ボランティアキャリアコンサルティング

ハローワーク相談支援員の上手な使い方

　ご無沙汰しています。今日はハローワークで職業相談にのってくれる相談支援員の上手な活用方法について述べたいと思います。　以前から私はハローワークの職員にも質にばらつきがあり、有用な方は3割程度だと述べてきました。有能な職員の実例としては、臨床心理士等の資格も所有して、深層心理（無意識）の部分にまで踏み込んだアセスメントを行ったうえで、具体的な就職活動方法の盲点と改善点について提案できるレベルの方もおられるそうです。　しかし、同じ施設でも、相手に合わせた適切な求職者ＰＲすらできない職員もいるとのこと。たとえば教育関係の仕事に就労したい人を求人先企業に紹介するとき、教員免許や実務経験をもっているにもかかわらず、関連性の薄い資格や職務経験を相手に訴求した。電話を終えた後、「あなたには教育関係のスキル・経験があるから、書類作成や面接の場で訴求して下さい。」という呆れた（マッチング能力の低い）対応をする職員もいるそうです。　ですが、そこで俯瞰して考えてみましょう。あなたの目的は何ですか？給与分の労働をせず、義務を十分に果たせない（果たそうとしない）職員に対して怒りを感じ、有効な就職活動ができず、いたずらに就職活動が遅延することなのでしょうか？　それとも有用な職員が8割以上であるべきだ！と現実を冷静に受け止めず、活用できるはずの好機の一部を逃してしまうことでしょうか？　もちろん違いますね。目的は納得できる就職の実現であり、それを可能にする最大限に効率的な就職活動の実施なわけです。ですから、私なりのハローワーク職員活用法をご提案したいと思います。　第1に求職票をしっかりと読み込みましょう。そして求人側の立場を想像しながら、相手が求めている能力や経験をはっきりさせます。そしてそんな相手が好感を持つだろう自分の能力や経験を大まかに描いておきます。　第2に紹介状をもらいながら、ハローワーク職員が相手企業担当者とどのようなやりとりをしているのか、きちんと聞いておきましょう。もしも見当違いのアプローチをしている時などがあれば、自分の思いを伝えるようにしましょう。ベストは電話を掛ける前に、企業側に伝えてほしいポイントを支援員に伝えておくほうがよいですね。　第3に自分で求人先企業に電話をしてしまう方法もあります。職員には紹介状だけを発行してもらいます。実は短いやり取りの中にも、相手先企業を分析できる情報はたくさんあるのです。相手の礼儀正しさ、配慮の有無、忙しすぎないか、高飛車なのか、組織は大きいのか等々。意外と情報を収集できます。そしてさらに重要なのが、電話でのアプローチがそのまま「ゼロ次面接」として機能するのです。書類選考を突破してやっと1次面接であなたの良さを伝える、という高いハードルを低めることができます。礼儀正しく、相手を思いやり、必要に応じたやり取りを的確に行う。声の調子も意識する。そうすることで、あなたの人柄や能力の一部を相手に感じさせることが可能です。メラビアン博士の論によれば、声の抑揚及び内容自体として面接時の45％を最大伝えることができうるのです。　とにかく、最良の就職活動を実施すること。そして就職すること。その２つにすべてを集中させるという意識と姿勢が重要です。更に申し上げれば、本当に大切なのは、就職を決めた後の業務を行う日々なのです。油断すると意識から外れがちなことですが、大切にしたいものですね。