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2011.02.12
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カテゴリ: 戦争と平和
http://www.asahi.com/international/update/0210/TKY201102100191.html


モスクワを訪問中の前原誠司外相は11日午前(日本時間同日午後)、ロシア外務省でラブロフ外相と約1時間50分、会談した。ラブロフ氏は冒頭、メドベージェフ大統領の北方領土訪問を菅直人首相が「許し難い暴挙」と発言したことに不満を表明。領土問題で議論は平行線をたどった。
ラブロフ氏は「今日の会談はより良好な雰囲気の中で行いたかったが、残念ながらそうではない。北方領土の日に受け入れがたい行為があったからだ」と述べた。7日の北方領土返還要求全国大会で菅首相が昨年11月の大統領の北方領土訪問を「許し難い暴挙」と非難したことなどに反発する発言だ。外相会談後の共同会見でも日本政府の姿勢について「平和条約問題の解決に役立たない」と述べた。
一方でラブロフ氏は「平和条約問題についてロシアは議論を続ける用意がある」と指摘。領土問題は「前提なし、一方的な歴史的結びつけなしで進める必要がある」と歴史専門家による委員会設置を提案した。日本側の「旧ソ連の不法占拠だ」といった立場に反発した発言と見られる。(以下略)
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日本の抱える領土問題は、尖閣諸島、竹島、北方領土の3つがあります。このうち、竹島問題については、私はきちんと調べていないので、発言は控えます。尖閣諸島問題については、日本側の主張に理があると私は思います。
しかし、北方領土問題については、残念ながら日本側の主張には理がないと言わざるを得ません。

確かに、北方領土はかつて日本の領土でした。それを旧ソ連が第二次大戦末期に、侵略によって不法に占領したことは事実です。しかし、占領の経緯が不法だったから現在の実効支配も不法なものだ、とは言えません。そんなことを言い出したら、米国は領土をすべて先住民とメキシコから奪っているんだから、まさしく「不法国家」だし、日本自身だってかつて独立国だった琉球を侵略して領土に組み入れているんだから、やっぱり「不法占拠」だということになってしまいます。

以前にも書きました が、日本は、国後・択捉の2島については、サンフランシスコ平和条約で放棄しています。日本政府自身が、当時は国会答弁で「国後・択捉は千島列島に含まれる」と明言している。5年後になって、政府はこの答弁を取り消していますが、中国が尖閣諸島について、以前は日本領だと認めていたのに後から中国領だと言い出したのと同様で、説得力に欠けます。



日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、両国間に正常な外交関係が回復された後、平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する。ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国の要望にこたえかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする。

歯舞・色丹の2島は千島列島ではないので、サンフランシスコ条約では放棄していないはずなのですが、この共同宣言によって、「平和条約が締結された後に、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡す」つまり、逆に言えばそれまでは北方領土はソ連の統治下にあり続ける、国後・択捉はどちらにしても返還しないということを日ソ両国が共同宣言として確認しているわけですから、平和条約未締結の現在、ロシアの北方領土統治は(歯舞・色丹も含めて)「不法占拠」ではないのです。

私だって、北方領土は返還されるべきだと思います。しかし、そのための交渉の出発点として、ロシアが北方領土を「不法占拠している」と非難するのは、事実として誤りだし、交渉ごととしても、そんなことを言ったら相手が怒るだけで、「はい、分かりました」と返還に応じるはずなどありません。

サンフランシスコ平和条約にしろ日ソ共同宣言にしろ、永久不変の条約ではありません。沖縄だって、サンフランシスコ条約で米国の信託統治領とされましたが、20年後に返還されています。北方領土だって、サンフランシスコ条約では放棄したけれど、その事実を認めた上で返還交渉するしか、解決策はないと思います。
現実問題として、四島返還は99%以上ないでしょう。しかし、歯舞・色丹の二島返還なら、可能性はある。
その意味で、鳩山前首相が

「四島を同時に返せというアプローチであれば、今のような現実の中で未来永劫平行線のままだ」と指摘した。その上で「2島にプラスアルファという考え方で、プラスアルファの解釈に知恵が必要だ」と述べ、歯舞群島、色丹島の返還を前提に、国後、択捉両島の帰属問題に関しても協議を進展させる方法を模索すべきだとの考えを示した。

と、 講演で述べた というのは、まったくそのとおりだと私は思います。(でも、首相在任中にそれを言って欲しかったですが)

前原外相が北方領土の「不法占拠」を非難し、菅総理がロシア大統領の北方領土訪問を「暴挙」と非難したのは、国内向けに、対外強硬論好きの世論向けの人気取りだったのかも知れませんが、そんなことを叫んで北方領土返還が実現できる可能性は、皆無であると言うしかありません。





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最終更新日  2011.02.12 12:13:42
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