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征野三朗さん
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犬に紛れたオオカミ
あるとき、ネクタイを着けない理由を訊かれたことがある。当時は、5番街を裸で歩くに等しい行為だった。「ひとつは傲慢さ、ひとつは美学。ひとつは利便性」というのが私のお決まりの答えだった。儲けが出ているあいだは、トレーダーは上司に好きなだけたわごとを並べられた。上司はそいつがいなくなると困るし、自分の仕事を失うのが怖かったので、そのたわごとを飲みこむしかなかった。
リスク・テイカーは社会的に予測のつかない人間だ。自由はリスク・テイクと絡みあっている。リスクを冒すと、歴史を作っている気分になる。リスク・テイカーがリスクを冒すのは、それが野生動物の本能だからなのだ。
私のトレーダー時代、人前で悪態をつくのは、ギャングの構成員か、さもなくば自分が奴隷でないことを顕示したい人々だけだった。その点、トレーダーは船乗りと同じように悪態をつきまくった。そして、私は書物のなかや家庭生活を除いて、あえて汚い言葉を使う習慣を貫いている。
ツイッターなどのソーシャル・ネットワークで汚い言葉を使う人々は、自分が自由の身であり、逆説的にも有能であるという高コストなシグナルを送っている。リスクを冒さないかぎり、自分が有能だというシグナルは発せられない。
つまり、モスクワのオリガルヒが特別なイベントに青いジーンズを穿いていって権力を顕示するように、現代の悪態は一種のステータスシンボルなのだ。
イギリスの”礼儀作法”は、人々を飼い慣らし、規則や社会規範を破ることへの恐怖を植えつける手段として、中流階級に課せられたものなのだ。


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