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ガラス窓から見えるトラディショナル事業部。チラリと見る窓の中。隆英、ふと立ち止まる。「忙しそうですね~~。」そんな小埜瀬に真宮、照れながらも、「えぇ。」ニコリとして、鼻の下に右手人差し指を…。「お蔭様で、昨日。」間髪入れずに隆英、「えぇ。ホテルで、そのニュース見て、知りました。」「そうでしたか…。」隆英、真宮を見て、「とにかく、凄いです。インテリア・ゴールデンスタッフコレクション。金賞受賞。」そして真宮に丁寧に一礼をして、「おめでとうございます。」真宮、その丁寧さに慌てて、「いやいやいや。やめてくださいよ、そんな…。世界を股にかける小埜瀬さんから、そんな~~。」そんなふたりを窓の中では…。気づくスタッフ、誰もいない。とにかく電話対応とパソコンと睨めっこ。小埜瀬、そのまま立ち尽くして、全体を見て…。…すると…、ひとりの女性に目が留まる。頭の中で、「…ん…???」そして、顔を僅かに下に傾げて、小さく、「ふふ。」そして真宮に、「では、真宮部長。」真宮、そんな小埜瀬に、口を真一文字にして、「はい。」ドアが開く。その瞬間、初めて、「誰かが来た。」と、気付くスタッフたち。そして…。そんなスタッフの中で、入ってきた人物を見て、思わず目を見張る数名。まずは池辺菜瑠美、「うそっ。」そして、目を真ん丸にする柿崎優維香。「えっ…???」目をパチクリとさせている冴島悠里。「えっ…???あ…。」みるみる目を、「え~~~???」武蔵野瑛子。「わぁ。」ポカ~~ンと、口を。江田亘夢。そして…。その他のスタッフたちも、「えっ…???…確か…、昨日…。」真宮の後ろを何度も会釈をして歩く小埜瀬。真宮、池辺の方に。池辺を見つめながら。左手人差し指で鼻の下を…。池辺、自然に椅子から立ち上がる。…そして…真宮、立ち上がった池辺の横に小埜瀬に右手を差し伸べて…。池辺、すぐさま、男性に深く一礼を。小埜瀬も同様に、深く一礼を。小埜瀬を挟んでの3人の姿。何故か不思議に、その時点で、電話の音は鳴り止む。そして、スタッフたちの通話も、それぞれ…、「ありがとうございます。それでは、失礼します。」と、通話終了。スタッフの顔が全員、その3人に…。優維香、「あ、あ、あ~~~。」悠里、「こ、これって~~。…えっ…???」瑛子、「うそ…。信じられない。」池辺、何かしら、鼓動が高鳴っている。真宮、スタッフ全員に。1、2度咳払いをして…。優維香含め、数名も池辺同様に。何故か鼓動が高鳴っている。友也、亘夢に、「おぃ、亘夢。」すると亘夢、笑顔で、「かっこいい~~。昨日の人~~。」友也、ぶすっとした顔で、今度は向かいの阿寿沙に、「阿寿沙さん。」そんな阿寿沙も、「へっ…???…あ、あ~~~。」真宮、スタッフ全員に右手を肩まで挙げて、「みんな、聞いてくれ。」瞬間、静まり返るトラディショナル事業部。真宮、「今日から、この、トラディショナル事業部、リーダーとして迎えた、小埜瀬隆英(おのせたかひで)さん。」池辺、頭の中で、「…おのせ…、たかひで…さん。」口を尖らせて。そして、目を真ん丸に。そしてまた、頭の中で、今度は口をおちょぼ口にして、「…私…、この人の事…、国内元より世界で評価されている…事以外…、何も知らされて…、ないんだ…けど…。麟。」そんな池辺を真っすぐな顔で目だけ、チラリチラリと…、真宮。「以前、みんなにも、世界を回ってい。」小埜瀬、いきなり、笑顔で、「小埜瀬隆英(おのせたかひで)と、申します。」丁寧に一礼をして。「よろしくお願いいたします。」その一礼に習って、スタッフたちも全員、一礼を。真宮、頭の中で、「…って、いきなり…、自分から…。」口をモゴモゴしながら…、そして目をあちらこちらに。小埜瀬、「実は、昨日、午前に日本に…。羽田に着いたばかりで…。」スタッフそれぞれが…、「昨日。」優維香も悠里も、「昨日…???…で…、その…、足で…、もしかして…。そのまま…、イベントに…???…凄っ。」スタッフたち、思わずざわざわと…。小埜瀬、「そして…、羽田に着いて、そのままタクシーで、イベント会場に。…凄い会場ですよね。…で、私も…、ちょっとお邪魔して、拝見させて頂きました。」不思議と…。スタッフ全員、口の中の物を飲み込む。小埜瀬、ニコニコと、「いやいやいや。実に素晴らしい。素敵なインテリアに、感服致しました。中々どうして…、いい勉強になりました。こころから敬意、表します。ありがとうございました。」深く一礼を。そんな小埜瀬を見てスタッフ全員も、再び一礼を…。小埜瀬、始終笑顔のままで…。「これから、皆さんと共に、ここ、トラディショナル事業部で…。よろしく、お願い致します。」再び深い一礼。髪が揺れる。 好きになれない。 vol,061. ガラス窓から見えるトラディショナル事業部。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.31
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そんな隆英を見て賀寿恵、思わず口に左拳を、「んんん。」そんな賀寿恵に隆英、直立で頭をコクリと。「大変失礼しました。」そして、歩きながらも、他の部署の…。誰もが会釈をして…。その度に、通り過ぎると、後ろを振り向いて、「……???」首を傾げる。そして…。こちらも…。ご多分に漏れず。朝から殺到している注文や問い合わせの電話。トータルインテリア・伊玖伊那。「まっ。確かに、金賞は逃したものの、これだけの注文と問い合わせ。ありがたい限りだ。」開発統括部長の窪塚。「えぇ。ありがたい事です。営業の方でも、電話、鳴り止まないって言ってましたから。」課長の伊良部。「うんうんうん。」社長室では尊、「社長…。榊先生の側近の方から、お電話ありまして、明日の夕方、時間を作っておいてくれと言う…。」梶、その声に、「分かったわ。優先して頂戴。」「畏まりました。」賀寿恵、トラディショナル事業部。その隣の部長室に。「こちらになります。…ただ…。社長も先ほど申してましたが…。今、会社全体が昨日のイベントで…。」隆英、「えぇ。存じております。…その辺は、ご心配なく。…ありがとうございます。」賀寿恵、コクリと。「では。」ドアをノック。中から、「どうぞ。」の声。ドアを開けて、賀寿恵、「失礼します。」そして、「真宮部長、お連れしました。」賀寿恵と一緒に入ってきた人物に真宮。目を真ん丸に。そして口を開けて、「……。」けれども、それも一瞬。真宮、「あ、失礼。」その人物を見て、いきなり椅子から立ち上がり、人物に対して一礼を。隆英も同じく、一礼を。賀寿恵、真宮に、「真宮部長、こちら、今日付けで、トラディショナル事業部、リーダーに就任の、小埜瀬隆英さん。」隆英、目の前の男性に向かって、「小埜瀬隆英(おのせたかひで)と申します。よろしくどうぞ。」男性に頭をコクリと。真宮、腰を低くして、「いえいえいえ。こちらこそ。トラディショナル事業部、部長の真宮麟(まみやりん)と申します。」隆英、「まみや…、りんさん。」「あ、はい。真ん中の…、お宮さん。そして、麒麟の、りんです。」隆英、「おやおやおや。素敵な名前ですね。」その声に真宮、頭を前に、右手をヒラヒラと、「いやいやいや。とんでも…。はい。」そして真宮、「どうも、初めまして…。では…。」真宮、小埜瀬をソファに座るように手を。小埜瀬も一礼をして、ソファに。「えぇ。昨日…、会場で…。」その声に真宮、「えっ…???…あの一瞬で…???」小埜瀬、「え…。えぇ~~。」賀寿恵、隆英に、「そうでしたか…。昨日…。会場で、お会いに…。」隆英、賀寿恵に、「えぇ。僅か、一瞬でしたけど…。今後、忘れられないお顔かと思いまして。」賀寿恵、ニコリと、「なるほど。」隆英、「素晴らしい展示でしたから。私にとっても、良い勉強にさせて頂きました。」真宮、恐縮頻りで、「お褒め頂き、恐縮です。」そして真宮、小埜瀬を見て、「あの…、小埜瀬さん。大変…、失礼なんですけど…。」隆英、「はい。」「こういう事を…言うのは…、私、部長としては、恥ずかしいんですけど…。」「はい。」「何分にも…、小埜瀬さんの情報が…。余りにも少なく…。」瞬間、隆英、「おや。」すぐさま賀寿恵を見て。賀寿恵もそんな真宮には、軽い咳払いを…。隆英、「弓…さん…???…僕の事…。」賀寿恵、思わず口を噤んで、目を丸く、「あ、いえ…。私も社長からは特に、何も…。」「おや。」真宮、小埜瀬と賀寿恵を交互に見て、「えっ…???…何も…???」賀寿恵、真宮を見て、「あ、はい。とにかく、小埜瀬さんの事、よろしくお願いします。と、だけ…。」そして賀寿恵、「ただ、ひとつ。今後のトラディショナル事業部、今までとは違うエッセンスが生まれる事は間違いなしと…。」真宮、目を真ん丸に、口を尖らせて、「今までとは違うエッセンス。」「ですから…。小埜瀬さんの事は、追々…。と、言う事で…。…ひとつだけ…。小埜瀬さん、昨日、海外から、日本に着いたばかりです。」「昨日。」またまた目を真ん丸にして真宮。隆英、「えぇ。羽田に着いて、そのままタクシーで会場の方に。」真宮、真ん丸の目をそのままに、2、3回、頷いて。「…では…。これから、スタッフに…。」隆英、深く頭を下げて、「はい。お願いします。」「では、私はこの辺で。小埜瀬さん。」賀寿恵。隆英、そんな賀寿恵に、会釈して、「はい。ありがとうございました。」賀寿恵、真宮に、「では真宮部長、お願いします。」真宮、弓に、会釈して、「了解しました。」賀寿恵、コクリと、「では、私は…。失礼します。」賀寿恵、ドアに向かって。同様に椅子から立ち上がる真宮と小埜瀬。真宮、手を差し伸べて、「では。」廊下で賀寿恵、一礼をして、「失礼します。」来た方向に振り向いて。真宮、小埜瀬に、「では。」 好きになれない。 vol,060. 「小埜瀬隆英(おのせたかひで)と申します。よろしくどうぞ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.30
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そして、すぐさま亘夢、電話口に、ペコリとお辞儀をして、「すみません。わざわざお電話ありがとうございます。…でも…。…お断りします。ごめんなさい。失礼します。」亘夢の隣の席での智也、「どうしたの…、いきなり。」早智子も、隣の席で、「ビックリした~~いきなり、えっ!!!私がですかっ!!!って立ち上がって。…んで、いきなり、無理ですって。…亘夢…???」まだ電話対応しているメンバーもいるが…。優維香、立ち上がって、「どうした~~亘夢~~。」池辺も同様に、気になって。「亘夢…。何か…???…変な電話…???」その声に亘夢、いきなり赤くなって、「あ、いえ…。」そして椅子から立ちあがり、ペコリと頭を下げて、「すみませんでした。」悠里も通話を切って、「ははは。どうしたの~~。」亘夢、困っような笑顔で…、僅かに顔を傾げて、「…実は…。」両隣を見て…。智也も早智子も、顔を傾げながら、「ふん…???」亘夢、ポツリと。「実は、雑誌社からで…。雑誌のモデルになってくださいって。」途端に、向かいに座っている瑛子。「わ~~お。」阿寿沙も、「凄いね~~。」そして、みんなに聞こえるような声で、「亘夢が雑誌社からスカウトされちゃった~~。」いきなり亘夢、困ったように、「先輩~~ぃ。」そして、亘夢も周りに聞こえるような声で、「断りました。」口を尖らせて。そして、体を縮こまらせて、「恥ずかしい。」遼子、「あらららら。いつも、オープンな亘夢が。縮こまっちゃって~~。ははは。かっわい。」優維香、ニッコリと、「そっか~~。」池辺もニッコリと、「そっか~~~。」そして、顔を傾げて、「亘夢。…ふふ。自信持ちなさい。…もしかして…。あなた、ネット上で、結構、人気になってるかも知れないわよ。」口を尖らせて。「…で、もしかしたら、また、そんな電話、来るかも、知れない。はは。」その声に亘夢、「課長~~~。」そんな亘夢に池辺。「でも、考えてもみなさい。亘夢のプライベートのスマホじゃなくって、会社に電話なんて。…それこそ、雑誌社でも、亘夢の事、評価しているって、証拠。雑誌社から直々なんて、まず有り得ないでしょ。ふふ。」そして池辺、笑顔で、「なんたって、あなた、可愛いから。」いきなりメンバーたちから、「はは。その通り。」「うんうんうん。」亘夢、「でも、私はやだ。…そんな…。」また、縮こまって。「モデルなんて…。…私は…。ここが好きだから。仕事が好きだから。みんなが好きだから。」阿寿沙、「その通り。まっ。また、そういう電話掛かってきたら、こっちに回しな。守ってやるから。ウチの可愛い大切なルーキーは、渡しません。って。」そして阿寿沙、後ろに声を、「ねぇ~~、チーフ~~。優維香~~。」池辺、「阿寿沙、良く言った。」部署内が、和やかになる。優維香、口を〆て、そして、ニッコリと。「あったりまえじゃん、そんな事。」そして、まだまだ電話の音は続く。総務でも、「かかかか。嬉しい悲鳴だね、こりゃ。」「こりゃ、当分、続きますね~~。この分じゃ、トラディショナル事業部も、電話の嵐。ねっ、課長。」「まっ。…だろうねぇ~。」広報部でも、「ふぅ~~。仕事が、始まった途端に、これだから。」広報部長、住谷理桜(すみたにりお)。「池辺め、やってくれるわ。4年前の…。デジャブだわこりゃ。かかかかか。」広報部でも、電話が…。商品の注文と問い合わせが続いていた。その頃、社長室では。七瀬、「じゃあ、頼んだわよ、賀寿恵~~。」賀寿恵、その声に、頭をコクリと。「はい。畏まりました。」「あっと、小埜瀬君。」そこまで言って七瀬。僅かに顔を傾げて…。「うん…???…やっぱり…、何か言いにくい。」隆英、「はい…???」すると七瀬、口をぐんにゃりと、「まっ。しゃあないか…。確かに、世界で名だたる人物。…なんだけど~~。」そして七瀬、隆英に両手を合わせて顔をコクリと、「すまん。私は、隆英で通すわ。その方が呼び慣れてるし。まっ。社長が部下の名前、呼び捨てになんて言語道断。世間様からは怒られるけど…。…って言うか、怒られてる。現に、社員の名前、呼び捨てにしてるし。」隆英、目をパチクリと。「はぁ~~~。全然、構いませんけど…。…でも。僕は、当然の事ながら、麗子さんの事は、七瀬社長で、行きますから。」七瀬、その声に、「了解。分かった。んじゃ、お願い。」隆英、七瀬に一礼して、「では…。」ふたり、社長室から廊下に。廊下を歩きながら隆英、賀寿恵に、「弓さんって、まだ…、空手…。」瞬間、賀寿恵、目をパチクリとさせて、「へっ…???…あ、いいえ…。」思わず両手の平をヒラヒラと。「やってません。やってません。全然。」と、そこまで言って…。「ただ…。」顔を傾げて、「自己防衛の…、護身術…???…そんな、感じ…的…???…はははは。」「凄い、強いですもんね。」隆英。そして、右脚膝を前に、「とぁ。」そして、右手拳を前に、「えぃやっ。」 好きになれない。 vol,059. 優維香、そして、ニッコリと。「あったりまえじゃん、そんな事。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.29
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「い、い、1000万。ネットのアクセスが…。」武一、小埜瀬と顔を見合わせながら…。小埜瀬、ポツリと、「凄いですね。1000万…。」吉竹を見ながら、「…それも…、たった一日で…。」思わず、顔を捻る。龍二、すぐさま吉竹と小埜瀬を見て、「あっ。でも…。それって…。…確か…。午後2時くらい…。…だから、実際はもっと…。」武一、いきなり、「佐津香さん。」未だに激励されている佐津香に。龍二、そんな吉竹を見て、「えっ…???」佐津香、その声に振り向き、「あ、はい。」吉竹、ニンマリとして佐津香に両腕を伸ばして、そして両手で拍手。ニンマリしながらも、ゆっくりと頷く。「今、龍二君から聞きました。おめでとうございます。」いきなり静まり返るマーケティング部。そんな吉竹を見て小埜瀬も同様に両手を伸ばして拍手。こちらも笑顔で…。すると、チラリと、そんな吉竹と小埜瀬を見て、思わず、「ぷっ。」順平である。しかも…。それは、女子メンバーにも不思議に連鎖していく。女子メンバー、思わずクスクスとしながらも、ようやく佐津香を開放して自分たちの席に。吉竹、ニンマリしながらも、「そぅか~~。佐津香さんの娘さんが~~。」そして吉竹、小埜瀬に、「小埜瀬課長、後で…。」小埜瀬、「あ、はい。」そして吉竹、2、3歩歩いて、「あぁ。静歌~~。」静歌、吉竹に、「あ、はい。…何…。」「佐津香さんのお嬢さんって、名前…、何て言うんだっけ…。」瞬間、静歌、「うっそ。部長、佐津香さんの娘さん、知らないんですか…???…あんなに評判、良いのに。」「いや。」いきなり吉竹、静歌にどつかれた感じになって、「あ、いや…。その…。」思わずお茶らけになった感じで、「忘れちゃったかな~~。…なんて。」静歌、ぷぃっとした顔をして、「変な気、起こさないでくださいよ。それでなくとも、佐津香さん自身、伝説みたいな人で…。しかも、その娘さん、優維香さんすら、知らない人は、この部署にはいないんですから。インテリアに関しては凄い感性、持ってる人ですから~~。ここにだって、昨日、東京エレファントモールに、行った人、いると思いますけど…。物凄い人数だって言ってましたから。私は別件で行けなかったんですけど…。テレビ放送見て、思わず拍手喝采。凄かったって。もぅ~~。最高ですよ。」吉竹、口を尖らせたままで、「ふ~~ん。」両目をあちらこちらに。「そっか。そっか。…ふんふんふん。…じゃ、なんなら、佐津香さんの娘さん…???優維香さん…???その会社の何か、インテリア、ゲットするか…???」いきなり静歌、椅子から立ち上がり、ニッコリと。「ほんとですかっ!!!」その声が大きかった。メンバー全員、吉竹と静かに視線を。瞬間、静歌、みんなを見て、「あ、はははははは。…あ…。いや。部長が今、優維香さんのインテリア、何かゲットしようかって…。」一気に、メンバーから、「わお。」「や~~るぅ~~。」「素敵。」「うんうんうん。」「いいっすね~~。」愛結美も、佐津香を見て、ニッコリと。菜帆子は、静歌といる吉竹を見て、口を噤んで目をパチクリと。そして、振り向いて、今度は佐津香を見て、「珍しく、部長のファインプレー…???…てか…???」佐津香、椅子から立ち上がり、吉竹にニッコリとお辞儀をして、「ありがとうございます。お気持ちだけ、受け取ります。」瞬間、それぞれが、「え~~~~???…買わないの~~~。」吉竹、その声を聞きながらも、思わず両腕、膝を曲げて、両手を広げて前に。「まぁ、まぁ。」頭の中で、「…俺…。何か、変な事言ったか…???…ってか、買わなきゃいけない景色になってるし…。」小埜瀬、目をパチクリとさせて、「ゆいか…???…柿崎佐津香さんの…娘さん。」思わず2度程の頷き。「ふ~~ん。」隆英は、毎朝のルーティンのように、カメラ携帯で朝早くから外に出て…。様ざまなピンポイントの景色を…。その日、就業開始から立て続けに鳴り出す電話の音。真宮、「来なすった。」池辺も、「みんな、お願いね。」その声に、メンバー一同、「はい。」つまりは、インテリア製品の注文の電話である。殺到していた。真宮、受話器を取り、「はい、真宮~~。…うん…???…3番。あぃよ。……。もしもし、お電話代わりました~~。」池辺も、電話にお辞儀をして、「あ、はい。いつもお世話になっております。……あ、はい。」そして恐縮するように、「はい~~。…お陰様で…。」優維香も悠里も、「あ、はい。ありがとうございます。是非。」こういぅ、電話も。「えっ!!!私がですかっ!!!」亘夢、いきなり周りを見て…。受話器から聞こえてくる声。「えぇ。…ウチの雑誌の…、モデルに…って、言うのは…。出来ませんかね。」途端に亘夢、「無理ですっ!!!」亘夢に注目する全員。 好きになれない。 vol,058. 「い、い、1000万。ネットのアクセスが…。」武一…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.28
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そんな佐津香に、マーケティング事業部に入ってきた愛結美と菜帆子。佐津香を見てすぐさま、「佐津香さん、佐津香さん、佐津香さ~~ん。」ふたり、共に佐津香を羽交い絞め。「きゃ―――――っ。見た見た見た見た~~~。はははは。おめでとう~~。」凄いはしゃぎよう。それを見ていた武一。変顔をして、「何か…???」それから入ってくる小埜瀬。こちらもまた、3人を見て、顔を傾げて…。「おはようございます。…何か…???」そして…吉竹を見て、「何か…???」武一、そんな小埜瀬を見て、顔を小刻みに左右に、「さぁ。」まだまだ続く、愛結美と菜帆子の激励振り、「凄いよ、凄いよ。なんたって、全国規模。優維香ちゃんたち、凄~~~い。」「うんうんうん。…でね。それでぇ~~。」武一、そんな3人を見ていて、またまた顔を傾げて、「さっぱり分からん。」そして…。次から次へとマーケティング事業部に入ってくる社員ひとりひとりが…、またまた、こちらも、「おほ~~~。やってますね~~。」「ははは。うんうんうん。…だよね~~。佐津香さん、おめでとう~~。」武一、いい加減に、「朝から一体、何なん…???」そして、今度は、「おはようございま~~す。」出社してきた霞龍二。佐津香を取り巻くメンバーたちを見て、「あは。や~~ってますね~~。」そして龍二も、「佐津香さん、おめでとうございま~~す。」そんな龍二を見て武一、龍二を手招きして、「龍二、龍二、ちょっ。ちょっと。」龍二、吉竹に、「あ、はい。部長、おはようございます。」武一、「な…。」佐津香の周りを見て、「一体…、何があった…???…うん…???」「えっ…???…部長…、知らないんですか…???」武一、首を振って、「いや~~~。」そして、小埜瀬にも、「なぁ~~~。」その声に小埜瀬も頷いて、「えぇ。」龍二、「えっ…???…課長も…???」武一、眉間に皺を寄せて龍二に、「いや。だから~~。」龍二、ズボンのポケットからスマホを取り出して、サササッと。スマホの画面を。「これですよ、これ。」武一と小埜瀬、画面の動画を見て、「うん…???…東京…エレファント…モール…。」「ですよね。」武一、「こ…、これが…、何か…。」龍二、「実は、ここで昨日、全国規模の、インテリアゴールデンスタッフコレクションがあったんです。」武一、まだ眉間に皺を入れたままで、「インテリア…、ゴールデンスタッフコレクション。」龍二、吉竹に、「部長、部長~~。ほら~~。インテリアって言ったら~~。」武一、今度は右目を歪めて顔を傾げて、「うん…???」2秒後…。「わっ!!!」いきなりフィンガースナップ。龍二、ニコニコと、「おっと~~~」「分かった。佐津香さんの娘さん。」「ビンゴ~~。その通り~~。」けれどもまた武一、「えっ…???…まっ。佐津香さんの娘さんが…???…インテリアの仕事をしているのは知ってる…。…けど…、それが…???」すると龍二、吉竹に、ぶすっとした顔をして、「もぅ~~。部長~~。鈍いな~~。佐津香さんの娘さんも…。…って…。僕も、娘さんが…、なんて言ったら、申し訳ないんですけど…。僕よりも年上ですから。…でぇ~~。その…。…ん~~。でも、他に言い方…。…その…、娘さんが勤務する~~。会社も、このスタッフコレクションに出展してるんですぅ~~。でぇ~~。その結果~~。佐津香さんの娘さんが勤務している会社。最高位の金賞、受賞しちゃったんです~~。全国規模ですよ、全国規模~~。物凄い盛り上がったんですから~~。…って、何を隠そう、僕も、姉ちゃんに連れられて、行った口なんですけど…。」武一、腕組みして、「そっか~~~。佐津香さんの娘さんが…。」龍二、「聞くところに依ると、このインテリアゴールデンスタッフコレクション。前回も佐津香さんの娘さんの会社が金賞受賞したとか。だから、今回で2連覇。金賞受賞したお蔭で、売り上げも凄いそうです。」龍二も腕組みして、「芸能界で言えば、年末の紅白に出た歌手は次の年の営業が物凄い。それ程なんだそうです。」「へぇ~~~。それ程までに…。」「だ~~~って部長~~。お客さんの数だって数万人。しかも。しかもですよ部長。昨日のこのイベント。インターネットでも大盛上がり。それにテレビ放送まで。」そこまで聞いて武一、「うそ。そこまで……。…って言うか、おまえ。随分詳しいな。龍二。」「だから言ったでしょ。姉ちゃんに連れ出されたって。リビングでゲームしてたらいきなり。…結局…。姉ちゃんと姉ちゃんの友達の後ろを金魚の糞みたいに。…で、ペチャクチャ喋っているのが自然に耳に入ってくるから。インターネットでも、アクセス数、1000万超えたって。」 好きになれない。 vol,057. 「佐津香さん、佐津香さん、佐津香さ~~ん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.27
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しかしながら…、その奮闘も及ばず…。会場内では、出展作品の撤去の最中。大まかなものは社員たちが…。そして…その他は業者委託。と、言う事になる。そして…。あとは…。インテリアショップ・ジョエル、本社、トラディショナル事業部に戻り、例によっての、「打ち上げ」である。確かに。会場では緊張と興奮でそれぞれが、それぞれで神経が張り詰めていた。…それが…。ようやく、ここで…。切れた。トラディショナル事業部に入って、事前に総務部が用意、準備してくれた食べ物や飲み物。それらが全て、心籠ったものだった。真宮と池辺がメンバー全員を労い。そして、喜びを分かち合った。そして、真宮の音頭で、「乾杯。」の瞬間に、真宮も耳を塞ぐほどのどえらい声。真宮、「いっ。」池辺、笑顔で、「ははははは。」メンバーたちの物凄いはしゃぎよう。池辺、「みんな~~。思いっきり飲んで、食べて~~。本当に、お疲れ様~~。足りなかったら追加注文するから~~。」メンバー一斉に、「は~~~い。」真宮、カップに入ったビールを飲みながら、「しっかし、凄ぇはしゃぎようだ。」「そりゃそうだよ~~。200万だよ。まさかの200万。とんでもない数字。」「まぁな。…けど…。」真宮、真剣な目で、顎に右手を…。「銀賞の伊玖伊那の票数と…、ウチの…???」池辺を見て。池辺も、「うん。私もそれにはちょっと、引っ掛かってた。凡そ、1000票差。まっ。でも…。スタッフコレクション目前にして、あの衝撃。」真宮、「あぁ。…あの…、ソールドアウトな。」顔をコクリと池辺、「うん。あれでテンションはがた落ち。…でも、それでも…、社長の鼓舞。…それに…。今までにないみんなの…、団結力。かな~~。柿崎優維香。冴島悠里。このコンビは最高。前のふたりを彷彿とさせてくれる。」真宮、メンバーたちを見て、「櫻田に、八木沢…か。」池辺、コクリと。「うん。…でも…。今回はあれ以上。」真宮を見て、「だ~~って~~。一般とインターネットよ。それだけでも、今までの規模とは比較できない。」「まっ。確かに。…1000万…、アクセスねぇ~~。」「あら。あれから更に増えて、1500万、超えたらしいわよ~~。」瞬間、真宮、鼻の下を伸ばして、「凄ぇ~~~。」「…って言うか…。」池辺、「社長…、あれから、何処行ったんだろうねぇ~~。弓さんと一緒~~。日曜なのに。」真宮、顔を思いっきり傾げて、「さぁ。…知らん。…ってか…。まっ。いっつも…???…弓さん、社長と一緒だし。」「まね~~。…社長の…、付き人…???…マネージャー…???…秘書…???…って…。」池辺、「全然、聞こえてこないんだけど…。」真宮も、「ふん。なんだかな~~。…ってか…。何で、あんなに酒に強い。俺、以上だな。」池辺、真宮を上目遣いで見て、「弓さん、そんなにお酒…???」真宮、目を真ん丸に、口をヘナヘナとさせて、「とにかく、何でも来い。ブランデーだろうが、日本酒だろうが…。一晩で一本、開けるだろうねぇ~~。」「う~~っそ。」ヒョットコみたない顔をしての池辺。「まっ。家が…。…ってか、実家が沖縄。…で、店をやってるってんだから…。子供の頃から…。…自然に、酒にも強く、なったんじゃね。」「あ~~。うん。沖縄出身っては、聞いたときある。…でも…。それ以上の情報…、全く…。皆目。」「ふん。」真宮、「俺ら、部長クラスでも、全く。」「うそ。」「ほ~~んと。…下手すりゃ、取締役すらも…。」池辺、思いっきり顔を攣ったように、そして、絞るような声で、「え―――――――っ。」真宮、「まっ。そんな事はどうでも…。…とにかく。唯一の、インテリアデザイナー、池辺菜瑠美が育てたトラディショナル事業部、メンバー全員の、勝ち~~~。」事実。インテリアショップ・ジョエル、トラディショナル事業部。インテリアデザイナーたる人物は、課長の池辺菜瑠美、ただひとり。で、ある。「部長~~。課長~~。」メンバーたちが手招きしている。真宮、池辺、お互いに顔を見せ合い、「はは。」「ふふ。」そして、ふたり同時に、「では。」2021年、9月19日。この日、インテリアショップ・ジョエル。全国規模のインテリアゴールデン・スタッフコレクション。金賞受賞。そして…。別の方面では…。リッツカルバン・インターナショナル・ホテルホールディング(本拠地:アメリカ合衆国、メリーランド州ベセスダ)の日本東京本社、「リッツカルバン」と契約。事実上の成立。…そして…。優維香、「じゃね~~。行ってきま~~す。」佐津香、「あ~~ん。気を付けて~~。」そして…、その、2時間後には…。武一、佐津香に、「おはようございます。…おや。佐津香さん。何やら、嬉しそうな…。はは。何か…、ありました…???」 好きになれない。 vol,056. メンバーたちの物凄いはしゃぎよう。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.26
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佐津香も、涙を零しながら、「ヨシ。良くやった。」須美、佐津香に…。こちらも涙を流しながらに、「サッちゃん。優維香ちゃん。うぅぅぅぅ。」佐津香、「うんうんうん。」すぐさまカメラとマイクが…。キャスターの声、カメラはインテリアショップ・ジョエル・トラディショナル事業部、部長の真宮と課長、池辺に。「おめでとうございます。第1位。名誉ある、金賞受賞。」真宮、丁寧に一礼をして、「ありがとうございます。インテリアショップ・ジョエル・トラディショナル事業部、部長の真宮です。」キャスター、「そして。」興奮さながらの池辺。何とか落ち着こうと…。「ありがとうございます。インテリアショップ・ジョエル・トラディショナル事業部、課長を務めさせて頂いてます、池辺菜瑠美です。」キャスター、「今回の受賞。国内でも、インテリア出展では、最大級と聞いてますが…。」真宮、顔をコクリと。「えぇ。そうですね~~。」梶、映像を見ながら、「今回も…。…どうやら…。」けれども、尊。「えぇ…。…でも…。2008,965票で…。2009,885票…。凡そ1000票さ…。この差は…???」その声に梶、真っすぐにビジョンを見て、「えぇ。……。…でも…、負けは負け。…幾ら、1000票差とは言え。」「はい。」やがて…。とあるホテル内でのある会議室で…。ホテル側数名と契約中の七瀬と賀寿恵。その賀寿恵のスマホに…。賀寿恵、スマホを手に、そしてホテル側に軽く会釈をして、「すみません。少し、外れます。」ホテル側、快く会釈をして…。賀寿恵、席を離れる。小声でスマホに…、「弓です。少し、ごめんなさい。」そして、ドアを開けて会議室の外に。七瀬、ホテル側にお辞儀をして、「…では。…こちらの方に。」目の前の資料に手を添えて。ホテル側の男性、ボールペンを右手に。そして笑顔で、「いよいよですな。七瀬社長。」そして、同じように他の2人も…。ノックをして、中に入ってくる賀寿恵。そして七瀬の隣に。七瀬の左耳に。その賀寿恵の耳打ちに七瀬、ニッコリと、「そっ。ありがと。」すると、七瀬の目の前の男性。笑顔で、「七瀬社長、何かしら、嬉しい事が…。」その声に七瀬、笑顔で、「えぇ。只今、有明で開催されてます、インテリアゴールデン、スタッフコレクションで、私共の出展が、金賞を受賞したとの報せが。」「素晴らしい~~。」男性の右側の女性。「国内でも、全国的な規模の…。」七瀬、笑顔のままで、「えぇ。」男性の左側の若い男性、「確か…、インテリアショップ・ジョエルさん。前回も金賞を…。」七瀬、頭をコクリと、「えぇ。…でも、今回は、特に、厳しいと、思っていたんですが…。」「厳しいと…、仰いますと…。」真ん中の男性。「えぇ。…前回までは…、審査員の審査のみが条件だったもので…。」「はぁ…。」「ところが今回は、一般のゲストも…。そして…、インターネットでも、気に入ったインテリアに投票できるという、今までにない革新的な方法で…。」「いやいやいや。それでしたら、審査と言うプロの審査に加えての、一般の人たちの投票。どういう結果になるかは…。」七瀬、「えぇ。全く不透明。」「それでも敢えて…。」「えぇ。ありがたく、栄誉、頂きました。」男性、「実に素晴らしい。今回のこの一件も。私共とジョエルさん。末永く、栄誉ある事と、信じております。」男性、腰を上げて七瀬に右手を。七瀬も腰を上げて右手を。「ありがとうございます。ご期待に沿う事。お約束致します。」お互い、ガッシリと握手をして…。数分後には七瀬。賀寿恵、共にホテルを後に。そして…。こちらでは、ホテルの一室で隆英、落ち着きながらもコーヒーを飲みながらタブレットを…。そして画面に表示されたニュースに、「おや。ジョエル、金賞受賞。ははははは。これは、これは…。麗子さん。…かかかかか。励みになりますなぁ~~。何と、何と。」そして、指でトン。すると…。「おや…。銀賞は…。へぇ~~~。トータルインテリア・伊玖伊那。なるほど…。…つまりは…、あの…、インテリアでも…。…ジョエルには…、及ばず…。か…。へぇ~~~。」そして隆英、可笑しそうに、「かかかかか。…と、言う事は…。…つまりは…、僕のデザインも…。…くくくくく。及ばなかったと…。…いやいやいや。やりますね~~。中々~~。麗子さん。」つまりは…。こういうことである。今回のインテリアゴールデン、スタッフコレクション。トータルインテリア・伊玖伊那の出展は、伊玖伊那の社長、梶が、窪塚に渡した数枚のインテリアのデザインの中のひとつを、社員にアレンジさせたものだった。「こういうデザインがあるが、これに君たちのアレンジを加えてくれ。」と…。社員はそれを見て奮闘したのだった。 好きになれない。 vol,055. 佐津香も、涙を零しながら、「ヨシ。良くやった。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.25
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2位。トータルインテリア・伊玖伊那。2008,965票。その瞬間、梶、すぐさま肩の力を落として、「ふ~~~。」方や真宮、顔を硬直させて、右手握り拳をギュッと。「ウシ。」池辺は両手を合わせるように口を塞いで。優維香を囲みながらのメンバーたち。悠里、顔を崩して、「優維香~~。」既に優維香の左腕を両腕で占領している。優維香もビジョンを凝視して、僅かに頭をコクリと…。「うん。」ビジョンの映像には一礼した後にゲストたちに手を振る伊玖伊那の社員たち。そして、それぞれお互いに激励し合う社員。梶、ひとりひとりに相槌を。そして、「ご苦労様。」やがて、梶の下にカメラとマイクが…。今回のイベントで放送権を得ているテレビ放送局。4局あるが…。その内の1局。カメラマンの合図で大型ビジョンの映像が切り替わる。テレビキャスターが、「はい。私は今、東京江東区有明にあります東京国際展示場、東京エレファントモールに来ております。そして、こちらでは今日、全国的にも人気の高い、あるイベントが午前中から開催され、先ほど終了され、その審査結果が現在、出ているんです。そのイベント名が、インテリア、ゴールデンスタッフコレクション。…しかも。今正に、そのイベント、実に第2位が発表されたばかりなんです。そして。…その、第2位に輝いた企業が。」いきなりカメラがキャスターから、ひとりの女性に向けられビジョンにも写し出される。その瞬間、歓声を上げるゲストたち。キャスター、女性に向かって、「お願いします。」女性、恐縮して緊張しながらも、「ありがとうございます。トータルインテリア・伊玖伊那の、代表取締役を務めさせて頂いております…。」その瞬間、真宮、「梶美耶乃。」池辺も、「梶社長…。」優維香も、悠里も、「梶社長…。」梶のインタビューが続く。真宮、ビジョンを見ながら…。「しっかし…。…驚いたねぇ…。」隣の池辺に顔を向けて…。「…何…???…200万票…???…どんだけの人…???…数…???」そんな真宮を、口を噤んでチラリと見ての池辺。真宮、腰のベルトの位置に両手を当てて。後ろをぐるり回りながら…。池辺、腕組みをしながら、「さ~~てねぇ~~。…まっ。みんなはあれこれ、スマホで情報、入手しているようだけど…。…聞こえてくる声は…。1000万とか、1005万とか…。」真宮、その声に、「何…???…ゲストたちの数…???」池辺、いきなり笑うように、「ま~~さか~~。…幾ら何でも、そんな数の人間、朝から今まで、入り切れる訳ないでしょう~~。」真宮、右手で顎を撫でながら、「まっ。それも…、そうだ…。」池辺、「インターネットのこのイベントへのアクセス数。」途端に真宮、「うそ。そんなに…???」「えぇ。」そして池辺、「まぁ~~。」顎に右親指と人差し指で撫でながら…、「人数…???」チラリと真宮を見て、「例えば…、東京ドームが…。収容人数…、55,000人でしょ。」「あ、あ~~。」「でも、それは、収容できる人数って事でしょ。」「そうだ。」真宮も顎に右手親指と人差し指を。池辺、「でも、ここは~~。展示場。常に人は動いている。…で、更に言えば、展示場は、ここ1か所に非ず。」真宮、顔をコクリと。「確かに。東西南と。」「因みに…。あの千葉の幕張メッセ。」チラリと池辺を見て真宮、「あぁ。」「あそこって…、確か…。そう動員数、500万…、越したんだっけ…。」目を真ん丸に、真宮、「えっ…???…うそ。」「ほんと。何かの記事で見た。…でぇ~~。当然、あの幕張よりは…、ここ…。展示面積日本一。…となると…。…動員数も…。…しかも…。伊玖伊那の票数、200万。…動員数と…。」いきなり会場内の歓喜。ビジョンに移る画像と映像。1位。インテリアショップ・ジョエル。2009,885票。池辺、「…って…???え―――――――――っ!!!」ビジョンを見た瞬間に、両手が上を向いて。真宮、「うぉっしゃ――――――――っ!!!」激しくガッツポーズ。優維香、すぐさま目から涙が。がっしりと唇を締めて。悠里も目から流れる涙。「優維香――――――――っ。」優維香、溢れる涙に、「うんうん。うんうんうん。」メンバーたちも怒涛の歓喜。池辺、飛び跳ねるように、「や~~った。やった。やったやった。」後ろのみんなと揉みくちゃに。そんな映像がビジョンにも。会場内も歓喜。揉みくちゃになっているジョエルの社員たちの姿にも歓喜。…けれども、そんな社員たちも僅か、10秒ほど。そして…、一列に整列して、ゲストたちに向かって、一同、一礼。そして、「ありがとうございました――――っ。」会場内に拍手が一斉に。そしてまたメンバーたち、揉みくちゃに。伊寿美、その映像を見ながら、涙で、「あ~~~ん、優維香~~~。」 好きになれない。 vol,054. 2位。トータルインテリア・伊玖伊那。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.24
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審査結果は…。会場に設えられた、大型ビジョンで知る事が出来る。つまりは、そのビジョンで、イベント開始から最後まで、会場の様子を数多くある監視カメラで…、これもつまりはAIが監視してビジョンに送られている。更には、監視カメラで捕らえられた映像の、あくまで、犯罪行為なども含まれるが、今回のイベントに関しては、そういう映像は皆無。会場内のスピーカーから、今までのBGMとは全く異なるチャイムのような音声が流れる。しかも、今までの音量より更に大きく。会場内がいきなり静まり返る。そして…。今までのビジョンの映像がいきなり別の映像に切り替わる。「審査・投票集計終了」そして…。「結果発表」の文字。会場内がどよめく。AIが作り出す女性のアナウンスが流れている。そして…。ビジョンに映し出される順位と出展企業の名前。最後尾からである。…ゲストたちからの拍手が…。各出展企業は、この時、メンバー一斉に出展前に整列。そして、一同、一礼をする。その映像も大型ビジョンから。会場内から拍手が沸き上がる。映像は画面の中で分割され、その中から発表された出展企業の一角がクローズアップされる。そして…。それが次々に。その度に沸き上がる拍手。ゲストの中には、「おめでとう~~。」「ありがとう~~。」「よかったよ~。」「いいもの見せてもらった~~。」そして、中には、数人からの、「イェ~~~イ。」「OK、OK。」の声が。そして…。順位が上がるとともに、映し出された出展前に一列に並んでいるメンバーたちも、一礼してから、ゲストたちに手を挙げて手のひらを振る姿が…。ゲストの中には、涙を流している人もいる。当然だが。出展企業のメンバーたちも涙で…。手で涙を拭いながらも、口を押さえながらも、手を振るメンバーたち。拍手は鳴り止まない。ただ…。未だここまで、トータルインテリア・伊玖伊那の名前も、インテリアショップ・ジョエルの名前も出てこない。ビジョンに5位が表示される。真宮、「次かと思うと…、さすがに、心臓に悪いな。」池辺も、「確かに。」頷きながら。トラディショナル事業部のメンバー全員が…、「どうしよ。」みな、固唾を飲んでいる。悠里、「緊張してきた~~。もぅ、バックン、バックン。」そして、優維香に縋りつくように、「優維香~~~。」他のメンバーたちも、完璧に優維香の周りで…。「チーフ。」「優維香~~。」そして、それは、伊玖伊那のメンバーたちも同様。梶、大型ビジョンを見ながらも、真剣な目で。タブレットを持ちながらの尊、「社長。」そして、開発統括部長の窪塚に、伊良部、「部長。」窪塚、「あぁ。」そして、「それにしても、凄い。5位で50万票、超えている。…一体…、どんくらいの票…???…信じられん。」梶、尊に、「ネット上のアクセスって…???」尊、タブレットを見ながら、「1000万超えてます。1005万。今でも、次から次へとアクセスが…。」伊良部、目を真ん丸にして、「いっ…。1000万…???…凄…。…って…。…でも…。この会場に来てた、今までのゲストって、何人…???…五條専務。」その声に尊、首を傾げて、「いや…。そこまでは…。幾ら頑張っても、そこまでは…、ガードが固くって、入手出来ない。」梶、「さすがね。今回からは、AI導入。」尊、その声に、「えぇ。」そして…。ビジョンの映像は…、3位、「平岩インテリア・コーディネート」一気に会場がどよめく。ゲストたちの声。「1040,530票。凄い。いきなり104万。…いままで100万までは全く…、ここに来て…。」そして、大きな拍手。会場内が沸き立つ。3位の平岩インテリア・コーディネートの社員たち、映像の中で一同、一礼。そして、一同、ガッツポーズ。歓喜である。伊玖伊那のメンバー。そして、ジョエルのメンバーたち、それぞれが…。沈黙状態。誰も、何も喋らない。…けれども…、映像を見ながらも…。全員が、拍手。ゲストの中で、伊寿美、両手を合わせて、両手を組んで、目を閉じて、両手に額を当てる。「優維香~~~。」佐津香も、須美も岳燈もビジョンを真剣に。そして、3人ともに、「まだだ。」真宮も池辺も、口を噤んで。「さて。」「いよいよね。」真宮、「おぅ。」一方、賀寿恵の運転する車はとあるホテルの駐車場に。そして賀寿恵、「社長。」七瀬、「ヨシ。行きますか。」そして、こちら、隆英はホテルにチェックイン。そしてボーイに部屋を案内されていた。ホテルに向かいながらの七瀬と賀寿恵、「ここも、大きいよね~~。」「はい。」ふたり共にニッコリと。そして…。自動ドアが開く。ホテルの従業員たち、一斉に、「いらっしゃいませ。」そして一同、ふたりに一礼を。ビジョンに次の画像が…。 好きになれない。 vol,053. 「審査・投票集計終了」そして…。「結果発表」の文字。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.23
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そしてまた隆英の話。そして、今のジョエルの事…。話は続くが…。ふと、麗子、食べ終わったお皿を少し前に。そして腕組みをして、テーブルに両肘を就いて。そして、隆英を見つめて、「ねね。私からひとつ、提案があるんだけど…。」瞬間、フォークの食べ物を口に入れての賀寿恵、思わず目を丸くして麗子を見る。隆英、そんな麗子の言葉に、僅かに顔を傾げて、「…???」そして、「何か…。」麗子、隆英を見ながらニコニコとして…。隆英、そんな麗子に目をパチクリと、「うん…???」そして麗子、今度は腕組みした腕を解いて、左手で頬杖を就くように。そして、また隆英に、「ねぇ。」隆英、思わず眉間に皺を…。そして麗子、また腕組みして両肘をテーブルに。「隆英。あなた…、私の会社で働いてみない…???」その声に賀寿恵、思わず、目を真ん丸にしてドキン。いきなり口を窄める。隆英もいきなりの事で、目を真ん丸に。そして、今度は目をパチクリと…。瞬間、頭の中で、「…麗子さん。…この人、何を考えてるんだ…???」麗子、隆英を見てニッコリと。そして左に僅かに顔を傾げて、「ねぇ。どぉ…???…ウチで働いてみるって…。」賀寿恵、小さな声で、「しゃ…、社長…???」「…って言うか…。」麗子、「ここで、あなたと久しぶりに会った。あの時に、思わずピ~~ンと、来ちゃったんだけど~~。」隆英、その声に、「は、はぁ…。ピ~~ンと。」「そぅ。ピ~~ンと。」車を運転しながらの賀寿恵、「なんと、あの、ピ~~ンとが、まさかの現実になるんですから…。」後部席で七瀬、「ふふ~~ん。ピ~~ンと来て、こりゃ面白い事になるかもってね~~。」こちらは、タクシーの中。隆英、「あの、ピ~~ンがねぇ~~。俺を日本に呼び寄せた。…何か、面白い事になる。かぁ~~。」そして、ほくそ笑みながら、「さ~~て。何が待っているの…やら…。…乞うご期待って、訳か。」隆英、会場から出る前に、一般であるために、スタッフコレクションの投票は済んでいる。午後3時。会場内…。特に…、前回のスタッフコレクションにて、金賞を受賞した、インテリアショップ・ジョエルのトラディショナル事業部の面々。そして、方や、惜しくも金賞を逃し銀賞となったトータルインテリア・伊玖伊那の面々も、ライバル企業でもありながらもお互いのインテリアを目に焼き付けた事になる。その感触と言うのも…。それぞれが…、それぞれで…。事実。「まさか…。」だったのである。ジョエルのメンバーたちも、伊玖伊那のインテリアには圧倒されていた。…けれども、逆に、伊玖伊那のメンバーたち、そして管理職すらも、表情は表情で、ゲストさながら…では、あったのだが…。自分たちの場所に戻れば…。誰しもが、顔を左右に、「分からない。ここまでも…。これまでも。…か。」と。確かに。中には、「行ける。」と、手応えを感じているメンバーも、両企業に、あった事も事実。…けれども、優維香を始めとして悠里。そして真宮、池辺にしても…。事実、気持ちは、「分からない。」つまりは、審査員にすれば…。今回に限っては、伊玖伊那が一歩リード。と言う、感触が、4人の中にはあったからだ。但し。今回から導入された、「一般投票」これが、大きく左右すると言うのが…、これは、何処の出展企業でも同じ事ではあるが…。全く予想が付かないのだった。時間が経過すると共に、全出展企業の…、その全員の鼓動は高鳴っていた。そして…。審査員も出展企業も知らない部分で投票は常にその結果は出ていた。東京エレファントモールで開催された、インテリア・ゴールデン・スタッフコレクション。実に、この日、実際に訪れたゲストの数、総動員数、223、645人。ただ、確かに…。その数が全て投票された訳ではない。当然だが、出展企業の関係者は投票する事は出来ない。あくまでも、ゲストと、それ以外の一般が条件。何故なら、出展企業の場合は、その企業全てに、使用するデバイスの情報が全てAIで管理され、個人のプライベートのデバイスであろうとも、個人情報として提示するのが条件。因みに、その条件を守らない企業であれば出展不可となっている。しかも、ゲストに渡される投票用紙にしても、個人情報が含まれる部分があるために、必須事項として、記入しないと無効になってしまう。ネットも同様。投票が出来ない仕組みになっている。それだけ厳重な仕組みになっているにも関わらず、今回のスタッフコレクション。何と、蓋を開けてみれば、インターネットに関しても、そのアクセスは1000万を優に超えていた。但し。インターネットを介しての投票は、その約7割。そして…、午後5時。「投票終了」の映像がビジョンから…。まだ多くのゲストが会場にいる中で…。好きになれない。 vol,052. 「あなた…、私の会社で働いてみない…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.22
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麗子、賀寿恵を見て、「あなた一体…。何…???…今の…???…ほんと…、空手…???」その声に賀寿恵、床に倒れている男性を見ながら、そして麗子を見て、「えぇ。中、高と、空手、やってましたから…。」瞬間、隆英、「凄ぇ~~。いやいやいや。お見事。はははは、僕なんか、全く、身動き取れませんでしたよ。いや、お見事。凄いですね~~。初めて見ました。しかも、目の前で。凄い、凄い。」賀寿恵もそんな小野瀬に、チョコンと頭を。「ありがとうございます。」麗子、すぐさま賀寿恵の下に。そして、体を見て、「怪我はない…???…ナイフ、突きつけられて…。」賀寿恵、ニコニコと、「えぇ。交わしましたから。大丈夫です。」隆英、「しっかし…。あそこまで、足が上がる~~。頭の上まで。何ともダイナミック。」麗子も、「うんうんうん。ある意味、全面プリーツのスカート穿いて正解。最後には、スカートも奇麗に揺れてたもんね。」賀寿恵、思わず麗子にチロリと舌を。麗子、「それにしても…。いやいやいや、空手~~。」隆英、レストランのドアを開けて中に声を。そして出てきたウェイターに話を…。ウェイター、倒れている男性を見て、「WaaaOh, What’s happened? 」 隆英、ウェイターに耳打ちするかのように…。するとウエイター、2度程頷きながらも、「Yeah,Yeah.…unbelievable.」そして最後に、男性を見て、「OK, You got it.」隆英、麗子と賀寿恵に、「今、警備員が来ますから。」麗子、「えぇ。」そして…。…ようやく…、テーブルに。隆英、賀寿恵に静かに両手で拍手を。「いやいやいや。凄い。しかも…、鮮やか。」麗子も、「うんうんうん。凄かった。…って言うか、とにかくびっくり。いや…、だって、いきなり私の後ろから前にスルスルと。…で、何…???…賀寿恵、あなたって、言ったと思ったら…。…で、何をやりだすかと思いきや、バン、バンバン、ドカ~~ン。」笑いながら隆英も、「いやいやいや。とにかく凄かった。…で、何…???…あんな風に、出来るもの…???」そこまで言って隆英、顔を傾げて、「あ、いや…。出来たから…。なんだけど…。…いや~~。ものの、数秒…???」賀寿恵、「えぇ。流れ…、ありますから…。じゃないと…、ダメージが…。最後のあれで、多分…、気絶…かと…。」「床に倒れて、ビクともしませんでしたからね~~。警備員2人に両腕抱えられてようやく…。」隆英。麗子も、「うんうんうん。」そして麗子、「とにかく凄かった。それに…、全面プリーツのスカートを穿いてて正解よね。じゃなかったら、あんな風には出来ない。奇麗だったわ。奇麗にスカートも揺れてた。さすがに、ファッションセンスもあるよね。ふふ。」何故か顔をほんのり赤くしての賀寿恵。そして、舌をチロリと。「でね。」麗子。「何を隠そう、この弓賀寿恵、我が家で預かってる。」その話に隆英、「へぇ~~。そうなんですね。」「今、望都の部屋でね。まっ。私の姪だから。うん。沖縄出身。」「沖縄。」「大学入学と同時に、我が家にって…。…んなもん、姉妹の間で、そんな…、遠慮なんて。なんでまた、家賃払ってまでアパートでひとり暮らし…???…部屋も空いてんだからって。」隆英、話を聞きながらも、「うんうんうん。確かに。」ウェイターが席に。そして。それぞれにコーヒーを…。そして…、やがて…、食事が…。食べながらも、とにかくは隆英の話で持ち切りに。…そして、その後は麗子話。そして会社の話へと…。隆英、「うんうんうん。じゃ、今はジョエル、いい感じ。」麗子も、「うんうん。…お蔭様で…。…なんとかね…。…とにかく、賀寿恵が傍に着いていてくれて大助かり。」隆英、その声に、ニコリと、「そのようで…。」そして、「では…。励治さんは、今も相変わらず。忙しく…???」「ふ~~~ん。そっ。相も変わらず~~。ねっ。」隆英、またまたニコリと、「そうですか。…うん。何よりです。」そして麗子、ワインを…。「…それにしても、このワイン、美味しい~~。」そして賀寿恵を見て、「ねぇ~~。」賀寿恵も、ニコリと。「えぇ。」隆英、ニッコリと、「お分かりに…、なりました…???」その声に麗子も賀寿恵も、「えっ…???」隆英、ゆっくりと頭を下げて、「ありがとうございます。」麗子と賀寿恵、顔を見合わせて…。麗子、「えっ…???…どういう事…???」隆英、「予め、レストランにオーダーさせて頂きました。レアものだそうです。」瞬間、麗子、「わっ。」賀寿恵も、「うそ。」隆英、優しい言葉で、「私から、おふたりに…。とにもかくにも、麗子さんと出会わなかったら私は…。…それに…、励治さんにしても、返しきれない恩義がありますから…。」麗子、その話に、「ふふふ。持ち上げるわね~~。」 好きになれない。 vol,051. 「最後には、スカートも奇麗に揺れてたもんね。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.21
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「要するに。…何て言うのか…。…自分をしっかりと理解している。あの子だったら、もっとマシなアルバイト…。時給何千円とか…。」麗子。賀寿恵、その話に、「うんうんうん。」「アパートでパソコン使ったりして、いろいろとあると思うの。…なんだ…、けど~~。…それをやらない。自ら動いて…。それも…、安い時給だろうと自分から進んで。…だから、デリバリー。地理の勉強にもなれば、老若男女と知り合える。そして、ある意味、接遇。」「うんうんうん。確かに。」「それに、高2で、二輪車の免許も取ったらしいから。大学卒業前に、車の免許。旦那が取れって。海外でも、自分で運転しなきゃならないときがくるだろう。その時には、日本の免許も必要になってくるかも…。…と言うより。まず免許。それから…、国際運転免許だ。」賀寿恵、麗子の話に、「へぇ~~~、叔父様、中々徹底してるよね~~~。」「かかかかか。望都がいなくなって…。今度は男が乗り込んできて。…で、その男が何とも、凄い奴。だったから、ねぇ~~。…で、隆英は、あれから海外に…。今や。」賀寿恵、「何とも凄い、出会い。正に、運命的。ディスティニーよね~~。」ガイド、助手席から後ろに顔だけ、「あと、10分くらいね。道、今、混んでるから。…でも、約束には間に合うよ。」麗子、「OK~~。」賀寿恵も、「は~~い。」隆英もタクシーの中で、「弓さん、何とも…、空手って…。いきなりナイフを突き出した相手目掛けて拳で一撃。…で、最後には相手の顔目掛けて蹴り…???…いやいや、凄いのなんの。」そして…。約束の夕方6時。レストランに向かおうと…。丁度、隆英が麗子たちの数メートル先を歩いていた。その後ろで麗子、「おっと。ふふん。」すると…。若い派手な女性がレストランから出てきて…。その時、何処かに隠れていたのだろうひとりの黒ずくめの男性。黒い帽子を被って、レストランから出てきた派手な女性をいきなれ羽交い絞めに。目の前の出来事に驚く隆英。「えっ???」思わず狼狽。そして…、いきなりの事でどうすることも出来ず。つまりは、相手の男性はナイフを持っている。そして羽交い絞めにした女性の頬にナイフを近づけて何やらブツブツと。女性もいきなりの事で何も抵抗する事が出来ずにいる。ただうろたえているだけ。…すると…。麗子の後ろから賀寿恵がスルスルと…。麗子、そんな賀寿恵を見て、「えっ…???…賀寿恵…???」すると、賀寿恵、全面プリーツのスカートを揺らしながらも足取り軽く、ナイフを持っている男性に近づき、そして羽交い絞めされている女性と男性の前に、両手を両脇に、ニッコリと。そして、男性を見て、「ふふん。刺してみなよ。あんた、その女性、そのナイフで刺したら間違いなく傷害罪だからね~~。」堂々と日本語で。その声に男性、英語でブツブツと…。すると賀寿恵、何とも大胆に。その男性の前で右手人差し指で、「カモン」の仕草。男性が目の前の女にナイフを向けて手を伸ばした瞬間に、それをすぐに交わして賀寿恵、男性の顔面に右手拳を一撃。そしてナイフを持っている右手首を左手で握り締めて内側に捩じる。その瞬間、男性は腕を捩じられた痛みに堪えられず右手からナイフを…。床に落ちるナイフ。そして賀寿恵は男性の喉を右手の平でドンと突く。「ハッ。」その衝撃でふらついた男性、後ろにたじろぎながらもヨロヨロとなったところを賀寿恵、体を回転させて左足を自分の頭の位置まで。全面プリーツのスカートが奇麗にはだける。そして男性の左頬に思いっきり。「ふん。」男性はガクンと首をもたげて床にパタンと倒れる。全く動かない。賀寿恵の全面プリーツのスカートだけがしなやかに揺れる。数秒、静まり返るその場。立ち尽くす隆英。そして口に右手を当てている麗子。その場を凝視して。凡そ10秒後、顔を左右に小刻みに振りながら、腰を低く、いきなり、「センキュ~。」と言って、その場を小走りに行く派手な女性。隆英、目をパチクリと。そして眉間に皺を寄せて、「…ん…???…えっ…???」顔を僅かに右に傾げて…。麗子も麗子で…、「うそ。」床に倒れた男性は、まだ動かない。麗子、ようやく…、「えっ…???…賀寿恵…、あなた…。」隆英も、ようやく、「わお。いやいやいやいや。」麗子、目を真ん丸にして、「賀寿恵、あなた…。…どうしちゃったのよ~~。え~~~???」隆英、笑顔で、両手をパチパチと、「いや~~~、凄~~い。…もしかして…、空手…???」麗子、驚きながらも、「あなた、いつの間に、こんな…。び~~~っくり~~。」男性はまだ倒れたまま、動くこともない。隆英、「いやいやいや。凄いものを見た。」 好きになれない。 vol,050. 賀寿恵、「何とも凄い、出会い。正に、運命的。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.20
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賀寿恵、また麗子を見て、「へぇ~~~。」「なんだ…けど~~。…そのおばあちゃんも~。隆英14歳の時に、脳梗塞で死亡。」賀寿恵、また、「わお。」「享年80。完璧に、おばあちゃん子。何から何まで。…でも…、変な話。…そんなおばあちゃんを亡くしてからの隆英、何かしら…。確かに。…落ち込んだんだって。…って言うか、おとうさんの方が、殆ど、仕事、仕事の毎日。まず隆英を構う事がない。」またまた賀寿恵、「わお。」「まっ。」麗子、賀寿恵を見て、「母親が亡くなっての…、保険。そして、おばあちゃんが亡くなっての保険。…確かに。保険金の受取は父親。なんだ…けど~~。…この父親も…。まっ。なんて言うか、頑固なんだか、どうなんだか…。」賀寿恵、麗子を見て、「えっ…???」「まっ。私は、隆英の父親には会った事はない。ただ、隆英の話でそう感じるだけなんだ…けど…。…普通なら、肉親が亡くなって、それで受け取られる保険金。悲しくもあり、複雑な心境ではありながら…。普通…なら、頂いておくじゃん。…それが…、隆英の父親。…んなもん、死んだ人間の金で飯が食えるかって。全額、隆英にポン。」いきなり賀寿恵、またまた目を真ん丸にして、「う~~~っそ。」「…な、訳で~~。隆英、大学入学と同時に、家を出た。その後は父親とは殆ど、音沙汰なし。まっ。たま~~には、電話している。みたい…だけど…。…住んでた家だって、どうなってるんだ…ろうか…???…隆英も分からない…らしい。…で、そんな隆英なんだ…、けど~~。…確かに。東和大。大学生ならではの。私も感服したくらい。世界に出てみたいって。」賀寿恵、いきなり麗子を見て、「おっと~~。遂に。」「まっ。確かに。隆英、中学の頃から英語、勉強していて英語はOK。友達にもアメリカ人との交流もあるという。」「へぇ~~。」「私も、たまに隆英が電話で英語話してるの聞いたけど、さすがは、ペラペラ。」「へぇ~~~。」「…で。…その時から注目していたのが、隆英のカメラテクニック。と、文章力。まま。英語でも書いてはあるんだけど…。私には何のことやら…。…で、旦那の取り巻きにその文章を見させたら、何と。完璧。ビジネスでも通用する英語能力だって。あの子が書いた英語の文章。論文かなんだか、知らないけど…。」賀寿恵、思わず、「凄っ。」「カメラはね~~。隆英のカメラ。こっちも中学から始めたらしい。もぅ~~。引き込まれる、引き込まれる。…って言うか…。だから…、あの子、友達に外国人、多いのかも…。」賀寿恵、「……。」「…って、言うか。一度だけ、ウチで、ホームパーティなんてのを開いたの。まま。旦那も、東和大の後輩たちが、隆英の友達が来るってんで、逆に喜んでくれたけど…。…ただ、旦那も不思議がっていたけど…。隆英の大学の友達に…。何故か…。日本人が…、いない。10何人もいるけど…。むしろ、ヨーロッパ系、アジア系。中国やマニラ。それにシンガポール。そしてオーストラリアにアメリカ。男女混合。…しかも…、さすがは、驚くほどに日本語ペラペラ。…ただ、隆英は彼ら、彼女たちには英語で話してはいた。聞けば…。隆英は私たちと話すときは必ず英語です。って。…って、言うか…、つまりは、その友達って言うのが、実は、母国語も英語も話せる訳。」賀寿恵、「確かに。」「だから…、尚更、常に英語で話して世界に…。…まっ、それに打ってつけのネイティブな外国人が目の前だから。」賀寿恵、頷きながら、「な~~るほどね~~。」「けど…。とにかく、世界に出るには、とにかく金がいる。」「うんうんうん。」「…で。そん時に、思わず名乗りを上げたのがウチの旦那。」「はっ…???」いきなり賀寿恵。麗子、いきなり笑いだして、「かかかかか。私より、旦那の方が隆英に惚れ込んでさ。大学卒業したら、おま、世界に行けって。俺が面倒みてやるから世界に行けって。但しアルバイトはそのまま続けろ。」「へぇ~~~。叔父様が~~。」麗子、顔をくしゃりとさせて、「…って、言うか…。ある意味…、言いだしたら、効かない部分も…、ウチの旦那にも、あるから。まっ。私も、これからの隆英の事を考えたら、旦那に感謝するしか…、なかったけどね~~。」賀寿恵、口を尖らせて、「ふ~~ん~~。」「…で、めでたく、大学卒業後には、世界に…。まっ。ただ…、ウチに半年いて、その後はアパートに戻って、自立。まっ、お金は私たちが…。逆に、旦那から、甘えるときは、甘えろ。昔じゃねぇんだから。それが、人の縁ってもんだ。」賀寿恵、「へぇ~~。叔父様、中々~~。」麗子、「しかも…。隆英って子は…。」「うんうんうん。」 好きになれない。 vol,049. 「まっ。なんて言うか、頑固なんだか、どうなんだか…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.19
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「…で、家に連れて帰って。」そして麗子。「かかかかか。家政婦の辻(つじ)も旦那もびっくり仰天。まっ。当然だけど…。…でも…。まっ。ウチの旦那も、分かんない人じゃないから…。その辺は…、融通も効く。」その話に賀寿恵も納得。「うんうんうん。確かに。人としては、尊敬は出来る。ただ…。」麗子、「ただ…。はいはい。…ただ、寡黙なだけ。…なんでだろうね~~~。」麗子、賀寿恵を見ながら…。「娘が…、望都(もと)が高校生になった頃から…、嘘みたいに、望都に寡黙になったんだ。それ以来だよ。」そんな話を聞いての賀寿恵、「へぇ~~~。…なんか…、理由…、知りたいですけどね~~。」麗子、可笑しがりながら、「言う訳ない。私だって、散々聞いたんだから~~。その度、口を尖らせて、ドモリながら…、い、い、いいだろ、べ、べ、別に。…ん、んな事。」両手を叩いて笑いながら、「かかか。何ドモってんだか。」そして麗子。口の中のものを飲ん込んで、「…でね。…その…、隆英がウチに住むように…。…って言うか。」麗子、いきなり賀寿恵を見て…。途端に賀寿恵、麗子を見て、「えっ…???」麗子、賀寿恵を見ながら、「くくくくくく。」またまた賀寿恵、「な…。何ぃ~~。」ニコニコしながらの麗子、「かかかか。思い出したら、可笑しくなる。」「え…???え…???え…???」「ようやく、旦那も…。男性が、我が家に来たって言う理由もあるのかな…。」僅かに頭を傾げて…。けれども、今度は顔を左右に振って、「ううん。当然、アレだわ。」賀寿恵、怪訝な顔で、「あれ…???」「隆英…。ウチにきたその日に事情を聞いて…。…んなの、アパートいたって仕方がないでしょ。所持金1000円でどうする。…いや。実際、アレバイトしてるかなら、何とか…、前借で…。っては、言うんだけど…。…そんな…、前借して今後…。私と旦那の前でね。」賀寿恵、話を聞きながら数回頷いて。「旦那が…。大学生のようだが…。何処の…???…何年…???そしたら、隆英…。東和(とうわ)です。って。かかかかか。いきなり旦那、コーヒーを飲んで噴き出してね~~。」賀寿恵、「えっ…。東和大って…。あの…、東和大でしょ。東京でも、3本指に入る名門校。…いやいやいや。凄~~~。」麗子、賀寿恵をチラッと見ながら、「何言ってる。あなただって、明興大学。言わずと知れた、一流大学でしょ。」思わず賀寿恵、頭を前に、右手を振り、「いやいやいや。東和大には…、到底…。…って言うか…、叔父様。」すると麗子、いきなりゆっくりと頷いて、「そっ。何とも奇遇な事があるようで…。」そして、賀寿恵を見て、「旦那も、東和大。」賀寿恵、目を真ん丸に、口をタコのように、「う~~~っそ。」「いきなり、そこで話が盛り上がっちゃって。旦那が体を前に、出す出す。」「初めて聞いた~~。」「…と言うより、あなた…寡黙な人の事…、話したって面白くもないでしょ。かかかかか。」賀寿恵、変顔で、「ま。まま。うん。確かに。家では、まず口効かないし、話と言えば、仕事の話だし。」「でしょう~~。参議院の話だの、議員の話だの…。金の話だの、政治経済の事ばかり。」一拍置いて、「でぇ~~。…でも。うん。確かに。隆英がウチに来てからはもぅ~~。隆英が気に入っちゃって、気に入っちゃって~~。」「そりゃ、そうだ。同じ東和大。年齢は離れても、先輩、後輩。」「しかも。隆英って、とにかく凄い。旦那に意見まで出来るって。しかも、話の筋はしっかりと通ってるし。将来のビジョンもしっかりと…。まっ。ただ…。ウチに来た時はそれこそ、どん底で、完璧に落ち込んでたけどね~~。口座の残高、0。」賀寿恵もその話には、「確かに。…でも…。…因みにですけど…。幾らくらいの残高…。」すると麗子、賀寿恵を見て、「聞いて驚くな~~~。3000万。」「どっひゃ~~~。」両手の平を広げて、肩まで。そして目を真ん丸に口を大きく、「さん、さん・ぜん・まん。」「おばあちゃんの保険金なんだって。」賀寿恵、腕組みをして、「さん…、ぜん・まん。…確かに。それがいきなり残高、0。って…。」少し考えた風に…。けれども、いきなり素早く右手を振って、「いやいやいやいや。…私だったら、その場で、倒れるわ。目の前、真っ暗。」麗子、「まっ。確かにねぇ~~。後々聞いた話なんだけど…。まっ。隆英、あの子、自分を救ってくれた恩人って訳で、何でも話してくれたから。私にも、旦那にも。」「うんうん。」「あの子、母親、知らないの。」賀寿恵、また麗子を見て、「えっ…???」「甲状腺がんで、隆英の母親は隆英を産んでまもなく、他界。」「わお。」「…で、実質、隆英のおかあさん代わりは~~おばあちゃん。」 好きになれない。 vol,048. 「…で、家に連れて帰って。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.18
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隆英、「先生が…、ワールドクロッシング。」「まぁ、どっかからか、見つけてきたんじゃない…???…か、または誰かが旦那か私にって。毎日、誰や彼やが行き来する家だから。」麗子。その声に隆英も、コクリと、「確かに。参議院義務職員。」賀寿恵、隆英のその言葉に、「えっ…???」そして麗子に顔を…。麗子、そんな賀寿恵に、口を真一文字に、笑顔で、「えぇ。」賀寿恵、「…と、言う事は…、叔父様もこちらの方を…???」「もちろんよ、半年は、いた…、かしらね~~。」思わず両眉の先端を歪ませての賀寿恵、「半年。」「いや。だ~~って~。我が家、広いでしょ。」いきなり賀寿恵、「あ、いえ…。…そういう意味じゃなくって…。」今度は右眉を歪めて困ったように。思わず麗子、賀寿恵に、「かかかかか。言いたいことは分かってる。うん。隆英。話すと、長くなるわよ~~。」…実際に。長い。その経緯。麗子、隆英に、「隆英、あんた、ここにはいつまで…???」目をパチクリと隆英、「明日~~の午後、には…。次は、ロスで仕事が…。」たちまち麗子、「わ~~お。」すると麗子、「もしかして…。今日の夕食、一緒って、いいかしら…???…もし。」そこまで言って麗子、「他に、お約束があるなら…、別だけど…。」「いえいえ。」隆英、「フリーでやってますから…。そんな…。特に、誰とも約束とは…。」「そっ。…じゃあ~~。」腕時計を見て、「夕方、6時にまたここで。って。うん…???」顔をチョコンと隆英、「えぇ。構いません。」麗子、「じゃ、その時に。私たち、これから一件、予定入ってるから。じゃね。オヴォワー。」その声に隆英、ニッコリと一礼をして、「行ってらっしゃい。」麗子と賀寿恵はレストランを出ていく。廊下を歩きながら麗子、ニコニコとしながら、「まさか、ここで隆英と会うとは。何とも偶然。まさかね~~。いやいや。信じられない。アメリカに、いたんだ。」そして、「まっ。最も、何処にいるなんて…。今や住所不定。世界中のホテル、渡り歩いてんでしょうけど…。」階段を下りながら賀寿恵、「社長…???…彼…???」その声に麗子、ニッコリと、「まま。…確かに。聞きたいよね~~。」隆英、コーヒーを飲みながら…。そして、「ふふ。」笑いながら、「まさか…。麗子さん。アトランタ…。って…。さすが…。」ガイドが手配した車に乗り込む麗子と賀寿恵。麗子、「4年くらい前よね~~。あの子。いや。今やプロだから、あの人。隆英。大学2年の頃。街でバッタリ、遭ったの。…って、言うか…、今、思えば、運命…???」賀寿恵、「運命…。」助手的でガイド、「destiny…???」麗子、その声に、「that’s right.」車はゆっくりとホテルを出ていく。麗子。「私が研修でイタリアを回って、次はフランス。…大体…、3週間か…。…で、研修終わって日本に帰国して、その日の夜に同じ研修帰りの別会社の人と食事して、夜桜見物でもしながら帰ろうかと…。…その時よ。ふらふらと前を歩いて私に近づいて、思いっきり、私に、バン。失礼な奴~~、と、思って、あのぉ。って、振り返ったの。そしたら、そいつ、ニヤニヤしながら、ペコリと頭を下げて、私に敬礼するように、すんませんでした。…って。そしたら、またふらふらと…。…と、その時、サラリーマン2人が…。それもまた酔っ払い。その酔っ払いにもまたバン。…で、そいつがその弾みで倒れた。」賀寿恵は黙って聞いている。「そしたら、今度は、そのサラリーマンのひとりが、いきなりテメェ~って、そいつに殴り掛かった。」賀寿恵、「わお。」そこまで話して麗子。そして、腕組みをしながら…。「…でも…。私も、ちょっと酔ってたのかな…???かかかか。なんでか分かんないけど、体が反応して、そのサラリーマンの男性に、やめてください。って、止めに入ったのよね。」賀寿恵、チョコンと頷き、「へぇ~~。」「…で、そのサラリーマンは、舌打ちして、チッ、女に助けられて、それでも男か~~って。…で、そのサラリーマンはその場を去って。…私は、そいつを…。なんでか…、助けた。うんうんうん。…聞くところに寄ると…。フィッシング詐欺に遭ったんだって。」すきなり賀寿恵、「え‐―――――っ!!!」「銀行口座の残高は0。…で、財布に入ってあるお金だけ。…どうしようにも、途方に暮れてヤケ酒食らってたと。…しかも…、今住んでいるアパートは更新間際。…完璧に自暴自棄になってたね~~。…ってか、信じられないんだけど…。財布に入っているお金。あとたったの1000円。」いきなり賀寿恵、目を真ん丸に、「幾ら何でも、1000円って…。」麗子、「もぅ…、完璧にグロッキーだったから…。…とは言え、このまま放って置いても、警察に…。時間の問題。…で、仕方ない。って。…で、友達にも話して、ウチに連れてくって。…まぁ、その友達も私の環境、全部知っているから。」 好きになれない。 vol,047. 「もちろんよ、半年は、いた…、かしらね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.17
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そして、幼なじみの賀寿恵の友達。…と、言う事になるのだが…。…こちらは…。めでたくその男子と付き合う事が出来、高校も大学も共に一緒。そして、大学卒業と同時に結婚。今は沖縄でしあわせに暮らしている。既に男児をひとり授かっている。車の中で七瀬、「店にもトロフィーやカップ、盾や賞状、飾ってあるんでしょ…???」運転しながら話しを聞いている賀寿恵、バックミラーを見ながら、「はい。えぇ~~。…でも、ただ…。店に飾ってあるものはレプリカなんです。似たようなものを父が探して来て、プレートをコピーして貼り付けて、それを鍵付きのケースの中に飾っているんです。賞状なんかも全部中味はコピーです。しかも、私が見ても、本物とそっくり。驚くべき根性。」「さすがに、徹底してるね~~。元大工さん。それが、いきなり鞍替えして料理人だから。…んまぁ…。その辺の詳しい事は結賀(ゆか)から聞いてるけど。それにしても、さすがだよ、あなたの父親は。愛する娘の事ならトコトンて事だろうねぇ~~。そんな空手の醍醐味が、あの時の、あのレストラン。」男性も、ある程度のインテリアを見終えて駐車場で待機していたタクシーに乗り込み、行き先を告げて。運転手、「あいよ。」そして、男性、深々とシートに、「なるほどね~、こちらで実現されてましたか。…トータルインテリア伊玖伊那。ふふ。」そして、右親指と人差し指で顎を撫でながら、「ふ~~~ん~。」少し考えた風に…。けれども、すぐにニコリとして、「ふん。…2ヶ月振りですかねぇ~。七瀬社長。そして弓賀寿恵さん。…それにしても…。あの、レストランで…。」そして、頭を右に傾げて、右手で額の右側に…。思い出すかのように…、「…かかかかか。」車の窓の外を見ながらの七瀬。そして、こちらの男性はタクシーの中で…。ふたり、同時に、「まさかねぇ~~。」アメリカはジョージア州、アトランタのホテルのレストラン。遅めの昼食。その前に、コーヒーを…。飲んでいた時。「あら。隆英(たかひで)じゃない…???」いきなり声を掛けられたのである。名前を呼ばれてその方向へと顔。いきなり目を見張る。そして、「麗子さんっ!!!…えっ…???…どうしてここに…???」椅子のアームレストに両手を…。「それはこっちのセリフよ~~。見れば、何だか、懐かしい顔が…って思って。ふふ。髪、似合ってる。伸ばしたのね。」七瀬麗子である。麗子、傍にいる女性に、「こちら、隆英(たかひで)。小野瀬隆英(おのせたかひで)さん。」そして目をパチクリと、「…だよね。…前は、隆英って、呼び捨てしてたけど…。隆英さん。で、いいわよね。あんなに凄いもの。もぅ~~。世界中、巻き込んでんじゃない…???」キョトンとしながら麗子。その話に隆英、照れながら、恐縮しまくりで、顔を下げて、右手を振り、「いえいえいえ。…とんでもない。麗子さんに、そう言って頂けるだけで…、恐縮極まりない。はは。」麗子、そんな隆英に、賀寿恵を見て、「こちらは、弓賀寿恵さん。まっ。私の~~~。マネージャー…???…か。秘書…???…か。…付き人…???…的…。存在…???」顔を左に傾げながら。その話に隆英、両眉の間に皺を寄せて、「はっ…???」麗子、可笑しがりながらも、「まま。」賀寿恵の左肩に右手を置いて、「まま、私の側近、側近。とにかく、頭、キレッキレ。記憶力桁外れ。見たものは忘れない。しかも、酒に強い。」そして、「ふふん。私の傍に置くことにしたって訳よ。…って言うかぁ~~。私の…、所謂、姪、なんだけどね。」隆英、「あ、はぁ~~。」賀寿恵、「麗子社長の下で働いております、弓賀寿恵(ゆみかずえ)と申します。お見知りおきの程を…。」隆英も、椅子に座ったままで会釈を。「小野瀬隆英と言います。…初めまして。」麗子、「世界を股にかけて活躍している男性。しかも…、フリーで。カメラマンでもあれば、フリーターでもある。けれど、その実力は…、世界でも認められている。」隆英を見て麗子。その話に隆英、恐縮しまくりで、「え…。えぇ~~、ま、あ…。」「いや。だ~~ってさ~~。ワールドクロッシング(世界横断)で、常にインテリア、取材してるのって、あなたくらいのもんでしょ。」瞬間、賀寿恵、「わっ!!!」その女性に隆英、「…ん…???」賀寿恵、麗子に、「えっ…???…じゃあ…、社長室の、あの…、部屋の…。あの…、飾ってある本。うんうんうん。確かに、ワールドクロッシング。ズラリと。」隆英、いきなり、「ズラリと…。」麗子、「2年前にねぇ~~、うちの旦那が…。これ、見てみろって。…で、見てみたら、なんと。…かか。それからよ。」世界各国に出版。しかも、その国の翻訳を経ての出版。出版元は…。…やはり、アメリカ。 好きになれない。 vol,046. 「そんな空手の醍醐味が、あの時の、あのレストラン。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.16
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車の中で七瀬、「今頃…、あの子たち、気づいてるかな~~~???」運転している賀寿恵も、「もしかして…、会えてたりして…。」「まっ。2か月振りに…、会ったか。」そして、七瀬、「かかかかか。」その笑いに賀寿恵、思わず反応して、運転しながら、「なんですか~~。おばさん。」「こら~~。まだ今、勤務中~~。」その声に賀寿恵、「あ、はいはい。」「それにしても、あなた、あれ…。まさか…。中学から空手習ってたなんてね~~。かかかかか。いやいやいや。あんときは、ほ~~んと。スッキリしたもんね~~。」賀寿恵、ニコニコとしながらも、バックミラーを見ながら、「今はもぅ~~。完璧に、護身術になってますけどね…。と、言いながら、社長も、行くとこ、行くとこ、私の事、連れてってくれてますけど~~。」「そりゃそうでしょあなた。ただで自分の身を守ってくれるボディガード。手放す訳ないじゃない。それこそ安心この上なし。」その話に賀寿恵、「ははは。うん。まま。確かに。」そしてハンドルを左に切る。「それに…。社長がいないと、私も困りますから。」「でっしょう~~。私がいなくて、あなた、うちの人と一緒にいてみなさい。何も話すこと、ないから。」瞬間、賀寿恵、「かかかかか。確かに。それは言える。5分…、持たない。かかかか。」運転をしている賀寿恵、実は、記憶力や勘が鋭く酒豪である他にも、外見からは全く想像も付かない、空手の黒帯の実力者でもある。中学の時に、同級生の友達から誘われて仕方なく地元の空手道場に入門。なにやら、友達が片思いしている男子がその空手道場で空手を習っている。その友達にすれば、何とか近くにいたい。…けれどもひとりで入門すると言う勇気が出ない。お願いだから一緒に入門してと頼まれたのだった。所謂、不純な動機で…。確かに。賀寿恵にとってすれば、幼なじみの大切な友達。断る事も出来ず…、渋々と…。それに、事実、その友達の母親が両親の経営する店の店員であり、父親さえも日々店に通う常連さん。両親たちも、すぐに飽きる。と、高を括っていたのだが…。…事もあろうか賀寿恵、いきなり頭角を現し、何と、入門2ヶ月で、高校生の黒帯を稽古ではありながら、投げ飛ばしてしまったのである。つまり、中学1年生の女子、しかも、空手のど素人が、高校生の黒帯、初段を稽古中にも関わらず、技で投げ飛ばしてしまったのである。道場内が驚愕。それからである。以後、出る試合、出る試合、優勝の連続。高校時代もそのまま…。逆に部活の方から顧問までもが入部を懇願すると言う有様。賀寿恵の学生時代には、そんな過去がある。七瀬、「まさかね。あなたが中、高と空手をやっていたとは。しかも出る試合、出る試合、優勝。そりゃ、店も繁盛する訳だ。かかかかか。…で…???…空手女子が住む家。そして店。試合に優勝する度にテレビや新聞にも取り上げられれば尚更…。注目される。」そうなのだ。賀寿恵が空手で1度目の優勝では…。…確かに。今まで無名の中学女子の優勝が世間では、「全くのまぐれ。」と、歯牙にも掛けられなかった。…しかし、2度目の優勝から、いきなり注目されたのだった。…けれども、その頃には既に賀寿恵は、空手道場の師範代から直に稽古を受け、時には師範代を床に伏せる程までに、上達していた。…因みに、空手道場に誘った幼なじみはそれ程上達する事はなかった。…が、それでも、自分のために入門してくれた友達のために、何とか続けようと…、挫折しそうにもなりながら、踏ん張っては、いた。そして…、その友達のお目当ての男子は…、と言えば…。当然ではあるが、2か月前に入門して、女子でありながらも、いきなり圧倒的な強さ。その女子に圧倒され、賀寿恵の友達ではなく、賀寿恵本人に、逆にアプローチされ、賀寿恵の方は困りつつ、後退さりするように、「いえいえいえ。私ではなく、彼女が君の事を…。」と…。そんな…賀寿恵。…けれども、そんな賀寿恵の心打ち。…実は…。当時の賀寿恵は…。何と、全く男子には興味はなし。むしろ、料理作りと読書に熱中する中学女子だったのである。読書熱は3歳の頃から。その証拠に今も沖縄の実家の賀寿恵の部屋には窓以外は本棚が立ち並び、さまざまな著者がビッシリと並べられている不思議な事に、ジャンルも問わない。今も七瀬家の賀寿恵の部屋には、確かに、さまざまな著書が整理されている。聞くところによれば…。賀寿恵、母親のお腹にいた頃から、母が本の読み聞かせをしていたとか…。そのお蔭なのかは分からないが、赤ん坊の頃の賀寿恵、一切の夜泣きはなし。 好きになれない。 vol,045. 運転をしている賀寿恵、実は…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.15
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すると…。ある男性に、優維香、そして悠里、亘夢、そして池辺までもが接待している。瑛子、「うそ。4人も…。」他のゲストはゲストで、各々インテリアを見ながら、頷きながらも、各々の意見を…。確かに。幾ら何でも、ひとりのゲストに4人もスタッフが…、と、思い瑛子、近寄る…。いきなり、体がビクン。そのまま、その中に、吸い寄せられると…、言うか…。瑛子、池辺に、小さな声で、「課長。」池辺、瑛子に、「瑛子、いいとこに来た。」池辺、何とか自分の前に瑛子を挟んで、「代わって。」瑛子、思わず池辺に顔だけ、振り返って。「え…???…え…???」池辺、「いいから。あの方たちに誰も…。」瑛子も、目をパチクリと、「う、うんうん。私も、それで…。」「とにかく、凄いインパクト。」池辺。「入ってきた時から、すぐに感じた。お願い。」瑛子、軽く顔をコクリと、「えぇ。」男性、インテリアを見ながら、「うん。いいですね~~。」笑顔で。しかも、目は鋭い。優維香、何かしら、緊張感で…、「あ、はい。ありがとうございます。」また男性、「うん。実にいい。」優維香も悠里も、頭の中で、「…何なの、この人。…逆に、こっちが緊張してるんですけど…。」その割に亘夢は始終ニコニコと。「こういう、インテリアって、夢、ありますよね~~。」男性。優維香、緊張の中でも、何とか笑顔で、「ありがとうございます。」「こういうの…、どなたか…、デザイナーが…???」その声に優維香、何とか緊張を抑えて、「あ~~いえ…。私どもには…。…確かに、デザイナーはおりますが…。…特に、このインテリアには…。その…、なんと申しますか…。特に関与は…。」その声に男性、「えっ…???」相手の女性を見て、そして、目をパチクリと…。「…と、言う事は…???…もしかして…、デザイナーがいるにも関わらず、そのデザイナーが。特に関与…して、いない。」優維香、「え、え~~。」「…と、言う事は…、このインテリア…。」全体を見回して…、「どなたが…???」緊張、しながらも優維香、「私ども…、メンバー…。スタッフ全員で…。」瞬間、男性、「うそ。」優維香、思わず、躊躇して、笑顔にも…、そして…、困ったような顔にも…、「え…。え~~。」悠里も同様に。男性、隣のその女性にも目を。そして…、「そぅ…なんだぁ~~。デザイナー抜きで…。」思わず男性、ある日の事を思い出す。2か月前の、アメリカはジョージア州、アトランタのホテルのレストランでの事。いきなり、ある女性から、「あなた。私の会社で働いてみない…???」いきなりの声に、頭の中で、「…うそだろ。…この人、何考えてんだ…???」一瞬、そう…思ったのだが…。けれども…。心の何処かで、「…そろそろ日本で…。」と、考えるところがあったのも事実。それに、ある意味、その女性には、恩義もあったのだった。しかも、その女性の隣に座っている女性にも、今回は…。「…まさか…。この女性が…???…あれほど…。」そのために、無下に断る事が出来なかったのである。そして、その食事の時に、その女性から言われた言葉が、ニヤリとされて、「もしかしたら、面白い事が、持ってるかも…。」そう言われて男性、「…面白い事…???」ある意味、その女性と関わる事自体が、男性にとっては、間違いなく、「面白い事。」でも、あった訳で…。そのインテリアを見ながら、そして、女性3人を見ながら、顎に右手を…。そして、「ふ~~~ん~~。…なるほど…。デザイナーなしで…これ…。」そして…、軽く2度程頷いて。小声で、「はは。面白い事。か。」男性、女性に、にこやかに、「ありがとう。素敵なの、見させてもらいました。」そして、「うんうんうん。凄い、勉強になったよ。」そして、女性たちに丁寧に挨拶をして、「いい機会に恵まれたみたいだ。」そう言って、「それじゃあ、失礼します。」その時、いきなり優維香と悠里の間から、「あ、あの…。」の、声が…。…けれども、男性は、そのまま笑顔で外に。そのゲストを呼び止めようと…。真宮である。けれども、優維香と悠里。そして瑛子に、「部長…???」すぐさま真宮、その場に立ち止まり、3人に、顔だけ振り向いて、頭を掻きながら、「あ、いや…。その。」頭の中で、「…駄目だ。呼び止めて話を聞くなんて…。この場で…。」優維香と悠里、目を真ん丸にしながら、「すんごい。緊張した~~~。ものすご、インパクトありあり~~。」悠里、「うんうんうん。入って来た瞬間凄かったもん。」瑛子も、「なんで4人であの人だけにって思って。…そしたら、何々。吸い寄せられる~~。」亘夢は亘夢で、「なんか、他の人とは違ってましたよね。…はは。かっこよかった。」優維香も悠里も、そんな亘夢にニッコリと、「だよね~~。」 好きになれない。 vol,044. 池辺、瑛子に、「瑛子、いいとこに来た。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.14
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悠里と瑛子、「あは。嬉しい事、言ってくれる~~。」池辺も、その男性に一礼をして、「ありがとうございます。」すると…、真宮、その男性を見て、「あれ…???」顔を傾げながらも、男性に近づいて、「あの…、失礼な事、お尋ねしますが…。何処かで…。」その時、優維香、「部長~~。この人。CM制作会社の人~~。部長~、知ってるでしょう~。AIHO通信社。ジョエルも、CM作って貰ったでしょ。」瞬間、真宮、いきなり目を真ん丸にして、「あっ。」額に右手を、「そうだ、そうだ。」そして、いきなり慌てて、「あ、いや。失礼致しました。」深々と頭を下げて。「どうも、どうも。誠に申し訳ありません。」右目を歪めて、「私とした事が…、肝心要の…。CM、ありがとうございました。もぅ~。好評で、好評で~~。聞くところによると、CM見て電話しちゃった~~な~んて、主婦の方も多いみたいで。ありがとうございます。」岳燈、いきなりの声に、あらたまって、「いえいえいえ、とんでもない。そんな…。ははは。弱ったな。」伊寿美と須美、そして佐津香を見ながらも…。須美も伊寿美も佐津香も、そんな岳燈を見てニコニコ。岳燈、「ま。…でも。…まぁ…。素直にそのお気持ち、いただいておきます。また、ジョエルさんとお仕事できること、楽しみに。」その声に真宮、恐縮した顔で、「いやいやいや。もぅ。いつでもお願いします。えぇ。話、しておきますので。」岳燈、ニコニコしながらも、伊寿美と一緒にまたインテリアを…。池辺、真宮の腕に右手でツンと。「適当な事、言っちゃって~~。」真宮、そんな池辺に、「あ、いや…。適当って…。CM見て電話してくれてるって、マジだぜこれ。広報部長、ホコホコ顔でさ。」「本当~~???」ニヤリとしながら真宮を見る池辺。佐津香、インテリアを見ながらも腕組みしながら、「それにしても…。うん。中々だわ。…個人的には、さっきの…トータルインテリア・伊玖伊那に、堂々と張り合えると、思うんだけど…。どう…???…岳燈君。」佐津香、ニッコリとしながらもどこかしら、意地悪そうな顔をして…。岳燈、そんな話に、「ん~~~。そうですね~~。ここで、トータルインテリア・伊玖伊那…と、来ると。あちらにもあちらなりに…。中々~~。甲乙、付け難い。」そこまで言って岳燈。「…でも…。…うん。」顔をコクリと。「僕も…。個人的には…。ここ…かな~~。」「さて。その心は如何に…???」いきなり伊寿美。須美、伊寿美の隣で、「かかかかか。いきなり謎かけかぃ。」岳燈、思わず頭を掻きながらも、「あ、うん。ん~~。…何かしら…、帰りたくなるインテリアって、感じ、してさ。こんな感じにこんなインテリアがあったら。」その声をさりげなくも小耳に挟んだ亘夢、いきなりその男性の後ろで、深々と頭を下げて、「ありがとうございます。」岳燈、体をビクンと。伊寿美も女性を見てびっくり、「わお。」岳燈、思わず振り向いて、「びっくりした~~。はははは。」女性を見て、「おっと。」いきなり伊寿美、女性を見て、「かっわいい~~。」優維香、ニコニコしながら、「でしょ。我が、トラディショナル事業部のアイドル、江間亘夢。」伊寿美、「エマアダム。…なんか凄~~い。ロマンチックな名前~~。」亘夢、「インテリア、お褒めいただき、ありがとうございます。」また、ペコリとお辞儀して。「今回はね~~。」優維香、「審査員だけの審査じゃないから…。一般のお客様からのポイント制。まっ、投票ってみんな、言ってるけど…。だから、来てくれたゲストたちにも、スタッフたちの…。」伊須美も、「なんだよね~~。」岳燈、「確かに。行くとこ、行くとこ。いずれにしても、気持ちよく、迎えてくれるよな~~。」伊寿美、顔をコクリと、「だよね~~。」そして…、その15分後には、佐津香たち、優維香以下、メンバーたちに手を振り、「じゃ。」優維香たち、深々と頭を下げて、「ありがとうございました。」そして、歩きながら佐津香、「さてと~~。…あと、どこと、どこ…???」伊寿美、「ん~~。EとG…か。」裏方の方に、何やら慌てて戻ってきた友也、早智子、そして阿寿沙。「いやいやいや。凄い、凄い。なんであんなの出来るのって…、そんなレベル。」「うんうんうん。」「中々どうして~~。」瑛子、「えっ…???どしたの、3人して…???」阿寿沙、「うんうんうん。見てきたの、あちこち。」瑛子、「うんうんうん。」「でさ。何件か、見てきて、最後に、伊玖伊那に入ったの。」「うんうん。」「もぅ~~。凄い。人、人。人。」阿寿沙、口の中のものを飲み込んで、「でね。人も凄いんだけどまた、中味も、さすが。」「へぇ~~~。」「中々どうして…、さすがは、ライバル。うんうんうん。」2回ほど頷いて。瑛子、「そっか~~。私も後で行ってみよ。」そしてまた瑛子、ショップの方に。すると…。 好きになれない。 vol,043. 悠里と瑛子、「あは。嬉しい事、言ってくれる~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.13
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その社員、その男性から、何かしら感じる印象に、「…何なの、この感触…???…建築家…???…それとも何処かのデザイナー…???…それとも…。」そんな風に感じたのは、その女子社員だけではなかった。すぐさま、他の女子社員が、「まだ、社長、いるよね。ちょっと呼んできて。」男性、インテリアを眺めながら、そして、ニコリとしながら、「はは。こちら…、でしたか…。うんうんうん。」裏の方から出てきた女性。梶美耶乃。そして、男性を見た瞬間、「!!!」ゆっくりと、男性に近づき、丁寧にお辞儀を。「いらっしゃいませ。」男性、その女性に、「どうも。」そして、「素敵。ですね。うん。」梶、また頭を下げて、「ありがとうございます。」男性、また、ポツリと、「うん。いい感じ。」梶、「恐れ入ります。」すると、男性。「こういうの…、考えるのって…。…どんな人、なんだろうね。」佐津香たち、優維香たちの出展に入って、「こんにちは。」優維香、「はは。いらっしゃい。」悠里たちも、「いらっしゃいませ~~。」須美も伊寿美も、そして岳燈も、「おや。」「へぇ~~~。」「はは。何と。」梶、その男性の声に、「え、えぇ~~。」男性、インテリアを見ながら、「何だか…、日本にいるだけで、世界を旅してるみたいだ。…へぇ~~~。…凄いよね~~。」梶、その声に、「ありがとうございます。」「こういうの…、デザインした人に、一目、会いたいですね~~。」梶、その声に、今度は、「あ、はぁ~~。」少し、困惑した顔の梶、「お褒め、いただき、恐縮です。」男性、インテリアを眺めながら、「うん。はは。冗談ですよ。」ニコリと女性に。梶、その声に、目をパチクリとさせて、「あ、はは。どうも…。」男性、またニコリと。「企業秘密。ですもんね~~。」梶、今度は、あらたまって、また、「恐縮です。」そして、また10分程度。そして男性、「うん。いいもの、見させていただきました。ありがとうございます。それでは。」女性に一礼して…。一瞬、梶、その男性に、「あの。」そこまで言って。その声に男性、女性を見て、「ん…???」けれども梶、グッと口を噤んだまま、そして、にっこりと、「あ、いいえ。」そしてまた一礼を。「ありがとうございました。」男性コクリと。「失礼します。」男性は出ていく。数秒後、社員たち、「しゃ、社長~~。」隅にいた窪塚、伊良部も梶に。「社長、今の…。人。」梶、腕組みして、「ん~~~。…もしかしたら…。」窪塚、伊良部、そんな梶を見て、「えっ…???」男性、歩きながらも後ろを振り向いて、「トータルインテリア・伊玖伊那…かぁ~~。ふ~~ん。」そして、思い出しながら、「…あの…、時の…。」女子社員たち、「物凄い、オーラ。いやいやいや。」窪塚、伊良部、「社長…???」そんなふたりに梶、僅かに焦りながら、「うん…???…あ、うんうんうん。なんでもない。なんでもない。」ニッコリと。「ハイ。戻って~~。」けれども梶、思わず悔しがりながら、頭の中で、「…ん~~。…名前、聞けなかった~~…。まっ。…無理だけどね~~…。」そして、佐津香たち、インテリアショップ・ジョエルのインテリアを見ながら、「凄~~い。さすがはインテリアショップ・ジョエル」「や~~るぅ~~。」「中々。」「うんうんうん。これは納得。」優維香もニッコリと、「ふふ。どお…???」伊寿美、優維香の肩に自分の肩を押し付けて、「や~~るじゃん。」優維香、岳燈に、「岳燈君、ありがと。来てくれて。」その声に岳燈、ニッコリと、「うん。久しぶり~~。」いきなり佐津香、優維香を睨んで、「優維香~~。」瞬間、優維香、目をパチクリと。そして口を窄ませて、「ふん…???」「あんた、おかあさんに、岳燈君の事、言ってないでしょ。」その声に優維香、黒目のみ上に、「あれ…???…そうだっけ…???…あははははははは。」「…ったくぅ~。とぼけちゃって~~。」優維香、のほほんとしながら、「まま。いいじゃない。現に、会えちゃったんだし。ニシシシシ。」池辺と真宮、「おやおや。」「いらっしゃいませ。」真宮は佐津香に一礼をして、「挿絵画家先生に、ご来店いただいて、ありがとうございます。」佐津香、そんなふたりに、ニコニコと、「いえいえ。池辺さんも真宮さんも。お疲れ様です。」池辺、「先生。是非ごゆっくりと~~。」佐津香、「うんうん。ありがとう。」伊寿美、岳燈に、小さな声で、「さすが、おばちゃん、有名~~。」岳燈も、「だよな~~。凄ぇや。はは。」そして、岳燈、周りのインテリアを見ながら、「いいなぁ~~。こういうの。」伊寿美、そんな岳燈を見て、「ん~~~???」「いやね。中々どうして、こういうインテリアに囲まれているだけで、何ともね~~。落ち着くね~~。何かしら、優しい自分になれるって、感じが…。はは。心地良い~~。」 好きになれない。 vol,042. その男性から、何かしら感じる印象。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.12
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会場内の中心には、お洒落な出店やキッチンカ―とも思しき軽食ショップが軒を連ねている。しかも、かなりの割合でテーブル席は埋まっている。若者カップルや小さな子供連れが多い。岳燈が何とか席をゲット。須美も佐津香も、周りを見ながら、「大盛況ね~~。」「うんうんうん。…まぁ。これで…、半分は…、見たかな。」伊寿美、「はい、メニューはこちら~~。何にする…???」佐津香も須美も、「そうね~~。」「私は~~。」そして、決まったメニューを伊寿美と岳燈、「了解。」その頃には昼のワイドショーで、インテリアショップ・ジョエルの社員たちも、各々、「おっと。」「わぁ~~。」「出てる、出てる。」そして…。当然ながら、トータルインテリア・伊玖伊那の社員たちも、各々。同じように…。佐津香たち、自分の好みのメニューに、「んふ。お~~いし。」舌鼓を打ちながら…。その頃、ようやくある場所に到着した男性。総合案内をそのまま通過し、会場の入り口に。その時…。ふたりの女性と目が…。その女性、男性に、チョコンと頭を。そして、「おかえり。」男性も、その女性に、軽くお辞儀をして、「ただいま、戻りました。」ゆっくりと、その言葉だけで…。お互いに…、通り過ぎるだけ…。そして…、数メートル、離れる。賀寿恵、七瀬に、「戻り…、ましたか。」「そのようね。」男性、会場内を見回して、「へぇ~~え~~。」駐車場では、男性の乗っていたタクシー。車のトランクには男性のスーツケース。そして、運転席で自販機から買った缶コーヒーを飲みながら、「まぁ~~。チップも貰っちゃあ~~。しゃあねぇか。」と…、折り畳んだ1万円札を。ヒラヒラと。「2万円だと。ヒュ~~。」吹けない口笛を。そして、ニヤニヤとしながら…。「あの旦那、一体、何者…???」賀寿恵、駐車場に止めてある車の運転席のドアを。そして、七瀬、後部席に。シートに収まって。「さて。明日から…、か。」「それにしても社長。」賀寿恵の声に七瀬、「う~~ん~~???」「あの方…。これから住む家…。」「まぁ…、何処か、自分の好きな場所、探すんじゃないかしら。私の提示した物件には…。さりげなく…。まっ、敬意もあってか…、遠慮したからね~~。」「えぇ。」「まっ。ホテルに泊まって、それから。なんでしょうねぇ。」そう言って、七瀬、「ふふ。…これから、面白くなりそ。」その声に運転席の賀寿恵、エンジンを掛けて、「えっ…???」会場入りした男性、「さて…と。」荷物は、肩に掛けてのひとつのバッグだけ…。そして…、手前の出展企業から…。男性が入った瞬間に、その企業の社員たち、何かしらの雰囲気を感じて、「えっ…???」そして、ものの10分程度。男性、企業の社員たちに丁寧にお辞儀をして…、また外に。そんな男性を見送っての社員たち、それぞれが…。「何今の…???」「うんうんうん。凄いオーラ、感じた~~。」そして、次の出展企業でも…。男性を見た瞬間、「誰…、この人…???」社員の大半が、顔を左右に、「ううん…。見たことない。…でも、凄い感触。」「誰…???」そして、次の企業にも…。社員たち、何かしら、その男性に…、近づくことも…。…けれども男性、インテリアを見ながら、そして社員たちを見ながら、笑顔で…。そこに、ひとりの男性。社員たちの上司だろう、慌てて、「おぃおぃ。何やってるんだ。」いきなり男性、その男性に近づき丁寧にお辞儀を。「いらっしゃいませ。ご来店、ありがとうございます。」すると男性、にっこりと、「ども。」そして、インテリアを見ながら、「頑張ってますね~~。」ニッコリと。そして、「健闘、お祈りします。」企業の男性、深々と頭を下げて、「ありがとうございます。」全てのインテリアを見た後に、そのままその場を。男性、また、「ありがとうございました。」男性は出ていく。数秒後、女子社員たち、「課長…、今の人。」すると、課長と言われた男性、いきなりその女子社員に、「バカ。」そして、その女子社員に耳打ちするかのように、「………。…だよ。」すると、その女子社員、目を真ん丸に、驚いたように、「え――――――っ!!!うそ。」そしてその女子社員、他の社員たちにも耳打ちを。瞬間、それぞれの女子社員たちも、「え――――――っ!!!」すると、いきなり両肩をガックンと。「そんな~~。」数件の出展企業を見ての男性。次の企業に。…けれども、入った瞬間に。「おや。」佐津香たち、「さてと。」須美も、「う~~ん。」伊寿美、「そろそろ。」岳燈、「行きますか。」佐津香、優維香に電話。「はいは~~い。」「今から行くよ。」「オッケ~~。場所、分かるよね。」「当然。」そのインテリアを見て男性、「おやおや。」入ってきた男性の雰囲気に敏感に反応しての女子社員、「いらっしゃいませ。」そして男性。その女子社員に、「こんにちは。」 好きになれない。 vol,041. その女性、男性に、チョコンと頭を。そして、「おかえり。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.11
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その岳燈の声に佐津香、「へぇ~~え~~。さすがは…、見る目…、ありますね~~。」「ふふふ。」笑顔で顔を傾げながらの須美、「私なら、や~~っぱり、優維香ちゃんの会社のインテリア、応援しちゃうんだけどな~~。」母の声を聞きながらの伊寿美も、「あたしも~~。」佐津香、いきなり顎を引いて、「いやいやいや。それを言っちゃあ、依怙贔屓でしょう~~。何れにしても、ふたりの場合は優維香にとっても、親近感、ありありなんだから~~。まっ。気持ちは…、分からないでは、ないけどね~~。」目を真ん丸に。そして一度、口を真一文字にして、顔を傾げて。「とにかく…、私情はこの場合、禁物、禁物。個人的にも、家庭に於いても、こんなインテリア空間で、住んでみたい。…と、言う意味の…、あくまでも公正に。…公正なる審査を。それに~~。今回は~。」佐津香、顔を傾げながらふたりに右手人差し指1本。それを見て、「あっ。そっか。今回は、審査員だけの審査じゃなかったんだ。」伊寿美。佐津香、その声に、「ザッツライ。そ~~の通り~~。」岳燈、「えっ…???…どういう事…???」伊寿美、「あん。今回は、一般のゲストもどの会社のインテリアがいいのか、ポイント付けられるの。まっ、投票みたいなんだけど…。」「へぇ~~。な~~るほど~~。そぅか。じゃ、別にプロの審査員だけじゃないから、結果が楽しみって言うのもありなんだ。」佐津香、「そういう事~~。…だから、ある意味、前回より今回の方が、より一層、厳しい…とも、考えられる。」須美、「確かに。こんなインテリアに住んでみたい。って人もいる訳だから。尚更。プロだけの見識には囚われないって訳だ。」タクシーは高速道路を走りながら湾岸道路に。男性は上着のポケットからスマホを取り出し…。ある履歴に指をトン。そして…、発信音が途切れて…、その瞬間、すぐさま、「あ、俺。」すると、スマホの向こうから、耳に入ってくる声、「おぅ、久しぶり。元気か…???」その声に、「あぁ、今さっき、羽田に着いたとこ。」するといきなり、「はあ…???…羽田って、おま。…じゃ、今、日本に…???…ってか、今、東京…???」すると男性、「あぁ。これからはこっちで生活する事になる。親父の方は…???…仙台で、仕事の方…???」その声に相手の男性、少し驚いた様子で、「あぁ。…仕事の方は…、まぁ…。…あぁ、順調そのもの。…って…、おま、今、東京…???」「あぁ、今、これから、あるところにお邪魔して、それからホテルに。」「そ、そっか。…んじゃあ、これからは日本で…???」「あぁ。ホテルに泊まりながら、住むとこ、決めようって思って。」「そ、そっか。…あ、けど…、おま、こっちでって、仕事は、何の…???」「あぁ、それはもう、来週から。仕事先はもう決まってる。」すると男性、驚いたような声で、「ら…、来週って、おま…。って事は、あ、明日から…???」「あぁ~~、まっ。そういうことに…、なるか。」スマホの向こうから、「そ、そか。わ、分かった。う、うん。」「うん。じゃあまた。落ち着いたらまた電話する。たまには親父も東京、出て来いよ。」その声に男性、「お、おぅ。分かった。うん。うんうんうん。」通話は切れる。男性、スマホを耳から放して、両手で持って、「日本に…。帰ってきた。今…、東京…???…えぇ~~~え…???」タクシーに乗りながら、窓の外の景色を見て、「運転手さん、着く前に、少し遠回りしてくれる…???…日本、久しぶりなんでね。…それに、東京自体。」そこまで言って、いきなり声を小さく、「…何年振り…???」その声に運転手、「いいっすよ。お客さん、どこから…???」男性、「どこから…???ん~~~、その質問は~~。ちょい、厳しいか…。」運転手、パックミラーから男性を見て、ニヤリとさせて、「まさか…、お客さん、住所不詳…なんて。」いきなり男性、「ははははは。運転手さん、面白いこと、言うね。」そして僅かに、身を乗り出して、「そうだったら、どうする…???…もしかして、タクシー代。」「勘弁してくださいよ~~。そんな…。変な揉め事、御免被りますよ~~。」いきなり男性、「ははははは。」運転手、けれどもまたバックミラーで男性をマジマジと。「まっ。…でも、お客さん。身なりもしっかりと。それに、スーツケースも、何だか…、かなり旅慣れた。」その声に男性、クスリと、「そっ。ありがと。ふふふん。」そして…。既に午後。時計の針は12時30分を回っている。佐津香、確かに、優維香の会社の出展場所は分かってはいるが、さすがに会場内は広い。わざわざ歩いて行くより、スマホで…。「あ、もしもし優維香~~。私~~。かあさん。須美ちゃんたちとお昼してから行くね~~。」その声に優維香も、「了~解。」 好きになれない。 vol,040. 「それを言っちゃあ、依怙贔屓でしょう~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.10
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七瀬、「彼女たち、顔も名前も知らないんだから…。」真宮、「えぇ。…そりゃ、まぁ。」「ただ…。」七瀬、「とにかく、存在感はとてつもない。とは、思うよ。正に、世界中、回ってるからね~~。」そして、七瀬、真宮に、「じゃ。」そんな七瀬に真宮、「あ。はっ。」メンバーたちのところに戻っての真宮。池辺、「何…???…どうしたの…???」その声に真宮、「あ、いや…。実は…。」丁度その頃。高速を走るタクシー。ある場所に向かっていた。そして、その20分後に…。七瀬と賀寿恵は、ある出展企業へと。入った途端に七瀬、「ふふん。な~~るほどね~~。出来てる。」そこに、「七瀬社長。七瀬麗子社長。」の声が…。その声に振り向く七瀬。目に飛び込んで来た顔に七瀬、思わずニッコリと。その女性も七瀬に笑顔で近づきながら、「お出でくださり、ありがとうございます。」トータルインテリア・伊玖伊那、代表取締役社長、梶美耶乃である。七瀬も、「これは、これは…。梶社長、お久しぶり。」一礼して。梶、「今回も、インテリアショップ・ジョエルさんと一緒に出展出来て、これほどの誉はありません。どうぞよろしくお願いいたします。」七瀬、そんな声に、こちらもニコリと、「いえいえ。それはこちらも同じく。こちらこそ、よろしくお願いいたします。」再び深くお辞儀をして。そして、話始める先日の雑誌の事…。その数秒後、そこに訪れたゲストたちに目を、七瀬。「あら…???」そして、クスリと笑顔で…。梶に、「社長、ちょっとごめんなさい。」梶、目をパチクリと、「あ、はい…。…???」七瀬、4人のゲストの中のひとりに、「佐津香。」その声に佐津香、名前を呼ばれた、「あ~~ら~、麗子~~。」七瀬、「来てた。はは。ありがと。」須美も伊寿美も岳燈も、そんなふたりを見て、「…???」伊寿美、母に、「…誰…???」岳燈、佐津香と一緒の女性を見て、顔を傾げてはいたが…、数秒後、思わずフィンガースナップ。「はいはい。はいはいはい。」伊寿美と伊寿美の母親に、「インテリアショップ・ジョエルの社長、七瀬麗子。CM制作を依頼されたときに、ホームページで顔を。…で、知ったんだ。」伊寿美、「へぇ~~え~~。あの人が…。インテリアショップ・ジョエルの…。優維香の会社の社長…。」岳燈、「優維香って、伊寿美の…友達の…???」そして、「あ、そっか。うんうんうん。優維香さん、インテリア関係の仕事。」「そっ。岳燈も会ってるでしょ、何度か。」「あ~~、うんうんうん。彼女。」「でも…、どうして、おばちゃんがインテリアショップ・ジョエルの社長と…???」口を尖らせての伊寿美。話を終えて、七瀬にお辞儀をしての佐津香。須美たちの下に。須美、「知り合い…???」佐津香、キョトンとして、「う~~ん。はは。実はねぇ~~。彼女のお孫さんが、私の挿絵の大ファンなの。」途端に須美も伊寿美も、「あらま~~。はははは。」「わお。凄~~い。」瞬間、岳燈、顔を傾げて、目をパチクリと、「え…???え…???…はっ…???」伊寿美、そんな岳燈を見て、「かかかかか。まっ。確かに。岳燈は分かんない。実は~~。こちらの柿崎佐津香さん。おばちゃん。優維香のおかあさんで~~。仕事は化粧品会社。…なんだ、けど~~。セカンドワークで挿絵の仕事もしてるの。出版会社から依頼されて。」瞬間、岳燈、おちょぽ口に目を真ん丸に、「凄っ!!!」「プロの挿絵家さんよ。」須美。岳燈、「いやいやいや。なんと…。…凄いですね~~。プロの挿絵家さん。」そして岳燈、佐津香にまた深く一礼をして、「いやいやいや。恐れ入りました。」瞬間、佐津香、そんな岳燈の姿勢に、困ったように笑いながら、「かかか、よしてよ岳燈く~~ん。そんな…。大それたものでもなんでもないんだから~~。まっ。確かに、子供の頃から絵が好きで~~。まっ。その…今は…、延長かなって…。」「な~~んて言いながら~~、おばちゃん、出版社、3社、掛け持ちしているし~~。」またまた岳燈、目を丸くして、「うそでしょっ、3社。」顔を揺らして、綻ばせながらも、「感服致しました。」また一礼。佐津香、「あらららら。」変顔をして、「困っちゃったわね~~。…まっ、でも…。CM制作会社勤務の岳燈殿。このインテリア見て、どう思う~~???…確か、前回、優維香の会社と僅差で…。」そこまで言って佐津香、いきなり腰を低く、小声で、「僅差で優維香の会社が金賞を…。」伊寿美、数回頷いて、「うんうんうん。そうそう。優維香、そう言ってた~~。」岳燈も頷いて、「へぇ~~。そうなんですね~~。」そして岳燈、インテリアを見回しながら、「う~~ん。確かに。癒しと…、安らぎ…、感じますよね~~。…うんうんうん。…インテリアショップ・ジョエルさんとは、ちょっと、雰囲気…変わってる…かな…。」 好きになれない。 vol,039. 「七瀬社長。七瀬麗子社長。」の声が…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.09
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結局は、あれからトラディショナル事業部、トータルインテリア・伊玖伊那の雑誌のデザインに圧倒されていた。が…。ここでも亘夢の一言が功を奏した。七瀬麗子からの気合の入れよう。それが亘夢には嬉しくって仕方がなかったのだ。それで亘夢、何を思ったのか、雑誌を取り上げてマジマジと見ながらも、段々嬉しくなってきた。「はは。でもさ~~。私~~。こういうの、物凄い憧れる~~。もぅ目の前がパ~~となったようで、物凄い夢心地~~。こういうところで生活できたらいいよね~~。」雑誌のページそのものを開いたままの状態で思いっきり抱きしめて目を閉じて、体と顔を揺らして、「ん~~~。」なんともかろやかに踊るように。そんな亘夢を見ているメンバーたち。ニコニコとしながら、「亘夢だけだよ、それでもしっかりと絵になる。」その声にいきなり優維香、「絵になる。…ん…???」顔を傾げて、「絵になる。…絵になる。…う~~ん。」悠里、優維香を見て、「優維香…???」すると優維香、亘夢に、「ちょっと亘夢~~。」ニコニコとしながら亘夢、「はい、チーフ。」「私にも雑誌貸して。」笑顔で亘夢、「はい。」そして優維香も、雑誌その見開きのページを抱きしめて、亘夢と同じように。そして目を閉じて。悠里、そんな優維香を見て、「おぃおぃ。」顔を崩しながらも…。けれども優維香は、そのまま目を閉じて…。すると…、「はは。はははは。うんうんうん。」そして、「うんうんうん。うんうんうん。はは。」そして目を開けて、「来~~~た~~。」するといきなりテーブルに、紙に。そんな優維香を見ながらのメンバーたち、「うそ。」真宮も池辺も、「えっ…???」殴り書きのように書いた優維香のデザイン。優維香自身、「うん。これならいける。」悠里、「ちょっと、ちょっと、優維香~~。」そして悠里もそのデザインを見て、「うっそ。マジ…???」すると他のメンバーたちも、ニコニコしながら、「私も。」「私も。」「私も~~。」と、なったのである。真宮、クスクスとしながらも、「おぃおぃおぃ。マジかよ。ここはダンス教室じゃねぇぞ。はは。」そんな真宮に池辺、「はは。いいじゃない。何かしら、ヒント、掴んだようよ。…それにしても、さすがは亘夢。人気ナンバーワン。愛される個性だわ~~。」その声に真宮も、数回頷いて、「うんうんうん。俺も、初めて亘夢、見た時は、こいつ。なんて奴だ。来るとこ、間違ってねぇかぁ~~???…って、逆に思ったくれぇだから。かわいいのなんの。俺の娘に、こんなのいたらなぁ~~って、思ったくれぇだから。」瞬間、池辺、「あ~~、麟、それ、絶対にセクハラだかんねぇ~~。」目をパチクリと真宮、「あ。…そぅ…、なっちゃう…か…。」右頬を右人差し指でポリポリと。池辺を見て。池辺、真宮を流し目で、「当たり前でしょ。」真宮、顎を前に突き出して、「すんませ~~ん。」「それにしても…。亘夢。中々~~。」その声に真宮、「ん~~~ん…???」池辺、「いえね。彼女がいるだけで、何だか、周りの雰囲気も和やかになるって、時、時々あるから。…不思議な子だよ。」「日本人の母とドイツ人の父を持つハーフ。そして、美大出、インテリアの絵を描かせたら右に出る者はいない。か。」池辺、2度の頷き、「うんうん。」メンバーたち、それぞれのデザインを見て、「うんうんうん。いいんじゃな~~い~~。はははは。」残り5日。ここからがトラディショナル事業部、底力。池辺、七瀬に、「社長の、あの、気合の入れ方でみんな。」その声に七瀬、「あ~~。うん。まっ。賀寿恵の一言も、あったからね~~。気合、入れてみましょうかって。」メンバーたちとお喋りをしている賀寿恵を見て池辺と真宮、目を丸く、「おや。」真宮、「はは~~ん。な~~るほど。」おおよそ、20分程度の立ち寄りで七瀬、「私はこれから、いろいろと他、回って帰るから。あなたたちも交代交代で、他所見て回って~~。必ず勉強になる事、大だからね~~。」池辺、その声に、一礼して、「心得ております。」真宮も、「充々承知。」そして七瀬、その場から…。真宮、そんな七瀬に、「あの、社長。…もしかして…。例の…、あの…、方は…???」七瀬、真宮の声に、「うん…???…あ~~。彼…???…多分…、どうだろ。…もしか…したら…。…顔、出すんじゃない…???」真宮、思わず両目を右左に。口を噤んで。そんな顔に七瀬、クスリと笑って、真宮の右二の腕をパンと叩いて、「何、あなた。まさか、私が彼と一緒に、来るなんて、思ってた。かかかかかかか。」その笑いに真宮、「え…???あ、あ~~。いや…。その…。」「そんなの、有り得ないでしょ。そんな事したら、身も蓋もない。」そこまで言って七瀬。「まっ。…けど…、彼がここに来たところで…。」真宮、七瀬を見ながら、「……。」七瀬、そんな真宮を見て、「はは。」 好きになれない。 vol,038. 「私~~。こういうの、物凄い憧れる~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.08
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「さて次は。」佐津香。「CM制作会社勤務、岳燈殿。どこかしら~~。かかかかか。」にっこりと。その声に岳燈、少し離れた場所から、「いやいやいや。柿崎さん、そんな…、おだてないでくださいよ~~。」そう言いながら照れまくる岳燈。佐津香、須美の隣で、「それにしても、凄いよね~~。伊寿美ちゃんの婚約者がCM制作会社。まっ。確かに、会社名は…、ちょっと、分かんないけど…。」そんな佐津香に須美、にこやかに、「AIHO(アイホ)電通~。」佐津香、頷いて、「そぅそぅ、そこ。優維香もまぁ~~、知っているはずなのに、全然言ってくれないんだからね~~。聞けば、私も知ってるCM、あるある~~。」須美を見ながら…。「…けど…。まっ、確かに。テレビで見るCMには、CM制作会社の名前は出ないからね~~。」こちらは佐津香を見ながらの須美。その声に佐津香、両眉を上下に、「う~~ん。」佐津香と須美は、伊寿美と岳燈の向かう後ろを…。その頃…。羽田空港国際ターミナル到着ロビーからひとりの男性が…。そして…。東京エレファントモールの玄関に立つふたりの女性。「さてと。」「はい。」総合案内からパスを受け取り中に。真宮がふたりを出迎える。そしてふたりに一礼を。女性のひとり、七瀬麗子である。そして…。もうひとりは…。自分にも一礼をしてくれた真宮に深々とお辞儀をして、そそくさと七瀬の後ろに。真宮、「おいでなすったか、もうひとりの七瀬麗子。」その…。もうひとり…と、言うのが…、七瀬麗子の…、所謂…、マネージャーである。…ある意味、世話人。と、言ってもいいのだが…。実に、歳の離れた従妹に当たる。大学時代から麗子の家で世話になっている。実家は沖縄で飲食店を経営。子供の頃から記憶力が抜群。兄妹は…。兄がひとりいる。そして、その兄が店を継ぐ事になるために、幼い頃から何でも好きな事を。と、躾けられてきた。その甲斐あって、憧れの東京の大学を受験。そして…、東京の麗子の家に転がり込んだのだった。事実、七瀬麗子には結婚してひとり娘がいる。…が、そのひとり娘も親元を離れて所帯を持っている。そして、七瀬麗子自身、ある人物の配偶者となっている。家には家政婦もいる。ひとり娘の使っていた部屋をその女性に住まわせたのだった。その女性の名前を、弓賀寿恵(ゆみかずえ)。東京の名門大学、明興(めいこう)大学を主席で卒業。ある意味、歳の離れた麗子の相棒的存在。麗子の母方の親族となる。一方…、父方は、国の要人でもある。賀寿恵は両親の元、飲食店の娘である通りに料理は得意。…が、その他にも器用であるが故になんでも熟す。しかも頭も切れれば勘も鋭い。それに、大学時代から世話になっていた麗子には、感じた事は直接報告する事を習慣としてきた。その事を麗子自身も拒まない。そのため、麗子の右腕的、存在でもある。今までも何度か賀寿恵の発言に助けられてはきてはいた。一度見たものは決して忘れない。けれども、残念ながら、経営力はなし。性格的には、おっとりとはしている。そして…年齢は…。24歳。…ながら、酒豪でもある。大学を卒業と同時に、麗子が、自分の側近として会社に引き入れ、特に役職はないが、秘書扱い同等としている。当然ながら、社長室の隣に、マネージャー室として独自の部屋もある。そして、何より、真宮麟と、飲み仲間である。…と、言うより、社内で一番の酒豪が真宮、であり。「酒には強い。」という、噂に真宮のアンテナが…。「一度、一杯、どうですか…???…当然、私の奢りで。」その一言に賀寿恵はOK。麗子の了解の下、誘いを受け。それからの付き合いでもある。けれども、酒に飲まれる事は一切ない。そのために、真宮も一目置いている。しかも、幾ら飲んでも、自分を曝け出すこともなければ、逆に、真宮が慰められる事もある。真宮との歳の差は30以上ある。賀寿恵は、常にタブレットを持参している。そして、もうひとつ。賀寿恵の性格は、確かにおっとりとはしているが…。実に、性格も明るい。と、いうところなのだ。実に、人となりの良い女性、でもある。そんなふたりが会場入り。すぐさま賀寿恵の言葉通りに、自社の出展先に。メンバーたち、他のゲストの手前、ゲストと同じ扱いに。真宮も同様に。メンバーたちは、社長と一緒の賀寿恵に、それぞれが、「弓さん。」と、嬉しそうに。賀寿恵もそんなメンバーたちを労う。それでも七瀬、池辺に、「とにかく間に合って良かった。うんうん。これなら、私も満足。それにしても、良くぞここまで。」池辺、にっこりと、「奮闘しましたから。みんなで。」その声に、優維香、悠里、そして瑛子に亘夢、「はい。」 好きになれない。 vol,037. 東京エレファントモールの玄関に立つふたりの女性。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.07
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須美、「私もねぇ~~。その事聞いてび~~っくりで~~。」佐津香、「なんと、なんと。CM制作会社…。か。何ともびっくりだね~~。驚いた。私の近くに、まさか、CM作っている人、いるなんて。」岳燈、途端に照れながらも、「いやいやいや。」「かかかかか。でも、あなた、かっわいい~~。うん。あなた、私、気に入った。うちの娘と結婚しな。」瞬間、伊寿美、「え――――っ!!!」「…って、冗談よ、冗~~談。な~~んか、あなた見ていると、ホッコリとするわ~~。かかかか。」岳燈、ますます照れながらもお凸を指先でポリポリと、「そっすか…???」この頃、どの出展企業も徐々にゲストたちが入ってくるのに対応していた。菜瑠美、「いよいよね。」優維香、そして悠里、「はい。」トラディショナル事業部、メンバーたち、総出で、交代交代でゲストに対応している。「はは。まだ動画、撮影してる~~。」出展の裏では、待機している阿寿沙。「まま、確かに、一般の撮影はOKだからね~~。…でも、私たちは…。」悠里。その声に、優維香も阿寿沙も亘夢も、顔をコクリと、「うんうんうん。NG」優維香、「亘夢、頼んだよ。今回、あんたが長時間、ここにいることになるけど…。絶対に分からないときはヘルプ求めて。」その声に亘夢、にっこりと、「はい。分かりました。」今回、このスタッフコレクション。実は、前回までは、その、評価基準が、審査員だけの基準にて順位が決まっていた。…だが、今回からは…。コンセプトを、「癒しの住処。」として、全国の家族が住みたい場所をとしている。そのために会場自体は、裏側では、「AI」を導入してまでも厳重に。されど表面的には正に、ライフスタイルを。その為には一般の人たちの意見。と、言う事で、会場でも、インターネットを介してもポイント付与が導入されることになったのだった。但し、インターネットの場合は、イベントのホームページのQRコードから進んでの投票となる。その為には、インテリアもそうだが、その場にいて、寛げる。そういう雰囲気作りでも投票できるという観点がある。その雰囲気作りには、当然ながら出展企業の社員、メンバーたちの人となりも重要になってくる。そういう意味で、とりわけ、インテリアショップ・ジョエル・トラディショナル事業部。メンバーたちの中でも、ハーフの江間亘夢もその、外国人張りのマスクであることから、トラディショナル事業部長真宮麟からの下知が下ったのだった。しかも、その下知は、なんと、開催、2日前。日本最大級、しかも、全国のインテリア業界の企業からの応募。その中からの厳選なる審査でのインテリア・ゴールデン・スタッフコレクションへの進出。ここでの金賞受賞が今後の業界大手の収益、業績にも大きく関わってくる。しかも、そのイベントが東京の最大開催地、観光スポットでも多くの動員数を誇る東京エレファントモール。当然、テレビ中継もされるが、仮に、テレビのSNSで何かしらの誹謗中傷があったとしても、確実に、それは防御されるシステムとなっている。メンバーたちの中で、さながらオープンな性格の亘夢、麟からの申し入れに、最初はあまりの驚きに困惑していたが、メンバーたちから絶賛の声、「文句なし」の声で感激。身長がメンバーたちの中では一番低く、155㎝。とにかく、目鼻立ちがクッキリとしている。海外のファッションモデルにも引けを取らないくらいの容貌でもある。しかも、子供たちにも好かれる性格というからメンバーたち全員から愛されている。開催からは既に2時間は経過している。方や、伊寿美たちは最初の場所から次の場所に…。とにかく圧倒されていた。須美、「こ~~んなインテリアの中で暮らせたら~~、はははは。」そして、舌をペロリと出して、「夢のまた夢だけどね~~。」「でも、リフォームでもいいんじゃない…???…心機一転。」佐津香。「無理無理無理。…そんな…、私と伊寿美とじゃ、あまりにも贅沢。」「いや。だ~~って、これから、伊寿美ちゃん、結婚すれば、岳燈君。お婿さんでしょう~~。」その声に須美、「えっ…???…なんでサっちゃん、それ、知ってるの…???」「前に聞いたのよ~~。伊寿美ちゃんから。岳燈君、3人のお姉さんがいるって。…と、言う事は岳燈君、末っ子でしょ。お姉さんたちの、誰かが、家を継いでるんじゃないの…???」「あ、うん。一番上のお姉さんが。」「それなら、いっそ。3人揃って、リフォームなんて、どぅお~~???」その声に須美、「かかかかか。」と笑い、「無理無理無理。私以上に、贅沢嫌い娘だから。」右手を振りながら…。佐津香、困った顔で、「や~~れ、やれやれ。同じような環境で、優維香も、贅沢嫌いなんだから、全~~ったく~~。」 好きになれない。 vol,036. 優維香、「亘夢、頼んだよ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.06
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開場され、人が次々に中へと…。会場の中には、イベント会場のスタッフももちろんいるが、スタッフコレクション出展企業のそれぞれのメンバーも数名だけセッティングされている。その誰もがゲストたちに一礼を。佐津香、「さすがに凄いスケール。」須美、「ねぇ~~。こんな風になってるんだ~~。…っていうか…、どんだけ広いのよ…???」「さ~てね~~。外からの外見だけでも凄かったもんね~~。」「うっひょう~~。さすがにスタッフコレクション、すんごい。」伊寿美。通路も歩きやすいようにかなりのスペースがある。しかも、人が散策しやすいように設計されてある。会場の入口に設けられていた案内図を誰でも持っている。逆に、持たないとある種、トイレにさえ迷っていけなくなってしまう。と、いう場合もある。けれどもそういう場合は、各ポイントエリアにスタッフが配置されてはいるが…。ただ…、面白いのが、会場の中が、正に、東京ディズニーランドのような見取り図になっている点。そして、何よりも、出展企業はそのポイント、ポイントに出展されてはいる。アルファベットの「A」から…。但し、そのポイントを獲得するのは、実に、抽選。と、なる。しかも…。お目当ての出展企業に入るまでは、中味がどんなデザインなのか、すらも分からない仕組みとなっている。それでも会場内は散策する気分で、どこにいても決して飽きることない雰囲気に包まれている。当然ながらBGMすらも、子供たちに人気のアニメソングから学生たちに人気のナンバー。J-POP、そして軽音楽と…。だから、ある意味では、目的の企業に行ってみよう。と、いう気分にもさせてくれるが、「あっち行ってみよう、こっちなんかどぅ…???」的感覚になれる。そんな雰囲気も醸し出している。そういう専門のプロデュースも施されている。そして、当然ではあるが、出展企業の関係者は必ずパスを首から。しかも、それが原則となっている。そして、そのパスを掛けたままでの他の出展企業に出入り可能。逆に、故意にパスを外して他の出展企業に入る事が出来ないようになっている。その理由が、犯罪である。その…、犯罪を未然に防ぐために、ゲストたちには分かりづらいように、監視カメラがかなりの角度に設置されてある。そして、何より、導入されたのが、「AI」パスと顔認証である。特に顔認証の場合は、出展企業のメンバー全員が登録されてある。そのために、意味合いとしては困惑するかも知れないが、プライバシー損害となるやも知れないが、但し、この会場にいる時間帯は、あくまでも勤務時間帯となり、就業規則に準じていると言う事になり、プライバシー損害には当たらない。逆に言えば、出展企業のメンバー、社員たちも、安心してゲストたちに振舞える事にもなる訳である。そして、何より、出展企業の社員、メンバーたちにとっても、パス携帯が必須となる事自体が、お互いに切磋琢磨と言う意味にも通ずる。と、言う事になる。佐津香、「さ~~て~~???…ふふ。どっから攻める~~???…もぅ~~、夢心地になっちゃうぞぉ~~。」須美、「ん~~~、迷っちゃうね~~。」そして、「伊寿美~~、あなたたちはどこ~~???」その声に伊寿美、「ふ~~ん。」そして、岳燈を見て、「ねね。」すると岳燈。「ふん。僕なら…。」瞬間、伊寿美、「ぷっ。いっつも、俺って言ってる癖に、今日に限って、僕かよ。かかかか。」すぐさま佐津香、「ははは。かっわいい~~。うんうんうん。俺で上等。いいわよ~~。」その声に岳燈。頭を掻いて畏まって、「すんません。」須美、「うん。岳燈君。さて。どこ…???」「アルファベットCの、住永(すみなが)。」伊寿美、「住永。…そう来たか~~。」佐津香、目をパチクリと。「えっ…???…どうして…、Cの…???」すると岳燈。「えぇ~~。…実は…、僕の会社、その、住永のCM作ってるんです。」いきなりの言葉に佐津香、目を真ん丸に、「え―――――っ!!!」佐津香、すぐさま須美と伊寿美を見交わして、「えっ…???…えっ…???…って、それじゃあ、岳燈さん。あなたの仕事って…。」岳燈、にっこりと、「えぇ。CM制作会社です。」途端に佐津香、またまた目を真ん丸にして、「あら、まぁ~~。」正にひょっとこのような顔をして、「え~~~~ぇ~~。はぁ~~~。凄~~。なんと。CM~~。」岳燈、「えぇ。」すると佐津香、「何々、じゃあ~あ~~。他にも、このスタッフコレクションの…、もしかして…。」「えぇ。ありますよ。他には…。」岳燈、見取り図を見て、「Fの平塚 (ひらつか)家具。…それから~~、Dのインテリアショップ・ジョエル。」瞬間、佐津香、「わお。」 好きになれない。 vol,035. 須美、「ねぇ~~。こんな風になってるんだ~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.05
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そして。そんなふたりと共にいるのが、佐津香。「さすがに凄い人。日曜日だから家族連れも多いよね~~。」「優維香は…、今日は朝早くから…???」伊寿美、佐津香に。「うん。会社に行って、それから会場入りするって言ってたから、もう中にはいるんじゃないかな…???」その言葉通りに会場の控室では。首から下げたパスを右手で触りながら、「さすがに。緊張だよね~~。とにもかくにも、蓋を開けて見ないと分からない。」悠里。「うんうん。確かに。物凄い厳重って話だから。」腕組みしての優維香。「私たちだって、今回で2回目でもこんなに緊張してるんだもん、2年目の友也や早智子、それに亘夢なんて…。」瑛子。テーブルの端の友也と早智子、そして亘夢を見ると、何やら3人が固まって何かに夢中。優維香と悠里、そして瑛子、そんな3人を、「ん~~~???」他のメンバーたちも。「ねね。何見てるの~。」優維香。友也と亘夢、「チーフ。」「先輩。」早智子が、「友也が動画見つけて~。」悠里と優維香、「動画…???」友也、椅子から立ち上がり、画面を見ながら、「ここの外です。」優維香、「外…???」他のメンバーも…、「あ、ほんとだ。ここ~~、東京エレファントモール~。」美知留、「コメントも少しずつ。」悠里、「う~~わ。凄い人。何、こんなに集まってんの、もぅ…。まだ開場に時間あるけど…。」阿寿沙、「まぁ~確かに。日曜日だからね~~。…と、言って、うちの両親も来るけど。ニッ。」その声に、「あ。うちのも来るよ。」「あたしんちも。」優維香、「まぁ…。そうなるか~~。土台、東京エレファントモール自体、人気観光スポットでもあるもんね~~。毎週、何かしらのイベントはやってんでしょうから…。」会場の外では、時計を見ながらの伊寿美、「もぅ…そろそろ。」するといきなり着メロ、「おっと。」そして、「はい、私~~、今ど。」体を反転…、「あ、いた。はははは。こっち、こっち~~。」右手を掲げて。佐津香も須美も、「うん…???」すると、数メートル離れた場所から駆け足で。そして、「こんにちは~~。」須美、「あ~~ら、岳燈く~~ん。」ニコニコと。佐津香、僅かに両眉を顰めて、「ガクト…、君。」須美、佐津香ににっこりと。そして、佐津香の左肩に右手を。「伊寿美の結婚相手。フィアンセよ。」瞬間、佐津香、びっくり仰天の顔で、「あ、ら~~~~。ほ~~んと~~。んまぁ~~。」そして、いきなり畏まっての佐津香。岳燈に深いお辞儀を。「柿崎佐津香と申します。いつも伊寿美さんには娘がお世話になっていて。」いきなりの挨拶にこちらも畏まっての岳燈。「あ、いやいやいや。そんな…、丁寧に。」そして伊寿美と伊寿美の母親をチラチラと見ながらも、頭を掻いて、初めて目にする女性にお辞儀を。「伊吹岳燈(いぶきがくと)と申します。初めまして。」そして、その男性がお辞儀をして頭を上げた瞬間に、佐津香、思わず目を真ん丸に。そして口に左手を。すると今度は、何を思ったのか、クスクスと。頭を下げて。須美は思わず目をパチクリ。伊寿美も、思わず…。そして、「お、おばさん…???」その声に佐津香、今度は頭を上げて、ニコニコと、「いえいえ。ごめんなさい。」そして、顔を右左に数回。何かしら、確信したような顔で、「いやいやいや。何とも。天晴。」その声に岳燈も伊寿美も、須美さえも、「はっ…???」「えっ…???」「さ、佐津香さん…???」佐津香、岳燈を見て、伊寿美に、「いやいやいや。伊寿美ちゃん、あんた、凄い人、旦那様にするわ。」その声にいきなり伊寿美、何とも困惑したような顔で、「え…???…え…???」岳燈も、目をパチクリとさせて、「えっ…???…て…???…はっ…???」佐津香、確信を持った顔で、「この人。愛されるわぁ~~。いやいやいや。なになになに。そういう顔、してるもの~~。うん。」須美、瞬間、「ぷっ。」伊寿美、変顔になって、「へっ…???…えっ…???」岳燈、何が何だか、全く分からず頭を掻いて、「えっ…???」そして伊寿美を見て、「俺…???…あ、いや…、僕…。」伊寿美、「お、おばさん…???」佐津香、「伊寿美ちゃん。あんた、いい人、旦那様に選んだね~~~。うんうんうん。この人なら間違いない。」伊寿美、話を聞いても何かしら、ちんぷんかんぷん。頭を傾げながら、「あ…。はい…???」須美は始終、ニコニコ顔で。伊寿美、そんな母を見て、思わず、頬を膨らませて、「おかあさん。もぅ~~。」須美、ニコニコしながら、岳燈に、「岳燈さん。」そして頭を下げて、「娘をよろしくお願いします。」岳燈、思い切り頭を傾げて、「あ。え…???…あ、はい。あ、はい。…って、えっ…???」伊寿美、「もぅ~~、何が何だか、全然。」佐津香、「あ。…そろそろ…。」須美も、「うんうんうん。」 好きになれない。 vol,034. 時計を見ながらの伊寿美、「もぅ…そろそろ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.04
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「つい1か月前に、フランスの航空宇宙産業の視察に訪れたんだが…。」先生と呼ばれる男性。美耶乃、「あ、はい。」「昼食の後に、向うのガイドが、近くであるイベントをやってまして、お昼休みの時間、如何でしょうかと、誘われてね。」美耶乃、戸惑いながらも、「えぇ。」男性、「私も…、興味本位で訪れてみた。」美耶乃、瞬きをして、「あ、はい。」するとその男性、「かかかかか。思わず、君を一緒に連れてくれば良かったとあの時は思ったよ~~。ははははは。」全く、的を得ない美耶乃。隣の奏多に一旦目を…。そして、男性に、「あ、はい。」すると男性、ニッコリと、「いやいやいや。」数回頷いて、笑いながら、「ははははは、何とも素晴らしい~~~。」奏多と呼ばれた男を見て笑って。男性の隣の奏多も笑顔で…。美耶乃、男性に、「せ…。先生…???」すると男性、美耶乃に笑顔で、「あ、いやいやいや。」右手を出して振りながら、「かかかかか、すまんすまん。」そして、隣の奏多に目を、そして頷く。すると奏多、バッグの中から数枚の資料を。そして、美耶乃の前に。美耶乃、顔を傾げながらその資料を手に。そして、資料を見て。その瞬間、「えっ…???」手にした瞬間に瞬きを…。驚きを隠せない表情で…。男性、ワインを一口。そして、にこやかに。優しそうに美耶乃を見ながら、「まっ。確かに。…インテリアでは日本が今では世界で5本の指に入る。頂点と言っても良いだろう。…が、しかし…。その次にはフランスもまた。」その声に美耶乃、真剣に資料を…、「え、えぇ。…あ、はい。」そして男性、「かかかかか。その資料はまだ世には公表されてない。まだ未完成だ。ただ…、その先を行く商品が、その、イベントでは開催されていた。かかかか。私も驚かされたね。ここまでインテリアが…と。」美耶乃、男性に、何をどうしたらいいものかと、「先生。これ…。」すると男性、「あぁ~~、いや。その資料は単に、イベントに訪れたゲストに配ったものらしい。」美耶乃、「イベントに訪れたゲストに配ったもの…。」「ただ…、その資料を作成した人物とは会ったが…。かかかか。好青年。…と、言うか…、これまた驚いてね。」美耶乃、目をパチクリと、「はっ…???」男性、深く椅子に背中を、料理を見て、美耶乃を見て、「はは、日本人だ。」美耶乃、両眉の先を吊り上げて、「日本人。」「いやいや、若くての~~。…まだ…、30前だとか。…記念に、差し上げますと…。私にくれたよ。」美耶乃、懸命にその資料を見て。そして、何度も見直して。そして、最後には、資料の最後の一点に注目。「T.O」そして美耶乃、「先生、その…、人の名前は…???」奏多がその声に、「梶社長。」そして首を振る。「名前…、教えてくれなかったんですよ。とにかく、名乗るほどのものではありませんからと…。笑顔で。…ただ。」美耶乃、「ただ…。」「えぇ。…ただ、その資料は配布しているだけのものです。仮に、どこでどぅ、使われようと…。一向に。…興味がなければ、捨てて頂いても…。と。」その声に美耶乃、目を見開いて、「うそっ!!!」すると男性、「かかかかか。気に入ったかね~~~。…まっ。そんな訳だ。その資料は、美耶乃君に。君の好きにしたまえ。いや。実に愉快だった。いやいやいや。久し振りに…。まぁ…、なんだな…、癒しの生活…。に、触れさせてもらったか…。かかかかか。」美耶乃は思い出していた。偶然にも手にした資料。仮に、「君の好きにしたまえ。」とは言われたものの、詳細は全く不明。けれども、その詳細を突き止めようにも全くその術もない。ただ、男性からのニュアンスでは、「深くは追及するな。君の判断に任す。」とも、言われたように。数日迷ったが、経営者として、一企業の社長として、決断した答えが、「GO。」開発統括部の窪塚に。そして、2か月後には…。尊、梶に、「社長。…もしかして…、先生…???」その声に美耶乃、顔をにっこりと、そして尊に振り向き、「ふふん。あなたの想像に任せるわ。」そして、「さて。そろそろ時間じゃない…???」尊、「あ、はい。」左手首の腕時計を見て…。インテリア・ゴールデン・スタッフコレクション当日。休日ということでもあり、エントランスでは開場を待ちわびる人たちで溢れていた。当然ではあるが、会場内のそれぞれの出品企業は、バリアで覆われて、その企業の関係者しか立ち入れられないようにされてある。そして、早朝からその会場のバリアは外され、厳重施錠となる。もちろん、出品企業の関係者も立ち入り禁止である。「さすが、凄い人ね~~。」伊寿美。「うんうんうん。なかなかどうして~~。かあさん、前回は来れなかったけど、今回は。うん。」頷いて。伊寿美の母、須美(すみ)である。 好きになれない。 vol,033. 手にした瞬間に瞬きを…。驚きを隠せない表情で…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.03
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七瀬、「その瞬間、今、湧き上がった観客が一気に…。…静まる会場。けど、その瞬間、一気に別の観客が一斉に歓喜。コーチが思いっ切りのガッツポーズ。控えの選手が一斉にコートに。コートで抱き合う選手たち。最後10秒の逆転劇。スリーポイントで1点差の逆転優勝。」七瀬、今度はテーブルに両手を就いて、パソコンの画面をチラリと、そして雑誌のページにもチラリと。そして、「何が起こるか分からない。その瞬間、瞬間が勝負。」そして今度は振り返ってテーブルに軽く腰を下ろした風に。「やれるまでやってみな。ノックダウンされても誰も責めないさ。それが実力だからさ。けど、実力なんてものは磨けば幾らでも磨けるもんさ。限界なんてないからね。今の時代、限界突破、なんて言葉もあるくらいだ。」そこまでメンバーたちを鼓舞して七瀬、「私は、あんたたちは、絶対に物怖じしないって信じてるからね~~。頼んだよ~~。」そして、テーブルから離れてスッと立ち上がり、池辺の肩を右腕で抱いて、右手で背中をパンパン。「じゃね。私は行くよ。」池辺、そんな七瀬に頭を深く。七瀬、そして真宮に、「麟、後は頼んだ。」真宮、七瀬に向かって深く一礼をして、「ハッ。」七瀬は事業部のドアを開けて廊下に。。ドアが閉まって数秒後、いきなりメンバーたち、「キャ―――――――ッ!!!社長から名前呼ばれた~~~。」地団太踏んで歓喜。他のメンバーたちも、涙を流しながら、「私も、私も~~。」完璧に廊下まで聞こえるように。その声を、廊下を歩きながら耳にする七瀬、「ふふ。」ニッコリと。それぞれメンバーたち、「まさか私の名前、憶えてくれたなんて~~。信じられな~~い。」ニッコリと微笑んでの真宮。池辺を見て…。池辺もニコニコと。湧き上がるメンバーたち。「まっ。」真宮、「七瀬麗子の凄いところのひとつは、本社社員全員の顏と名前はインプットしている。ってな。」腕組みして池辺、そして顔を傾げて、「とにかく、それだけでも凄いわ~~。」そして…。すぐに優維香と悠里を見て。優維香と悠里、テーブルのパソコン画面と雑誌を見る。優維香、「負けてらんない。」悠里も頷いて、「うん。だね。」他のメンバーたちも、「うんうんうん。」優維香、「あと、5日しかない。…いえ。5日もある。」真宮、その声に、「おっと~~~。」池辺、両腕を天井に向けて、そして肩まで下げて、両肘を曲げて、「ヨ~~シ。」真宮、「ふ~~~ん~~???…ははははは。」受話器を手にしながら、「部長~~、凄いですよ~~。注文、殺到してますよ~~。」トータルインテリア・伊玖伊那、開発統括課長の伊良部肇美(いらべはつみ)。その声に、「まさかね~~。発売してすぐに。結果が…。…世の中、分からんもんだ。」両手を組んで、「ん~~~。」開発統括部長の、窪塚槇尾(くぼづかまきお)。そして、こちらでは…。ソファに座ったままでノートパソコンを…。そして、最後にキーボードのある部分をトン。パソコンを持ちながらソファを離れて、「社長。」トータルインテリア・伊玖伊那。専務取締役の五條尊(ごじょうみこと)。パソコンの画面を社長と呼ぶ女性、トータルインテリア・伊玖伊那。代表取締役社長の梶美耶乃(かじみやの)に。「出ました。」その画面を見て美耶乃、「うん。いいんじゃない。」「それにしても驚きました。我が社、総力を合わせても、こういう…。…でも、その結果…。」梶を見ながら、尊。梶も、「ふん。そぅ。多分…、ここまでのデザイン、どうやったら見出せるのか…。いい勉強に、なったんじゃない…???」「えぇ。」「でも…。」そぅ言って梶、「これからが問題。」「…と、仰いますと…。」「これ以上のものを、今度は我が社が…。」その声に尊、「確かに。」「今度のスタッフコレクション、大丈夫よね。」尊、「はい。」そして、尊、「社長、何度も言いますけど…。このデザイン。」美耶乃、微笑んで、「ふふん。世の中、何が起きるか、分からないわ~~。まさか、あの時…。」凡そ3か月前。都内のレストランのテーブルに、「まさか、先生からお誘いがあるとは思いませんでした。ご無沙汰しております。」そのテーブルの椅子に座っている先生と呼ばれる男性の前で梶美耶乃。男性、「はは。ま、硬い挨拶は抜きだ。」そして隣に座っている男性に、「奏多(かなた)、美耶乃君も来たんだ。始めてくれ。」奏多と言われた男性、笑顔で、「はい。分かりました。」そして、美耶乃にニッコリと。…やがて、乾杯から食事が始まる。…そして…。先生と呼ばれる男性が美耶乃に、「実はな…。」美耶乃、「あ、はい。」「つい最近、面白い人物と遭遇しましてね。」「面白い人物…。」なにやら、的を得ない美耶乃。 好きになれない。 vol,032. 真宮、「七瀬麗子の凄いところのひとつは…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.02
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その声に真宮、こちらも恐縮しまくりで頭をペコリと、「あ、はい。」「いいかぃ、みんな~~~。メンタル持てよ~~。絶対に、意固地になるな。いいかぃ。どんなイレギュラーにも強い意志で。…じゃなかったら、いいモンなんて、出来やしないよ。おまえさんたち、仕事、好きなんだろ。ここが好きなんだろ。」メンバーたち、七瀬の声を真剣に…。「いいかぃ。こういう時は、逆に敵を褒めてやれ。その方が、どれだけ気分が楽か。ほぉ~~。や~~ってくれるじゃないのよ~。…ってね~~。マインド、捨てたら、終わりだよ。」そして七瀬、優維香の両肩に両手をパン。「ほれ、優維香。」そして、悠里の両肩にも。「悠里もほれ。」そして、友也にも。「ほれ。友也。」その声に友也、思わず目を潤ませて、そして嬉しそうに、「はい。」「瑛子。」瑛子も、自分の両肩をパンとしてもらい、泣きそうな顔でもニッコリ、「はい。」「阿寿沙。」涙を零して、「はい。」「遼子(りょうこ)。」「はい。」「志津恵(しずえ)~~。」おおきな声で、「はい。」「そして~~巴月(はつき)~~。」緊張しながらも巴月、「は、はい。」「亜樹歩(あきほ)。ほぃ。」頭を撫でながら。顔を真っ赤にしている亜樹歩、「あ、はい。」「美知留(みちる)も~~。」泣きそうな顔で美知留、「わっ。はい。」「満寿美(ますみ)~~。」自分の名前を呼ばれて、両肩と両腕を両手でパンとされて、「あ~~、はい。」真宮、クスクスと笑顔で…。「ほぃほぃ、今度は早智子(さちこ)。ほれ、しっかり。」早智子、二の腕をバンとされて、頬に流れている涙を左手で拭って、顔をコクリと、「はい。」そして七瀬、「最後は亘夢(あだむ)だね~~。ほぃ、江間(えま)ちゃん。江間亘夢~~。」事業部内で一番背が低い。日本人の母とドイツ人の父を持つハーフである。そして、物凄いオープンな体質の持ち主。七瀬から両肩と両腕を両手でパンとされて、真っ赤になりながらも、思わず七瀬に抱き付く。「ありがとうございま~~す。」そんな亘夢の頭を撫でながら七瀬、「ははははは。」そして七瀬、腰に両手を、そしてキッパリとメンバーたち見回し、鋭い目付きで、「いいかぃ。」けれども、今度はニッコリと、「マインドだよ、忘れちゃあいけないのは。とにかく、いつ、何時でも、イレギュラーなんてやってくるもんさ~~。けど、そんなイレギュラー、アクシデントに一回一回、振り回されて、頭、悩ませてたら切りがない。鍛えるのは自分の心、マインド。」社長七瀬麗子の声に静まり返る事業部。顔の表情を変えながら七瀬、「へぇ~~~、そう来たか。な~~るほどねぇ~~。逆に敵さんを褒めてやる。相手を認めてやるんだよ。それだけの器量がなくてどうする…???…どんな仕掛けを持ってくるのか分からない。」メンバーたち、話を聞きながら頷く。「野球で言えば、それこそ決勝戦9回裏。2アウト。その差6点。ランナーなし。最後のバッターが渾身の一発。ライトの頭上を超えてボールはフェンスにぶち当たる。打ったランナーは走りながらヘルメットすら頭から外れて。それでもランナーは2塁まで。そして、セカンドベース上でベンチに向かって両腕を思いっ切り振って大声を上げている。来~~~い、来~~~い、まだ終わっちゃいな~~い。観客も一斉に湧き上がる。しかも総立ち。それからだよ。怒濤の攻撃が始まる。」口を尖らせて、そしてニンマリしながら話を聞いている真宮。口を真一文字の池辺。「味方ベンチも総立ち、誰ひとりとして椅子に座っていやしない。何故か分かるかぃ。ひとりひとりが、繋げる、繋げてやる。ヨシ、次は俺の番。次は俺の番。そぅやって待ってるんだ。監督なんてもぅ~~、指示なんて出さない。選手たちを全幅で信じている。もし、こんな時に監督が選手に指示を出したら、その瞬間、モチベーションガタ落ち。とにかく、さっきの一発で、選手たちのモチベーションが一気にハイテンション。」七瀬、腕組みしながら、「だから野球は面白い。」そこまで言って、「まぁ~~、野球だけの話じゃないけどね。相手に花を贈る事も時には必要。だ~~~って、逆に新しいアイデア、貰ったようなもんだもの~~。」そして七瀬、「いいかぃ。後がない。そんなのは言い訳さ。諦めたら、そこで試合終了。残り10秒。敵さんのゴールで同点が、一気に2点差。その瞬間、観客は一気にマックス。決まった――――――っと、思った瞬間、ボールはリンク下から勢い良くセンターへ。そのボールをがっしりと受けて、2度のドリブル。そして、ラインの手前で軽くジャンプ。ボールを…。奇麗な放物線を描いてボールはス~~~ッと、ネットに。床に落ちたボールの瞬間、ブザーの音。」真宮、クスリと、そして小さく、「スラムダンクか。ま、確かに。脚色はありますけど。…さすがは社長。」 好きになれない。 vol,031. 「いいかぃ、みんな~~~。メンタル持てよ~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2023.10.01
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