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ガソリン税の暫定税率を復活させる租税特別措置法改定案を4月30日に衆議院で再議決する方針を4月28日に正式決定した政府・与党。 暫定税率復活は国民に新たな大増税を押し付けるものです。 先日の衆議院山口2区補欠選挙(4月27日)の敗北の逆風を抱えながらも,なぜ突っ走るのか。 「すでに衆議院を通ってしまっているのだから仕方ない」。 自民党の伊吹文明幹事長は4月28日の民放番組で道路問題について開き直りました。 政府・与党は,2009年度からの道路特定財源の一般財源化を決定しました。一方で,租税特措法改定案と道路特定財源を今後10年間も続ける道路整備財源特例法改定案を再議決するのは矛盾します。 同じ民放番組で,この点を指摘されたことに伊吹氏は,両法案が衆議院で通過している以上,仮に法案を「修正」すれば「再度衆院で審議しなければならず,(成立まで)時間がかかる」と言い訳をしました。 矛盾を承知のうえで,党利党略を優先しようというのです。 政府・与党が両法案の再議決を急ぐのは,表向き「地方財政の混乱回避」(福田首相)です。 しかし,根本には「後期高齢者医療制度への反発はものすごい。これ以上道路問題でもめていられない」(自民党政調関係者)という政権をゆさぶる問題があるからです。 自民党内では,若手・中堅議員が,再議決に対する「造反」をちらつかせながら,2009年度からの一般財源化の担保として,党総務会の決定や閣議決定を要求しています。 4月28日に臨時に総務会や与党党首会談を開いたのも,与党内政局を回避するためでした。 衆議院山口2区補選での与党候補の敗北について伊吹幹事長は4月28日の役員会で「選挙結果と道路の話は別。国と地方で歳入不足が生じるので与党として責任をもって対応しなければならない」と一致結束を強調しました。 しかし,「選挙の顔として福田首相は不適格という烙印を押されたに等しい」(自民党中堅議員),「7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)後はどうなるか分からない」(閣僚経験者)と,“ポスト福田”を求める声も出始めました。 逆風にさらされる政府・与党ですが,「(暫定税率復活は)国民の理解が得られる」,「(後期高齢者医療制度は)仕組みそのものは何らおかしい点はない」(町村信孝官房長官,4月28日の記者会見)とまったく反省はみられません。 いずれ,自民党・公明党連立与党に国民の審判が下ることは間違いありません。 国民の暮らしや声に耳を傾けず,自らの失政に対して改めようともしない自民党・公明党連立与党・政権を国民がいつまでも支持することは考えられません。 早期の解散総選挙を強く期待します。
2008年04月30日
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政府と自公両党は,ガソリン税の暫定税率を復活させる法案を,衆院の「再議決」によって4月30日にも成立させる方針です。 暫定税率をめぐる状況は3月までとは大きく変化しています。 ひとつは,ガソリン税などをもっぱら道路につぎ込む特定財源化を定めた特例法と,暫定税率を定めた租税特別措置法の期限が3月末に切れ,失効したことです。 これにより,ガソリン税などは本来の一般財源に戻り,税率も下がりました。 もうひとつは,世論に押された福田康夫首相が,1年後には道路特定財源を廃止して一般財源にすると3月末に表明したことです。 暫定税率は,高速道路を中心にした59兆円の道路中期計画の財源確保のために,道路特定財源を増やす増税措置です。その道路特定財源を1年後にやめるという首相の約束と,暫定税率を向こう10年も続ける法案は根本的に矛盾しています。 期限切れ失効によって,暫定税率の問題は「従来の税率の延長」ではなく,「下がったガソリン税の再増税」の問題に一変しました。 福田内閣と自民党,公明党が再議決で強行しようとしている法案は,本則で1リットル当たり24.3円のガソリン税を,48.6円に倍加する大増税にほかなりません。 しかも増税の「暫定」期間を,これまでの5年から一気に2倍の10年に引き延ばすという,火事場泥棒のような厚かましい法案です。 国民の暮らしは,ますます窮屈になっています。 所得の低迷と医療費や税金の負担増に苦しむ庶民の家計を,食料品をはじめとする生活必需品の相次ぐ値上げが襲っています。 福田首相は4月12日の「桜を見る会」のあいさつで,物価が上がるのは「しょうがない」と述べ,「耐えて工夫して切り抜けるのが大事だ」と説きました。 冬柴鉄三国交相も衆議院の国土交通委員会で,「生活をどうするかは,それぞれが工夫していかなければならない」と答弁しています。 市場の混乱が国民生活を直撃しているときこそ政府の出番であるにもかかわらず,その責任に対する自覚がみじんも感じられない言葉です。 まして福田内閣は,75歳以上に差別医療を押し付ける後期高齢者医療制度の実施で高齢者を不安の渦に陥れた上,ガソリン税の増税で生活に大打撃を与えようとしています。 その張本人の福田首相や冬柴大臣が生活のやりくりを説くのは,強盗に入って防犯を説く説教強盗のようなものです。 世論は明確です。「朝日」,「読売」,「毎日」の最近の世論調査では,再議決による暫定税率の復活に反対の人が60%を超え,賛成の20%,30%を大きく上回っています。 政府・与党は,道路特定財源の見直しには「ユーザー,納税者の理解を得なければならない」(額賀福志郎財務相)と繰り返し強調してきました。それなら,暫定税率に対する「ユーザー,納税者」の意見を聞くべきです。 個人ドライバーと家族など1,700万人が加入しているJAF(日本自動車連盟)は,2008年度の「税制改正に関する要望」で次のように述べています。 「税収の全てを道路整備に充てないならば,暫定税率を廃止し,減税すべきです」 少なくとも1年後に道路特定財源を廃止すると言うなら,暫定税率を復活,10年延長する「再議決」に道理はありません。 国民の暮らしを痛めつける大増税はやめるよう強く求めます。
2008年04月29日
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「日雇い派遣」など,その日暮らしの非人間的な働かせ方が社会的批判をあびるなか,現行の労働者派遣法を根本から見なおし,労働者保護法に改正しようという機運が高まっています。 ワーキングプア(働く貧困層)の増加という深刻な事態をつくり出している「日雇い派遣」など不安定雇用の解決には,“雇用は長期常用”の原則に立ち戻ることが必要です。 最近,労働者派遣法の抜本改正をめざして開かれた集会「さあつくろう派遣法改正案」(4月17日,格差是正と派遣法改正を実現する連絡会主催)では,民主党,社民党,国民新党,日本共産党,公明党の与野党5党が勢ぞろいし,それぞれ党の改正案を紹介しました。 日雇い派遣については,全野党が全面禁止,公明党が原則禁止を主張し,「禁止」でほぼ一致しました。野党議員は,労働者派遣を1999年の原則自由化以前の状態に戻すのが合理的で,最も有効だと主張しました。 労働者派遣は常用型を基本とし,登録型派遣を例外として規制することがどうしても必要です。一部に派遣日数や期間を制限するという議論もありますが,それでは問題の解決になりません。 「日雇い派遣」などの不安定雇用が急速に広がったのは,「国際競争力」を強め,いつでも自由に安く使い,解雇できる「使い捨て」の労働力の確保という財界の雇用戦略を背景に,労働者派遣法が導入され,改悪が重ねられてきたからです。 そのなかで1999年に派遣対象業種を広げて原則自由化,2003年には製造業にまで解禁しました。その結果,派遣労働者は321万人にも急増し,しかもその70%が「日雇い」など登録型派遣です。 社会保険も労災保険も雇用保険も,多くは保障されていません。 「日雇い派遣」の禁止は当然ですが,そのためには「原則自由」そのものを見なおす必要があります。 政党では日本共産党が,派遣法の導入・改悪に一貫して反対し,派遣法の労働者保護法への抜本改正を主張しています。4月10日には,これまでの国会論戦も踏まえて,法案の骨子を含む立法提案を発表しています。 その中でも明記しているように,重要なことは,労働者派遣は臨時的・一時的なものに限り,常用雇用の代替にしないことです。 法案骨子は,『派遣は常用型を基本として,登録型を厳しく規制する』,『常用代替が目的の派遣は禁止する』,『派遣期間(上限1年)を超えた場合や違法行為があった場合は派遣先が直接雇用したものとみなす』などを盛り込んでいます。 これらの措置は,“雇用は長期常用”との本来のあり方にするうえでも重要です。 不安定で,人間を消耗品のように使い捨てる働かせ方を横行させていては,労働者はもとより,日本の経済と社会の未来もありません。 この間,違法な派遣や労働実態を告発してきた勇気ある労働者と労働組合のたたかいが国会内外での運動で力を発揮し,派遣など非正規の雇用から直接雇用へと改めさせるなど,企業と行政を動かしてきました。 国民が声をあげれば,職場と政治を変えることができる状況が生まれています。 派遣法の労働者保護法への抜本改正と正社員化へ向け,世論と運動を高めることが重要です。
2008年04月28日
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「私は斉藤政調会長ではない」,「政調会長に聞いてください」。 4月22日の参議院厚生労働委員会で舛添要一厚生労働大臣がこう繰り返すと,委員会室に失笑が起きました。 質問したのは野党議員。 公明新聞4月11日付一面が,後期高齢者医療制度について,「高齢者の負担を半減」と報道したが,どこでこんなことが決まったのかと厚生労働大臣の見解をただしたのです。 同記事は,公明党の斉藤鉄夫政調会長の解説として,「窓口負担と保険料を合わせて平均すると高齢者の負担は(制度運営財源の)約2割から1割になった」などとしています。 しかし,厚生労働省の資料では,現在も同制度の財源10.9兆円のうち,保険料約1兆円,患者負担1兆円で約2割のままです。 野党議員が「約1兆円の公費投入がなければありえない話。どういう計算なのか」とただしたのに対し,舛添厚生労働大臣は「中・低所得者の負担軽減の話ではないか」,「そう忖度(そんたく)するしかない」などと明確な根拠を示せません。減るどころか増え続ける後期高齢者医療制度の保険料(試算) 斉藤氏はテレビでもそういう発言をしていますが,どう考えても半分になるわけがありません。こんな根拠のない宣伝は国民に変な期待感をもたせるだけでやめるべきです。 公明党は2006年6月の国会で,自民党とともに制度を推進・強行した“導入戦犯”です。 制度を推進・強行した公明党としては,党員や支持者にそれなりの説明をしなければいけないのは理解できますが,公共の電波であるテレビでの発言では根拠のない発言をしないで欲しいものです。 実際と違うことに国民が混乱してしまいます。政治不信は,すべて国民を欺く政治家の公約や発言から生まれます。
2008年04月27日
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75歳以上を差別する後期高齢者医療制度に「だれがこんな制度をつくったのか」と怒りの声があがっています。制度の“導入戦犯”は,自民党,公明党の連立与党です。 お年寄りの「医療費削減」を目標にした法案をつくりあげ,強行したのです。 75歳以上の全員からの保険料徴収,保険料は年金から天引き,保険料滞納者からは保険証を取り上げ,資格証明書を発行,年齢で差別する医療内容…。 後期高齢者医療制度で行われるこれらの政策はすべて,2006年6月に成立した医療改悪法に基づくものです。 改悪法には2年間の準備期間を設け,2008年4月から後期高齢者医療制度を実施することを盛り込みました。自民党,公明党は,自治体首長,医師会関係者らが「国民の健康,医療格差を拡大する計画だ」と反対する声を押し切って強行したのです。 医療改悪法が衆議院で審議入りしてわずか1ヶ月余の2006年5月17日の衆議院厚生労働委員会。国会前には医療関係者や患者など約350人が座り込み,委員会室にも数十人が傍聴席につめかけていました。 そうしたなか自民党・公明党連立与党は「社会保障制度が充実していると過度な期待を国民に抱かせてはならない」(自民党・北川知克議員),「審議も機が熟してきた。ぜひ法案の処理を進めるべきだ」(公明党・福島豊議員)と主張し,審議を一方的に打ち切って強行採決しました。 参議院の審議も十分尽くされませんでした。 野党の追及で問題が次々明らかになってきたのに,2006年6月13日の参議院厚労委で山下英利委員長(自民党)が野党議員の厳しい抗議のなか,突然審議の打ち切りを宣言。 自民党・公明党連立与党は「必要不可欠な改革だ」(自民党・中村博彦議員)と述べ,可決したのです。 「後期高齢者医療制度は医療費の適正化のためにつくられた制度。75歳以上の医療は“みとり”の医療だ」(自民党・西島英利議員,2006年5月23日の参議院厚労委)というのが理由です。 医療改悪法が成立した翌日の公明新聞(2006年6月15日)は「『国民皆保険』の信頼守る」,「公明党の主張を随所に反映」と同党が“推進役”になったことを誇示しました。 自民,公明が医療改悪法に基づいて実施した後期高齢者医療制度は,橋本内閣時代から政府・与党で検討されてきたもの(別表)。弱肉強食の「構造改革」の推進を掲げた小泉内閣以降,「改革試案」,「政府・与党大綱」,法案として具体化が進められました。 昨年の参議院選挙後,自民党・公明党の与党は保険料の一部凍結などを行いましたが,それも制度を「円滑に施行するため」(与党合意)のもの。制度そのものを中止するつもりはありません。 まさに,自民党,公明党こそ後期高齢者医療制度を導入し,推進した張本人です。 今回「後期高齢者医療制度」は戦後最悪の制度です。 年間12兆6,000億円を天下り法人のために使いながら,高齢者の医療負担1兆1,000億円あまりをなぜ出せないというのです。 年金支給は申請主義で,届け出をしなければ記録も訂正しない。ところが保険料は天引きで有無を言わせず取ってしまう。政府は『利用者の便宜のため』などというが,役所が取り立てやすい仕組みにしたかっただけです。 同制度の財源の10%は,75歳以上の高齢者が払う保険料です。 自民党議員は高齢者の負担割合の引き上げを明確に言及しています。可能性ではなく,高齢者の人口比率に連動して確実に上がる。厚生労働省の担当者は,『医療費が上がる痛みを高齢者に自分の感覚として感じてもらう』と発言している」くらいです。 「お金がないと制度を支えられない」と政府関係者は発言しいていますが,政府は医療や介護をコストとしか考えていないように思われます。医療や介護は雇用を生む力が大きく,経済を活性化させる側面もあるのです。 一方,社会保障に関して政府関係者は「幅広く負担をしてもらうと思えば消費税が一番いい」とも強調しています。これには社会保障は抑制し,後期高齢者医療制度も続けて,それとは別に消費税もとろうという思惑が見え隠れします。 至上空前の利益をあげる大企業・大資産家への優遇税制を見直し,国民にばかり負担を押し付けることを考えず,大企業に応分の負担をしてもらうという発想が自民党・公明党連立与党にはないのでしょうか。 これも選挙を通して国民が選択した結果である以上,国民はそのツケを払わないといけないのですが,どうしようもない政党を与党にしてしまったものです。
2008年04月26日
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高齢者の人間としての尊厳を否定し差別医療を押し付ける後期高齢者医療制度がスタートし,保険料の年金からの天引きも実施されました。高齢者と国民の怒り,医療現場の抗議の声がますます広がっています。 各紙が先週末に実施した世論調査によると,実施が強行された後期高齢者医療制度への厳しい批判などによって,内閣支持率は発足以来最低の20%台に下落しました。 「朝日」の調査では,後期高齢者医療制度を「評価しない」と答えた人が全体で71%,内閣支持層でも過半数に上っています。 医療の現場で,この制度への反対の動きが急速に広がっています。 調査によると,全国の都道府県の医師会のうち少なくとも10の医師会が制度そのものに「反対」しています。症状に応じて当然必要になる医療を抑制し,医療費の削減を狙って導入された仕組み(後期高齢者診療料)への批判を表明した医師会を含めると20を超えています。 制度に「断固反対」し撤廃を求めている茨城県医師会は,「みなさん,こんな高齢者いじめの制度が許せますか!」と大書したポスターを作製しました。会員の医療機関,介護福祉施設などで,約3,000枚のポスター張り出しと署名の運動を進めています。 宮崎県医師会は「75歳以上の高齢者を差別し,過度の負担を高齢者に押し付け,限られた年金から保険料を天引きし,保険料を滞納した場合には保険給付を停止する等,医療費削減のみを目的とした弱者切捨ての制度です」と厳しく批判しています。 兵庫県医師会の西村亮一会長はホームページで,「財政の問題だけで生命を75歳以上で区別するような制度は,早く取り止めていただきたい」と述べています。 お年寄りの命と健康を預かり,そのとまどいや苦しさと直面する医療の現場から,制度の撤廃を求める声が上がっていることを,福田内閣と自民党・公明党連立与党は重く受け止めるべきです。 ことし75歳のお年寄りが生まれたのは1933(昭和8)年,日本軍が中国で侵略を拡大し,「蟹工船」を書いた作家の小林多喜二が特別高等警察の拷問で虐殺された年です。 ドイツではヒトラーが首相に就任しています。 未曽有の悲惨な体験をくぐりぬけ,戦後日本の復興のために,文字通り身を粉にして働いてきた世代です。 そういう世代が高齢期に入って社会の支えがいよいよ必要になったときに,命を切り捨てるような制度を押し付け,肩身が狭くなる思いを味わわせているのです。 お年寄りの暮らし向きにかかわりなく,有無を言わせず保険料を年金から天引きするやり方に,この制度の非人間的な本質がはっきりと表れています。 よりによって,こんな制度を「長寿」医療制度と呼ばせる福田内閣は,強行採決で制度を創設した小泉内閣に劣らないほど,庶民のくらしや日々の思いに冷淡です。 政府,自民党,公明党には,とても温かい血が通っているとは思えません。 自民党内からさえ制度を見直す動きが出ています。後期高齢者医療制度を考える議員連盟の4月17日の初会合には,代理を含めて91人の自民党国会議員が参加しました。 この制度への国民の怒りの大きさ,抗議の声が与党をも揺るがせています。後期高齢者医療制度を中止・撤回に追い込むまで,世論を広げに広げる必要があります。
2008年04月25日
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日本軍の「慰安婦」問題を取り上げたNHK番組が政治的圧力で改ざんされたとして,取材協力した市民団体バウネットがNHKと制作会社2社に損害賠償を求めた訴訟の上告審口頭弁論が4月24日,最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)で開かれました。 NHK側は「憲法21条の保障のもとにある報道の自由は,国民の知る権利に奉仕するものであり,軽々に制限されてはならない」として,取材を受ける側の「期待権」を認めた東京高裁判決の破棄を求めました。 原告のバウネット側は安倍晋三官房副長官(当時)が,NHK上層部に「公正中立な番組を」と明言したあと,番組の異常な改変が行われた事実を示し,「編集権を乱用,逸脱したものだ」と訴えました。 弁論後,バウネットは報告集会を開き,共同代表の西野瑠美子さんが,「NHKは一般論としての『表現の自由』を主張することで,あたかも自分たちが被害者であるかのような弁論をしています。 国民の『知る権利』を侵害したのは誰か。公正な判決を求め,最後まで頑張っていきたい」と支援を求めました。 一審判決はNHKの賠償責任を否定しましたが二審はNHKに,「期待権」の侵害と「説明義務」違反があったとして損害賠償を命じました。 同小法廷は判決期日を6月12日に指定。判決では,期待権などについて最高裁の初判断が示される可能性があります。 NHK側の弁論で奇異に感じられたのは,一言も政治家の関与について触れなかったことでした。NHKが展開したのはあくまで一般的な,憲法上の「報道の自由」の位置づけでした。 番組がどのような経緯で,日本軍の元加害兵士や,元「慰安婦」の証言を消すことになったのか。 放送前から自民党の国会議員の中で同番組が話題になっていたことも,放送前日に国会担当局長と放送総局長が安倍官房副長官(当時)に面会に行った事実も,一切触れず。 弁論は空疎で,視点をずらそうとの明確な意図が感じられました。 しかし,番組をとりまく状況が「極めて異常な状態」だったことは,首相官邸に出向いた国会担当局長自身が,法廷で証言したことです。 高裁はこうした「特段の事情」を背景に,「期待権」を認めたのでした。 一方で,NHKは「報道の自由は,憲法的次元のもので,時に国家的利益と拮抗するほどの重要性を有するもの」と陳述しました。 それならなぜ番組改変の過程でも国家的利益と拮抗し,自主自律を貫かなかったのでしょう。 報道の自由を奪ったのは,取材に全面協力した原告ではなく安倍氏ら自民党の政治家であり,その結果として国民の知る権利までも奪ったことを,NHKは直視すべきです。
2008年04月25日
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野党議員が4月22日の参議院外交防衛委員会で,横須賀刑務所内でのアメリカ兵受刑者の食事の特権的な厚遇を告発し,「アメリカ兵が日本で犯罪を犯しても,大したことはないという意識を生み出す」と批判しました。 この問題は1997年にも国会で指摘されています。 法務省が提出した献立の資料によると,今年3月でも,ステーキやほぼ毎食ごとのデザートなど日本人受刑者より優遇された内容が用意されています。アメリカ軍が補充食料として食材を提供しているもので,年間13トンにおよびます。 外務省の西宮伸一北米局長は,厚遇の根拠に「(逮捕されたアメリカ兵に対し)習慣等の相違に考慮を払う」とした日米合意を挙げました。 しかし,アメリカ兵以外の外国人受刑者にも,補充食料が認められた例があるかと質問には,法務省の梶木壽矯正局長は「承知していない」と答弁しています。つまり『習慣』ではなく,アメリカ兵だから厚遇されているということです。 また,全国の米軍基地爆音訴訟判決で命じられた賠償額の総額と,アメリカ側が支払った額を追及。防衛省の中江公人官房長は,総額が122億円で,アメリカ側は全く支払っていないことを明らかにしました。 民事裁判で賠償を命じられても払わない。刑事裁判により服役しても優遇されている。政府がこんな姿勢では米軍犯罪はなくなることはありません。 一方でアメリカよりこんなニュースが入ってきております。 新兵確保に苦慮するアメリカ軍が,強盗やレイプといった犯罪歴のある人物を免責して入隊を認め,その数が増えていることが分かりました。 2006会計年度(2005年10月-2006年9月)と2007会計年度に陸軍と海兵隊に入隊した元「犯罪者」の数はそれぞれ,457人と861人でほぼ倍増となっています。 これはアメリカ下院監視・政府改革委員会のワクスマン委員長(民主)が国防総省に開示を求めていたもの。同氏が4月21日に明らかにしました。 それによると,陸軍による免責は2006会計年度の249件から,2007会計年度は511件に倍加。海兵隊では208件から350件に増えました。 免責された犯罪のなかには「加重暴行」や「窃盗」,さらには「レイプ」や「テロの脅迫」が含まれています。両軍あわせて「加重暴行や凶器による暴行」という凶悪犯罪で免責されたのは87人。 「窃盗」では,248人でした。また,マリフアナを含まない「麻薬・常習性をもたらす薬物の保持または使用」で有罪となった数は130人に上りました。 日本の米軍基地はイラク・アフガン戦争の前線基地になっております。つまり日本の米軍基地に送り込まれる海兵隊の中にも,免責された犯罪歴のある人物が少なからずいるということです。 日本でアメリカ兵による犯罪が後を絶たない理由がここにもあります。 だからこそ,日本が毅然とした態度でアメリカ政府とアメリカ軍に対しなければ,また同じ犯罪や悲劇が繰り返されるだけです。 政府がそれすらできないのであれば,国民も政府も米軍基地の問題を真剣に考えるべきです。
2008年04月24日
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軍需商社「山田洋行」をめぐる汚職事件で収賄と議院証言法違反(偽証)の罪に問われている前防衛事務次官の守屋武昌被告(63)に対する初公判が4月21日,東京地裁(植村稔裁判長)でありました。 同被告は起訴事実について「そのとおり」と大筋で認めましたが,収賄金額の一部について争う姿勢を示しました。 検察側は冒頭陳述で,同被告と軍需商社との癒着関係を詳細に語りました。一方,軍事をめぐる利権構造の問題点や,政治家の関与については触れませんでした。 贈賄側の同社元専務,宮崎元伸被告(69)ら3人も併合審理され,いずれも大筋で認めました。 冒頭陳述によると,守屋被告は1985年ごろ宮崎被告と知り合い,その後,現金供与や飲食の接待を受けるようになりました。 起訴された接待(別項)を含めて,確認されたゴルフ接待は日帰り361回,泊まりがけ31回。費用は合わせて約2,560万円超となりましたが,守屋被告側は1回も支払わなかったとしました。 装備品納入での便宜を期待しての接待であることを,守屋被告が認識していたと指摘しました。 起訴事実以外にも,宮崎被告側から守屋被告に『自宅購入資金として2,000万円の貸与』,『株購入資金として10,000ドルの供与』があったとしました。 一方,守屋被告は,航空自衛隊の次期輸送機CXのエンジン選定について,部下に「(宮崎被告が設立した商社)日本ミライズと随意契約するに決まっているだろう」と話し,宮崎被告への便宜を図ったとしました。 冒陳ではこのほか,護衛艦エンジンの選定や地対地ミサイル導入など7つの事例を挙げ,いずれも守屋被告が宮崎被告に有利な言動をとったと指摘しました。【参考】守屋前次官の起訴事実要旨 2003年8月-2007年4月,宮崎被告から12回計約389万円相当のゴルフ旅行と,108回計約497万円相当の日帰りゴルフの接待を受けた。2004年5月-2006年2月,同被告側から妻と二女名義の口座に計約363万円の送金を受けた。 2007年10月の衆議院テロ特別委員会で「日帰りゴルフで毎回1万円を払った」と偽証。参議院外交防衛委員会で,二女の留学で同被告側から送金を受けたのに,受けていないと証言した。 この問題は守屋被告一人の問題にとどめず,防衛省と政界,軍需産業のトライアングル,構造的な問題にメスを入れられるかどうかが問われている裁判です。 守屋氏が初公判で収賄の事実を認めましたが,今後,法による厳正な処罰を期待します。その上で莫大な軍事利権にからむ政界ルートにはなんらメスが入っていないのは非常に残念です。 水増し請求や野放図な随意契約の裏にある,大量の防衛省・自衛隊OBの天下り問題はまったく究明されていません。 重要な問題は,政界ルートの中心と目される秋山直紀氏(日米平和・文化交流協会常勤理事)と久間章生元防衛相が今年も,ゴールデンウイーク中に,多数の国会議員や防衛商社の幹部と訪米し,アメリカ国防担当者やアメリカ防衛産業担当者との懇談を公然とおこなおうとしています。こうした構造にメスを入れてこそ,真の再発防止につながります。 司法による裁きとともに,政治的に,国会の場でも明らかにしていくことを期待します。
2008年04月23日
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高校や大学の入学金や授業料が高すぎて,進学をあきらめ,学業が続けられなくなる-子どもはもちろん親たちにとっても,やり場のない心痛むできごとです。 つい最近も千葉や長崎の県立高校で,入学金の納付が間に合わなかった新入生が,入学式に出してもらえなかったという胸の痛い悲しい出来事が大きな問題になりました。 国民的な世論と運動を高めて軽減を実現することは,若者に安心と希望をもたらし,未来を支える安定した基盤を築くために不可欠です。 私立学校で教える先生たちが参加する全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の調査によれば,全国の私立高校生のうち昨年9月末段階で3ヶ月以上学費を滞納しているのは3,200人以上,経済的理由の中退者は年間150人を超え,中退率はここ数年上昇しています。 大学などで学ぶ学生が参加する全日本学生自治会総連合(全学連)などの調査でも,「生活費をかせぐためバイト漬けで授業で寝てしまう。何のために大学に来ているのかわからなくなる」など,深刻な声が相次いで寄せられています。(『学費黒書』) 経済的理由によって,進学や学業の継続をあきらめる事態が相次いでいるのは,国民の間で貧困と格差が拡大しているのに加え,政府の予算削減や自治体リストラで,国公立でも私立でも入学金や授業料の値上げが続いているからです。 たとえば国立大学の授業料は,1970年には年額12,000円でしたが,いまでは535,800円です。これほど高騰した公共料金はありません。 公立高校の授業料も2007年度,2008年度の2年間だけで全国47のうち45の都道府県で値上がりしています。国の基準額が値上げされた影響が大きく,基準額はこの40年間に10倍以上に引き上げられました。 教育を受けることは基本的人権のひとつであり,経済的理由で妨げられるべきことではありません。 若い世代が高校や大学で新しい知識や技術,理想を身につけることは社会発展にとって不可欠であり,社会の財産となります。だからこそ,学費をできる限り低額にとどめ,無償に近づけていくことが世界の大勢です。 欧米のほとんどの国で高校の学費はなく,大学も多くの国で学費を徴収していません。1. 公立高校の授業料は年収500万円まで減免,私立高校は500万円以下は全額,800万円以下は一部減額する直接助成を2. 国公立大学の授業料も減免を広げ,私立大学の授業料負担も直接助成制度で減らす3. 国の奨学金を無利子に戻し,返済猶予を拡大する いずれも,経済的理由で学業を断念する若者をこれ以上出さないために,緊急に必要な対策ですが,これを実行するための経費は,年間約1,900億円です。 政府がやる気にさえなればただちに実行できるほどの金額です。 世界一高い日本の学費は,世界に異常な,自民党政治の歪みのひとつです。 日本政府は,「高校や大学の教育を段階的に無償にする」と定めた国際人権規約の該当条項さえ留保し,批准していません。 ただちに留保を撤回させ,学費負担軽減の姿勢を明確にさせることも必要です。
2008年04月22日
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文部科学省の施設整備工事をめぐる汚職事件で,贈賄側から同省元文教施設企画部長の大島寛容疑者(59)に現金50万円が渡されたのは,同容疑者が国会で談合否定,談合企業擁護の答弁を繰り返した10日ほど後のことだったことがわかりました。 現金は施設整備情報の入手だけでなく,国会答弁への謝礼の意味もあったのではないか,とみられています。 贈賄容疑で警視庁捜査二課に逮捕された五洋建設の100%子会社「ペンタビルダーズ」顧問の倉重裕一容疑者(58)が,大島容疑者に50万円を渡したとされるのは,2006年4月上旬のこと。 大島容疑者の答弁は,同年3月23日の参議院予算委員会で,野党議員に対するものです。 当時,防衛施設庁発注の空調設備工事をめぐる官製談合事件で,同庁技術審議官が1月末に逮捕されるなど大問題になっていました。3月8日には,新東京国際空港公団発注の電機関連工事をめぐる官製談合事件で,元公団幹部職員2人に有罪判決が言い渡されていました。 野党議員は,参議院予算委員会で,文部科学省発注の管工事(機械設備や給排水工事)をめぐっても,同省OBでつくる「櫟(くぬぎ)の会」(その後解散)という組織が存在し,2001年-2004年に発注された19件のうち,16件を同会会員企業が受注していた事実をとりあげ,官製談合の疑いを指摘したのです。 このとき,答弁に立ったのが,文教施設企画部長だった大島容疑者。 「いずれの工事においても,透明性の高い入札制度を行っており,必ずしも指摘のような点は当たらない」と談合疑惑を否定しました。 野党議員氏が,平均落札率(予定価格に対する落札額の割合)が95.8%で,随意契約5件すべてを「櫟の会」会員企業が落札していることを指摘,重ねて「会員企業が独占的な入札をしているのでは」,「しっかり調査をするべきだ」とただしたのにもこうです。 「基本的にいわゆる公募の形で入札が行われており,そのような指摘は当たらない」,「いずれの工事においても,それぞれ適切に施工がなされている」。 大島容疑者は,OBが天下りした企業側擁護の姿勢に終始しました。 警視庁捜査二課は,さる4月7日,文部科学省汚職の関連先として東京都新宿区や豊島区の配管工事会社3社を家宅捜索しましたが,3社はいずれも「櫟の会」の会員企業でした。 文部科学省は,省内に設置した調査チームで,職員と業者との癒着がなかったかどうかを過去に遡って検証しています。 文部科学省出身の自民党柳川覚治元参院議員(故人)の「私設秘書」という肩書を利用した倉重容疑者の活動の全容とともに,大島容疑者がペンタ社のほかにも便宜を図っていなかったか徹底的に解明する必要があります。 まじめにやっている公務員もいることはよく理解できますが,一部の人間が自らの私利私欲を満足させるために繰り返される談合や汚職は後を絶ちません。 極論かもしれませんが,中国のように,政治家や官僚が談合や汚職をした場合の罰則を「私財没収のうえ死刑」ぐらい厳しいものにする必要があるのかも知れません。それでも汚職が絶えない中国ですが,日本でも真剣に検討して欲しいものです。 現状の日本の罰則では「やり得」なのが実情ではないのでしょうか?
2008年04月21日
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アメリカ国防総省に近いシンクタンク,ランド研究所は4月17日,イラク,アフガニスタン戦争の帰還兵約300,000人が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患っていると推計する報告書を発表しました。 「戦争の隠れた傷」と題する500ページにわたる報告は,民間研究所が帰還兵の精神疾患を扱った「大規模で初めての調査」(同研究所)だといいます。 これらの推計は国防総省などの報告をはるかに上回ります。 報告はPTSDのほか,イラク,アフガンでの負傷の特徴ともなっている「トラウマ性脳障害」(TBI)を負っている可能性のある帰還兵の数も推定し,320,000人と指摘しました。TBIは,自動車爆弾などの簡易爆発物によるものです。 調査は,1,965人の帰還兵を対象に実施されました。 2001年10月以来,アフガニスタン,イラクに派兵されたアメリカ兵は約160万人にのぼることから,これらの数字を推計したもの。 調査に携わったテニリアン研究員は,帰還兵の精神疾患には適切な治療が必要であるにもかかわらず,「残念ながら彼らが必要とする高品質の治療を受けるには多くの障壁が存在する」と指摘。 治療体制の不備やキャリアに影響するとの懸念から兵士が治療を求めない事例を指摘しました。 報告は「治療のギャップ」として,PTSDやうつ病の症状を示す帰還兵が過去1年間に治療の助けを求めたのは53%にすぎないと紹介。治療を受けた半数近くが「かろうじて最小限の適切な処置を受けている」状態だと述べています。 さらにTBIの可能性のある帰還兵では,57%が脳外科医や精神科医の診察を受けていない状態だといいます。 テニリアン研究員は「これら病気の帰還兵たちの治療には,一時しのぎの対処ではなく制度的変化が求められる」と指摘しました。 いつの時代も,戦争で傷つくのは国民だけなのです。戦争を始めた人間が傷つくことはないのが歴史の事実です。ベトナム戦争で大きな教訓を得たはずのアメリカが同じ過ちを繰り返そうとしています。 それを後押しする日本政府にも責任がないとは言えません。
2008年04月20日
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イラクで航空自衛隊がおこなっているアメリカ軍への空輸支援を違憲とする名古屋高裁の判決に,政府は不服従の姿勢をむきだしにしています。 福田康夫首相は「裁判のためどうこうする考えはない」と述べ,町村信孝官房長官や石破茂防衛相もあくまでイラク派兵を継続するといっています。 判決が憲法九条違反だといっているのに耳を貸さないのは,行政の横暴であり,法治国家としての基本を政府みずからふみにじる行為です。憲法九条に背を向ける政府の態度を許すわけにはいきません。 名古屋高裁の青山邦夫裁判長(高田健一裁判長代読)は,航空自衛隊がイラクでおこなっているアメリカ軍への空輸支援が「憲法九条一項に違反する活動を含んでいる」と断じました。 イラク特別措置法にさえ「違反」していると認めました。 憲法が保障する平和的生存権についても「具体的権利性がある」と述べました。 判決は道理の通った画期的なものです。 判決は,イラク派兵を強行する際に政府がもちだした根拠を,政府の憲法解釈にもとづいて否定したことが特徴です。 判決は,イラク情勢を2003年3月のイラク攻撃の延長であり,「外国勢力である多国籍軍対イラク国内の武装勢力の国際的な戦闘」だといっています。政府は,治安は悪いがイラク全土が戦闘地域とはいえないといって陸自を南部に派兵し,空自の活動地域をバグダッドに拡大してきました。 判決は,この政府の言い分が詭弁にすぎないことを明らかにしたものです。 判決がバグダッドを「人を殺傷し又は物を破壊する行為が現におこなわれている地域」と述べたのは,とくに重要です。 バグダッドを非戦闘地域として,航空自衛隊の輸送機をバグダッド飛行場に離着陸させている政府の説明が通用しないことを認めているのです。バグダッドが戦闘地域であるのは,輸送機が常におとりの熱源体「フレア」を発射しながら着陸せざるをえない実態をみても明白です。 非戦闘地域だからという派兵合法化論はもはや通用しません。 判決は多国籍軍への空輸支援を,アメリカ軍の「武力行使と一体化した行動」,「自らも武力行使を行ったとの評価を受けざるを得ない」といっています。 航空自衛隊がアメリカ兵や軍事物資をバグダッドに空輸する結果,アメリカ軍は補充アメリカ兵など新たな戦力を手に入れることになります。それによってアメリカ軍は戦闘活動を続けることができるのです。 自衛隊の空輸支援活動がアメリカ軍の武力行使と一体化しているのは否定のしようがありません。他国の武力行使と一体化する活動は憲法違反というのが政府見解です。 判決は当然のことをいっているにすぎません。 判決が憲法前文にある平和的生存権についても大きく前進させたことは重要です。 平和的生存権がたんなる理念でなく法的な権利として認められるべきで,違憲行為を裁判に訴えることができる具体的な権利だとしたことは,今後の国民のたたかいにとって大きな意味を持ちます。 判決は,イラク派兵反対,自衛隊の即時撤退要求が憲法にそった正当な要求であることを認めました。政府は判決で示された違憲判断を尊重すべきです。 裁判所の違憲判断が示されてもなお,派兵に固執する政府をおいつめ,航空自衛隊のイラクからの撤退と派兵拡大を狙う恒久法などの策動を阻止することこそ,国民の平和の願いに応える道です。
2008年04月19日
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75歳以上を差別する後期高齢者医療制度に全国で怒りの声が沸き起こるなか,公明党が「長寿を喜ぶ社会のための医療制度」などと宣伝役を買って出ています。 公明党は2006年の国会で,自民党とともに制度を推進・強行成立させました。 いま,自民党内からは「見直し」の声が上がっているのに,公明党は太田昭宏代表が「(野党が)言っていることは,すべて罵倒や中傷」(4月15日)と断じ,全議員が現場で制度のポイントを訴えるよう檄を飛ばしました。 坂口力副代表(元厚生労働相)も「医療制度を政治的に利用することは許されない」(公明新聞4月18日付)と制度擁護に必死です。 公明新聞は連日,後期高齢者医療制度について,『保険料は安くなる人が多い』,『これまでと同様の治療が受けられる』,『医療費の窓口負担は変わらない』などと“利点”を列挙。 保険料の年金天引きについても,「わざわざ役所や金融機関に出向く必要をなくす」ためと言い繕っています。 どれも,厚生労働省の言い分を繰り返しただけで,高齢者の実態や,医療関係者,マスメディアまで広がった国民の怒りをみない議論です。 特に,厚生労働省の試算を根拠にした“保険料は安くなる”という主張は,完全に成り立たなくなっています。厚生労働省のモデルケースで試算しても保険料が跳ね上がる自治体が続出していることを,野党議員が国会質問(4月17日)で明らかにしたからです。 野党議員の追及に舛添要一厚生労働相も「(下がるかどうか)正確なところは分からない」と,「安くなる」という主張に根拠がないことを認めました。 年金天引きも,どれだけ保険料を値上げしようが自動的に取り立てるという厚生労働省の都合から出発しています。 そもそも同制度は,公明党が「安心の制度」などとバラ色に描けるものではありません。 制度の狙いが「医療費が際限なく上がっていく痛みを,後期高齢者が自らの感覚で感じとっていただく」(厚生労働省担当官)ことにあるのは明らかです。 公明党は昨年の参議院選挙での与党大敗以降,同制度の見直しを打ち出しましたが,中身は保険料負担の一部凍結だけ。 年齢でお年寄りを差別するという制度の根幹には手をつけるものではありません。「構造改革」路線の「修正」を迫られ,慌てて手直ししただけです。 同制度は,公明党の坂口厚労相時代(2000年-2004年)に議論が進められ,同じく赤松正雄・厚労副大臣時代の2006年に導入されました。 自らの責任を棚上げし,不誠実な態度を続けるのかが問われます。
2008年04月18日
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今後10年にわたり道路特定財源を維持することを目的とする道路整備財源特例法改定案の質疑が行われた4月16日の参議院本会議。 福田康夫首相の答弁からは,2009年度から道路特定財源を一般財源化するという一方で,高速道路を中心とした従来型の道路建設に固執する,矛盾に満ちた姿勢が浮き彫りになりました。 政府・与党が4月11日に決定した,道路特定財源の「一般財源化」に向けた方針には,「必要と判断される道路は着実に整備する」との文言が盛り込まれました。 この日の質疑で民主党の辻泰弘議員が,昨年12月の政府・与党合意にあった「真に必要な道路建設」との違いをただしたのに対し,福田首相は,「『真に必要な道路』と,今般の政府・与党決定における『必要と判断される道路』とは基本的に意味を異にするものではございません」と述べました。 では,「真に必要な道路」とは何だったのか。 昨年12月の合意では,冒頭で「真に必要な道路整備の計画的な推進」の項目を設け,今後10年間の道路の中期計画を策定することや,同計画の事業量を59兆円にすることなどをうたっていました。 つまり,「真に必要な道路」計画の推進とは,“総額先にありき”で,14,000キロ高速道路建設や6,950キロの地域高規格道路など,大型道路建設を際限なく行うことと同義語だったのです。 今回の政府・与党決定がこれと基本的に変わりないというのなら,たとえ道路特定財源の「一般財源化」を実現しても,税収の大部分が大型道路建設につぎ込まれ,特定財源と実質的に変わらないということになりかねません。 「必要と判断される道路」うんぬんの文言が,与党内の“道路族”の圧力によって盛り込まれたことは公然の秘密となっています。 野党は,ガソリン税などの暫定税率を維持させる法案や,道路整備財源特例法改定案は,2009年度からの「一般財源化」と根本的に矛盾すると追及してきました。 しかし政府・与党は,衆議院での再議決まで使って法案を成立させることに固執し,“総額先にありき”の仕組みである中期計画を存続させることに躍起になっています。 その最大の理由が,今後も高速道路建設を際限なく続けることにあるのはもはや明らかです。またまた国民を欺き,その場しのぎで時が経つのを待っているのでしょうか。 国民の生活は原油高・原材料高などで“待ったなし”です。国民の暮らしに軸足を置いた経済政策を第一に考える時期に来ているのではないのでしょうか?
2008年04月18日
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「自分と家族はどうなるのか」,「なぜ年金がこんなに少なくなっているのか」,後期高齢者医療制度がスタートし,1回目の保険料の年金天引きが実施されました。 役所に問い合わせや抗議が殺到しています。保険料の算定ミスが相次ぐなど,見切り発車による大混乱も起きています。 福田康夫首相は「説明不足は,まずかったと反省している」と述べました。でも「まずかった」のは説明不足よりも制度の強行そのものです。 後期高齢者医療制度は75歳という年齢を重ねただけで別枠の制度にお年寄りを囲い込み,医療費削減の標的にする差別医療制度です。 今月から天引きが始まったのは,1,300万人の加入者のうち800万人です。一部の自治体や,健保の扶養家族だった人など一部凍結の対象になっているお年寄りの天引きは10月からです。 政府は世帯の全員が国保に加入している65歳から74歳のお年寄りにも天引きを強制し,4月15日には,その一部が実施されました。 生活必需品が値上がりし,税金や社会保険料がどんどん重くなっています。 一方で年金は,これまでの物価スライドで減少しています。多くのお年寄りは,否応なく暮らしを切り詰めてきました。 非課税措置がある税金とは違って後期高齢者医療の保険料は全員が払わなくてはなりません。わずか月15,000円の年金から,介護保険料に加えて医療保険料まで天引きすることは,お年よりの命を脅かすやり方です。 年金が月15,000円に満たないお年寄りからは天引きはしません。 しかし,滞納が続くと保険証を取り上げられて,窓口で医療費全額を払わなければならなくなります。これまでの老人保健制度では,病気がちなお年寄りの特性に配慮して,決してやらなかった冷酷な仕打ちです。 こんな血も涙もない制度をつくったのは誰か,はっきりさせておく必要があります。 「審議も機が熟してきた」,「ぜひこの法案について処理を進めるべきだ」。 2006年5月17日,後期高齢者医療制度など医療法案を審議していた衆議院の厚生労働委員会で,公明党の福島豊議員が審議の打ち切りを求めました。 徹底審議と廃案を求めて数百人が国会前に詰めかけ,あふれんばかりの傍聴者が注視し,日本共産党など野党が厳しく抗議する中で,審議は打ち切られました。 自民党と公明党が,後期高齢者医療制度を強行採決した瞬間です。 自民党・公明党連立与党は参議院でも強行採決を繰り返し,小泉内閣が提案した後期高齢者医療制度を含む医療改悪法は6月14日に成立しました。 差別的な高齢者医療は財界と政府,自民党・公明党連立与党の合作です。 小泉内閣の時の2001年秋,経済財政諮問会議で厚生労働省が高齢者狙い撃ちの医療費抑制策を打ち出しました。これに対し,日本経団連会長の奥田碩トヨタ自動車会長(当時)が「新しい高齢者医療制度の創設を含めて抜本改革が必要だ。早急に改革案を提示願いたい」と迫りました。 それに応え,公明党の坂口力厚労相(当時)が「後期高齢者に着目した保険制度の創設」の試案をまとめました。 よってたかってお年寄りを狙い撃ちにする差別医療制度をつくり,強行採決で成立させた罪は重大です。お年寄りの命を縮める後期高齢者医療制度は直ちに廃止すべきです。
2008年04月17日
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政府提出の道路整備財源特例法改定案が4月16日,参議院本会議で審議入りします。道路特定財源の根拠となっている同特例法が,4月1日で失効したため,政府・与党は改定案成立で特定財源の復活を狙っています。 どんな法案か,改めて問題点を見てみました。 特例法は,ガソリンにかかる揮発油税の全額と,石油ガス税の1/2を,高速道路や一般国道の建設などの道路整備に充てることを定めていました。巨額の税金を道路特定財源にしている法的根拠がここにあります。 さらに,特例法では,国土交通相に「行うべき道路の整備に関する事業の量の案を作成して閣議の決定を求めなければならない」と定めていました。道路整備の総額をどのくらいにするかの法的根拠となっています。 失効した現在は,特定財源がなくなるとともに,総額を定めた道路計画を決める法的な必要性もなくなっています。 改定案は,法律の名称を「道路整備財政特別措置法」に変えますが,この事業量の規定は残します。 しかも期間を5年間から10年間に延長します。10年間で総額59兆円を道路事業に使うことを決める,“総額先にありき”の,政府の「道路中期計画(素案)」は,改定案なしには成り立ちません。 この計画には,バブル期に策定された14,000キロの高速道路計画の建設推進,6,950キロの地域高規格道路の整備などが盛り込まれています。計画の約40%が高速道路の建設で,際限のない高速道路建設を推し進めるものです。 2002年に閣議決定した「構造改革と経済財政の中期展望」では,「公共事業関係長期計画は…資源配分を硬直的なものとし,経済動向や財政事情を迅速に事業へ反映することを困難にしている」と,公共事業における総額方式の長期計画を否定しています。 閣議決定に照らしても,“総額先にありき”の道路中期計画は全く必要ありません。 福田康夫首相は3月末,道路特定財源の2009年度からの一般財源化を提案し,4月11日に政府・与党の正式決定になりました。1年後に一般財源化するといいながら,道路特定財源を復活させ,今後10年にわたり維持するための改定案を通そうとするのは根本から矛盾しています。 ガソリン税,軽油引取税などの暫定税率を延長する租税特別措置法改定案,地方税法改定案は参議院で審議中です。暫定税率が4月28日,特例法改定案が5月11日までに参議院で議決されない場合,政府・与党は衆議院で2/3以上の多数による再議決を狙っています。 首相が本気で一般財源化をめざすなら,これらの法案は廃案にし,道路中期計画は撤回するしかありません。
2008年04月16日
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公立(都道府県立)高校の授業料が2007年度,2008年度の2年間で,鳥取県,大阪府を除く45都道府県で値上がりしていることが調査でわかりました。 東京都では月額9,600円から12,000円に値上げされました。多くが9,600円から9,900円に値上げされています。高校生からは「学費値下げ,免除制度の拡充を」との声があがっています。 公立高校の授業料は各都道府県が決めますが,総務省は地方交付税の算定基準となる授業料基準額を示しています。基準額が2007年度に月額9,900円に改定されました。 これを受けて,同年には28県が引き上げています(文部科学省)。 2007年度に改定を行わなかった19都道府県を調べたところ,2008年度には17都道府県が値上げしていたことがわかりました。2年間で45都道府県が引き上げたことになります。 2007年度の改定額が基準額に満たなかった県でも連続して引き上げていることもわかりました。 今回改定を行わなかった鳥取県は2006年度から月額9,300円を維持しています。担当者は「国に合わせる必要がないとの前知事の方針だ」と述べています。大阪府は2000年度に月額9,000円から12,000円に引き上げています。 公立高校の授業料基準額は,この40年ちかくの間に約10倍になっています(グラフ参照)。この間の物価の上昇率は約3倍です。 年収200万円以下が21年ぶりに1,000万人を超えるなど,貧困が広がる下で,年額10万円を超える授業料は家計を圧迫しています。 今春大幅改定された東京都では値上げ反対の署名を集めたり,パレードを行うなど高校生の運動が広がりました。 憲法は国民に「ひとしく教育を受ける権利」(第二六条)を保障し,教育基本法は「すべて国民は……経済的地位……によって,教育上差別されない」(第四条)と明記しています。 いま起きていることは,憲法と法律が禁じている「経済的地位による教育上の差別」そのものです。 こうした事態を招いた最大の原因は,自民党政府の極度に貧困な教育対策です。高等教育予算の水準(国内総生産にしめる割合)は,OECD(経済協力開発機構)加盟国全体の平均1.0%に対して,日本は0.5%にすぎず,加盟国中で最下位です。 その一方で自民党政府は,“学費は,教育で利益を受ける学生本人が負担する”という「受益者負担」の考え方を教育にもちこみ,学費値上げをすすめてきました。 1970年に12,000円だった国立大学の授業料は今では535,800円(標準額)で,これほど高騰した公共料金はほかにありません。 国際人権規約(1966年に国連総会で採択)は「高校や大学の教育を段階的に無償にする」と定めており,欧米のほとんどの国では高校の学費はなく,大学も多くの国で学費を徴収していません。 先月ハンガリーでも診察料と大学授業料医療費の無料化が国民投票の80%以上の支持を得て決まりました。 教育を受けることは基本的人権のひとつであり,経済的理由で妨げられるべきではありません。 若い世代が高校や大学で新しい知識や技術,理想を身につけることは,社会の発展にとって不可欠ないとなみであり,それは社会全体にとっての貴重な財産となります。 それだからこそ,学費をできるかぎり低額にとどめ,無償に近づけてゆくことが世界の大勢になっているのです。このことは,国民の「ひとしく教育を受ける権利」を保障した日本国憲法の精神にも合致しています。 国民の生活や権利にかかわる多くの分野で,ヨーロッパなどで常識になっているルールが確立していないことは自民党政治の大きな歪みですが,「世界一高い学費」もそのひとつにほかなりません。 誰もがお金の心配なしに教育を受けられる条件を整えることは,若者に安心と希望をもたらし,日本の未来を支える安定した基盤となります。 困難なもとでもまじめに学ぼうとしている若者の努力に応えることこそ政治の責任です。
2008年04月15日
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町村信孝官房長官は4月14日の記者会見で,ガソリン税などの「暫定税率」を維持する税制法案の成立は政府・与党方針の前提であり,「絶対に譲れない」と述べました。 道路特定財源をめぐる政府と自民党・公明党の合意は,与野党協議の前提として,道路特定財源と暫定税率を10年間延長する法案を「一日も早く成立させる」としています。 この前提条件は,同時に政府・与党合意が掲げた2009年度からの一般財源化の方針とは,誰が見ても根本から矛盾しています。 来年度の一般財源化と10年で59兆円の道路中期計画との矛盾を問われた冬柴鉄三国交相は,「非常に難しい」と述べつつ,次のように答えました。「どうであろうと必要な道路は造らなければならない」 一般財源化しても,医療や教育,農業など暮らしに密接な分野の財源を確保しながら,本当に必要な道路を整備するのは当然です。しかし,中期計画の中心はバブル期に立てた高速道路計画であり,候補路線には6本の海峡横断道路を造る途方もない浪費構想まで含まれています。 中期計画は「医師不足から救急医療施設がここ5年間で約一割減少しており,救急医療施設へのアクセスを確保する幹線道路ネットワークの整備は急務」と説明しています。 救急病院の不足は深刻ですが,必要なのは患者を遠くの病院に運ぶ幹線道路ではなく,住民の身近に救急病院を整備・建設することです。 政府・与党の合意は,無駄遣いと批判が強い道路中期計画の期間を「10年」から「5年」に短縮して,あくまで推進することを盛り込んでいます。 「総額先にありき」の浪費計画は,期間を短縮しても浪費の枠組みに変わりはありません。こんな計画は白紙に戻すべきです。 額賀福志郎財務相は今月初めの記者会見で,道路整備の必要性,環境や財政赤字の問題をあげて暫定税率の維持を訴えました。「一時の利益というよりも,5年や10年,20年先の日本の姿を考えていかなければならない」と語っています。 「20年先の日本」などと偉そうなことを説く資格は自公政府にはありません。 暫定税率は34年前に道路の5ヶ年計画を進める財源として,2年の期限を切った増税として始まりました。「暫定」にもかかわらず,政府は新たな道路計画のたびに延長し,3回も税率を引き上げています。 与党の数の力で場当たり的に繰り返した延長・増税は,浪費的な道路建設を加速し,国際的にも突出した公共事業優先の体制をつくり,財政を歪ませ圧迫してきたのです。 暫定税率は「暫定」と国民に偽って30年以上も続けてきた,道路建設のための増税です。需要を過大に見積もり,緑をつぶして舗装してきた環境破壊税にほかなりません。 環境対策の意味でも特定財源・暫定税率は廃止すべきです。 その上で,温暖化ガスの排出量を考慮した環境税を導入し,大口排出者の大企業に相応の負担を求めることが重要です。 国民の世論と国会での論戦が,無駄な道路を造り続ける「自動装置」として半世紀にわたって自民党政治が温存してきた「聖域」に,大きな亀裂を走らせています。 今は「聖域」を終わらせる大事な局面です。 特定財源と暫定税率は期限が切れ,失効しています。これを復活させて10年も延長する法案は廃案にし,道路中期計画を白紙撤回するよう国民も迫っていかなければいけません。 これ以上の無駄遣いを許してはいけません。道路をつくって儲かるのは自民党と議員とその議員と親しい一部の業者だけです。こんなことに国民が税金を負担し続けることに意味は全くないと考えます。
2008年04月14日
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大手牛丼チェーン「すき家」で働く労働者が,時間外の割増賃金などの不払いを是正するよう求めて4月8日,「すき家」を経営するゼンショー(本社東京都港区)の小川賢太郎社長を,仙台労働基準監督署に刑事告訴しました。 刑事告訴は異例です。 告訴したのは,仙台市の仙台泉店で働く福岡淳子さんら3人のアルバイトで,いずれも首都圏青年ユニオンの組合員です。 3人は2007年11月には,同労基署に不払いの是正申告をおこなっていますが,ゼンショーは是正勧告を拒否しています。 外食大手のゼンショーは,「フード業世界一」をスローガンに掲げて急成長しています。2001年に東証一部に上場し,2007年3月期には売上高が839億円に及びます。 牛丼「すき家」は,北海道から沖縄まで全国展開しており,店舗数は1,000店近くあります。正社員はわずか700人ほどで,パート・アルバイトがその9倍を超える約6,700人にのぼります。 企業経営者が法律にも明記された規定の賃金を払うのは当たり前です。「すき家」のやり方は,あまりにも悪質です。 労働基準法は第37条で,使用者が労働時間を延長し,休日に労働させた場合には「通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下」の割増賃金を支払わなければならないと定めています。 これに違反した場合は「六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金」が科せられます。 ところが福岡さんの2005年12月-2006年9月の割増賃金約144,000円と,他の男女2人の2006年9月分の割増賃金計29,000円が支払われていません。 福岡さんの場合は,「店長」として他店の応援業務に駆り出された2006年2月-5月の不払い労働173時間,約142,000円も支払われていません。3人への割増賃金の不払い総額は310,000円を超えています。 ゼンショーの言い分は,“「すき家」のアルバイトは労働者ではない,個人請負だから残業代そのものが発生しない”というものです。 2008年2月には仙台労働基準監督署が,割増賃金の不払いという違法行為を是正するよう勧告しましたが,ゼンショーはこれにも従おうとしません。憲法で保障された労働組合との団体交渉も,拒否しつづけています。 4月10日の参議院厚生労働委員会で野党議員がこの問題を取り上げ,労働基準法違反の悪質な企業に対して厳しく対処するよう求めました。 厚生労働省の労働基準局長は「是正しない悪質な事例には司法処分を含めて厳しく対処していく」と答えるとともに,「すき家」の労働者は個人請負という主張が成り立たないことを認めています。 「新しいアルバイトを探すなら,すき家で決まり♪」と募集しながら,ただ働きを強いる「すき家」のやり方を許すわけにはいきません。 日雇い派遣や登録型派遣など,労働者を「モノ扱い」する非人間的な働かせ方が横行しています。「すき家」のやり方は当然払うべき残業代・割増賃金を払わず,労働基準監督署が勧告しても勝手な理屈をつけて開き直るなど,あまりにも酷すぎます。 ただ働きや長時間労働はいま,大きな社会的批判を浴びています。 労働基準監督署など監督機関は,「すき家」をはじめ悪質企業に対して,関係法令にもとづいて厳正に対処すべきです。
2008年04月13日
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古森重隆NHK経営委員長(富士フイルムホールディングス社長)は4月8日の経営委員会で,2月下旬に開かれた自民党の武藤容治衆院議員を励ます会に出席したことについて,「私人としての行動だった」と報告したことを明らかにしました。 古森委員長は「武藤議員は富士フイルムの元社員で,社長として出席した」と述べました。 会の挨拶で自ら経営委員長であることに触れたことについては,「NHKをよろしくとは話したが,経営委員長として出たわけではない」と釈明しました。 「励ます会」出席の件については,3月31日の参議院総務委員会において,「不偏不党であるべきNHKを監督すべき経営委員長として,視聴者に誤解を与えることはやめるべきだ」と古森委員長を厳しく批判されていました。 古森重隆経営委員長は昨年6月の就任以来,経営委員長としての資格を疑わざるをえない言動を繰り返してきました。 昨年9月の経営委員会では,「選挙期間中の放送については,歴史ものなど微妙な政治的問題に結びつく可能性もあるため,いつも以上にご注意願いたい」と制作現場をけん制。 今年1月にも番組に関与する意見を述べています。 3月の経営委員会では,国際放送で「利害が対立する問題については,日本の国益を主張すべき」だと語り,大きな問題になりました。 放送法第1条第2項は「放送の不偏不党,真実及び自律を保障することによって,放送による表現の自由を確保すること」を定め,経営委員会の委員も当然,この規定に従う立場にあります。 古森氏が,与党である自民党の武藤衆議院議員を励ます会の発起人を務め,その会に出席して「NHKをよろしく」と挨拶することは,NHKと政治との距離をわきまえない,不見識な行為といわれても仕方がないでしょう。 武藤議員のホームページには,2006年の活動報告として,NHKについて「国営放送の位置づけが必要であるという認識から…『放送産業を考える議員の会』を立ち上げ,NHK本社を訪問」したことが書かれています。 戦後,放送法を制定する際,経営委員会は権力からの独立を組織・人事の面から保障する趣旨で設けられました。外部からの圧力に抗し,「表現の自由」を守る防波堤の役割を果たすのが本来の姿なのです。 ところが古森氏の言動を見ると,経営委員会が防波堤になるどころか政府の代弁機関になりかねないのが実情です。昨年末に放送法が改悪され,経営委員会の権限が強化されて,その危険性はいっそう強まっています。 古森委員長自身も,安倍前首相を囲む財界人の会のメンバーで,安倍氏が公共放送NHKに送り込んだといわれています。 NHKの監督機関の長としての適格さが改めて問われます。
2008年04月12日
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戦後初の「空席」が続いていた日銀総裁に白川方明・副総裁が就任しました。 総裁が3週間も空席となった最大の責任は,野党が賛成し得ないことが分かっていた人物に固執した福田内閣にあります。日銀は今回の経過の根底にある民意に,誠実に耳を傾けるべきです。 福田内閣が日銀総裁に推した1人目の武藤敏郎氏は日銀副総裁として異常な金融緩和を推進し,財務次官として社会保障の連続的な抑制路線を進めました。 2人目の田波耕治氏は大蔵次官として大銀行への血税投入を推進しました。いずれも家計を痛めつけ,大銀行・大企業を応援する本末転倒のやり方をすすめてきた行政の責任者です。 国会の所信聴取でも2人は失政を正当化し,反省を示しませんでした。 日銀法が定めた「国民経済の健全な発展に資する」という日銀の使命に照らして,総裁の任にふさわしくないことは明らかです。 実績も現在の立場も日銀総裁にふさわしくない人物を,財務省の幹部だったというだけで総裁の席に就かせようという政府の姿勢には,まったく道理がありません。 以前なら,不当な総裁人事でも自民党,公明党の多数でごり押しすることができました。しかし,昨年の参議院選挙で自民党・公明党連立与党が惨敗し,数の暴力に大きな制約が生まれました。 「国民の意見が反映されるよう」(当時の大蔵省答弁),総裁・副総裁の任命に国会の同意を不可欠の条件とした日銀法の趣旨が,初めて発揮できるようになっています。 福田内閣が強引な総裁人事を繰り返し,政権を担う当事者能力さえ疑われる混迷に陥ったのは,参議院選挙で示された国民の意思を軽視した結果です。 厳しい審判が下った大企業応援・くらし犠牲の「構造改革」路線を改めず,それと一体の超低金利政策に固執する政治こそ,深刻なゆきづまりの根本原因です。 高齢者に差別医療を押し付ける後期高齢者医療制度の問題でも,道路特定財源と暫定税率,道路中期計画の問題でも,根底にあるのは自公政治と国民との深い矛盾です。 白川総裁のもとで,ようやく新たな体制でスタートする日銀は,このことを重く受け止めるべきです。 超低金利で大企業・大銀行を応援し,その利益を拡大すれば,やがて家計に波及して自律的な成長が実現するという議論は完全に破綻しています。日銀が机上の空論で想定したようには所得が増えず,長期にわたって家計の冷え込みが続いています。 半面で副作用は確実に働いています。十年以上の長期に及ぶ超低金利政策は,国民が受け取るはずだった預金利息を絶えず吸い上げ,大企業や大銀行に分け与えてきました。 日銀自身の試算でも,吸い上げられた利息は320兆円を超えています。 副作用は預金利息の吸い上げにとどまりません。 超低金利の恒常化は世界経済を混乱させている投機マネーの供給源になっています。国際的な投機集団が利上げを心配することなく,ただ同然の金利で「円」を調達し,それを元手に金融や石油,穀物など世界の市場で投機の嵐を吹き荒れさせてきました。 これが,石油や生活必需品の高騰となって国民生活にはねかえっています。 日銀に求められているのは,異常な超低金利政策を根本から反省し,民意に従って金融政策の軸足をくらしと家計に移すことです。
2008年04月11日
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「困っているんですから」,「かわいそうなくらい苦労している」。 4月9日の党首討論で福田康夫首相は,日銀副総裁人事が不同意になったことや道路特定財源問題で与野党協議が進まないことを嘆き,質問した民主党の小沢一郎代表に繰り返し懇願しました。 20%台に支持率が急落した福田政権の行き詰まりぶりを示した討論となりました。 「この国会運営に大変苦労しています。なかなか結論が出ない」。 福田首相の最初の答弁は,参議院の与野党逆転状況に対するいらだちから始まりました。 日銀副総裁候補として提示した渡辺博史前財務省財務官が不同意になったことについては,「かつて官僚であったものがそのポストに就くのはそんなに悪いことなのか」と逆に小沢氏に説明を要求。 ガソリン税などの暫定税率を復活させる歳入・税制関連法案についても「審議を促進し,話し合いの機会をつくっていただきたい」という具合です。 「国会運営に苦労している」と言いつつ,求めてくるのは政府・与党の都合を優先したものばかり。とても民意を踏まえた対応とはいえません。 小沢氏が「いまの内閣は二院制で一院(衆議院)しか多数をもっていない」と述べると,福田首相が持ち出したのが,昨年の小沢氏との党首会談での「大連立」協議でした。 「あのとき(小沢)代表の気持ちは,一緒になってやらなきゃということで会談をセットされたと思う。その気持ちを忘れてもらっちゃ困るんですよ」 嘆き節の福田首相。 最後に頼るのは「大連立」ということか。そんなことをしたら,国民の政治不信が進んでしまい,自分たちが政権をとることができないことを民主党も知っているはずです。 大連立をすれば,以前の自民党内の派閥争いに逆戻り。そもそも民主党は自民党の田中角栄の流れを組んでいるので飛び出した意味がなくなってしまいます。 民主党の本質は自民党となんら変わらないのですが,自民党とたたかう野党ポーズを取らないわけにもいかない矛盾に民主党自身も苦しんでいます。しかし,いまはそのおかげで民主党も変わりつつあるように見えます。 それも国民に軸足をおいた政治・政策を進めざるを得ないので国民にとっては非常に良いことなので,大連立を組んで国民を裏切らず,しばらくこの流れが続いて欲しいと願います。
2008年04月10日
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肝炎患者救済の恒久対策を検討していた与野党協議会の協議が,自民・民主両党によって打ち切られました。前国会では,薬害C型肝炎患者を救済する薬害肝炎救済法が全会一致で成立(1月11日)し,その付帯決議には肝炎患者の恒久対策が盛り込まれています。 恒久対策は,薬害C型肝炎訴訟原告団・弁護団をはじめ肝炎患者らが強く求めていたもので,与党と民主党もそれぞれ恒久対策をうたった法案を国会に提出しています。 直ちに協議を再開し,恒久対策を実現すべきです。 与野党協議会は昨年12月に全会派が出席して1回目の協議がおこなわれて以降,与党の自民・公明と民主の3党だけで非公式協議をつづけてきました。 3月27日の与野党協議会では他党議員が,3党だけで協議してきた問題を指摘し,「恒久対策は党派を超えて一致点を見つけるべきだ」と全会派での協議継続を主張しました。これこそ国民の期待に応える道です。 薬害肝炎救済法は,C型肝炎訴訟原告団の要望を反映するとともに,薬害を発生させ被害を拡大した国の責任を明記しています。350万人といわれる肝炎で苦しむ全員を救済する方向性を示しており,「全面解決への土台が固まった」(原告団)といえる内容です。 同時に救済法では,予防接種の注射器の使い回しでB型肝炎ウイルスに感染したり,血友病など先天性の病気の治療が原因で肝炎になった患者が救済対象から外れています。 血液製剤がフィブリノゲンと第9因子製剤の2つの種類に限定されたり,カルテがない人の問題もあります。 このため350万人といわれる肝炎患者のうち,実際に救済されるのは1,000人程度とされ,抜本的な対策が切望されています。 恒久対策の必要性では,与野党を超えて全政党が一致しています。前国会には,与党が衆議院に「肝炎対策基本法」を提出し,民主党は参議院に「特定肝炎対策緊急措置法案」を提出しています。 治療費の負担軽減のあり方など問題もありますが,全会派が参加した与野党協議会での協議を通じて,できるだけよりよいものをつくる努力こそ求められています。 C型肝炎訴訟の原告らは,2002年10月に国と製薬会社を相手に初めて提訴して以来,全国の5つの高裁・地裁で5年余にわたって命がけで頑張ってきました。 お金のためではない,全員一律救済でなければだめだと訴えてきた頑張りが,世論の共感を広げ,政治を動かし,350万人すべての肝炎患者を救済する恒久法づくりの扉を開きました。 国の責任や再発防止策と合わせ,加害企業の責任と謝罪・償いを盛り込んだ肝炎の総合対策を示した法律を今国会で成立させることは,肝炎訴訟の原告・弁護団の悲願です。 そのために自民,公明の与党と民主党は,与野党協議会を決裂で終わらせず,早急に協議を再開すべきです。 C型肝炎訴訟の原告と被告の国との間ではいま,各地の地裁・高裁で和解がすすみ,具体的な救済が始まっています。原告らにとって,すべての肝炎患者を救済する恒久法が成立してこそ,心から和解したといえます。 置き去りにされる患者を1人も出してはなりません。国会は,肝炎問題を全面解決する立法化の実現が問われています。
2008年04月09日
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「店長」などの肩書が付けられただけの「名ばかり管理職」が,大手の外食産業や小売りなど多くの業界に横行し,ただ働きや長時間労働が大きな社会問題になっています。 労働基準法の適用除外規定を悪用し,「肩書」に誇りと責任感をもった労働者の頑張りを逆手に取ったもので,企業経営者のあくどさに怒りを感じます。会社だけが成長し,労働者は疲れ果てて病に倒れる例も少なくありません。 こんな企業の働かせ方を許すわけにはいきません。 労働基準法では,1日8時間,週40時間という労働時間の上限を定めており,これを超えて残業させる場合や休日に働かす場合には,時間に応じて割増賃金を支払うよう企業に義務づけています。 監督や管理する地位にある「管理監督者」については,労働時間,休憩および休日に関する規定を適用しないと定めており,時間外労働や休日勤務の割増賃金の支払い義務が免除されています。 しかし,役職名さえあれば管理監督者と認められるわけではありません。 管理監督者であるかどうかは,経営者と一体的な立場にあるか,勤務時間の自由裁量があるか,職務に見合う待遇があるか,などの基準が満たされていることが必要です。 「名ばかり管理職」は偽装管理職ともいえるもので,管理監督者が労働時間規制から除外されていることに着目した企業経営者が,人件費を削減するために設けたものでしかありません。 日本マクドナルドの直営店長が,管理職扱いされて残業代が出ないのは労基法違反だと訴えた東京地裁判決(1月28日)は,大きな注目を集めました。 判決は,「職務の権限や待遇から見て店長は管理・監督者にあたらない」とし,残業代など755万円の支払いを同社に命じました。店長は,最長で月137時間もの残業を強いられ,車の中で寝ることもありました。 紳士服大手のコナカ,日本ケンタッキー・フライド・チキン,メガネマートなどの企業やガソリンスタンドでも同様の問題が起こっています。帰宅もままならず家族はバラバラ,人間を機械部品のように使い捨て,過労死を生みかねない非人間的労働は絶対にあってはなりません。 マクドナルド裁判で明らかになった「名ばかり管理職」の違法性や反社会性は,氷山の一角です。東京地裁判決が,「名ばかり管理職」を設けている外食や小売りチェーンなどに衝撃を与えているのは当然です。 一部とはいえ,制度の見直しを始めた企業が現れ始めています。 残業代や解決金を支払ったり,「管理職」と協定を結ぶなど経営側に一定の変化も生まれています。厚生労働省も,全国の労働局にたいして,企業への適切な監督指導をおこなうよう求める通達(4月1日付)を出しました。 労働者の勇気ある告発とたたかいとともに,違法を許さない世論を盛り上げるチャンスです。 仕事は誰かがやらなければ始まらないし,やる人がいなければ肩書だけの「管理職」に責任と残業が重くのしかかり,次第に肉体的にも精神的にも追い込まれていきます。 働きがいを感じ,人間らしい生活ができるよう,「名ばかり管理職」は直ちにやめるべきです。 労働者と国民のたたかいで,ただ働き,長時間労働をなくすことが重要です。
2008年04月08日
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政府は4月4日,内閣が各省庁の人事管理を主導する「内閣人事庁」創設など,5年以内に実現をめざす公務員制度改革の基本事項を盛り込んだ国家公務員制度改革基本法案を決定しました。 基本理念として「内閣の公務員」,「官民の人材交流」などを掲げ,国民全体の奉仕者である公務員を,政権党や財界の奉仕者に変える方向です。 人事庁は官房長官がトップを務め,職員の適格性などを審査し,幹部候補者名簿に反映します。 総理や大臣を補佐する「国家戦略スタッフ」「政務専門官」の導入とともに,公正・中立性が求められる公務員の「政治任用」を強めるものです。大臣の「指揮監督の強化」と称して政務専門官以外の職員と国会議員との接触を規制するなど,国会の監視機能を弱めかねない仕組みも盛り込みました。 防衛省汚職でも浮き彫りになった企業との癒着については,規制するどころか,「官民の人材の流動性を高める」として「天下り・天上がり」の対象拡大や手続きの簡素化を打ち出しています。 採用時に昇進コースが決まることから,国民不在の官僚制度の温床と指摘される国家I種試験(キャリア)も,「総合職」試験と名称を変えただけで,特権的な官僚制度を温存しています。 一方,国際的な流れになっている労働基本権の付与については「国民の理解が必要」として,政府の専門調査会や有識者懇談会が打ち出した労働協約締結権さえ「検討する」にとどめています。 今回の公務員制度改革基本法案は,「全体の奉仕者」であるべき公務員を,時の政権党や財界の奉仕者に変質させるもので,国民いじめや腐敗をひどくしかねないものです。 法案には,政権党いいなりの者だけを重用する「人事庁」,政権党直属の公務員となる「国家戦略スタッフ」創設などが盛り込まれました。国民の目線に立って働くより政権党と一体化した公務員をつくるものです。 政治家との「接触規制」も,国会による監視を逃れ,政権党だけに付き従う公務員づくりの狙いがこめられています。 政権党の政策をどれだけ実行したかではかる成果主義と合わせて,行政の公正・中立性をゆがめる危険性を抱えています。 政府・与党は昨年,公務員制度改革の先行として官民癒着の「天下り・天上がり」を自由化する法案を強行しました。基本法案では,「官民交流の推進」の名でさらに拡大する方向が出されています。 営利目的の企業の論理を持ちこめば,公正・中立で民主的運営が求められる行政が,大企業・財界本位にさらに歪められかねません。 今回,幹部職員が人事庁の全面管理とならず,省庁にも所属することになったことから,「閣僚や霞が関の抵抗で後退」との報道もありますが,政権党と財界いいなりの公務員づくりという大本に変わりはありません。 一方で,ILO(国際労働機関)から3度も勧告を受けた労働基本権付与は,政府の調査会が付与を提言した労働協約締結権さえ,検討事項にとどめられました。 労働基本権の付与は,自らの労働条件は自ら決めるという働くルールの確立にとどまらず,国民の立場から行政のゆがみをチェックし,ただしていく力となるものです。 貧困と格差が広がるもとで,安心・安全の確保など国民の願いにこたえようと多くの公務員は懸命に働いています。政権党と財界に奉仕する公務員制度改革は,多くの国民や公務員との矛盾をますます広げざるをえません。
2008年04月07日
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東京都の認証保育所「じゃんぐる」保育園が認証取り消しとなりました。園長がいない,保育士の二重登録などの不正行為のためでした。 重大なのは今,こうした認証保育所のような流れを国の保育制度全体に広げる議論が急テンポですすんでいることです。 もともと認証保育所制度は,保育の「規制緩和」の中で,東京都が独自に職員数や面積で国基準に満たない施設にお墨つきを与え,発足させたものです。企業参入が進む一方,「保育料が高い」,「園庭がなく保育スペースも狭い」,「職員がすぐ替わる」などの問題が噴出していました。 調査では,食材費が園児1人1日36円という園さえあり,都の検査でも企業運営の約半分で何らかの問題が指摘されています。 昨年12月の政府の規制改革会議第二次答申は,認証保育所は「成果をあげている」と評価し,「基準の緩和」も問題ないと提言しました。そして保育所への直接申込制導入や保育料自由化,保育所への公的補助撤廃,保育士比率や面積の基準引き下げを要求しています。 これらは先ごろ閣議決定された「規制改革三カ年計画(改定)」にも盛り込まれました。「多様なニーズに応える」を口実に,国と自治体が責任をもつ制度をなくし,認証保育所の水準でよしとするものです。 財界や経済財政諮問会議の民間委員も,同様の提言を繰り返しています。 この背景には,少子化による労働力不足への危機感があります。子育て中の女性労働力をいかに活用するか,そのために大量の保育所が必要だが,保育予算を低く抑えるにはどうするか,これが出発点です。 こうした流れをうけ,厚生労働省(社会保障審議会少子化対策特別部会)でも保育制度「見直し」の検討を始めたことは重大です。子育て支援をかかげながら「公」の責任を投げ捨て,安上がりに,保育制度そのものを根底から切り崩す狙いを,絶対に見過ごすことはできません。 保育所は,子どもの生活と成長の場です。ふさわしい施設と質,安定した運営が不可欠です。だからこそ現行制度は,設備や保育士配置に国基準を設け,それを満たした認可保育所を中心に,国と自治体の公費と収入に応じた保育料で運営しているのです。 子育てをめぐる困難が深まるなか,認可保育所は専門的立場から親と子を支え,地域の子育て支援の役割も果たしています。 同時に,国の社会保障費抑制と自治体財政難の下,公立の民営化,施設老朽化や耐震化の遅れ,半数が非常勤職員など,保育条件の悪化も進行しており,現場の必死の努力で公的保育を支えているのが現状です。 今,全国に,保育所入所を待っている乳幼児が20,000人近くいます。 必要なのは,認可保育所の新増設を中心にした保育所整備計画の策定であり,国による十分な保育予算の確保です。諸外国に比べ低すぎる職員配置や面積の最低基準の充実など保育水準の向上も必要です。 ドイツでは2013年までに保育所定員の3倍化へ,国と自治体で総額120億ユーロ(約1兆9,000億円)を投入する計画です。子どもの最善の利益(「子どもの権利条約」)の立場で,子どもと国民のくらしに軸足をおいた政策へ転換が必要です。 親の要求と保育現場の実態に根ざし,公的保育拡充を求める声と運動を日本でも大きくひろげる時です。
2008年04月06日
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「暫定税率」を10年延長する法案の審議が参議院で4月4日始まりました。 3月末で道路特定財源に関連した2つの法律の期限が切れました。ガソリン税などの税収をすべて道路建設につぎ込む特定財源化を定めた特例法と,ガソリン税の増税など暫定税率を定めた租税特別措置法です。 特例法の失効で,果てしなく高速道路をつくり続ける「自動装置」となってきた道路特定財源は一般財源となり,道路にも社会保障にも教育にも使えるようになりました。 もともと一般財源だったガソリン税を,「臨時措置」で道路建設の特定財源にする制度が半世紀前にスタートして以来,初めてのことです。 特定財源を倍近くに膨らませてきた暫定税率の上乗せがなくなって,ガソリンが値下がりしています。 暫定税率の維持に固執する政府・与党は,廃止すると国民生活が大混乱に陥ると宣伝してきました。これが国民への脅しでしかなかったことは,実際に大きな混乱も起きていない現実が証明しています。 大混乱をもたらすとすれば,政府・与党が暫定税率を復活させて再びガソリン税を増税するときです。 一般財源化と暫定税率廃止を求める圧倒的な国民の声と,国会で政府・与党をたじたじとさせた論戦が,道路特定財源を期限切れに追い込む原動力となったことは明らかです。 これまでにない新しい状況が開けた今,大事なことは,浪費の温床である道路特定財源と,その浪費を加速する暫定税率の復活を許さないたたかいです。 世論と国会論戦に追い詰められた福田康夫首相は2009年度から一般財源化すると表明しました。 ところが政府・与党は,期限切れで失効した特例法を復活させる,いわば“道路特定財源復活法”を衆議院の再議決で成立させようとしています。 “復活法”を許さないたたかいには極めて重要な意味があります。復活法は10年間にわたってガソリン税などをもっぱら道路に充てる特定財源化を続け,その間の道路建設の事業量を政府が決めなければならないと定めています。 特定財源化と道路中期計画,暫定税率に根拠を与える本丸の法案です。 来年度から一般財源にすると言明しながら,他方で10年後まで特定財源を続ける法案を数の力で強行するのは根本から矛盾しています。こんな法律は通すべきではありません。 首相は10年で59兆円の「道路中期計画」を「5年」に短縮すると述べました。期間を短くしても,「総額先にありき」で高速道路を際限なくつくり続ける仕組みに変わりはありません。 従来の長期計画は「5ヶ年計画」が普通だったのであり,野放図な10年計画を元の5年計画に戻すだけです。 何より,閣議決定した政府の文書自身が,事業総額を前提にした公共事業計画は「硬直的」で,経済・財政の変化にも対応できないと批判しています(2002年版「構造改革と経済財政の中期展望」)。 首相は4月3日付のメールマガジンで道路特定財源の方針を説明し,娯楽用品への支出など「無駄遣いの根絶」を約束しています。国民の血税である特定財源でマッサージチェアやカラオケセットを買うなど論外ですが,大もとの特定財源と中期計画そのものこそ巨大な無駄遣いです。 一般財源にするというなら,道路特定財源と暫定税率の復活は中止し,道路中期計画は撤回する以外にありません。
2008年04月05日
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自民党・公明党の連立与党は4月2日の衆議院外務委員会で,在日米軍への「思いやり予算」に関する新たな日米特別協定を賛成多数で可決しました。 この日には,タクシー運転手刺殺事件でアメリカ兵が事情聴取されました。 2月には沖縄でアメリカ兵が女子中学生暴行事件もおこしています。凶暴な事件を繰り返すアメリカ兵の駐留を30年間も支えてきた「思いやり予算」には,際限なく税金を注ぎ込む福田・自公政権の姿は,あまりにも異常です。 1978年度から始まった「思いやり予算」は,アメリカ側の負担拡大要求に日本政府が唯々諾々と応えてきた歴史でした。 在日米軍の特権を定めた日米地位協定も,米軍維持に関する「すべての経費」について「合衆国が負担する」としています。「思いやり予算」は,この規定にさえ反するものですが,政府は「地位協定で負担可能」と強弁して強行しました。 その後もアメリカ側の要求に応え,拡大を続けたため,政府の立場でも地位協定上の説明がつかなくなり,締結したのが,期間限定の特別協定でした。(1987年) このとき政府は「暫定的,一時的,限定的な,特例的な措置」と弁明しましたが,結局,特別協定は5回も延長。1978年度で62億円だった「思いやり予算」は,毎年2,000億円以上の規模にまで膨れ上がりました。 2008年度予算に計上されている2,083億円は,同予算でも強行された社会保障費の自然増からの削減額2,200億円に匹敵します。 審議の中では自民党議員からも「アメリカ軍が駐留する国々のうちで,わが国の負担は世界一」「(増額を求め続けるアメリカ側は)全然『思いやり』だと思っていないんじゃないか」と疑問の声があがりました。 前回の延長(2006年)で「歴史的意義を深く理解する」として賛成した民主党も,国民の批判が広がる中で,今回は反対にまわりました。 それでも政府は,今回の特別協定について「暫定的,限定的,特例的な措置として適当だと判断した」(町村信孝官房長官,3月18日の衆議院本会議)と説明。 アメリカ軍のためなら,20年間続けても「暫定的」という苦しい弁明です。 重大なのは,「思いやり予算」を続ける説明さえつかないのに,在日米軍再編の経費まで負担を拡大しようとしていることです。 沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設計画をはじめとする米軍再編は,アメリカ軍の先制攻撃戦略を支えるために,基地強化とアメリカ軍と自衛隊の一体化をはかるものです。 ローレス・アメリカ国防副次官(当時)は,その日本側負担の総額が3兆円に及ぶことを明言しています(2006年)。ところが,日本政府はいまだに負担総額を明らかにしないまま,すでに1,100億円以上も支出してきました。(2008年度予算分を含む) アメリカに忠誠を示すためなら,国民の命を脅かす米軍基地を支えるためでも,国民への説明がつかなくても,総額を示さなくても構わない。こんな福田・自公政権の姿勢に,国民の批判が強まることは避けられません。
2008年04月04日
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3月31日に,道路特定財源と暫定税率が期限切れとなりました。期限切れになった法律は2つあります。 ひとつは,ガソリン税などに上乗せされている暫定税率を盛り込んだ租税特別措置法,もうひとつは,ガソリン税などの税収を道路建設だけにあてる道路特定財源の根拠となってきた道路整備財源特例法です。 際限なく道路をつくり続ける「自動装置」となってきた道路特定財源はなくなり,一般財源になったのです。それを加速させてきた暫定税率もなくなりました。 これは,国民世論と国会論戦が政治を動かした重要な成果です。 これから,何が大切になってくるでしょうか。 第一は,無駄な道路をつくる「自動装置」である道路特定財源とそれを加速させる暫定税率の復活は許さないことです。 福田首相は,とうとう2009年度から全額一般財源化すると言明しました。しかし,そういいながら,期限の切れた道路整備財源特例法に代わって,ガソリン税などを今後10年間,道路建設にあてる道路整備特別措置法-“道路特定財源復活法”を何が何でも強行しようとしています。 一般財源化を言いながら,10年間にわたって特定財源を続ける法案を押し通そうというのは,根本から矛盾するものであることは誰の目にも明らかです。 こんな法律は通すべきではありません。 もうひとつは,10年間で59兆円の「道路中期計画」という「総額先にありき」で高速道路を際限なくつくりつづける計画を白紙撤回させることです。 「道路中期計画」はひどいものです。バブル期に策定された14,000キロメートルの「高規格幹線道路」,7,000キロメートルの「地域高規格道路」,さらに6本の海峡横断道路まであります。 「生活幹線道路」も,「医師不足から救急医療施設がここ5年間で約10%減少しており,救急医療施設へのアクセスを確保する幹線道路ネットワークの整備は急務」などと書いてある。 しかし,遠くの病院に運ぶ道路をつくるのでなく,近くに病院をつくればいい,これが国民の声ではないでしょうか。 「道路中期計画」とはこういう代物です。にもかかわらず,首相は「10年間」を「5年間」にしたものの「道路中期計画」をあくまでやめないと言い張っています。 これでは無駄な道路建設がつづくことになります。 一般財源化をいうなら,道路特定財源・暫定税率復活は中止し,「道路中期計画」は撤回しなくてはおかしい。福田首相に改めて国民の真意を示す必要があるかもしれません。 今月末の山口で補欠選挙がそのときかも知れません。
2008年04月03日
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ガソリン税などに上乗せされている暫定税率(一リットル当たり約二十五円)が3月31日に期限切れを迎え,4月1日からなくなりました。 税率維持を盛り込んだ租税特別措置法改定案が年度内に成立しなかったためです。これらの税収を道路整備に充てることを定めた道路整備財源特例法も失効し,道路特定財源は法的根拠を失いました。 道路財源関係以外は「つなぎ法案」で適用が延長されます。 暫定税率は,「道路財源の充実」を理由に「暫定措置」として1974年に導入されました。何度も延長が繰り返されましたが,創設以来34年ぶりに期限切れとなり,初めて失効しました。 ガソリン税は,製油所などからの出荷時に課税される「蔵出し税」です。在庫分には暫定税率が適用されているため,すぐに値下げするかどうかは,各店の判断となります。 政府・与党は,暫定税率復活のため,ガソリン税などの暫定税率10年間延長を盛り込んだ租税特別措置法改定案を,衆議院で再可決することを示唆しています。参議院で60日以内に議決しない場合,否決したとみなす憲法の規定を適用して衆議院で2/3以上の多数で再可決するというものです。 しかし,福田康夫首相は,2009年度からとしながらも道路特定財源の全額一般財源化を主張しており,課税根拠を失った暫定税率の復活にはまったく道理がありません。 衆議院での再可決を前提にすれば,これから始まる参議院での法案審議が無意味になるため,野党の強い反発を招くことになります。 年間約6兆円もの予算を道路をつくり続けるためだけに使う仕組みである道路特定財源に関し,福田康夫首相が2009年度からの全額一般財源化を表明したことは「ひとつの転換」だと言えます。 国会での論戦と国民世論が追い込んだものであることは間違いありません。 この道路特定財源の根拠法になっているのが,いま参議院にかかっている道路整備財源特例法改定案です。福田首相が2009年度から一般財源化するというのであれば,この法案は「廃案」にすべきです。 ガソリン税の暫定税率についても,大本にあるのは道路特定財源であり「道路特定財源を一般財源化するのであれば,暫定税率も廃止すべきです。 また,一般財源化すれば,福田首相が期間を10年間から5年間にするとした道路中期計画(素案)の総額59兆円の根拠がなくなるはずです。世論調査でも反対が広がっており,「総額先にありき」という同計画の白紙撤回すべきではないでしょうか。 政府・与党のなかで,参議院送付から60日がたつ4月末以降に歳入・税制関連法案と道路整備財源特例法改定案を衆院で再議決することが取沙汰されていますが,政府・与党が再議決を強行すれば,国民の批判を浴びて窮地に陥るようことは必至です。 最初から「再議決」ありきではなく,政権政党としての論戦を参議院で正々堂々と展開し,再議決ではなく審議を尽くしてくれることを期待します。
2008年04月02日
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地球温暖化防止の初の国際協定である京都議定書の第一約束期間(2008年-2012年)が,日本でも4月1日から始まります。 日本は1990年比で二酸化炭素(CO2)など6種の温室効果ガスの6%削減が義務づけられていますが,2006年度速報値では6.4%増加しています。2013年以降にさらに大幅な削減をめざす上でも,議定書削減目標の達成は待ったなしの「至上命令」(政府関係者)となっています。 第一約束期間は世界的には今年1月1日に始まっており,日本でも代替フロンなどは1月から算入されています。ただ日本ではCO2,メタン,一酸化二窒素(N2O)は,排出量の計算が年度ごとの統計に基づくため,4月からの算入開始が認められています。 8%削減の義務を負う欧州連合(EU)は,環境税や排出量取引などの対策を率先して導入。ドイツで20%削減,イギリスで15%削減するなどの実績を挙げています。 日本は,拘束力のない日本経団連の「自主行動計画」任せで,石炭火力発電が増加するなどし,削減目標達成のめどは立っていません。 3月31日には,2013年以降の新たな温暖化対策の国際協定づくりをめざす国連会合がバンコクで開幕。ここでも日本は「セクター別積み上げ方式」による合意という消極策を提起し,その姿勢が問われています。 拘束力のない日本経団連任せの「自主行動計画」では実現できないことは明白なのに,それに固執する日本の政治の指導力のなさと,企業団体献金を受け取っている政治の弱点ばかりが目立ちます。
2008年04月01日
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