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きらりと光りを放つ朝露は、早朝の光を受けるに従い煌めきが眩しい程になり、ほどなく蒸散されて森の一日が始まっていきます。刹那に美しい時間に同化するように身を置く幸福に心はどこまでも静まり、風の音や匂いが体にまとわりつき「森の人」になったような安堵感に浸ります。恵みの雨をたっぷり受けたホンシメジ。このくらいになると、胞子を飛ばした後でしょうか。苔の中のハナイグチは明るい色合い、ガレ場に出る幼菌は石ころに似た暗赤色。それぞれに適応していて、健気な姿を見せてくれます。それを・・・摘み採る私。胞子用に残すのは、せめてもの罪ほろぼしです。雨の後なので、見かけるナラタケは暗褐色で溶けかかっているものがほとんど。出始めは、たまに見かけるばかり。写真はオニナラタケで、採りたいキツブナラタケは気配さえありませんでした。アブラシメジは八月の後半から出続けており、他のきのこが少ない中でカサのぬめりが一際目立っています。雨を覚悟していましたが、早朝は濡れることなく爽やかな散策。標高を下げるに従い、霧雨から雨・・また霧雨と天候が変わります。仲間達とのランチパーティは霧の中。毎週のようにご馳走になる「松茸のお吸い物」の温かさが体に沁みこんで、山の季節は晩秋に進んでいるようです。今回は、寝不足の為に早めの撤収。そろそろ、他県の山の紅葉が恋しくなってきました。体が二つ欲しいこの頃です。
2016.09.25
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何年も続けて同じ山を歩いていると、お気に入りの場所や風景が定まってきて、吸い寄せられるようにそこに向かって歩いている自分に気づく時があります。根張りが盛り上がって、樹木・苔・きのこが観賞できるこの場所は、大きな森の縮図のようで、私の中で密かに神聖な場所、「きのこのお社」と名付けられています。森を歩いているのに海を想わせる美しいハナホウキタケ。今季は黄色タイプを見ていません。つい先日仲間からホンシメジを頂いた時「私のシロにはまだ出ていなかったですよ・・」と話したばかり。ほんの数日後には、何にもなかった場所に立派なホンシメジが。環境さえ整えばこんなに早く成長するものなのですね。今季一番の美しさを見せるタマゴタケ。触れることなく観賞してきました。オニナラタケが出始めています。温かい汁ものに、こっくりとした旨味を加えてくれるナラタケは人気のきのこ。好みのキツブナラタケが採れるのは、やや遅れてから。虫が入りやすいので採り頃はほんの二日間ほど、タイミングを計るのが難しいかな・・・。一通りきのこ散策を楽しんだら、仲間達とランチ。いつもの場所で、きのこ四方山話に花が咲きます。疲れていた体も、楽しい話題とお弁当、差し入れの松茸のお吸い物・デザート等で復活。今回は食後の散策もこなして満足度120パーセント。そろそろ紅葉も始まる頃、次回はどんな感動が待っているかと楽しみです。
2016.09.19
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踏み後をつけるのが惜しくなるような、コケモモの林床。秋も深まるとハナイグチが隠れていますが体感気温はまだ初秋。その姿はありませんでした。夏と秋が一緒に来たようなきのこの出かたをしているので、もしかしてこの場所にハナイグチを見ることはないのかも・・・初夏に見かけるシャクナゲの花も咲いていて、これは今後のきのこ発生にとっていい兆候なのかどうか・・・毎年思う事ですが先を読むことは難しいです。シャクナゲの下には、柄の紫色が艶やかなヌメリササタケ。ベニテングタケは例年年より形が小さめ。それでも存在感があり、絵になります。やっと薄日が当るような場所のクロラッパタケ。以前フィンランド(だったかな?)のお土産に乾燥クロラッパタケを頂いたことがあり、味の良さは知っていますが、数として少なかったので今回は写真だけ。前回に続いてきのこは少なめ。晩秋を思わせるチャナメツムタケは出始めているのに、その前に森を賑わせてくれるナラタケが見当らず、どうか秋がゆっくり進みますようにと願うのみです。今回は、kさんの好意で仲間達と松茸のお吸い物付きのランチタイム。初めてお会いする方々と、きのこを介して楽しく語らうこともできました。日曜日の夕飯は夫のお当番で(しぶしぶ作っています)、今夜はツガタケ入りのチキンカレー。部屋中にいい香りがしています。
2016.09.11
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朝露を含んだ柔らかそうなミヤマハナゴケのフサフサに触れてみると、思ったよりもしっかりした質感。絡み付くようにサルオガセと、その下には小さなきのこが・・心がほぐれていくような、素敵な景色です。ハナイグチは思ったよりも数が少なく、キノボリイグチ・アミハナイグチもチラホラ見かけるだけ。白い塊を破って出てくるタマゴタケは、可愛らしくもあり、見る人によれば奇怪でもあります。採り頃クロカワは、たったの一枚だけ。今年は、どんな発生状況を見せてくれるか楽しみ。きのこたちが賑やかな先週の森を見ていただけに、昨日も期待して出かけました。三日もするときのこの様相は変わる・・と分かってはいましたが、その姿の少ないこと。八月の雨の多さと気温の変化が影響したのか、それとも前回の台風による強風が、苔むす地面をたたいてしまったのでしょうか。渋いきのこ散策となりました。そんな中でもきのこ仲間達の笑顔は健在。「以前のように山へ行きたい」との友人の気持ちを汲み取って、同行される仲間の優しい気持ちに触れることもでき、駐車場にて少しの時間ですが、果物・お菓子つきで約一年ぶりの歓談ができました。ガタがきつつある膝を上手に使いながら、大雨でなかったら、今週末も出勤簿を埋めるがごとく出かけます。
2016.09.04
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