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標高1.150mあたりの野ばらが咲き始め、これから本格的な山野草の花々の競演が始まります。日を追うごとに山裾を登って行く花畑、これからの約一か月間は、樹々が蒸散する爽やかな香りと、虫たちを吸い寄せるために花々が醸し出す甘い香りが交じり合う、自然が調香してくれるアロマの季節。いつまでも風上に佇んでいたくなります。三週間前は白い花が一面に咲いていた場所が、紅い実りに満ちています。昨年も同じ場所を観察・・・今年のイチゴは粒が小さいようです。写真ボケボケ・・差し替えようかな。薄桃色の花をつけているのもイチゴの木。イチゴって草~木までと種類が多くて、この近辺では、私が知る限り5種類もあります。ジャムにすると美味しいだろうな~と思うのですが、紅く熟す頃は、気持ちがきのこへと移っています。一際成長著しい「はて、なんだろう」は、baeさんからビロードモウズイカと教えていただきました。中心の花穂のようなところがニューと伸びてきて、今回もやはり虫が遊んでいます。どんな形の花を見せてくれるのでしょうか。ビロードのような葉っぱがあまりにも見事なので、次回は25倍の拡大鏡で観てみましょう。今季初めてのイグチ。カサ裏は淡い紅色、柄には赤茶色の筋模様があります。アシベニイグチ・アメリカイロガワリ・ヌメリコウジタケなどが同定できないので、この種類のイグチは観賞するだけ。この場所のイグチ類が出てきたという事は、里山のヤマドリタケモドキ・ムラサキヤマドリタケも出始めたかな。きのこの季節を待ちわびる今が、いちばんいい頃かもしれません。
2016.06.28
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咲き始めだったベニバナヤマシャクヤクが結実したかどうか確認へ向かうと、数メートル離れた所で散り始めの株を発見。散り落ちた一枚の花びらを探しましたが、風に飛ばされたのか見当たりません。このような状態で、しっかり結実するものなのだなぁ・・と観察すると、一匹の虫が休息中。桃色のドーム部屋でのひと時、とても素敵な隠れ家です。先週の株は強風によるものか折れていましたが、しっかり結実していました。数年間オダマキの花畑として楽しんだ場所は草丈があるものに入れ替わってしまい、その姿が少なくなりました。伐採されてから三年目の場所へと移動してオダマキ花畑観賞。奥ゆかしい淡い色合いが素敵です。花びら(正確にはガクなのかも)の中央の色が一筋濃くて、黄色のグラデーションが優しさを惹きたてています。淡い赤紫色のオダマキ・・・次回は青紫色の花を探します。雨を予想しておりましたが、降られることなく快適な草花観察日和。梅雨時特有の濃厚な空気を、全身の細胞から取り込んで遊んできました。前回見かけた自己主張感たっぷりのビロードモウズイカの現在は・・・後ほどにアップします。
2016.06.25
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一週間の時が過ぎて、開花準備が整ったベニバナヤマシャクヤク。陽射しを受けると、ゆるゆると花びらが開いてくるのでしょうか。先を急いでいたので開花まで待てず、今回は蕾を観賞。フタリシズカは今が盛り、ヤマオダマキには蕾が沢山。ベランダ栽培のオダマキは咲き終わりましたので、標高1.000メートルとの開花差は凡そ50日ほどでしょうか。山野草といえば矮小の可愛らしさを思い浮かべますが、「さて、これは何でしょう」と思うような立派な葉っぱを広げたた植物・・・私の腰部までの高さがあります。白い綿毛に覆われた葉っぱの中心部は、蟻や小さな虫たちの休憩所となっており、きっと外気温より暖かいものと思われます。コンフリーに似ているようで、ちょっと違うようでもあり・・・。ジキタリスだとしたら、どんなに見事な花を咲かせるのでしょうか。一週間前は元気がなかったハルセミの声も、陽が高くなるにつれ賑やかな合唱となり、草の中には熟れたイチゴの紅色、花々の紫、白、黄色が散らばり始め、早朝山散策は、今回も気持ちのいいものとなりました。
2016.06.18
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来たるべき季節に備えての足慣らしとして、短時間山散策。透き通るような朝日の中、匂い立つ緑を廻りに従えて凛と立つ一本のカキツバタ。ランという名前は付いているけど、白い蕾のような花が開いているのは見たことがないササバギンラン。まだ明けやらぬ頃の短い時間にでも、密やかに開花しているのかしら。そういえば、開花しないのに結実する植物もあるので、この姿が一番美しい時なのかも。里の作物、山野の草花の成長が早かったのでベニバナヤマシャクヤクの開花も早いかもしれないと、心当たりの場所を数カ所探索。硬く閉じた蕾がありました。開花までにどれ程の時間を要するのかしら。次回の逢瀬にタイミングが合いますように・・そして鹿のご馳走になりませんように。花を探しながらきのこはないかと、キョロキョロ。いい首の運動になります。一本抜いて観察しますが、結局名前が分からないきのこ。倒木の下側に隠れるように並んで出ていたのは、ウスヒラタケ。数カ所で見かけましたが、「きのこモード」で歩いていないので採りたいという気持ちが湧いてこない。集めたとしたら、小さな籠いっぱいになるくらい発生していました。ショック!苔に覆われたふかふかの地面緩やかな起伏の窪地で見かけるモリノカレバタケのフェアリーリング緑色の苔との対比が美しいタマゴタケの赤そしてコガネヤマドリタケの黄色運が良ければクリーム色のフリルを見せてくれるハナビラタケ・・薄紫のミヤマオダマキが揺れて、地面には紅色の小さなイチゴ苔むした石の上の絨毯に芽吹いた小さな樹、世代をつないでいく針先ほどの苔の花々、風を知らせてくれるシダのそよぎ風が通り抜け、遠くまで見渡せる美しい森。臆病者の私が、唯一怖くない森として親しんできた場所が、伐採指定区域だったとは。3、688本の樹木が伐採されたようです。ある三叉路を下って行くと、そこにも伐採重機が入っていました。こちらは間伐なので、「あ~よかった」・・でも風の流れが変わるのできのこにどう影響するかしら。きのこがよく採れる森から伐採されていきます。森の循環を考えると、倒木だけではなく元気な樹に寄生して枯らしてしまうきのこが多く発生するという事は、森としての盛りを過ぎたということ。自然災害の観点からみると、新たな植林の必要があるとみなされます。理屈ではわかっていますが、むき出しになった茶色い地面を見ていると悲しくて。あの美しかった森の風景は、昨日、私の脳内絵本の新しいページに加わりました。
2016.06.11
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ジャゴケの先から清水が滴り小さな流れとなり、シダの葉から蒸散された水分が森の空気を潤してゆく。つま先を浸したくなるような小川には、時々小さな魚がツーと走りぬける。白い絹糸を流しおろしたかのようなしなやかな滝は、その音も囁くようで、いつ見ても滑らかな優しい風情。近くの祠のお地蔵様も柔らかなお顔で、ペットボトルを切り抜いた賽銭箱も何だか面白可笑しくて、チャリンといれた十円玉の音が木々の間に吸い込まれていきます。水辺の倒木で休憩する蛾。閉じたり開いたりする羽の様子を眺めていると、独特の間が感じられ催眠術にかかるかのような錯覚を覚えます。昨日も野山を散策できる時間は、早朝の三時間だけ。家に居ると、目につく物すべてと言っていいほど家事に繋がるものばかり。そんな慌ただしさから抜け出すには、森の中に身を置くのが一番。ただし、その付けは後々の家事となって身に降りかかるわけですが、「気持ちよかった~楽しかったなぁ」という思いがあるので、黙々と家事は進んでいきます。って言うとかっこいいけど、土日はその家事の半分を相方が手伝ってくれますので、そこを見越した早朝の森林浴と言った方がいいでしょうか。抜け目のない私ですが、相方も森の中で生き生きしていたので、いいかな・・・。
2016.06.04
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