早速、煙草盆の修理に取り掛かりました。背面下部の底板の小口を隠すケヤキの薄い板が剥がれていた物を、多分製作当時にも使ったであろうと思われる「ニカワ」で接着します。ニカワは棒状のニカワを細かくカットし水でふやかした後に湯煎で加熱して溶かすという、手間のかかる接着剤ですが、ここはオリジナル状態を保つためにあえて使いました。だって酢酸ビニル系の木工ボンドじゃねぇ・・・
クランプで固定して接着中です。それにしても美しいケヤキです。いまどき、このような材はいくらするものだか・・・。
接着がすみ修理完了です。透かし彫りがあり小引き出しが2個あります。ネットで調べても見かけない作りです。表面は透きうるし処理のようです。
左の木箱状のものは、銅製の火箱の灰が飛ばないためのカバーのようです。これは桐製でした。そして竹筒は灰吹きというもので、吸い終って火の消えた灰を捨てるところです。手前の蓋付の部分は、多分刻み煙草が入っていたものと思われます。ただ、わからないのが火箱の後ろ側にスリット状のポケットのような部分があり、そこは何に使ったものか不明です。
驚いたのは小引き出しの縁取りです。小口が見えないように、盆本体にも施してある黒い薄い板ですが、どうやら黒柿の薄い板を接着してあるようです。汚れを落としていたら木目が現れ、木製であることに気がつきました。ケヤキ、黒柿、内部のヒノキ、桐・・・4種の木材から出来上がっています。民具とはいえ、すばらしいものですね。使うわけにもいかず、リビングでディスプレーしてあります。
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