全3件 (3件中 1-3件目)
1
『治療といふこと、いつも人の体の自然の働きによらざる可からず。護ること庇うこと出来て、鍛えしむること突き放すこと出来ざるは彼をして独りたたしめざる也。治療のこと人を強くする為に導く也。時につき放し、背くこと必要也。然るに親切第一にすると称して同情の押し売りをし、彼を慰め、お大切にといへば親切のつもりの人あるも、治療するも者の親切は彼をして独りたたしむるのみ親切也。その為に冷淡も不親切も、彼の為、それを用ふるが是也と信ずる時は褒貶を度外してすらすら用ひ、彼をして強くする也。同情はひとを弱くしその弱きに快感あらしめ、親切は人を依りかからしめて独り立つ気力を失はしめ、慈悲は治療する者を快ならしむるも受くる者を圧迫し、冷淡は人を憤らせることあるも又奮発せしめ、突き放せば倒れることあるも独り立つ機となることもある也。補ひ庇ひ護ること必ずしも人を強くせず、餓えし人の食を奪ひ、盲人の杖をすてしむること必ずしも不親切に非ず、冷酷ならず、心の表面のことしか見得ざる人は別として、心を感ずるすべての人はこのこと親切なることを知るなり。治療といふこと、この親切に依ってのみ行はる可き也。それ故自分で自分を守る心ありては治療のこと行ひ得ざる也。自分の利不利のみ考へてゐては治療のこと出来ぬ也。慎重も親切も守る可きに守り、捨つ可きに捨て、如何なる時にもこだわることなく、常に白紙に動き明鏡の心に生きてのみ治療のことある也。持つべきものあらばこだわる也。もつべきものなく、こだわる可きもの無く、いつも静かに息してゐること大切也。治療のこと先づ自分を静かならしむる也。』
2005年01月30日
コメント(6)
前回につづく文章『されどかつて活動主義を唱へて活動をすすめ勇を揮ふを教え、活き活き生かしむる為に積極的行動を為すを養生なりといひし人あり。まことに結構、双手をあげて賛成する也。されど中には活動的に体を用ひ害ある人あるはもとより也。又消極的なる安静を以て養生の第一とせる人あり。まことに結構、安静は自然の養生也。されど動くに動かざれば萎縮する也。また大食主義なりといひし人あり。断食はよいと人にすすむる人あり。玄米に限るとそのこと主張するの人あり。朝めし廃止を是とする人、四度食するを是といふ人、積極主義なる人、消極主義なる人、精神主義なる人あり。されどその何れも是也。されどその何れにも非あり。その是非は別として之らの主義主張の為に人を導かんとするは治療といふこと知らざる也。 治療といふこといつもその出発点は相手の体也。その体によりて大食よければ大食せしめ、断食良ければ断食せしめ、活発に動いて良ければ活発に動く可きを教へ、安静にしてゐた方が宜しければ安静を説き、その時の体に適ふことのみ行はしむ可き也。暑き日に厚着せしめて用心と考へ、寒き日に薄着せしめて鍛錬と思ってゐる人あるも、その為に反って汗をかいて冷える人あり。そのことの鍛錬となる人もあれば反って体を弱くすることもある也。その為すことに用心も鍛錬も無き也。ただその人にその目的のもとにその為すに適不適あるだけのこと也。その適見つけて誤らざるは治療といふことの慎重也。その主義主張の為治療といふこと行ふ可からざる也。主義を生かし人を殺してゐることしばしばあり。慎まざる可からず。』
2005年01月13日
コメント(0)
『治療のこと自然に依る也。花をさかせるにも力をもってする人あるも、治療のこと力を忌む也。技あればある程それを用ふるを慎み、慎しむを知りてのみ用ふるを得る也。技はそれを揮ひ用ふる為に修むるに非ずして、その用ふ可からざるを知る為技を修むる也。余分なことすまじき為也。技を修めて、之を用ひざるを知らざれば、自然を破る也。病気のおそろしく無きを見つけんとして病気のおそろしさに縛らるる也。薬を見つけてそれを呑まざれば治らずと思い込む也。レントゲンを発見して影に怯え、人間の生きてゐること忘れる也。屍体を解剖して人の個性を見失ふ也。治療のこと個性をを自覚し、個性に基づいて行はるる也。人間本来の力をはたらかしめて活き活き生くる為に行はるる也。溌溂と生くる元気を失ひ、薬を頼り機械に依り人間自身独り立てざるはこの為也。医術衛生行はれて人いよいよ元気の無くなるはこの為也。斯くては治療の技すすめど人間の体進まざる也。されど治療の為に人間はあるに非ず。人間の為、人間を丈夫にする為に治療のことある也。技は揮ふ可く修むるに非ず。その用いざる為也。人間が自然である為に治療のことある可き也。このこと会して治療のこと人間の為に在るようになる也。』
2005年01月06日
コメント(3)
全3件 (3件中 1-3件目)
1