かみかくし日記
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東京都知事選があって、高円寺でもデモがあって、桜は満開で…。そんな日曜に千秋楽を迎えました。エムズクルーPLUS公演『永遠の焼きうどん』『死神』。地震から一ヶ月、本当にいろいろな状況に翻弄されながら、なんとか楽日まで漕ぎ着けました。なんとかっていう言い方は役者の皆さんには失礼かもしれません。今回の出演者の皆さんには、本当に尊敬と感謝の念で深々と頭を下げる思いです。地震以来、「わたしたちにできることをします」的なフレーズがやたらにメディアで流れましたが、今回の役者さんたちは本当に「やった」んですよね。そうやすやすとできることではないことを「やった」ことが、それだけで見る人・関る人を感動させ、元気づけ、さらに「奉仕」という言葉にも通じるような神々しさすら感じる芝居だったのですよね。今回わたしは見ているだけだったけれど、本当に面白かった。「こんな時にこのお芝居を観れてよかった!」とわざわざ言って帰ってくださるお客さまもいたし、「中止にならなくてよかった。今これが見れてよかった」とtwitterでつぶやいて下さった方もいらっしゃいました。「エムズクルーに外れなし!」と声を合わせて言ってくださった方々にも本当に勇気をいただきました。わたしは地震以来ずっとダメなんですよね。延期になった公演の稽古や、自宅待機という実質的な失業状態もあるし、体調がまったくよくならないという拠りどころのない心持ちの状態が続いているのですが、「欲しいものがないならつくるしかない」みたいなことでもいいんじゃないか、自分の座っていた椅子に、他人が座っているのを初めて客観的にみることができたようで、新劇だの、大劇場へのコンプレックスがすごく楽になったような気がしました。今回は役者さんたちがすごく良かったんですよね。もちろん初めて主宰以外の作家が書いた作品も、関る人が思いがけず夢中になってしまうという魅力的な作品で、演出が(このコンビは年季入っているのですが)また相乗効果で、3人で演じる一人芝居という形が、個性を浮き上がらせる効果を上げていました。役者さんが自分で空気を受けて、空気を変える瞬間を何度も目撃できたし、歌や踊りばかりじゃなくて、ちゃんと演劇にだって何かができることを目の当たりにできたことが、本当に今回感動したことでした。三日間で終わらせるには本当に惜しい芝居でした。この活動が続けられるよう頑張ってみます。
2011.04.10
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