再出発日記

再出発日記

PR

フリーページ

お気に入りブログ

体感治安の悪化 New! 七詩さん

「おすわり」2 New! ポンボさん

源氏物語〔12帖 須磨… New! USM1さん

角野隼斗 ピアノリサ… New! はんらさん

『イギリス断片図鑑… New! Mドングリさん

カレンダー

2007年03月13日
XML
またしても Under the Sun


私の人生に一番影響を与えた本を一冊だけ選べ、と言われたら決めるのは至難の技ですが、数冊選べと言われたなら、迷うことなくこの本はその中に入ります。
「事実とは何か」(本多勝一) 私の読んだのは単行本ですが、今は朝日文庫で容易に手に入れることが出来ます。
この中で本多勝一氏はいうのです。
新聞社に就職して教えられたことに「報道に主観を入れるな」「客観的事実だけを報道せよ」がある。そのことは「その通り」ではあるが、本多勝一はベトナム戦争の取材で、そのことに違和感を抱くようになる。「客観的事実などというものは仮にあったとしても無意味な存在である。」「主観的事実こそ本当の事実である」。それはどういうことなのか。
「ジャーナリストは、支配される側に立つ主観的事実をえぐり出すこと、極論すれば、ほとんどそれのみが本来の仕事だといえるかもしれません」


一番例えとしてよく使われるのは、「沈みつつある船」を報道するのなら、何を報道するか、ということだろう。
豪華客船のワイングラスの輝きを書いてもそれは「客観的事実」だ。


「何を選ぶか」ということは、即ち
「どういう立場に立つのか」「どんな視線を持つのか」
ということと同義語なのだ、ということを20数年前に突きつけられて、今考えると、人生が変わったのだ、としか思えない。
「支配される側に立つ」という氏の説明は、実は現実世界ではそう単純にことは進みません。でもできることなら「見下ろす側にいたくない」とはずっと思ってきました。かっこ悪いことはいろいろあったけど、ね。

ささやかな経験で思うのは、公正中立な人間なんていない、報道なんて無い、組織なんて無い、ということだ。
常に「選ぼう」。自分なりの「視線を持って。」
偏見を持とう。自信を持って。ただし、正確な事実だけはしっかりと持って。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年03月13日 23時53分17秒
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな@ 自然数の本性1・2・3・4次元で計算できる) ≪…三角野郎…≫は、自然数を創る・・・  …
永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ @ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…

バックナンバー

・2024年11月
・2024年10月
・2024年09月
・2024年08月
・2024年07月
・2024年06月
・2024年05月
・2024年04月

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: