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「まぼろし」(原題:Sous le sable)は、2000年公開のフランスのドラマ映画です。フランソワ・オゾン監督、マリー シャーロット・ランプリングら出演で、夫の行方を捜す中年女性の内面に迫り、複雑で繊細な心の変遷を透明感あふれる映像で描き出しています。 「まぼろし」のDVD(楽天市場)監督:フランソワ・オゾン脚本:フランソワ・オゾン/エマニュエル・ベルンエイム マリナ・ドゥ・ヴァン/マルシア・ロマーノ出演:シャーロット・ランプリング(マリー) ブリュノ・クレメール(ジャン) ジャック・ノロ(ヴァンサン) アレクサンドラ・スチュワルト(アマンダ) ピエール・ヴェルニエ(ジェラール) アンドレ・タンジー(スザンヌ) ほか【あらすじ】パリで幸せに暮らす、連れ添って25年の50代の熟年夫婦のマリー(シャーロット・ランプリング)とジャン(ブリュノ・クレメール)は、例年のように南フランスのランド地方にヴァカンスに出掛けますが、マリーが浜辺で昼寝している間に、ジャンが忽然と消えてしまいます。ヘリコプターを使って捜索するも、ジャンを発見することはできず、マリーは大学で英語を教えるパリでの生活に戻ります。大きなショックを受けたマリーは、パリに戻ってもジャンの幻影を作り出し、あたかも彼がいるかのように話しては、ジャンとの日常生活が続いているように暮らします。心配した親友の英国人のアマンダ(アレクサンドラ・スチュワルト)は出版社を経営するヴァンサン(ジャック・ノロ)を紹介、2人は仲良くなり、関係を続けますが、夫の幻影と暮らすマリーには不倫関係のようでもあり、違和感がありました。そんなある日、ジャンと似ている死体が上がったので確認に来てほしいと警察から連絡があり、マリーはジャンの母のスザンヌ(アンドレ・タンジー)に相談に行きます・・・。長年連れ添った夫が夏の砂浜で行方不明になるフランソワ・オゾン監督の「まぼろし」は哀しくも情感溢れる作品で、夫の喪失を受け入れることができない、50代の女性の微妙で複雑な葛藤を、シャーロット・ランプリングが見事に演じています。フランソワ・オゾン監督は、子供の頃に見た事件に触発され、この映画を製作しました。彼が9歳か、10歳の頃、両親とともにランド地方で休暇を過ごしており、毎日、浜辺で60代のオランダ人のカップルとすれ違っていました。ある日、その男性が泳ぎに行ったまま戻って来ず、海上にはヘリコプーターが飛び、浜辺では女性がライフガードに懇願していました。フランソワ・オゾンとその兄弟はショックを受け、誰も泳ぎに行かず、休暇の終わりは悲惨なものになりました。その後もひとり残された女性の姿が彼の頭から離れず、どうなったんだろうと、彼はずっと思い続けていました。この映画はそうした記憶のバリエーションであり、死体がないのにどう悲しむのかが、中心テーマになっています。彼はエンディングを決めないまま撮影を開始し、撮影地や俳優や編集を見ながら物語の後半を想像したら面白いだろうと考えました。この映画は、予算不足の為、途中で6ヶ月間、撮影を休止せざるを得ませんでしたが、夏と冬のシーンが逆に効果を生み出しています。50代の女性を描いた映画は意外に少なく、ぱっと思い出せるのは58歳の女性を描いた「グロリアの青春」(2013年)くらいですが、主人公にシャーロット・ランプリングを起用した理由について、年相応に見えながら美しい女性は彼女以外にはほとんどいないかったと、フランソワ・オゾン監督は語っっています。「マリーを見ている人が恋に落ちるような美しい女性にしたかったんだ。技巧を凝らしたメイクをせず、フィルターも使わず、しわの美しさを撮りたかったんだ、最初からそう思っていたんだよ。」(フランソワ・オゾン監督)あたかも夫が健在なように振る舞うマリーを周囲の人は気遣いますが、これはあながち異常なことではありません。喪う悲しみに耐えられず、失うことを受け入れることができないのです。行方不明で死体も上がっていないとすればなおさらのことですが、喪う悲しみに耐えられないという意味では夫の生死に関わらない話でしょう。この映画のテーマは喪失です。映画の終盤に、夫が行方不明になった海岸でマリーは泣きながら砂をまさぐります。それは、あたかも失われたものを再び感じようとしている様でもあります。喪失とは愛する実体を実感できなくなる、深い悲しみです。原題の「Sous le sable」は「砂の下」の意味ですが、実感を求めて砂をまさぐる彼女にとって、夫のいない砂の上の現実世界は「まぼろし」なのかもしれません。シャーロット・ランプリング(マリー)ブリュノ・クレメール(左、ジャン)ジャック・ノロ(左、ヴァンサン)アレクサンドラ・スチュワルト(アマンダ)撮影地(グーグルマップ)ジャンが行方不明になったコート・アルジャンの砂浜マリーが助けを求めた救護所フランソワ・オゾン監督作品のDVD(楽天市場)「海をみる」(1998年) 「まぼろし」(2000年) 「8人の女たち 」(2002年) 「スイミング・プール」(2003年) 「しあわせの雨傘」(2010年) 「危険なプロット」(2012年)「彼は秘密の女ともだち」(2014年)さて、本日のランキング商品ピックアップは、洋酒ワインお酒大型専門店 河内屋さんの、 【本格麦焼酎】 ゴジラボトル (陶器詰) 破懐王 720ml 25度 シリアル番号入映画「シン・ゴジラ」が大ヒットしていますが、グッドタイミングですね。ちなみにボトルは火を吹かないそうです(笑)
2016年07月31日
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「トレインスポッティング」(原題:Trainspotting)は、1996年公開のイギリスの映画です。アーヴィン・ウェルシュの同名小説を原作に、ダニー・ボイル監督、ユアン・マクレガーらの出演で、スコットランドを舞台にヘロイン中毒の若者達の日常を斬新な映像感覚で生々しく描いています。 「トレインスポッティング」のDVD(楽天市場)監督 ダニー・ボイル脚本 ジョン・ホッジ原作 アーヴィン・ウェルシュ出演:ユアン・マクレガー(マーク・レントン) ユエン・ブレムナー(スパッド) ジョニー・リー・ミラー(シック・ボーイ) ケヴィン・マクキッド(トミー) ロバート・カーライル(ベグビー) ケリー・マクドナルド(ダイアン) ピーター・マラン(スワニー) ジェームズ・コスモ(レントンの父) アイリーン・ニコラス(レントンの母) シャーリー・ヘンダーソン(ゲイル) アーヴィン・ウェルシュ(マイキー・フォレスター) ほか【あらすじ】平凡な生き方よりも「誠実で真実あふれる麻薬の習慣」を選んだ麻薬常習者の青年マーク・レントン(ユアン・マクレガー)は、何度目かの麻薬断ちを決めます。レントンに嫌がらせをするために、仲間のシック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)も麻薬を止めますが。麻薬よりも健全な性欲を満たすべく、レントンたちはディスコに行きます。そこで彼はダイアン(ケリー・マクドナルド)という美女に魅かれて彼女の家でセックスしますが、翌朝、彼はダイアンが実は高校生だと知ります。レントンたちは再び麻薬を始め、それまで麻薬はやらなかったトミー(ケヴィン・マクキッド)も、恋人に振られた腹いせに麻薬を打ってくれと言います。皆が麻薬に耽っている間に仲間のアリソン(スーザン・ヴィドラー)の赤ん坊が死に、実はその赤ん坊の父親だったシック・ボーイは泣き、皆は慰めにさらに麻薬を打ちます。レントンとスパッド(イーウィン・ブレムナー)が万引きで捕まり、スパッドは刑務所行きが決まります。執行猶予になったレントンは本気で麻薬をやめようとし、禁断症状で地獄の苦しみを味わいます。トミーは注射針からエイズに感染します。麻薬を止めたレントンはロンドンに出て不動産屋に就職、真っ当な生活を目指します・・・。スコットランドのエディンバラの麻薬常習者を、荒っぽく、時に面白可笑しく、時におどろおどろしく描いた「トレインスポッティング」は、巧みなプロットと演出にぐいぐい引き込まれるうちに、いつのまにか麻薬依存の恐ろしさが刷り込まれるという、見事なエンタメ作品です。オープニングが秀逸です。イギー・ポップの「ラスト・フォー・ライフ」*3の軽快なリズムに乗って、警備員に追われる主人公のレントンとスパッドが、エディンバラのメインストリートを全力で駆け抜け、有名なレントンのモノローグ「人生に何を望む?・・・」がか被さります。ドラッグを吸うレントンに続いて、夜間にサッカーに興じる友人たちが映し出され、友人たちが紹介されます。もの凄い掴みに、期待が高まります。本作を麻薬を賞賛する映画と勘違いする人もいますが、猛烈な掴みに続いて右に左にと振れる登場人物の極端な反応を面白可笑しく追いかけているうちに、いつの間にか、・止めようとしても止められらない・朦朧としているうちに子供が死んでしまう・注射針からエイズに感染する・職を失い、犯罪に手を染めるなどなど、麻薬常習者の典型的な転落の道を映し出している事に気がつくという仕掛けになっています。タイトルとなっている「トレインスポッティング」は、イギリス発祥の趣味で、悪天候も意に介せずに線路の傍で列車を観察、番号などを記録するものですが、映画にはレントンの部屋の壁紙が列車の模様である以外、それを匂わせるものは出てきません。原作者のアーヴィン・ウェルシュによると、彼が育ったエディンバラでは、ホームレスや麻薬常習者が廃止になったかつての駅に頻繁に出入りし、麻薬を打つ為に廃駅に行くことには「トレインスポッティングに行く」と言っていたそうです。また、ダニー・ボイル監督は、次のように語っています。Through the late '80s in Britain, it (trainspotting) began to mean anybody who was obsessive about something trivial, and part of that is drugs. It's a very male thing. Women, they know better. It was a way in which men would conquer an area of life by just knowing everything about all the Sean Connery films.(英国の80年代後半から、「トレインスポッティング」は些細な事に心を奪われることを意味するようになりました。麻薬もそうしたことのひとつです。男性に顕著な傾向で、女性はそれほどでもありません。それはショーン・コネリーの映画のすべてを知ることにより、人生のある部分を自分のものにするようなことでした。)(ダニー・ボイル監督)原作者のアーヴィン・ウェルシュは、スコットランドのエディンバラ出身のイギリスを代表する小説家です。1993年に出版された「トレインスポッティング」でブッカー賞に選出され、その後、短編集「アシッドハウス」と第2長編「マラボゥストーク」、短編集「エクスタシー」が刊行され、ケミカル・ジェネレーションの騎手と称さています。 2002年出版の小説 「ポルノ」を原作に、「トレインスポッティング」のダニー・ボイル監督、オリジナルキャストとスタッフが再結集し、「トレインスポッティング」の20年後を描く続編映画「ポルノ」(仮題)が2017年に公開される予定です。ダニー・ボイルは、イギリスの映画監督・映画プロデューサーで、大学卒業後、演出家としてキャリアを始め、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでも5つの作品を手掛けています。1994年に映画監督デビュー、1996年に2作目の「トレインスポッティング」が大ヒットし、翌1997年に「普通じゃない」でハリウッドに進出します。2002年、当時無名だった俳優のキリアン・マーフィーを主演に抜擢した低予算SFホラー映画「28日後...」が世界的にヒット、2008年公開の「スラムドッグ$ミリオネア」ではアカデミー監督賞を始めとする多数の映画賞を受賞します。2012年ロンドンオリンピック開会式の芸術監督に選ばれ、式典を演出しています。ユアン・マクレガー(マーク・レントン)ユアン・マクレガーは二ヶ月かけて減量、丸刈りにして撮影に臨みましたが、本作は当時まだ無名だった彼の出世作となりました。彼はスコットランド出身で、俳優を志し高校を退学、劇場でスタッフ兼エキストラとして働きながら、初舞台を踏みます。その後、演劇学校の公演でエージェントにスカウトされ、1992年にテレビドラマに本格的にデビュー、1994年にダニー・ボイルの初監督映画「シャロウ・グレイブ」に出演します。1999年に「スター・ウォーズ」新三部作のオビ=ワン・ケノービ役に抜擢されています。ケリー・マクドナルド(ダイアン)本作が映画デビュー作となるケリー・マクドナルドは、スコットランド・グラスゴー出身のイギスリの女優です。本作が映画デビュー作となる彼女は、撮影が行われたグラスゴーの地元で行われたオーディションに応募、華やかな応募者たちの中で女子高生のように清楚に見えた彼女が、女優未経験者を求めていたダニー・ボイル監督の目に止まり、ダイアン役として採用されました。撮影時、19歳だった彼女も、その後、堅実に女優としてのキャリアを積み、「エリザベス」(1998年)、「ゴスフォード・パーク」(2001年)、「ネバーランド」(2004年)、「名犬ラッシー」(2005年)、「ノーカントリー」(2007年)、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(2011年)などで、独特の存在感を放っています。ロバート・カーライル(ベグビー)ベグビー役を演じたロバート・カーライルは、スコットランド・グラスゴー出身のイギスリの俳優です。21歳の時に俳優を志すようになり、演劇を学んで、1991年に4人の仲間と共に劇団を立ち上げ、1994年の映画「司祭」 では、ゲイである神父の恋人という難しい役を演じています。本作や1997年の「フェイス」や「フル・モンティ」等が世界中でヒットしたことにより、国際的に注目されるようになり、1999年にりエリザベス女王より大英帝国勲章を授与されています。彼は、「ベグビーはゲイであることを隠しており、彼の暴力はバレることの恐怖から来ている」と解釈して演じており、原作者のアーヴィン・ウェルシュも映画版の彼の解釈に同意しています。ユエン・ブレムナー(スパッド)スパッドを演じるユエン・ブレムナーは、スコットランドのエディンバラ出身のイギリスの俳優です。舞台版「トレインスポッティング」では主人公のレントンを演じており、映画版でも当初はレントンを演じる予定だったと言われています。「ネイキッド」(1993年)、「ブラックホーク・ダウン」(2001年)、「マッチポイント」(2005年)、「MI5: 消された機密ファイル」(2011年)、「スノーピアサー」(2013年)などで、個性的な脇役として活躍しています。 ジョニー・リー・ミラー(右、シック・ボーイ)ジョニー・リー・ミラー はイギリスの俳優で、そのキャリアとショーン・コネリーの話し方の真似が上手いことから、シック・ボーイ役に起用されました。彼は若い頃から演技を学び、17歳の時に高校を中退、俳優業に専念しています。アフターグロウ(1997年)、「マンスフィールド・パーク」(1999年)、「エンドゲーム ~アパルトヘイト撤廃への攻防~」(2009年)などに出演しています。オープニング・シーン〜「トレインスポッティング」(YouTube)撮影地(グーグルマップ)冒頭、レントンとスパッドが走って逃げる通り(Princes St, Edinburgh, Scotland)冒頭、レントンとスパッドが駆け降りる階段(Calton Rd, Edinburgh, Scotland)冒頭、レントンが車にぶるかる場所(Calton Rd, Edinburgh, Scotland)レントンらがサッカーをする場所(The Firhill Complex, Charing Cross, Glasgow)レントンとシック・ボーイがエアガンを撃つ公園(Rouken Glen Park)ベグミーが二階からジョッキを投げたパブ(Crosslands, Glasgow, Scotland)レントンらがでかけた山間地(Corrour Station, Scotland)ダイアンが通う学校(Jordanhill School, Glasgow, Scotland)レントンが麻薬の過剰摂取で運び込まれた病院(Glasgow Royal Infirmary)レントンらが麻薬取引をしたホテル(Royal Eagle Hotel, London)「トレインスポッティング」のサウンドトラック(楽天市場) Soundtrack / Trainspotting (輸入盤CD) 「トレインスポッティング」の原作本(楽天市場) アーヴィン・ウェルシュ著「トレインスポッティング」 (1993年) 「トレインスポッティング」の続編の原作本(楽天市場) アーヴィン・ウェルシュ著「ポルノ」 (2002年) ダニー・ボイル監督作品のDVD(楽天市場) 「28日後... 」(2002年) 「ミリオンズ」(2004年) 「スラムドッグ$ミリオネア」(2008年) 「127時間」(2010年)「スティーブ・ジョブズ」(2015年)ユアン・マクレガー出演作品のDVD(楽天市場) 「Emma エマ」(1996年) 「ゴーストライター」(2010年) 「人生はビギナーズ」(2010年) 「エージェント・マロリー」(2012年) 「インポッシブル」(2012年)ケリー・マクドナルド出演作品のDVD(楽天市場) 「エリザベス」(1998年) 「ゴスフォード・パーク」(2001年) 「ネバーランド」(2004年) 「名犬ラッシー」(2005年) 「ノーカントリー」(2007年) 「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(2011年)
2016年07月24日
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「ナッシュビル」(原題:Nashville)は、1975年公開のアメリカのブラック・コメディ映画です。ロバート・アルトマン監督、24人のメインキャストらで、アメリカで最も保守的な町と言われ、カントリー&ウエスタンのメッカとして有名なテネシー州の州都ナッシュビルに集まった24人の登場人物たちが、5日間に織り成す人間模様を通してアメリカの素顔を描いています。「ナッシュビル」はアルトマンの最高傑作の一つとして知られ、数々の賞を受賞するとともに、またアメリカ国立フィルム登録簿に登録されている作品です。 「ナッシュビル」のDVD(楽天市場)監督:ロバート・アルトマン脚本:ジョーン・テュークスベリー出演:ディヴィッド・アーキン(ノーマン、自意識過剰の運転手) バーバラ・バクスレー (レディ・パール、ヘヴン・ハミルトンのパートナー、カトリック) ネッド・ビーティ(デルバート・デル・リース、ヘヴン・ハミルトンの弁護士) カレン・ブラック(コニー・ホワイト、カントリー歌手、バーバラ・ジーンのライバル) ロニー・ブレイクリー(バーバラ・ジーン、情緒的なカントリー歌手、ナッシュビルの象徴) ティモシー・ブラウン(トミー・ブラウン、グランド・オール・オープリーで歌う黒人歌手) キース・キャラダイン(トム・フランク、ビル・マリー&トムのメンバー、プレイボーイ) ジェラルディン・チャップリン(オパール、BBCのラジオ・リポーターを自称する追っかけ) ロバート・ドクィ(ウェイド・クーリー、空港レストランの料理人、スーリーンの用心棒) シェリー・デュヴァル(マーサ、ミスター・グリーンの姪、見舞いの名目でナッシュビルへ) アレン・ガーフィールド(バーネット、バーバラ・ジーンの夫、マネージャー) ヘンリー・ギブソン(ヘヴン・ハミルトン、有名カントリー歌手、政界へ熱意を持つ) スコット・グレン(グレン・ケリー、バーバラ・ジーンの舞台を観に来たベトナム帰還兵) ジェフ・ゴールドブラム(無口なライダー、改造三輪バイクでどこへでも乗りつける) バーバラ・ハリス(ウィニフレッド、シンガー・ソングライターを目指し夫から逃げてる) デヴィッド・ヘイワード(ケニー・フレイザー、単独で来た、ミスター・グリーンに間借) マイケル・マーフィー(ジョン・トリプレット、ウォーカーの選挙キャンペーン主催者) アラン・ニコルズ(ビル、ビル・マリー&トムのメンバー、マリーの夫、結婚は試練に直面) デイヴ・ピール(バド・ハミルトン、ヘヴンの息子、ハーバード卒、父の片腕、優しい) クリスティナ・レインズ(マリー、ビル・マリー&トムのメンバー、ビルの妻、トムを愛す) バート・レムゼン( スター、逃げた妻のウィニフレッドをひたすら追いかける) リリー・トムリン(リネア・リース、デルバートの妻、ゴスペル歌手、二人の障害児の母) グウェン・ウェルズ(スーリーン・ゲイ、空港のレストランのウェイトレス、歌手を目指す) キーナン・ウィン(ミスター・グリーン、マーサの叔父、姪に入院中の妻を見舞って欲しい) ほか【あらすじ】物語はハル・フィリップ・ウォーカー候補の大統領予備選挙のキャンペーンまでの5日間を描いています。〜1日目〜国民の側に立った政治を目指すという大統領候補ハル・フィリップ・ウォーカーの声を大音量で流すキャンペーン・カーが、ムシ暑い初夏のナッシュビルを走り回る所から始まります。一流カントリー歌手のヘヴン・ハミルトン(ヘンリー・ギブソン)は、アメリカ建国200周年に向け愛国心を歌う曲を収録している最中に、スタジオのピアノ奏者のフロッグ(リチャード・バスキン)に対してのイライラが募ります。オパール(ジェラルディン・チャップリン)という英国人女性がスタジオに現れ、BBCのドキュメンタリーを作ると主張しますが、ヘヴンに追い出されます。連れて行かれた別のスタジオでは、白人ゴスペル歌手のリネア・リース(リリー・トムリン)が黒人コーラスたちと収録しています。売れっ子カントリー歌手のバーバラ・ジーン(ロニー・ブレイクリー)が火傷の治療後ナッシュビルに戻り、ヘヴン・ハミルトンや彼のパートナーのレディ・パール(バーバラ・バクスレー)など、ナッシュビル音楽界の精鋭たちが彼女を迎えるため空港に集まります。米軍兵のグレン・ケリー(スコット・グレン)や、アルバムのレコーディング中の人気フォーク・トリオのビル・マリー&トムらも空港にやって来ます。ビル(アラン・ニコルズ)とマリー(クリスティナ・レインズ)はあまり夫婦仲が良くありません。マリーはプレイボーイのトム(キース・キャラダイン)を愛しています。ミスター・グリーン(キーナン・ウィン)の妻エスターは入院中で、表向き見舞いに来たとする10代のミーハーな姪、L・A・ジョーンと名を変えたマーサ(シェリー・デュヴァル)を迎えに空港にやって来ます。しかしマーサは男性ミュージシャンを追いかけるのに忙しく、見舞いを何度も先延ばしにします。アフリカ系アメリカ人の料理人ウェイド・クーリー(ロバート・ドクィ)とカントリー歌手を目指すも芽が出ないウェイトレスのスーリーン・ゲイ(グウェン・ウェルズ)は空港のレストランで働いています。駐機場で群集に迎えられた後、バーバラ・ジーンは暑さにより倒れてしまい、短気な夫でありマネージャーのバーネット(アレン・ガーフィールド)と側近たちは彼女を大学病院へ連れて行きます。来場者は飛行場を後にし、ハイウェイで玉突き事故の渋滞に遭います。騒動の最中、カントリー歌手を目指すウィニフレッド(バーバラ・ハリス)は、グランド・オール・オープリーに行くことを許さない夫スター(バート・レムゼン)から逃げています。スターは、バイオリンのケースを持ってナッシュビルに着いたばかりのケニー・フレイザー(デヴィッド・ヘイワード)を乗せています。オパールはこの交通渋滞を利用してリネアと、オープリーで演奏するアフリカ系アメリカ人カントリー歌手のトミー・ブラウン(ティモシー・ブラウン)にインタビューを行います。トミーと仲間たちはレディ・パールのクラブへ行きますが、酔っ払って白人女性をナンパしようとしたウェイドがトミーを「白すぎる」と侮辱し、喧嘩になります。リネアの夫デル・リース(ネッド・ビーティ)は政治イベントを主催するジョン・トリプレット(マイケル・マーフィー)と仕事をしており、ウォーカーのキャンペーンのための資金集めと大きな野外コンサートを計画しています。歌唱力不足のスーリーンは露出の多い衣装で地元のクラブのアマチュア・ナイトに出演し、クラブのマネージャーのトラウト(メアル・キルゴア)は資金集めイベント出演者としてにトリプレットに彼女を薦めます。ウィニフレッドはトラウトのクラブでデモ・テープ作りのため演奏者を探しますが、スターに見つかり逃げます。デルはトリプレットをリネアと耳の聞こえない2人の子供の家族の夕食に招待します。リネアとデルはコミュニケーションに問題があり、彼女は夫よりも子供のことが気になっています。トムはリネアにデートの誘いの電話をしますが、断られた為、代わりにオパールを呼びます。米軍兵のケリーはバーバラ・ジーンの病室に忍び込み、椅子に座って一夜を過ごします。〜2日目〜トムはリネアに再度電話しますが、デルが子機で聞いているため、リネアは二度と電話しないようにトムに叫びます。ケニーはミスター・グリーンから間借りします。ヘヴン・ハミルトンは午後のグランド・オール・オープリー出演の前に自宅でパーティをします。パーティでトリプレットはヘヴンに、ウォーカーが当選したらヘヴンを州知事にすると言ってコンサート出演を要請します。ヘヴンはオープリー出演後に決めると答えます。その後、トミー・ブラウン、ヘヴン、コニー・ホワイト(カレン・ブラック)らがオープリーで歌います。コニーは入院したバーバラ・ジーンの代役です。ウィニフレッドは舞台裏に潜入しようとするが入れません。病院ではバーネットがバーバラ・ジーンの代役をしてくれたコニーに感謝の意を伝えるため打ち上げに参加すると言って、バーバラ・ジーンとバーネットが口論になります。バーバラ・ジーンは彼に行ってほしくありませんでしたが、彼は彼女の過去のことなどを持ち出して非難します。バーネットはバーバラ・ジーンを打ち負かして出て行きますが、コニーは彼に会ってもいい顔をしません。ヘヴンはトリプレットにバーバラ・ジーンとコニーは同じ舞台に立たないこと、バーバラ・ジーンが立つ舞台になら自分はどこにでも立つということを告げます。ビルは妻のマリーが現れないことにがっかりします。マリーはトムと寝ています。〜3日目〜日曜朝、登場人物たちは礼拝に訪れる。病院の教会ではミスター・グリーン、米軍兵のケリー、その他の人々が見守る中、バーバラ・ジーンが車椅子に乗ったまま賛美歌を歌います。ミスター・グリーンはケリーに第二次世界大戦で亡くなった息子の話をします。オパールは広大なスクラップ場で詩的なレポートを録音します。ヘヴン、トミー・ブラウン、彼らの家族はカーレースを観に行きます。ウィニフレッドは小さな舞台で歌いますが、車の騒音により誰にも聴こえません。ビルとマリーはホテルの室内で口論となりますが、トリプレットがウォーカーのコンサートに出演依頼しに来た為、中断します。トムは運転手のノーマン(ディヴィッド・アーキン)にギターを弾かせます。〜4日目〜オパールは広大なスクール・バスの駐車場でさらにおかしな観察記を録音します。退院するバーバラ・ジーンは、病気の妻の見舞いに来たミスター・グリーンに出会い、彼の妻の様子を訊ね、よろしく伝えるように言います。バーバラ・ジーンと側近が去った直後、看護士がミスター・グリーンに彼の妻が早朝亡くなったことを伝えます。ミスター・グリーンの家ではケニーのヴァイオリンを触ろうとしたマーサが、ケニーは怒られます。バーバラ・ジーンがオープリーランドで歌います。トリプレットとデルはバーネットに翌日のパルテノン神殿でのウォーカーのイベント・コンサートにバーバラに出演するよう説得してくれとバーネットに頼みますが、彼は断ります。バーバラ・ジーンは最初の2曲を歌いますが、次の曲になると彼女の子供時代のとりとめのない話をし始め、まともに歌えません。バーネットは彼女を舞台裏に連れ帰り、がっかりしている観衆に向けて、翌日のパルテノン神殿でのウォーカーの無料イベント・コンサートにバーバラ・ジーンが出ると言ってしまいます。トムはリネアに電話し、夜に出演するクラブに招待します。リネアが到着すると、マーサがトムを誘惑している様子だったのでリネアは一人で後方の席に座ります。マリーとビルも館内におり、オパールがいかにしてトムと寝ることになったのかを話始めたため、マリーはがっかりします。ウェイドがリネアを、ノーマンがオパールを誘惑しようとしますがうまくいかない。トムが「I'm Easy」を歌い、感動したリネアは彼の部屋で愛し合います。リネアが帰る為に着替え始めると、トムは他の女性に電話をしてロマンティックな会話を始めます。出席者が全員男性のウォーカーの資金集めパーティにスーリーンが出演しますが、歌が下手な上に服を脱がないことにブーイングが起きます。デルとトリプレットは彼らがストリップを期待していること、もし実行すれば翌日パルテノン神殿でバーバラ・ジーンと共に歌わせると言って説得します。スーリーンはいやいやながらもストリップをやります。資金集めパーティで歌いたかったウィンフレッドは、スーリーンの様子を見てカーテンの裏から出てきません。デルがスーリーンを車で送り、彼女に言い寄りますがウェイドが彼女を助けます。事の顛末を聞いたウェイドはスーリーンは歌えないこと、翌日共にデトロイトへ行こうと言います。バーバラ・ジーンとパルテノンで歌えると信じて疑わないスーリーンは断ります。〜5日目〜出演者、観客、そしてウォーカーとその側近がパルテノンのコンサートに到着します。顔ぶれはヘヴン、バーバラ・ジーン、リネアとコーラス隊、ビル・マリー&トム、スーリーンと、出演できる隙を伺うウィニフレッド。バーバラ・ジーンを政治に利用されたくないバーネットは、バーバラ・ジーンがウォーカーの大きな横断幕の前で歌うことに憤慨しますが、キャンセルすれば彼女のキャリアに傷がつく為、止むなく受け入れます。ミスター・グリーンとケニーはエスター・グリーンの葬式に出席します。ミスター・グリーンは、葬式に出席しなかったマーサに対し怒り、彼女を探しにパルテノン神殿に行きます・・・。カントリー&ウエスタンのメッカ、ナッシュビルを舞台に、カントリー&ウエスタン、ゴスペル、フォークなど数多くのオリジナル曲を数多くフィーチャーしながら、建国200年前夜のアメリカを鳥獣人物戯画よろしく描いた群像劇は、アメリカの未来をも予感させる、壮大な世界観のブラックコメディです。ナッシュビルは、アメリカ南部テネシー州の州都で、アメリカ人の心の故郷、カントリー&ウェスタンの聖地と言われています。1925年、ナッシュビルのラジオ局が、土曜日の夜カントリーの曲を流す番組「グランド・オール・オープリー」を始め、1943年から収録舞台をライマン公会堂に移し、公開生中継を始めました。ラジオ放送を通じてナッシュビル・サウンドは全米に広まり、ナッシュビルはカントリー&ウェスタンの音楽の代名詞となりました。さらに1960年代には、レコード会社と録音スタジオが次々とオープン、カントリー&ウェスタンをはじめ、いろいろなジャンルのレコードが生まれ、ナッシュビルは「ミュージック・シティ」と呼ばれるようになります。劇中、グランド・オール・オープリーに出演するというのは、この番組の公開収録に出演するという意味です。劇中、数多くのスターが登場しますが、これらは実在の歌手を参考にしています。 登場人物 俳優 実在の歌手 バーバラ・ジーン ロニー・ブレイクリー ロレッタ・リン ヘヴン・ハミルトン ヘンリー・ギブソン ハンク・スノウ/ロイ・エイカフ トミー・ブラウン ティモシー・ブラウン チャーレイ・プライド レイディ・パール バーバラ・バクスレイ ミニー・パール コニー・ホワイト カレン・ブラック タミー・ウィネット劇中、1時間以上が歌に費やされ、ミュージカルに近いドラマとなっています。すべての曲は生で歌われ、バックは当時のナッシュビルのミュージシャンが務めています。またリアリティを高める為、多くの俳優が劇中で歌う曲を書いています。 俳優 曲名 ヘンリー・ギブソン 200 Years、Keep A'Goin リリー・トムリン Yes I Do ロニー・ブレイクリー Down to the River、Bluebird、Tapedeck in His Tractor、Dues、 My Idaho Home デイヴ・ピール The Heart of a Gentle Woman キース・キャレダイン Honey、I'm Easy、It Don't Worry Me アラン・ニコルズ Rose's Cafe カレン・ブラック Memphis、Rolling Stone、I Don't Know If I Found It In Youロニー・ブレイクリーが多くの曲を書いていますが、実は彼女はバックコーラスと作詞、作曲に雇われていました。予定していた女優が辞退をした為、止むなく彼女を抜擢したのですが、映画初出演してアカデミー助演女優賞にノミネートされるという、シンデレラ・ガールになりました。1960年代のアメリカは、それ以前の社会的規範と保守主義に対して、またベトナム戦争や冷戦の拡大に異論を唱えるようになり、より自由な社会が生まれました。公民権運動が進展、フェミニズムや環境保護運動に加えて性の革命も拡大し、平和、愛および自由を強調したヒッピー文化が台頭しました。LSDやマリファナなどを使用する者が増え、この動きの中心になりました。当時のフォークロックなどは世代の声を音楽で代表する重要な役割を果たしました。こうしたカウンターカルチャー革命は、1969年に開催されたウッドストック・フェスティバルでピークを迎え、その後衰退していきます。カウンター・カルチャーを毛嫌いする中道アメリカ人の「沈黙する多数」の支持を受けたリチャード・ニクソンが1969年に大統領に就任しますが、現実主義者としての手腕を発揮、ベトナムからの撤退、中国との国交樹立、金本位制の停止などを行なう一方で、1974年にウォーターゲート事件(民主党本部盗聴事件)で辞任に追い込まれています。そんな混沌とした時代を背景に、映画には 1963年 J・F・ケネディ大統領暗殺 1968年 ロバート・ケネディ上院議員暗殺 1973年 オイルショックなどの話題も織り込まれています。そんな建国200年前夜のナッシュビルを舞台というだけでワクワクしますが、映画にはなんと24人ものメイン・キャラクターが登場、ロバート・アルトマン監督の十八番である群像劇の形式で、物語は進行します。ナッシュビルは保守的な土地柄ですが、映画の登場人物の中には1960年代のカウンター・カルチャーの影響を受けた人も多く、アメリカの縮図となっています。撮影期間中、俳優たちは役になりきって過ごし、ほぼ時系列に撮影された映画は、脚本をガイドに俳優たちが即興で演じています。<ネタバレ>ウォーカーのイベントはヘヴンとバーバラ・ジーンのデュエットから始まり、続いてバーバラ・ジーンのソロになります。曲が終わるとケニーはヴァイオリンのケースから銃を取り出し、ヘヴンとバーバラ・ジーンを撃ちます。近くにいた米軍兵のケリーはケニーを取り押さえます。白いドレスを鮮血に染めたバーバラ・ジーンは舞台から運び出されます。傷の手当てのため舞台から連れて行かれるヘヴンは、誰かに歌わせて観客を落ち着かせようとする為に、歌う隙をうかがっていたウィニフレッドの手に彼が持っていたマイクを渡し、ウィニフレッドはゴスペルのコーラスと共に「It Don't Worry Me」を歌います。劇中、語られるケネディ暗殺事件は、エンディングのバーバラ・ジーンへの銃撃の伏線となっています。この映画の登場人物たちは微妙に噛み合わず、すれ違い、空回りしながら、物語は進みます。影響力がある者が倒れても、また誰かがマイクを受け取り、歌を続ける様は、悪戦苦闘しながらに周り続けるアメリカを象徴しているようでもあります。パルテノン神殿で白いドレスを鮮血に染めるバーバラ・ジーンは、次世代のアメリカの為に捧げられた生贄のようでもあります。「自由がなくても、私は平気〜♪」とウィニフレッドが歌う「It Don't Worry Me」が強烈です。ステージを見る子供たちのアップが映し出され、パルテノン神殿から空に向けてカメラがゆっくりとティルトして、映画は終わります。映画「ディア・ハンター」(1978年)では、エンディングで友人達が「ゴッド・ブレス・アメリカ」を歌いますが、これはアメリカに対する痛烈な皮肉という解釈と、例え幸せがボロボロになってもアメリカを愛するという解釈のふたつがあります。ひとつだけ言えるのは、ロシアからの移民の末裔である彼らは善くも悪しくも、アメリカで生きていくしかないということです。「ナッシュビル」のエンディングで映し出される子供たちも、同様、善くも悪しくもそんなアメリカで生きていくしかないということを感じさせるエンディングです。<ネタバレ終り>ヘンリー・ギブソン(ヘヴン・ハミルトン、有名カントリー歌手、政界へ熱意を持つ)ロニー・ブレイクリー(バーバラ・ジーン、情緒的なカントリー歌手、ナッシュビルの象徴)リリー・トムリン(リネア・リース、デルバートの妻、ゴスペル歌手、二人の障害児の母)バーバラ・ハリス(ウィニフレッド、シンガー・ソングライターを目指し夫から逃げてる)キース・キャラダイン(トム・フランク、ビル・マリー&トムのメンバー、プレイボーイ)アラン・ニコルズ(右、ビル、ビル・マリー&トムのメンバー、マリーの夫、結婚は試練に直面)とクリスティナ・レインズ(左、マリー、ビル・マリー&トムのメンバー、ビルの妻、トムを愛す)カレン・ブラック(コニー・ホワイト、カントリー歌手、バーバラ・ジーンのライバル)グウェン・ウェルズ(スーリーン・ゲイ、空港のレストランのウェイトレス、歌手を目指す)アレン・ガーフィールド(左、バーネット、バーバラ・ジーンの夫、マネージャー)バーバラ・バクスレー (右、レディ・パール、ヘヴン・ハミルトンのパートナー、カトリック)デイヴ・ピール(バド・ハミルトン、ヘヴンの息子、ハーバード卒、父の片腕、優しい)ジェラルディン・チャップリン(オパール、BBCのラジオ・リポーターを自称する追っかけ)ネッド・ビーティ(右から二人目、デルバート・デル・リース、ヘヴン・ハミルトンの弁護士)デヴィッド・ヘイワード(ケニー・フレイザー、単独で来た、ミスター・グリーンに間借)スコット・グレン(左、グレン・ケリー、バーバラ・ジーンの舞台を観に来たベトナム帰還兵)キーナン・ウィン(右、ミスター・グリーン、マーサの叔父、姪に入院中の妻を見舞って欲しい)撮影地(グーグルマップ)ウォーカーの為のコンサートが行われるナッシュビルのパルテノン「ナッシュビル」のサウンドトラックCD(楽天市場) Nashville サウンドトラック 【CD】 輸入盤 ロバート・アルトマン監督作品のDVD(楽天市場) 「M★A★S★H マッシュ」(1970年) 「ナッシュビル」(1975年) 「ザ・プレイヤー」(1992年) 「ショート・カッツ」(1994年) 「クッキー・フォーチュン」(1999年) 「ゴスフォード・パーク」(2001年) 「今宵、フィッツジェラルド劇場で」(2006年)さて、本日のランキング商品ピックアップは、うなぎ屋かわすい 川口水産さんの 特大国産うなぎのお試しセット【うなぎ蒲焼き3種入り】デイリー総合ランキング、食品部門のトップです。7月30日は土用丑の日ですね。うなぎを食べて夏を乗り切りたいところです。お中元にも最適!
2016年07月18日
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「唇を閉ざせ」(原題:Ne le dis à personne)は2006年公開のフランスのサスペンス&ドラマ映画です。アメリカの作家ハーラン・コーベンの同名小説を原作に、殺されたはずの妻から届いたメールの謎を追う男を描いています。第32回セザール賞において、作品賞をはじめとする9部門でノミネートされ、そのうち監督賞(ギヨーム・カネ)、主演男優賞(フランソワ・クリュゼ)、作曲賞(マチュー・シェディッド)、編集賞(ハーヴ・デ・ルーズ)の4部門で受賞を果たした作品です。 「唇を閉ざせ」のDVD(楽天市場)監督:ギヨーム・カネ脚本:ギヨーム・カネ/フィリップ・ルフェーヴル原作:ハーラン・コーベン「唇を閉ざせ 」出演:フランソワ・クリュゼ(アレックス・ベック、小児科医) マリ=ジョゼ・クローズ(マルゴ・ベック、アレックスの妻、幼なじみ、8年前に惨殺) アンドレ・デュソリエ(ジャック・ローランタン、マルゴの父、警官を引退したばかり) クリスティン・スコット・トーマス(エレーヌ・パーキンス、アレックスの友人、姉の恋人) フランソワ・ベルレアン(エリック・レフコヴィッチ、ヴェルサイユ署の警視) ナタリー・バイ(エリザベス・フェルドマン、弁護士、エレーヌの依頼でアレックスを弁護) ジャン・ロシュフォール(ジルベール・ヌヴィル、地方議会議長。児童財団総裁) マリナ・ハンズ(アンヌ・ベック、アレックスの姉、乗馬選手) ジル・ルルーシュ(ブリュノ、アレックスに恩を感じているゴロツキ) フィリップ・ルフェーヴル(フィリップ・メナール、レフコヴィッチの部下で相棒の刑事) フローレンス・トマシン(シャルロット・ベルトー、マルゴの親友だったカメラマン) オリヴィエ・マルシャル(ベルナール・ヴァレンティ、アレックスを監視している謎の男) ギヨーム・カネ(フィリップ・ヌヴィル、ジルベールの息子、乗馬選手、8年前に殺された) ミカエラ・フィッシャー(ザック、女殺し屋) ほか【あらすじ】小児科医アレックス(フランソワ・クリューゼ)は妻マルゴ(マリー=ジョセ・クローズ)と訪れた湖畔で突然何者かに襲われ、湖に沈められます。奇跡的に助けられた彼でしたが、マルゴはその後惨殺死体で発見されます。しかし、8年後、彼は妻と自分の関係を示す「M+A」と書かれたメールを受け取ります。そこには「このことは誰にも言わないで」という一言が書かれており、リンクをクリックすると、少し歳を重ねたが元気なマルゴらしき姿が映っている動画が再生されます。妻が生きているのではないかと考えたアレックスは、彼女の死体を確認した唯一の存在である、妻の父で元警官のジャック(アンドレ・デュソリエ)に死体の状態を尋ねますが、マルゴの死を否定する可能性を得ることはできませんでした。アレックスは一人で、マルゴの居場所と殺人の裏に隠された秘密を求めて調査を開始しますが、その頃、マルゴの死体が発見された場所から新たな死体が見つかり、アレックスは警察に容疑者扱いされます。さらに真実に迫ろうとするアレックスは、彼を監視している謎の男たちに陥れられ、マルゴの親友シャルロットを殺した容疑者として警察に追われることになり、彼を監視するグループもアレックスを拉致しようとします・・・。一歩間違えば単なる血なまぐさいサスペンス映画ですが、ギヨーム・カネ監督のディレクション、甘さと切なさが漂うサウンド・トラック、内面を映し出すフランソワ・クリューゼの卓越した演技力が、物語の底に流れる甘く切なく、衝撃的で、心が傷むラブストーリーを見事に表出させています。典型的なサスペンス映画と思って見始めたのですが、甘く叙情的なサウンドトラックにじわっと惹かれていきます。筋を追う事に目を奪われていると、殺された妻を8年も思い続けている男の気持ちを思う余裕もなくなりますが、フランスの名優、フランソワ・クリューゼの演技が見る者をぐいぐいと引き込んでいきます。血なまぐさいサスペンス映画に、臆面もなく情を絡め、見事なラブストーリーに仕立て上げていくのは、フランス映画ならではでしょう。当初、原作者のハーラン・コーベンは、マイケル・アプテッドによる監督を条件に、ハリウッドに映画化権を売りに出しました。この頃、原作に惚れ込んだギヨーム・カネ監督がコーベンに電話、彼の解釈を伝えました。「原作は第一にラブストーリーで、その次にサスペンスだ」というカネの物語に対する情熱とビジョンは、ハリウッドにはないものでした。ハリウッドでの映画化が流れ、コーベンはカネに連絡し、彼にチャンスを与えることにしました。ギョーム・カネはフランスの俳優、映画監督で、1994年からテレビに出演しはじめ、アメリカ・イギリス合作映画「ザ・ビーチ」(1999年)にも出演し、英語圏の観客にも知られています。1996年から短編映画を監督、、2002年の「僕のアイドル」で長編監督デビュー、第28回セザール賞の新人監督作品賞にノミネートされています。両親が馬のブリーダーで、自身も乗馬の選手になりたかったという彼は、本作で騎手を演じています。殺された妻を8年も思い続けている男アレックスを演じるフランソワ・クリュゼは、フランスのアカデミー賞に相当するセザール賞に受賞を含めて10回もノミネートされているベテランの実力派俳優です。日本で公開されたフランス語映画歴代1位のヒット作となった「最強のふたり」(2011年)で、頸椎損傷で首から下が動かない主人公を顔の表情だけで演じたのを記憶している方も多いのではないかと思います。傑出した俳優はフランソワ・クリュゼだけではありません。殺された妻マルコを演じるマリ=ジョゼ・クローズはカナダ出身の女優で、「みなさん、さようなら」(2003年)では主人公の愛人役でカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞するほどの実力者です。「潜水服は蝶の夢を見る」(2007年)でも主人公を支える言語療法士を独特の存在感で演じて際立っていましたが、本作でも夫が8年も思い続けるに見合った妻を見事に演じています。アレックスの友人で姉のレズビアンの恋人エレーヌを演じるクリスティン・スコット・トーマスは、「フォー・ウェディング」(1994年)で英国アカデミー賞助演女優賞を受賞、「イングリッシュ・ペイシェント」(1996年)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたイギリスの大女優です。自分が出演した作品のフランス語版を自ら吹き替えることもあるほどフランス語が堪能で、2003年に大英帝国勲章を、2005年にレジオン・ドヌール勲章を受章しています。本作では、主人公を支える、レズビアンで男と女の関係ではない魅力的な女性を演じ、物語に華と優しさを添えています。その他、敏腕女性弁護士を演じるナタリー・バイや、アレックスに恩を感じているゴロツキを演じるジル・ルルーシュ、マルゴの父を演じるアンドレ・デュソリエ、刑事を演じるフランソワ・ベルレアンなど、それぞれのキャラクターをうまく出しており、フランス映画らしい彩が感じられます。フランソワ・クリュゼ(アレックス・ベック、小児科医)マリ=ジョゼ・クローズ(マルゴ・ベック、アレックスの妻、幼なじみ、8年前に惨殺された)アンドレ・デュソリエ(ジャック・ローランタン、マルゴの父、警官を引退したばかり)クリスティン・スコット・トーマス(エレーヌ・パーキンス、アレックスの友人、アンヌの恋人)フランソワ・ベルレアン(エリック・レフコヴィッチ、ヴェルサイユ署の警視)ジル・ルルーシュ(ブリュノ、アレックスに恩を感じているゴロツキ)撮影地(グーグルマップ)アレックスの勤める病院アレックスが警察に追われて渡ったパリ環状線アレックスが妻を待った公園「唇を閉ざせ」の原作本 ハーラン・コーベン著「唇を閉ざせ 」(上) ハーラン・コーベン著「唇を閉ざせ 」(下) Harlan Coben "Tell No One"【電子書籍】「唇を閉ざせ」のサウンドトラックフランソワ・クリュゼ出演作品のDVD(楽天市場) 「ラウンド・ミッドナイト」(1986年) 「最強のふたり」(2011年)マリ=ジョゼ・クローズ出演作品のDVD(楽天市場) 「みなさん、さようなら」(2003年) 「潜水服は蝶の夢を見る」(2007年)クリスティン・スコット・トーマス出演作品のDVD(楽天市場) 「フォー・ウェディング」(1994年) 「リチャード三世」(1995年) 「イングリッシュ・ペイシェント」(1997年) 「ゴスフォード・パーク」(2001年) 「ずっとあなたを愛してる」(2008年) 「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」(2009年)「危険なプロット」(2012年)
2016年07月16日
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「キューティー&ボクサー」は、2013年公開のアメリカのドキュメンタリー映画です。本作が長編映画デビューとなるザッカリー・ハインザーリングが、「ボクシング・ペインティング」で知られる現代芸術家・篠原有司男と彼の妻、乃り子の40年間にわたるニューヨークでの波乱に満ちた、極めてユニークでパーソナルな二人の結婚生活を追い、普遍的ラヴストーリーへと昇華させた作品です。 「キューティー&ボクサー」のDVD(楽天市場)監督:ザカリー・ヘインザーリング出演:篠原有司男 篠原乃り子 ほか【あらすじ】1932年に東京に生まれ、絵具を含ませたボクシング・グローブをはめ壁に貼った紙をボカスカと叩く「ボクシング・ペインティング」で知られる現代芸術家、篠原有司男、通称ギュウチャンは、80歳を超えた今も日本で初めてモヒカン刈りにした頃のスピリットそのままに、ニューヨークで創作に人生を捧げひた走っています。彼より20歳も若い妻、乃り子は、美術を学びにやってきたニューヨークで一文無しのギュウちゃんと出会い、恋に落ち、結婚、そして学業の道を捨てました。厳しい家計の中、一男をもうけ、妻であり、母であり、無報酬のアシスタント、受付、料理人であることに甘んじていた彼女は、ある時ついに自分を表現する方法を見つけました。それは、夫婦のカオスに満ちた40年の歴史を、自分の分身であるヒロイン「キューティー」に託してコミック漫画風のドローイングで綴ることでした。有司男は家族で自分だけが芸術家ではないことを受け入れ、夫婦による二人展が企画されることになりました・・・。「キューティー&ボクサー」は、決して裕福ではない芸術家同士の年の差カップルという二人の、芸術と結婚生活に双方における挑戦と豊かな精神を追った、生々しくも心温まるドキュメンタリーです。80歳を過ぎても、現役でニューヨークで制作を続ける篠原有司男さんも素晴らしいですが、一文無しの彼を支え続けた20歳も年下の妻、乃り子さんも素晴らしいです。乃り子さんも芸術を志しており、有司男さんはそれを理解し、励ましてくれる存在でした。しかしながら、生まれた子供や有司男さんの世話に忙殺されるようになり、喧嘩も絶えなかったようです。彼女が二人の経験を題材に制作を再開するようになったのは、撮影が始まってからで、それがこのドキュメンタリーに命を吹き込んでいます。家賃にも事欠く、異郷での厳しい生活を支えたものは、二人の芸術への情熱でした。「(40年間も連れ添った秘訣は)収入が少ないことよ。それが苦痛のひとつでもあるんだけど、それがつないだっていうこともあるんです。家賃を払うのにも大変だから、別れるっていうことが豊かな人たちのことだと思って、貧乏だからこそ一緒にいたんです。それに慣れてある程度のあきらめもあったんです(笑)。」(篠原乃り子)かなりカットされたようですが、それでもドキュメンタリーには乃り子さんの辛辣な言葉が散りばめられています。乃り子:あなたはわたしを無料のシェフで、秘書でメイドだと思っているんでしょう。あなたにお金があったら雇うわよね。でもお金がないからわたしと一緒にいるのよね。アメリカでは妻にこき使われる夫が少なくないのか、この映画を見て「我が家では僕がキューティだ」という男性が少なくないそうですが、妻を知り尽くした余裕でしょうか、根アカでタフな有司男さんは妻の言葉をやんわりと受け止めます。辛辣な言葉を吐きながらも、「やり直すことができたとしても、同じパートナーを選ぶ」と迷いのない乃り子さんは素晴らしいです。ニューヨーク・タイムズは彼らを「芸術の結婚か、結婚の芸術か」と表したましたが、まさにそんなことを感じさせる、生々しくも心温まるドキュメンタリーです。現代芸術家のプライバシー、それも夫婦揃ってのものは興味深いテーマですが、本作が長編映画デビューとなるザッカリー・ハインザーリング監督が、見事にその期待に答えてくれました。大学を終え、ドキュメンタリー番組の編集助手と撮影監督の仕事をしていたザッカリー・ハインザーリング監督は、プロデューサーから篠原夫妻を紹介されました。彼は、仕事を辞めることなく、ドキュメンタリー映画の勉強ができる題材を探していました。彼も篠原夫妻もブルックリンに住んでおり、撮影も篠原夫妻の場所でできそうという好条件でした。When I first met [the Shinoharas], I was just struck by the raw spirit and beauty that emanates from their faces, their lifestyle, their art, everything about them has so much purpose and character. Even if you don’t speak Japanese, even if you have no previous knowledge of their artwork or who they are, you’re immediately captivated by their presence. They live in a world that’s kind of a time warp that hearkens back to the ‘70s New York SoHo art scene that is sort of canonized in history, certainly from my point of view.(篠原夫妻に初めて会った時、彼らの顔、ライフスタイル、作品、彼らの全てが意思と性格を持っていることに感動しました。たとえ、日本語を話さなくても、彼らの作品や彼らが誰なのかを知らなくても、彼らのプレゼンスに魅了されてしまいます。彼らは歴史となってしまった1970年代のニューヨークのソーホーのアートシーンにタイムスリップしたような世界に住んでいるのです。)So much of their personalities came out of these everyday things, whether it was making art or making dinner. Everything had this real sense of purpose and character, so as a cinematographer it was a dream project. As a character study, it was a project I knew had a lot of potential, but I had to wait for things to happen, and that’s really why it took five years, the time for a story and narrative to develop and for Noriko to open up and for the truth and vulnerability and deeper layers of her character to reveal themselves in front of the camera. Because they’re artists, I felt I had more creative license to do things different in the documentary genre, and to choose a distinct style that mimicked the artists. There was this magic to them and their relationship. They’re unlike anyone I’ve ever met. Their mentality was infectious and I just wanted to be around them.(作品を作っていようが、料理を作っていようが、毎日の生活に彼らの性格が如実に出ていました。何事にも真の意味での意思と性格が表れており、撮影監督としては夢のようなプロジェクトでした。ただ、キャラクターのポテンシャルは非常に高いのですが、何かが起こるまで、待たねばなりませんでした。それが、制作に5年もかかった理由です。つまり、物語が展開し、ノリコが心を開き、真実や弱さや性格の深い部分がカメラの前に明らかになるまでです。彼らは芸術家なので、ドキュメンタリーでもより創造的にやることができると感じていました。そこで、ドキュメンタリーとは異なる芸術スタイルを選びました。)(ザッカリー・ハインザーリング監督)彼は、篠原夫妻の自宅兼仕事場にに入り浸るようになります。I just came to them so often, and I became part of their household. Noriko calls me the rice cooker; I was just always around. I would float around their house, resting that invisibility and also realizing that interviewing is not necessarily the way to reveal truth. It was more about being around situations that created conflict, and I would be there to see their reaction, and in that reaction, you find truth. Being in a position of power, Noriko obviously wears the pants in this relationship and has from day one. It became less about me interrogating them and more about their interrogating each other. You can’t predict what’s going to happen. You can bring up a topic in conversation, but it made for a rather inefficient way to make the film because you couldn’t create drama — you really have to wait for it.(私はしょっちゅう彼らの所に行っていたので、家族の世帯の一員のようなものでした。ノリコは私を飯炊きと呼んだくらいです。私はいつも彼らの周りにいました。私は彼らの家を漂い、目に見えぬことはさておき、インタビューをしなくても真実は明らかになることを知りました。力を持つ立場に位置し、ノリコは明らかに家庭の主導権を最初から握っていました。私への質問は次第に減り、彼らがお互いに質問することが増えました。何が起こるかは予測できません。話題を会話の中に持ち込むことはできますが、それはむしろ非効率的なやり方でした。それでは、ドラマは作れませんから。待たなければならないのです。(ザッカリー・ハインザーリング監督)ふたりのアーティストとしての葛藤から痴話ゲンカまで夫婦の生活が赤裸々に映し出されわけですが、この点に関して乃り子さんは次のように語っています。「当時ザック(ザッカリー・ヘインザーリング)はまだ24歳でね。子どもみたいだった。彼が入り浸るようになって、うちが孤児院になったような気がしたわね。私たちはアーティストだから、家なき子というのかな、孤児が寄り集まって3人でいるような具合だったわ。」「アーティストというのはエグジビショニストなので、とにかく見せたいんです。アーティストにとってのアートは体の表面だけではなくて心の中を見せるもの。それはヌード以上のものなんです。日常生活を撮られたって平気なんです。」(篠原乃り子)本作はオスカーの長編ドキュメンタリー部門にノミネートされましたが、まだ若いザッカリー・ハインザーリング監督が篠原夫妻に出会ったのは大きな幸運です。しかし、夫妻のキャラクタにーに魅力を見いだし、辛抱強く5年の歳月をかけて、典型的なドキュメンタリーとは一味違う作品で彼らの魅力をフルに引き出すことに成功したのは、彼の力量によるものでしょう。篠原夫妻篠原有司男「モーターサイクル」「Cutie and Bullie」を製作中の篠原乃り子篠原有司男の著作 「前衛の道」(復刻版、2006年) 「ニューヨークの次郎長 [ 篠原有司男 ]」(1985年) 「篠原有司男対談集 早く、美しく、そしてリズミカルであれ」 「篠原有司男ドローイング集 毒ガエルの復讐」篠原乃り子の著作 「ためいきの紐育 [ 篠原乃り子 ]」(1994年)芸術やアーティストを追ったドキュメンタリー映画のDVD(楽天市場) 「クラム」(1995年)・・・輸入盤、リージョン1、日本語なし「ミリキタニの猫」(2006年)「ヴィック・ムニーズ ごみアートの奇跡」(2010年) 「バスキアのすべて 」(2010年) 「ビル・カニンガム&ニューヨーク」(2011年) 「映画と恋とウディ・アレン」(2011年) 「アイ・ウェイウェイは謝らない」(2012年) 「ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ」(2012年) 「バックコーラスの歌姫たち」(2013年)「キューティー&ボクサー」(2013年) 「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」(2014年) 「フェルメールの謎 ~ティムの名画再現プロジェクト~」(2014年) 「ニーナ・シモン 魂の歌」(2015年)
2016年07月14日
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「フィッシュ・タンク」(原題:Fish Tank)は、2009年公開のイギリスのドラマ映画です。アンドレア・アーノルド監督・脚本、ケイティ・ジャーヴィス、マイケル・ファスベンダーらの出演で、好きなダンスを心のよりどころに、孤独で荒んだ生活を送る少女の青春を描いています。第62回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した作品です。 「フィッシュ・タンク」のDVD(楽天市場)監督:アンドレア・アーノルド脚本:アンドレア・アーノルド出演:ケイティ・ジャービス(ミア) マイケル・ファスベンダー(コナー) キルストン・ウェアリング(ジョアン) レベッカ・グリフィス(タイラー) ハリー・トレッダウェイ(ビリー) ほか労働者階級のアパートに住む15歳のミア(ケイティ・ジャーヴィス)を取り巻く環境は劣悪です。隣人たちは粗暴で、母親のジョアン(キルストン・ウェアリング)は昼間から酒を飲み、まだ幼い妹タイラー(レベッカ・グリフィス)は早くも口汚く罵る術を覚えています。彼女自身、やり場のないフラストレーションから、常に周囲とトラブルばかりを起こしている。唯一、自分を素直に表現できるものはダンスだけ。ある日ミアは、台所を上半身裸でうろつき回る母親の友人コナー(マイケル・ファスベンダー)と出会います。コナーはミアたちの生意気さを意に介することなく、自然と家族の中に入り込んで来ます。ミアは、初めて自分をきちんと扱ってくれる大人の男性に魅かれていきます。そんなある日、「女性ダンサー募集」の広告を目にした彼女は、コナーの応援も受けて、挑戦することを決意しますが・・・。労働者階級の荒んだ生活の中、性に目覚めた少女が逞しく生きる姿を、女性監督ならではの視点で具現化、演技経験のない少女と実力派の助演で描く「フィッシュ・タンク」は、ケン・ローチばりの社会派リアリズムの流れを汲むドラマ映画です。労働者階級に生まれ、育ったアンドレア・アーノルド監督はケン・ローチ監督のファンで、・土地の素人の俳優を起用、方言を活用する・当座演じる分の脚本を小刻みに俳優に渡す・時系列に撮影するなど、類似する点が少なくありません。意識しているわけではないが、彼女がやることの道をつけてくれたケン・ローチ監督らの影響は明らかに受けていると彼女は語っており、彼女をケン・ローチ監督の正統な後継者と評する人もいます。一貫して労働者階級に焦点を当てた作品を製作し続けたケン・ローチ監督は政治活動にも熱心ですが、女性ならではの表現がアンドレア・アーノルド監督作品の特徴です。プロットが先にありきではなく、受け入れがたい環境に強く反発する10代の怒った少女のイメージ浮かび、それを膨らましながら脚本を書いていったと彼女は語っています。彼女は、魚や馬、風船などがの象徴的なショットを効果的に使う本作は詩的でもあります。劇中、どんな動物になりたいか言い合うシーンでは、ミア: 白虎コナー:鷲ジョアン:犬タイラー:猿と答え、物語における各人の役割を暗示しているようで興味深いです。アンドレア・アーノルド監督はロンドン中心部から電車で40分弱のケント州ダートフォードで4人の子供の長女として生まれ、育ちました。彼女がまだ幼い頃、両親が離婚、女手一つで4人に子供たちを育てた母親は紛れもない労働者階級にでした。アンドレア自身は必ずしも怒った少女ではありませんでしたが、周囲にそんな少女はたくさんいたそうです。彼女は、タイトルの「フィッシュ・タンク」の意味について口を閉ざしていますが、労働者階級が住む共同住宅を魚の住む水槽に見立てたものでしょう。当初、彼女はこの映画の舞台を生まれ育ったダートフォードにするつもりでしたが、それをエセックスに変えました。I drove out from east London and loved it straight away. The madness of the A13, the steaming factories and the open spaces, the wilderness.(私はロンドン東部からドライブに出て、一目惚れしたの。気違いじみたA13号や、煙を吐く工場、そして空き地や荒れ地よ。)”It’s brutal, it’s maybe difficult, it’s got a sadness to it, that particular place where they live in the film. There used to be a lot of industry and it’s all closed down. There’s a lot of unemployment. There used to be a big Ford factory, and great huge car parks. All those car lots are empty now and the grass is growing up in the tarmac. But it’s got a wilderness, and huge, great skies. It’s a mixed thing. I don’t want to see it as grim. (荒々しいの、難しいかもしれないけど、悲しみが混じっている。映画の中で彼らはそんなところに住んでいる。昔、フォードの大きな工場があり、大きな駐車場があった。今では空っぽになって、舗装の合間から草が生えている。でも、荒々しい。そして、大きな空。混じっているのよ。不気味だとは思わないわ。)主演のケイティ・ジャーヴィスは演技経験がありませんでしたが、地元のティルベリー駅のホームで線路越しにボーイフレンドと喧嘩しているところをスカウトされました。まさにコックニー訛りで怒る少女を地で行っていたようです。助演のキルストン・ウェアリング、レベッカ・グリフィスもエセックス生まれで、コックニー訛りで話しています。一家とは頃なる中流の住宅地に住むコナーを演じるマイケル・ファスベンダーは、スコットランド訛りで話しています。ミアの母を演じたキルストン・ウェアリングは、ケン・ローチ監督の「この自由な世界で」(2007年)で主役を務め、高い評価を得ています。また、マイケル・ファスベンダーも「300 スリー・ハンドレッド」(2006年)、「ハンガー 」(2008年)が評価され、成功の階段を上り始めた時期で、ミアのフレッシュな演技を引き立ている素晴らしいパフォーマンスを見せています。怒る少女をイメージして作られた映画だけあって、ミアのダンスに合わせたラップ調の曲が多い中、「そんな冬の日は、カリフォルニアを夢見る〜♪」とボビー・ウォーマックが歌う「夢のカリフォルニア」と、「人生は厄介だ、で、結局、死んじまうんだろ〜♪」とNASが歌う「Life's a bitch」が特に効果的に使われています。ケイティ・ジャービス(ミア) マイケル・ファスベンダー(コナー) キルストン・ウェアリング(ジョアン) レベッカ・グリフィス(タイラー)母は昼から酒を飲み、ミアをケアしない駐車場で踊る近所の少女たちとも折り合いが悪い廃屋で一人踊るミアつながれた老馬を逃がそうと躍起になる足を怪我したミアはコナーに背負われうっとりするコナーはミアの踊りを認めてくれるコナーが捕えた魚スクラップ置き場での事故の痕跡の描写撮影地(グーグルマップ)ミアたちが住んでいたアパート老馬が飼われていた場所ミアが女性ダンサー募集の広告を見つけた店コナーが働いていたホームセンターコナーの家コナーが車でミアを送った駅クライマックスの舞台となるテムズ川女性ダンサーのオーディション会場サウンド・トラック一覧・ME & U(CAST)・YOUR HOUSE(STEEL PULSE)・JUICE (KNOW THE LEDGE)( ERIC B. & RAKIM)・DOWN 4 U(JA RULE)・BABY GIRL(WILEY)・SHOW ME LOVE (STONEBRIDGE CLUB MIX) (ROBIN S. )・BROADWAY JUNGLE(TOOTS & THE MAYTALS)・COOL DOWN THE PACE(GREGORY ISAACS )・CALIFORNIA DREAMIN' BOBBY WOMACK)・GET UP OFFA THAT THING(JAMES BROWN)・DON'T SWEAT THE TECHNIQUE(ERIC B. & RAKIM)・JAH RULE (WITH PAUL ST. HILAIRE)( RHYTHM & SOUND WITH PAUL ST. HILAIRE)・JUST TO GET A REP(GANG STARR)・IN THE FADING LIGHT(NEW DEVICE)・BLEEDING LOVE(CAST)・RIDE IT(JAY SEAN)・ORIGINAL NUTTAH(UK APACHI & SHY FX)・LIFE'S A BITCH(NAS Life's a Bitch)少女の性を描いた映画のDVD(楽天市場) 「マイ・サマー・オブ・ラブ、イギリス」(2004年) 「15歳のダイアリー、オーストラリア」(2004年) 「17歳の肖像、イギリス」(2009年) 「フィッシュ・タンク~ミア、15歳の物語」(2009年、イギリス) 「15歳、アルマの恋愛妄想、ノルウェイ」(2011年) 「さよなら、アドルフ、オーストラリア」(2012年) 「アデル ブルーは熱い色、フランス」(2013年)
2016年07月11日
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「MI5:消された機密ファイル」は2011年公開のイギリスのスパイ&政治サスペンス映画です。デビッド・ヘア監督、ビル・ナイ、レイチェル・ワイズらの出演で、国を揺るがす陰謀に巻き込まれたイギリス機密諜報部MI5のベテラン諜報員の運命を描いています。主人公のジョニー・ウォリッカーが活躍するBBCのテレビ映画シリーズ、ウォリッカー三部作の第1作となった作品です。 「MI5:消された機密ファイル」のDVD(楽天市場)監督:デビッド・ヘア 脚本:デビッド・ヘア出演:ビル・ナイ(ジョニー・ウォリッカー、MI5の分析官) レイチェル・ワイズ(ナンシー・ピアパン、政治活動家) マイケル・ガンボン(ベネディクト・バロン、MI5の局長) ジュディ・デイビス(ジル・タンカード、MI5執行官、首相と通じている) トム・ヒューズ(ラルフ・ウィルソン、私立探偵、ジルの息子) サスキア・リーヴス(アンシア・キャッチサイド、内務大臣) ユエン・ブレムナー (ロロ・マーヴァリー、ジャーナリスト、前MI5執行官) フェリシティ・ジョーンズ(ジュリアン・ウォリッカー、ジョニーの娘) レイフ・ファインズ(アレック・ビーズリー、首相) ホリー・エアド(アンナ・ハーヴ、内務大臣の秘書、ジョニーの昔の恋人) マルト・ケラー(レオナ・チュー、ジョニーの昔の恋人) アリス・クリーグ(エマ・バロン、ベネディクトの妻、ジョニーの元妻) ほか【あらすじ】イギリス機密諜報部MI5のベテラン諜報員ジョニー(ビル・ナイ)は、親友でもある上司ベネディクト(マイケル・ガンボン)から、ある機密ファイルを渡されます。それは、イギリス政府がある軍事作戦に秘密裏で関与していたことを示すものでした。同じ頃、ジョニーは自宅の向かいに住む美女ナンシー(レイチェル・ワイズ)と親しくなりますが、シリアの活動家の娘で弟をイスラエル軍に殺されたという彼女が彼を利用しようとしているのではないかと、不信感を抱きます。そんな中、ベネディクトが心臓発作で亡くなり、ビーズリー(レイフ・ファインズ)はジョニーにMI5を再編することを伝えます・・・。豪華キャストによるスリリングでウィットの効いた会話の中で、ビル・ナイの魅力をフルに堪能できる作品です。英語と英文学に長けたビル・ナイはジャーナリスト志望で、雑誌社で雑用係として働いた後、小説を書くためにパリに滞在するも挫折し、イギリスに戻って演劇を学びました。舞台とテレビで活動し、1981年に「針の眼」で映画デビューします。BBCテレビ・ラジオ、また舞台でも主に脇役として活躍していますが、2003年公開の「ラブ・アクチュアリー」で終わったロック・ミュージシャンを演じて、注目を浴びました。 50歳を過ぎていた彼は、「異なった視点からしか演じられない年になった」と言いますが、逆にそれが彼の魅力を引き立てたのかもしれません。ビル・ナイは、数多くの映画に出演していますが、脇役が多く、出番が限られているものが少なくありません。彼が主役を務める本作は、最初から最後まで、存分にビル・ナイの魅力が堪能できます。彼が演ずるジョニー・ウォリッカーは、・MI5のベテラン分析官。真実を求め、政治的に迎合することを良しとしない。・親友が上司で、別れた元妻が親友の妻。別れた元妻との間にできた娘を愛している。・女性に好かれるが、敵もいる。・酒とジャズと絵画を愛する。といった設定で、ジョニーの人物像が会話の中で徐々に明らかになっていきます。JONNY: I don't like faith jobs. I don't like anything to do with faith.BENEDICT: Still no faith yourself, Johnny?JONNY: The sun will rise in the morning, I'm going to have a drink at 6:00. That's my faith.ジョニー:信念をかける仕事は嫌いだ。信念と関わるもので好きなものはない。ベネディクト:未だ信念を持てないのか、ジョニー?ジョニー:朝になれば日が昇る。6時になったら酒を飲む。それが俺の信念だ。BENEDICT: He thinks he can be rude to me. He thinks he can treat me how he wants because we had a wife in common.JONNY: In my case, a long time ago.BENEDICT: All your wives are a long time ago. JONNY: Is Jill need-to-know on my wives?JILL: Everyone knows about your wives.ベネディクト:共通の妻がいるから、俺に無礼をはたらき、好きに扱っていいと彼は思っている。ジョニー:彼女が俺の妻だったのは、ずっと昔の話だ。ベネディクト:お前に妻たちがいたのは、すべて昔の話だ。ジョニー:俺の妻たちの話をジルも知る必要があるのか?ジル:あなたの妻たちのことは、皆、知っているわよ。JONNY: We were at university together. Ben was my tutor. We even went on the Vietnam marches together. He recruited me. First it was counter-espionage, then counter-terrorism. There's no difference. He still said it was dishonourable work you could do in an honourable way. ANNA: The better man?JONNY: I betrayed my wife and he married her. I never knew if he did it for her or if he did it for me. Whichever. I'm in his debt.ジョニー:大学が一緒だったんだ。ベネディクトは俺にいろいろ教えてくれた。ベトナム反戦デモにも一緒に行ったよ。今の職も彼に誘われたんだ。最初は対諜報戦、次は対テロ戦だ。同じことだよ。恥ずべき仕事だが、やり方次第で名誉ある仕事になると、彼はいつも言ったてた。アンナ:いい人ね?ジョニー:俺が妻を裏切り、彼が妻と結婚した。彼が彼女の為にそうしたのか、俺の為のそうしたのか、俺はわからなかった。いずれにせよ、彼には借りがある。ROLLO: Oh, she's kind of a fantasy neighbour, isn't she? Perfect for an old spy who's lost faith in the old values.JONNY: I haven't lost faith.ROLLO: Haven't you?JONNY: No, I still believe in them. The purpose of intelligence is to find the truth, not to confirm what we already believe.ロロ:ああ、彼女は幻のご近所さんだろ?古い価値観の中で信念を失った老スパイには、うってつけだ。ジョニー:信念は失っていない。ロロ:失ってない?ジョニー:ああ、俺はまだ信じている。諜報の目的は真実を見出すことであり、信じたいことを裏付けることではない。ANNA: They're gonna tie a tin can around your tail and run you out of the building. They don't like you, Johnny. It's personal.JONNY: Do they have a reason?ANNA: Well, the usual reason. They think you're anti-American.JONNY: I'm not.ANNA: All right, then, they just feel that you have more fun than they do.アンナ:彼らはあなたの尻尾に缶をつけて、ビルから追い出すつもりよ。彼らはあなたのことが好きじゃ無いの。個人攻撃よ。ジョニー:理由はあるのか?アンナ:よくある理由よ。彼らはあなたが反米だと思っている。ジョニー:俺は違う。アンナ:わかったわ。なら、あなたは彼らよりも楽しんでいると思われているのよ。JONNY: (SPEAKING FOREIGN LANGUAGE)LEONA: Well done. That daughter of yours, she's doing well?JONNY: Hmm.LEONA: Does she still adore you?JONNY: I think she does, she's just scared of showing it, that's all.LEONA: And you, Johnny? Still winging it on charm?JONNY: I'm late. Thank you, Leona. I've got to go.ジョニー:(あの時の香水だ)レオナ:覚えていてくれたのね。娘さんは元気?ジャニー:ああ。レオナ:まだ、あなたのことが大好き?ジョニー:そう思う、彼女はそれを出したがらないけどね。レオナ:あなたは?今も女性を惹きつけているの?ジョニー;時間がないんだ。どうもありがとう、レオナ。失礼するよ。JULIANNE: If you must know, it was a conceptual artist.JONNY: Oh. Good. Well... I'm glad conceptual artists are good for something. How long did it last?JULIANNE: It lasted a week.JONNY: A good week? Well, then, your daughter's in with a chance.JULIANNE: How do you know it's a girl?JONNY: Because I had a girl.ジュリアン:そんなに知りたいんだったら、相手は前衛芸術家よ。ジョニー:ああ、良かった。まあ、前衛芸術家も取り柄があると知って嬉しいよ。どのくらい続いたんだ。ジュリアン:一週間よ。ジョニー:いい一週間だったか?それなら、お前の娘も幸せになれる。ジュリアン:なんで娘だったわかるの?ジョニー:俺にも娘がいるから。JILL: Isn't the temptation of heroism coming a little late in your career? I've watched you work. I always admired you. I thought, "Johnny's clever. Johnny keeps out of trouble. Johnny's a lucky man, he's got a life."JONNY: Don't you have a life, Jill?JILL: It's the girl, isn't it? You're doing this for the girl. They come and go. Don't they, Johnny? They come and go.JONNY: Not this time.ジル:遅まきながら、あなたにもヒロイズムの誘惑がやってきたの?私はあなたが働くのを見てきた。いつも賞賛していたわ。「ジョニーは賢い。ジョニーはトラブルに巻き込まれない。ジョニーには、人生を楽しむ幸運な男だ」って思っていた。ジョニー:君には人生はないのか、ジル?ジル:あの女ね?あの女の為に、これをやっている。女はやがて去っていくわ、そうじゃなくて、ジョニー?やがて去っていくのよ。ジョニー:今回は違う。などなど・・・。長いので引用しませんが、圧巻は内務大臣、ベネディクト、ジョニー、ジルら、文字通り役者が揃った会議でのスリリングな会話の応酬です。首相とジョニーの緊迫したやりとりも見逃せません。ビル・ナイのファン、イギリス現代会話劇のファン必見の作品です。本作がヒットを受けて、2014年に続編「MI5: 灼熱のコンスパイラシー」と「MI5:世界を敵にしたスパイ 」がBBCで放映され、本作と併せてウォリッカー三部作と呼ばれています。ビル・ナイ(ジョニー・ウォリッカー、MI5の分析官)レイチェル・ワイズ(ナンシー・ピアパン、政治活動家)マイケル・ガンボン(ベネディクト・バロン、MI5の局長)ジュディ・デイビス(ジル・タンカード、MI5執行官、首相と通じている)トム・ヒューズ(ラルフ・ウィルソン、私立探偵、ジルの息子)サスキア・リーヴス(アンシア・キャッチサイド、内務大臣) ユエン・ブレムナー (ロロ・マーヴァリー、ジャーナリスト、前MI5執行官)フェリシティ・ジョーンズ(ジュリアン・ウォリッカー、ジョニーの娘)レイフ・ファインズ(アレック・ビーズリー、首相)ホリー・エアド(アンナ・ハーヴ、内務大臣の秘書、ジョニーの昔の恋人)マルト・ケラー(レオナ・チュー、美術商)アリス・クリーグ(エマ・バロン、ベネディクトの妻、ジョニーの元妻)撮影地(グーグルマップ)ジョニーが勤務するMI5オープニングでジョニーが渡る橋ジョニー、ナンシーが住むマンションジョニーが工作員と会うレストランジョニーが絵を売る為に訪れた店ジョニーが首相と会った同窓会の会場ウォリッカー三部作のDVD(楽天市場) 「MI5:消された機密ファイル」(2011年) 「MI5:灼熱のコンスパイラシー」(2014年) 「MI5:世界を敵にしたスパイ 」(2014年)デビッド・ヘア脚本作品のDVD(楽天市場) 「ダメージ」(1985年) 「めぐりあう時間たち」(2002年)ビル・ナイ出演作品のDVD(楽天市場) 「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004年) 「ナイロビの蜂」(2005年) 「あるスキャンダルの覚え書き」(2006年) 「ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-」(2007年) 「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」(2010年) 「パレードへようこそ」(2014年)
2016年07月09日
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「ぼくたちのムッシュ・ラザール」(Monsieur Lazhar)は、2011年公開のカナダのヒューマン・ドラマ映画です。エヴリン・ドゥ・ラ・シェネリエールの戯曲を原作に、フィリップ・ファラルドー監督・脚本、フェラグらの出演で、モントリオールのとある小学校で自殺した女性教師の代わりにやってきたアルジェリア系移民のバシール・ラザール教諭が、傷ついた子供たちと心を通わせる姿を描いています。 第84回 アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた作品です。 「ぼくたちのムッシュ・ラザール」のDVD(楽天市場)監督:フィリップ・ファラルドー脚本:フィリップ・ファラルドー原作:エヴリン・ドゥ・ラ・シェネリエール「Bashir Lazhar」出演:モハメッド・フラッグ(バシール・ラザール) ソフィー・ネリッセ(アリス) エミリアン・ネロン(シモン) ブリジット・プパール(クレール) ダニエル・プルール(ヴィアンクール校長) エヴリン・ドゥ・ラ・シェネリエール(アリスの母) ほか【あらすじ】モントリオールの冬の朝、牛乳当番のため小学校に早めに登校したシモン(エミリアン・ネロン)は、担任の女性教師マルティーヌが教室で首を吊って死んでいるのを見つけます。シモンから事態を聞いた教師が全校生徒を校内から退出させるが、シモンの同級生アリス(ソフィー・ネリッセ)もその現場を見てしまいます。事件から1週間、学校はショックを受けた生徒たちの心のケアや後任探しの対応に追われます。そんななか、アルジェリア系移民の中年男性バシール・ラザール(モハメッド・フラッグ)が代理教師の募集広告を見て応募してきます。採用されたラザールは、温和な性格から早々に子どもたちと打ち解けますが、その授業のやり方は決して洗練されたものではありませんでした。円形に並んだ机を直線に並べ替えたり、子どもには難解なバルザックの古典小説の口述筆記を課したり、古い文法用語を使ってフランス語の授業を行ったりします。子どもたちはラザールの授業に戸惑いつつも、徐々に以前の生活を取り戻していきます。なかでもアリスはラザールの母国アルジェリアに真っ先に興味を持ち、写真を集めるなど、誰よりも積極的に新しい環境を受け入れようとしますが、マルティーヌ先生の死を忘れることができませんでした。そして、その現実を遠ざけようとする学校側の姿勢に疑問を持ち、先生の死を気にしていない振りをするシモンに苛立ちます。一方、ラザール自身も、愛する人々の死を乗り越えなければなりませんでした・・・。「ぼくたちのムッシュ・ラザール」は、担任教師の自殺に傷つきながらも官僚的な学校の対応に癒えることのない子供たちと、深い悲しみを背負った移民の中年教師との交流を、温かい眼差しで優しく描くヒューマンドラマです。カナダは移民の国ですが、新参の移民に対する壁が全く無いわけではないようです。深い悲しみを背負った移民の中年男が一人で生きていくのは容易ではないでしょう。でも、子供達は違います。ラザールの難解なバルザックの古典小説の口述筆記や、古い文法用語を使ったフランス語の授業に文句を言いながらも、子供たちはラザールを受け入れます。ラザールの母国アルジェリアに興味を持ち、写真を集めたり、愛読書を交換する生徒もいます。子供のように純粋なラザールの目も印象的です。また、・教師は子供たちに触れてはならないこと・子供たちのカウンセリングに担任は同席してはならないこと・何故か担任教師の自殺の原因が追求されないこと・・・など、故国アルジェリアと勝手が違うのか、ラザールには理解しがたいことも少なくありません。担任の自殺に傷ついた子供たちに学校がカウンセリングを繰り返しても、子供たちが癒えることはありません。それは学校が手を尽くしているという保護者へのポーズにこそなれ、子供たちの心には届きません。「傷ついているのは大人たちだ」と喝破する生徒もいます。愛する担任教師を失い傷ついた子供たち、特に自分が先生を自殺に追い込んだのでは無いかと責める生徒は、深い悲しみを背負うラサール自身の反映でもあります。他人にあからさまにすることはありませんが、彼は深い悲しみを知るからこそ、優しくなれるのかもしれません。彼は授業の中で生徒が気持ちを吐き出せるように試み、子供たちも徐々に心を開いていきます。しかし、彼はあまりに無防備でした。心ない保護者たちに責められてしまいます。原作はエヴリン・ドゥ・ラ・シェネリエールの戯曲「Bashir Lazhar」。ラザールの人物描写に惚れたフィリップ・ファラルドーが映画化を決意、原作が一人芝居の為、他のキャラクターを描きながら原作者に見てもらうことを繰り返し、2年半かけて脚本を書き上げたそうです。原作者もアリスの母役で映画に出演しています。大家族で家畜と暮らしていた頃、子供たちは否応無しに愛するものの死に遭遇し、その悲しみとともに生きる術を学びました。しかしながら、都市化、核家族化が進むにつれて学ぶ機会がなくなり、老いた親は施設に送られ、子供たちは死から隔離され、葬いは専門家に任され、心の癒しをカウンセラーを求める時代になりました。子供たちは周囲の人々や出来事から学ぶ機会がありましたが、高度に分業化された時代は体面や責任、決まりといったものが大人の都合で重視されかねません。大切なのは心が通うことではないか、分業化によって心の触れ合いが希薄になっているのではないか、そんなことを感じさせる映画でもあります。<ネタバレ>最後の授業で、「不公平」をテーマにラーザル自身が寓話を書き、それを生徒がたちが添削します。木とさなぎバシール・ラザール作不公平な死に何も言う事はないそのわけを話そうオリーブの木にエメラルド色の小さなさなぎがいた明日、繭から出て蝶になるだろう木はさなぎの成長を喜んだが、もっと一緒にいたいと願っていた木は不安だった、さなぎを風から守り、アリから守ってきただが蝶になれば敵や荒天にさらされるその夜、森で火事が起き、さなぎは蝶にならなかった明け方、冷めた灰の中に木は立っていた心は黒焦げだった、火と悲しみに傷ついていたそれからは鳥が休みに来ると、木は目覚めぬさなぎの話をする心に描くのは、羽を広げ空を飛びまわり、蜜と自由に酔い、私たちの愛を知る大切な者の姿だラーザルが朗読し、生徒たちは嬉々として添削しますが、これは彼とその家族の死を描いた寓話でした。アルジェリアで教師をしていた妻が書いた政策の批判本が原因で、彼の妻と子どもは放火によって殺されたのでした。ラザールが、カナダに救いを求めて亡命の手続きをしている最中の事件でした。ラザールの深い悲しみ、そして悲しみとともに生きる意味を察した生徒の一人は、教室に一人残ったラザールに歩み寄り、彼を抱きつきます。<ネタバレ終わり>モハメッド・フラッグ(バシール・ラザール)フラウスで活躍するアルジェリア出身の俳優、コメディアン、脚本家。原作者のエヴリン・ドゥ・ラ・シェネリエールがフィリップ・ファラルドー監督に紹介、監督がフランスまで会いに行って出演を決めた。一見、冴えない中年男を、実に見事に演じている。ソフィー・ネリッセ(アリス)フランス系カナダ人の流れを汲む女優。クリエイティブ・アーティスト・エージェンシーに見出され、コマーシャル出演の仕事をしていたが、本作が映画デビューとなった。撮影時10歳の彼女は、顔立ちが人形のように愛くるしいだけではなく、理知的だが人の気持ちを察するのが上手なアリスを見事に演じている。本作で高い評価を得、その後、「やさしい本泥棒」(2013年 )、「完全なるチェックメイト」(2014年)などに出演しており、将来が楽しみな女優。エミリアン・ネロン(シモン)小学校の頃から劇やピアノ、歌、踊りなどの芸術を学び、9歳からコマーシャルに出演、舞台にも立ち、本作は映画出演2作目。ちょっとひねた感じシモンを見事に演じている。担任の自殺の原因が自分ではないかと心情を吐露するシーンは、大人顔負けの迫真の演技で、しかもワン・テイクで撮ったというから驚きだ。もっとも、当日は気分がすぐれない彼に監督が気が揉むなど、安定しない子供相手ならでは苦労はあったようだ。ダニエル・プルール(ヴィアンクール校長)カナダの女優。舞台、映画、テレビをこなすベテラン女優。本作では円熟、安定した演技で、作品を閉めている。ブリジット・プパール(クレール)カナダの女優。舞台中心に活動しているが、テレビ出演で名が知られている。本作では、移民の先輩格で、ラザールに親切な先輩教師を演じている。エヴリン・ドゥ・ラ・シェネリエール(アリスの母)本作の原作者。アリスの母役で出演している。撮影が行われたSt. Joseph School(グーグルマップ)フィリップ・ファラルドー監督作品のDVD(楽天市場) グッド・ライ~いちばん優しい嘘~(2014年)ソフィー・ネリッセ出演作品のDVD(楽天市場) 「完全なるチェックメイト」(2014年)さて、本日のランキング商品ピックアップは、カメラのキタムラさんの GoPro HERO4 Silver Edition Adventure CHDHY-401-JP2(楽天市場)デイリー総合ランキング、TV・オーディオ・カメラ部門のトップです。Go Pro はインターネット時代にマッチした小型カメラメーカー、 HERO4は若者とニーズをシャープに捉えた人気のアクションカムです。
2016年07月07日
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「教科書に載ってないUSA語録」は、米国カリフォルニア州バークレー在住の映画評論家、コラムニストで元編集者でもある町山智浩さんが、2009年6月から週刊文春に連載した「言霊USA」を集めたものです。 町山智浩著「教科書に載っていないUSA語録」(楽天市場)アメリカでの日常生活やテレビ・ラジオで耳にした新しい言葉、流行り言葉、印象に残った言葉、馬鹿げた言葉などを毎週紹介したコラム集で、リアルでヴィヴィッドなアメリカが見えてきます。一編が2ページほどで、サービス精神旺盛な町山さんのユーモアたっぷりなオチがつくとともに、各編に澤井健さんの楽しいイラストが描かれています。ちょっとした空き時間にも手軽に楽しめると同時に、読み通すとアメリカの実像が見えてくる、お得な一冊です。本書は、2012年8月までの連載分ですが、それ以降の分を掲載したもの刊行されています。 町山智浩著「知ってても偉くないUSA語録」(楽天市場) 町山智浩著「99%対1%アメリカ格差ウォーズ」(楽天市場)さて、本日のランキング商品ピックアップは、銀座千疋屋さんの [お中元]【送料込み】銀座千疋屋特選 銀座ゼリー9個入りデイリー総合ランキング、スイーツ・お菓子部門のトップです。いつの間にかお中元の季節ですね。千疋屋さんのゼリーは、暑い夏に贈るのに最適な一品です。私もよく贈りますが、涼しげで、老舗の高級感があり、上品な味わいがとても喜ばれます。
2016年07月07日
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「私にだってなれる! 夢のナレーター単願希望」(原題:In a World...)は、2013年公開のアメリカのコメディ&ヒューマン・ドラマ映画です。 レイク・ベル監督・脚本、レイク・ベルらの出演で、ハリウッドのナレーター業界の裏側を舞台に、「In a World...」の名調子で知られた今は亡き映画予告編の伝説的ナレーター、ドン・ラフォンティーヌの後継者に名乗りを上げるべく、オーディションに挑むヒロインの奮闘をコミカルに描いています。 「私にだってなれる! 夢のナレーター単願希望」のDVD(楽天市場)監督:レイク・ベル 脚本:レイク・ベル出演:レイク・ベル(キャロル) ディミトリ・マーティン(ルイス) フレッド・メラメッド(サム) ロブ・コードリー(モー) ミカエラ・ワトキンス(ダニー) ケン・マリーノ(グスタフ) ドン・ラフォンテーヌ(アーカイブ映像) キャメロン・ディアス(クレジットなし) ほか【あらすじ】声優として成功を収めた父サム(メラメッド)の陰でくすぶる娘キャロル(ベル)は、訛り矯正の仕事をしながら声優を夢見ていました。そんなある日、キャロルのもとに映画の予告編の仕事が舞い込んで来ます。売れっ子声優グスタフ(マリーノ)や父サムが嫉妬する中、一気に上昇機運に乗った彼女は、やがて超大作映画4部作のナレーターのオーディションを受けるチャンスを得ます。それは、「神の声」と呼ばれた今は亡き声優界の大物ドン・ラフォンティーヌの決め台詞、「In a world...(〜の世界では)」を復活させるビッグプロジェクトでもありました・・・。女優レイク・ベルの脚本家、監督しての才能が開花、よく練られた脚本でナレーションやアクセント(訛り)の世界を描きながら、ハリウッドのナレーション業界をチクリと風刺、女性監督らしい視点も見え隠れする、おもしろ可笑しいコメディです。ナレーターの名を知らなくても映画の予告編のナレーションに素晴らしさに感動したことのない人はいないと思います。本作は伝説の予告編ナレーター、ドン・ラフォンティーヌに注目するとともに、その後継争いを通じてハリウッドのナレーション業界の裏側をチクリと風刺しています。女性監督らしい視点も感じられる楽しい映画ですが、何よりも本作を素晴らしいものにしているのは、ナレーションのみならず、随所に散りばめられた声やアクセント(訛り)に関する描写で、それが映画に深みを与えています。メジャーな映画ではありませんが、なかなか楽しめる作品です。レイク・ベルは、アメリカの女優、映画監督、脚本家、プロデューサーで、本作が彼女の監督デビュー作になりますが、彼女自身の体験やこだわりが色濃く反映されています。I’m personally obsessed with voice-over. I have a long history of trying to pry my way into the voice-over industry. I thought I was going to be one of the great voice-over actors as soon as I set foot in Los Angeles, but I soon realized it was very much a clique. It is tightly knit, it is well formed and curated, and it is not easy to delve into—like any industry, really.(私はナレーションに取り憑かれていたわ。私は長いこと、ナレーションの業界に入り込む道をつけようとしていた。ロスアンジェルスに足を踏み入れるや否や、ビッグなナレーション俳優の一人になれると思っていた。でも、すぐにわかったの、それは閉鎖的な業界だって。きっちりと織り込まれ、デザインや形もしっかりしていて、首をつっこむ隙なんてない。他の業界と同じよ。)It’s a fantastical dream of making you feel like you’ve traveled the world in a way. When I was younger I was inspired to travel, mainly just to hear how people sounded in other countries. Then later, if I was in a restaurant and the waiter had an astonishing accent, I was immediately enthralled. I would ask how to say, 'How do you like pizza with mushrooms?' I collected these little tidbits because it felt like I could become someone else when voicing an accent.(ある意味、人々を世界を旅したように感じさせる素晴らしい夢よ。私は若い頃、世界の人々がどんな話し方をするのか聞きたくて、旅をしていたわ。レストランでびっくりするようなアクセントで話すウェイターがいると、私はすぐに虜になったわ。私はそんなちょっとしたアクセントを集めたの。それを口にすると、誰か別人になったような気がしたわ。)(レイク・ベル監督) 単に書きたいからという理由でこの脚本を書いたというレイク・ベルは、家族関係や仕事や人生のフラストレーションなど、克服したい諸々をを抱えていましたが、単に吐き出すのでなく、次に誰に会いたいのかということを念頭に置いていたそうです。出来た脚本を見た彼女のエージェントは、他の監督に脚本を売るのではなく、彼女自身が監督することを勧めました。恐らく、これが大正解だったのではないかと思います。ナレーションのみならず、声やアクセントに思い入れのあるレイク・ベルならではの想いが、映画のディテイルに生きています。例えば、ひどい日本訛りの英語を話す男が出てくるのですが、これが本物の日本訛りです。恐らく、本物の日本人を使って日本訛りを強調して話させているのではないかと思います。他の監督ならば、日系もしくはアジア系アメリカ人を使って、無国籍っぽい「らしさ」でごまかされてしまうかもしれません。それでは、この映画の面白みが半減です。また、レイク・ベルは主役を演じるだけではなく、なんと、サムとグスタフが電話で話をするユダヤ人男性の老エージェントの声も演じています。I’ve always been romanced by being the blind voice—where you’re judged not by what you look like, but what you sound like. You can become any character, whether it’s a different gender, nationality, or social stature.(私はいつも姿なき声に魅せられてきたわ。どう見えるかではなく、どう聞こえるかという世界よ。どんなキャラクターでもなれるの、性にも、国籍にも、社会的な名声にもよらずにね。(レイク・ベル監督) キャロルの父を演じるのフランク・メラメッドの声も素晴らしいです。彼は、独特の声の持ち主としても知られており、その声を活かしてUSAネットワークからCBSスポーツ、スーパーボウルなどの解説からコマーシャル、テレビ番組のナレーションなどで、ナレーターやアナウンサーとしても活躍しています。レイク・ベル(キャロル)アメリカの女優、映画監督、脚本家、プロデューサー。「ベガスの恋に勝つルール」(2008年)、「恋するベーカリー」(2009年)、「抱きたいカンケイ (2011年)、「ミリオンダラー・アーム 」(2014年)、「マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり」(2015年)に出演。本作が監督デビュー作。ディミトリ・マーティン(ルイス)アメリカのコメディアン、俳優、ミュージシャン。「アナライズ・ミー」(2002年)で映画デビュー、「ウッドストックがやってくる」(2009年などに出演している。フレッド・メラメッド(サム)アメリカの俳優。学生時代から演劇を学び、舞台活動を開始、当時から賞を獲得するほどの実力で、その後も由緒ある劇場で舞台を踏み、ブロードウェイデビューも果たし、舞台版「アマデウス」にも出演している。独特の声の持ち主としても知られており、その声を活かしてナレーターやアナウンサーとしても活躍、USAネットワークからCBSスポーツ、スーパーボウルなどの解説からコマーシャル、テレビ番組のナレーション等に活動の場も広げている。ウディ・アレン監督の作品の常連俳優でもあり、同監督の作品には「ハンナとその姉妹」や「ラジオ・デイズ」などをはじめとする7作品に出演している。ロブ・コードリー(モー)アメリカ合衆国のコメディアン、俳優。学生時代から演劇を学び、ニューヨークに出てナショナル・シェイクスピア・カンパニーなどで演劇活動を続けるが、即興コメディ集団に参加したことをきっかけにコメディセンスが開花、テレビで活躍するようになる。「アダルト♂スクール」(2003年)で映画デビュー、「ライラにお手あげ」(2007年)、「俺たちフィギュアスケーター」(2007年)、「ベガスの恋に勝つルール」(2008年)、「バッドトリップ! 消えたNO.1セールスマンと史上最悪の代理出張」(2011年)、「ウォーム・ボディーズ」(2013年)、「プールサイド・デイズ」(2013年)などに出演している。ミカエラ・ワトキンス(右、ダニー)アメリカの女優、コメディアン。演劇学校を卒業後、ニューヨークで働くが、キャリアを積むことが難しく、ロスアンジェルスや地方の劇場で長い下積み生活を過ごす。その後、テレビ番組の「サタデーナイトライブ」やシチュエーション・コメディで頭角を現し、「カレには言えない私のケイカク」(2010年)、「恋人はセックス依存症」(2012年)、「おとなの恋には嘘がある」(2013年)などの映画にも出演している。ケン・マリーノ(グスタフ)アメリカの俳優、コメディアン、監督、脚本家。テレビ番組のコメディアンとして成功する。「恋のトルティーヤ・スープ」(2001年、テレビ映画)、「ぼくたちの奉仕活動」(2008年)、「ヴェロニカ・マーズ [ザ・ムービー](2014年)、「グースバンプス」(2015年)などに出演している。ドン・ラフォンティーヌ(アーカイブ映像)アメリカの男性声優、ナレーター、アナウンサー、元音響技師兼編集技師。映画の予告編のナレーションを中心に5000本以上の作品に出演した。技術の発展より、通信による録音が可能になってからは、自宅に録音スタジオを作り、1日に7本から10本程度の仕事をこなし、映画俳優組合の記録上、最も忙しかった声優であったと言われている。キャメロン・ディアス(クレジットなし)劇中劇「Amazon Games」の予告編に、主役としてクレジットされている。動画クリップ(YouTube)ナレーションではなくアクセントを生かせ〜「私にだってなれる! 夢のナレーター単願希望」父親にナレーションは女の仕事ではない、得意なアクセントを生かすことを考えろと諭される。最後にスターウォーズの有名なセリフを、キャロルがロシア訛りで披露している。「セクシー・ベイビー・ボイス」〜「私にだってなれる! 夢のナレーター単願希望」「セクシー・ベイビー・ボイス」は、声のピッチをあげ、思春期前の女の子のように話す話し方。キャロルが、真似をして返している。音としては異なるが、日本の女性が語尾を伸ばして話す心理に似ていると思われる。映画予告編名ナレーション集(ドン・ラフォンテーヌ他)予告編のナレーションは芸術だ。数々の予告編が出てくるが、何の予告編か当てながら見るのも楽しい。iPhone 6s のCMアップルのCMに初めて採用された女性のナレーションをレイク・ベルが務めている。この映画のヒットを契機に、チャンスをつかんだようだ。ナレーションの録音シーンが撮影された場所(グーグルマップ)レイク・ベル出演作品のDVD(楽天市場) 「天才犬ピーボ博士のタイムトラベル」(2014年) 「マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり」(2015年)ディミトリ・マーティン出演作品のDVD(楽天市場) 「コンテイジョン」(2011年)フレッド・メラメッド出演作品のDVD(楽天市場) 「ハンナとその姉妹」(1986年) 「シリアスマン」(2009年)・・・北米盤、リージョン1、日本語なし 「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」(2014年) 「ヘイル、シーザー!」(2016年)ロブ・コードリー出演作品のDVD(楽天市場) 「バッドトリップ! 消えたNO.1セールスマンと史上最悪の代理出張」(2011年) 「ウォーム・ボディーズ」(2013年) 「プールサイド・デイズ」(2013年)ミカエラ・ワトキンス出演作品のDVD(楽天市場) 「恋人はセックス依存症」(2012年) 「おとなの恋には嘘がある」(2013年)ケン・マリーノ出演作品のDVD(楽天市場) 「ぼくたちの奉仕活動」(2008年) 「ヴェロニカ・マーズ [ザ・ムービー](2014年) 「グースバンプス」(2015年)・・・北米盤、リージョン1、日本語なし
2016年07月05日
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「スノーピアサー」(英語題: Snowpiercer, 韓国語題: 설국열차)は、2013年の韓国・アメリカ・フランス合作のSFアクション映画です。ジャック・ロブ/バンジャマン・ルグラン/ジャン=マルク・ロシェットによるグラフィックノベル「Le Transperceneige」を原作に、ポン・ジュノ監督、ポン・ジュノ/ケリー・マスターソン共同脚本、クリス・エヴァンスらの出演で、地球温暖化を止めるための実験が失敗し氷河期を迎えた近未来の地球を舞台に、唯一、人類が生存できる列車「スノーピアサー」の中で繰り広げられる出来事を描いています。 「スノーピアサー」のDVD(楽天市場)監督:ポン・ジュノ脚本:ポン・ジュノ/ケリー・マスターソン原案:ポン・ジュノ原作:ジャック・ロブ/バンジャマン・ルグラン/ジャン=マルク・ロシェット 「Le Transperceneige」出演:クリス・エヴァンス(カーティス ) ソン・ガンホ(ナムグン・ミンス) コ・アソン(ヨナ) ジェイミー・ベル(エドガー) ジョン・ハート(ギリアム) ティルダ・スウィントン(メイソン) オクタヴィア・スペンサー(ターニャ) エド・ハリス(ウィルフォード) ユエン・ブレムナー(アンドリュー ) ルーク・パスカリーノ(グレイ) アリソン・ピル(小学校教師) スティーヴン・パーク(フユ) ヴラド・イヴァノフ(年上の方のフランコ ) アドナン・ハスコヴィッチ(若い方のフランコ) クラーク・ミドルトン(画家 ) トーマス・レマルキス(エッグ・ヘッド ) ほか【あらすじ】地球温暖化がますます深刻になっていき、2014年7月1日、気温を最適なレベルに保つために79カ国により人工冷却物質CW-7が散布されました。しかしこれが仇となり、地球は氷河期へ突入、全ての陸地が雪と氷に覆われてしまいました。17年後の2031年、わずかに生き残った人類は、永久機関によって動き続け、1年かけて地球を一周する列車「スノーピアサー」の中で暮らしていました。そこでは、豪華な前方車両に住む富裕層は氷河期前と変わらない暮らしが続けながら全てを支配し、無賃の最後尾車両に押し込められた貧困層は食料さえ満足に得ることができず飢えていました。そんな中、貧困階級のカーティスは自分達を苦しめる理不尽な支配に立ち向かうべく、仲間と共に反乱を企てます・・・。列車内を舞台にした階級闘争劇は、変化のある車両構成、巧みなSFX、そしたオスカー級の俳優の豪華なキャスティングで、見るものをぐいぐいと引き込みます。最初は突飛な設定と地味な演出でB級映画かと思うのですが、じわじわと盛り上がるプロットと演出に思わず引き込まれてしまい、列車内を舞台にした二時間あまりの作品ですが、車両ごとに変化を作ったり、SFXを巧みに使った構成で、最後まで飽きさせません。フランスのグラフィックノベルが原作ですが、せっかく生き残ったわずかの人々が列車の中で階級闘争を起こすという社会の縮図が展開され、果たして革命は成功するのか、人類の将来はどうなるのかといったドラマがぐいぐいと見るものを引っ張っていきます。ポン・ジュノは、韓国生まれの映画監督、脚本家で「殺人の追憶」(2003年)や「グエムル-漢江の怪物-」(2006年)が韓国内で大ヒット、本作が初めての英語作品です。この映画を成功させているもののひとつに、豪華なキャスティングがあります。ティルダ・スウィントンとオクタヴィア・スペンサーはオスカー俳優、エド・ハリスとジョン・ハートはオスカー候補です。主役のクリス・エヴァンスを含め、初めての英語作品にこれだけのキャストが集まるのは異例でしょう。実はティルダ・スウィントンとジョン・ハートがポン・ジュノ監督の作品のファンで、監督も二人を尊敬していたことから、個別の話し合いが実現、一緒に作品をやろうということになったそうです。もちろん、最終的には脚本を送り、ギャラを提示、俳優は監督とその前作、制作スタッフ等を評価して正式に決めるわけですが、俳優仲間からも尊敬を集めている二人の出演が噂となり、他のキャストも集めやすくなったそうです。執筆中の脚本にティルダ・スウィントンの役がなかった為、彼女の為に脚本を書き換えたそうですが、こうした豪華キャストを揃えられるのも、俳優に評価される実力があればこそですね。クリス・エヴァンス(カーティス )アメリカの俳優。高校在学中にニューヨーク・ブルックリンで行われたサマーキャンプでエージェントに出会い、高校卒業後、ニューヨークへ移り、いくつかのテレビシリーズにゲスト出演、2005年公開の「ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]」のヒューマン・トーチ役で一躍知名度を上げる。2011年には「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』の主人公キャプテン・アメリカを演じている。本作では、最初、少し存在感が薄いが、後半に向けて徐々に存在感を増してくる。彼は、大作の合間にインディーズに出演しており、本作もオーディションを受けて出演が決まった。ソン・ガンホ(ナムグン・ミンス)韓国を代表する演技派俳優。慶尚専門大学放送芸能科中退、1991年演劇デビュー、1996年映画デビュー。1999年の映画「シュリ」が大ヒット、その後も「JSA」2000年、「殺人の追憶」(2004年)、「優雅な世界」(2006年)、「観相師」(2013年)などの作品に出演、数多くの映画賞を受賞している。ポン・ジュノ監督は、脚本を書く前からソン・ガンホとコ・アソンに会って、一緒にやりたいと相談していたという。二人は、西洋人たちの中にあって混じり合わないキャラクターで、独特との存在感を放っている。コ・アソン(ヨナ)韓国の女優。ソン・ガンホとともに、独特の存在感を醸し出している。二人は、ポン・ジュノ監督のホラー映画「グエムル-漢江の怪物-」(2006年)にも出演している。ジョン・ハート(ギリアム)イギリスの俳優。学生時代から舞台に立ち、1962年、本格的に初舞台を踏む。1966年に「わが命つきるとも」で映画デビュー、高い演技力で注目された。「ミッドナイト・エクスプレス」(1978年)、「エレファント・マン」(1980年)でオスカーにノミネートされている。本作では、序盤に最も存在感を放っている。ティルダ・スウィントン(メイソン)イギリスの女優。ケンブリッジ大学で政治学と社会学を専攻した才女。大学卒業後、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで演劇を学び、1986年に「カラヴァッジオ」で映画デビュー、その後、数々の作品に出演し、「フィクサー」(2007年) でアカデミー助演女優賞を受賞。元々、長身で個性的な風貌の持ち主だが、本作ではメイクで本人とわからないほど変身しているが、その演技は素晴らしい。「グランド・ブダペスト・ホテル」でも老婆に「変身」し、素晴らしい演技を見せている。ティルダ・スウィントンと好対照をなすパフォーマンスを発揮する。オクタヴィア・スペンサー(ターニャ)アメリカの女優。「評決のとき」(1196年)で映画デビュー。元々はキャスティングの仕事にために雇われていたが、監督に端役でオーディションを受けないかと誘われたのがきっかけ。その後、「25年目のキス」(1999年)、「スパイダーマン」(2002年)などにクレジットされ、テレビシリーズでは「CSI:科学捜査班」、「ER緊急救命室」などにゲスト出演している。「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」(2011年)で主要人物の一人を演じ、アカデミー助演女優賞を受賞。本作では、エド・ハリス(ウィルフォード)アメリカの俳優、映画監督。地元の劇場で働いた後、カルフォルニア芸術大学で演技を学ぶ。「ボーダーライン」(1980年)でチャールズ・ブロンソンと共演。「アポロ13」(1995年)でアカデミー助演男優賞、監督も務めた「ポロック 2人だけのアトリエ」(2000年)でアカデミー主演男優賞にノミネートされた。本作ではラスボス的役割で登場するが、彼以外にない形で見事に映画を締めている。「スノーピアサー」の原作本 Le Transperceneige (フランス語) SNOWPIERCER VOL. 1: THE ESCAPE(英語版) SNOWPIERCER VOL. 2: THE EXPLORERS(英語版)ポン・ジュノ監督作品のDVD(楽天市場) 「殺人の追憶」(2003年) 「グエムル-漢江の怪物-」(2006年)ティルダ・スウィントン出演作品のDVD(楽天市場) 「オルランド」(1992年)・・・北米盤、リージョン1、日本語なし 「アダプテーション」(2002年) 「ブロークン・フラワーズ」(2005年) 「フィクサー」(2007年) 「ミラノ、愛に生きる」(2009年) 「ムーンライズ・キングダム」(2012年) 「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」(2013年) 「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014年) 「ヘイル、シーザー!」(2016年)
2016年07月03日
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「インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実」(原題:Inside Job)は、2010年公開のアメリカの社会派ドキュメンタリー映画です。チャールズ・ファーガソン監督が、金融業界を代表する投資家、政治家、大学教授などキーパーソンとなる人物へのインタビューや徹底的なリサーチによって、2008年に起きたリーマン・ブラザーズの経営破綻と世界金融危機の全貌に迫ります。第83回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した作品です。 「インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実」のDVD(楽天市場)監督:チャールズ・ファーガソン出演:マット・デイモン:ナレーション ギルフィ・ゾエガ:アイスランド大学の経済学教授 アンドリ・マグナソン:アイスランドの作家 シグリドゥル・ベネディクトスドッティル:アイスランド議会特別調査委員会 ポール・ボルカー:アメリカの経済学者 ドミニク・ストロス=カーン:IMF専務理事 ジョージ・ソロス:投資家 バーニー・フランク:下院金融委員会委員長 デイヴィッド・マコーミック:ブッシュ政権 財務次官 スコット・タルボット:金融サービス円卓会議 主席ロビイスト アンドリュー・シェン: 中国銀行業監督管理委員会 主席顧問 リー・シェンロン:シンガポール首相 クリスティーヌ・ラガルド: フランス経済財務相 ジリアン・テット:フィナンシャル・タイムズ米編集長 ヌリエル・ルービニ:ニューヨーク大学レナード・N・スターン・スクール教授 グレン・ハバード:コロンビア大学ビジネススクール院長 エリオット・スピッツァー:元ニューヨーク州知事・司法長官 チャールズ・モリス:法律家、元銀行家、著作家 ロバート・グナイズダ:消費者団体グリーンライニング協会元理事、弁護士 マーティン・ウルフ:フィナンシャル・タイムズのチーフ経済解説委員 サタジット・ダス:デリバティブ・コンサルタント、作家 ラグラム・ラジャン:元IMF主席エコノミスト【あらすじ】プロローグ:2000年、アイスランド政府は大幅な外資規制緩和を行い、同時に国営3大銀行を民営化しました。銀行は自国GDPの10倍近い1200億ドルを国外取引で借り入れ、アイスランドはバブル景気に沸きました。KPMGなどのアメリカの会計事務所はアイスランドの金融機関に問題はないとし、ムーディーズなどのアメリカの格付け機関も高評価を与え、金融監督機関も何もしませんでした。そして2008年末、これら大銀行が破綻すると、アイスランドの失業者は半年で3倍になりました。その頃アメリカではリーマン・ブラザーズとAIGが破綻し、世界各国が景気後退に突入しました。第1部:経緯大恐慌後、アメリカの金融業界は規制されていましたが、1980年代以降、長期に渡って規制緩和されました。1980年代の終わりまでに税金で賄われたローンや預貯金の救済は1240億ドルに上りました。1990年代の後半には、金融業界はいくつかの大企業に統合されました。2000年3月、投資銀行の暴走によりインターネット株のバブルがはじけ、投資家は5兆円の損失を被ります。1990年代に、デリバティブ(金融派生商品)が人気となり、市場が不安定になりますが、これをを規制しようとする動きは、2000年の商品先物取引近代化法に阻止されます。2000年代には、業界は5つの銀行(ゴールドマン・サックス、リーマン・ブラザーズ、メリル・リンチ、ベアー・スターンズ)、2つの金融コングロマリット(シティグループ、JPモルガン)、3つの証券保険会社(AIG, MBIA, AMBAC)、そして3つの信用格付け会社(ムーディズ、スタンダード&プアーズ、フィッチ)に支配されていました。投資銀行は住宅ローンを他のローンや負債と束ね、債務担保証券(CDO)として投資家に販売しました。格付け会社はこれらの多くにAAAの評価を与えました。多くの人々が、返済できないローンを組んで家を手に入れました。第2部:バブル(2001年〜2007年)住宅ブームの中、投資銀行は自己資金に比してかつてないほどの額を借入しました。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)はいわば保険のようなものですが、投機家は所有していない債務担保証券(CDO)に対するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を購入することができました。証券化の連鎖で1000億単位の資金が流れ込み、ローンは組みやすくなり、住宅価格は高騰して史上最大のバブルが起きました。1996年から2006年までに住宅価格は2倍、サブプライムローンの組み入れ額は年300億ドルから、10年で6000億ドルを超えました。最大の貸し手カントリーワイド社は、970億ドルもの貸付を行い、110億ドル以上の利益を上げました。ウォール街のボーナスは急騰し、トレーダーやCEOは大金を手にしました。ローン引き受けのトップ、リーマン・ブラザーズのCEOは、任期中に約5億ドル受け取りました。住宅所有権担保保護法により、住宅ローン業者を規制できたはずでしたが、連邦準備制度理事会(FRB)も証券取引委員会(SEC)も動きませんでした。第3部:危機債務担保証券(CDO)市場は崩壊し、投資銀行は数千億ドルの負債、債務担保証券(CDO)、不動産という下ろすことのできない重荷が背負いました。2007年の11月に大不況が始まり、2008年3月にはベアー・スターンズが資金不足に陥いりました。9月には、連邦政府が破綻寸前のファニー・メイとフレディ・ マックを国有化しました。その二日後、リーマン・ブラザーズが破綻しました。これらにはその直前まで、AA あるいは AAA の格付けがなされていました。破綻の瀬戸際にあったメリル・リンチはバンク・オブ・アメリカに買収されました。救済されずに倒産したリーマン・ブラザーズが、約束手形市場に崩壊の引き金となりました。9月17日には、支払い不能となった AIG を政府が引き受けました。翌日、銀行の負債処理の為に7000億ドルを拠出することが議会に求められました。衝撃は世界的な金融システムにも広がりました。2008年10月3日、ブッシュ大統領は不良債権買取プログラムに署名しますが、世界の株式市場は下落を続けました。レイオフや差し押さえが続き、米国とEUの失業率は10%まで上がりました。2008年の12月までに、GMとクライスラーも破産に直面しました。米国における差し押さえは、かつてないレベルまで増えました。第4部:責任破産した会社のトップらの個人資産は、無傷のままでした。取締役を指名していた彼らは、政府の救済の後も何十億というボーナスが支給されました。主要銀行は反改革勢力を倍増させました。経済学者は何十年もの間、規制緩和を提唱し続け、米国の政策を支援しました。彼らは2008年の危機の後も、依然として改革に反対しています。アナリシス・グループ、チャールズ・リバー・アソシエイツ、コンパス・レグゼコン、ロー・アンド・エコノミクス・コンサルティング・グループなどのコンサルティング会社も関わっていました。これら多くの経済学者は、金融危機に関係した会社やグループのコンサルタントとして収入を得ていました。第5部:現状1980~2007年の間にアメリカ全人口の90%は負け組となり上位1%だけが勝ち組となりました。ブッシュ政権下の2001年、ブッシュ減税はそのわずか1%の富裕層にしか恩恵を施しませんでした。アメリカは、史上初めて平均的国民の教育と給与水準が親の世代を下回りました。オバマ就任後の2010年半ばに始まった金融改革「ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法」は腰砕けになり、格付け機関やロビー活動報酬などの肝心な部分は殆ど手つかずでした。顧問の大半が、金融危機の構造を作った者たちでした。オバマが財務長官に任命したのは、2009年まで連邦銀行の総裁を務め、ゴールドマン・サックスがCDSを全額もらえるよう指示した男でした。第10代連邦総裁は、元ゴールドマンサックス主席エコノミストで、グレン・ハバードとデリバティブを賞賛する論文を書いた男でした。ガイトナーの補佐官のマーク・パターソンは、ゴールドマン・サックスのロビイストでした。上級顧問は、サブプライムで何十億ドルもの利益をあげたヘッジファンドを主宰していました。商品先物取引委員会の委員長も、元ゴールドマンサックスの重役で、規制反対派でした。SECの委員長は、銀行の自主業規制機関 FINRA の元 CEO 。大統領補佐官は、フレディ・マックの重役でした。金融危機の構造を作った経済学者らが経済諮問会議に入り、ラリー・サマーズは国家経済会議委員長になりました。2009年9月、フランス、スウェーデン、オランダ、ルクセンブルク、イタリア、スペイン、ドイツの蔵相らは、アメリカを含むG20諸国に対し、銀行の報酬の規制を求め、翌2010年7月に欧州議会は法案を成立させましたが、アメリカでは規制は実現しませんでした。2008年の世界金融危機の現実を厳しく追及する本作は、なぜ危機が起きたかのかわかりやすく描くとともに、拝金主義で規制嫌いのアメリカの本質を浮き彫りにする、優れたドキュメンタリーです。本作の素晴らしい点は、単にリーマンショックの原因となったサブプライム・ローンに特化する事なく、・1980年代以降の規制緩和と当局の不干渉・金融機関の寡占化による市場支配力の増大・リスクを厭わぬ飽くことなき利益追求・資金力にものを言わせた強力なロビイイング・格付け会社や経済学者の抱き込みなど、業界の構造的な問題として描いていることです。別の言い方をすれば、この問題は起こるべくして起きたという背景をきちんと描いていることです。映画の中で図解されるなど、特に金融用語に詳しくなくても、見ることができる映画ですが、基本的な用語としては以下のものがあります。サブプライム・ローンアメリカで貸し付けられるローンのうち、サブプライム層(優良客=プライム層よりも下位の層)向けとして位置付けられるローン商品。ローンの債券化により資金調達が容易になった為、返済できないような貧困層にもローンが組まれて焦げ付き、リーマンショックの契機となりました。デリバティブ(金融派生商品)株式、債券、預貯金・ローン、外国為替といった基本的な金融商品のリスクを低下させたり、高い収益性を追及する手法として考案された派生商品。・基本となる金融商品について、将来売買を行なうことをあらかじめ約束する取引(先物取引)・将来売買する権利をあらかじめ売買する取引(オプション取引)・これらを組合わせた多種多様な取引があります。投機的な運用資産として多額の損失を生じ、問題となることが少なくありません。。債務担保証券(CDO)ローンや債券などから構成される金銭債権を担保とする証券化された商品。複数のローンや債権などの所有者が、それらを特別目的事業体に譲渡し、債券の売出や受益権の譲渡などを行うことで投資家から資金調達を行う仕組み。2007年に米国で始まったサブプライムローン問題により、担保となっていたローンが数多く破綻、高格付けとして運用されていた債務担保証券も毀損し、世界中の多くの投資家が巨額の損失を計上することになりました。担保となっていた資産の不透明さや流動性の低さなどのリスクが浮き彫りにされました。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)債権などのリスクを移転するデリバティブ取引の一つで、いわば債権の保険のようなものです。保証料を支払ってクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を買うと、そのCDSが対象としている債権が債務不履行となった場合に、その損失を保証してもらうことができます。通常の保険と異なり、CDSは保証の対象となる債権を所有していなくても購入することができます。そのCDSを売った人は、その債権がデフォルトとなった場合は買い手に損失分を支払うこととなります。リーマンショックの際、既存された債務担保証券(CDO)を大量のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で保証していた AIG が連鎖的に破綻しました。債務者 ↑返済できないローンを貸し付け サブプライムローンの貸し手 ↓債権投資銀行 ←クレジット・デフォルト・スワップ(CDS) ↓債務担保証券(CDO) 証券保険会社投資家、投機家 ←クレジット・デフォルト・スワップ(CDS) ↑債務担保証券(CDO)を格付け信用格付け会社住宅ブームの中、投資銀行は自己資金に比してかつてないほどの額を借入しました。債務担保証券(CDO)やクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)など、証券化の連鎖で1000億単位の資金が流れ込み、ローンは組みやすくなり、住宅価格は高騰して史上最大のバブルが起きました。1996年から2006年までに住宅価格は2倍、サブプライム・ローンの組み入れ額は年300億から、10年で6000億ドルを超えました。最大の貸し手カントリーワイド社は、970億ドルもの貸付を行い、110億ドル以上の利益を上げました。ウォール街のボーナスは急騰し、トレーダーやCEOは大金を手にしました。ローン引き受けのトップ、リーマン・ブラザーズのCEOは、任期中に約5億ドル受け取りました。こうした一連の流れについて、フィナンシャル・タイムズの主幹経済コメンテーターのマーティン・ウルフ氏は、次のように語っています。MARTIN WOLF: It wasn't real profits, it wasn't real income; it was just money that was being created by the system, and booked as income two, three years down the road. There's a default; it's all wiped out. I think this was, in fact, in retrospect, a great big national — and not just national, global — Ponzi scheme.マーティン・ウルフ:それは本当の収入でも、利益でもなかった。それは金融システムが作り上げ、2年、3年と計上し続けた金に過ぎず、債務不履行があれば吹き飛んでしまうものだった。今思うに、これは実は、国を挙げた、いや、世界規模のネズミ講事件だ。本作の原題「Inside Job」には「内部の者による犯行」といういう強い意味が込められたいます。つまり、リーマンショックは外的要因ではなく、金融業界の中にいる者によって引き起こされたものであることを強調しています。残念なのは、多くの金融機関を破綻させ、多額の公的資金を注入させただけではなく、世界的な不況の契機となり、多くの失業者を生み出したにもかかわらず、誰一人、刑事罰の対象にならないことです。さらに、金融機関のトップが稼げるだけ稼いだ莫大な私有財産は全く全くもって無傷のままで、この危機の構造を作り出した金融のキーパソンたちも無傷のまま政府に出たり入ったりしています。特に、ゴールドマン・サックスの影響力が大きいのが目立ちます。ゴールドマンは、ギリシャ経済危機の発端となったギリシャ政府の粉飾決算に深く関与していましたが、法さえ犯さなければ利益の為に何でもする彼らの体質を象徴しているようです。しかしながら、1980年代以降、経済成長を維持しているアメリカの秘密は、こうした荒っぽさにあるのかもしれません。泥沼化したベトナム戦争から撤退以来、アメリカは植民地的支配には慎重にならざるを得なく、地理的なフロンティア開発が難しくなりました。代わりに政府事業を民間に切り出して新たなフロンティアを創造したり、産業を金融シフトさせ電子空間にフロンティアを創造することにより、経済成長を維持しようとして来ました。リーマンショックのみならず、エンロン事件や、インターネットバブル、ギリシャ経済の破綻につながった政府粉飾決算への関与などは、経済成長のため企業活動を優先するアメリカ社会の歪みとも言えるかもしれません。日本は貿易摩擦以降、グローバル化に出遅れた為、低成長が長く続いています。「極めて稀な長期にわたるゼロ金利が示すものは、資本を投資しても利潤の出ない資本主義の終焉である」とも主張する人もいます。アメリカのサブプライム・ローン問題も、無理に投資先を作った結果と解釈できないこともありませんが、経済成長を続ける為に歪みを生み出し、騒ぎを起こすのがアメリカならば、その影響を受けつつも思い切ったことができずに悶々としているのが日本なのかもしれません。グローバリゼーションが進展する中、国外に安い労働力を求め、国内に経済格差を作らなければ成長できない構図になっていますが、欧米における移民受け入れへの反発は、格差が広がるばかりで成長の恩恵を受けることがない労働者たちの意思表示でしょう。知識階級のエスタブリッシュメントからみれば、グローバリゼーションは不可避であり、移民を受け入れながらより強い経済を目指すのは当然の選択ですが、それで格差が拡大するならば、労働者層の反発は不可避です。格差の拡大がカタストロフを招くことは歴史が証明しており、イギリスの EU 離脱はそうしたカタストロフの予兆と捉えることができます。日本でも格差が拡大しつつありますが、これからは洋の東西を問わず、格差を拡大せずに成長を目指すとことが必要な時代でしょう。そういう意味では、金儲けの為に金融を破綻させ、世界中に失業者を作り出したリーマンショックのエスタブリッシュメントたちが、莫大な私有財産をしっかりと保全しているという現実に、世界はもっと厳しい目を向けて良いのではないかと思います。なお、2015年に公開され第88回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、脚色賞を受賞した「マネー・ショート 華麗なる大逆転」も、リーマンショックを題材にした映画ですが、リーマンショックがなぜ起きたのかということ、それに関連するいくつかの金融用語を知らないと全くチンプンカンプンという人もいます。本作でリーマンショックをおさらいしてから、見た方が賢明かもしれませんね。リーマンブラザーズがあったビル(グーグルマップ)財務金融を描いた映画のDVD(楽天市場) 「大逆転」(1983年) 「ウォール街」(1987年) 「摩天楼を夢見て」(1992年) 「ジャマイカ 楽園の真実」(2001年) 「ザ・コーポレーション」(2004年) 「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」(2005年) 「キャピタリズム~マネーは踊る~」(2010年) 「インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実」(2010年) 「マージン・コール」(2011年) 「キング・オブ・マンハッタン 危険な賭」(2012年) 「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」(2013年) 「マネーショート 華麗なる大逆転」(2015年)
2016年07月01日
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