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2016年08月17日
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カテゴリ: 社会時評
昨年のことですが、7年ぶりぐらいにAmazonの書評レビューを再開した。要はブログに書いた書評をそのまま転載するだけ。昔は実は600近くの書評をここに載せていた。なぜ止めたか。一番大きな理由は、字数制限があったからである(現在はほぼ無い)。800字か1000字で打ち止めになっていたのではないかと思う。もっと前には、一つ一つの書評に内容審査が入って、しかもどうして掲載差し止めになったか理由がわからなかった。それで数年間止めていた時もある。ただ、それは2005年ころになくなっていて再開したのだが、字数のことでやはり止めたのだ。
実は私は、2000年ごろのAmazon発足当時の書評欄ができたころからのレビュアーである。だから、最初の頃は書評を書く人があまりいないせいもあって、 ベスト10レビュアー
ところが、この下の書評を書いてしばらくすると、ベスト3000ぐらいに順位が下がったことを知った。理由は明白であり、この本に関しては、異常なくらいに★5とかにつけている書評に対して「参考にならない」評価をつける人がいるのである。他のアベノミクス批判の本にもその傾向があるが、SEALDs が関係する本に関しては「異常」が付くくらいに否定「票」が押されたようだ。基本的に一人一票制のはずだが、これはぜったいにそうではなくて、おそらく数人の何か使命を帯びたような気持になっている人か、本当に組織された人たちが、アカウントを替えながら投票しているのだと思う。もちろんそれは私の推測であり、それが何人でやっているのか、もしかして2-3人でやっているのか、それもわからない。特徴は批判の書評を書く人も、否定票を入れる人も、内容がなく機械的だということである。
どちらにせよ、それはものすごいエネルギーのいることだと思う。一人が10投票するのでさえ、大変なエネルギーだと思うのだが、そう仮定したとしても20人以上(私の否定票は遅く書評を書いたので少ない。初期に書いた人はこの倍くらい否定票が入っている)が参加しているのである。
私は雇われてやっているとは思っていない。おそらく、自分の書評に否定票をたくさん入れられて恨みに思った人の仕業なのだろう。ネットウヨだけがこのような「執拗性」を持っているわけではない。左翼同士のコメントのやり取りも、時々いやな執拗性を帯びることがあり、これは匿名のネット社会の持つ性格なのだと私は思っている。
ともかく「243 人中、48人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。」というのは「異常」な状態である、ということをみんなに知らせたくて、この一文を書いた。もしこの文章が本当にひどい書評だったのだとしたら、せいぜい「40人中、2人の方が」ぐらいが本来の在り方だと思うのだ。
SEALDs 民主主義ってこれだ! 
SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)著
エディション: 単行本(ソフトカバー)
価格: ¥ 1,620
243 人中、48人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています
5つ星のうち 5.0  スピーチを聴こう, 2015/11/13
レビュー対象商品: SEALDs 民主主義ってこれだ! (単行本(ソフトカバー))
本をめくる。タイトルの次に、「目次」の代わりに「introduction」と銘打たれて、まるでアイドル写真集のように、2人の男女が廃墟のプール(?)で向き合っているカラー写真が載っている。隅にハンググライダーが飛んでいる。目次内容も右から左じゃない、左上から右下、英語半分だ。つまり、こういう「本の編集の仕方」(編集スタッフもおそ雇われてらくSEALDs)からSEALDsなのだ、とこの本は隅々まで訴えている。
つまり、ここには古臭い言い方で云えば「新しさ」がある。
一方で、彼らのスピーチやオピニオン(綱領?)は、古臭い私でも至極真っ当なモノなものと思えるのだ。だから、若者だけでなくいわゆる老人たちも「支持」「支援」したのだろう。12万人国会前集会が実現したのも、そういう訳なのだろう。
三章「Where we are from」の中心メンバー3人による対談で、やっと私はこの3年間の彼らの活動概略を知る。始まりは2012年原発再稼働反対で官邸前に集まっていた若者が結成したサークルみたいなものTAZ(一時的自律空間)だったらしい。2013年12月に特定秘密保護法が可決。そのあと本格的な運動体SASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)が結成される。それら最初の時から、彼らは「カッコいい」ことを求めている。「VOTE(投票に行こう)」Tシャツ着て写真を撮ってSNS上で拡散しまくる。やがて「カッコいい」デモのやり方も工夫する。フライヤー(チラシ)やスピーチのクオリティも上がってゆく。そして、SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)が今年の5月に立ち上がる。なるほど、ホントに充実した大学生活だったのだ。
しかし、彼らは流行として運動をしていたわけでも、カッコ良さだけを求めてこういう行動を起こしていたわけではないことは、この本に収められているメンバーのスピーチを読んだり、対談の中の「展望」を語っているところからも伺われる。
SEALDsメンバーには「知性」と「覚悟」がある。それらは、次の人たちとは極めて対照的である。ネットで使い古された言葉しか発さず、匿名でしか街頭に立つことが出来ない戦争法を支持する人たち。SEALDsはすべて「自分の言葉」で、必ず名前を明らかにしてスピーチしている。
この本には、この間のほぼ全員分のスピーチが収められている。モノローグも含めて、ほぼ全てのメンバーたちの想いを知ることが出来る。その意味で、SEALDsの全貌を知るためには、これは決定本である。しかし、SEALDsを紹介するためだけにこの本が作られたわけではないだろう。秘密保護法から安保関連法に至る、この国の向かっている未来の危険性に対して、未来を引き受ける若者たちの正面からの彼らなりの「答え」なのだ。スピーチを聴いて欲しい。出来ることならばYouTubeで検索すると見ることの出来るのでそれで聴いて欲しい。文書で読むとただ感心するだけだったスピーチを、生で聴くと泣いてしまったことのある私なのである。
2015年11月7日読了





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最終更新日  2016年08月17日 23時47分32秒
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