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今日、もらった感動へのお礼を綴りたい。
そう思って書いていると嬉しさがよみがえって
笑っているうちに楽しくなる。
読み返した時、また嬉しくなる。
だから、明日が楽しみ!
August 20, 2017
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​一枚、二枚『番町皿屋敷』 は怪談だと思っていた。





毎年楽しみにしている
「稚魚の会・歌舞伎会合同公演」は
今年は、『番町皿屋敷』。

主演が中村橋吾さんと聞いた日から
心待ちにしていたけれど、
なんでよりによって怪談なの?


お皿を割った腰元を斬る役なんて、嫌だな!って
ほんとは内心思っていたの。

せっかくの主役だもの、
しっかり内容を把握する為、
事前学習をしていきましょうと
『播州皿屋敷』も併せて
あらすじ、背景、調べていたら、
歌舞伎の『番長皿屋敷』は違いました。

お菊さんが命を落としたのは、
高価といえども、
たかだかお皿のために罰として、
じゃなかった。

播磨と腰元の自分。
身分違いの恋の行く末を不安に思って
彼の愛を確かめるためにわざとお皿を割ったのだ。

何があっても彼女を愛し抜こう
と固く決意していたのに

自分の気持ちを疑われたことを嘆いて
斬るのだ、青山播磨は。

16日、初日。

橋吾さんったら、なんともりっぱな旗本だった。

平成中村座の「試演会」で
熊谷や粂弾正の経験があるから

ちっとも心配はなかったけれど、

想像以上お殿様だった。


歌舞伎体操で知り合ったお友達と一緒に
晴れ舞台鑑賞。


「素晴らしいね!」と絶賛している彼女達には
ナイショだけど


気品とか風格は申し分ないけれど

こんなに分別のありそうな人が
純愛で死ぬって違和感あるよな、と。

正直、感じたことは事実です。





そうしたらね。

5日目の千穐楽。

変わっていたのでビックリしました。

愛するお菊のためなら
どんな苦難も乗り越えていけるという気持ち
心の底からあふれ出るような播磨。

お皿を割っても、その粗相さえ許し、
一人暮らしをしているお菊の寂しい母を
この屋敷に住まわせよう、

誰はばかることない

と嬉しそうに話す姿には
ホロッとさせられましたし、


一転、自分の愛情を疑って
わざと割ったと知った後の
落胆する様子には、

若い一途さ、危うさが
感じられました。


短い間に、播磨を生き抜いた橋吾さん。

大好きな人を失うことになった播磨の切なさを想い!

お弟子さんとして忙しい毎日を送りながら
精進してここまで立派な役者さんになった
橋吾さんを観ると
胸が熱くなりました。

あちこちから、すすり泣きが聞こえてくるのも無理ないね。

毎日通って観たという人にも聞きましたが、
日一日と、変化が見応えあったそうな。



養成所出身の橋吾さん達にとって、里帰りのような
国立劇場の舞台です。





播磨役から早着替え、次の「紅翫」では後見で大活躍。

「あら、忙しい」と思ったら、成駒屋さんだからですね。

江戸時代に実在した踊りの名手、紅勘さん。

成駒屋の芝翫さんの当たり役なので
歌舞伎では「紅翫」と充てるのだそうです。

音蔵さんが「紅翫」に挑戦してくれるのも
可愛がっていた橋吾さんがりっぱに後見しているのも
劇場のどこかで先代芝翫さんが
ご覧になって喜んでおられるでしょう。


そう思うと、また涙が!





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最終更新日  August 11, 2022 08:57:46 PM
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