと考えるのは、芸がないと思います。まずは、短期の価格変動に関する基礎統計をきっちりと把握してからがよいと思います。私の場合、想定しているトレード期間が長くても3ヶ月、できれば1ヶ月以内のものを想定していますので、その期間に見合った基礎統計を一通り網羅する必要がありそうです。今考えているのは、以下のとおりです。(1)直近N日間の騰落状況に基づいたストラテジーを全て網羅した統計直近N日間の騰落状況を全て網羅し、各パターンが実現した後でポジションを取るとどうなるかという検証です。ここでは、上昇か下落かの2パターン(変わらずの場合は、分析の対象外にしておく)だけに限定して分析します。例えば、N=3だと以下のような8パターンが考えられます。(U、U、U) (U、U、D) (U、D、U) (D、U、U)(U、D、D) (D、U、D) (D、D、U) (D、D、D)ここでは、(2日前の前日比、1日前の前日比、当日の前日比)とし、Uは前日比で上昇、Dは前日比で下落を表します。そして、各パターンが実現した後でポジションを取るとどの程度儲かるかを検証します。例えば(U、D、D)ならば、「『2日前は上昇、1日前は下落、当時は下落』というパターンが実現した後でポジションを取るとどの程度儲かるか?」を過去データで確認することになります。一般的に、全てのパターンを網羅するためには、2^N(2のN乗)となりますので、あまり大きなNに対してこのような分析を行うことはできないでしょうし、それをする意味もなさそうです。(2)直近N日間の連続騰落に基づいたストラテジーの統計より簡単なのは、連続騰落に限定してストラテジー分析を行うことです。例えば、N=3ならば「3日連続上昇」と「3日連続下落」という2パターンだけを分析対象とするものです。これだと広範にわたって分析が可能ですが、現実では、Nがあまり大きすぎる銘柄はめったにないでしょう。先のN=3の場合、「3日連続上昇(下落)した後に、ポジションを取るとどの程度儲かるか?」を確認することになります。(3)直近N日間の騰落率に基づいたストラテジーの統計最後に、直近N日間の騰落率を考えます。これは、「N日前と比較して何%上昇(下落)したか?」を把握するというものです。これも、基礎統計としては非常に重要だと認識しています。これらの基礎統計を把握する目的ですが、*全般的に見て、順張り優位か、逆張り優位か*順張り優位なのは、どのような相場状況やトレード期間なのか*逆張り優位なのは、どのような相場状況やトレード期間なのか*基礎統計をベンチマークとして、それよりも有効なテクニカル指標だけを探すことに専念できるなどです。やはり、これらの基礎統計がないと検証は始められないと思います。ちなみに、私がリンクさせていただいているサイト¥∞ 「騰落の統計値」でも、同様の検証は行われております。分析期間や分析銘柄数に違いがあるので、私のほうでより広い範囲でそれをカバーすることになるかと思います。
2005年12月29日
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今回は、システムトレードの裏づけとなる確率論の定理について述べたいと思います。システムトレードにおいて重要な確率論の定理は「大数の法則」と呼ばれるものです。以下は、フリー百科事典「Wikipedia(ウイキペディア)」に記載されていた説明を抜粋したものです。大数の法則*****************************大数の法則とは、ベルヌーイによって確立された、確率論・統計学における極限定理の一つで、「経験的確率と理論的確率が一致する」 という、素朴な意味での確率を意味付け、定義付ける法則である。大数の法則とは、ある試行において事象が起きる確率(数学的確率、理論的確率などともいう)が p で、その試行を繰り返し行うときある回の試行が他の回の試行に影響を及ぼすことがない(独立試行)なら、その事象が起きる比率が試行回数を増やすにつれて近づく値(統計的確率あるいは経験的確率)は p である。例えば、コイン投げ。すなわち、ゆがみも偏りもない理想的なコインを投げ表裏を当てるゲームを行うとする。(ただし、理想的なコインとはそれを投げるとき、表が出る確率も裏が出る確率もともに1/2である確率モデルに従うコインのことである。)このとき、試行回数を限りなく増やせば、表が出る回数と裏が出る回数の比率はどちらも 1/2 に近づく。従い、試行回数を限りなく増やせば投げ方にむらがなくなってくるということであり、むらが限りなくなくなる法則と言い換えることができる。*****************************システムトレードは、「過去のバックテストで有効であることが確認できたルールに機械的に従い、十分なトレード数をこなすことで、統計的平均値への収束に賭けるトレード手法である」と説明されることが多いです。しかし、上記のように定義された大数の法則を、現実のシステムトレードにおける優位性の理論的背景として採用するに当たっては、大きなギャップがあります。そのギャップは、以下の2つです。*****************************1.理論的確率の存在まず1つめですが、大数の法則が要求している「理論的確率」というものを、システムトレードにおいて事前的に知る術がないということです。例えば、「サイコロで3以上の目が出たら賭けたお金が2倍になり、1か2の目が出たら賭けたお金が没収される」というものを考えたとき、このゲームに勝つ確率(理論的確率)は4/6であることが分かります。しかし、システムトレードにおいてはそのような理論的確率を確認する術がないに等しく、せいぜい過去のバックテストの結果という、経験的確率しか分かりません。すなわち、「将来の試行は、過去の経験的確率に収束するだろう」という、不完全な大数の法則に頼らざるを得ません。2.無限という試行回数もう一つネックになっているのが、大数の法則が厳密に成立するのは「無限という試行回数」があってのことだというものです。すなわち、システムトレードが優位性の拠り所としている「統計的平均値への収束」については、無限回の試行がなされなければ成立しないということです。現実のトレードにおいては資金量も時間も有限ですから、大数の法則が厳密に成立する世界に身をおくことは何人たりとも出来ないことになります。したがって、統計学では有限のサンプルで「統計的有意」という概念で妥協しているのですが、システムトレードにおいてもこのようにならざるを得ません。もし、資金量や時間が十分でなければ、度重なる不運から、システムトレードの優位性を享受できない可能性も有り得るということは肝に銘じておかなければなりません。*****************************このように、システムトレードを語るに当たって大数の法則を拠り所とするにはあまりにも貧弱であることが分かります。しかしながら、「証券投資とはそのようなものである」ということも、また事実ですので、理論的厳密性との妥協点は見つけなければなりません。ただ、システムトレードで生き残るためには、無限回というのは不可能だとしても、「十分なトレード回数が行えるか」にかかっていると思います。過去の統計的優位性を過信して、1トレードあたりの予算を大きくしすぎたり、資金繰りに制約がある資金でトレードをしないことが大切になります。
2005年12月27日
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前回の日記で、最低売買金額に関する統計表を示しましたので、今回はそれに基づいて、システムトレードに必要な予算がどの程度であるかを考えてみたいと思います。念のため、前回の統計表を再掲載しておきます。ここで重要になるのは、「カバー率」です。この数字がシステムトレードのバックテストの再現性の度合いを決める重要なカギを握っています。いくつかの数値例で見ていきます。(1)1トレードあたりの予算が10万円の場合カバー率が8%です。これは、実際に売買シグナルが出ても、その8%程度しか売買出動ができないことを意味します。(2)1トレードあたりの予算が30万円の場合カバー率が40%です。これは、実際に売買シグナルが出ても、その40%程度しか売買出動ができないことを意味します。(3)1トレードあたりの予算が50万円の場合カバー率が65%です。これは、実際に売買シグナルが出ても、その65%程度しか売買出動ができないことを意味します。(4)1トレードあたりの予算が80万円の場合カバー率が82%です。これは、実際に売買シグナルが出ても、その82%程度しか売買出動ができないことを意味します。(5)1トレードあたりの予算が100万円の場合カバー率が89%です。これは、実際に売買シグナルが出ても、その89%程度しか売買出動ができないことを意味します。システムトレードは文字通り機械的な売買ですから、売買の再現性が高いに越したことはありません。上記の事例を見ていると、10万円で8%というのは論外としても、30万円で40%や50で65%というのもやや不満があるものです。最低限でも80万円で82%というラインは欲しいところです。100万円で89%というラインであればほぼ問題ないと思います。あとは、最大トレード銘柄数です。システムトレードは売買シグナルが多数出てきたときこそ美味しいときですので、ある一定の銘柄数を同時保有することができる体制にしておく必要があります。私見ですが、これについては「20銘柄が同時にシグナルが出ても資金的に対応できるようにしておく」というくらいを目安としたいところです。以上のことから、1トレードあたりの予算が100万円で最大20銘柄保有という案を採用した時、システムトレードを安定的に稼動させるために必要な予算は2000万円必要であるという結論になります。このように、システムトレードは予算面でそれなりに参入障壁があることが確認できます。もちろん、(1)信用取引を活用して、自己資金以上のトレード予算を確保する(2)売買シグナルが多数出てきた場合、1トレードあたりの予算を小さくする(3)売買シグナルが多数出てきた場合、他の条件を使って実際に投資する銘柄に優先順位を付けるなどの対応策を施すことにより、それなりに乗り切ることは出来るかもしれませんが、それでも1000万円程度はなければ難しいかと思います。売買コストの問題も合わせて考えると、やはり少額では難しいという結論にならざるを得ないでしょう。
2005年12月25日
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システムトレードのバックテストでは、1トレードあたりの予算を事前に決めておかなければなりません。そして、実際のトレードにでも、リスク管理のために1トレードあたりの予算の目安を立てておく必要があります。システムトレードでは、売買シグナルが発生したとおりに売買をしますが、売買シグナルが発生する銘柄数を事前に予測することはできません。まったくシグナルが発生しない場合もあれば、数十銘柄に対して同時にシグナルが発生する場合もあるでしょう。ここで考えなければならないのは、「自分の資金量だと最大何銘柄まで同時に保有できるか?」ということです。1トレードあたりの予算を小さくすれば最大保有銘柄数も多くなり、リスク分散は図れるかも知れませんが、最低売買金額の問題から売買可能な銘柄数が少なくなるという問題も発生します。そこで、上場している企業の最低売買金額をある程度把握しておく必要があります。以下の表は、livedoorファイナンスのスクリーニング機能を使って調査したものです。12月22日終値を基準とした最低購入金額としています。ここでの調査対象は、東証1部・東証2部・JASDAQの3市場に属する銘柄としています。表の見方は、以下の事例をご覧ください。(1)東証1部に上場している銘柄のうち、10万円以下の金額で購入できる銘柄は90銘柄ある(2)東証1部・東証2部・JASDAQに上場している銘柄のうち、10万円以上20万円以下の金額で購入できる銘柄は520銘柄ある(合計の列)(3)1トレードあたりの予算の上限が50万円であるならば、東証1部・東証2部・JASDAQに上場している銘柄のうち、65%が売買可能である(カバー率の列)これらの事例から、システムトレードを実施するに当たって必要な最低資金量はどの程度であるかを逆算することになりますが、これについては、次回に話したいと思います。
2005年12月24日
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今回は、コストの問題として「信用取引の金利」について考察したいと思います。私の場合、ファンダメンタルズ投資に基づいて投資判断をした銘柄を中長期で保有しながら、その保有銘柄を担保にしてシステムトレードを実施することになりそうですので、信用取引を活用することになります。証券会社によって対応はまちまちですが、昨今のオンライン証券会社というのは、現物取引よりも信用取引の手数料のほうが安いというのが一般的傾向です。これらの詳細については、前回示した比較サイトを確認すれば一目瞭然かと思いますが、なぜそのような手数料体系になっているのかを数値面から把握しておくことはシステムトレードにおいては不可欠だと思います。信用取引は証券会社から資金を融資してもらい、その資金をもって証券を買い付けます。いわば「借金をして株を買う」という行為に他なりません。今の日本は超低金利なので、信用取引で収益拡大を目指す人にとっては非常に恵まれた環境かもしれませんが、実際に金利を計算するとそれなりにコストがかかっていることが分かります。分かりやすく説明するために、以下に事例を出します。****************************購入代金:365万円売却代金:365万円(同値撤退)信用取引金利:2%(年率)****************************昨今の金利情勢と各証券会社の信用買いの適用金利を反映したかなり現実的な数字です。この場合、信用ポジションを1日保有するごとに以下のような金利がかかります。365万円×2%×(1日÷365日)=200円デイ・トレード(もしくは、信用取引約定当日の現引き)であれば、金利は全くかかりませんが、保有日数が少し延びれば現物の売買手数料などすぐに超えてしまうことを確認することが出来ます。証券会社がこの金利収入を当てにしているのは明らかです。もし、信用取引による金利負担を最小限にしたいならば、「信用取引で約定して、余裕資金がある限りは当日に現引きを行う。」ことです。ところで、もう一つ知っておいたほうが良いことがあります。それは、信用取引の金利算出に当たって、「保有日数」をどのように認識しているかについてです。これをきっちりと把握している人は意外に少ないと思います。これは、「証券の決済」に関する基本的な話を、ある程度知っていなければならないからです。まず、信用取引の金利は「受渡ベース」(「約定ベース」ではない)で発生するということです。これは何を意味するかと言うと、株式というのは「約定日(パソコン上で売買が成立した日)」と「受渡日(資金決済日)」が3営業日ずれていて、「信用取引の金利は、買いの資金決済日から売りの資金決済日までかかる」ということになるのです。この証券決済のルールによると、「今日買って明日売れば金利は1日分しかつかない」というのは間違っています。実際には、以下のような形で金利がかかります。(祝日がないものと仮定)(1)月曜日買い約定→火曜日売り約定:木曜日買い受渡→金曜日売り受渡なので、金利は1日分(2)火曜日買い約定→水曜日売り約定:金曜日買い受渡→月曜日売り受渡なので、金利は3日分(3)水曜日買い約定→木曜日売り約定:月曜日買い受渡→火曜日売り受渡なので、金利は1日分(4)木曜日買い約定→金曜日売り約定:火曜日買い受渡→水曜日売り受渡なので、金利は1日分(5)金曜日買い約定→月曜日売り約定:水曜日買い受渡→木曜日売り受渡なので、金利は1日分したがって、「火曜日の買い約定分については、3日分の金利がかかる」ということになります。保有期間が長いトレードルールだと、信用取引の金利がボディーブローのように効いてきますので、システムトレードで信用取引を活用するに当たっては、このあたりのコストがどのように影響を与えるかを把握した上で実施すべきだと思います。
2005年12月23日
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私が想定するトレード期間は長くてもせいぜい3ヶ月、実際には、より短期のトレードを実施する予定ですので、このようなトレードを実施する際にはそれなりに売買手数料が発生します。想定しているトレード期間は比較的短期(1日~1ヶ月程度)なので、それなりにトレードをすることになりますし、また、それを実施することで収益機会の拡大をという思惑もあります。金融ビッグバンにおける自由化もあって、オンライン証券会社を中心に売買手数料はずいぶん安くなってきたとはいえ、売買手数料を完全に無視するわけにはいきません。もちろん、パイロンでは売買コストを考慮したシミュレーションも可能ですが、実際にコストを削減するための努力も不可欠です。すなわち、どの証券会社がコスト安で済むのかをきっちりと把握しなければなりません。特に、頻繁に売買を行うシステムトレードを実践するならば、こうした売買手数料に無頓着であるというのは致命的な欠陥だと思います。証券会社毎に手数料はまちまちです。1トレード単位で見れば僅かな手数料の差でも、積もり積もれば大きくなるものです。ちなみに、1ヶ月50トレード(「買い」と「売り」の往復で2トレードと計算する)以上を実施するならば、絶対に定額制の証券会社に口座開設するべきです。どのような証券会社が手数料が安いかについては、証券会社比較サイトなどを参考にすると良いかと思います。以下に、比較サイトの事例を挙げておきます。ネット証券会社比較比較.com(ネット証券会社)trendwalker.com株・商品・FXオンライントレード比較.comTRADE GINZAいろいろ考えた結果、私は「ライブドア証券」に口座開設の資料を請求しています。他にも使えそうな証券会社があれば、目的に応じて口座開設を実施したいと思います。
2005年12月22日
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今回は、売買ルールの実現可能性として「売買単位」について考察します。パイロンでは、トレード予算を事前に確定させておいてそれに見合った範囲内の売買を実施することになっています。ここで、「金額の指定」を指定すると、1トレードに投入する金額の上限を決定したことになります。他にも、「株数の指定」(1トレードで売買する株数)や「売買単位の固定」(1トレードで売買する単元数)という指定もありますが、トレードに投入する資金がバラバラになって現実的なトレード環境にそぐわないので、使用すべきではありません。したがって、「金額の指定」という条件だけを想定します。例えば、1トレードの予算を100万円としておくと、その資金の範囲内でトレードを実施することになります。このような設定においては、600円で最低売買単位が1000株という株式の場合、シミュレーション上で買い付けるのは1000株ということになります。また、別の例では、330円で最低売買単位が1000株という株式の場合、シミュレーション上で買い付けるのは3000株ということになります。そうなると、微妙な問題が出てきます。2番目の事例で330円であれば3000株を買い付けることが出来ますが、株価がちょっと上がって334円であれば2000株までしか買い付けることができないと点です。株価の変動が起こればこのような問題はちょこちょこ発生します。これをどうするかについては、皆様の資金量とのご相談だと思います。あまり固く考えず、「あくまでもシミュレーション上ではそうに計算される」という程度に考えるべきだと思います。そもそも1トレード100万円というのは一つの目安であり、「100万円を1円でも上回ってはいけない」というように神経質になることにそれほど意味はないかと思います。もちろん、自己の資金量から1トレードにかける予算の目安は事前に決めておいてそれを破って大きな玉を建てないようにすると言うのは大事ですが、多少のずれくらいは許容しても良いのではないかと思います。したがって、1トレードの予算が100万円であるならば、100万円を少しオーバーする部分については裁量の余地があっても良いのだと思います。また、同時に複数の銘柄に売買シグナルが出た場合に使えますが、それらの平均予算が100万円という形でトレード額を調整するのも一つのやり方だと思います。いずれにしても、シミュレーション結果と現実とが大きく異なるという問題には発展しないということです。
2005年12月21日
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売買ルールの実現可能性について前回は出来高について書きましたが、これ以外にも考慮しなければならない要因はまだまだ多数あります。今回は、「当日終値の売買」について書いてみたいと思います。パイロンでは、売買のタイミングとして以下の2通りを設定することができます。(1)売買シグナルが出た「翌日始値」で売買(2)売買シグナルが出た「当日終値」で売買上記のうち、(1)「翌日始値」については出来高の問題さえクリアすれば売買シグナルをそのまま実施できますが、(2)「当日終値」についてはそうは行きません。これはちょっと考えてみれば明らかですが、シミュレーション内容によっては売買シグナルを確定させるにあたって「当日終値」が必要だからです。抽象論だと分かりにくいかもしれませんので、以下に一例を挙げます。**********************「急落した銘柄のリバウンドを取る」という戦略を考えていて、「前日比で10%以上下がった銘柄を買い付ける」というトレードを考えたとします。パイロンは過去データによるシミュレーションなので、終値のデータがある状態です。このとき、その終値が前日比で10%以上下がっているかどうかをコンピュータ上で計算することは簡単で、もしその条件を満たしていれば買うことが出来ます。しかし、現実の売買ではそうはいきません。15時にマーケットがクローズするまで終値が確定しないからです。例えば、前日の終値が1000円であり、引け間際、すなわち、14時55分くらいの株価が895円であった場合を考えればよいかと思います。あと5分ありますから、900円以下になるかどうかは最後まで見届けなければなりません。当日終値が900円以下であればルールによって買いとなりますが、そうでなければ買いは見送りです。こうなると、現実には当日終値がはっきりと確定していない状態でトレードをすべきかどうかを判断しなければなりませんので、シミュレーション結果の再現が完全でないのです。今ひとつの方法は、夜間取引を使うという話ですが、現在の日本の株式市場では夜間取引は殆どなされていませんし、仮にできたとしてもアクセス可能な銘柄は限られています。**********************そんなわけで、「当日終値」というルールは「翌日始値」というルールに比べて、シミュレーションの再現性の観点からは不完全なものであるということを認識しておかなければなりません。しかも、「当日終値」の場合、リアルタイムで株価データを把握しなければならない分、トレードすべき銘柄を全てカバーできる保障がありません。上記の事例のような「騰落率」という単純な売買ルールであればまだしも、もっと複雑なテクニカル指標に基づいた売買ルールであれば、なおのこと、シミュレーションの再現性に疑問が生じます。したがって、ワン・ナイト・トレード(当日終値から翌日終値のトレード)によるシミュレーションを実施するのでなければ、原則として「翌日始値」による売買にしておくべきだと思います。「翌日始値」にすることでシミュレーションの再現性に関する問題はかなりクリアできますし、少なくとも大引け間際に慌しい売買をせずに済みます。
2005年12月20日
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前回は「パイロン」というソフトウエアを紹介しましたので、これを基にして有効な売買ルールを構築することが当面やるべきことであると認識しております。「パイロン」のホームページパイロンでは様々なテクニカル指標があり、それらを組み合わせてテストをすることが出来るのですが、指標を組み合わせてバックテストする前の問題として、考えなければならないことがあると思います。それは、「売買ルールの実行可能性」についてです。いくつかの要因から、シミュレーション上の結果と現実の運用では異なる点がありますので、それを知っておかなければなりません。したがってシミュレーション上でうまくいったように見えても、それが現実の運用に適用できないのであれば意味がないということです。今回は、そうした要因のうち「出来高」について考察したいと思います。パイロンでは、「出来高」に関しては現実とかなり異なる仕様がなされています。パイロンのヘルプ「テストと現実の違い」によると、以下のような仕様であることが確認できます。***********************(1)出来高が0以上であれば必ず売買が成立します。 テストでは出来高が0以上であれば、必ず売買できます。実際には買いが圧倒的に多いと買えませんし、売りが圧倒的に多いと売れません。(2)出来高数のチェックは行いません。 テストでは出来高が3000の日でも5000株の成行買いが成立したとして計算します。(出来高が0の日には売買成立せずに次の日に繰り越されます。)(3)自分の注文による株価の上下は考慮されません。 現実には出来高の少ない銘柄だと、自分の注文によって価格が変動します。***********************これは、「出来高0に関してはチェックするが、そうでなければスルーしてしまう」という困り者です。パイロンでは、売買ルールに引っ掛かった銘柄を、翌日の始値(もしくは、当日の終値)のいずれかで売買することになっておりますが、出来高の少ない銘柄についての影響は考慮できません。したがって、出来高の少ない銘柄は実際には売買できないか、仮に売買できたとしても非常に不利な価格による売買になってしまう恐れがあります。そうなると、システムトレードにおいては「出来高が一定水準以上ある銘柄だけに限定してシミュレーションを行う」という措置が不可欠です。私の場合、出来高については以下のような「フィルター」を使おうと思っています。(1)翌日の始値で売買するルールを採用している場合 ・直近10日間の平均売買代金が5000万円以上 ・直近10日間の出来高0の日がない ・1トレードに対する投入額は100万円(2)当日の終値で売買するルールを採用している場合 ・直近10日間の平均売買代金が1億円以上 ・直近10日間の出来高0の日がない ・1トレードに対する投入額は100万円金額の違いですが、一般的に始値(寄り付き)のほうが終値(大引け)よりも出来高が多いという事実を勘案してのものです。実際に上記の水準で十分かどうかについては、現実の市場や自己の資金力にも依存しますが、シミュレーション上だけで完璧を追求することに大きな意味はないと思いますので、これについてはシステムトレードとはいえ裁量の余地を残しておくのが良いのではないかと考えています。
2005年12月19日
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実はつい最近、システムトレードの検証のために「パイロン」というソフトウエアを購入しました。「パイロン」のホームページ これは、様々なテクニカル指標に基づいた売買ルールを自分で構築したとき、その売買ルールを上場企業の個別株式に適用した場合の損益結果が確認できるという優れもののソフトウエアです。基本的な使用方法については、パイロンのホームページを見ていただければと思いますが、*銘柄ユニバース:東証1部、東証2部、JASDAQ、マザーズ、ヘラクレス*検証可能期間:1992年2月~現在という幅広い銘柄ユニバースと検証可能期間を誇っています。ちなみに、値段は12万円です。これを高いと思うか安いと思うかは人次第だとは思いますが、システムトレードに本気で取りかかりたいならばこのくらいの出費は不可欠だと私は考えています。さらに、パイロンを一度購入すると最新データのダウンロードはずっと無料であるというメリットがありますし、少なくとも自前でシステム開発をする手間を考えると破格の安さではないかと私は思います。私はこのようなソフトウエアがあると、検証作業に熱心になってしまうタチなので、暇さえあればやってしまうのではないかとさえ感じます。ある意味麻薬のようなものです。すでにパイロンを利用していくつかの売買ルールで検証を行っていており、有効な売買ルールを模索しているところですが、大切なのは「実際の資金を投入したときにどうなるか?」という視点だと思います。私はかつて、某機関投資家でクオンツアナリストという、定量分析の仕事をしていたのですが、「考案した売買ルールや投資理論を現実の市場に持ち込むとどうなるか?」という視点がなければならないと常々感じていました。今は別の仕事に従事しているのですが、今から思えば、売買ルールや理論にばかりこだわりすぎていて、「現実の市場にそれを持ち込むとどうなるか?」という視点に欠けている人も多々いたように感じます。最終的には、「システムトレードで如何にして利益を上げるか」ということですから、分析に嵌り過ぎて最初の目的を忘れるということだけは亡きようしなければならないと思っています。特に、テクニカル分析の世界は、方向性を間違うと「歩くテクニカル辞典」とか「単なる分析オタク」になってしまう人もいるという危険な世界です。この点につきましては、分析オタクを痛烈に批判した林輝太郎氏さんの言葉がピッタリくるのではないかと思います。「アマチュアが陥りやすい最大の悲劇は、売買の実践家になりたいはずなのに、いつの間にか学者や評論家になってしまうことである」
2005年12月18日
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最初の日記でも書きましたが、私はファンダメンタルズを基にした中長期の投資に関してはそこそこの実績を残していており、トレードについては収益機会の拡大のための施策であると位置づけています。したがって、想定するトレード期間は長くても3ヶ月以下であるという結論に至っております。それは以下のような理由からです。*****************************1.まず、中長期で株式の保有を考えるとき、その企業のファンダメンタルズがどうしても気になります。なぜならば、割高であるとか事業基盤が弱いといった、ファンダメンタルズの視点から見て芳しくない銘柄を、中長期で保有することは大きなリスクが伴うからです。そうしたファンダメンタルズの視点から見て芳しくない銘柄を保有し続けることで被るであろう損失を回避するためには、どうしても短期での保有にならざるを得ません。逆に言うと、中長期で保有する際には必ずその企業のファンダメンタルズを見て、価値と価格のギャップがある銘柄を保有することにしていますので、テクニカル指標だけを頼りにした中長期保有には興味がないのです。2.逆に、短期の価格変動はファンダメンタルズを反映しないノイズによる部分が大きいことから、検証によって有効だと判断したテクニカル指標を用いて、それを忠実に守るというトレードが向いていると考えられます。ここに、中長期のファンダメンタルズ投資では得られることのない収益機会の拡大を私は見出したいと考えているのです。3.もちろん、トレード銘柄をファンダメンタルズの視点から見て良い銘柄だけに限定して、テクニカル指標を用いてタイミングを図ってトレードすることも考えられますが、これをやってしまうと、収益機会の拡大どころか、トレード回数が減る分だけ縮小されてしまいます。ファンダメンタルズに関するリスクは、保有期間を短くするという形で回避できればと考えていますので、その点からもこのようなやり方は基本的には効率が良くないと考えています。*****************************そんなわけで、長くても3ヶ月程度なのですが、実際にはさらに短い期間が理想で、かつ、期間を分散したシステムを複数持つことでリスク分散を図りたいと考えています。すなわち、最低でも、*保有期間1日*保有期間1週間*保有期間1ヶ月の3パターンくらいの期間で安定したトレードシステムをそれぞれ見出せることを目指したいと考えています。ちなみに、保有期間1日とは、いわゆるデイ・トレード、すなわち、場中の板を常時に見ておかなければならないタイプのトレードのことではありません。最低でも、「当日の終値から翌日の始値」「当日の終値から翌日の終値」「翌日の始値から翌日の終値」「翌日の始値から翌々日の始値」「翌日の始値から翌々日の終値」という時間軸をもったものを指すことにします。場中の板を常に見ておかなければならないタイプのトレードは疲れるからです。これらを踏まえた上で実際に検証をして、納得のいくシステムができるまでは運用をしないつもりでがんばろうと思います。
2005年12月17日
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前回の日記で私はシステムトレードに興味があるということを書きました。ただ、私の場合、トレードの世界でまだ確たる実績がないので、システムの検証をするという段階から始めなければならないと考えています。そして、システムを検証する前に、そもそもどのようなものをトレード対象にするのかについても考えなければなりません。ただ、後者につきましては、システムトレードに詳しい知人が近くにいるという幸運もあって、自分なりにあたりはついていて、それは上場企業の個別株式全体なのかなと考えています。その理由ですが、ある一つの銘柄に対して、長期に亘って特定のテクニカル指標が有効であり続けるということはまず考えられないからです。ここでいうある一つの銘柄とは、例えば日経平均先物とかドル円為替レートなどのことを指します。もしくは、ある個別株式そのものでも構わないかと思います。長期に亘って有効なテクニカル指標を見つけるのが難しいものを対象にトレードするということは、システムそのものを必要に応じてチューンアップしなければならないことに他なりません。それは芸術的センスも問われることになり、非常に煩わしい上にリスクも高いと感じております。やはり、上場企業の個別株式全体をトレード対象とし、トレード回数を十分に多くすることで、個々の銘柄ベースでは負けるトレードもあるかもしれないが、平均するとプラスの収益が得られるという、「統計的平均値に賭けられる戦略」が私にとってはありがたいのです。そんなわけで、「全上場企業の株式をトレード対象としたシステムの検証」をどんどんやっていきたいと思います。
2005年12月16日
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ひと言でトレードといっても様々な手法があるかと思いますが、私の場合は主に「システムトレード」に興味があります。システムトレードとは、長期間にわたる過去において有効であったルールにそのまま従うというものです。トレードで利益を上げることは並大抵のことでは成し遂げられないと思います。それを邪魔しているのが主にメンタル面、すなわち人間の感情にあるのだと思います。ファンダメンタルズに基づいた中長期の投資でさえ、そのような感情がせっかくの有効な投資案件をダメにするくらいですから、トレードの世界ではなおさらそう感じます。トレードを開始するに当たっては、しかるべきメンタルコントロールが不可欠だと思いますが、その心理的負担を軽減させる役割がシステムトレードにあるのではないかと思います。もっとも、「有効なシステムを構築すること」と「システムが有効でも肝心の人間のほうがそれに従わない」という、2つの壁を乗り越えなくてはなりません。となると、自分で信用できるシステムを自分で作るしかありません。他人が考えたトレードシステムなど、それがたとえ有効であったとしても、それを自分で検証して納得できない限りは使えるはずもありません。多くの人が「有効なトレード手法を教えて欲しい」と考えがちですが、それは根本的に間違っていると思います。一番しっかりしなければならないのは、自分のメンタルだと思います。これをないがしろにしている限りは絶対に成功しないと思います。
2005年12月15日
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はじめまして。いなっち と申します。株式投資暦は7年ほどで、ファンダメンタルズ投資ではそこそこ実績を残しているのですが、割安な銘柄が減っているという現実と、収益機会の拡大という意味で、トレードの世界の研究を本格的にしたいと思います。トレードの世界で名声を上げて、「日本版 マーケットの魔術師」になれることを目指したいと思いますので、よろしくお願いします。
2005年12月14日
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