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ドラマイズム「滅相も無い」。萌歌の泣き演技w異様に滑舌わるいの面白すぎるんだけどw古舘寛治とは何度目かの共演だよね。◇TBSの「ペントレ」にも、タイムリープの穴が出てきましたが、今回もまた穴が出現する話です。それがどこに繋がってるのか分からないけれど、世界から姿を消したい人たちに利用されてる。謎の教祖様は、それを仲介しています。◇第2話の染谷将太は、妻と娘を残して穴の中へ消えたと見せかけ、じつは穴に入らなかったらしい。要するに、「初恋の彼女と駆け落ちしたのでは?」と思わせるようなオチでした。穴に入るにせよ入らないにせよ、世の中から姿を消したい人はたくさんいて、教祖様は彼らに手を貸しています。◇なお、仏教用語の「滅相」とは、文字どおり滅びるときの相です。人生にも、物事にも、栄枯盛衰の諸相があり、その最終段階にあたるのが「滅相」になります。しかし、現代社会にはまともな「滅相」がないので、教祖様はそれをコーディネートしてあげてるのでしょう。向こう側で誰かに会いたいと願う人もいる。向こう側へ行きたい人は行けばいいし、こちら側に残るとしても、人知れずどこかへ消えればいい。これは、昔でいえば「出家」に当たるのかもしれません。いわば、駆け込み寺への逃避ってこと。実際のところ、中世までの日本の寺社は、無縁の人々のアジールとして機能してた面がある。去年の大河「どうする家康」にも出てきましたが、戦国時代になると、そうした寺社は都市機能をもった自治体にまで発展し、朝廷や幕府や諸大名に拮抗するほどの勢力でした。いわゆる「一揆」とは、農民や衆徒の反乱の意味である前に、そのような自治機能をもった寺社勢力の意味です。オウム真理教のサティアンも、そのような寺社の現代的な縮小版だったといえる。『どうする家康』第7回 “家康”松本潤、一向宗の寺へ潜入 “空誓”市川右團次と出会う #どうする家康 #松本潤 #市川右團次 @nhk_ieyasuhttps://t.co/Oyum2V27ON— クランクイン! (@crank_in_net) February 18, 2023 寺社勢力の中世 無縁・有縁・移民 (ちくま新書) [ 伊藤正敏 ] 楽天で購入 寺社勢力 もう一つの中世社会 (岩波新書 黄版117) [ 黒田 俊雄 ] 楽天で購入 僧兵=祈りと暴力の力【電子書籍】[ 衣川仁 ] 楽天で購入
2024.05.04
第5話。ひさしぶりに頭から煙が出ました。孔明の戦術って…たいがい卑怯だよねwたとえ「10万イイネ」を獲得しても、偽物とバレたらすぐに取り消されて、かえってイメージが悪くなるのでは?◇それはそうと、中国の回想シーン、ぜんぶ同じ竹やぶで撮影されてますwたしかに、あそこなら、わざわざ中国でロケする必要もなく、下手にセットを組む必要もなく、だいぶ制作費が浮くんだろうな。毎回おなじ竹やぶだけど、意外なほどゴージャス感があって、ぜんぜんチープな感じはないのよね。ぜんぜん金かかってないのに、なぜか美しくてゴージャス!萌歌と向井理が『オドハラ』に出演してました。向井理は、普段はすごくクールな印象の人なのに、孔明を演じてるときは、なぜか慈愛が滲み出てくるのが不思議。なんとなく、大沢たかおの「王騎」(inキングダム)にも重なる。王騎のうっふんキャラに懐柔される感じと、孔明の理知的な優男ぶりにほだされる感じ。ふだんはとてもクールな向井理。なんならちょっと冷たい感じも。今回は、唐澤役の和田聰宏もハマってました。俳優の意外な面を引き出すキャスティングですね。◇英子の歌ってる「I'm still alive today」は、ふつうに良い感じのシティポップだと思う。七海/八木莉可子とのアコギver.は配信されたけど、キド/長岡亮介がアレンジした完成版は配信されないのかしら?▼EIKO(#上白石萌歌)「I'm still alive today with NANAMI」はこちらhttps://t.co/BB7v5RwDi2#八木莉可子 #パリピ孔明— 水10ドラマ「パリピ孔明」公式【第6話は11/1(水)よる10時放送!】 (@paripikoumei_cx) October 25, 2023ちなみに昨夜は姉の新曲が配信。これがまた極上のシティポップ!個人的には宗本康兵「土砂降り」以来の大ヒットでした。つくったのはYogee New Wavesの角舘健悟。萌歌もラジオで「Climax Night」をかけたことがあったはず。
2023.10.26
第4話。ラップ対決はよく分かりませんでしたが、孔明のファンキーなデコバイクと、ビートにのった漢詩の吟詠はステキでした!そして、資料とグッズの手作り感がスゴかった(笑)。◇八木莉可子ちゃんって、ギターの弾き語りもやるのねえ。…と思ったら、今回の撮影のために練習したんだって!https://mantan-web.jp/article/20230724dog00m200003000c.htmlそんなに短期間で出来るようになるのかしら?◇東京事変の長岡亮介は、しれっと「大豆田とわ子」にも出てたけど、今回は、ちゃんとミュージシャンの役ですね!割り箸でメンマプリン食べなきゃいけないけど。何なのwファンキーすぎるw#パリピ孔明 https://t.co/Sf7GMYmox3 pic.twitter.com/U0txUF6T9R— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) October 12, 2023手作り感がスゴイwえんぴつの書き込みw挿し絵1w挿し絵2w神々しい孔明。萌歌×八木莉可子。七海の正体はAZALEAのボーカルなのね。萌歌×長岡亮介。メンマで石兵八陣?英子とスティーブ・キドのセッション、いかがでしたか?リハの様子もちら見せ!見逃した方はぜひTVerで🤘https://t.co/J4RKK2mAnu#パリピ孔明 #上白石萌歌 #長岡亮介 pic.twitter.com/fNksDFP6w6— 水10ドラマ「パリピ孔明」公式【第5話は10/25(水)よる10時放送!】 (@paripikoumei_cx) October 18, 2023錦嚢の計は、まだ一袋のこってるよね。
2023.10.19
フジ「パリピ孔明」第3話。いや~最高!うどん屋w無駄に絵面がつよい…◇今週もいろんなとこから煙出てましたね!鍋からも洗濯機からも!コインランドリーの生着替えも意味不明だったけど、うどん屋はさらに意味不明でしたww◇先週の第2話もあっという間でしたが…ぜんぜん面白くなかったのよねw全般的にすべってる感じでw別にいいけどwでも、第3話は最高!ほぼ絵ヅラだけで一時間笑ってました。おおむね一話完結型のドラマだし、回ごとにアタリハズレがあると割り切りますwこのうどん屋つよすぎ!!内装がゴージャス!!本当にうどん屋?隣でビール飲んでるヤツw&うどん喰ってるヤツw…誰?撮影場所は渋谷にある「dining&bar KITSUNE」きつねうどんはメニューにないようです(笑) dining&bar KITSUNEに写真を投稿しましたhttps://t.co/jNtqvfyppf— dining&bar KITSUNE (@barKITSUNE) February 10, 2023 近谷直之の強烈メインテーマのメイキング動画!
2023.10.12
これはスゴイ…ぜんぜん期待してなかったけど、予想をはるかに上回る異次元の出来!これは渋江修平の傑出した演出力の賜物。◇演出 渋江修平脚本 根本ノンジ音楽 近谷直之日本のドラマって、脚本家が注目されることはあっても、演出家が注目されることは少ないですよね。最近のドラマで演出家の名前が挙がるのは、せいぜいTBSの福澤克雄くらい。でも、今回のドラマは、まちがいなく渋江修平の演出力が炸裂してる!◇彼は、NHKでも、太宰・横溝・乱歩の短編ドラマを作ってましたが、それ以上に強烈だったのは、去年のMBS「あせとせっけん」!!あの加湿器の湯気のなかの謎のベッドシーンは、非凡さを超えて偏執的な異常さに達してました。今回も、諸葛孔明の帽子から謎の湯気が立ってたけど、ああいう作風なのでしょうね。知らんけど(笑)。ちなみに「あせとせっけん」は、大原優乃と劇団EXILEの佐藤寛太が主演でしたが、今回の「パリピ孔明」は、大原優乃と同郷で幼馴染みの萌歌が主演で、EXILEからは関口メンディーが出てる。そして、森山未來は、NHKの渋江作品で常連でした。渋江組的なチームが出来上がってる?萌歌が泣くまでの約5分もの長回し。感動的なシーンなのに、なんか笑えてしまう。そして近谷直之の音楽がメチャクチャ本気!(笑)このシーン僕もぐっときました!ここから二人三脚で力合わせていくんですね。後ろで流れる劇伴もアツいです!#TVer https://t.co/wjrr4tLAVs#パリピ孔明 pic.twitter.com/PoUdXIdm8F— 近谷直之NaoyukiChikatani (@NaoyukiC) October 2, 2023 中国でロケをやったわけじゃないだろうけど、映像には妙なゴージャス感があって、"なんちゃって中国"みたいなチープさはない。それどころか、諸葛孔明の出で立ちが、東京の街並みに違和感なく馴染んでます(笑)。近谷直之の音楽も、かなりの本気で中国っぽい世界観を出してる!彼も「あせとせっけん」で組んだスタッフです。根本ノンジの脚本のコメディセンスも、すでに日テレの「ハコヅメ」で証明されている。考えてみれば、「あせとせっけん」も「パリピ孔明」も、コミック原作のドラマ化なので、ファンタジックな世界の映像化を共通の課題にしてますね。日本の漫画やアニメの豊富なコンテンツを、原作のクオリティを落とさずに実写化できれば、国内の映像作品はもっと世界に出せるようになる。その意味で、渋江修平の演出は、今後のドラマ界や映画界が注目すべきものになるでしょう。東京にいても違和感のない諸葛孔明(笑)なお、萌歌が劇中で歌ってたのは、原田真二の「タイムトラベル」と、松原みきの「真夜中のドア/Stay With Me」です。周知のとおり、いまや「真夜中のドア」は世界中でカバーされてますが、原田真二の曲もスピッツなどがカバーしてますね。萌歌のアルバム『Dreamer』(EIKO名義)は11月1日に発売とのこと。時間旅行のツアーはいかが?
2023.09.28
TBS「ペンディングトレイン」が終了。終盤の内容は、おおむね整合性が取れてた気もする。ただ、完全に救いのある結末ではないし、最終的なメッセージをどう受け止めるかは難しい。◇小惑星の衝突が回避できなければ、スイスへ避難した人たちを除いて、人類はほぼ滅亡する。電話に応じた間宮くんの反応を見ると、小惑星の衝突は避けられて、人類の滅亡が免れたようにも解釈できるけど、そうだとすれば、未来世界に置き去りにされたミーポおやじ一同は、「孤立したパラレルワールド」に取り残されることに。どっちにしても、完全な救いはありえない終わり方でした。◇前回の第9話で、未来から帰ってきた乗客たちが変人扱いされたのは、日本政府が情報統制を敷いていたからでしたね。政府は、小惑星衝突の可能性も、タイムワープの事実も把握していましたが、人心を惑わせないために情報が広まるのを制限していた。政府は、あえて帰還者たちを変人呼ばわりするように、マスコミを使って誘導していたのかもしれないし、あるいは、一部の興味本位の人々が、帰還者たちを炎上させて楽しんでいただけかもしれません。しかし、山田くんや赤楚くんらは、悪意のある世間の好奇心にさらされてしまい、「この社会はまじでクソ!」「何もない未来のほうがマシ!」「こんな世界は終わってしまえばいい!」とまで考えたわけだけど、じつは政府も学会も、事実を把握したうえで、ちゃんと解決に向けて動いていたわけです。なんだかんだいっても、指導者たちのことを信用していれば、バカな民衆のことは気にしなくてOKってことでしょう(笑)。◇とはいえ、地球への小惑星衝突ってのは国際マターなはずだから、日本政府だけで動いているのはややツッコミどころだし、間宮くんだけでオペレーションしてるっぽいのも笑える。そもそも、高い命中精度を求められる国産ロケットの打ち上げを、日本が短期間で準備できるのか?…って気もします。しかも、ロケットの打ち上げは秘密裏に行われていて、人々を避難させる措置はまったく取られてませんから、もしミッションが失敗した場合は、人類の大半を見殺しにするのも視野に入れた判断です。◇その一方、主要メンバーの「避難するorしない」のすったもんだも、いまいち意味が分かりませんでした。とくに赤楚くんにかんしては、地球が滅亡する寸前なのに、この期に及んで消防なんぞの仕事を続けても、何ら救いにならないのでは?と思わずにいられない(笑)。それよりも、なるべく多くの人をスイスに連れて行くべきでは?と思ってしまいますよね。ちなみに、スイスの各家庭には、半年ほど生き延びられる核シェルターがあるっぽい?▶ スイスだけが作り続ける防空壕◇そして、萌歌の恋の結末は??・・・お好み焼き屋の志田彩良も、美容院の山口紗弥加も、萌歌にとっての恋敵じゃなかったので、「どっちも選び放題じゃーん!!」って感じでしたが(笑)結局のところ、萌歌が赤楚くん推しだったか山田くん推しだったかは謎のまま。つーか「どっちも推し」ってことでしょうね。↓食料になりそうな貝をついつい拾ってしまう萌歌wずっと拾ってますww背景には江の島。うっすら富士山も。adieu in 江の島◇なかなかツッコミ甲斐のあるトンチキSFドラマでしたが、そんな作品でも素晴らしい演技ができる山田くんは凄かった!!!とくに第9話の、弟との再会シーンとか、牛丼にありつくシーンとか、そこだけ見れば名作!!とも思わせる名演技でした。トンチキな部分だけを編集で誤魔化して、うまく総集編みたいに仕立てることができれば、案外、名作っぽくなるかもしれません。ペントレ第9話。#山田裕貴 #上白石萌歌 #ペントレ #ペンディングトレイン pic.twitter.com/hNZxjfX9qH— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) June 25, 2023 「ちむどん」では義兄だったので、姉には「私の夫だから」と言われそうだし、まいんちゃんにも「赤楚くんはダメ」と言われそう。やっぱり海くん?
2023.06.24
ペントレの第8話。あまりにトンチキすぎて精神力の限界が(笑)。意味不明な理論を展開する海くんと、真顔でおかしなことを言いつづける赤楚くん。とりあえずワームホール理論をまとめてみました↓。根拠はないけど、見た感じワームホールにちがいないと。超新星爆発からワームホールが飛んできたらしい。嵐とオーロラがそろえばワームホールも開くんじゃないか。電線がどうしたって??どうして電線が突破口になるのか知らんけど。隕石を積んでオーロラに共鳴させると磁気圏が乱れるので…車両を電磁コイルにして…パラレルワールドを作り出します(笑)。とにかく勇気をもって進むしかない!!ぜったいに未来は変えられる!!やるしかない!!かならず帰ろう!!もとの世界へ!!…ちょっと何言ってるかわかんないんですけど。— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) June 16, 2023
2023.06.16
ペンディングトレインもいよいよ佳境です。◇超新星爆発でワームホールが出現?!…これで現代に戻れそうだけど、どうせ現代に戻っても、2026年の隕石衝突で人類が滅亡してしまうので、むしろ全人類を、必要物資と一緒に、未来に連れてくるほうがよさそうですw超新星爆発の流れ星って何?ww真面目な顔でおかしなことを言うので、赤楚くんがバカに見えてしまいます…レザーカット用のカミソリ。剃らなくていいじゃん!生えないんだから!ヒゲダンのテーマ曲でバックハグ!からの…ミーポ絶叫www◇宇宙デブリが小惑星探査機にぶつかって、その小惑星探査機が小惑星にぶつかって、その小惑星が地球にぶつかって、…という、三次元ビリヤード現象にも笑いましたけど、(地球が太陽にぶつからなくてよかったよねえ)「超新星爆発の流れ星」にも爆笑です。なんかもう、猛烈なスピードで迷走している…伝説的なトンデモSF大迷作になりつつありますね。館山の切通し?
2023.06.07
6号車の少年って、東宝のニューフェイスの子だったのね。ずっと「どこかで見たことあるな~」と思ってたのよ!(笑)井之脇くんを刺した6号車の若者も東宝の西垣匠、回想シーンの女子高生も東宝の森日菜美、とのことです。— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) May 26, 2023◇それから、先週のお好み焼き屋のお姉さんって、「ゆるキャン△」の志田彩良だったのね。ぜんぜん分からなかった!たぶん萌歌とはピチモ時代からの知り合い?— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) May 26, 2023じつは古川琴音と萌歌も、5年前の「ぎぼむす」以来の付き合いだそうで。莉子より先に共演してたのね。— 【公式】オールスター感謝祭 (@allstar_tbs) April 7, 2023◇◇◇さて、ドラマのほうは第6話。5号車と6号車で戦闘が勃発しました。資源が不足しているのなら、人減らしのために殺し合うのも分かるけど、森があって、川があって、とりあえずの資源は足りているのだから、殺し合って人数を減らす必要もないし、むしろマンパワーやスキルは多いほうが有利に決まってる。どこにも戦う理由が見当たらない(笑)。◇強いて、戦う理由があるとすれば、サカリのついた男たちが「女の取り合い」をするってこと。実際、6号車には凶暴なヤンキーがいるし、萌歌を「交渉材料にする」とか言ってるし、きっと金子ありさは、そういう意図で書いてるのでしょう。つまり、先週までのゆるいラブコメとは打って変わって、ドロドロした野蛮モードに突入したともいえる。◇戦闘はウヤムヤな形で終結したものの、凶暴なヤンキーへの対処がなされたわけでもなく、双方の協定が結ばれたわけでもなく、何ひとつ問題は解決していません。喧嘩を始めたことの合理性も乏しいけど、喧嘩を終わらせたことの合理性も見当たらない。ただ体力のあり余った人たちが、憂さ晴らしのレクリエーションとして、理由もなく喧嘩してみただけ、って感じ?◇あえてバカな人たちを書いてるのか。それとも脚本家自身がバカなのか。…なんとも言いがたい内容でした。来週は間宮祥太朗が登場。— Huluで配信中‼️『名探偵ステイホームズ』【日テレSPドラマ公式】 (@ntvdrama) September 19, 2021
2023.05.27
ペントレの第5話です。まさかとは思ってたけど、ほんとにラブコメ展開になってきた。中身のユルさも相まって、ほぼ「恋つづ」状態ですw萌歌を中心にして、A.赤楚くん&お好み焼きのお姉さんB.山田くん&山口紗弥加 …のW三角関係が勃発っ?!お好み焼き屋のお姉さん。お好み焼き屋に行く気が失せた萌歌。山田くんは萌歌とのデートを妄想。山口紗弥加には下心。女子高生には妊娠疑惑?◇さて、今回わかったことは、1.5号車の人たちはカエルばかり食べていた。2.洗濯はしてたけど入浴はしてなかった。3.ネイリストはいままでメイクを欠かしたことがなかった。4.6号車の人たちは、鳥や魚やカニも食べていた。…ってこと。まあ、5号車の人たちも、これまで湯舟に浸かってなかっただけで、水を浴びたり身体を拭いたりはしてたはず。それでも、山田くんによれば、みんな、かなり「臭かった」らしいです。◇ちなみに先週は、麻酔抜き手術の演出が臨場感なさすぎで、「もうサバイバルというよりオママゴトw」と、思わず失笑し、美容師がみんなの散髪をはじめたので、「ヒゲが伸びないのに髪は伸びるんかい!!」と、ちぐはぐっぷりをツッコみ、川べりで火起こしに明け暮れるのを見て、「川の増水が怖くないんかい!!」「夜の森って漆黒の闇じゃないんかい!!」「熊とか蛇とか蚊とか怖くないんかい!!」と、最後までツッコミつづけました。…せめて、男性に無精ヒゲが生えてれば、かりにカミソリがなくても、⦅きっと長くなったぶんを美容師のハサミで切ってるのよね⦆と脳内で補完することができるし、でなきゃ、「へえ君も顔面脱毛してるの?」みたいなセリフを加えてくれれば、視聴者側で無理やり脳内補完しなくても済むのだけど。◇でも、それなりにタンパク質を取れてたことは分かった。入浴とか女性のメイクの件も一応の説明があったし、夜が明るいのも月明かりのせいだと思えばいいw6号車の若者が井之脇くんを刺したのは、「危険な未来人と勘違いしたから」ってことらしいし、麻酔抜きの手術が上手くいったのも、「傷が浅かったから」と思えばいいのよねw…それどころか、食べ物もあって、お風呂にも入れて、散髪もできて、メイクもできて、ネイルもできて、そのうえ恋もできるとなれば、とくに不自由が無いくらい快適だといえる。「もう戻らなくていいじゃーん!!!」「この世界最高ー!!!」…って感じ?◇そして、先週から今週にかけては、あらたな事実も発覚しています。1.森の中に金髪の死体がある。2.なぜか山の中に船がある。3.無線でカナダの山中の人と交信できる。4.現在は2060年っぽい。5.隕石による「衝突の冬」があったのかも。その「衝突の冬」については、姉の萌音から説明があります。すべてはメキシコ隕石のパワー。 #上白石萌音 #上白石萌歌 #恐竜超世界 #君の名は #チクシュルーブ・クレーター https://t.co/zFI5tXugXo pic.twitter.com/Tn6dlM6ZrT— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) May 11, 2022いまのところ、山中に船があるのも、金髪死体があるのも、カナダに無線が繋がって、夜にオーロラが見えるのも謎です。…話自体には、すでにハラハラドキドキの要素はなく、むしろツッコミどころを笑うモードになってますし、今後も、馬鹿っぽい展開になる可能性は否定できませんが、萌音の「恋つづ」のときもそうだったように、馬鹿なドラマでも割とウケてしまうのが、なんだかんだで金子ありさの芸風なのよねえ。◇それはそうと、6号車の人たちは、どこかの先住民の部族集落みたいに、広場のまわりを塀で囲って、その入口に門を作ったりしてましたが、…いったい何の意味があるのかしら?
2023.05.20
ペントレの第3話です。こうしてみると、やっぱり「漂流教室」とはだいぶ様相が違いますね~。「漂流教室」は、水も食料もない砂漠だったけど、「ペントレ」が遭難したのは森の中だから、水もあって、野草もあって、蛙や鳥もいるし、その気になれば虫などのタンパク質も取れる。来週あたりは、カエル食か昆虫食になりそうな予感(笑)。なので、「漂流教室」のように、殺し合いになったり、人肉を食らったりすることにはならない。壮絶さという点では、雲泥の差があります。◇消防士や体育教師は活力がみなぎってるし、槙野万太郎ばりに植物に詳しい人もいるし、リンちゃんみたいにキャンプに慣れた人がいれば、火を起こしてスープも作れます。今回は、竹で作った器と箸で、採れたての山の幸を食べてましたが、まるで料亭や高級旅館の夕飯のようでした!そのうえ、美容師もいるから髪も切ってもらえるし、ネイリストがいるから食紅で爪も染められる?もう、至れり尽くせりじゃん!!お尻が拭けるからフキ。どうやって吊り革はずしたの?電車の部品って簡単に解体できるのねw◇ちなみに、萌歌が着替えたのは体操着を持参していたから。赤楚くんが着替えたのは、外国人観光客から服の提供があったからでした。きっと観光客は数日分の着替えも持ってたろうし、日本でいろんなお土産も買い込んでたんでしょう。…ってことで、若くて、健康で、病気や怪我にさえならなければ、かなり快適に生きていけそうな気がしてきた(笑)。逆に、ドラマとしては、過酷なサバイバルよりも、ごちゃごちゃした人間関係とか、過去の人生の後悔ぐらいしか、描くことがなくなった気もする。なんなら萌歌をめぐる三角関係のラブコメに発展しそう。◇この先の懸案事項としては、病人や老人のケアや薬不足などの問題。さらには、夏や冬をどう乗り切るかってことでしょう。ちょっと気になるのは、夜空にオーロラが見えることですね。もしかして、地軸がずれてしまったの?地軸がずれていたとしたら、夏にはずっと昼が続き、冬にはずっと夜が続くことになる。かりに酷暑や極寒が訪れるとすれば、あらかじめ水や食料を備蓄して、温度の保たれたトンネルや地下空間で過ごすしかないかも。◇でも、いちばん有力なのは、やっぱり「メタバースでしたw」ってオチなのよね~。それなら、ヒゲが生えないのも説明がつきます。
2023.05.06
ペントレの第2話。未来世界への遭難から、2~4日ほど経ったようですが、スマホの電源は切れたものの、あいかわらず、男性にはヒゲが生えてこないし、女性のメイクも崩れていません。◇それどころか!!次週の予告を見ると!!…萌歌と赤楚くんが着替えているw着替えの謎を考察!!#上白石萌歌 #赤楚衛二 #ペンディングトレイン #ペントレ #ペンディングトレイン考察 #ペントレ考察 pic.twitter.com/2waY4fN4ve— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) April 29, 2023意外に快適なペントレライフ?着替えの理由は分からないけど、文明が死滅したとはいえ、文明の遺産はいたるところに残っているのかもしれません。◇とりあえず水場が見つかったので、飲料水だけでなく、入浴とか、洗濯とかも、なんとかなるのかもしれないし、食べられる野草の知識をもった人がいれば、けっこう生き延びられるのかもしれませんし、鍋代わりの器があれば、野草スープを煮込めるかも。◇男性の顔にヒゲが生えてこないのは、脚本の問題というより、演出ぐるみで意図的にやってる可能性が高い。男性がみんなヒゲ面になって、視聴者が画面に耐えられなくなるのを避けてるのか、SNSのトレンド入りを狙って、あえて「ツッコミどころ」を色々とまぶしてるのか、あるいは、なんらかの超常現象で、人間の新陳代謝が止まってるのかもしれないし、じつは「メタバースでした!」ってオチも捨てがたい。はたまた、制作側が「リアリティを追求する気なし!」ってことを、暗に宣言してるのかもしれません。…まったくの余談ですが、Official髭男dismも、そのバンド名のわりには、ヒゲを生やしたメンバーが一人もいないよね。◇ほんとうなら、1~2日ぐらい経った時点で、泣き出す女性や、凶暴になる男性が、もっと沢山いても不思議ではないし、4日も経ったら、泣いたり怒ったりする気力すらなくなって、ほとんど身動きできなくなる人が続出しそうだけど、意外なほどに、まだ理性も精神力も保たれてますよね。夏ではなさそうなので、体臭の問題とか、虫の問題とかは、それほど顕在化しないのかしら?でも、トイレの問題は、そろそろ深刻になってきても不思議ではない。スコップがなかったら穴も掘れないし、水場で汚物を処理できるかも微妙なところです。擦り傷の消毒ができないのも辛いよね。◇人間がいなくなった世界なら、夜には驚くような満天の星空が広がるはずだけど、満月しか見えなかったのは肩透かしです。満天の星空。まあ「満月だったから星が見えない」という理屈も成り立つけど。崖の上からは富士山まで見渡せましたが、水場があるのだから、崖の上が頂上ではありませんよね。そう考えないと物理的に成り立ちません。◇このドラマの最大の不安要因は、「脚本が金子ありさ」ってことなのだけど(笑)いまのところは、まだ決定的に破綻してるとまでは言えない。TBS×金子ありさ×ヒゲダン×上白石姉妹 …といえば、完全に「恋つづ」のフォーマットと同じなので、このままラブコメに移行したら、それはそれで笑えるけどwどうせなら、ミネラルウォーターのペットボトルじゃなく、午後ティーのペットボトルをどこかで拾ってきて、沢のほとりで萌歌&海が飲んでもいいのよね。なんなら白石聖ちゃんもまじえて。
2023.04.30
楳図かずお&大森美香の「漂流教室」は、もうどんな結末だったのか覚えていませんが、やたらと絶望的な話だった記憶がある…。でも、あらためてネットで調べてみたら、(すくなくともドラマのほうは)タイムワープによるパラレルワールドの話で、最後はそれなりに希望のある結末だったらしい。◇今回の「ペントレ」では、萌歌が赤ん坊を抱いて走っている場面が、たぶん最後のほうに出てくるはずだから、やはり何らかの希望がある結末になるとは思う。…でも、そこに至るまでの道のりは、かなり苛酷で壮絶なものになるのでしょうね。◇今回は、子供たちではなく大人たちの物語なので、たんにサバイバルが描かれるだけでなく、それぞれの「過去」の物語にも重心が置かれるようです。とくに、主人公と出所した弟との物語が軸になる感じ。杉本哲太は、結婚指輪を投げ捨てて「フリーダム!」と叫んでましたが、そのうち妻と子供が恋しくなるんじゃないの?(笑)◇ちなみにタイトルの意味は、「(時空間に)宙吊りの列車」みたいなことでしょうか。— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) April 21, 2023
2023.04.22
テレ朝「警視庁アウトサイダー」が終了しました。最後はけっこうイイ話だった。それぞれの事情が絡み合ってて、思ったほどの巨悪や極悪人は存在しなかった感じ。視聴率は、最終回が2桁越えということで、テレ朝サスペンスとしては及第点ってところ?◇脚本は、わりにしっかり構成されていた。ただ、サスペンスにはありがちだけど、登場人物の名前がかなり覚えにくくて、それがちょっと事件の構図を分かりにくくしていた。架川、蓮見、水木という、メイン3人の名前でさえ覚えにくいのに、…蓮見の実父が梶間で?…兄貴がわりが羽村で?…水木の実父が有働で?…架川の先輩が藤原で?そのうえ、当麻とか、椛島とか、折原とか、小山内とか、信濃組とか、鷲見組とか、誰が誰で何が何だか終盤までよく分からなかった。せめて登場人物の名前と顔が一致すれば、さぞや視聴者の考察も盛り上がったろうに、ちょっと前提が分かりにくすぎたかなと思う。まあ、蓋をあければ、警察内部とヤクザの癒着はあったものの、思ったほど複雑な構図ではなかったし、前半に「18箇所も刺すのは女」というフラグもあったから、もし視聴者がこぞって考察していたら、かえって真犯人の推理は、容易にすぎたのかもしれません。◇事件の内容が分かりにくかったのは、やたらにネタドラマ的な演出のせいでもあって、たぶん、警視庁捜査一課の最終シリーズみたいに、《サスペンス面》と《ネタドラマ面》の、ほどよい両立が狙いだったとは思うのだけど、とくに序盤の数回は、堤幸彦のパロディと思しき木村ひさしの演出が、あまりにもガチャガチャしすぎて、一話完結のストーリーでさえ何が何だか分からず、ネタとしても空回りしてる感がありました。むしろサブの演出家のほうが落ち着いてましたねwとはいえ、後半になるにつれ、観てる側もだいぶノリと小ネタに慣れてきて、西島秀俊の下手なコメディ演技も、それ自体をネタとして笑えるようになりました…(^^;テレ朝ネタ。#はぐれ刑事純情派 #警視庁捜査一課長 #遺留捜査 #警視庁アウトサイダー https://t.co/IkuUdJ6dJr pic.twitter.com/pWyDCFf6hk— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) March 5, 2023 ◇ちなみに、西島秀俊の俳優デビューは、1992年の「はぐれ刑事純情派」第5シリーズだそうです!そして翌93年に、彼は、石田ひかりの「あすなろ白書」にも出てるんだけど、わたしは、萌歌のツイートを見るまで、それを知らなかった!「あすなろ白書」って、石田ひかりと筒井道隆のほかに、誰が出てたのかまったく思い出せないし、たぶん、あのドラマをまともに見てなかったんだな…。つーか、わたしには、そもそも、冬吾以前の西島秀俊の記憶がほとんどない…(笑)。— 上白石 萌歌 (@moka_____k) February 13, 2023柴門ふみ×北川悦吏子明日ならハクション。◇さて、わたしのお目当ては、もっぱら萌歌だったわけですが、もともと手脚が長くて見栄えがするので、それを活かした刑事の役はハマってたと思うし、とんちんかんな天然キャラも合っていました。ちなみに萌歌は、日テレの「バンクオーバー」でも、刑事の役で華麗な蹴りを見せていたwそういえば水木ちゃんは、架川と蓮見を「尊い関係」と勘違いしてましたが、その誤解って、ちゃんと解けたんだっけ??◇萌歌については、カムカムで「姉の兄」だった濱田岳との共演も、それ自体、ひとつのネタだったのですが、それ以外に、長濱ねるとの「親友共演」もネタ、野波麻帆との「東宝シンデレラ共演」もネタ、石田ひかりとの「妹女優共演」までがぜんぶネタww石田ゆり子が、デビュー前に水泳選手だったのは有名ですが、妹のひかりも水泳をやってたみたいだし、萌歌も、過去作品ではすでに水泳3種目を泳いでるし、姉の萌音は、父親に似て陸上での活躍が多かったらしいけど、やっぱり運動神経がいいから水泳もできるとは思う。なので、石田姉妹と上白石姉妹は「水泳姉妹」でもあります。それを踏まえて、母と娘にバタフライを泳がせれば完璧だったのだけど、(萌歌の残りの4種目目はバタフライです)スタッフはそこを見落としていた可能性が高い!!adieuネタ。 アデュー♪左が親友。右が三代前のシンデレラ。水泳姉妹の妹共演。 小ネタ的には、「エッて言うな」とか「エモ散らかし」とか、カフェオレの欧陽珈琲とかもじわじわ笑えたので、カフェラテ個人的には、最後に萌歌が「ラヴイズオーヴァー」を熱唱すると期待したのですが、それも叶わなかったです…(^^;そこらへんが、テレ朝はまだまだだな。欧陽菲菲— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) February 15, 2023 — まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) January 23, 2023
2023.03.03
朝ドラ《評論家をぶっ叩く》シリーズの2回目!次はどの評論家をぶっ叩こうか?と息巻いてみたものの…どいつもこいつも、▶前回の碓井広義とおんなじ で、例によって「共感できない」と「ご都合主義」を並べて、一般視聴者と大差ない戯れ記事を書いてる奴らがほとんどです!逆に、この人たちは、「共感できない」と「ご都合主義」というタームを取り除いたら、ほとんど何も書けなくなってしまうんじゃないかしら?…と心配になるほど、批評言語の貧弱なライターも目につきます。そして、そんな素人まがいの評論家にありがちな、もうひとつの紋切り型の批判が、「主人公が成長してない」ってやつですね。これもまあ、いたるところの記事で見かけます。もともと朝ドラにかぎらず、「ドラマは主人公の成長物語でなければならない」みたいな無根拠な思い込みに縛られている人たちは多いのです。◇朝ドラでも「ヒロインの成長」とはよく言いますが、実際のところ、人間なんて、そうそう成長できるものではありません。年をとるほど醜くズル賢くなることはあっても、基本的な人間の本性は、むしろ子供の頃から変わらない、というほうが正しい。これは歴代の朝ドラヒロインについてもいえます。たとえば「おちょやん」の千代は、少女のころからすでに考え方が大人を上回っていたし、逆に父親のテルヲは死ぬまでバカのままだった。人間なんて、そんなものです。今回の「ちむどんどん」の場合、ヒロインの暢子はわりと早い段階で経済的な自立をし、さらに経営的な独立をし、その後の紆余曲折をへて、▶最終的には沖縄へ「野菜食」の発想と技術を持ち帰った。それが彼女の《料理人としての成長》でした。とはいえ、たしかに、彼女は人格的にはほとんど成長しませんでしたし、成人してなお幼稚園児みたいなキャラだったといえます。しかし、いったいそれの何が悪いのでしょう??◇もともと、このドラマは、「愛すべき沖縄のバカ兄妹」が巻き起こす珍騒動の話なのだから、そういうキャラクターの設定で間違ってはいない。良子も、暢子も、たとえば婚約者の実家を訪問するときに、ギトギトのサーターアンダギーをビニール袋に入れて、心からの善意で持って行ってしまったりするわけだけど、ある意味では、それこそがこのバカ兄妹の愛すべきところなわけで、妙に気の利いた高級百貨店の菓子折りなんぞを持っていったら、かえって小賢しく嫌味に見えてしまうに違いありません。結果的には、重子さんも、家政婦の波子さんも、そんなバカ兄妹の幼稚さや純粋さに心を動かされたわけだから、物語の展開から考えても、ああいう描写には合理性がありました。◇賢秀の破天荒なキャラについても、一部には「沖縄人を愚弄した描写」と考える向きもあったかもしれませんが、ただひたすら沖縄を美化すればいいってものでもない。沖縄に実在するアンダーグラウンドなヤンキー社会を戒めるためにも、そこで安易な商売が横行しやすい実態に警鐘を鳴らすためにも、賢秀が引き起こす騒動の描写にはそれなりの意味があったと思うし、本土の側にだって、あいもかわらず詐欺に騙される人たちや、ネズミ講などに手を出したりする人たちはいるわけだから、そういう人たちへの注意喚起の意味でも、ああいう泥臭い描写には一定の意義があったと思います。朝から不愉快なものを見せられてイライラする、と感じる人たちが多かったのも分かりますが、見ていてひたすら気分が良ければドラマとして優れてるのかといえば、かならずしもそうではない。コメディのオブラートに包みながらも、歴史や社会の不愉快な面に目を向けさせる工夫は必要です。◇最終回では、歌子が倒れる、というお約束の《釣りネタ》があって、ここでもバカ兄妹たちが相も変らぬ騒動を巻き起こしました。医者は「出来ることは全部やった…」みたいに言いますが、それは、たんに「熱が下がらなくて目が覚めない」というだけのことで、べつに誰も「死にそうだ」とは一言も言ってません。あきらかに、お約束の《釣り》ですね。まさか、下地先生からの折角の手紙を宙に浮かせてまで、ほんとに歌子が死んだりする展開にならないのは明白なのだけど、例によって、この愛すべきバカ兄妹の面々は、放っておけば自然治癒で目を覚ますのも知らないで、あろうことか、タクシーの運ちゃんまで巻き込んで、やんばるの美しい海にむかってギャーギャー騒ぐわけですね。わたしは、そのバカっぷりに大笑いしながらも、ボロボロと泣いてしまうわけですが、あの最終回こそ、いつまでも成長しないバカ兄妹たちが、最後の最後に辿り着いたバカっぷりの集大成だったわけだから、ああいう描写に本気になって目くじら立てて文句を言うほうが、かえって無粋で滑稽だというべきだし、ほとんど無理解、あるいは曲解に近いんじゃないか、と感じずにはいられない。《バカ兄妹の最後のさけび》◇わたしは、つねづね疑問に感じるのだけど、「うんうん、ヒロインも成長したねえ。私と同じように!」などと満足げに論評する視聴者って、いったいどういう目線でドラマを見てるのかしら?たとえば今回のドラマでは、《他人に忖度できる大野愛》と、《他人に忖度できない比嘉暢子》とを比較して、「忖度できるようになってこそ人間の成長!」みたいな主張がSNSのなかに湧き上がったのですが、SNSの炎上に「同調」してツイートしたり、SNSの風潮に「忖度」しながら記事を書いたり、そうやって集団で徒党を組んで大声をあげる人たちを見てると、もしかして、この人たちは、周囲の空気を読んで、同調して、忖度しながら、集団でバッシングをしたり、集団でいじめをしたりする行為のなかにこそ、自分たちの「成長」を感じているのではあるまいかと、なにやら寒気がしてきます。むしろ、その種のいじめや炎上に加担しないためには、空気も読めず、同調や忖度もできないことのほうが、よほど人間として素晴らしいんじゃないかしらと思えてくる。◇まあ…ドラマやコメディのお約束が理解できず、大真面目になって目くじら立ててしまう滑稽な視聴者や、なにがなんでも些末な粗探しをせねば気が済まなくなって、自分の存在意義をそこに賭けてしまう視聴者がいたとしても、あくまで個人の行為としてなら問題ないのだけど、よりによって、評論家やら、大学教授やら、政治家までが、そういう集団的な炎上に便乗してしまうのだとすれば、これはもう職業的な意味で「不適格」と言わざるをえません。本質的に批評的な姿勢が欠落しているからです。とりわけ、大学教授やら政治家にかんしては、「そんなことまでして自分の名前を売りたいのかしら?」と、これまたうすら寒い気持ちになります。今回の件で、SNSの炎上騒動に便乗して名前を売ったような連中は、学者倫理の観点からいっても、政治倫理の観点からいっても、完全にアウトというべきでしょう。◇じつは、今回の苛烈なバッシングを裏側から見ると、テレビ視聴率の下落傾向を食い止めるための手段として、SNSの「炎上」が逆に利用されていた面もうかがえますから、正義感を振りかざして必死で叩いていた人たちも、NHKの策略にまんまとハメられていた可能性がなくはありません。とはいえ、メディアやジャーナリズムが炎上を煽る状況はけっして健全ではないし、ましてアカデミズムや政治なんぞが安易に乗っかるべきではない。…なお、▼こちらの記事を読むと、news.yahoo.co.jp/byline/suzukiyuji/20220917-00315564実際にSNSを炎上させていたのは「ラウドマイノリティ」ではないのか、との推察もあるようです。わたしも、今回の炎上を牽引していたのは、ラウドマイノリティの可能性が高いかな、と思う。つまり、書き込み回数が多いだけの少数者です。ツイッターの場合はフォローによる相互連携も関係してくると思いますが。実情はよく分からないし、かならずしもラウドマイノリティの言論を抑圧する必要もないのだけど、すくなくともメディアの側は、その主張をあたかも「世論」であるかのように報じるべきではないし、かりにラウドマイノリティと実数的な世論とのあいだに乖離があるのなら、その実態を把握するための技術や方法論を、なるべく早めに確立すべきだと思います。※10/5の記事の再掲になります。
2022.11.05
すでに次作「舞いあがれ!」が始まったこともあり、また、文春などメディアの論調が少し変わってきたこともあり、SNSの反省会タグもすっかり大人しくなったみたいです。今では、つまらない揚げ足取りの残りカスみたいなツイートが、ちらほら散見されるだけですね。「次はどの評論家をぶっ叩こうか?!」と息巻いてみたものの、どいつもこいつも、前回の碓井広義と同じで、例のとおり「共感できない」と「ご都合主義だ」を並べ、一般視聴者と大差のない記事を書いている奴らがほとんどです。逆に、この人たちは、「共感できない」と「ご都合主義」というタームを取り除いたら、ほとんど何も書けなくなってしまうんじゃないかしら?と心配になるほど、批評言語の貧弱なライターも目につきます。そして、そんな素人まがいの評論家にありがちな、もうひとつの典型的で紋切り型の批判が、「主人公が成長してない」ってやつですね。この主張もまあ、いたるところの記事で見かけます。◇もともと、朝ドラにかぎらず、「ドラマは主人公の成長物語でなければならない」みたいな思い込みに無根拠に囚われている人たちは多い。朝ドラでも「ヒロインの成長」などとよく言いますが、実際のところ、人間なんて、そうそう成長できるものではありません。年をとるほどズル賢く醜くなることはあっても、むしろ人間の基本的な本性は、子供の頃から変わらないのだ、というほうが正しい。これは歴代の朝ドラヒロインについてもいえます。たとえば「おちょやん」の千代は、少女のころからすでに考え方が大人を上回っていたし、逆に、父親のテルヲのほうは死ぬまでバカのままだった。人間なんて、そんなものです。今回の「ちむどんどん」の場合、ヒロインの暢子はわりと早い段階で経済的な自立をし、経営的に独立をし、その後の紆余曲折をへて、沖縄に「野菜食」の発想と技術を持ち帰ったところが、彼女の《料理人としての成長》だったとはいえますが、たしかに、人格的にはほとんど成長しませんでしたし、成人してなお幼稚園児みたいなキャラだったといえます。しかし、それの何が悪いのか。◇もともとこのドラマは、「愛すべき沖縄のバカ兄妹」が巻き起こす騒動の物語なのだから、そういうキャラクターの設定で間違ってるわけじゃない。良子といい、暢子といい、たとえば婚約者の実家を訪問するときに、ギトギトのサーターアンダギーをビニール袋に入れて、心からの善意で持っていってしまったりするわけだけど、ある意味では、そこがこのバカ兄妹の愛すべきところなわけで、変に気の利いた高級百貨店の手土産なんぞを持っていく姿を見せられても、かえって小賢しくて嫌味に見えてしまうに違いありません。結果的には、重子さんも、家政婦の波子さんも、そういうバカ兄妹の幼稚さと純粋さに心を動かされたわけだから、物語の展開から考えても、ああいう描写には合理性がありました。◇賢秀の破天荒なキャラについても、一部には「沖縄人を愚弄した描写」と考える向きもあるかもしれませんが、わたしが思うに、「沖縄のドラマだから沖縄を全面的に美化すればいい」ってものでもなくて、沖縄に実在するアンダーグラウンドなヤンキー社会を戒めるためにも、そこで安易な商売が横行しやすい実態に警鐘を鳴らすためにも、賢秀が引き起こす数々の騒動描写にはそれなりの意義があったと思うし、もちろん本土の側にだって、あいもかわらず詐欺に騙される人たちや、ネズミ講などに手を出したりする人たちはたくさんいるわけだから、そういう人たちへの注意喚起の意味でも、ああいう泥臭い描写には一定の役割があったと思います。朝から不愉快なもの見せられてイライラする、と感じる人たちがいるのもおおいに分かりますが、見ていてひたすら気分さえ良ければドラマとして優れてるのかといえば、かならずしもそうとはいえない。コメディのオブラートに包みながらも、歴史や社会の不愉快な側面に目を向けさせる工夫は必要です。◇最終回では、歌子が倒れる、というお約束の釣りネタがあって、ここでもバカ兄妹たちが、相も変らぬ騒動を巻き起こします。医者は「出来ることは全部やった…」みたいに言うのですが、もちろん、それは、たんに「熱が下がらなくて目が覚めない」というだけのことで、べつに誰も「死にそうだ」とは一言も言ってないし、まさか、せっかく下地先生が送ってくれた手紙を宙に浮かせてまで、ほんとに歌子が死んだりする展開にならないのは明白なのだけど、例によって、この愛すべきバカ兄妹の面々は、放っとけばそのうち自然治癒で目を覚ますのも知らないで、あろうことかタクシーの運転手まで巻き込んで、やんばるの美しい海にむかって、必死になってギャーギャー騒ぐわけです。わたしは、そのバカっぷりに大笑いしながらも、ボロボロ泣いてしまうわけですが、あの最終回こそ、いつまでも成長しないバカ兄妹たちが、最後に辿り着いたバカっぷりの集大成だったわけだから、あれに本気になって目くじら立てて文句を言うほうが、かえって滑稽で無粋じゃないのか、…というより、ほとんど無理解・曲解に近いんじゃないかと感じずにはいられない。〈バカ兄妹の最後のさけび〉◇わたしは、つねづね疑問に感じているのだけど、「うんうん、ヒロインも成長したねえ!私と同じように!」などと満足げに論評してる人たちってのは、いったいどういう目線でドラマを見てるのでしょうか?たとえば今回のドラマでは、《他人に忖度できる大野愛》と、《他人に忖度できない比嘉暢子》とを比較して、「他人に忖度できるようになってこそ人間の成長!」みたいなおかしな主張がSNSに湧き上がったのですが、その種の炎上に「同調」したり、その種の風潮に「忖度」しながら記事を書いたりして、みんなで徒党を組んで大声をあげている人たちを見ると、この人たちは、周囲の空気を読んで、同調して、忖度しながら、集団でバッシングをしたり、いじめをしたりする行為のなかにこそ、自分たちの「成長」を実感しているのではあるまいかと、なにやら寒気がしてきます。むしろ、集団的ないじめや炎上に加担しないためには、空気も読めず、忖度もできないことのほうが、よほど人間としてすばらしいんじゃないかとさえ思えてくる。◇まあ、ドラマやコメディのお約束が理解できず、大真面目になって目くじらを立ててしまう滑稽な視聴者や、何が何でも些末な粗探しをしつづけねば気が済まないと、そこに自分の存在意義を賭けようとする視聴者がいたとしても、それはそれで個々人の行為としてなら問題ないのだけど、よりによって、評論家やら、大学教授やら、政治家までが、そういう集団的な炎上に便乗してしまうのだとすれば、これはもう、職業的な意味で「不適格」と言わざるをえません。とりわけ、大学教授やら政治家にかんしては、「そんなことまでして自分の名前を売りたいのか…。」と、これまたうすら寒い気持ちになるのです。だいたいにおいて、大学で「メディア論」なんぞを教えているような自称大学教授は、ほぼほぼ胡散臭いと相場が決まっているのですが、今回の件で、SNSの炎上騒動に便乗して名前を売ったような連中は、学者倫理の観点からいっても完全にアウトというべきでしょう。それから、元農水副大臣の礒崎陽輔にかんしていえば、この人は、おおかた政界への復帰に向けて、必死でネット民に同調しようと画策しているわけですよね。元来が極右のアベトモだし、統一教会シンパの疑いもありますが、かつての安倍や麻生がそうだったように、俗情に媚びる手法がいまだに有効だと考えているんでしょう。大分県選挙区 ちなみに、今回の苛烈なバッシングを裏側から見ると、テレビ視聴率の下落傾向を食い止めるための手段として、SNSの「炎上」が逆に利用されてしまってる面もありますから、じつは正義感を振りかざして必死に叩いていた人たちは、NHKの策略にまんまとハメられていた可能性もなくはない。とはいえ、メディアやジャーナリズムが炎上を煽る状況はけっして健全ではないし、ましてアカデミズムや政治なんぞが安易に乗っかるべきではありません。◇こちらの記事を読むと、news.yahoo.co.jp/byline/suzukiyuji/20220917-00315564実際にSNSで酷評していたのは「ラウドマイノリティ」の人種ではないか、との推察もあるようです。わたしも、今回の炎上を牽引していたのは、いわゆる「ラウドマイノリティ」の可能性が高いかなと思う。つまり、たんに書き込み回数が多いだけの少数者ですね。ツイッターの場合はフォローによる相互連携の作用なども関係してくると思います。実際のところはよく分からないし、べつにラウドマイノリティの言論を抑圧する必要はないんだけれど、すくなくともメディアの側は、その主張をあたかも「世論」であるかのように報じるべきではないし、かりにラウドマイノリティと実数的な世論とのあいだに乖離があるのなら、それを把握するための技術や方法論をはやめに確立すべきだと思います。
2022.10.05
朝ドラ「ちむどんどん」の炎上の理由について、週刊現代は次のように説明していました。たしかに粗っぽいところはあるが、ここまで酷評されるほどの作品ではない。では「批判の声」が増幅されてしまったのはなぜか。その主たる要因はツイッターなどのSNSサイトにあるだろう。毎朝、ドラマが放映されると同時に、脚本や時代考証の甘さ、主人公の言動をあげつらい批判する「ちむどんどん反省会」がSNS上で開かれる。それをそのまま拾い上げ、ニュースとして垂れ流すネットメディアが後追いすることで、反省会がますます盛り上がるという悪循環が生じてしまったのだ。同じように、芸能ライターの弘世一紀も次のように話しています。反省会は『おかえりモネ』や『なつぞら』のときもありました。今回はベタな展開やキャラが立った登場人物が多かったので、叩きやすかったのでしょう。メディアもその風潮に乗っかったほうが記事のクリック数が稼げるので、批判記事をどんどん配信し、視聴者を煽ったのだと思います。結果的に物語の粗探しがヒートアップして、火種がどんどん大きくなってしまったのです。https://gendai.media/articles/-/99663?page=2◇つまり、問題なのは、SNSの論調に対して、ネットメディアが何らの批評性も発揮できなかったこと。ネット記事はおろか、果ては大学教授や国会議員までが、無批判にSNSに「同調」するようになったこと。そして、自称ドラマ評論家の面々も、例によって、なんらの存在意義もなしていないのです。たんにSNSの論調に追随するだけ。これでは評論家の存在する意味がありません。◇今回のような事態に直面すると、もはや、ドラマそのものを批評するよりも、むしろ 評論家を批評する ほうが先決ではないかと思えてきます。ためしに、誰かひとり、ドラマ評論家を槍玉に挙げてぶっ叩きたくなる。実際のところ、評論を仕事にしているのだから、自分自身が逆に批評されるぐらいの覚悟はできているでしょう。手っ取り早いところで、メディア評論家の碓井広義 の昨日の記事https://news.yahoo.co.jp/byline/usuihiroyoshi/20221001-00317034現在のところ、ヤフーのアクセスランキングで1位になっていますが、中身を読めば、たんにSNSの反応をテキトーに寄せ集めて、安易な記事によってクリック数を稼いでいるのが明白です。◇碓井広義は、今回の朝ドラが酷評されている理由として、「ご都合主義のストーリー」と、「共感できないキャラクター」の2点を挙げています。しかし、「ご都合主義だ」とか「共感できない」というのは、語彙の乏しい素人の視聴者が、気に入らないドラマを批判するときの常套句であって、わざわざ専門家が用いるべき文句ではありません。たとえば、碓井広義は、「過去の朝ドラのダメ男に比べて、賢秀のダメ男ぶりは度を超えていた」と述べているのですが、しかし、「度を超えているから共感されない」だの、「度を超えていなければ共感できる」だのというのは、まったくもってテキトーな説明でしかありません。そもそも、ほんとうの意味で「度を超えていた」のは、どこの誰がどう考えたって、娘を売り続けた「おちょやん」のテルヲのほうであって、それに比べれば、賢秀のダメっぷりなど可愛いものです。それにもかかわらず、作品としては「おちょやん」のほうが評価されてしまうのは何故か。碓井広義は、「キャラクターが共感されないから酷評されるのだ」などと安易に説明していますが、実際には、たとえ共感されないキャラクターがいても、作品は評価されるのです。その謎を解き明かせなければ、本物の評論家とは言えない。◇朝ドラ史上「最悪の父親」はテルヲでしたが、朝ドラ史上「最悪のヒロイン」は誰かといえば、それは、どこの誰がどう考えてみても、娘を捨てて米兵と駆け落ちした「カムカム」の安子に違いありません。しかし、彼女は、最終的に視聴者の共感を得ました。これに対して「ちむどん」の暢子は、たんに鈍感なだけで、べつに悪いことなど何もしていないのに、まるで極悪人であるかのごとくに視聴者から叩かれ続けました。それは何故なのか。碓井広義は、「共感されないから酷評されるのだ」などと説明していますが、そんなものは何の説明にもなっていない。なぜ、「カムカム」の安子の非道っぷりは共感されるのに、「ちむどん」の暢子の鈍感さのほうは共感されないのか。その謎を解き明かせなければ、本物の評論家とは言えない。…結論を先にいうならば、キャラクターに対する共感と、作品の評価とはまったく無関係だからだ、というほかありません。碓井広義は、自分でこの矛盾に気づいていないのでしょうか?それとも、たんにSNSの反応を寄せ集めて、やっつけ仕事でテキトーな記事を書いているだけなのか。◇一方、碓井広義は、「ご都合主義だから酷評されるのだ」とも書いているのですが、ほんとうに視聴者はご都合主義を拒否しているのでしょうか??もしも、ご都合主義を完全に除去するならば、戸田恵梨香が主演した「スカーレット」のように、物語の最後には、一人取り残されたヒロインが黙々と薪を燃やし続けるような、殺伐としたエンディングになりかねないのですが、そのようなリアリティを本当に視聴者は望むのでしょうか?もちろん、わたし自身は、あの「スカーレット」の荒涼としたエンディングを絶対的に支持します。しかし、あのエンディングを支持した視聴者は、むしろ少数なのです。お茶の間の視聴者のほとんどは、最終回で登場人物の全員がご都合主義的に大集合するような、大団円のエンディングをこそ望むに違いないのだし、それどころか、最後にあらゆる男女が全員カップルになって結ばれるような、死ぬほどご都合主義的なハッピーエンディングをこそ望むのです。碓井広義のように、「ご都合主義だから酷評されるのだ」などと説明するのは、まったくのデタラメであって、ほんとうならば、「せっかくご都合主義にしたのに、なぜ評価されなかったのか?」と問うべきなのです。そして、その問いに答えが出せなければ、本物の評論家とは言えない。※次回は別の評論家を誰か槍玉に挙げます。
2022.10.02
今回の朝ドラが炎上しつづけた最大の理由として、飯豊まりえが演じた「大野愛」のキャラ造形の問題があります。◇漫画やドラマの恋愛において、三角関係の恋敵を「イヤな奴」に設定するというのは、たしかに古典的な手法としてはあるのだけれど、最近のドラマでは、そういう分かりやすい手法は使われなくなっています。そもそも現実の恋愛において、恋敵がかならずしも「イヤな奴」だとはかぎらないし、それどころか、たとえ双方ともに善人であっても、理不尽に傷つくことになるのが現実の三角関係なのだから、たとえ漫画やドラマであっても、そうした恋愛のリアリティを追求するのが近年の傾向なのですね。◇けれど、今回のドラマで飯豊まりえが演じた大野愛は、あまりにも非の打ちどころのない女性だったために、逆にヒロインのほうが「イヤな奴」に見えてしまった。さらには相手役の和彦までが「イヤな奴」に見えてしまった。そして、これをきっかけに、SNSを中心に主演カップルへの憎悪が膨らみ、しまいには作品に対する瑣末な揚げ足取りまで巻き込んで、最後まで炎上が終わらないという事態になったのです。◇NHKの制作チームがどのように意図していたか分かりませんが、あえて恋敵を「出来すぎた女性」に設定するというのは、たぶん当初からの既定の方針だったのでしょう。さしずめ「ドラえもん」でいうなら、恋敵の出木杉くんを差し置いて、出来の悪いのび太くんとしずかちゃんが結ばれるみたいな構図ですが、その男女逆バージョンみたいなものをイメージしていたかもしれません。◇さらに、このドラマでは、「良識的な本土人」に対して「あばずれな沖縄人」を対比していました。これは、とくにニーニーの人物造形において顕著でした。ここにも視聴者の反感を招く要素があったものの、たしかに本土的な「良識」を美化することが正しいとは思えないし、(それは権威主義や忖度主義や同調主義を助長しかねない)むしろ、それを相対化させるためにこそ、沖縄人の素朴さや自由さや破天荒さを強調する意図だったのでしょう。そして、この対比が、「大野愛」と「比嘉暢子」の関係にもそのまま同じように反映されていたといえます。◇かりにNHKの制作チームが、ある種の炎上商法的な効果まで想定していたならともかく、男女の三角関係描写についての注意をすこし怠ったせいで、想定していた以上に視聴者の反感を拡大させたのだとしたら、これは、ほとんど「政治的なミス」と言ってもいい。SNSは、そうした憎悪が拡大しやすいメディアでもあるし、とくにNHK朝ドラは特殊なコンテンツなので、ヒロインに対する反感が増大しやすいということがあります。…半世紀前の「おしん」の時に、ヒロインの少女をいじめる父親役だった伊藤四郎が、家にまで押しかけてきた視聴者から非難されたという笑い話があるけれど、リアルとフィクションの区別がつかなくなって、ついには俳優にまで憎悪を向けるような視聴者も、いまだに一定の割合で存在します。のみならず、雑誌の記者や、頭の悪い大学教授や、国会議員のなかにさえ、そうした憎悪にまかせて発言したり記事を書いたりする者が現れています。昔なら決して誌面には載らなかったような、バカげた揚げ足取りのような記事でさえ、いまでは簡単にネット上に掲載されてしまうということもある。そういう時代です。◇今回の件で、NHKの朝ドラ制作チームは、男女の三角関係を描くことに恐怖心を抱いたかもしれません。恋敵を分かりやすい「悪人キャラ」に設定したり、ヒロインを「品行方正なキャラ」に設定することが、かならずしも正しい手法だとは思わないけれど、かといって、朝ドラ視聴者の感情的な反応を、炎上商法もまじえながらバランスよくコントロールするのは、いっそう難しい挑戦になっていくでしょう。そして脚本家はもちろん、今後は、出演俳優でさえ、ある程度の覚悟をもって臨まなくてはならなくなりました。
2022.10.01
今回の朝ドラ『ちむどんどん』には、重要なテーマが大きく3つありました。1.やんばる2.沖縄の野菜食3.民謡文化とくに終盤では、顕著な形でこれらのテーマに収斂していきました。◇◇1.やんばる20年前の『ちゅらさん』の実家は那覇市の首里でしたが、今回の『ちむどんどん』の実家は北部の山原(やんばる)でした。目下、沖縄の在日米軍は、本島南部における基地機能を返還したのち、それらを北部やんばるへ移転することを計画しています。ヒロインたちの実家は西海岸でしたが、米軍の機能移転においてもっとも重要なのは東海岸(辺野古)であり、さらに森林への移転も重要な争点になっていきます。今後、日本の国民は、沖縄の「やんばる問題」に向き合わざるをえません。最終週では、やんばるの海の際立った美しさを見せていましたが、このドラマの最大のテーマは、「沖縄のやんばるを守るのか」という国民全体への問いかけだったといえます。2.沖縄の野菜食敗戦後の沖縄は、とりわけ米国文化の影響下に置かれたので、ランチョンミートやハンバーガーやステーキなど、安直な肉食を中心とした生活に置き代わり、その結果として生活習慣病が蔓延し、極端な「肥満増加」や「寿命低下」を招きました。一方、ヒロインの暢子が東京で学んだのは、日本料理でもなく、中華料理でもなく、フランス料理でもなく、(ましてアメリカン・レストランで学んだのでもなく)イタリア料理、すなわち野菜と魚介を中心とした「地中海料理」でした。この「地中海料理」の発想を、ふたたび沖縄の食文化のなかへ取り戻すことが、このドラマにとって二番目に重要なテーマだったといえます。さらに、ニーニーと養豚との関わりも、《米国流の牛肉食》から《沖縄本来の豚肉食》へ回帰させるために、重要な意味を含んでいました。つまり、極論をいえば、このドラマは、おおむね「戦後の沖縄文化の否定」であり、それはとりもなおさず「米国文化の否定」だったのです。そのことによって、戦前的な沖縄文化の回復を目指した物語だったといえます。3.民謡文化20年前の『ちゅらさん』では、山田孝之が演じた弟の恵達や、鮎川誠が演じたジョージ我那覇を中心として、戦後の沖縄人とロックとの関わりが描かれていました。しかし、今回の『ちむどんどん』には、米国の音楽やロックの話はいっさい出てきません。その代わりに描かれたのは、末娘の歌子と沖縄民謡との関わりでした。彼女が三線で民謡を弾き語ったのは、「芭蕉布」「てぃんさぐぬ花」「娘ジントーヨー」「浜千鳥」…などの旋律と言葉をとおして、伝統的な美意識を回復するためだったろうと思われます。そして、最終週では、末娘の歌子による歌と、母の優子による踊りとを、「遺骨すら見つからない戦争の死者」への鎮魂のために捧げていました。こうした要素も20年前の『ちゅらさん』にはなかったものです。◇◇ところで、SNSに書き込む視聴者たちは例によって、恋愛や結婚がらみのエピソードについて、やれ共感できるのできないのと最後まで騒ぎつづけたのですが、じつは、このあたりの話は、「沖縄の少女と本土の少年が恋に落ちて結婚する」という『ちゅらさん』のパロディにすぎず、今作では、たんに話題のための炎上ネタにすぎませんでした。ヒロインらへの不評が世間を覆っているかのように報じられ、※他人への同調こそが「正義」であり「人間的な成長」だと考える忖度主義、 空気の読めない鈍感な人間は排除すべきと考える日本人の集団主義、 そうした旧来型の大衆的無意識がSNSのなかに露出した結果でした。あろうことか評論家や大学教授や国会議員までもが、その炎上に「同調」するという、まともな言論/アカデミズムとは思えない醜態もありましたが、結果的には、そんな炎上ネタの効果もあって、ドラマ視聴率の全体的な下落傾向のなかでは、むしろ高い水準の数字を維持していたというべきだし、NHKが今回の朝ドラを「成功」と見なしているのも理解できます。本質的な部分において、この朝ドラは『ちゅらさん』の価値観を覆した作品であり、結果的には、「やんばる」「島野菜料理」「民謡/歌三線」というワードについて、国民社会へ刷り込む役割を果たしえたと思います。
2022.09.29
ちむどんどん。いよいよラストスパートに入ってきてる感じ?ネーネーの野菜と、ニーニーの豚肉と、歌子の三線弾き語りと、ジョン・カビラの語りが、ぜんぶ暢子の店「ちむどんどん」に結集しようとしてます?— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) September 26, 2022◇わたしは5月ごろに、> いずれ歌子が東京に出てきたら、> ひおもか(氷魚&萌歌)やいのもか(海&萌歌)が実現するかしら?みたいなことを書いたけど、気づいたときには、あっさり実現してました(笑)。ひおもかにいたっては、あまりにあっさりしすぎてて、どこから共演してたかも思い出せない。…このときだったっけ?そして、いまや「ちむどんどん」の店内には、歌子・暢子・和彦・矢作の4人がいつも一緒にいます。これはもう完全なるモカコネクション!じつは、氷魚と海も、かなり仲がいいらしいのです。それは、魚と海だから…じゃなくて、2019年の舞台「CITY」で共演してるから!— 和彦の中の人の魅力を伝えたい☺︎☺︎☺︎ (@hiiio184) September 2, 2022ちなみに、氷魚がミュージシャンの息子なのは自明ですが、海も、もともと映画「トウキョウソナタ」のときに、少年ピアニストとしてデビューしたわけだし、映画「ミュジコフィリア」では山崎育三郎と連弾もしている。萌歌も、adieuとしての活動のみならず、映画「羊と鋼の森」では萌音と連弾してるし、ドラマ「さよならドビュッシー」では、やはり黒島結菜と一緒にピアニストの役を演じてて、今回は三線の弾き語りもしてる。なので、この4人は、音楽で繋がる部分もかなりあるんじゃなかろうか?— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) August 31, 2022 — まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) May 1, 2022 — まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) September 12, 2022 — まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) September 12, 2022萌歌との共演はこんな感じ。2013年 幽かな彼女(飯豊まりえ)2016年 さよならドビュッシー(黒島結菜)2016年 CM「午後の紅茶」(井之脇海)2021年 ソロモンの偽証(宮沢氷魚)時系列的にいうと、飯豊まりえとの面識がいちばん古いかもしれないのだけど、今回は萌歌との共演シーンはなかったような気がする…。いずれにせよ、萌歌&結菜&氷魚&海の仲良しぶりは、もはやプライベートでも遊びに行けるレベル?
2022.09.15
第15週は「ウークイの夜」。はじめて食べもの以外のサブタイトルがついて、さまざまな謎がいっきに解き明かされる内容でした。◇今回の朝ドラは、《本土からやってきた運命の人と結ばれる》という、20年前の「ちゅらさん」の物語を反復してもいるけど、その半面で「ちゅらさん」の反復を拒んでいる面もある。それは、主人公の恋愛が、たんなる個人の物語ではなく、沖縄の歴史の物語に運命づけられている…ということ。そのことが第15週であきらかになりました。こうした要素は「ちゅらさん」には欠けていました。◇同時に、今回の「ちむどんどん」は、「ちゅらさん」みたいな《美しい恋愛》にはこだわっておらず、むしろ露悪的に《みっともない恋愛》を描いているように見えます。登場する若者たちは、かなり《みっともないキャラ》として設定されています。とくに先週の相撲大会のエピソードなどは、そんな若者らしい《みっともなさ》が全開していて、欲望やら、嫉妬やら、裏切りやら、横取りやら、致命的な鈍感さやらが入り乱れて空回りする様子が、かなり滑稽なタッチで描かれていました。まあ、「若者の恋愛なんてそんなもんだよねw」とも思うし、「一昔前の若者のドラマってこんな感じだったよねw」とも思うけど、あえて《美しさ》に反するようなキャラ設定をしたうえで、その《みっともない人間性》をおおらかに肯定する物語になっている。(そのことがSNSでははげしい不興も買っていますが)◇最近のドラマでは、《美しい男女》の《美しい恋愛》を描くことが当たり前になって、こういう若気の至り的な《みっともなさ》を受け入れる土壌は、すっかり無くなってしまっているかもしれません。共感しやすいキャラでなければ、ただちにバッシングを受けてしまう。かりに三枚目の役者が演じるのなら、視聴者もまあ笑って見過ごせるのだろうけど、なまじっか美形の俳優たちが演じてるものだから、この《みっともなさ》をどんな気持ちで受け止めればいいのか、ちょっと戸惑ってしまうってのもある。しかし、現実の世の中で結ばれる男女は、皆が皆《美しい男女》ではないし、皆が皆《美しい恋愛》をしているわけでもないし、むしろ《醜くてみっともない恋愛》で結ばれる人々のほうが多いかもしれません。美しい男女が、美しい恋愛で結ばれることしか許されないのなら、世の中の恋愛はとても窮屈になってしまうし、現実の恋愛なんて、ほとんど不可能になってしまう。その点、今回の「ちむどんどん」の場合は、民族の記憶を繋ぎ、命を繋ぎ、血を繋いでいく、…という物語なので、人間性の善し悪しは二の次になっているのかもしれません。◇個々のキャラで見ると、たとえば、良子の結婚相手としては、博夫より金吾のほうが魅力的だったともいえるし、和彦の結婚相手としては、暢子よりも愛のほうが魅力的で感情移入しやすかったし、暢子の結婚相手としても、和彦より智のほうがひたむきだったと言えるかもしれない。しかし、このドラマのなかでは、そういう個々の人間性が恋愛の可否を左右するのではありません。とくに暢子と和彦の場合は、視聴者の共感を得られにくいキャラではあるものの、そんなキャラの魅力とは無関係な運命で惹かれ合っていて、愛も、そのことを察知してみずから去ってしまいました。◇暢子と和彦の運命は、「ちゅらさん」のように個人的なものではなく、歴史的な悲劇を共有した者どうしの運命でしたし、それは本人ですら自覚していなかった歴史でした。それは、ヒロインの相手役の俳優が、かつて「島唄」を作った宮沢和史の息子ということにも重ねられる。愛は、たしかに個人としては魅力的で罪のないキャラクターだったけれど、沖縄の民族的な歴史に立ち入れる立場にはなかったし、智も、沖縄の人間ではあるものの、そうした悲劇の歴史は共有していない。あくまでも、このドラマは、悲劇的な民族の歴史を受け継いだ男女が、運命的に命を繋いでいくストーリーになってるので、一般的な恋愛ドラマの法則からすると、とても不可解に見えます。◇今回の朝ドラは、とりたてて傑作とも言えませんが、世間でいわれているほど失敗しているわけでもないと感じます。みっともない若者のみっともない恋愛を描いた朝ドラとして、ある意味では新境地といえなくもないし、実際、個々の人間性の是非より大事なものがあるかもしれない。こんなふうに、通常の恋愛とはちがう論理で作られるドラマがあってもいいし、視聴者からの賛否があるのは当然としても、こういう恋愛ドラマの作り方があってもいいのかなと思う。
2022.07.24
朝ドラ「ちむどんどん」について、文春がかなり硬派な論評を載せています。bunshun.jp/articles/-/54340現在の【東京・鶴見編】の内容が、しだいに《社会的なテーマ》へ踏み込むだろうと示唆している。新潮の記事にも同様の予測があります。https://www.dailyshincho.jp/article/2022/05160601/これらの記事は、ある程度、NHKからのリークなのかもしれません。一方、ヤフコメなどでは、例によって「朝ドラが社会問題など扱う必要ない!」との大合唱です。◇しかしながら、結論をいえば、朝ドラがこれまで《社会問題》に触れなかった試しはありません。どの作品も、何らかのかたちで社会的なテーマに触れている。たとえば「純情きらり」や「カムカム」は、敵性文化を弾圧した戦時下の国家方針や社会風潮に反して、ジャズを演奏したり、英語を学んだり、あるいは戦後に米兵と結婚したりした人物の葛藤の物語です。たとえば「エール」は、戦時中の経済的・社会的な要請に応じて、国民感情を奮い立たせるような戦時歌謡を作りつづけ、戦後になって批判を浴びた人物の物語です。かりに、大部分の視聴者が、そうした朝ドラの《社会的側面》をスルーしたところで、NHK自身がそれをスルーしていいという理由にはならない。公共放送であるかぎり、たんに視聴率やSNSの反応だけを価値基準にはできません。◇たしかに、20年前の「ちゅらさん」などは、いわゆる《沖縄問題》を回避して物語を作っていた感があります。とくに主人公の恵里が上京して以降は、ほとんど沖縄とは無関係な弛緩しきった展開に終始していました。それでも、当時としては、あのドラマが沖縄への関心を高める役割を果たしていたのですね。…かたや「ちむどんどん」の場合は逆です。これまでの【沖縄・やんばる編】では、沖縄戦の問題にも、復帰の問題にもほとんど触れなかったけれど、むしろ今後の【東京・鶴見編】でこそ、主人公は本格的に「沖縄問題」に直面することになるのだと思う。◇レストランのオーナーである原田美枝子は、沖縄人が本土社会に適応するための葛藤を経験した人物であり、おそらく、そのために何かを犠牲にしてきた人物ですよね。かたや県人会会長の片岡鶴太郎は、本土社会に適応できない沖縄人たちの苦悩を見続けてきた人物。さらに、主人公は、彼らとの交流のなかで、両親の過去の苦難についても知ることになりそうです。また、沖縄の社会に甘えつづけていた兄も、本土の社会では本格的な苦渋を味わうのかもしれません。 ◇このドラマにおける「貧困」というテーマが、たんに比嘉家の問題として描かれているにすぎないのか、それとも逃れようのない《沖縄問題》として捉えられていくのか、その点も、これから明らかになっていくでしょう。萌歌が演じている歌子は、折にふれて「椰子の実」を歌っているけれど、あれはおそらく「沖縄の歌」というより、むしろ「沖縄から流れ着いた者たちの歌」なのですよね。そう考えると、このドラマが本格的に《沖縄問題》を描くのは、やはり主人公たちが上京して以降なのだろうと思う。大中寅二のメロディもやっぱり賛美歌風なのよね。pic.twitter.com/BayfvtzcKv— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) May 20, 2022 ◇ところで、先週までの【沖縄・やんばる編】では、脚本や演出に対する視聴者からの批判があふれかえりました。わたしも、現時点では、この朝ドラの出来がいいとは思っていません。しかし、【東京・鶴見編】に入った今週にかぎっていえば、けっして悪い内容ではなかったように思う。ようやく核心的なテーマに近づいてきて、物語の焦点がハッキリしてきた感があります。ただ、アンチみたいな視聴者がいちど連帯しはじめると、なかなか簡単にはその論調を変えようとしないので、いまもSNSでは、ほとんど揚足取りみたいな批判が幅を利かせています。その多くは「バカ兄貴がムカつく!」といったように、特定の登場人物への反感をドラマの評価と同一視するパターンですね。※バカ兄貴がムカつくのは「なつぞら」も「カムカム」も一緒なのだけど…(^^;まあ、厳しい評価は今後もしばらく続くでしょう。◇とはいえ、今後の内容が《社会的なテーマ》に切り込み、国内の「加害性」と「被害性」の問題にまで触れるとなれば、視聴者の賛否両論の質もおのずと変化するはずです。それは、もはや、脚本や演出の技術的な問題などではなく、NHKの《社会的なテーマ》の扱い方の是非について、あるいは《社会的なテーマ》に触れることそれ自体の是非について、視聴者の賛否が割れていくことになるはずです。そもそも、そうした賛否を巻き起こすぐらいに踏み込まなければ、今回の朝ドラの存在意義が認められることもないでしょう。もはや「ちゅらさん」の二番煎じでは済まされないし、ただ復帰50年にかこつけたアリバイ作りでも済まされない。あらたな視点で《沖縄問題》を炙り出さなければなりません。
2022.05.21
産業まつりのヤング大会。やんばる高と南やんばる高の、料理部スケバン抗争が終結しました。ヤンバルクイナに続いて、やんばるナポリタン(またの名をケチャップ味のうちなー焼きそば)が、あらたな観光名物になりそうですね。暢子は、どうせなら屋良物産に就職させてもらえば?…と思ったのですが、真境名商事も蹴って、内間食品も蹴って、ついに東京のレストランへ行くようです。良子も、ほんとうなら製糖会社のバカ息子と結婚したほうが、比嘉家のためになるような気がしますけど、やっぱり貧乏教師と結婚したいのでしょうか?萌歌も、東京へ行って、氷魚&海に会いたいでしょうけど、下地先生は歌子を東京に送り出してくれるかしら? ひおもか いのもかちなみに、金曜日に萌歌と凜が同じ画面に収まったのはこのシーン。手前に凜。後方に萌歌。こちらは両校料理部の集合写真。萌歌も入ればよかったのに!直近の萌歌は #もねかん に夢中で、朝ドラについてはまったく言及していませんがwhttps://t.co/Fa4H0Pzrz4— 上白石 萌歌 (@moka_____k) May 5, 2022 今回の料理部メンバーのうち、村田寛奈は「ソロモン」で萌歌と共演してました。池間夏海は「かぐや様」で環奈と共演してたらしい。工藤美桜は「ドクターホワイト」で美波と共演してる。(山崎紘菜の「汝の名」にも出演)
2022.05.07
産業まつりのヤング大会。やんばる高 vs 南やんばる高。いよいよ決戦の火ぶたが切られました!✦ ✦ ✦ 麺にシークワーサーを練り込むなんて、なかなかやるわね…。でも、南やんばる高は、さんぴん茶の蒸しケーキ。お父さんにおねがいして、お客さんがたくさん通る所に引っ越せば、勝利はまちがいなし!✦ ✦ ✦ 蒸しケーキのうえにアセロラをのせるとか、見た目がオシャレやっさー。さすがは屋良物産の社長の娘!それとも有名女優の娘のアイディアかしら?ちょっと塩気が足らんけどね~。むりやり店の引っ越しさせられて難儀だったけど、にーにーのテキ屋の口上で形勢挽回!✦ ✦ ✦ あいやー!!鍋の汁、ぜんぶこぼしてしまったサー!(ここで萌歌と凜が同じ画面に!)でも大丈夫!シークワーサーパワーで元気100倍!汁がなかったら、ナポリタンにすればいいさ~!…それは、もしや、ケチャップ味のうちなー焼きそばなのでは?— 連続テレビ小説「ちむどんどん」 (@asadora_nhk) May 5, 2022 — メタ坊や (@PY90evTIfy4ROlw) May 5, 2022
2022.05.05
あらたに料理番長となった暢子。決戦間近になった産業まつりのヤング大会にそなえ、やんばるそばの麺に、シークワーサーを練り込む必勝法をあみだします。必殺技も開発して、わたしたちが勝ったも同然!しかし、暢子たちが勝利を確信したのもつかのま、敵対する南やんばる高校のお嬢さま軍団が、校内へのりこんできました。お金持ちの屋良ひとみは、不敵な笑みをうかべて言いました。…やんばるそばw?そんなものでわたしたちに勝てるかしら?早苗がすかさず言いかえします。今年のやんばる高校には強力な助っ人がいるわ!すると、屋良ひとみの隣にひかえていた有名女優の娘。暢子のみすぼらしい制服を見て、こう言いました。助っ人?そのお洒落なコ?…まあ、きれいなスカートwwwオッホッホッホ!お嬢さま軍団が一堂に声をあげて笑いました。✦ ✦ ✦ いよいよヤング大会が戦場と化します!pic.twitter.com/uSmpXrN1WQ— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) May 4, 2022
2022.05.04
走る暢子は「アシガール」?ピアノを弾く歌子は「羊と鋼の森」と「さよならドビュッシー」?優等生の良子は「金田一少年の事件簿」?バカな賢秀は「ごめんね青春」?pic.twitter.com/iwK4fW8214— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) April 30, 2022 そんなオマージュの寄せ集めにも見えてくる「ちむどんどん」。肝心のストーリーは、たいした事件も起こってないように見えるけどwそれもまた岡田惠和「ちゅらさん」の、ぬる~い物語に似てる?もしも歌子が、これから昭和歌謡を歌い継いでいくとしたら、それは、NHKの土ドラ「天使にリクエスト」の展開に同じ。目下の関心事は、スパルタ教師の片桐はいりが、萌歌にムチを浴びせつける姿にしかありません! これまた片桐ルシアへのオマージュだったりして...pic.twitter.com/rCJolKYyo3— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) May 1, 2022 ◇暢子は沖縄が嫌いだと言いました。「この村も、沖縄も、自分が女だということも全部大嫌い!」母は、それも大事なことと言って否定しない。そういえば、「ちゅらさん」の恵里も恵達も、どこかで沖縄嫌いをほのめかしていたかもしれません。すべてを「沖縄大好き!」で覆い尽くすのではなく、むしろ、そんな嫌悪や憎悪を深めてこそ、はじめて手応えのある沖縄の物語が作れるのでしょう。◇次週予告には、水嶋凜がほんの一瞬だけ映りました。本編も一瞬だけ登場して終わりなのかもwはたしてセリフはあるのかしら?
2022.04.30
ちむどんどん。第1~2週。またしても娘を捨てるところでしたがっ!…すんでのところで連れ戻しましたね。◇ごめんね、お母ちゃんが間違っていた!「おちょやん」と「カムカム」が間違っていた!…大阪放送局が間違っていた!もう娘を捨てたりしません。by 仲間由紀恵…みたいな。借金あるけど、テーゲーでなんくるないさ~。って感じ?◇「ちゅらさん」から早20年。ゴーヤーマンはシーサーちゃんになり、ガジュマルの木はシークワーサーの木になったけど、「ちゅらさん」を見た世代にとっては、この沖縄テーゲー描写に既視感も強い。…若い世代には新鮮に映るかしら?◇まあ、のんびりした沖縄だけでなく、シングルマザー、子沢山、貧困、出稼ぎ…など、けっして過去の話とはいえない沖縄問題に触れた点は、わずかながら進歩なのかもね。沖縄の物語というと、ついつい女性が主人公になりがちですが、いずれは男性を主人公にした物語も作らなきゃいけないだろうし、「美女&ダメ男」という沖縄の紋切り型も、いずれは乗り越える必要があります。 ◇それはそうと。豚を食べたら父が死んだので、世間では「豚の呪い」「豚の祟り」などと言われましたが…そこは「豚の報い」と言うべきなのよね(笑)。でも、ネットを検索しても、Twitter を眺めてみても、誰ひとりそれに気づいてる様子はなし。芥川賞なんてそんなもんでしょうか。小澤征悦は「いだてん」「KAPPEI」で萌歌と共演!#ちむどんどん #アババ #豚の報い pic.twitter.com/75E6fy0Uyg— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) April 19, 2022鳥取出身の脚本家が、ドラマの本質的な部分にこの小説を結びつけようとしたのか、それともチョロッと絡めてみただけか分からないけれど、すくなくとも又吉栄喜の小説は、豚の祟りによって破滅してしまう話ではないし、どちらかといえば浄化されていく話で、食べることを否定しているわけでもなく、豚を食べて誰かが死ぬわけでもありません。◇むしろ、このドラマの父の死のエピソードは、森山良子の「さとうきび畑」に引き寄せている可能性が高い。それを萌歌=adieuの「椰子の実」に置き換えて、さながら「Sunny Side」に続く《姉妹歌リレー》のかたちにした感じ。朝ドラ姉妹 歌リレー その2#カムカムエヴリバディ #ちむどんどん #上白石萌音 #上白石萌歌 #森山良子 #さとうきび畑 pic.twitter.com/JSJzd1c2h7— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) April 17, 2022 次週からはアシガールと凛子さんが登場ですね。
2022.04.23
一年前に書いたことがほぼ実現してて、https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/202001120000/まるでわたしが決めたみたいになってますが、まあ、それなりの根拠があって書いてるわけなので、たんなる当てずっぽうというわけではない。むしろ姉の萌音のほうの予想外の展開に驚嘆しています。◇ただ、薩摩出身の萌歌が、沖縄が舞台のドラマに出るってことになると、それがどんな背景で描かれるのかという問題は出てくる。薩摩の琉球支配はともかく、沖縄の日本復帰があり、尚家の沖縄文化復興があり、女が働いてて、男が遊んでるとか、ヤンキーのカルチュラルスタディーズとか。糸満出身の黒島結菜のドラマを、やんばるを舞台にすることの意味とは何か。やんばるといっても、東と西では大違い。ジュゴンと泳ぐために東海岸へ行くのかどうか。ちゅらさんで華麗にスルーしたように、実際は、ヤンバルクイナがちょろっと歩くだけで、ほとんど横浜の鶴見区のお話になる可能性もある。だとすれば、かなりの確率で、ちゅらさんの二番煎じでしかなくなってしまう。◇それはそうと、萌歌と結菜は、写真をパチパチ撮って、ダブルで個展でもやりませんか?ーー黒島さんは上白石さんの師匠的な存在
2021.03.31
「天使にリクエストを」が終了。人はそれぞれに色々な事情を抱えていて、人生のなかでは、様々な過ちも犯していますよね。…といったサンプル的なエピソードをつめこんで、サスペンスタッチに描いてきたドラマだったのですが、かえってサスペンスの趣向のほうに惑わされてしまい、作品の本来の趣旨が見えてきた頃には、すでにドラマが終わってしまっていた…という感じです。前回の第4話のエピソードなどは、ちょっと実話っぽくも感じたのですが、むりやり物語の設定の中に埋め込んだ印象で、いまいちフィクションと噛み合ってない気もしました。まあ、そのぶんだけ、かえって妙なリアリティも感じたのですが。◇こうした人生の「贖罪」とか「和解」の物語は、高齢の視聴者にとっては救いなのかもしれませんよね。ただ、わたし自身の感想をいうと、年寄りの贖罪のあり方に共感できない部分もあるし、ここで描かれているような世代間の和解は、所詮、画面のなかのファンタジーでしかないって気もする。まあ、世の中にはファンタジーも必要でしょうけどね。◇◇ついでに「タリオ」の第2話もレビューしときます…主人公が阿部寛と仲間由紀恵だったら。と誰しもが思ってしまう内容。『TRICK』を知らない世代も観てるだろうから、あえて二番煎じをやるのも悪くはないと思うけど、それにしても、あまりにオリジナリティが薄いのは否めないし、シティポップなどの「ネタ」に対するこだわりも、ちょっと食い足りない。ヒデキョーのカンゲキとか、ムラシタコウゾのハーツコーイとかウインクのアイダソウコとか、かなりの滑り気味なギャグが、シティポップじゃなくて昭和歌謡なのも惜しい。というより、さほど面白くもないので、わりとどうでもいい…。犯罪トリックとしての面白味にも欠けたし、復讐劇としての痛快さも乏しかったので、初回とくらべて、全体に物足りなかったです。脚本家とNHK演出部はもちろん、東宝側のプロデューサーも、作品の世界観を突きつめる努力が足りないのでは?ちょっと薄っぺらい気がします。「天使」といい、「タリオ」といい、昭和歌謡の使い方も、ちょっと安易だと思う。どうせやるなら、マニアをも唸らせるような工夫を見せてください。
2020.10.18
今回から演出家が変わりましたが、さほどの変化は感じられない。あいかわらずドラマとして小慣れていないし、説明的なセリフが多いのもいま一つ。やはり基本的にはコメディだと思うけど、肝腎のコメディ部分はさほど面白くもない。いろんなアイディアと、いろんなエピソードと、さまざまな社会問題を詰め込んでるのは分かるけど、話が荒唐無稽なうえに面白さにも欠けるので、結果的に「詰め込んだ」という以上のものにはなっていない。全共闘の時代とか、高田渡の音楽とか、そういうものに反応するような世代に、このスタイルのドラマが訴求できているかどうかも疑わしい。いまのところ、特筆すべき魅力を見出しにくいドラマです。
2020.10.04
先週は分からなかったけど、このドラマって、もしかしたらコメディでしょうか?スリリングな「探偵ドラマ」と、重苦しい「医療ドラマ」の融合と思っていましたが、末期がんだの、ピストル誤射だの、捨て子だの、ヤクザだの、ついでに昭和歌謡だの、あまりにも内容が山盛りすぎて、かえって大味で、中身が薄っぺらくなっています。でも、これがコメディとなれば、その薄っぺらさも、さほど気にならない。ほんとにコメディかどうかは知らないけど、基本コメディタッチに、シリアスと感動を交えたドラマだと思ったほうが、無理なく楽しめそうな気がしてきました。ちなみに萌歌はどう見ても育ちがよさそうで、マル暴の刑事に拾われるような娘には見えません(笑)。
2020.09.27
天使にリクエストを〜人生最後の願い〜。たんなる萌歌めあてで、なんの予備知識もなく鑑賞。医療ドラマかと思ったら、探偵ドラマ?かと思ったら、やっぱり医療ドラマ?「ハムラアキラ」のようでもあるし、「心の傷を癒すということ」のようでもある。内容的には、まるで新人の脚本家と演出家の、秀作ドラマのような青臭さ。探偵と、末期がんと、子供を捨てる母親と、ヤクザの親分と、風俗店と、…全部のせです。考えつくだけのこと全部つめこんだのはいいけど、バランスも悪いし、落ち着きもないし、焦点も定まらない。脚本は必要以上に盛りすぎていて、演出も、まったく小慣れていない。そのせいで、役者もピントを合わせにくそうにしてる。…と思ったら、大森寿美男×片岡敬司?!ほんとに?!それにしちゃあ、出来が悪すぎる。なんなの?いやあ、でも、大森寿美男って、意外にこんなもんかな。ちなみに音楽は、上白石姉妹に御用達の河野伸だけど、なんだか音楽の方向性までピンボケっぽい。もしや菊地成孔と世武裕子のあいだを狙ったとか?いまのところ、かなり不安要素の多いドラマです。ところで、萌歌は、なぜ江口洋介に対して、敬語になったりタメ口になったりするんだろう?
2020.09.20
「3年A組 皆さん人質」第3話。今回は、鈴木勇馬の演出。演出のせいなのか、脚本のせいなのか分からないけれど、前の2回にくらべると、内容的にだいぶ弱いと思う。心に訴えてくるような衝撃が、ほとんどない。海斗(鈴木仁)の悔恨は、さくら(永野芽郁)や香帆(川栄李奈)の悔恨にくらべると、かなり説得力が弱い。(一話ごとに弱まっている気もする)一般に「男の妬みは女の妬みよりタチが悪い」というけれど、男の子が、あんなに素直に自分の罪を悔いるものでしょうか?演技というより、脚本や演出が甘いのではないか。もうひとつ気になるのは、物語の重心が、たんなる「謎とき」に堕してきていること。「じつは生徒がグルだった」とか「刑事もグルだった」とか、その種のトリックの設定は、究極的には「夢オチ」までふくめて、どうとでも出来るわけで。そんなことが、このドラマに期待されているわけではない。それとも、結局は、たんなる「謎解きサスペンス」で終わっちゃうのかな?第1話で提示した現代的でシリアスな問題を、もっと抉ってほしいです。
2019.01.21
壮絶な美しさ。武藤将吾も、小室直子も、まったくノーマークだった。でも、「女王」とか「野ブタ」とか、日テレの学園ドラマのテイストは十分に感じられる。くわえて「バトロワ」とか「漂流教室」とか、はては「はいすくーる落書」あたりまで想起させる部分もありますね。とはいえ、この物語は、たんに教室の中だけで完結する内容でもなさそうです。この教室での出来事は、おそらくメディアやネットをつうじて、全世界を巻き込みながら進展するのだろうし、この教師が問いただそうとするのも、たんに生徒だけの問題じゃない気がする。そのあたりに、どんな深みと広がりをもたせていくのかにも期待したい。
2019.01.07
前々々回に引き続き、「ぎぼむす」の最終回を勝手に捏造しています。◇翌日、麦田は亜希子に解雇宣告。亜希子のほうも辞表を提出し、両者は、進学後のみゆきをバイトに雇うことで合意します。さらに亜希子は、自分が大阪に勤務したあとも、パン屋の経営コンサルタントは継続したいと申し出ました。「オレ、亜希子さんのこと諦めてないっスから」と告げる麦田を残して、亜希子は大阪へと旅立ちます。◇それから1年後、パン屋でバイトするみゆきと大樹。店内には、渋くBBキングのブルースが流れています。麦田の携帯に亜希子から電話が入り、都内の会議場へパンを納入してほしいとの依頼。麦田は、海外から仕入れる食材について亜希子に相談。どうやら、2人は仕事上の関係を続けているらしく、「フランスでマーケティング?!」などと、麦田は電話口で叫んでいます。亜希子は、「オレ、亜希子さんのこと諦めてないっスから」という麦田の決めゼリフには何も答えませんでしたが、電話を切ったあと少しだけ微笑むと、すぐに次の商談へと向かい、いつものように外国人の起業家たちと名刺を交換するのでした。◇麦田のパン屋では、今年の新商品としてフランスパンを開発しようとしています。バイト帰りに2人で歩くみゆきと大樹。みゆきが興奮して話しています。 お母さんのフランス出張に合わせて 店長とみんなでフランスを視察しようって!ふたりの話題は、いつしかパンのことなどそっちのけで、観光やバカンスのことで頭がいっぱいになっていました。(おしまい)
2018.09.29
前々回に続き、「ぎぼむす」の最終回を捏造しています。◇亜希子はこう言いました。わたしは、幸福でなかった自分の人生を、あなたの人生で取り戻そうとしてきただけなのです。これは、わたしのエゴなのですすると、みゆきはこう言いました。お母さん、バカだよ。それってエゴじゃなくて、親の愛じゃないの?親の愛…。亜希子は、麦田の父がつくったレシピノートのことを思い出しました。みゆきは、さらにつづけて言いました。お母さんが、私の幸せをよろこぶみたいに、私だって、お母さんの幸せをよろこびたいんだよ。亜希子は声をあらげて訊き返しました。どうしてですか?どうして自分の幸せだけを考えられないのですか?すると、みゆきは言いました。「わたしはお母さんの娘だからだよ!」そのとき、亜希子の目の前には、少女時代のみゆき(横溝菜帆)が立っていました。「わたしはお母さんの娘だからだよ!」と彼女が見あげて言いました。「みゆき」亜希子は、おどろいてみゆきを抱きしめました。「お母さん」幼いみゆきが小さな声でつぶやきました。2人のことを、良一がニッコリ微笑んで見つめていました。しばらくして気がつくと、亜希子は、現代のみゆき(上白石萌歌)と抱き合っていました。
2018.09.27
前回に引き続いて、「ぎぼむす」の最終回を私的に修正…。◇みゆきは、「大学には受からなかった。進学をあきらめて就職しようと思う」と大樹に話しました。しかし、大樹は、みゆきの急な心変わりを不審に感じ、自分で大学の合格発表を見に行ってみました。そこで、みゆきの嘘に気づきます。みゆきは合格していました。試験前に、みゆきは「3150(サイコー!)」という受験番号のことを大樹に話していたのです。さらに大樹は、パン屋での麦田との会話から、亜希子に就職の話が出ていることを知ります。そして、そのとき大樹と麦田は、「みゆきがなぜ嘘を吐いているか」に思い当たります。同じころ、すでに亜希子も、みゆきの嘘に気づいていました。そして、みゆきに余計な気を使わせてしまっている自分を責めました。◇翌日、亜希子は、パン屋の厨房で、「みゆきが嘘をついているようだ」と大樹に相談します。亜希子は、みゆきにも、自分自身にも腹を立てていました。すると、そこへ麦田が現れて、亜希子に話し始めました。自分との結婚を後押ししたり、大学合格を偽ったりするのは、みゆきが亜希子の幸福を想っているからこそなのだ、と。麦田の手には、父から届けられたレシピノートが握られていました。 みゆきはもう大人なのだから、 今はみゆきの気持ちを受け止めて、子離れするときかもしれないしかし、それでも亜希子は、まだ納得ができませんでした。◇その夜、みゆきは亜希子に言いました。 わたしが社会人になれば、お母さんも仕事に復帰できるでしょ?しかし、亜希子はすかさず合格通知を示して、みゆきの嘘をあばくと、不幸だった自分の子供時代の話をはじめました。そして、 あなたの幸福を願うのは、たんなる私のエゴなのだ あなたが私の幸福のことまで考える必要はないのだと告げました。
2018.09.23
「義母と娘のブルース」の最終回には、やはり不満が残ります。この最終回の物足りなさは、たんに制作者の技量が足りないだけなのか、それとも、あえて不満を残すことで「プチ炎上」でも狙っているのか、あるいは、局やプロダクションやスポンサーからの横槍が入って、本意でないエンディングでも強いられた結果なのか…。しょうがないので、こちらで勝手に結末を改変したいと思います。◇改変するといっても、基本的なコンセプトを変えるわけではありません。ごくごくオーソドックスに、ごくごくベタな展開にまとめるだけのことです。今回の結末の基本的なコンセプトは、「母にも幸せになってほしい」と願う娘(上白石萌歌)の思いを受け止めて、亜希子(綾瀬はるか)自身が「子離れ」をしてゆく、ということです。それによって、この子育てが無事に完了したことを示すわけです。娘のみゆきは、子供じみた策略や嘘を吐きながら、第9話では、母の結婚を後押しし、最終回では、母のキャリアへの復帰を後押ししました。大切なのは、このような娘の画策が、彼女の目論見どおりに成功することではなく、そこにある娘の健気な思いに亜希子が気づく、ということでなければなりません。◇最終回が失敗した第一の要因は、ドラマの前半でさんざん伏線を張らせてきた麦田(佐藤健)の役割を、第9話でほとんど終わらせてしまったことです。それじゃあ前半であれほど伏線を張った意味がありません。彼の役割は、やはり最終回まで、きちんと引っ張らなければなりません。そもそも、むりやり結婚させようとしてまで、母に幸せになってほしいと願っていたみゆきの健気な思いを、直接に目の当たりにしたのは、ほかならぬ麦田だったのです。であるならば、大学合格を偽ったりする彼女の子供じみた行動の裏にある真意を、直接に理解できる立場にある大人は麦田だけなのですから、彼こそが、そのみゆきの健気な思いを、亜希子に伝えてあげねばなりません。そのようにしてこそ、彼がこれからもこの母娘を見守っていく存在になるのだろうという、未来への暗示にもなるのです。◇そして、母娘がようやく互いの気持ちを理解しあい、和解するシーンでは、現在のみゆきの姿(上白石萌歌)に、少女時代のみゆきの姿(横溝菜帆)がオーバーラップしなければなりません。そして、その背後には、にっこりと微笑む良一(竹野内豊)の幻影も見えてこなければなりません。それは、べつに、最終回によくある視聴者サービスとして、ベタな演出や映像処理をやってみせろ、ということじゃありません。それをやってこそ、当初は反目しあっていた両者が、長い年月を経て、ほんとうの母娘になったのだ、ということを明示できるのだし、良一に託された"母"という仕事を、亜希子が見事に果たし終えたのだ、ということも明示できるからです。ひとつひとつのカットに意味をもたせなきゃいけません。◇そしてラストシーンでは、意味不明な切符をちらつかせたりして、どっちつかずの未来を暗示しながら視聴者を煙に巻くのではなく、実際に、亜希子が、大阪で、キャリアウーマンとして働いている様子を映し出さなければなりません。とりわけ名刺交換のシーンは必須です。それでこそ、彼女が、ふたたび自分自身の人生を歩み始めたことを明示できるからです。そして、東京では、みゆきが麦田のパン屋でバイトしている姿を映し、同時に、それを見守る麦田の表情も映さなければいけません。さらには、大学生になったみゆきが、大樹(井之脇海)とともに歩くシーンをさりげなく映すことも必須です。それによってこそ、麦田や大樹に見守られながら、さらに大人になっていくのであろう、みゆきの希望に満ちた未来を暗示できるからです。◇このTBSの娯楽ドラマは、さほど主張の強い内容でもなければ、とりわけアクの強いドラマでもなかったのですから、このぐらいオーソドックスに、ベタな展開で、もっと素直に視聴者を満足させてくれてもよかったのではないでしょうか。なお、挿入曲のなかにブルース調の音楽があったのはよかったのですが、個人的にいわせてもらえば、パン屋の店内で流す音楽も、最終的にはブルースにしてもらいたかったです。
2018.09.20
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