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全国的に医師が不足し,産科,小児科など診療科目の廃止や病棟の休止,はては病院自体がなくなるなど,大きな社会問題になっています。 こうした「医療崩壊」が全国各地に広がりながら,政府が公立病院などの統合・廃止・縮小をすすめていることは重大です。 公的医療機関は,民間病院ではできない不採算部門の僻地医療や救急・救命,感染症治療,災害医療など重要な部門を担っています。そのうち全国で1,060,全病床の15.4%を占める自治体病院は,地域に深く密着しており,住民が健康で安心して暮らし,住みつづけられるまちづくりにとって欠かせません。 病院はいま,医師不足と赤字経営で,その維持・存続さえ困難な状況に追い込まれています。なかでも自治体病院は,全体の60%-70%が経営が立ち行かなくなっています。過去5年間で,統合・廃止された自治体病院は10,民間移譲された病院は18にも及んでいます。(2007年4月,全国自治体病院協議会調査) 自治体病院の経営難の大きな原因は,政府・与党が「構造改革」の名で,住民生活に直結する暮らしや福祉,社会保障予算の削減を強行してきたことにあります。社会保障費は毎年,2,200億円も削減されつづけています。 社会保障予算が削られ,公的医療費が抑制されるもとで,患者の医療費負担が増やされ,受診が抑制されています。医療機関に支払われる診療報酬も連続して引き下げられています。 さらに自治体病院にたいする普通交付税の財政措置が大幅に切り下げられたことが,病院の経営悪化を加速させています。 夕張市(北海道)の財政破たんが問題になって以後,昨年6月成立の「財政健全化法」は,病院を含む地方公営企業の債務を自治体本体の債務と連結して評価するようにしました。連結によって病院事業が最も赤字額が大きいということで,病院の閉鎖や民間移譲などの広がりが懸念されます。 ところが政府は,これだけ公立病院の経営を悪化させ,全国各地に深刻な「医療崩壊」をもたらしながら,効率最優先,赤字を理由にした公立病院の大規模な統合・廃止・縮小をいっそう推進しようとしています。 野党議員が1月23日の参議院代表質問で厳しく批判したように,「医療崩壊」は政府の失政であり,公立病院を統合・廃止・縮小するなどは,本末転倒です。 社会保障費の抑制路線が深刻な矛盾を生んでいることは,厚生労働大臣を務めた自民党の尾辻秀久参議院議員会長でさえ,1月22日の代表質問で「社会保障費を削るのは限界。2009年度は削減するな」と述べたほどです。 政府は,公立病院や診療科を減らす計画を自治体に押し付けるのはやめるべきです。国と自治体が地域医療を守る責任を果たし,公立病院が産科や小児科,救急医療などを守る先頭に立つことが求められています。 そのためにも,公的医療費の確保と診療報酬の抜本的な見直しは欠かせません。 「医師たちがものすごい激務をこなしているのに,国は放置し,経営一辺倒で地方にしわ寄せするのはおかしい」(北海道標茶町長)など,自治体と住民,医療関係者らがいま,力を合わせて公立病院の存続運動に立ち上がっています。 政府は,国民の命と健康を守る切実な声にこたえ,公的医療の充実をこそはかるべきです。
2008年01月31日
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ブッシュ大統領は1月28日夜(現地時間),大統領として最後の一般教書演説をおこないました。 外交政策ではイラク問題に多くの時間を割き,昨年実施したアメリカ軍30,000人の「増派のおかげでりっぱに成果が上がっている」と自賛したことが特徴です。 20,000人の兵士の削減を示しながらも,イラク国内や国際社会から求められているアメリカ軍撤退については,「早く撤退すれば暴力がはびこる」と撤退要求を事実上拒絶しました。 140,000人以上ものアメリカ軍を駐留させ,軍事作戦を続けるのでは,イラク人の反発をやわらげることも,イラク情勢を改善させることもできないのは目にみえています。 ブッシュ大統領がイラク侵略を命令してからこの3月で5年をむかえます。 侵略の口実にした大量破壊兵器はイラクから発見できず,この戦争がまったく無法な戦争だったことが明らかです。アメリカの政府高官の発言を調査している「センター・フォー・パブリック・インテグリティー」は,ブッシュ大統領が260回,政府高官全体では935回も『うそ』発言をしていると発表しました。 何度も『うそ』をついて無法な戦争に導いたのに,ブッシュ大統領がだんまりをきめたのは国際社会をばかにするものです。 ブッシュ大統領は,市民の死亡も減った,宗派間抗争も減ったなどといっていますが,これはイラクの表層しかみない議論です。なるほど160,000人にもおよぶ大軍による武力制圧でアメリカ軍などへの表立った反抗は減っているようにみえます。 しかし,その奥でイラクの人々は恨みを大きくしているのは確実です。爆撃などで多くの民間人が殺傷され続けているからです。 アメリカ紙ワシントン・ポスト紙1月17日付は,アメリカ軍主導の多国籍軍がおこなっている空爆が,2007年は前年の6倍に達したと伝えました。一週間に4回の割合で合計229回だった爆撃が,2007年には,1日4回の割合で合計1,447回になっているのです。 1月10日にはバグダッド南東部のアラブ・ジャブルの農村地帯に,B1戦略爆撃機2機と戦闘爆撃機が38発もの爆弾を投下し,多くの民間人を犠牲にしました。 国連イラク支援団によると,こうした空爆で,昨年4月から年末までの9ヶ月間でイラク国民の200人以上が犠牲になっています。 ブッシュ大統領が引き起こした戦争以来,アメリカ軍の武力攻撃や抵抗する側の爆弾攻撃などで犠牲になったイラク人の数は「120万人」(イギリスの世論調査機関「オピニオン・リサーチ・ビジネス」の昨年9月の調査結果)ともいわれています。 イラク国民がブッシュ政権への反発を強め,アメリカ軍の撤退を求めているのは当然です。 国際社会の撤退要求は大きくなるばかりです。スペイン,イタリアが多国籍軍から撤退したあとも,アメリカの盟友のイギリスが部隊を削減し,オーストラリアも撤退方針をあきらかにしています。 アメリカ国内でも70%近くの国民がイラク戦争の不支持を表明しています。 イラク侵略に突き進んだブッシュ大統領のやり方は,戦争を禁止し,紛争を外交的・平和的に解決するという国連憲章の枠組みを台無しにするものです。ブッシュ大統領がイラク侵略とその後の軍事支配政策の誤りを認め,全面撤退の道に踏み出すことが不可欠です。 そうしてこそイラク国民と国際社会の声にこたえ,平和を実現することができます。
2008年01月30日
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自民,公明の与党が,3月末で期限切れとなるガソリンへの暫定税率を2ヶ月間延長する,「つなぎ」法案を国会へ提出しようとしています。 暫定税率を延長する租税特別措置法などの改定案が3月末までに成立しなくても,1月末までに「つなぎ」法案を衆議院通過させておけば3月末には「つなぎ」法案を成立させることができ,延長法案を成立させるまでの時間稼ぎができるという狙いからです。 国民の意思を無視して,何が何でも暫定税率延長を強行する民主主義破壊の企てです。 自民党・公明党連立与党は与野党の協議で,ガソリンなどへの暫定税率を延長する法案を3月末までに成立させると約束できるかと居丈高に求めたうえ,それが約束できないのならと,「つなぎ」法案なるものを持ち出してきました。 これ自体異常のきわみで,自民党・公明党連立与党の思うとおり法案が成立しないからといって,突然土俵を広げるような法案を持ち出すなどというのは,まともな国会運営ではありません。 大体,暫定税率を延長するかどうかは,来年度予算にかかわる問題です。予算案の審議がまだ予算委員会で始まりもしないうちに,予算関連法案を衆議院で可決させるなどという話は聞いたこともありません。 「つなぎ」法案の提出は,どこから見ても非常識この上ないものです。 「つなぎ」法案で自民党・公明党連立与党が狙っている,延長法案が3月末に成立していなければ,法案が参議院に送付され60日たっても採決されていないときにはその法案が否決されたものとみなすという規定を使って衆議院で再議決,2/3以上の賛成で可決し成立させ,時間を稼ぐというシナリオも異常なものです。まさに,強行に強行を重ねるものです。 今年はじめの新テロ法案の審議では参議院での否決を覆すために,衆議院での再議決が使われました。「つなぎ」法案で,否決されていなくても60日たてば否決とみなして再議決するなどというやり方が繰り返されれば,それこそ「数の力」で,どんな悪法も通ることになります。 もともと国会は,各党・各議員が意見をたたかわせ,よりよい法案をきめていくための審議の場です。その審議を踏みにじり,政府や与党が提出した法案ならどんな手段を使っても,最後は「数の力」で押し切ればいいとなれば,それこそ国会審議は形だけのものになってしまいます。 自民党・公明党連立与党の態度は,民主主義破壊への感覚がマヒしています。 自民党・公明党連立与党がそこまでして延長しようとしている暫定税率は,無駄な道路づくりを加速するために,ガソリンなどにかかる税率を本来の税率より高い,「暫定」の税率としているものです。 政府は「暫定」といいながら30年以上の長きにわたってその延長を繰り返し,今回また3月末で期限切れとなる暫定税率を10年間にわたって延長するとしています。 暫定税率は廃止し,無駄な道路づくりの計画は見直すべきだというのが圧倒的な国民世論です。 何が何でも延長するために「つなぎ」法案まで持ち出してくる自民党・公明党連立与党は,国民の意思も,国会の審議もどうでもいいと考えているというしかありません。 福田康夫首相は今国会冒頭の施政方針演説で,与野党の「話し合い」を「政治の責任」だといいました。暫定税率延長をごり押しする連立与党には,話し合いの謙虚さはありません。 首相のことばに多少の真実があるなら,自民党・公明党連立与党は「つなぎ」法案を撤回し,税率延長の強行をやめるべきです。
2008年01月29日
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2008年が明けるとともに,世界的同時株安の激震が,世界経済を襲いました。 世界の株価は,一時的に下げ止まったかのようにみえますが,本質的な矛盾は少しも解決されていません。今後も引き続き,世界的な株価下落・金融危機が繰り返される恐れがあります。 今回の世界的株価下落は,昨年夏にはじまったアメリカのサブプライムローン(低信用者向け住宅ローン)危機,年末からしだいに明確になってきたアメリカの実体経済のリセッション(景気後退)の兆しが重なるなかで起こったものです。 今回の国際的金融危機がアメリカ発のものであることは明らかです。 強いドルを前提にして世界中から資金を集中し経済繁栄を誇ってきたアメリカ経済は,大きな壁にぶつかっており,世界的に「ドル離れ」の時代を迎えています。膨大な国際収支の赤字でドルを垂れ流しながら,投機マネーを野放ししてきたアメリカ自身の経済政策,金融政策の根本的再検討が求められています。 しかし,ブッシュ政権は,昨年8月にサブプライムローン危機が勃発したときには,「アメリカ経済のファンダメンタルズ(基礎条件)は安定している」と繰り返してきました。 今年に入り,国際的に株価下落が深刻になるなかで,1月18日に緊急景気対策(約16兆円)を発表し,1月22日にはFRB(連邦準備制度理事会)もフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.75%引き下げました。 しかし,ブッシュ政権は,国際的に求められている投機的資本への規制には消極的です。これでは,事態を長期的な視野で解決することはできません。 一方,日本の福田首相は,施政方針演説のなかで,「アメリカのサブプライムローン問題の影響を受けた経済への対応」とは述べたものの,具体的な政策としては,「日本の金融・資本市場の国際競争力を一層高め,世界の中で中核的な金融センターとなることを目指します」(同)というだけです。 世界同時株安についての予算委員会の集中審議(1月25日)でも,「世界の主要な国々がどう対応するかが大きな鍵だ」などというだけで,日本としての具体的な対応方針をまったく示しませんでした。 投機マネー規制の国際協調が求められているのに,福田内閣は,もっぱらアメリカとの協調ばかり優先させて,昨年のドイツ・サミットの規制論議でも,消極的な態度に終始しました。 こうした態度は,金融政策だけでなく,地球環境政策でも同様です。福田内閣の対米追随路線は,アメリカ国内でさえ強い批判をあびているブッシュ政権のイラク戦争をいまだに支持していることと表裏の関係になっています。 今回の国際金融危機を契機に世界が「ドル離れ」を強め,新たな国際金融秩序をめざして動き始めているもとで,福田内閣の通貨・金融政策の対米追随路線は,日本経済に大きな歪みをもたらすものであり,直ちに転換すべきです。 今回のアメリカ発の国際金融危機についても,軸足をアメリカ・財界から国民において,真に自主的な通貨・金融政策への転換を求められます。
2008年01月28日
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軍需商社「山田洋行」の元専務らから巨額の接待を受けていた前防衛省事務次官の守屋武昌被告が,収賄と議院証言法違反(偽証)の罪で追起訴され,逮捕から約2ヶ月ぶりの1月23日に保釈されました。 起訴されただけでも総額1,200万円以上といわれる贈収賄事件の追及の舞台は法廷に移りますが,政軍財の根深い癒着を浮かび上がらせた軍事利権疑惑は,これで一件落着とさせるわけにはいきません。 「山田洋行」に絡んで浮上した政治家の疑惑も,日米の軍需企業に広がった疑惑も,徹底的に糾明すべきです。 長年にわたってゴルフや飲食などの接待を受け,娘の留学費用などの名目で現金まで受け取っていた守屋被告の「山田洋行」との癒着は,軍需品の納入をめぐる特権官僚と軍需企業との癒着の根深さ,奥深さを浮き彫りにしています。 検察は,自衛隊の装備品納入での有利な取り計らいへの謝礼と認識して,接待や現金を受け取ったことを起訴する理由に挙げました。具体的な事例は特定しませんでしたが,疑惑を指摘された事例は多数あります。 いずれにせよ,ついこの間まで防衛省の事務方のトップを務め,防衛庁の省昇格や自衛隊の海外派兵,米軍再編の受け入れなどに中心的な役割を果たした人物の起訴は,軍需企業の利益のために政策がゆがめられる,政軍財の癒着のみにくさを,文字通り,象徴しています。 重大なのは,守屋被告の起訴された事件はあくまで氷山の一角であり,解明が求められる癒着が,「守屋事件」だけでないことです。「山田洋行」による接待や,「山田洋行」とそのライバルになった「日本ミライズ」による工作に関与したとして名前が挙がっただけでも,現・元の防衛特権官僚,政治家など多数に上ります。 とくに,名指しされた防衛相・長官経験者である久間章生自民党衆院議員や額賀福志郎現財務相らの責任は重大です。 久間氏や額賀氏が,宴席での接待や政治献金をめぐり,自ら疑惑を解明する責任を果たしているとはとてもいえません。国民の前に真相を明らかにするとともに,不当なわいろと引き換えに政策を歪めた事実が明らかになれば,その責任を明白にすべきです。 守屋被告の事件をきっかけに,日米の巨大軍需企業をめぐる,政軍財癒着の実態も浮かび上がってきました。その「フィクサー」(黒幕)ともいわれた「日米平和・文化交流協会」の秋山直紀常勤理事は国会で追及されましたが,疑惑にまともに応えていません。 日米の軍需企業が政治家などの力を借り,巨額の兵器の売り込みなどで日本の防衛政策を歪めてきたのではないか,疑惑は徹底的に糾明されるべきです。 かつての事件をひくまでもなく,軍需品の調達をめぐっては癒着があとを絶ちません。それはこの分野が日米軍事同盟の陰に隠れ,財政事情が悪くても軍事費だけは拡大する,聖域とされてきたからです。 防衛省などが言い訳するように,軍需生産は市場が限られていることだけが原因ではありません。軍拡を続け,軍需企業をのさばらす,アメリカ第一・大企業本位の政治そのものが癒着の温床です。 疑惑を徹底追及して軍事利権の全容を明らかにし,癒着した政治家と特権官僚,軍需企業の責任をあきらかにするとともに,癒着を生む政治そのものを根本からただすことこそがいま求められます。
2008年01月27日
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通常国会の論戦のなかで,海外派兵恒久法をつくる動きが浮上しています。 福田康夫首相は野党議員の質問に対して,恒久法の検討は「望ましく有意義」だと述べました。恒久法制定をもりこんだ新テロ特措法に対する民主党の「対案」が継続審査となっていることをうけて,民主党に「野党とも十分議論させてもらいたい」と協力をよびかけたことも見過ごせません。 恒久法は戦争を放棄した憲法をふみつけにする希代の悪法です。日本の海外派兵の拡大は,平和のために努力している諸国の信頼も失います。恒久法をつくる動きを封じ込めていくことが必要です。 恒久法は,海外派兵ごとに特別措置法をつくり,国会の審議を経て自衛隊を出動させるこれまでのやり方をやめ,ひとたび制定すればその後は自動的に,政府の判断で,いつでもどこにでも海外派兵できるようにするものです。 アメリカがひきおこす戦争への加担のために,自衛隊を「迅速」に参戦させるバネになるのは必至です。 自民党は2006年8月に,恒久法である「国際平和協力法」(小委員会案)を作成しています。国会にはまだ提出されてはいませんが,福田首相の議論がこれを土台にしているのはいうまでもありません。 自民党案は,国連の決議がなくても「国連加盟国その他の国の要請」さえあれば派兵できるとしています。たとえ要請するのがアメリカ一国でも,アメリカが国連を無視して始めるイラク侵略のような戦争に,加担できるようにするというわけです。 憲法で禁じられた武力行使を事実上容認するしくみも用意されています。「安全確保活動」はイラクでのアメリカ軍をみても武力行使が伴います。それを受け入れ国の同意があれば可能だというのです。 政府は新テロ特措法案の審議で,アフガニスタン政権が治安維持のためにアメリカ軍の活動を認めている以上,空爆であろうと国連憲章が禁止する武力行使にあたらないと述べました。恒久法はこの新見解を固定化し,拡大するものです。 自民党案は,武器使用を,「警護」や平和協力活動への「抵抗の抑止」にも広げています。憲法が禁止する集団的自衛権の行使にもつながりかねない内容になっています。 民主党は新テロ対策特措法案にたいする「対案」のなかで,派兵恒久化法の整備を求めました。「対案」が国連安保理決議を理由に,戦闘が続いているアフガニスタン領土に自衛隊を送り込むことを正当化していることをみても,恒久法の内容が憲法に沿うものとなるとは思えません。 自民党と民主党の海外派兵拡大の競い合いはどちらも憲法九条違反の競い合いです。ともに許すわけにはいきません。 野党議員の代表質問で,「だれのための恒久法か」と批判し,世界の流れに反することをうきぼりにしました。海外派兵恒久法は,アーミテージ元アメリカ国務副長官が恒久法論議に「励まされる」と述べたように,アメリカの要求によるものであるのはあきらかです。 アメリカいいなりをやめ,恒久法の検討をやめるべきです。 いま国際社会では,紛争がおきても外交的・平和的に解決しようという流れが大勢となっています。この流れに逆らって,戦争を助長する恒久法をめざすのでは,日本は世界の孤児になるだけです。
2008年01月26日
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福田康夫首相の施政方針演説など,政府四演説に対する衆参両院本会議での各党の代表質問を聞きました。 福田首相は施政方針演説で,「生活者が主役」,「国民本位」などの言葉を繰り返しました。 国民の暮らしはいま,小泉内閣以来の「構造改革」路線のもとで貧困と格差が耐え難いまでに拡大し,それこそ「底が抜けてしまった」といわれるような深刻な不安と危機に見舞われています。 大企業の利益が増え続ける一方で労働者の賃金は継続的に減り続け,家計が消費や貯蓄に回せるお金・可処分所得は「戦後最悪の不況」といわれた1997年に比べてもおよそ10%も減っています。 国民の暮らしを支援し,家計を温めることは,中小企業などの売り上げを伸ばし,地域の経済を立て直すうえでも,待ったなしの課題です。 そうした国民生活の深刻な事態を打開するために野党議員が取り上げたのは,人間の尊厳さえ奪う派遣労働の規制強化など雇用や社会保障,農業と食料,税金などの問題です。また別の野党議員が取り上げていたのは,国民の負担軽減や労働法制の見直し,最低賃金の引き上げ,中小企業への支援などです。 なかでも違法派遣や偽装請負など,「無法の巣窟」とされている派遣労働の規制強化は喫緊の課題です。 大企業が労働コストを削減するため,政府の「規制緩和」路線の後押しを受けて進めてきた非正規労働の拡大は,労働者に異常な低賃金を押し付け,まじめに働いても結婚もできないなど劣悪な労働条件をもたらしています。 労働者は,社会保険にも入れず,「ハケン君」としか呼ばれないなど差別を押し付けられ人間としての尊厳さえ奪われています。 先の野党議員が,政府の約束さえ踏みにじられていると指摘し,派遣法の抜本改正による規制強化を迫ったのに対し,福田首相は「労働者も多様な働き方を求めている」などと述べ,深刻な実態を認めることも規制強化に踏み切ることにも背を向けました。 これでは首相の「国民本位」という言葉が口先だけになります。 先の別の野党議員が取り上げた「医療崩壊」ともいうべき事態の打開も一刻の猶予も許されないものです。議員は医師不足を解決するための抜本的な増員を求めるとともに,「医療崩壊」がこれほど深刻なのだから,政府は公立病院の統合・廃止・縮小をやめるべきだと迫りました。 福田首相がこれに対しても明確な約束をしなかったのは,首相の発言の「偽装」ぶりをここでも示しています。 代表質問に対する首相の答弁には,国民生活の深刻な事態をもたらした責任の自覚も,そのための具体的な処方せんもありません。 道理ある主張にも耳を傾けず,ただただこれまでの破たんした路線にしがみつくだけでは,首相が「国民本位」という責任を果たすことはできません。 「企業が栄えれば,国民生活がよくなる」という政府のシナリオが完全に破たんしていることも指摘されており,経済政策の軸足を大企業から,家計・国民へ転換させることがますます必要になっています。 国会論戦と国民のたたかいで追い詰めるとともに,政治の根本からの転換がいよいよ重要な局面になってきているといえます。
2008年01月25日
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「再度,『(ねんきん)特別便』を送付しても,あまり効果は望めない」。 1月23日の公明党・浜四津敏子代表代行の参院代表質問に議場からざわめきが起こりました。 昨年の参議院選挙第一声で「特別便」の実施について,「これは公明党が大きな推進力となった」と胸を張っていたのが,ほかならぬ公明党の太田昭宏代表だったからです。 同党は,「年金記録問題の解決のエンジン役」を自称してもきました。 「ねんきん特別便」は,5,000万件にのぼる「宙に浮いた年金記録」問題の対策として政府が決定し,昨年12月から順次発送されています。 しかし,「特別便」には,加入履歴の記憶を喚起する記録がいっさい記載されていません。このため,「訂正なし」と回答した人を対象に社会保険庁が改めて電話で照会したところ40%強で記録漏れが発覚しています。 舛添要一厚生労働相は1月22日,「特別便」の内容を改め,送り直す方針を表明しています。 この件に関して,野党は年金記録問題が発覚した当初から,年金保険料の納付記録をすべての受給者,加入者に通知する「1億人レター作戦」を提唱し,加入期間や事業所の所在地など,国民に最大限の情報を伝えることを求めてきました。結局,政府もそれを認めざるを得なくなったのです。 浜四津氏はこれまでの「特別便」の中身の問題点には一切触れず,「特別便」は効果が薄いと,過去の自らの“実績”をいとも簡単に消し去ってしまったのです。 同氏は「自己」否定に続けて,今度は「電話や訪問」による対応を迫りました。しかし,問題のまともな検証抜きに新対策を打ち出しても,残念ながら効果は望み薄でしょう。
2008年01月24日
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原爆症の認定基準をめぐって,厚生労働省は認定の判断にあたる被爆者医療分科会に新基準の構想「新しい審査のイメージ(案)」を示し,新基準づくりが実際に始まりました。 新基準の構想は,これまで批判されてきた現行の認定基準の根幹である「原因確率による審査を全面的に改め,迅速かつ積極的に認定を行う」としています。 広島・長崎に原爆が投下されてから今年で63年目です。被爆者はいま高齢化と,原爆被爆が原因としか考えられない,癌をはじめとしたさまざまな病気とたたかっています。集団訴訟の原告のなかにも,解決を見ることなく亡くなる人が増えています。 被爆者が「私の病気は原爆が原因だと認めてほしい」と原爆症の認定申請をしても却下が相次ぎました。現在,原爆症に認定されているのは,「被爆者健康手帳」をもつ約250,000人のうち2,000人ほどです。 爆発後1分以内の初期放射線被爆だけを認定の判断材料にし,放射線降下物や残留放射線などの影響をほとんど無視した「原因確率」による審査の方針に固執してきたからです。 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)や原爆症認定を求めてたたかっている集団訴訟の原告・弁護団,日本共産党をはじめ各党も「原因確率」による審査方針の廃止を求め,またこれまでのすべての判決がこの機械的適用を厳しく批判してきました。 今回の新基準の構想が「原因確率」による審査を全面的に改めるとしたことは当然です。日本被団協や弁護団も“問題解決への一歩を踏み出した”と評価しています。 厚生労働省は被爆者医療分科会で3月までに新基準をまとめあげ,来年度から運用するとしており,いま重要な局面を迎えています。日本被団協や弁護団は「評価できる」としながらも,新しい基準案は原告全員救済などの要求とは隔たりがあるとしています。・爆心地からの距離が3.5キロメートル前後で被爆・100時間以内に被爆地付近に入った・100時間後でも1週間程度滞在・がん,白血病,副甲状腺機能亢進症,放射線白内障などが発症 などを原爆症と認定することを原則としているからです。被爆距離を「3.5キロ」と線引きされたり,疾病が限定され,裁判で認められた原告さえ認定されない危険があります。 “個別審査で総合的に判断する”とした認定基準も明らかにされていません。 5年前に第一陣が国・厚生労働省を相手に提訴して以来,6回連続して国側が敗訴している集団訴訟では,被爆状況や被爆直後の行動,急性症状,今日に至る健康・疾病状態を全体的・総合的に判断し,遠距離被爆者や入市被爆者も原爆症と認定するよう命じています。 新しい認定基準はこうした判決を踏まえるべきです。 厚生労働省側は1月21日の被爆者医療分科会で,「これまでの認定結果にいろんな批判があり,私たちもある程度踏み出さざるを得なくなった」と述べました。 日本被団協と原告などは,国・厚生労働省に対し,いまこそ被爆者援護の精神に立ち,被爆の実態を直視し,被爆者の実情に即して救済する新しい基準をつくりあげるため協議を求めています。 すべての原告を救済する認定制度になるかどうか,いま政府・与党の姿勢が問われています。認定制度の抜本的改正と訴訟の解決に向け,ひきつづく世論と運動が重要です。
2008年01月23日
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憲法の平和原則を具体化した武器輸出三原則をなくそうとする動きが財界から強まっています。 政府は2004年に,ミサイル防衛に関する日米共同開発・生産に限って武器輸出三原則の例外にしましたが,日本の武器の海外への流出を禁止した三原則が武器を世界に流出させない歯止めになっていることに変わりありません。 財界が三原則の再見直しを求めるのは,武器を世界に売りつけ,巨大な儲けをあげるためです。日本を世界各地の戦争・紛争を助長する「死の商人」国家にするわけにはいきません。 日本経団連の加藤千之防衛生産委員会委員長代理は,昨年12月25日の参議院外交防衛委員会で,アメリカ以外の武器の国際共同開発に参加し,生産した武器や技術・部品を輸出できるようにするため,「武器輸出三原則の見直しが必要だ」と公然と要求しました。 アメリカを武器輸出三原則の適用除外にしただけではあきたらずに,さらに緩和あるいは解除を求めるものです。 武器を諸外国に売るということは,戦争や紛争などでその武器が使われ,多くの人々を殺傷するということです。武器を売ることと平和・生命尊重とは両立するわけもありません。 財界の言い分は,儲けさえあがれば,他国民の命はどうでもいいとする言語道断の態度です。 福田内閣の態度も見過ごしにはできません。石破茂防衛大臣は,武器を売って「紛争を助長するなどというのはもってのほか」といいながら,武器の共用化が「必要」とか,買い手が自衛隊だけなので価格が「高い」といって武器輸出に誘導する発言をしています。 そのために「議論は国会でぜひなさっていただきたい」(昨年11月1日衆議院テロ対策特別委員会),「そうでなければ神学的」(昨年12月27日参議院外交防衛委員会)ともいっています。 高村正彦外務大臣も「柔軟解釈の議論は三原則と矛盾しない」(同)といっています。両大臣がこうした態度をとるのは,いずれ時期をみて武器輸出三原則を再見直しする考えがあるからとみざるをえません。 「議論だから」といって放置するのは危険です。 武器輸出三原則についての政府統一見解は,「平和国家としての我が国の立場から…国際紛争等を助長することを回避するため」,どの国に対しても「武器の輸出を慎む」としています(1976年2月27日)。 石破,高村両大臣の発言が政府統一見解に反するのはあきらかです。 もともと武器輸出三原則は,過去の侵略戦争で2,000万人にもおよぶアジア諸国民のいのちを奪った痛苦の教訓から確立されたものです。財界・軍需産業の儲けのために再見直しさせるわけにはいきません。 アメリカなどが売りつける武器で多くの人々が犠牲になっていることは重大です。国連はようやく,拳銃や機関銃などの小型武器の移転規制の動きを本格化しつつあります。 世界のどこにもない,武器輸出三原則をもつ日本こそ,積極的な役割を果たせる課題です。 外務省の2006年版『日本の軍縮・不拡散外交』でも,日本は「武器輸出を行っておらず,輸出を前提とした軍需産業もないことから,国際社会をリードできる」といっています。 武器輸出三原則の再見直しは有害無益です。 武器輸出三原則は日本外交のためにも守るべき宝です。再見直しを許さず,堅持することが重要です。
2008年01月22日
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中央教育審議会が1月17日,教科等の枠組みや時間数,その内容を定める学習指導要領の改定について答申しました。文部科学省は,これにもとづき2011年から使う指導要領を3月までにつくる予定です。 答申は,政財界の「学力低下」論に呼応して,子どもには授業時数を増やし全国いっせいテストで競わせ,教員には授業内容や方法の統制を強めようというものです。 今でも金曜日にはくたくたで授業にならない小学校一年生が,改定指導要領では毎日5時間授業になります。教育内容は授業時数以上に増え,つめこみ授業による「落ちこぼし」の増加は明らかです。一斉テストは,点の低い子どもに「出来損ないっていわれている感じ」と劣等感をもたらします。 答申は多様であるべき学力観や学習方法を画一化しようとしています。答申が重視する「表現力」は「A4一枚で書く」が目標です。表現したい気持ちをていねいにはぐくむのでなく,「A4一枚」が機械的に追求されかねません。個性的で創造的な授業が姿を消す危機です。 3年連続「学力世界一」となったフィンランドは,日本より授業時数が短く,一斉テストをやらず,教員の自由度を思い切り保障しています。答申はこうした世界の流れにも逆行するものです。 さらに答申は,改悪された教育基本法をうけて,「伝統と文化を尊重する態度」「国と郷土を愛する態度」などの教育を授業全体でつよめようとしています。しかし,何をもって「伝統」や「愛国心」とするかは,良心の自由に属します。特定の態度を押しつけ子どもを鋳型にはめることは,憲法に反します。 しかも答申のかかげる徳目には,市民道徳の教育に欠かせない,人権や子どもの権利がありません。子どもたちは,格差社会,いじめ,成績による選別などで,人間として傷ついています。その子どもの声をききとり,子どもとともに誰もが人権を尊重される学校生活を築くことこそ,市民道徳の教育の核心です。 上から観念的で画一的な「徳目」を守れと言うのは,既存の社会に従順にしたがう人間をつくろうというものです。 答申は,前回の目玉として華々しく登場した「総合的な学習の時間」をへらし,中学の「選択教科」を事実上なくすなど,方針を大きくかえました。こうした朝令暮改にふりまわされる子どもや学校現場はたまったものではありません。 戦後直後の学習指導要領は「試案」と銘打たれ,どんな授業をおこなうか教師自身で研究するための「手引き」であり完成品ではないとされていました。指導要領は大枠にとどめ,教える内容や時間は学校現場の創意工夫に委ねるべきです。 こうした自由のもとでこそ,助け合い学びあいながら「分かった」と瞳を輝かす授業,貧困や格差,環境問題など現代社会の課題とむきあう授業,そんな子どもたちが歓迎する授業がうまれます。 政治が真剣に取り組むべきは,教育条件の整備です。豊かな知育には少人数学級が欠かせませんが,日本の学級編制は40人のままで,20人程度の欧米諸国に比べて大きく立ち遅れています。 授業への国家統制は強め,条件整備は放棄する,そんな自公政治を一刻も早く終わらせ,教育が花開く新しい政治を実現させなければいけません。
2008年01月21日
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違法行為が常態化し,不安定な働き方の典型として改善の必要性がさけばれていた「日雇い派遣」について,グッドウィルなど派遣会社が処分されたのにつづき,厚生労働省が新しい指針案をまとめました。 「日雇い派遣」は携帯電話やメールで連絡をうけ,どんな仕事かわからないまま毎日,違う駅に集まり,違う現場で働かされます。違法で危険な仕事だと気づいても,文句をいえば次の日から仕事を紹介してもらえなくなり,不当な扱いにがまんしているのが実態です。 指針案は,派遣会社が「データ装備費」などの名目で賃金から200円程度天引きしている行為について,理由が明白で労使協定を結んでいる場合以外は禁止。会社の指示で最寄り駅に集合し,バスなどで作業現場に移動する時間も労働時間として把握し,賃金を払うこととしています。 二重派遣のような不正行為を防ぐために,事前に就業条件を把握することや定期的な巡回を派遣元に命じ,派遣先にも就業条件の周知徹底や就業場所の巡回をおこなうことなども要求しています。 これらは「日雇い派遣」で働いている労働者が,せめてこれだけはと訴えていた最小限の要求に応えたものといえます。 グッドウィルやフルキャストなど「日雇い派遣」業界の大手が違法行為を摘発され,事業停止命令をうけている事態は,働く者の弱い立場につけいり,やりたい放題をくり返してきた結果にほかなりません。 違法を野放しにしてきた厚生労働省の責任はきわめて重いものがあります。問題企業の処分や労働者保護の指針をつくったとしても,これで解決というわけにはいきません。 日本経団連は,労働者派遣法のいっそうの規制緩和で違法状態の合法化をはかり,「使い捨て雇用」の拡大を狙っています。 労働者,労働組合が「日雇い派遣」の禁止など派遣法改正を求めて大きな運動をおこしましたが,厚生労働省は法改正を見送りました。問題だらけの法律をそのままにし,指針でお茶を濁すのが厚生労働省の姿勢だとしたら許せません。 派遣労働者がモノのように扱われているひどい状態を改善するには,派遣法の抜本的な改正が必要です。 派遣法を「派遣労働者保護法」に改めて派遣労働者の権利を保護する,派遣は臨時的・一時的業務に制限し,常用雇用型を基本として日雇い派遣は直ちに禁止する,派遣期間の上限を1年としこれを超えたら正社員にする,同じ仕事は同じ待遇という原則を貫く,賃金のピンハネを規制する,などまだまだ改めるべきことが多くあります。 この間,労働者,労働組合は粘り強いたたかいで厚生労働省を追い詰め,サービス残業根絶通達,偽装請負是正通達などを出させ,これを武器に大きな成果をかちとってきました。 「日雇い派遣」指針も,非人間的な待遇の改善に生かすとともに,その力を抜本的な法改正へ大きく発展させることが求められています。
2008年01月20日
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安倍前首相の「美しい国づくり」が無残にも破たんした後,今度は「夢を抱くことができる国」とは…。1月18日の福田康夫首相の施政方針演説は,あまりにも空疎でした。 首相は「基本方針」で,日本は世界第2位の経済大国をつくりあげた,世界から大きな役割が期待されている,などと自賛したうえ,こう強調しました。 「あとは,いかに前向きに,夢を抱くことができる国になるか(だ)」。 自民党政治のもとで日本がいかに「夢を抱けない国」になっているかを認めざるを得ないのです。 この間,非正規雇用の増加,増税と社会保障の連続改悪などで「貧困と格差」はいっそう深刻になっています。しかし,施政方針からその現実を真摯に見つめる姿勢は伝わってきません。 昨年9月の首相就任直後の所信表明演説では,不十分ながらも「格差問題」の項目を設け全体の1割をこの問題にあてていました。今回は「格差」という言葉すらわずか1ヶ所。 これで首相が連発する「国民の目線」「国民本位」といえるのか。 そのうえに首相は国民の「夢」を打ち砕く改悪を次々用意しています。 来年度予算案では社会保障費の自然増を2,200億円も削減。 4月には75歳以上のお年寄りを差別化し重い負担をしいる後期高齢者医療制度を強行しようとしています。 施政方針演説では消費税増税の「早期に実現を図る」と踏み込みました。 これだけ国民への将来不安を盛り込んでおいて「国民の立場に立つ」とはよくいえたものです。 国民が「夢」を抱けるようになるには,平和な社会,世界でなければなりません。 施政方針はどうか。「平和協力国家日本」を標ぼうしながら,具体的に実行しようとしていることは,民意を踏みにじってインド洋に再派兵しアメリカ軍などへの給油を再開することです。 それも期限のある特措法ではだめだとばかり「いわゆる『一般法』の検討を進める」と海外派兵の恒久法制定を明言しているのです。アフガンの実態もかえりみず,戦争を続けるアメリカにつき従うことがどうして「平和協力」なのか。 「むすび」の中で首相は,明治時代の秋田県の農村指導者,石川理紀之助(1845年-1915年)に触れました。「疲弊にあえぐ東北の農村復興にその生涯をささげた」として「どんな困難があろうとも,あきらめずに全力で結果を出す」と力んでみせました。 それをいうなら,自民党農政の結果,米作農家の大半が採算割れになり,文字通り疲弊にあえいでいる現実こそ直視すべきです。 「何よりも得難いのは信頼である」という理紀之助の言葉を引用してお説教しても,国民の不信は増幅するばかりでしょう。 「自民党の立党以来最大の危機」を自認する首相がにわかに打ち出したのが「生活者や消費者が主役となる社会」です。 しかし,いかに取り繕っても大企業に軸を置き,アメリカいいなりの外交を変えようとしない自公政治では,「夢を抱くことができる国」など,まさに夢物語。 施政方針演説はそのことを改めて鮮明にしました。
2008年01月19日
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米軍再編により空母艦載機の移転が押し付けられようとしている山口県岩国市で,市長選挙が2月3日告示,2月10日投票で行われます。 井原勝介市長は,市民の安全を脅かし騒音などの負担を押し付ける艦載機移転に,反対を貫いてきました。 移転を強行しようという政府は,市長が反対していることを理由に,約束済みの市庁舎建て替えの補助金を一方的にカットし,自民・公明などの移転推進勢力は,市長が提案した補正予算案の否決を重ねてきました。 市長選は,予算成立と引き換えに辞任した井原市長が,改めて民意を問うと表明したのをうけて行われるものです。 岩国市民は一昨年(2006年)3月の住民投票でアメリカ空母艦載機の移転反対の意思をはっきり示し,その直後に行われた市長選でも,移転反対を掲げた井原氏を再選して,移転は許さないという意思を明白にしてきました。 市民の意思が三度問われることになる今回の市長選は,今後の移転強行をうち破るうえで極めて重要なたたかいです。 岩国市民は長年にわたって,岩国基地に駐留するアメリカ軍によって生活を脅かされ,騒音などの犠牲に耐えてきました。 空母艦載機の移転によって多数のアメリカ軍機が新たに配備されることになれば,市民の暮らしがいよいよ耐え難いものになることは明らかで,市民が繰り返し移転反対の意思を示してきたのは当然です。 井原市長は,この市民の意思に従って移転に反対を貫いてきました。 政府は,アメリカいいなりの米軍再編を強行するため,さまざまな脅しと攻撃をかけ,この中で,地震対策としても緊急性がある市庁舎建て替えの補助金について,かつて空中給油機の配備を受け入れた見返りとして支出を続けていたのに,市長が移転反対を表明した途端に中止するという理不尽な攻撃に出ました。 井原市長は「補助金と,艦載機移転によってもたらされる苦しみとは,取り引きできるような問題ではありません」(『世界』1月号のインタビューで)ときっぱりとした態度を示し,市民は昨年12月,11,000人の市民集会を成功させて,抗議と反対の意思を示してきました。 昨年末の市議会では,「合併特例債」を使った市庁舎建設予算を含む市の補正予算案が成立し,市庁舎の建て替えはめどがつきました。 市長選にあたり自公陣営は,現職の自民党衆院議員を出馬させ,岩国市民に移転を認めさせるためのなりふりかまわぬ攻撃をかけています。 市長選は,アメリカいいなりの艦載機移転を,何が何でも市民に押し付けようとする一部勢力と,「移転ノー」の市民の選択の実現を願う,圧倒的な市民のたたかいです。 井原氏は,市長選出馬の記者会見で「いたずらに不安をあおり,市民を分断し,国や一部の利益を優先する古い政治とのたたかいだ」と,市長選が市民の民主主義と地方自治をまもることを強調しました。 もともと,「カネでいうことを聞け」といわんばかりのやり方は,市民の意思をふみにじる,絶対に許されないことです。こうした無法が許されるなら,民主主義も地方自治も成り立たないことになります。 無謀な艦載機移転計画をくい止め,民主主義と地方自治をまもるために,なんとしても井原氏の勝利が求められる選挙です。そして岩国市民だけでなく,全国的にも大きな政治的意義を持つたたかいでもあります。
2008年01月18日
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「市中銀行の貸し渋りにあっている中小企業を支援する」として石原慎太郎都知事の指示で東京都が設立した新銀行東京(本店・千代田区)が,中小企業に対する貸出比率を大幅に引き下げていたことが1月16日までに調べで明らかになりました。 新銀行東京によると,2007年9月末時点の貸出残高は2,218億円です。このうち中小企業分は1,046億円にとどまっていました。同行は「5割以上が大企業・中堅企業です」と説明しています。 貸出総額に占める中小企業の比率は,2006年3月(開業1期末)の62.5%をピークに,2007年3月は51.5%にダウン。同9月は47.2%にまで減少しました。 岡田至執行役(元東京都港湾局部長)は,昨年11月の9月中間決算発表会見で,「中小企業に対して,この半年間,全く貸してこなかったということではない。ペースは落ちたが,中小企業にお貸しすることはやっている」と説明しました。 詳細を確認するために,同行に対し,各決算期の中小企業に対する融資実績の公表も求めましたが,「非開示情報」だとして拒否しました。 岡田執行役は,融資分のデフォルト(債務不履行)が相次いだため,昨年夏に無担保・無保証融資(ポートフォリオ)の条件を厳しくして,貸付限度額を5,000万円から2,000万円に大幅に引き下げ,貸出期間も短縮したといいます。 「中小企業をサポートする」との宣伝文句とはうらはらに,同行の貸し出し最高金利は年14%と,利息制限法の上限ぎりぎり(元本100万円以上=年15%)です。業者から「サラ金なみの高金利では借りられない」との声があがっています。 中小業者でつくる東京商工団体連合会(東商連)では,「新銀行から融資を受けても,高金利のため,別の金融機関から借りて返済する業者もいる」といいます。 ある商工会の役員は,「新銀行から融資先を紹介してほしいと頼まれるが,金利が高すぎるので会員には紹介しない。新銀行から融資を受けたら,かえって企業の経営が悪くなってしまう」といいます。 新銀行東京は,石原都知事が5年前の知事選で公約にかかげ,強引に設立したものです。2004年度に都が1,000億円を出資し,2005年4月に開業しました。 都議会の自民党,民主党,公明党の各党は,出資金を盛り込んだ2004年度予算に賛成し,石原知事を後押ししてきました。 発足した新銀行東京は,「東京の経済再生の突破口を切り拓いていく」(『ディスクロージャー誌2006』)と豪語していました。同行の中期経営目標(2005年)では,中小企業向け貸出残高を,2008年3月には5,200億円に増やす計画でした。 石原知事の指示で都が策定した新銀行マスタープラン(2004年2月)も,「開業3年目で経常利益黒字化」との目標を立てましたが,経営は悪化するばかりで,中小企業への融資は大きく縮小してきたのが現実です。 あまりの経営不振で,昨年6月に役員の大半が引責辞任。石原知事は腹心の大塚俊郎前都副知事ら都幹部を送りこみました。同時に経営再建策を策定し,支店の統廃合,行外のATM(自動預払機)を休止するリストラ策を実施してきました。 それにもかかわらず昨年9月の中間決算は,半年間で87億円の赤字を計上し,累積赤字は936億円にふくらみました。都出資分の94%が棄損する状態です。 また,新銀行側が「都と連携し,新たな支援を引き出したい」とし,石原知事も“都のポテンシャル(潜在力)を活用したい”と発言,東京都丸抱えの「救済」の可能性も指摘されています。 しかし石原知事は,昨年12月都議会の所信表明で新銀行問題に一言もふれませんでした。 これに対し,日本共産党の曽根はじめ都議は代表質問で,新銀行東京は「企業として成り立っていない」と指摘。ただちに破たん処理に踏み出すよう石原知事に迫りました。 さらに,「臨海副都心開発やオリンピックのための公共事業の資金調達や債券発行に新銀行を活用するということであれば,形を変えた税金による救済」だと厳しく批判しました。 都の元幹部も,「庁内からは,新銀行なんかつくらない方がいい,失敗するとの声があがっていた。共産党がいうように,信用保証協会を活用し,制度融資の預託原資を増やして中小企業融資を拡充していれば,こんなに傷が大きくなることはならなかった」と話します。 かつて,破たん状態にあった臨海副都心開発を「行くも地獄,退くも地獄」(2001年3月)といって開発継続,都財政投入を決め,都民の批判を浴びた石原知事。 新銀行問題でも,「進むも地獄,退くも地獄」(2007年6月)といいながら,破たん処理を先送りしています。無謀な銀行事業を推進した知事と都議会自民党,民主党,公明党の責任が問われています。 東京都民も,甘言に騙され石原慎太郎を再度都知事にしたことで1,000億円の税金が棄損してしまったという責任を何らかの形で負担することになるのです。 中小企業には役に立たない銀行をつくるのではなく,公的な制度融資を拡充しべきで,今からでも銀行への出資金を回収して,石油や原材料の値上がりに苦しんでいる中小企業支援に回す方が有効かもしれません。 このままでは確実に都が出資した1,000億円が無駄になってしまうでしょう。思いつきでつくった石原知事の責任は重大です。
2008年01月18日
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今年は,クラスター爆弾の全面禁止条約締結をめざす国際的とりくみにとって大きなヤマ場となります。 昨年2月のオスロ(ノルウェー)会議がうちだした,今年末までの全面禁止条約締結に向けて,有志諸国を軸にした国際的とりくみは着実に前進しています。 オスロ会議では49ヶ国だった参加国が,5月のリマ(ペルー)会議では68ヶ国,12月のウィーン(オーストリア)会議では138ヶ国に増え,アメリカなどクラスター爆弾を温存しようとする勢力も無視できなくなっています。 国際会議には参加しながら,全面禁止条約作りを妨害する日本政府の態度が問われます。 国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は,昨年11月の国連特定通常兵器使用禁止・制限条約(CCW)締約国会議に対し,クラスター爆弾が「国際人道法への重大な挑戦」と断定し,「使用,開発,製造,貯蔵,移転を禁止」することを,国連として初めて公式に要求しました。 国際的取組みを後押しするものです。 クラスター爆弾は,ひとつの親爆弾から数百個の子爆弾がばらまかれ,戦車群や地上部隊,施設を一度に壊滅させる兵器です。10%以上もの不発弾は,拾い上げて握ったとたんに爆発するため,何も知らない子どもをはじめ民間人が犠牲になっています。 不発弾になる割合を下げたからといって正当化できる兵器ではありません。 戦争を禁止した憲法をもつ日本は国連の決定を待つまでもなく,率先して残虐兵器の全面禁止のために力をつくすべきです。しかし,日本政府は,クラスター爆弾全面禁止の流れに背を向けているのが実態です。 国連の後押しを受けて,ウィーン会議でオーストリアが全面禁止条約案を示したのに決定されなかったのは,クラスター爆弾の保有に固執している日本,イギリスなどが妨害したためです。 日本政府が,国連のCCW締約国会議で議論すべきだなどといって国際会議での決定それ自体を妨害しているのは,世界各地で現にクラスター爆弾を多用しているアメリカの意を受けてのことです。 通常兵器の使用禁止や制限を実施するために国連がつくったCCWは,本来国際社会がつよく求めているクラスター爆弾の禁止を正面から議論するのが当然です。その議論さえできなかったのはアメリカなどが反対したからです。 日本政府がCCWで議論をといっても,全会一致のCCWでは,アメリカが反対すれば全面禁止条約作りが不可能になるのは避けられません。CCW任せにするのでは永遠に条約はできません。 だからこそ,有志諸国はCCWの枠外でクラスター爆弾の全面禁止条約をつくり,CCWも条約を認めざるをえない状況をつくろうとしているのです。 2月にニュージーランドのウェリントンで,5月にアイルランドのダブリンで全面禁止条約作りの詰めの国際会議があります。政府は国際的努力を妨げるべきではありません。 日本政府は,「人道上の懸念」をいいつつ,安全保障のためだといって自衛隊がクラスター爆弾を持つのを正当化しています。在日米軍ももっています。 日本を海外で戦争する国に変えようとする危険な戦争態勢づくりが進んでいるだけに,日本にとってもクラスター爆弾の全面禁止は不可欠です。 日本政府は軍事優先をやめ,国際的取組みに合流すべきです。
2008年01月17日
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参議院選挙の結果をうけて始まり,2度にわたる延長で会期が128日間を数え,異例の越年国会ともなった臨時国会が閉幕しました。 参議院で自民・公明の与党が過半数を失い,与党が議席の2/3を占める衆議院との「ねじれ」がいわれた国会です。 その結果は,自公の敗北で国民の声が政治を動かす新しい条件が生まれたことが浮き彫りになる一方,政権が福田康夫内閣に代わっても政治の基本は変わらず,参議院で多数を占めた民主では自民党と大きな違いはないことが明らかになりました。 「ねじれ」は衆参の間ではなく,自民・民主の「二大政党」と国民の利益にあることが見えてきました。 臨時国会で,衆議院と参議院の与野党の勢力構成が違ったのに,長年の課題だった被災者生活再建支援法の改正や薬害肝炎の被害者救済法が全会一致で成立したのは,国民の利益に立つ政策の実現に,衆参の「ねじれ」は障害ではないことの証明です。 国民が強く求める政策なら,与党でも野党でも賛成するのは当然で,同意しなければ批判を免れません。 実際,薬害肝炎の被害者の救済では,政府は当初,薬害の原因となった血液製剤が投与された時期で被害者を差別しようとしましたが,被害者の命をかけた運動と国民の批判で,福田首相もついに全員救済を「政治決断」せざるを得ませんでした。 国民の声が政治を動かす条件はより広がったことを示します。 与野党が一致する,国民の利益に立った法案は通るが,一致しない法案は通らないのが衆参の「ねじれ」なら,本来,国民の利益にならない法案は提出をあきらめるのが政府・与党のとるべき態度でしょう。 ところが,臨時国会中に安倍晋三政権を引き継いだ福田政権が持ち出したのは,国民の意思に背き,アメリカの戦争を支援する新テロ特措法です。 政府・与党はこの法案を成立させるためだけに会期の延長を繰り返し,最後は参議院での否決を衆議院の再可決でひっくり返すという言語道断なやり方で押し通しました。 この政権が,アメリカ追従・大企業本位の政治路線を貫く政権であることを浮き彫りにしたものです。 しかも,その福田首相と民主党の小沢一郎代表が,臨時国会さなかの昨年11月会談し,自民党・民主党の「大連立」を話し合い,海外派兵のための恒久法などで合意したというのは,民主党と自民党が「同質・同類」であることを示したものです。 こうした「二大政党」の正体こそ,国民の利益との「ねじれ」そのものです。 民主党はテロ新法をめぐっても「対案」なるものを提出して,政府案にさえない,恒久法づくりなどを求めました。民主党はテロ新法の継続をいいだし,小沢代表は再議決の本会議を退場し,ひんしゅくを買いました。 民主党案が,衆議院では自民党も賛成して継続審査となったのは,海外派兵の拡大に大きな火種を残したものとして,絶対に見過ごせない重大問題です。 こうした臨時国会の結果が示しているのは,総選挙の結果,この「二大政党」がどんな形で政権についても,政治の根本的な転換はありえないということです。 国民は今,自公政治に代わる政治はどうあるべきかの探求の過程にあります。 政治の根本的な転換には,アメリカと財界に軸足を置いた政治から,国民に軸足を置いた政治への転換を国民自身が実現しなければいけない時期に来ているといえます。
2008年01月16日
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新テロ特措法を再議決で成立させた自民党・公明党連立与党が,民主党の「対案」を廃案にせず,「継続審議の対象にすべきではないか」(自民党の伊吹文明幹事長,1月11日の記者会見)と次期通常国会に持ち越そうとしています。 その思惑は… 民主党の「対案」は1月11日の参議院本会議で,同党などの賛成多数で可決され,衆議院に送付。1月15日の臨時国会会期末で対応が決まります。参議院で「対案」に反対した与党が継続審議を求めるのは「極めて異例」(国会関係者)な事態です。 自民党・公明党連立与党がそこまで動くのは,民主党の「対案」が自衛隊の海外派兵をいつでも可能にする派兵恒久法の早期整備を柱に盛り込んでいるからです。 民主党の「対案」を継続審議にすることで,民主党との恒久法づくりの協議に道を開く狙いがあります。 再議決で成立させた政府の新テロ特措法は1年の時限立法。参議院で野党が多数を占める政治状況のもとで,与党は1年後の期限切れで延長論議が再び“難航”することを懸念しているのです。2009年7月末にはイラク特措法も期限切れとなります。 予想される衆議院の解散・総選挙で再び与党勢力が再議決を行使できる2/3以上の議席を確保することが難しいなかで,「民主党と恒久法の協議をする際の証文としてとっておく」(自民党関係者)というのです。 福田康夫首相は1月11日,「何かあったときに,その時々で法律をつくると時間がかかり,機敏に対応できない。それを解消するには一般法があったらいい」と改めて表明。 政府はすでに1月8日,派兵恒久法の本格検討に着手する方針を明らかにしています。その根本には,アメリカの先制攻撃戦略に対応して,いつでも機動的に海外派兵する体制を整備する狙いがあります。 重大なのは民主「対案」に盛り込まれた恒久法の内容です。 恒久法の整備に関連して,民主党の「対案」は国連憲章第七章の軍事行動を含む強制措置とともに,「憲法上の自衛権に関する基本原則」を盛り込むよう求めています。 すでに同党は,2006年12月の「政権政策の基本方針」で,国連決議の下での武力行使への参加とともに,「これまでの個別的・集団的といった概念上の議論の経緯に拘泥せず」として海外派兵での武力行使を可能にする集団的自衛権の行使を一部容認する「基本原則」をすでにまとめています。 国連を“錦の御旗”として海外での武力行使を公然と認め,集団的自衛権に基づく派兵まで可能にするものです。 また「対案」は「アフガン復興支援」として陸上自衛隊のアフガン本土派兵,自衛隊による武器使用基準の緩和を盛り込み,さらに国連決議があればインド洋での海上阻止活動について参加を検討するとしました。 福田首相は民主党の小沢一郎代表との党首討論(1月9日)で,「対案」について「大変意欲的だと思う」,「これから国会でおおいに議論させていただきたい」と述べていました。 派兵恒久法は,単なるインド洋やイラクへの派兵の延長ではなく,憲法九条を根底から破壊する「立法改憲」法です。その火種を残す,民主「対案」の継続審議は許されません。
2008年01月15日
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新成人のみなさん,おめでとうございます。今年は全国で135万人が,「成人の日」を迎えます。みなさんが,それぞれの夢にむかって前向きに挑戦されることを心から期待します。 私自身も,若いみなさんの願いと声が,最近,社会や政治を動かしはじめていることに注目し続けています。 「人間らしく働きたい」,「まともに生活できる仕事を」,数年前まで,若者のひどい働かされ方や貧困について,「青年のやる気の問題」などとしてまともに向き合わなかった政府が,昨年,「ネットカフェ難民」の調査をおこないました。 日本民主青年同盟や首都圏青年ユニオンのみなさんが,職場でモノ扱いされてきた若者と全国各地で対話し,闇のなかにあった「ネットカフェ難民」などの実態を調べ,告発し,社会の大問題にしてきたからかもしれません。 「お金の心配なく学びたい」の声と運動を前に,東京大学では,年収400万円未満の世帯の学生の授業料が,免除されることになりました。世界に例のない高学費を,長期にわたって押しつけてきた政府の政策に,風穴をあける画期的な成果といえます。 「殺されたくないし,だれも殺したくない」-憲法九条を守りたいと願う若いみなさんの声は年々大きくなり,昨年は,しゃにむに改憲をすすめようとした安倍内閣を退陣においこみました。 学生「九条の会」のみなさんが,「九条を守る世代になりたい」と自分の言葉で語り,それを聞いた学生が考え豊かに語りだす,そんな新しい運動が全国に広がっていることも,頼もしいかぎりです。 戦争のない世界をもとめる願いは,いま,巨大な流れとなって,世界を覆いつつあります。東南アジア諸国から始まった東南アジア友好協力条約(TAC)という平和の共同体づくりが,地球の人口の57%にもなる24ヶ国,37億人へと広がっていることもそのひとつです。 「自分たちが生きているこの地球を大切にしたい」-温暖化などから地球環境を守ることは,まったなしの人類共通の課題です。未来に生きる若いみなさんの不安と関心が高いのも当然です。 世界の科学者たちは,「温暖化の原因は人間の経済活動」,「今後二十年の努力が大切」と警告しました。国連事務総長は,「科学者は仕事をした。今度は政治家が役目を果たすべき」と述べました。 ところが昨年インドネシア・バリ島でひらかれた国際会議で,日本とアメリカ政府は,経済界の意向を優先し,温暖化の原因となる二酸化炭素排出削減の数値目標を明記することに反対し,世界中から批判の的となりました。 若いみなさんの「地球を守るために,自分もなにか」という思いが,地球環境を守る世界の多くの人々の努力に結びつく新しい年にしたいものです。 雇用や学費でも,平和・憲法でも,地球環境でも,若いみなさんの願いこそ世界の流れと重なっており,それに背をむける自民党の政治は世界の流れから孤立しています。 今年は総選挙が予想される年です。成人をむかえたみなさんがはじめて,国の主権者としての「一票」を行使することになります。若いみなさんの勇気ある選択で,青年の要求や願いに正面からこたえる政治をつくりだすまたとないチャンスです。 若いみなさんが力をあわせることに心からエールを送ります。希望のもてる未来をめざして,国の主権者としての「一票」を行使して欲しいと強く願います。 どの候補者,どの政党が自分たちの未来を託せるのか慎重に判断してくれることを期待します。
2008年01月14日
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1月15日に会期末を迎える臨時国会。 参議院の与野党逆転状況から,福田康夫首相は,「国会はいわゆる『ねじれ現象』となり,世界のスピードに合った運営ができていないというのが現実です」(「自由民主」1月1・8日合併号)などと嘆いていますが,実際にはどうだったのか。 今国会で成立した法案は26件にのぼります。衆議院再議決で強行された新テロ特措法などの悪法も含まれますが,野党が賛成した19件(約70%)は国民生活にとってプラスになるものです。 そのなかには,関係者の長年の努力と切実な願いが実った法律も少なくありません。 ひとつが,改正被災者生活再建支援法です。被災者への支援が住宅本体の再建にも広げられました。これは1995年の阪神・淡路大震災以来の被災者の悲願であり,当時から被災者が繰り返し実現を求めてきました。 当初,政府は,2008年の通常国会に法案を提出する予定でしたが,参議院選挙後,民主党が改正案を提出したのをうけ,自民党・公明党連立与党も提案し与野党間協議の結果,この臨時国会で実現しました。 薬害肝炎被害者救済法,改正「中国残留孤児」支援法も関係者の長年のたたかいが全会一致での可決となって実りました。 参議院選挙で自民党・公明党政治に厳しい審判を下した国民の民意が,その後の政治に強い圧力となって働いたのです。新テロ特措法も,参議院では,政府提出の派兵法案としては初めて否決され,ここにも民意が示されました。 国民の審判という圧力のもと,自民党・公明党連立与党も世論を無視する行動はとれず,民主党も(参議院選挙で)『反自公』を掲げた以上,その公約に縛られる状況があります。国民の声が政治を動かす新たな条件が生まれた通常国会だったといえました。 もうひとつの特徴は,日本共産党の反対にもかかわらず成立した法律が,新テロ特措法を除き,すべて与党と民主党が賛成して成立したということです。 「大連立」騒動に象徴されるように,表面での「対決」の裏で「政策協議」の名での談合政治が始まり,悪法を自公・民主の合作で強行する動きが強まっています。 一例が,使用者が一方的に労働条件を引き下げることができる労働契約法の強行。 「改正」政治資金規正法は,収支報告書への不必要な「監査」の義務化や「適正化委員会」の設置など,税金のムダ遣いにつながる規定を盛り込み,政党助成金の支出の全面公開や企業・団体献金の問題には触れていません。 「ねじれ」ているのは,自民,民主の「二大政党」と国民の利益です。 基本路線では同じ立場に立つ「二大政党」によって,派兵恒久法の早期整備などを盛り込んだ民主党のテロ特措法案も,会期末1月15日の衆議院本会議で,自民党・公明党連立与党の賛成で「継続審議」にされようとしています。【参考】成立した主な法律 ・薬害肝炎被害者救済法 ・改正被災者生活再建支援法 ・改正「中国残留孤児」支援法 ・厚生年金特例法 ・犯罪利用預金口座被害回復分配金支払法 ・改正身体障害者補助犬法 ・改正温泉法 ・改正行政書士法 ・改正消費生活用製品安全法 ・改正電気用品安全法 ・改正銃刀法 ・鳥獣被害特措法 ・新テロ特措法 ・労働契約法 ・改定最低賃金法 ・改定放送法 ・改定政治資金規正法 ・改定社会福祉士・介護福祉士法 ・改定借地借家法
2008年01月13日
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昨年は,貧困と社会的格差の広がりに対し,社会的連帯による国民的反撃が開始され,まだ端緒的とはいえ,いくつかの重要な成果をあげました。 国民の声で政治が動く新しい情勢のもとではじめてたたかわれる今春闘で,この流れをさらに大きくしていくことが期待されています。 貧困と格差の最大の要因である非正規労働者の問題では,全労連・JMIU光洋シーリングテクノの青年労働者が,ついに正社員化を勝ち取りました。連合・私鉄総連は,秋季年末闘争で「非正規社員の正規雇用化」をかかげ,前向きの回答を引き出しました。非正規の組織化で,労働組合員数は13年ぶりに増加に転じました。 最低賃金では,ほぼ10年ぶりに2ケタ台の時給引き上げを勝ち取り,人事院勧告も8年ぶりの改善勧告となりました。これらは,2007春闘で久々に見えてきた賃上げの流れの反映といえます。「行革」路線の枠を突破し,教員定数増も勝ち取りました。 民主党が,最賃法修正で全国最低賃金と生計費原則を投げ捨て政府・与党と妥協するという逆流もあったものの,改定された法律に「健康で文化的な最低限度の生活」との文言を加えさせました。 これらの成果は,貧困と社会的格差を拡大した弱肉強食の「新自由主義」的構造改革にたいする国民的批判の高まりを土台に,労働組合運動の存在感を示したものといえます。 大企業は,「先行き不透明」「国際競争力の強化」を言い立てていますが,日本経団連も,「経済の先行きに不透明感がある中,わが国の安定した成長を確保して行くには,企業と家計を両輪とした経済構造を実現する必要がある」と述べざるをえないのが,日本経済の現状です。 2001年度から2006年度までの5年間で,大企業は経常利益を15兆3,337億円から32兆8,342億円へと2倍以上も伸ばしています。同じ期間に,労働者の年間給与は19.1万円も減りました。まさに家計を犠牲にした企業の一人勝ちです。 大企業は,217兆8,235億円もの膨大な内部留保をため込んでいます。賃上げのために多少取り崩したからといって「国際競争力」にはなんの影響もありません。 むしろ,「日本経済新聞」(1月5日付社説)でさえ警告したように,株価が国際的に見て割安なもとで「潤沢な資金と技術力を狙ったM&A(合併・買収)の対象になるだけ」という状況こそ問題です。 連合も全労連も共通して,最賃をはじめ賃金の底上げと改善,非正規労働者の処遇改善と正社員化,労働者派遣法の改正,長時間労働の是正をかかげています。 これらの実現は,貧困と格差の拡大にストップをかけ,個人消費拡大,内需拡大の原動力になり,日本経済を健全に発展させることになるでしょう。 同時に,この間の税・社会保険料の引き上げも家計を直撃してきましたし,今後も負担増がたくらまれています。対政府闘争,制度・政策闘争がいっそう重要性を増しています。 海外派兵反対,米軍基地再編・強化反対など平和闘争,憲法改悪反対闘争が大きく前進したのも昨年の特徴でした。その先頭には,いつも労働組合の旗がありました。 経済闘争と政治闘争とが結びつけば,大きなエネルギーが生まれます。国民が意気高く闘わなければいけない年になると思います。
2008年01月12日
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薬害C型肝炎の患者が求め続けてきた被害者救済法案が,成立する見通しになりました。「全被害者の一律救済」を求めて命がけでたたかってきた原告・弁護団のたたかいと世論が政治を動かし,ようやく勝ちとった成果です。 薬害肝炎患者の救済法成立を機に一刻も早く患者が安心できる対策をすすめるとともに,これを土台に,すべての肝炎患者を救済する恒久対策を前進させることが求められます。 薬害肝炎の患者らは,政府と製薬会社の責任を追及して全国で訴訟を起こし,猛暑や寒風が吹きすさぶなかでも,街頭でマイクを握って,「被害者を同じように救ってほしい」,「薬害を繰り返してはいけない」と訴え続けてきました。 苦しい病気と社会的偏見にも耐え,つらい治療を続けながら訴えてきた患者らの叫びが世論の共感を呼び,国民と一体になった運動が一律救済を渋ってきた政府を動かしました。 救済法の成立を機に,改めて患者とご家族の奮闘に敬意を表します。 救済法には,血液製剤によって甚大な感染被害を生じさせ,被害の拡大を防止しえなかった国の責任が明記され,国は被害者に謝罪すべきであることを明白にしました。 同時に原告らが必死に求めてきた願いが反映され,薬剤が投与された時期にかかわりなく,すべての肝炎患者を救済する方向性が示されました。国の発生責任と拡大責任を明記したことは,他の薬害患者にとっても希望が示されたものです。 原告団も「全面的解決への土台が固まった」と評価しています。 救済法の成立を受け,国と製薬企業は,誠意を持って患者救済の責任を果たすべきです。それが長年にわたって苦しめてきた患者と家族に心からの謝罪を示すことになります。とりわけまだ謝罪も償いもしていない,製薬企業の責任は重大です。 問題は,肝炎患者は薬害肝炎患者にとどまらないことです。ウイルス性肝炎はC型,B型などがあり,感染者は全国で350万人ともいわれています。なかでもC型とB型は肝硬変や肝がんに進行する致死性の肝炎で深刻です。 救済法は,国の責任による薬害発生という加害責任を認めていますが,血友病など,先天性の病気による被害は対象から外れ,後天性疾患も投与された製剤がフィブリノゲンと第九因子製剤の二種類に限られているなど,課題も残されています。 薬害肝炎だけでなく,すべての肝炎被害者が健康と生命を脅かされ,治療に高額の費用がかかるなど,厳しい状態に置かれています。 政府が全員一律救済の必要性を認めた以上,救済法の対象の外に置かれた人びとにも,医療費や生活費の支援などの対策を整備するなど,すべての被害者が救われる恒久的な枠組みを早急につくることは不可欠です。
2008年01月11日
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自衛隊をインド洋に再派兵し,「報復戦争」を続けるアメリカ艦船などに給油支援を再開させる,新テロ対策特別措置法案の強行をめぐって,国会は重大な局面を迎えています。 自民・公明連立与党は,参議院がどのような結論を出そうが,衆議院で数の力で再可決して法案の成立をしゃにむに強行するつもりです。それは昨年の参議院選挙で,自公政治に“ノー”の審判をつきつけた国民の意思をふみつけにするもので許されることではありません。 「報復戦争」を支援するための法案は,審議未了・廃案にすべきです。 国民のテロ新法にたいする態度は大きく変化しています。昨年12月21日付「朝日」の世論調査によれば,自衛隊のインド洋への再派兵を支持すると答えた人は37%,これに対し反対と答えた人は48%です。 衆議院での再可決については,支持する人が37%,支持しないと答えた人は43%似のぼっています。政府と自民・公明連立与党はこの国民世論にしたがうべきです。再可決などという暴挙はやるべきではありません。 テロ新法は,会期内に徹底的な審議を行い,採決をしないで審議未了・廃案にする以外に,国民の願いに応える道はありません。 法案が衆議院で可決されても参議院で審議未了・廃案になった例はこれまでもたくさんあります。それを実現すべきです。 アメリカの「報復戦争」はテロを根絶するどころか,テロを世界に拡散し,アフガニスタンでは多くの国民を犠牲にしています。治安の悪化は,アフガニスタンの政権と議会が進めている「平和と和解のプロセス」をも妨げています。 「報復戦争」を支援するテロ新法は,平和のとりくみを妨害するだけです。 政府は,給油をうける軍艦がインド洋でテロ勢力の移動を規制する海上阻止行動に従事していれば,アフガニスタン領土への爆撃を実施するアメリカ軍にも,イラクへの爆撃を行うアメリカ軍にも給油できるとのべています(町村信孝官房長官 昨年10月31日衆議院テロ特別委)。 アメリカ軍は海上阻止行動だけでなく,アフガニスタンやイラクで「テロ」を口実にした戦争を続けています。日本政府の見解では,それこそ無限定のアメリカ軍支援,戦争支援につながることは明白です。 日本は,戦争のさなかにあっても民間人を殺してはならないというハーグ陸戦法規をはじめ国際人道法を結んでいます。にもかかわらず,アフガニスタンやイラクで多数の民間人を無差別殺りくする米軍を支援するのは言語道断です。 アフガニスタン政権が治安維持のためにアメリカ軍などの活動を認めているのだから,アメリカ軍の攻撃は国連憲章が禁止した武力行使にあたらないという見解も見過ごしにはできません。 またアメリカの武力攻撃を正当化するばかりか,武力行使と一体化した軍事支援は憲法違反という政府の見解さえも空文にする危険があります。 政軍財をまきこんだ軍事利権問題はいよいよ底知れぬ状態です。その解明も十分にしないで新テロ法案を進める資格は政府にありません。 福田康夫首相がブッシュ大統領にたいする約束を果たすため法案を強行するのは,国民よりもアメリカを優先する本末転倒の態度です。テロ新法を廃案にすることが,国民にとっても,アフガニスタンの平和にとっても必要不可欠です。
2008年01月10日
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経済政策の軸足を,大企業から家計・国民へと大胆に転換させるべきではないでしょうか。商業メディアも,2008年の政治の課題として,“家計の元気回復”を焦点にし始めました。 読売新聞は1月5日付社説で,「家計の元気回復を急ぎたい」との見出しを掲げ,「企業部門と並ぶ経済のエンジンである家計部門の元気を増すことだ」と主張しました。 朝日新聞は1月6日付社説で,「企業収益頼みの単発エンジン型では景気を支えられなくなったのだ」と述べ,「家計の個人消費を加えて双発エンジン型にできるかどうか。それが問われている」と強調しました。 東京新聞も1月6日付「生活図鑑」面で,日本の貯蓄について「家計は細り,厚み増す企業のサイフ」とした特集を掲載しました。 大企業優先の経済政策では,日本経済が立ち行かなくなったとの認識を商業メディアも示し始めました。 家計をめぐる各種の指標は軒なみ悪化しています。国税庁の民間給与実態統計調査(2006年)によると,サラリーマンの平均給与は9年連続で減少しています。農業経営統計調査(農水省)では,コメ作り農家の家族労働報酬(2006年)は1日当たり2,046円,時給換算では,わずか256円にすぎません。 厚生労働省の調査では,雇用の先行きを示す新規求人数(2007年11月)が11ヶ月連続で悪化しています。 その一方で,法人企業統計調査(財務省)によると,大企業(資本金10億円以上)の経常利益は,バブル期を超える過去最高を更新し続けています。リストラ・「合理化」による経費削減と,自民・公明政権による大企業優遇税制の恩恵によるものです。 自民党・公明党連立与党政権はこれまで,景気の先行きについて,企業部門の好調さが「家計部門へ波及(する)」(月例経済報告)としてきました。これが,大企業応援政治を続ける口実にもなってきました。 ところが,昨年12月の同報告では,2005年8月以来続けた「家計部門へ波及」という表現を削除しました。 企業部門は引き続き「底堅く推移」しても,雇用は「改善に足踏み」,消費は「おおむね横ばい」,物価は「購入頻度の高い品目でプラス」。同報告が示された関係閣僚会議には,家計部門の悪化を示す項目がずらりと並びました。 昨年12月14日に内閣府が公表した「日本経済2007-2008(ミニ経済白書)」でも,「好調だった企業部門」の一方で,「景気回復の波及が遅れた家計部門」について分析せざるを得ませんでした。 家計の所得が改善せず,税と社会保障の家計への負担は重くなっているからです。 「大企業が栄えても,国民生活はよくならない-この事実を政府も認めざるを得なくなった」「大企業中心の『成長』シナリオは破たん」したのです。 それならば,経済政策の軸足を大企業応援から家計応援へと大胆に転換すべきです。ところが,福田内閣がやろうとしているのは,相変わらずの大企業応援政治です。 福田内閣が昨年12月24日に閣議決定した2008年度予算政府案には,社会保障関係費の自然増を今後も毎年,2,200億円ずつ圧縮し続けることが盛り込まれました。 一方,大企業優遇税制のいっそうの拡充を謳っています。そして,社会保障の抑制で国民を“兵糧攻め”にし,消費税増税への「橋渡し」までしようとしています。 政府・与党に,家計を応援する政治への転換の意思がないなら,貧困を打開し,国民の暮らしを守るために「国民が主権を発動して転換させる」ことがなによりも大切です。
2008年01月09日
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インド洋上へ海上自衛隊を再派兵する新テロ特措法案をめぐって国会が緊迫する中,政府・与党は,自衛隊の海外派兵をいつでも可能にする派兵恒久法制定を本格的に検討する方針を固めました。 新テロ特措法案成立を前提にした派兵体制強化の動きです。 恒久法の本格検討は「今の特措法では迅速性に欠ける」(町村信孝官房長官,1月8日の記者会見)と位置づけるように,1年の時限立法である新テロ特措法案を仮に強行しても,参議院で野党が多数を占める政治状況のもとでは,1年後の期限切れで,延長論議が再び難航するという“懸念”が政府・与党にあるためです。 根本には,アメリカの先制攻撃戦略に対応して,いつでも機動的に海外派兵する体制を整備する狙いがあります。 福田康夫首相は,もともと恒久法制定の積極論者です。小泉内閣で官房長官を務めた2002年には,自身の私的諮問機関によって恒久法の制定を提唱しました。 また,安倍晋三前首相の政権投げ出しで,明文改憲路線のスケジュールが頓挫する中で,立法によって憲法九条の制約を突破するという狙いもあります。 さらに恒久法制定へ政府の積極姿勢を後押ししているのが,民主党による恒久法整備の呼びかけです。民主党は政府の新テロ特措法案への対案となる「アフガニスタン復興支援法案」の25条に,“恒久法の早期整備”を明記しました。 これは小沢一郎代表の強い意向を受けて盛り込まれたもので,もともと小沢氏と福田首相による「大連立」協議の最大のテーマでした。 民主案は,政府案の給油継続に「反対」しながら,陸上自衛隊のアフガン本土派遣,国連決議がある場合の海上阻止活動参加の検討,自衛隊員による武器使用基準の緩和を盛り込んだもので,政府案よりもいっそう踏み込んだ内容です。 「国連決議のもとでの海外派兵」という枠組みが政府・与党との溝だという見方もありますが,各国に軍の派遣を義務づけたり,軍事活動の権限を授権する決議でなくとも,「根拠」となる決議があればいいという非常に緩やかな立場です。 さらに小沢氏は,憲法九条のもとで,正規国連軍だけでなく多国籍軍への参加も可能としています。 アメリカからも「政府はこのチャンスを無視してはいけない。意味ある前進で憲法にも抵触しない」(コーエン元国防長官)と評価する声が出されています。 両党内での意見集約は不十分な面がありますが,小沢・福田の「あうんの呼吸」を軸としつつ,「二大政党」間での派兵競い合いの流れの中で,恒久法実現への道筋を開こうというのです。 しかし,国権の発動としての戦争はもとより,武力の行使・威嚇も禁じた憲法九条のもとで,海外派兵の恒久法を持つことは最悪の憲法破壊策動です。
2008年01月08日
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新年早々の大型地方選挙となる,大阪府知事選挙が1月10日告示されます(1月27日投票)。現職の太田房江知事が「政治とカネ」の問題で出馬を断念して,3人の新人の争いになりそうです。 大阪府知事選は,福田政権が越年国会で自衛隊をインド洋に再派遣する新テロ法案の成立強行を狙い,通常国会では社会保障予算を削減し消費税増税にまで国民を導いていく政府予算案の審議が始まろうとしているさなかに口火を切ります。 昨年の参院選挙後,国民のたたかいがいよいよ政治を動かすようになり,福田政権に代わってもアメリカいいなり,大企業本位の基本路線を変えようとしない自民党・公明党の政治に,国民の批判が強まっています。 府知事選挙は,自民党・公明党の政治に国民・大阪府民の「ノー」の審判を突きつけ,同時に,自民,公明,民主などが支えてきた「オール与党」の大阪府政を転換する,絶好の機会かもしれません。 「オール与党」が支えてきた太田知事が,相次ぐ「政治とカネ」の疑惑発覚で断念したこと自体,これまでの府政が続けられなくなったことの証拠です。 大阪府政では,長年にわたって「オール与党」の体制が続き,関西空港の二期事業や臨空開発など関西財界いいなりの大型開発や,利権がらみの「同和」事業に湯水のように巨費を投じてきました。 知事選直前になって,大阪府の財政には,借金返済を先送りして財政赤字を少なく見せる「赤字隠し」が3,500億円もあり,「赤字隠し」をしなければとっくに財政が破たんし,財政再建団体に転落していたことが明らかになりました。 国いいなりで財政を悪化させた,自民,公明,民主などの責任は重大です。 知事選の対決構図は,大阪府民と関西財界の二極対決,「明るい民主大阪府政をつくる会」の梅田章二弁護士候補と「オール与党」の流れを引き継ぐ候補のたたかいになると思われます。 大阪府知事選にはこれまでも,「無党派」を名乗る候補や,「オール与党」が分裂した候補が立候補し,当選したことがありますが,「無党派」の横山ノック氏(故人)も,「オール与党」の一部が分裂した現在の太田氏も,当選したあとは府議会の「オール与党」に支えられ,関西財界いいなりの,大阪府民に冷たい府政を続けてきたことに,変わりがありません。 今回の知事選挙でも「オール与党」の側は,自民党が推す候補と,民主党が推す候補に“分裂”していますが,いずれも「オール与党」の流れを引き継ぐ候補です。 実際,「オール与党」の一員の公明は,自民党が推す候補の推薦で迷走し,関西財界は民主党の推す候補にも「好意的」です。「オール与党」から立つ二人に違いはありません。 長年にわたる関西財界いいなりの府政のもとで,大阪府民の暮らしと経済は落ち込み,福祉でも暮らしでも不満はうっ積しています。大阪府民が主人公,暮らし・福祉優先の府政をというのは府民の切実な願いです。 借金まみれの大阪府政の転換のためも,今回の知事選挙で大阪府民は「大阪府民のため」の候補者を選ばないと“第二の夕張市”になるのはそう遠くありません。 大阪府民も東京都民のように,政治化の「甘言」に騙されないことを強く願います。
2008年01月07日
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2008年は,ニューヨークの原油先物市場が史上最高値を記録し,その影響もあって株価が急落するなど市場の大混乱で幕を開けました。 原油市場は5年間で3倍以上に高騰する異常過熱が続いています。背景には需給逼迫への懸念など構造的なエネルギー問題や,イラク侵略の泥沼化で中東産油国の情勢がかつてなく不安定になっていることなど,複雑な事情がからんでいます。 とりわけ重大なのは,原油市場の複雑な背景に付け込んで巨額の投機資金が流れ込み,価格を大幅につり上げていることです。 アメリカの低所得層向け住宅ローン(サブプライムローン)の破たんが,先進国の金融市場を揺るがせています。このローンをもとにした金融商品が「最先端」の証券に仕立て上げられ,欧米や日本などの金融機関に拡散していたからです。 金融市場からあふれ出した投機資金は,原油市場だけでなく穀物市場にも流入し,食料品にまで値上げの波が押し寄せて生活を直撃しています。巨額の投機資金が食料とエネルギーという人間の生存基盤さえ左右するような社会は,まともな社会ではありません。 投機マネーの暴走を抑えることは,くらしを守り,経済を安定させるための国際的な緊急課題となっています。 ところが日本政府は,投機規制を求める国際世論の広がりに背を向けています。 昨年6月のドイツ・ハイリゲンダムサミット(主要国首脳会議)でも,ドイツの提起で投機規制が議題に上りました。事前の財務相会合で,ドイツは投機資金を運用するヘッジファンド(国際投機集団)の資産や取引履歴の開示強化などの直接的な規制を求めましたが,日本が米英とともに反対し,実現しなかった経緯があります。 ドイツのミュンテフェリング前副首相は,投機ファンドを「イナゴのように企業を襲い,食い尽くして去っていく」と厳しく批判し,監視・規制を要求しています。ドイツ労働総同盟は,せめて投機ファンドへの税制優遇をやめ,上場企業並みに会計を公表させるよう求めています。 フランスでもロカール元首相らが欧州レベルで投機ファンドへの規制を強化するよう訴えています。 昨年10月,ワシントンで開かれた途上国24ヶ国グループの閣僚会合は,サブプライム問題の途上国への影響は限定的だと指摘し,IMF(国際通貨基金)に先進国経済を監視するよう迫りました。 投機資金の規制が国際的な大問題になっているにもかかわらず,自民党政治はアメリカに追随し,国際世論に対する逆流となっています。国内では,「経済活性化」の名目で投機マネーを呼び込み,カジノ経済に拍車をかけています。 アメリカや日本政府が規制に抵抗しているのは,大手金融機関の収入の大きな部分をヘッジファンドビジネスが占めているからです。 福田内閣は投機規制の強化に反対する理由として,投機ファンドが参加することで成り立つ取引もあるなどと市場への「資金供給機能」をあげています。しかし,ヘッジファンド資金は1999年から5倍に拡大し,1.6兆ドルとも1.8兆ドル(約200兆円)ともいわれる巨大な規模に膨張しています。 原油市場や穀物市場での暴走は限度を大きく超え,一刻も放置することはできません。日本政府の姿勢を根本的に転換するよう求めます。
2008年01月06日
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民主党は昨年末,「アフガニスタン復興支援特別措置法案」を国会に提出しました。自民党・公明党連立与党の新テロ特措法案の「対案」と位置づけるもので,「アフガン復興支援」が主な内容だと主張しています。 しかし,実際は自衛隊の海外派兵の恒久法の制定に向けた検討を義務付けるなど,政府・与党案以上に危険な内容です。 法案は,全5章28ヶ条からなります。一見して異様なのは,わざわざ第5章を設け,「アフガニスタン復興支援」とは関係のない自衛隊派兵の恒久法の早期整備(25条)を大きな柱として盛り込んでいることです。 小沢一郎代表の強い意向を受けて盛り込まれたもので,「二大政党」合作での海外派兵体制づくりに道を開くという法案の性格が露骨にあらわれています。 25条では,国際的なテロ防止・根絶を口実に「国際社会の取組に積極的かつ主導的に寄与する」として,派兵恒久法の制定を「速やかに行われるもの」としています。法案は,1年の時限立法ですが,その間に恒久法制定に着手させようというのです。 しかも,恒久法に盛り込むべき基本原則として,国連憲章第7章の軍事行動を含む強制措置に関するものとともに「憲法の下での自衛権の発動に関する」ものが含まれています。 “テロ根絶に主導的に寄与するために自衛権を行使する”となれば,海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の行使を意味することは明らかです。いわば立法改憲の強行です。 恒久法整備は小沢一郎代表と福田康夫首相の「大連立」論議の最大のテーマでした。国連決議があれば海外での武力行使に参加しても憲法に反しないという小沢氏の“持論”の採用を福田首相が約束したとされています。さらにアメリカや,外務省関係者からも小沢氏の主張を歓迎する発言が現れています。 国連を“錦の御旗”とすれば,海外での武力行使も許されるという小沢氏の議論は,憲法と国際法を二重に歪めるものです。国連の安全保障活動であっても,自衛隊の海外派兵はあくまでも「国家の意思」で行われるものです。憲章上の国連軍も「各自の憲法上の手続に従うこと」とされています(憲章43条)。 まして,主権国家が自主的に構成するISAF(アフガニスタン国際治安支援部隊)のような多国籍軍やインド洋での海上阻止行動を展開する有志連合軍への参加は,主権の発動そのものです。 憲法は「国権の発動」としての戦争はもちろん,武力の行使・威嚇も禁じており,国連の看板をつけて憲法を踏みにじることは許されません。 憲法九条の下で海外での武力行使に積極的に参加し,集団的自衛権による派兵まで可能にする民主党案は,これまでのすべての派兵法を凌駕する最悪の憲法破壊策動です。 民主党の「アフガン復興支援特措法案」のもうひとつの問題は,「アフガン復興支援」を口実に陸上自衛隊の派兵を可能にしていることです。 法案では,自衛隊部隊の派兵は「抗争停止合意が成立している地域」(4条4項)としています。「停戦」や「休戦」といった国際法上の概念と違って,「抗争停止合意」という新たな概念をどう解釈するかは政府次第。イラク派兵のように,「自衛隊が活動している地域が非戦闘地域」(小泉元首相)という事態になりかねません。 法案発議者の一人は「『抗争停止合意』の存在が前提だから,現状では陸上自衛隊の派遣は事実上ありえない」と述べます。 しかし,法案作成作業チームのメンバーが「合意がなくても自衛隊をだせるのかと聞かれれば,法文上出せる仕組みにはなっている」というように,「抗争停止合意」の存在が自衛隊派遣の絶対の要件ではありません。 活動地域は「抗争停止合意」のほか,活動への妨害行為がないと認められる場合も含まれるからです。これではアフガンの反政府武装勢力タリバンの支配の強い地域を除けば,現状でも自衛隊をアフガンへ派兵することができます。 民主党内からも「陸上部隊を派遣するということの重大さを熟慮していない。皮肉なことだが,自民党の方がむしろ慎重だ。民主党にも,とにかく自衛隊を出したいという人たちがいる」という声が出されています。 しかも,法案では「抗争停止合意」の前にも「(合意の)形成の支援その他…安全及び安定の回復に資するための措置」ができるとしています。この活動にも,自衛隊が関与する余地があります。 また,自衛隊の派遣に伴い武器使用基準が問題となりますが,「支援活動の実施に対する抵抗を抑止するためやむを得ない必要」があるときに許されるとされている点も重大です(20条)。 PKO(国連平和維持活動)協力法・イラク特措法などの現行法では,武器使用を自己やその周辺にいる人の生命防護に限っています。活動への抵抗抑止を名目に武器使用ができるとなれば,憲法が禁じる「武力の行使・威嚇」に道を開くことになります。 また,第5章の27条では,インド洋での海上阻止活動への参加について,国連決議の存在を条件にしてその「要否を含めて検討する」としています。 インド洋での海上阻止活動への給油継続を柱とする与党案との接点であり,アメリカのアフガン攻撃(不朽の自由作戦)と一体をなす海上阻止活動への直接参加に踏み込むものです。 民主党の「対案」が呼び水になって,自民党・公明党連立与党の新テロ特措法案とのすりあわせや政策協議がすすむことにもなりかねません。
2008年01月05日
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国民の声と運動が自民党・公明党の政治を突き動かし,情勢に新しい変化を引き起こしています。 長期にわたる「構造改革」路線のもとで国民の暮らしが耐え難いものになるとともに,自公政治の側でもこのままでは国民の支持を失う矛盾と破たんが広がっています。 新しい年も,情勢の新たな特徴をとらえた国民の闘いを発展させ,社会的な連帯を広げながら,政治を変える運動につなげていくことが求められます。 昨年末,薬害C型肝炎問題で,自民党・公明党連立与党が被害者救済法案の骨子を示しました。年明けには法案が提出される予定で,被害者の「全員一律救済」の方向で大きく動いています。 血液製剤の被害者らが国と製薬会社を相手取り,東京,大阪,名古屋など5地裁に集団訴訟を起こしてから6年。原告団や被害者らの「全員一律救済を」との命をかけた闘いと世論が,ここまで政治を動かしました。 その背景になったのは,被害者の切実な願いと,「一律救済」を認めない政府への国民の怒りです。福田首相が政治決断をしたのは,内閣支持率が急落するなかででした。 小泉内閣以来,自公政権がすすめてきた異常なアメリカ追随と大企業中心主義の「構造改革」路線は,国民の暮らしを破壊し,深刻なゆきづまりをもたらしています。 多くの国民は,生存権まで脅かされる貧困と格差に直面しています。「いまの政治では生きていけない」,「人間として当たり前の生活がしたい」と願う痛切な声は,政権与党の支持基盤を揺るがすまでに発展しています。 後期高齢者医療制度は4月実施前に手直しを余儀なくさせ,障害者自立支援法は負担軽減措置を継続させました。母子家庭への児童扶養手当の削減見直し,生活保護基準引き下げ見送りも国民の運動の成果です。 国会では,インド洋での自衛隊の給油活動を中断に追い込み,被災者生活再建支援法などの改正も実現しました。 労働分野では,違法な派遣事業の規制や最低賃金の2ケタアップなどを実現しました。トヨタ系部品会社の光洋シーリングテクノ(徳島県)で労働組合を結成し,偽装請負を告発した契約社員14人が正社員になることができました。 国民の運動のよりどころとなっているのが,「構造改革」が敵視する「健康で文化的な最低限度の生活」の保障を定めた憲法(二五条)です。教育権(二六条),勤労権(二七条)とともにナショナルミニマム(国民生活の最低保障)として,生活保障を求めて闘う指針となっています。 社会的な連帯で悪政に反撃する国民のたたかいは各分野で前進しています。 自公政権が政策の取り繕いや手直しに踏み切らざるを得なくなったのも,国民の世論と運動に追い詰められたものです。同時に福田政権に代わっても「構造改革」路線そのものは撤回せず,自公政権は矛盾を根本から解決する姿勢を持ち合わせていないことを示しています。 新年も冒頭から自衛隊派兵再開や福祉予算削減,消費税増税に反対する闘い,各分野での国民の暮らしを守るたたかいが山積しています。悪政に反対し,現状の打開を求める人たちが手を携え,もう一回り大きな運動をつくりだし,政治を動かしていかなければいけません。 直面する切実な願いの実現に力を合わせるとともに,政治の根本的な改革をめざさなければ,政治家はまたやりたい放題になってしまいます。
2008年01月04日
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貧困と格差を拡大した「構造改革」の基本を引き継いだ福田政権。しかし,「社会保障費抑制」路線は,自民党内からも「限界」という声が出るなど,国民との矛盾を深めています。 自民党・公明党連立与党が過半数割れした参院の状況や解散・総選挙の行方もからみ,命と暮らしを守る世論と運動が一段と重要になる1年になります。 約5,000万件にのぼる「宙に浮いた年金」記録問題や「消えた年金」問題は,2008年も引き続き福田政権・与党を揺さぶり続けています。 政府は昨年12月から,年金記録を国民自身に確認してもらうため,年金受給者と加入者合わせて約1億人に送付する「ねんきん特別便」の発送を開始。今年10月までにほぼすべての受給者・加入者の手元に届く計画です。 しかし,「特別便」では,年金記録の漏れが本人に通知されない仕組みになっており,すでに受け取った人たちから,「これでは役に立たない」と不満が上がっています。本人に記録漏れの情報がきちんと伝わるように改善が必要です。 与党は,「一人残らずきちんと年金を払う」と昨年の参議院選挙で公約していましたが,昨年末には約2,000万件の年金記録が「特定困難」であることが判明しました。政府のずさんな年金記録の管理への不信の拡大は必至となっています。 公的年金の制度そのものも問われています。政府・与党は2004年,「百年安心の年金制度」などといって,国民の負担を増やし,給付を減らす年金改悪を強行しました。しかし,すでに高すぎる保険料が払えない「未納問題」など制度の根本的な矛盾が噴出しています。 政府・与党は2009年度から年金財源の国庫負担を現行の1/3から1/2に引き上げることを法律に明記しましたが,実現が危ぶまれています。 政府・与党は「社会保障にあてる」名目で,消費税増税を狙っており,空前の儲けを続ける大企業に応分の負担を求めることなど,社会保障財源をめぐる議論が政治の焦点となってきています。 医療では,2006年の医療改悪法に盛られた制度が動き出します。後期高齢者医療制度は4月実施予定です。 同制度は75歳以上の高齢者全員から高い保険料を徴収(基本的に公的年金からの天引き)。保険料を滞納すると,保険証を取り上げる無慈悲な制度です。また,治療内容の制限も狙っており,「現代版『うば捨て山』」という批判が巻き起こっています。 参議院選挙で大敗した自民党・公明党連立与党は,現在扶養されている高齢者の保険料負担を1年先送りにするなどの一部「手直し」を施して,あくまで4月実施の構えです。 しかし,制度の欠陥が大問題になっている以上,中止・撤回こそが必要です。 中小企業に勤めるサラリーマンが加入する政府管掌健康保険(政管健保=約3,600万人加入)は10月から大きな組織改変が実行されます。 現在,全国で一本化されている政管健保を社会保険庁から切り離し,全国単位の公法人「全国健康保険協会」を設立。都道府県ごとに支部を新設して,財政運営を任せるとしています。 その結果,現在全国一律の保険料率(収入の8.2%。これを労使折半)は,組織改変後には,都道府県によって異なることになります。保険料引き上げの仕組みもあり,「地域で保険料負担が異なるのは不平等だ」という批判があがっています。 2007年は,医療費抑制政策による医師不足のもとで,各地で「医療崩壊」といわれる事態が深刻化しました。 4月の診療報酬(いわゆる「医療の値段」)改定では,医療本体では8年ぶりのプラス(0.42%アップ)だったものの,薬価を含む全体では引き下げに。小児科・産科などの医療危機を本格的に打開する方向ではありません。 また,政府は,全国の公立病院の再編・統廃合を促進する「公立病院改革ガイドライン」を策定しました。これは「効率化」の名の下に,これ以上の地域医療の切り捨てを進めるものです。
2008年01月03日
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国会決議による宇宙の平和利用原則(1969年)を見直して宇宙の軍事利用を可能にする報告書を,自民党防衛族議員と防衛省幹部職員,軍事企業幹部でつくる「勉強会」がまとめていたことが分かりました。 「政・財」に加え,国会決議を順守する立場の防衛省関係者まで一体となって宇宙軍拡を提言していたことになります。 この会は「日本の安全保障に関する宇宙利用を考える会」。 2006年8月31日,石破茂・現防衛相が自民党政調会の宇宙開発特別委員会で「わが国の防衛宇宙ビジョン」と題する提言を発表。その前半で「考える会」の報告書の要旨を紹介していました。 報告書は「日米安保体制(地球規模での同盟強化)の変質」に対応するため,「今後20年間における防衛のための宇宙活動の在るべき姿」を提示。「平和利用」の解釈を「非軍事」から「非侵略」に見直すことが課題だと述べています。 実施に向けて2015年までと,2025年までの二段階の時期を設定。前者ではミサイル防衛(MD),偵察衛星,通信衛星の各システムを「必要に応じアメリカ技術を活用」しながら開発し,後者では「宇宙インフラの維持・保全」のために「新規技術の開発が必要」と提言しました。 「日本の安全保障に関する宇宙利用を考える会」が挙げた政策課題(報告書要旨から)人工衛星を利用するミサイル防衛システムの概念図(イメージ) 「考える会」については寺田稔防衛大臣政務官(自民党衆院議員)が昨年12月5日,衆議院内閣委員会で「確かに存在している。(宇宙利用に関し)研修,勉強を行い,その時点における意見を申し述べた」と語りました。 報告書などによると,「考える会」は石破氏が座長で,山崎拓氏,久間章生氏,額賀福志郎氏ら防衛庁長官経験者が顧問に就いていました。専門委員は三菱重工業,三菱電機,川崎重工業など軍事関連企業でつくる「航空宇宙工業会メンバー」の各社幹部です。 委員は防衛族議員と防衛省(報告時は「庁」)幹部。寺田政務官は「防衛政策局長,技術監,防衛政策企画官がメンバー」と答弁。防衛政策局は同省の政策決定のかなめに位置します。 同省によると,東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕された前事務次官守屋武昌容疑者が2005年から2007年にかけて同会相談役を務めていました。現在は増田好平・現事務次官が引き継いでいます。 政府の一員である同省幹部職員が継続して参加し,防衛族議員や軍事企業幹部とともに,国会決議の見直しを前提とした協議に参加していたことになります。 委員を務めた自民党衆院議員は,「防衛と産業育成の観点から,宇宙の平和利用原則を見直す必要がある。問題意識を共有する者同士が出席する会」と語りました。 防衛省広報課は「職員は参加したが,報告書をまとめる作業にはかかわっていない。議事録がないので職員の発言内容は不明」としています。 これは宇宙の平和利用決議をなきものにして,日米安保体制を地上から宇宙空間にまで拡大しようというものです。 これを防衛族,軍事企業と防衛省が一体になって考えています。日本の科学技術の発展を大きく歪めるものです。自民党の宇宙基本法案に続き,民主党もほぼ同内容の法案を準備していますが,宇宙の軍事利用に反対する世論を強め,なんとしても廃案に追い込まなければいけません。 一部の政治家や企業が,「宇宙インフラの維持・保全」を名目に国民の税金で大儲けしようというものです。これにより国民は重い税金が課せられるのは必至だといえます。
2008年01月02日
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あけまして,おめでとうございます。21世紀になって8年目,2008年の幕開けです。 昨年は,世界でも,日本でも,激動の1年でした。しかしそのなかでも,戦争のない世界と国民が主人公の日本を切り開いていく,たしかな流れ・方向が,見えてきたのではないでしょうか。 日本では,参議院選挙での自民党・公明党連立与党の敗北,安倍政権の崩壊などをうけて,自公政治に代わる新しい政治への国民的な探求が始まっています。是非とも新年を新しい政治に向けた,たしかな前進の年にしたいものです。 この1年を一言で締めくくるとしたら,『夜明け前』という感じです。論壇には「改革」や「立て直し」をうたった出版や論文が溢れています。また内政でも外交でも,これまで自民党政治が続けてきたやり方が通用しなくなり,それに代わる政治が正面からの主題になっているのです。 自民党・公明党連立与党が敗北した参議院選後の安倍政権の崩壊と福田政権の誕生,自民党・民主党の「大連立」の動きなどを通じて,自民党政治の行き詰まりの深刻さはいよいよ明らかになりました。 安倍政権に代わった福田政権は,靖国神社への参拝問題で前政権との違いは見せても,アメリカいいなりと大企業本位の基本路線を変える意思も力もありません。 福田政権が国会を「越年」させてまで成立させようとしている新テロ法案は,アメリカの戦争を支援するだけでテロは根絶できず,世界と日本の平和に逆行するものです。 そして大企業・大資産家を喜ばすだけで国民の貧困と格差を拡大する「構造改革」路線では,国民の暮らしと経済を立て直すことはできません。 参議院選挙後,参議院で与党が過半数を割った新しい政治状況も生かし,インド洋からの自衛隊の撤退,高齢者医療制度や障害者自立支援法の見直し,薬害肝炎の患者救済,違法な労働者派遣事業の規制など各方面で国民の運動が政治を動かしています。 しかし,どの問題も自民党政治の基本路線をそのままにしては,根本的な解決は望めません。軍拡と大企業減税を聖域にした社会保障費削減路線のもとで,消費税増税の策動が加速しているのもそのためです。 2008年は先進国を先頭に地球温暖化を規制する「京都議定書」の目標達成の初年度です。しかし,温室効果ガスの排出削減も日本経団連の「自主」努力まかせにしている日本は,「議定書」から脱退したアメリカとともに,世界の流れに背を向けています。 対米従属と大企業中心主義の政治を根本から改革することがここでも求められています。 福田政権の支持率は,発足からわずかの間に急落しました。政治を変えて欲しいという願いが,国民の間に渦巻いています。しかし,政治の側に,日本の政治の根本的な悪であるアメリカいいなりと大企業本位をただす立場と勇気がなければ,それに応えることはできません。 その方向を根本から明らかにしているのが,小泉元首相が進めてきた『構造改革』と『規制緩和』の結果として,今の国民の暮らしであり社会であります。 大企業は史上空前の大儲けを謳歌している一方で,国民生活は,雇用が不安定になり,国民の負担増や増税で暮らしは悪くなるばかりというのが正直な実感ではないのでしょうか。 年内には総選挙も予想されます。来年にも消費税増税も現実のものになろうとしているなど,国民の選択の結果が自分たちの暮らしや将来に大きな影響を与えることを考えながら,どの政党が,「国民のための」政治を実現できるのか考えて欲しいものです。
2008年01月01日
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