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「男って‥幾つになってもだ‥ねぇ~」
認知症の父親を、愛の家という認知症専門のグループホームで、
預かってもらっている。
時々一緒に住んでいる弟と一緒に会いにいく。
私のことを名前で呼べる時もあれば、妹の名前と間違えることもある。「どちらさん?」と、言われたこともあった。
と思えば、私の名前を何度も呼んで、会いたがっているようだと、スタッフさんに言われたこともある。
そんな中、先日会いに行った時に、
父から言われた言葉に、面食らってしまったことがあった。
それが‥「僕と結婚してください」だった。
最初何を言っているのか理解が出来ずに、
えっ?と頭の中がハテナマークで一杯になったのだが‥、次にスタッフの人たちと、大爆笑をすることになった。
娘にプロポーズをする父親に、大笑いである。
「全く!男って奴は、幾つになっても‥困ったもんだ。」男の性ってヤツなんだろうか‥。
取り敢えず身近な異性にアタックをして、男の役割を果たそうとする。認知症になっても、生まれてきた根源を、忘れないわけか。
なんか悲しいような、感心するような‥、色々な感情が入り混じった出来事だった。
スタッフに散々からかわれた父だったのだが、
からかわれているという意味も、全然分かっていない。
とにかく結婚を申し込んで、喜んでいるだけだった。(-"-)
無邪気に喜んでいる父に私も便乗して、
「指輪が欲しいわ~」とか、「式場を何処にしようかしら?」とか、
話しを合わせて、父の気持ちをよくして話しを進ませる。
父が、自分の言った言葉の意味を理解する日は、
もう永遠に来ることは無いと思うと、悲しいなぁ~と思いつつも、
これも後々良い思い出になるだろうと思った。
認知症は、家族にとって非常に迷惑な病気なのだが、
当の本人にとっては、ある一面だけ取り上げると、
面倒の無い病気なのかもしれない。