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2007年10月30日
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今日は週一回のハングル講座の日でした。最近忙しくて二回飛ばしたら、周りの人がいつの間にか、実力を増していて、取り残された気分。今日は「チョンガー」(独身)は、やはり朝鮮語の「チョンガッ」から来ているのを知りました。あっちでも独身と言う意味らしいですが、俗語です。元はみすぼらしい大根らしい。でも美味しいキムチになるそうです。頑張るぞっ。


「悲しみに笑う韓国人」ちくま文庫 吉田博司著

(韓国の大学教授がやおらお香々、ご飯、味噌汁をみて味噌汁の椀なかにご飯をいれてかき混ぜて食べたというエピソードのあとに)日本と韓国の食べ方で困るのは、両者が両者の食べ方を、おたがいに大変下品だと感じる点である。私が正座しながら、手に茶碗を持って、卵かけご飯を食べていたとしよう。ここにある韓国人が突然訪れる。彼の目には囚人が座って、下品にも食器を手に持って、精力剤の生卵をなにやら米に混ぜて食べている、としか見えない。

私は一週間のうち五日ぐらい卵かけご飯を食べている。ああ、日本人だなあ、と思う。韓国旅行の間は、お椀を手に持って食べたくて仕方なかった。

この本を読んで、なるほどと思ったところが大変多かった。このような身近なん食事のことから、国民性のことまで、80年の韓国民主化激動の時代に留学生活を送り、韓国通の草分けの著者が、かなり深いところまで日韓両国に甘いところを見せずに分析してみせる。

年齢による上下を基準にするか、ある集団における帰属年数を基準にするか、日本では前者に気を使いながらも公的には後者を貫くが、韓国では基準はあくまでも前者にある。

テレビドラマを見ていると、気がつく。

(日本人柳宗悦が高く評価した朝鮮李朝茶碗は)日本の美であり、朝鮮ではまったく美ではなかった。したがって庶民は、戦後生活が豊かになるにつれ、陶磁器の飯茶碗を捨て、彼らにとってはより美しいもの、光る金属器へ什器を変えていったのである。李君に尋ねると、やはり韓国人は光る金属器に美を感じ、金、銀、白銅、真鍮の純でこれを珍重するという。今日の韓国庶民の日常什器がアルマイト類であるのは、まだまだ真鍮が高いゆえんである

韓国に最初に行ったときのカルチャーショックは、ひとつはハングルの洪水であり、ひとつは食べるときに皿と箸おわんすべてが金属であるということだ。独裁政権の下、強制的に環境に優しい什器に変えられたのだろうか、とずっと思っていた。勘違いでした。

韓国人は自己と他者との違いを抽出することを本質的に嫌うようである。例えば、「比較」と言う漢語は韓国では「pigyo」と発音されているが、その真意はAとBとの共通点を抽出するという意味である。差異点では決してない。試みに大学の試験問題に「AとBを比較せよ」と言う問題を出す。見事に全員の学生がAとBの共通点ばかり書いてくる。これはいったいどういうわけだろうか。さらに詳しく検討すると、AとBの共通点を探すというのも性格ではない。むしろAかBのどちらかが正しいものとし、ほかの一方がその正しいものをどれだけ含んでいるかを記述しているらしい。

かくして、日本人と韓国人はえんえんとすれ違う。

本音と建前の使い方も違う。
日本の商談では断るときには「それは難しい」という誤魔化しの言い方をするだろう。韓国は違う。

「それは下請けC社のせいで出来ない」とか「K部長の頑固のせいで出来ない」と言うだろう。面子を慮って「貴社の品質管理が悪いので出来ない」等々の本音は一応胸に仕舞ってのことである。(略)日本人は誰のせいでもないと嘘をつき、韓国人は誰かのせいだと嘘をつく。

韓国人は「理論」的な民族である。(略)是か非か、これを鮮明にしないと決して納得しない。(略)この歴史的な個性はどこから生じてくるのだろうか。そこで朝鮮史上の儒学者たちの論争と言うものをひもといてみると、ことごとくこの手の「是非」論争であることが分る。(略)そしてその勝敗の決め手は、決して理論的ではない。年齢の上下で決着をつけたり、党派の力量が勝利に結びつくのである。そのたびに負けたほうは面目を失い、はなはだしい場合は島流しになったり、王より死を賜る、こうした精神風土のなかで、朝鮮人は「理論」闘争し、空理空論に血道をあげてきたのである。よいとか悪いとか言っているのではない、とにかくそれは朝鮮人の心の中にあった。

この理論的な性情の裏に、一転して野生あふれる韓国人の風貌があることも確かである。(略)ひとたび爆発すれば、哀しみに号泣し、怒りであれば人を追い詰め、懼れであればちじみあがる。愛であれば惑溺し、楽しければ全財産を蕩尽しかねない。ある意味では、この「情」の汗馬に、儒教はかろうじて轡をかませたのである。



ついでにもうひとつの韓国国民の特性、「恨(はん)」はどのように説明されているか。それは「果たせなかった夢」だという。もちろんそれは古今東西普遍的な人間の性でもある。




ちなみに「夜おそく友達に来られて、寝られませんでした」などという自動詞の迷惑受身形は韓国語には存在しない。「夜遅く友達が来て、寝ませんでした」と言う言い回しなら翻訳可能である。とにかく相手の迷惑を受け入れるということが知り合いになるための条件になっている。こいつの迷惑は本当に不愉快だと思う相手とは、はじめから知人になれない。

だそうだ、中国語ならどうなのだろう。

かくして日韓はすれ違う。
けれども、普通の人間関係もそうだけれども、いったん相手の性格が分れば、いい友達同士になれるものである。





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最終更新日  2007年10月31日 01時14分55秒
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