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私:森友学園騒動で「忖度」という言葉が飛び交っているが、小学校の道徳が2018年度から教科書を使うようになり、その内容問題が教科書検定で登場したね。 これを今月の「池上彰の新聞ななめ読み」でとりあげているね。 A氏:道徳が小学校に導入されたのは1958年。 当時、「最近の子どもたちは道徳観念が薄れている」と声高に主張する人たちがいたためだというが、「戦後版教育勅語」になってはいけないという警戒心も強く、教科書を使う「教科」にはしないという条件で始まり、これが「教科外の活動」という位置づけの理由。 ところが、2018年度から「特別の教科」という位置づけに格上げされ、文科省検定教科書を使い、成績評価も実施されることになった。 58年に道徳を学校教育に入れさせた人たちの目標が、ついに達成され、「『教育勅語』にはいいことも書いてある」などという政治家が存在する時代だからと池上氏は皮肉っているね。 A氏:検定結果で池上氏が驚いたのは、小学校1年生の「にちようびのさんぽみち」という教材で登場する「パン屋」が「和菓子屋」に教科書検定で書き換えられていたという朝日新聞の記事だという。 私:俺も驚いたよ。 別の教科書会社だが、同じく小学校1年生の「大すき、わたしたちの町」という教材では「アスレチックの遊具で遊ぶ公園」を「和楽器を売る店」に差し替えたという。 A氏:なぜ「パン屋」ではいけないのかというと、朝日の記事によると文科省の説明では、「『パン屋』がダメというわけではなく、教科書全体で指導要領にある『我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着をもつ』という点が足りないため」という。 文科省の指摘を受け、教科書会社は「和菓子屋」に書き換え、検定を通り、「アスレチック」も同様の指摘を受け、教科書会社が「和楽器を売る店」に改めた。 私:ただ、文科省が「和菓子屋」や「和楽器店」に書き換えさせたのではなく、教科書会社の方で「忖度」したということらしい。 A氏:「忖度」の登場だね。 私:文科省は細かい点を指摘し、その後の修正は教科書会社に任せ、その結果、教科書会社は文科省の顔色をうかがって「忖度」し、「和菓子屋」や「和楽器店」を持ち出す、という構造になっていると池上氏は指摘する。 小学校の道徳で教えなければならない項目は、学習指導要領で学年により19~22項目あり、その中には「個性の伸長」という項目もあるが、教科書会社に「忖度」させて、内容をコントロールさせるというやり方には、個性の出番はないと池上氏は鋭く指摘する。 A氏:この問題で池上氏は、3月29日付東京新聞朝刊の「本音のコラム」での文芸評論家の斎藤美奈子氏の記事を引用しているね。 斎藤氏は次のように鋭く喝破している。 「日本のパンの元祖は、幕末の伊豆韮山の代官で兵学者でもあった江川太郎左衛門が兵糧として焼いたパンだったこと。明治初期に木村屋が開発したあんパンは発酵に饅頭用の酒種を使ったこと。一方、和菓子は遣唐使が持ち帰った中国の菓子にルーツを持つこと。和菓子の発展を促した茶の湯も、栄西が大陸から持ち帰った茶からはじまること。つまりどちらも郷土というより国際交流のたまもので、両者の間に差などない」 私:池上氏は「郷土のことをよく知らないのは文科省なのかも」と皮肉っている。 それにしても、森友学園騒動で、幼稚園で明治の「教育勅語」を幼稚園児に暗唱させていたのが、問題になったが、これを「『教育勅語』」にはいいことも書いてある」と言った大臣がいたようだが、それは「『教育勅語』の歴史に無知なこと」を示しているね。
2017.03.31
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私:「エンゲル係数」とは、消費支出のうち食費が占める割合を示すもので、「生活にゆとりのないばあい、他の生活費は減らせても、食料費だけは減らすことが難しいので、一般的には、エンゲル係数が大きくなる」というものだった。 ところが、総務相の家計調査によると、2016年(2人以上世帯)は25・8%と前年から0・8ポイント上昇し、29年ぶりの高水準になった。 A氏:高齢化や共働き世帯が増える中、家計の「食」の中身は、かつてと様変わりしているようだね。 中でも総菜など「調理食品」が消費支出に占める割合は16年に3・4%と、30年前(1・8%)の倍近くに増加。 外食や、ペットボトルで買うことも増えた飲料などが伸びているのも特徴だ。 A氏:経済成長とともに下降の一途をたどってきた「エンゲル係数」は、05年を境に上昇傾向に転換。 原因は食品価格の上昇で、円安で輸入食品の価格が上がっているのに加え、中国など世界的な食料需要の高まりなどが背景にあるという。 そこに、「調理食品」や外食の増加などライフスタイルの変化や、将来に備えた節約志向などで消費支出そのものが減った影響が加わったとみられる。 私:岐阜大の大藪千穂教授は「かつてと違い、高齢化や為替変動、食文化の変化など様々な要因が全部混ざって『エンゲル係数』が上がっており、『上昇したから貧困』と直結はできなくなっている」と指摘し、一方で、「特に低所得者層にとっては今でも生活の大変さを表す指標の一つとして重要な意味を持ち、中身を分析して影響を考えていく必要がある」と話しているという。 一部、格差の拡大による低所得層の「エンゲル係数」の上昇もあるのかね。 あるいは、家庭の空洞化か。 俺の身の回りでは、コンビニで容易に「調理食品」が買えるなど、食生活の変化が感じられるね。
2017.03.30
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私:朝日新聞は、この春、「ともに考え、ともにつくる」という理念のもと、消費者や専門家のみなさん、企業、行政機関とともに知恵を出し合い、あるべき姿をさぐる「朝日新聞DIALOG(ダイアログ)」を立ち上げた。 初回のDIALOG(対話)に選んだのは「スマート農業」で、3月14日午後、東京都の有楽町朝日ホールで開かれた。 A氏:「スマート農業」というのは、先端技術を活用し、省力化や大規模生産、品質の向上などを目指す新たな農業をいい、ロボットやAI、装置をインターネットで結ぶIoTなどの技術を、農作業や出荷の管理などに活用。 草刈りを自動でするロボットや、積み込み作業を補助するアシストスーツなどで、農水省は新規就農者の確保につなげたい考え。 私:このフォーラムでは、「グローバルGAP」という言葉が登場するね。 農産物が安全であることを示す国際認証規格で、ドイツの民間団体がとりまとめたもので、生産工程で農薬が適正に使われているか、異物の混入防止策が取られているかや、労働者の待遇など200項目以上をチェックし、現在約120カ国・地域で約16万件が認証されているという。 農産品を国際市場に売るには、これを認証していること有利だ。 A氏:3者対談のメンバーは、小泉進次郎・自民党農林部会長、佐藤康博・経団連農業活性化委員会共同委員長(みずほFC社長)、大西茂志・全国農業共同組合中央会常務理事の3人。 私:小泉氏は日本の農業者のうち65歳以上の割合は63・5%で、英、仏、米など世界と比べると、日本の高齢化は突出しており、どうやったら負担なく新たな技術を活用して仕事を効率化できるか。 そこで出てきたのが「スマート農業」だとまず、発言しているね。 A氏:高齢化と後継者不足で農家人口は200万人を切ったね。 今はあまっているコメも20年~30年後には自給できなくなるかもしれない。 コメ以外の現場も人手不足が続く中、食糧の安定供給のための「スマート農業」は不可避の課題だね。 私:小泉進次郎・自民党農林部会長の今後の活躍を期待したいね。
2017.03.29
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私;福岡教授は日本の「生活習慣病胎児期発症起源説研究」の第一人者で、産婦人科医でもあるという。 教授は、20年ほど前から、以前に比べて小さく生まれる赤ちゃんが多いと感じ始め、予定日近くに生まれた赤ちゃんが2500グラム未満だったケースにも出会い、その後の成長はどうなるのかと考え始めたという。 子育て中や子育てを終えた女性にいろいろ話を聞き、出生体重が子育てや健康に影響していることに気づいたという。 A氏:教授は、30年ほど前、英国のデビッド・バーカーが、「出生体重が小さいと心筋梗塞リスクが高くなる」という説を疫学研究に基づいて示したのを知り、危惧していたことが正しく、重要であると確信したという。 私:教授によると、出生時の平均体重は、戦後の経済成長とともに増加し、1980年がピークで、男子3230グラム、女子3160グラム。 しかし、その後は減少の一途で、2010年には男子2980グラム、女子2910グラムと、ともに3千グラムを切った。 注目すべきは、「低出生体重児」と呼ばれる、2500グラム未満で生まれる赤ちゃんの割合が1975年以降、増加していることで、75年の5・1%から、90年6・3%、00年8・6%と推移し、13年は9・6%。 先進国の中で日本は最も高く、特異だという。 A氏:ふつうは母親の体格が大きければ赤ちゃんは大きく生まれる。 学校給食の普及などで戦後、女性の体格はよくなり、30代の女性の平均の身長・体重は148・7センチ、49・11キロだった1947年から一貫して増え、2013年には158・3センチ、53・7キロになったが、「低出生体重児」の割合が増えている。 私:受精してから2週間は、遺伝子の働きを調整するメカニズムが激しく変化する重要な時期なのに、若い女性に広くあるやせ願望があり、やせた方々は受精した時点で、必ずしも栄養状態がよくないという背景があり、必要以上にやせることは、人間にとって最大のストレスといえるという。 妊娠期間を通しての栄養も不十分と考えられ、妊娠中もエネルギー摂取量は増えず、妊娠していないときとほとんど同じなのが日本の妊婦の特徴で、出産後すぐ元の体形に戻りたいという意識が強いのではないかという。 A氏:低体重の赤ちゃんが生まれる要因としては、高齢出産や妊婦の喫煙もあり、最近は格差が広がり、栄養を考える余裕がないのではと感じることもあるという。 私:さらに、大きな問題点は、小さく生まれると将来、糖尿病や高血圧などになるリスクが高くなると想定され、これは、「生活習慣病胎児期発症起源説」と呼ばれるものだという。 日本でも、小さく生まれると大人になって2型糖尿病になりやすいという結果が出てきていて、低体重で生まれた女性は、妊娠糖尿病になりやすいという結果も出ているという。 A氏;遺伝子の働きを調節するメカニズムを「エピジェネティクス」と言い、妊娠中と新生児期早期に望ましくない栄養状態によって生じた一部の「エピジェネティック変化」が、病気になりやすい体質を作ると考えられるという。 例えば遺伝子が原因で発症する糖尿病は30%程度で、残りは必ずしも遺伝子では説明できず、「エピジェネティック変化」が原因とみられるという。 私:母体が低栄養状態だと、胎児に大きな変化が起こり、その一部は一生続け、これが病気になりやすい体質を作ると考えられ、しかも、変化は3世代にわたって続くと言われ、若い女性の栄養は特に重要。 A氏:そのような体質が作られないようにするには、妊娠前・妊娠中に必要十分な栄養をとること。 社会全体で栄養の重要性を知り、対応すれば次世代の病気のリスクは小さくなり、次に、小さく生まれても育て方や望ましい生活習慣を考えて対応することをすれば、病気の発症リスクは下がり、健康に一生を過ごすことができると教授はいう。 私:教授は、世界産婦人科機構からアジア地域の栄養問題担当者に指名されているが、諸外国からは日本の将来を危ぶむ声があがっていて、現在、「低出生体重児」は年間10%弱生まれているという。 10年で約100万人で、このまま続くと、生活習慣病にかかる医療費の増大を招くことになるかもしれないし、妊婦の栄養と「低出生体重児」の問題は、対応次第では、日本の国が生き残るかどうかというほどの影響があると考えると教授は指摘する。 無茶なダイエットは国を滅ぼすことになるかもしれないね。
2017.03.28
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私:海洋進出を強める中国を念頭に置いた防衛力強化の一環として、日本最西端与那国島に陸上自衛隊駐屯地が開設され、28日で1年たつ。 A氏:この話題は、このブログで、石垣島について「緊迫の国境、変わる石垣島 持ち込まれる『愛国』」の中で少しふれ、与那国島については、「英国総選挙 政党の役割問い直そう」4日朝日新聞社説と沖縄の民意で詳しくふれているね。 あれから、1年以上立ったが、尖閣諸島をめぐる中国との緊張はますます、たかまっているね。 私:島が自衛隊誘致に動いたきっかけは財政への危機感で、終戦直後の島は人口1万2千人が、昨年2月には人口1500人を割っていた。 島を二分した議論の末、一昨年の住民投票で誘致賛成が上回り、昨年3月以降、約160人の隊員とその家族あわせて約250人が転入し、人口は1715人(今年2月末)に増加。 住民税と駐屯地の地代の計約5800万円が町の新たな収入になった。 今月23日、町立与那国小学校で卒業式があり、児童数は50人前後だったが、この1年で自衛隊員の子供たち13人が編入され、全児童数が2割以上増えた計算になる。 A氏:隊員たちは積極的に島に溶け込もうとしている。 駐屯地には警備部隊と、東シナ海の中国軍などの動向を山上からにらむ高性能アンテナ5基などを運用する部隊が常駐し、航空機や艦船からの監視と違い、24時間定点観測できる 私:対中国を念頭に進む「南西シフト」。 今月19日の防衛大学校卒業式で、安倍首相は「南西方面では外国軍機による領空接近も増加している」と言及し、稲田防衛相も3日の記者会見で「南西諸島などをめぐる状況を考えると、自衛隊の施設を置いていくことは重要だ」と述べた。 A氏:防衛省・自衛隊は与那国島への陸自配備を皮切りに、宮古島市と石垣市にも警備部隊とミサイル部隊の配備を計画し、昨年、両市に正式に要請した。 新年度予算案では、宮古島市への陸自配備に向けて土地取得費や整備費など、約310億円を計上している。 政府は2013年の新防衛大綱で「南西地域の防衛態勢の強化、防衛力整備を優先する」と明記し、500~800人規模の部隊を鹿児島・奄美大島、沖縄・宮古島、石垣島に配置し、離島を侵略された場合、戦闘機や護衛艦の支援を受けて上陸する「水陸機動団」も来年3月に長崎県佐世保市に新設される。 私:尖閣諸島がある石垣市では「中国公船が領海侵犯を繰り返し、危機感がある」と語ってきた中山義隆市長が昨年末、配備手続きの開始を表明し、宮古島でも、受け入れを表明した下地敏彦市長が今年1月に再選された。 一方、翁長知事は、まだ辺野古の基地建設に反対を続ける。 「英国総選挙 政党の役割問い直そう」4日朝日新聞社説と沖縄の民意でふれたように、依然として基地建設をめぐって、「2つの沖縄」が存在するね。
2017.03.27
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私:直近、6年足らずの間に日本の自動車部品メーカーの関係者64人が米国各地の刑務所に収監されており、社数にすると累計39社で、デンソーや矢崎総業などいずれも有名な自動車部品メーカーだ。 これは主要メディアの扱いは乏しく、俺も、この記事で初めて知ったね。 A氏:何の罪なのかね。 私:米国司法省が有罪とした罪状は「反トラスト法」違反だという。 しかも、米国内で談合など自由競争の原則に違反する行為を行ったわけではない。 日本国内で行った行為が米国の「反トラスト法」に抵触したという域外適用。 A氏:なんで日本国内の行為が米国で問われることになるのかね。 私:日本の自動車部品メーカーは組立てメーカーの絶え間ないコストダウン要求があるのは常識だね。 自動車部品メーカーはその要求に対応して競争力をつけてきたね。 実際、日本の公正取引委員会が組立てメーカーと部品メーカーとの取引で審査に乗り出したこともあるが、結果的には「悪質性はなかった」という結論で各社はセーフになった。 A氏:そう言えば、50年以上前に、「下請代金支払遅延等防止法」というのが作られたね。 しかし、日本国内でセーフなのに、なんで米国で問題になるのかね。 私:米国の「反トラスト法」は厳しいが、理屈は「日本国内の話合いで価格を抑えた部品を組み込んだ低価格の日本製自動車が米国で売られるのは公正な競争に反する」という決めつけだという。 そして、日本企業が次々と起訴されるのは、米国特有の「リニエンシー」という制度が関係しているという。 「リニエンシー」制度は、司法省に「反トラスト法」違反事実を認めた企業には刑事責任を免れる恩典を与える一方で、カルテルへの関与をすべて告白し、司法省の捜査に協力を求められるという制度だ。 A氏:一種の司法取引だね。 私:日本企業は、社員を劣悪な刑務所に送りたくないから、「リニエンシー」制度にすがりつくから、部品メーカーは「芋づる式」に摘発されるというわけだ。 さらに特徴的なことは「1年プラス1日」という刑期だという。 これは個人の場合、刑期が1年超える場合は、模範囚だと刑期が短縮されるルールがあるためという。 これらの活動は、すでにオバマ政権下で起きている。 A氏:自動車部品メーカーへの狙い撃ちの背後には「フォードを筆頭とする米自動車産業」があり、トランプ政権でその政策はもっと強化されるだろうね。 私:「選択」では、自社のために身を粉にして働く社員が、米国ファーストの生贄となり、恐怖の米国刑務所へぶちこまれ、これが日米関係の現実の姿であるとしている。
2017.03.26
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私:世界最大の英語辞典、オックスフォード辞典が昨年の「時代を最もよく表す言葉」として選んだ言葉が、「ポスト真実」だね。 「客観的事実より、感情的な訴えかけの方が世論形成に大きく影響する状況を意味する」という。 事実をゆがめ、巧みなプロパガンダで台頭した全体主義の時代と重ねて警鐘を鳴らす声もあるという。 これが問題になったのはトランプ氏の登場からで、「漏れた情報は完全に本物だ。でも(報じた)そのニュースは『うそ』。なぜなら偽ニュースだらけだから」と、ロシア側と接触していたことなどを米メディアに暴露されると、トランプ氏は記者会見でそう言い放った。 A氏:ソーシャルメディアの発達などで現実世界での公的な場と居酒屋的な場所の区別があいまいになり、感情を刺激する技術に人間が追いつけておらず、コミュニケーション環境の劇的な変化がその区別を破壊しているのが特徴だという。 私:「ポスト真実」が昨年のその年を代表する言葉に選ばれ、米国で改めてベストセラーになったのが、英作家ジョージ・オーウェルの『一九八四年』で、1949年に出版されたこの小説は日本でも再び売り上げを伸ばしているという。 この小説は、個人の自由が奪われた全体主義国家を描き、徹底的な監視、都合の悪い事実を消して権力者側の意向で「真実」が決められていく様を描いた描写が、トランプ政権誕生後の米国社会など「ポスト真実」時代の社会と似ている、と注目されたという。 A氏:だが、政治理論専門の山崎望・駒沢大准教授は、「『ポスト真実』の時代とは、『うそ』がはびこるというより、『私の真実』に居直る時代」だという。 オーウェルが描いたのは、旧ソ連のような国家が上から真実を押しつける全体主義社会だが、今はむしろ、それぞれの人が下から「自分の真実」を勝手に主張し始めていると教授はいう。 教授は、全体主義とは異質な危険をはらむとみて、「ポスト真実」時代に人気を博す政治家は、自分こそが「本当の民衆」の代弁者だと主張し、だから私が言うことが「真実」と語る。 「ポスト真実」の時代は、逆説的だが、「本当の真実」の存在は疑わない、「私の真実」の時代だという。 教授は「本来は政治の場で語られる意見の違いは、妥協なしに白黒つける話ではなく、対話を通じて折り合っていくもので、自分と相手との違いを、相手の『間違い』にすり替えて多様な現実を切り捨て、自分の立場に居直るから、社会の分断が深まってしまう」という。 私:ドイツ思想に詳しい三島憲一・大阪大名誉教授は、「私の真実」に居直ることの危険性はほかにもあり、政治を可能にする人間の根本的な思考が破壊されてしまう可能性を指摘する。 三島教授は、「『うそ』は政治の世界でも珍しくはないが、ばれたら非難されるのが前提。それが失われ、『正しさ』について他人と共有することを放棄してしまうのが、『うそ』に覆われた世界だ」と指摘。 A氏:日本のネット右翼を見てもわかるように、そんな社会では他者との論争は不可能になり、自分と立場が異なる人と、公共の議論を通じて、社会を営むことができなくなるの ではないかと三島教授はいう。 私:連日の報道で、我々が、「ポスト真実」な現代に慣れてきているとしたら、かなり危ういと記者は書いているが、この記事が出た翌日のマスコミ報道での国会で証人喚問された森友学園理事長の籠池氏が語った「私の真実」と安倍首相の「私の真実」とがもろにぶつかり、どうやら、そのまま、終わりそうだね。 まさに日本政治も「ポスト真実」時代だね。
2017.03.25
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私:英紙ガーディアン電子版は、23日、「安倍晋三夫妻、ウルトラ・ナショナリスト(国粋主義)学校に寄付の疑い」と報じた。 米CNNも、日の丸を背景に籠池氏と安倍夫妻、稲田防衛相を組み合わせた写真を使い、「名誉校長」「防衛相との関わり」などの項目を立てて詳報。 A氏:籠池氏の国会証人喚問後の日本外国特派員協会による記者会見は、用意された約200席は国内外の約70社の記者ですぐ満席になり、約1時間半、質問の手が挙がり続けたという。 私:質問が相次いだのは学園の教育についてで、イタリアのニュース専門局「SkyTG24」の極東特派員ピオ・デミリア氏は、籠池氏の教育方針について尋ね、籠池氏が「我が国は愛国心が他国より低い。愛国心教育は必要だ」と答えたのに対し、デミリア氏は会見後、「日本の国粋主義はかつて悪いことをした。森友のような教育システムが行われるのはちょっと心配だ」と語った。 A氏:香港フェニックステレビの東京支局長は、学園が運営する幼稚園の運動会で園児らが「中国、韓国が心改め、歴史でうそを教えないようお願いいたします」と宣誓したことを質問し、会見後、同局長は「人種差別的、ヘイト的な発言が適切なのかどうか、関心を持っている」と話した。 私:一方、ニューヨーク・タイムズ紙の記者は、国有地の8億円の減額に安倍首相が関わったと思うか、籠池氏の認識を繰り返し質問。 英タイムズ紙の記者は、籠池氏の「神風が吹いた」という発言の真意を尋ねた。 A氏:インターネットや米国のテレビ局向けに日本の情報を英語で発信している新月通信社のマイケル・ペン社長は「外国メディアにとって最大で唯一の関心は、これまで、外国メディアはほとんど注目していなかった、安倍首相が生き残るかどうかで、首相の退陣につながるとすると重要な国際ニュースになり、それだけ国会での証人喚問は劇的だった」という。 私:そのようにならないように与党のあらゆる政治力が結集するだろうね。 しかし、たしかに、国会証人喚問のときの籠池節は堂々としていたね。
2017.03.24
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私:学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、学園理事長の籠池氏に対する証人喚問が今日、23日、参院予算委員会であり、俺はテレビに見入ったね。 籠池氏は、議員の質問に対し、テキパキ答えていた。 多くの疑惑があったが、俺の最大の関心事は「首相の妻昭恵夫人の100万円献金問題」が事実かどうか、だけだね。 A氏:これは、籠池氏は「鮮明に記憶」していると、生々しく答弁していたね。 2015年9月の夫人の講演会の後、理事長室で、昭恵夫人から100万円を受け取ったとされる時の状況については、昭恵夫人の方から封筒をかばんの中から出した。 これに金子(きんす)が入っていて、籠池氏が、「いいんでしょうか」と言ったところ「安倍晋三からです」とおっしゃっていただいたと答弁したね。 私:このとき、昭恵夫人は、お付の官庁出向の女性を室外に出るように言い、理事長室が昭恵氏と籠池氏の二人きりになったところで、100万円の封筒をかばんの中から出して渡したという。 第3者の目撃者はいないし、寄付金は内緒ということで、受領書も、記録もない。 さらに別に講演料10万円はあらかじめ用意していたので、菓子袋に「感謝」と表記したものを籠池氏は夫人に渡したという。 A氏:これを第3者的に立証するには、そのお付の官庁出向の女性が、「お人払い」で、一時的に室外に出るように言われたかどうかだね。 去年のことだから、記憶にあればだがね。 私:もう一つは、寄付金をもらって、籠池氏が妻に渡し、妻が事務所で「首相からの献金があった」と事務所で言ったら、そこにいた事務員たちが喝采したという。 その事務員たちに聞いてみることかね。 さて、どうなるか。 首相の首がかかっているからね。
2017.03.23
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私:著者は、社会学者、東大名誉教授で、人間の解放や幸福を希求する感性と透徹した論理性が共存する独特の著作で多くのファンを持つという。 この本は、元々は1973年に雑誌「展望」に掲載されて、少数の若い読者の強い共感だけがあるという状態が続いていたが、表題作として単行本になったのは35年後の2008年で、それを機に初めて広く読まれるようになったという。A氏:図書館の要旨を検索すると、「あの事件」を手がかりに、都市の非条理と社会の実存構造を浮き彫りにした名論考、待望の復活とあり、内容は、日本中を震撼させた「殺人事件」を手がかりに、日本社会の階級構造と、それを支える個人の生の実存的意味を浮き彫りにした名論考を復刊とあり、また、最近の事件を考える上でも示唆に富む現代社会論必携の1冊とある。私:「あの事件」、「殺人事件」とは1969年、市民4人を射殺した連続射殺犯として19歳の少年永山則夫が逮捕される事件だね。 見田氏が衝撃を受けたのは71年、彼の手記『無知の涙』を読んだときだという。 永山則夫は地方で極貧の子供時代を送り、中卒で上京。手記の表紙には、漢字練習帳の写真が載せられていて、逮捕されたあとに字を覚えようとして何度も何度も字を書きつけたものだという。A氏:永山則夫については、2013年の君のブログ、「永山則夫・封印された鑑定記録」堀川恵子著で、9日間連続に記録しているね。私:俺は、この永山則夫の19歳に至るまでの人生記録の詳細を読んだ時、唖然となったね。 見山氏は、切れば血の出る社会学、〈人生の社会学〉を作りたいと願い、永山則夫という1人の人生に光を当て、その人が生きている社会の構造の中で徹底的に分析する、その最初のサンプルを提示するつもりで書いたという。A氏:永山則夫にとって都市は、若者の「安価な労働力」としての面には関心を寄せても、その人が自由への意思や誇りを持って生きようとする人間だという面には関心を寄せない場所であり、また社会には、出身や所属によってその人を差別し排除する構造もあった。「思う通りに理解されない」ことに永山則夫は苦しみ、他者のまなざしに沿って自らを変形させていく。私:永山則夫の獄中手記「無知の涙」にある彼が見た夢みたいな話を見田氏は紹介している。「鯨の背の上で大海を漂流している『ぼく』は、飢えて鯨に『君を食べていいかい』と聞く。鯨は『仕方無いよ』と答え、『ぼく』は鯨をほんの少しだけ、また少しだけと毎日食べていく。3分の1食べたところでひどいことだと気付いて謝るが、鯨はもう死んでいた。そのとき『ぼく』は、鯨は自分自身の精神であったということに気付く」という話。A氏:見田氏は、そこから、現代の社会構造問題に切り込むね。私:電通の24歳の女性社員が過労自殺した事件が昨年、注目されたとき、見田氏は、永山則夫のこの鯨の話を思い出したという。 電通の事件自体はもちろん、伝えられる通り、極端な長時間労働で心身が消耗した結果なのだろうが、見田氏が思ったのは、その背後には数え切れないくらいの「精神の過労自殺」があるのではないか、ということだという。A氏:現代の情報産業、知的産業、営業部門などで働く若い人たちが、やむをえない必要に追われる中で「仕方無いよ」とつぶやきながら、自分の初心や夢や志をちょっとずつちょっとずつすり減らし、食いつぶしている。 そしていつか、自分が何のために生きているのか分からなくなってしまっているというわけか。私:見田氏は「近代の知のシステムは『文学』とか『社会学』とかいう様々な分類、壁を作って専門分化してきたが、こういう壁は音を立てて崩れるときが来ると思っています。そのあとに現れる『人間学』のようなもの。その一環としてこの仕事が読まれる時代が来るといいな、と思っています」という。 2013年の9日間連続のブログ、「永山則夫・封印された鑑定記録」堀川恵子著を読み返しながら、見山氏の「まなざしの地獄」を読む気になった。 図書館に予約したら、待ち無しですぐに借りられそうだ。
2017.03.22
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【送料無料】2016年・イスムこだわりのリニューアル阿修羅像!!イSム 阿修羅像 TanaCOCORO【 掌 】 あしゅら・仏像フィギュア / インテリア〈イスム〉 私:俺は奈良に行くことがあると、ついでに必ず、興福寺の阿修羅像を鑑賞に直行する。 小さな像だが、キリッとしまった顔の表情がいいね。 A氏:その阿修羅像をめぐって、シンポジウム「阿修羅像を未来へ―文化財保護のこれからを考える―」が、2月25日、朝日新聞社主催、朝日新聞文化財団共催で開かれた。 現状維持が基本の仏像修理の是非をめぐり、宗教者や美術史家らが意見を交わし、約530人が聴き入ったという。 仏像は礼拝の対象であることを強調し、明治時代に修理される前の右腕の先の方が欠けた阿修羅像の写真を示し、「今、この状態で寺から見つかれば合掌する姿は永遠に見られなかった」と述べ、現状維持を続ければ修理技術が向上しない可能性も指摘する意見もあった。 私:これに対し、修理スタッフによって感性や技量は違うので、現状維持という枠を取っ払うのは慎重にした方がいいという意見も出た。 今の研究で分かっているのはごく一部しかないため、確実な範囲で直し、未来に新しいことが分かったらその情報に基づいて直すという、その繰り返しが、文化財保存の方向性だという中間的な考えも出た。 A氏:議論は修理の人材育成の問題にも及び、今日のテーマから言えば、仏像の保護だけでなく、仏像が出来上がってきた技術や感性を今によみがえらせ、未来へ伝えることも大事なのではという意見も出て、会場から大きな拍手がわいたという。 私:この新聞記事では、2009年に九州国立博物館(福岡県太宰府市)で阿修羅像のX線CTスキャン撮影が行われ、その画像が示されている。 その後、研究チームが画像の解析を進め、仏像内部の状況や修理の詳細が明らかになってきた。 奈良時代以降、何度も火災などに見舞われ、6本ある腕のうち数本が損なわれていたが、1902~05(明治35~38)年に修理され、最も正面に近い左右2本の腕のうち、ひじから先が失われた右腕が補われた。 両腕が体の正面よりも左寄りの位置で合掌する姿勢となり、美術史家を中心に本来は合掌の姿勢ではなく、法具か宝物を持っていた可能性が指摘されてきたという。 A氏:また、明治時代の修理で両腕わきの下に木屎漆(こくそうるし)(木粉と漆のペースト)を詰めたため、両腕とも外側に開き気味となり、中心軸からずれてしまった可能性を指摘され、復元実験の結果も踏まえ、「本来は体の正面で合掌していたことが確かめられた」と訴え、「非合掌説」を明確に否定した学者もいた。 私:一方、ある学者は、阿修羅像の向かって左の顔が原型に布を貼っていた段階では笑っていたと指摘したが、仕上がった段階では泣き出す寸前のような表情に変わったことなど制作過程を再現するなかで明らかになったことを披露したという。 あのキリッとした表情が、原型は笑っていたというのには驚いたね。 しかし、このキリッとした独特の表情は、維持してもらいたいね。
2017.03.21
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私:オランダで15日、総選挙(議会定数150)が行われ、マルク・ルッテ首相率いる自由民主国民党(VVD)が最多の33議席を獲得し、3期続投が決まった。 ルッテ首相は「今日は民主主義を祝う日だった」と勝利宣言し、オランダは「誤った形のポピュリズムに『ちょっと待って!』と言った」のだと強調。 この書評でとりあげた「ポピュリズムとは何か」の著者水島氏は、専門はそのオランダ政治史だが、本書では、専門のオランダを含む欧州全体ばかりか、南北アメリカや日本のポピュリズムまでもが広く対象としているという。 A氏:書評によると、著者は専門の研究によりつつ、民主主義とポピュリズムの複雑な関係を丁寧に分析しているという。 私:ポピュリズムは人民主権や多数決制を擁護する点では民主主義の発展を促すように見えながら、代表制で選ばれる既成政党を批判し、カリスマ的なリーダーを待望する点で民主主義の発展を阻害する面も併せ持っている。 本書は日本の例として橋下徹に言及しているが、評者はむしろ大正デモクラシーの中から出てきた昭和の超国家主義を思い出したという。 A氏;同時期にドイツでも、ワイマール憲法が定めた民主主義の中からナチズムが台頭してくる。 私:評者はこうした全体主義とポピュリズムの関係についても、著者の見方を知りたいと思ったという。 韓国などはどうなのかね。 図書館の要旨では、「イギリスのEU離脱、反イスラムなど排外主義の広がり、トランプ米大統領誕生…世界で猛威を振るうポピュリズム。 『大衆迎合主義』とも訳され、民主主義の脅威と見られがちだが、ラテンアメリカではエリート支配から人民を解放する原動力となり、ヨーロッパでは既成政党に改革を促す効果も指摘され、一方的に断罪すれば済むものではない。 西欧から南北アメリカ、日本まで席巻する現状を分析し、その本質に迫る」とある。 評者のいうように、ナチスと日本の超国家主義の分析はないようだ。 図書館に予約しようとしたが予約殺到であきらめた。
2017.03.20
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私:福島第1原発事故の集団訴訟で、前橋地裁が、東電と国のいずれについても責任を認めた判決を出したね。 A氏:判決は津波の到来について、東電は「実際に予見していた」と判断し、非常用ディーゼル発電機の高台設置などをしていれば「事故は発生しなかった」と指摘。 国についても「予見可能だった」とし、規制権限を行使して東電にこれらの措置を講じさせていれば「事故を防ぐことは可能であった」とし、原告の主張をほぼ認める判決となったね。 私:原告側は、政府が2002年7月に発表した「長期評価」で、福島第一原発沖を含む日本海溝での地震の発生確率が「30年以内に20%程度」とされていた点を重視。 東電が08年5月、福島第一原発に15・7メートルの津波が来るとの試算を得ていたことなども指摘し、「津波は予見でき、防潮堤建設などで事故は防げた」と主張していた。 「想定内」だったことになり、これが認められたね。 A氏:福島第1原発1号機は、米国の原発メーカーGE社製の沸騰水型マーク1で、設計・製造から試運転まで全てGEが行い、東京電力は試運転が終わり、「マニュアル通りに運転せよ」と、キーを渡されただけだったという。 私:福島第1原発1号機が動き出したのは1971年だが、俺は、当時、日立市のほうに用事で行った時、常磐線のグリーン車に乗ったことがあるが、席のほとんどは、アメリカ人だった。 聞いたら、GE社の人で、福島第1原発メンテナンスに来たのだという。 当時はまだ、メンテナンスもGE社頼りだったんだね。 東北新幹線が開通したのが1982年だから、まだ常磐線を使っていたんだろう。 私:この事故で問題になった非常用電源喪失は、非常用ディーゼル発電機が地下にあったことで津波に弱かったことだが、これは、GEの設計では、米国のハリケーンや竜巻防止の対策だったのであり、日本の自然の特殊性の配慮がなかったようだ。 このブログの「原発を直視する勇気を」でふれたが、「ベイジン」上巻、真山仁著、「ベイジン」下巻の著者の真山仁氏は 福島原発の事故が起きる前の2007年から多くの専門家に取材し、小説のアイデアとして、冷却プロセスで、全交流電源喪失(ステーションブラックアウト・SBO)し、メルトダウンを起こすというものを考えた。 A氏:まさに、福島第一原発の予告だね。 私:当時、真山氏は多数の専門家から「日本ではSBO なんて絶対に起こり得ない!」と声を大にして反論されたという。 そこで氏は、SBOの舞台を中国の原発で起きたという「ベイジン」上巻、真山仁著、「ベイジン」下巻の小説にしたのだという。 真山氏にとっては「想定内」の事故だったんだね。 同様に、今度の前橋地裁の判決はすべて事故は「想定内」であったことを指摘していることになるね。
2017.03.19
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私:天皇陛下が昨夏、退位の意向を示唆する「お気持ち」を表明して以降、政治は大きく動いていて、与野党は特例法制定でまとまり、政府は今国会に法案を出すというところまできたね。 この問題は、このブログでも以下のようにとりあげていたね。 「退位問題に思う 天皇制と民主主義の矛盾」、「天皇と『公務』」小熊英二氏:「生前退位、明確な基準必要」木村草太氏、「退位のルール」元最高裁判事、東北大学名誉教授・藤田宙靖氏のインタビュー:高橋源一郎氏寄稿・「皇居で考える」、 A氏:「皇室典範」に天皇退位の条項を入れることについては違憲でないことは共通しているようだね。 私:問題は、この原武史氏のように、退位の意向を示唆する「お気持ち」を表明してから、急に政府が動きだし、国政を動かしているのは、いまの憲法下で、天皇は国政に関与できないはずなのに、関与したことになるという見方が強いね。 A氏:本来は天皇を規定するはずの法が、天皇の意思で作られたり変わったりしたら、法の上に天皇が立つことになってしまい、天皇の意思が現実政治に影響を及ぼしたことになるということで憲法違反になってしまうね。 私:憲法は天皇の地位を「国民の総意に基づく」と定めているのだから、あらかじめ国民の中に「天皇の年齢を考えると、そろそろ退位してもらい、皇太子が即位した方がいい」という意見が広がり、その国民の「総意」に基づいて、天皇が退位するという過程をたどるべきだという。 A氏:しかし、原氏は、それが現実には難しかったということもわかるとして、国民の中に、天皇に対する『おそれおおい』という感情は今も根強くあり、さらに、各地の被災地やかつての激戦地を訪れる天皇の姿に、尊敬の念が増していることもあるとう。 原氏は、政府が天皇の内意をくみとり、自発的に動いていればよかったと思うといい、少なくとも、天皇の意思がこんなに露骨に政治を動かすという事態は避けられたという。 周囲や政府の責任は大きいと指摘している。 私:摂政案もあったが、天皇本人が強く反対したという報道もあった。 大正天皇の時に、皇太子だった後の昭和天皇が摂政になったが、この結果、大正天皇はいわば押し込められ、しかも宮中は天皇側と摂政側に大きく割れてしまい、今の天皇はそれを知っていて、摂政案を拒否したといわれている。 A氏:「お気持ち」には、敗戦翌年の1946年元日の昭和天皇による「人間宣言」と「相互の信頼と敬愛」が重なるなど共通点があり、引き継いでいると、リベラルといわれる人からも高い評価があったという。 A氏:しかし、原氏は、昭和天皇の「人間宣言」は、たしかに詔書で「現御神(アキツミカミ)」であることは否定したが、「昭和天皇実録」の当時の記述を読むと、昭和天皇は「神の裔でないとすることには反対である」という意見だったとあり、つまり天皇本人は天照大神の子孫であることを否定しておらず、万世一系イデオロギーを継承しているという。 私:原氏は、それより、45年8月15日の昭和天皇による終戦詔書の朗読、いわゆる「玉音放送」との比較にこそ意味があるという。 本土決戦覚悟が、いったんあの放送が流れるや、圧倒的多数の臣民がそれを受け入れ、だからこそ、速やかに戦争を終えることができたと指摘する。 A氏:昨年7月にNHKの「お気持ち」の第一報が流れるまでは、もし国民の誰かが「陛下ももうお年なのだから、そろそろ皇位を皇太子にお譲りになって引退されたら」などと言おうものなら、それこそ「身のほどをわきまえない無礼者」とのそしりを受けた可能性は大いにあっただろうと原氏はいう。 私:ところが、いったん天皇からその意思が示されるや、圧倒的多数の国民が受け入れ、これが天皇と国民との関係で、この点で、45年8月と現在は変わっていないと原氏は指摘する。 この点、「退位問題に思う 天皇制と民主主義の矛盾」で、佐伯教授がいうように、日本の天皇は、あくまで世俗的な征服王朝から始まった英国流の君主とも違い、おそらく世界(先進国)には例を見ないものであろうとし、天皇を抱く日本の歴史的な「国のかたち」と戦後の民主主義や西洋流の立憲主義の間に齟齬が生じるのは当然で、この齟齬を全面的に解決する方策はないが、天皇の退位問題を通してわれわれが見るべきものは、こうした困難な事情ではなかろうかという指摘はあたっているように思うね。
2017.03.18
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私:テレビでアフリカなどで、飢餓が深刻化して寄付金募集のPRなどをしているが、トランプ米政権が国務省関連の予算削減の「大半が対外援助」に集中する」という。 国連が「国連創設以来、最大の人道危機」と警鐘を鳴らす中、主要な援助国米国の方針転換に戸惑いの声が上がっているという。 A氏:トランプ米政権は15日、議会に提案する2018会計年度(17年10月~18年9月)予算案の概要を明らかにしたが、外交を担う国務省の予算を現行から28%(101億ドル・1兆400億円)削減し、環境保護局(EPA)も大幅カットの対象となる。 トランプ大統領が掲げる「力による平和」の実現に向けて、国防費や国境警備費は拡充する。 「アメリカ・ファースト(米国第一主義)予算」と呼んだ選挙戦などでのトランプ氏の主張を反映させた予算案という。 私:開発途上国などの支援に充てられてきた対外援助などを削減する。 削減される101億ドル・1兆400億円)の大半は、対外援助だといい、南スーダンやイエメンなど2千万人以上が飢餓状態にあるとされるのに、援助削減で悪化が懸念されるという。 A氏:トランプ大統領はこれらの削減分で国防強化をめざす。 国防費は法定上限額から540億ドル(約6兆1千億円)増で、不法移民の取り締まりを担う国土安全保障省の予算は現行から6%増になり、メキシコ国境沿いの壁建設には今年、15億ドル(約1700億円)が充てられる。 私:大統領は選挙で「海外の人々に使う資金を減らし、国内の人々により多く使う」と繰り返してきており、それを予算で実行しようとしているのだという。 A氏:しかし、テロ対策には、世界的視野で紛争予防や開発援助などによって、テロの根本原因に対処する必要があるのではないかね。 私:米国では予算案を提出する権限は議会が持っているので、対外援助の削減は米国の安全保障を損なうという声が議会から出ており、折衝は難航が予想されるね。
2017.03.17
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私:このところ、国会で、稲田防衛大臣が森友学園にからんで、集中攻撃を受けていて、野党の質問に対して、答弁が迷走しているね。 訴訟への関わりを全否定した答弁を撤回し、選挙公報に記していた弁護士法人代表の肩書も「なったことはない」と否定。 籠池理事長との面会では今も見解が食い違う。 答弁は信用を失い、大臣としての資質が疑われる異常事態だね。 A氏:「記憶にありません」と言い切った答弁して、後から証拠を出され、撤回していることが多いが、弁護士経験があるのだから、ちゃんと、質問に対し、事前に証拠書類などを確認しておくべきではなかったのかね。 どうもレベルの低い答弁をしているね。 私:今日の夕刊では、また、南スーダンのPKOに派遣されている陸上自衛隊部隊の日報をめぐり、問題を指摘されているね。 防衛省が昨年12月、情報公開請求に対し「廃棄した」として不開示の決定を出した問題で、不開示決定後に陸自内に日報のデータが保存されていた。 A氏:日報をめぐってはNHKが15日、1月中旬に陸自司令部の複数のコンピューターに「廃棄」と説明してきた日報が保管されていることがわかり、これまでの説明と矛盾するため、2月に電子データを消去するよう指示が出されたと報じた。 私:稲田大臣は防衛省内の日報管理の経緯を改めて調査する意向を固め、16日にも表明するというが、防衛省、自衛隊の隠蔽体質は、大臣の責任だね。 どうも 防衛省、自衛隊幹部は、心の底で、稲田大臣をなめているような気がするね。
2017.03.16
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私:このブログ「受動喫煙対策、煙る永田町 飲食店規制、愛煙家の議員反発」で取り上げたように日本の「受動喫煙対策」は、WHOから「世界最低レベル」と指摘されていて、オリンピックまでに対策はできるだろうか。 岡本氏は、分煙も禁煙も、不完全なままで、対策が遅れてきた最大の原因は、日本という国の特殊性にあるという。 A氏:ほとんどの国で、たばこ会社はあくまで民間企業で、政府は規制する立場だが、日本は、日露戦争の戦費調達のために国がたばこ専売を始めて以来、国が専売公社(現JT)を持ち、売る側にも回ってきた。 たばこ税収やJTを守る財務省と、健康を守る厚労省で、政策が矛盾していて、たばこ業界から献金や選挙支援を受ける議員も多く、法整備が進みにくい構造だね。 特に対策が遅れているのが、飲食店で、吸いたい客の欲求を優先し、吸わない客に我慢させている店が、いまだに大半。 私:いま、五輪を控えて法規制の強化が検討されていることは歓迎だと岡本氏はいう。 本当は例外なく屋内全面禁煙にすべきだし、いずれは製造販売を禁じるべきだが、現状では、小規模なバーなどをのぞいて飲食店も原則屋内禁煙とする、厚労省の規制強化案を支持するという。 A氏:五輪の後も規制を強めていくことが必要で、豪州などでは子どもが乗るマイカー内の喫煙を罰則つきで禁じているように、プライベートな空間でも、特に赤ちゃんや子どもは社会でルールをつくり、守っていくべきだという。 私:望月氏は、日本の喫煙率は2015年に約18%で、05年から10年間で約6ポイント減ったが、10年以降は下げ止まる傾向を見せているとして、22年度までに12%にする政府目標の達成は、容易ではなく、原因は、分煙の名の下につくられた喫煙室は逆に禁煙の妨げになり、喫煙率は下がらなくなると指摘している。 まずは屋内の全面禁煙を優先すべきで、「たばこ規制枠組み条約」の指針でも、これを唯一の方策としているという。 A氏:たばこの消費量を抑えるのに確実な手段は、増税だという。 日本のたばこは国際的に安く、若者でも買えるので、せめて1箱1千円にすべきだという。 カナダやオーストラリアのように、パッケージに肺がんや脳卒中の写真をつけるのも効果的だが、日本では財務省が「不快感を与える」と反対し実現しないという。 包装は美しくデザインされ、「あなたにとって肺気腫を悪化させる危険性を高める」などとする注意文が下の方に書かれているだけ。 私:自動販売機に代わりたばこの売り上げを伸ばしているコンビニエンスストアでは、レジの目立つ所にたばこが並べられ、まるで宣伝ポスターのようで、たばこは目に見えない所に置き、その存在を「当たり前」にしないことで、英国やオーストラリアでは実現しているという。 A氏:禁煙を決意してもやめられないのは、ニコチン依存が原因。 厚労省研究班は、受動喫煙で年1万5千人が死亡していると推計。 望月氏は、公共の場や職場での例外なき屋内禁煙を実現し、究極的には吸う人を減らし、たばこのない社会を実現するのが、世界保健機関やたばこ対策の進んだ国の考え方で、日本は、はるかに遅れているという。 私:日本の特殊構造を反映して、国会でも「受動喫煙対策」で、賛否が割れている。 オリンピックまでに、果たして国際レベルの「受動喫煙対策」ができるだろうか。
2017.03.15
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私: 学校法人「森友学園」への国有地売却問題に関連して、石破茂氏「水産講演、ユニバーサル社会形成推進法など」(5日)で、考えを述べている。 まず、国有地格安払い下げの件は、何とも言えない奇怪な雰囲気を感じるという。 A氏:また、同学園の幼稚園児の教育については、教育基本法において政治的中立性が定められている幼稚園において、あまりに偏った教育を施すべきではないことは当然で、園児たちに対する教育を映像で見る限り、たいへんな違和感を覚えるという。 私:政府・文科省からも大阪府を通じて是正を指導するなどは考えられないのだろうかと思っているといい、野党に言われるまでもなく、政府・与党としてこの問題の真相を明らかにするのは国民に対する責務だという。 A氏:保守論壇誌では、福田恒存氏らを中心とする静かで深みのある論説が多く載せられていたのが、いつからか声高で強烈な主張を中心とする論説が中心となり、読む楽しみが減ってしまったという。 かつて三島由紀夫は「反共に明け暮れていると段々と相手に似通ってきてしまう」と語っていたそうだが、確かにそのような面があり、「保守」があたかも共産主義風に変質しつつあることには強い違和感を覚えたという。 中国や韓国をただ罵倒することが「保守」なのだとは思わないという。 私:教育勅語を重視する稲葉防衛相やまた、「森友学園」の幼稚園児の教育を高く評価して、講演に行ったり一事名誉学長にまつり上げられた安倍総理夫人とも距離をおいている感じだね。
2017.03.14
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私:帝人は化学繊維をつくる大手素材メーカーで、日本の化学繊維業は1960~80年代が黄金期で世界シェアの約2割を占めたが、中国など新興国が参入して競争が激化。 日本の化繊各社は転換を迫られた。 帝人が選んだのは、ポリエステルの生産で圧倒的な地位を築く「グローバルメジャー」になる道で、北米、欧州、アジアなど世界の消費地で生産能力を増強し、経営資源を集中させ、ポリエステル製品は液晶テレビにも組み込まれ、特化戦略は奏功し、2007年3月期は過去最高の純利益だったが、勢いはそこまでだった。 A氏:08年のリーマン・ショックで化繊の需要が縮み、その裏で、新興国が予想をはるかに超える急成長をとげ、中国は今、化繊の世界生産の7割を占め、帝人は競争力を失い、09年3月期から赤字を繰り返した。 私:そこで、主力の「素材」「ヘルスケア(医療関連)」「IT」の事業の組み合わせで新しい価値を生む模索を始めた。 帝人は03年に持株会社に移行したが、事業の効率性の追求の一方でグループ会社間に壁もできたので、グループが融合しないと新しいビジネスは生まれないとして、グループの融合の素地が整い始め、昨年夏には便通の改善が期待できる健康食品「スーパー大麦」を発表。 A氏:外部の技術も採り入れて組み合わせを強化するため、1月、米ミシガン州に本社を置く自動車部品メーカーを900億円超で買収。 ガラス繊維を使った軽いボンネットなど外板部品が主力で米自動車大手やトヨタ自動車などに納める。 帝人が持つ炭素繊維や加工技術を使って、より軽い部品の開発も見据える 私:素材そのものの価値よりも、素材・技術・人材の組み合わせによって生まれる新しい価値に、ビジネスの軸足を移していく考えだという。 鈴木社長は「これからもずっと素材中心の企業かどうかはわからないが、顧客の課題を解決し、価値をつくりつづければ生きていける」と言う。 帝人は来年、創業100年を迎えるという。
2017.03.13
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私:アメリカでは大統領選の直前に、子供たちによる模擬投票が行われるが、この模擬投票は本番の選挙の結果を高い精度で予言することで知られているが、今回は外れた。 子供の投票と大統領選が一致するのは、子供が親の会話を聞き、その価値観を学習するからだ、と言われているのに、なぜ今回は外れたのか。 それは、トランプの支持者が、子の前でその意思を語らず逆に、クリントン支持を偽装したからだという。 A氏:トランプは露骨に人種を差別し、自己顕示のために平然と嘘をつく等々のこれらの欠陥は、トランプにマイナスには響かず、逆に彼の支持率を上げた。 どうしてか?。 クリントン支持のリベラルは常に正しいことを主張していたが、肝心な「ツボ」を外していると感じられた。 逆にトランプの主張の大半は道徳的に不当なのに、確実に「ツボ」に触れているという印象を与えた。 「ツボ」とは何か。 それは「階級闘争」で、トランプ支持者の中心には、所得が伸びない白人中産階級(の労働者)がいることだ。 私:しかし、マイノリティーや貧困層の支援に重点をおくリベラルな民主党が、労働者からの支持を得られなかったのは、格差への効果的な対策もなしに、ただ貧困層の困難に「理解を示す」という態度がよくなく、上から目線の傲慢さであり、言葉と裏腹に自分たちの階級的な優越性を表現していると見えた。 トランプは逆に、リベラルの道徳的優越性の根拠となる「政治的公正性」を次々と蹂躙することで、リベラル側の欺瞞を突いたことになり、既成勢力の特権に不満をもつ労働者は、そこに自分の味方を見た。 A氏:もちろん、トランプ陣営にも問題があり、労働者階級を応援するために、我ながらいかがわしい(子供の前で口にできない)と感じる、正当性を欠いた主張と対策しかないのだから。 トランプは、階級格差からくる欲求不満を、「外敵」(移民や外国)に転嫁しているだけ。 私:つまり「ツボ」を外した者と「ツボ」をずらして表現している者が対立していて、この対立の究極の原因は、ヨーロッパ的なものの延長線上にリベラルな多文化主義があるのに、大統領選の教訓は、その多文化主義の敗北。 そんなヨーロッパとアメリカの間の亀裂を2002年の『帝国以後』で早くも指摘していたのがE・トッドだね。 A氏:このブログでも下記のように「トッド知的街道」があり、彼は選挙中からトランプの勝利を予言していたね。 「深い分断、きしむ民主主義」、「分断される世界」、「グローバル化『国家復活』導く」、「展望なき世界」、「行きづまるグローバル化」 私:これらのブログでもとりあげていたが、昨年彼は、米国の高等教育を受けていない中年白人の死亡率だけが近年上昇している事実に着眼し、大統領選が、この層をストレスで疲弊させる深刻な格差ゆえの階級闘争の様相を呈していたことをも正確に見抜いていた。 ヨーロッパ/アメリカの差異の歴史的起源に遡り、キリスト教がアメリカに移植されたことで被った変質の最終産物を、われわれは今、目撃していると評者は各種の書を取り上げて結論づけている。 世界は今、大きな転換期を迎えているのを実感するね。
2017.03.12
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私:日本政府は「南スーダンの国造りのプロセスは新たな段階に入りつつある」と説明するが、国造りに不可欠な治安は悪化しているようだ。 キール大統領とマシャル副大統領(当時)が民族の違いを利用して主導権と利権を争っている。 副大統領を解任されたマシャル氏は先月、滞在先南アフリカで朝日新聞の取材に「ジュバは主要な標的だ」と述べ、ジュバでいつ戦闘が起きてもおかしくない。 キール政権の労相や軍幹部らが相次いで辞任し、マシャル氏に忠誠を誓ったり、反政府勢力を立ち上げたりしている。 国内には10以上の反政府勢力が存在し、キール大統領は昨年末から和解に向けた「対話」の準備を進めてきたが、マシャル氏は「和平が実現しなければ、対話もない」として不参加を表明し、事態の改善は見通せない。 A氏:市民は国外へ逃げ出しており、国連難民高等弁務官事務所は、周辺国へ逃れた難民が150万人を超え、シリアやアフガニスタンに次ぐ世界3番目の規模の難民危機になっていると警告。 治安の悪化で農業ができず、食料危機も進行しており、国連世界食糧計画(WFP)は今年、深刻な食料不足の状態が460万人に及ぶ可能性を警告。 私:国連南スーダン派遣団(UNMISS)には16年12月の時点で、中国やインドなど60カ国から約1万3千人の軍事・警察要員らが参加している。 今回、首相が語る撤収の理由に「治安」という言葉はないが、当事者間の停戦合意などPKO参加5原則=キーワード=はなお維持されているとの姿勢で、派遣している施設部隊の道路補修などに「区切りがつく」という理屈を強調。 首相らの説明には、足元の与党からもいぶかる声が上がり、「実際には現地情勢について、PKO参加5原則に適合しないと、自衛隊の最高指揮官である総理が決断したのだろう」と、ある防衛相経験者は語っているという。 5月に撤退というが、それまで、大きな戦闘が起きないであろうか。
2017.03.11
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私:トランプ大統領に嫌われているマスコミのトップを走るNYタイムズだが、そのまたトップを走るのがクルーグマン教授だね。 今月のコラムもトランプ大統領批判で、特に政権内に「ウソ」が蔓延していることを指摘している。 まず、ジェフ・セッションズ米司法長官の「ウソ」だ。 彼は、上院の指名公聴会で、2016年の大統領選の期間中にロシア当局と接触したことを否定していたが、実際には駐米ロシア大使と2度面会しており、しかも、大使は大物スパイでもあると報じられているという。 閣僚ではほかにも、スコット・プルイット環境保護局(EPA)長官、トム・プライス厚生長官、スティーブン・ムニューシン財務長官といった人たちが「ウソ」をついている。 A氏:大統領補佐官だったマイケル・フリン氏もセッションズ氏と同じように駐米ロシア大使との接触について「ウソ」をついたことをメディアに暴かれ辞任しているね。 私:教授は、かつて、米国の政治文化の批評家たちは、政治家が常に情報を操作していることを糾弾したものだったが、それには根拠があり、政治家たちは、やっかいな事実を軽く扱い、自らの行動を実際よりはるかに良く見せることが当たり前になっていたからだ。 だが、情報操作の時代は終わったことが明らかになり、代わって、露骨で恥知らずな「ウソ」の時代になったと教授は指摘する。 A氏:教授は、これまで、どの大統領も、あるいはどんな主要政治家も、トランプ氏ほど自由にかつ、しょっちゅう、「ウソ」をついたことはないが、これは単にトランプ氏の話にとどまらず、少なくともこれまでのところ、彼はうまく逃げ切っているが、これは、数多くの人々の協力があってこそできているという。 共和党選出議員のほぼ全員、多数の有権者、そしてかなりのメディアが加担していると教授は指摘する。 トランプ氏の「ウソ」をつくやり方は、これまで我々が経験してきたすべてと異次元のレベルにあると厳しいね。 私:かつて政治家が真っ赤なうそをつくのは、簡単には調べがつかない、秘密の話やら、闇取引やらに限られていたが、トランプ大統領は違う。 例えば、3年前にモスクワでミスユニバースの大会を開催し、つい昨年には「私はロシアをよく知っている」と明言していながら、先月に「ロシアにはこの10年、電話もかけていない」とすぐ分かる「ウソ」を言う男だという。 A氏:政策に関しても、政治家が「ウソ」の説明をするのは、これまでならば比較的検証しづらい主張に限られていた。 しかし、トランプ氏の「ウソ」はすぐ検証可能で、例えば、殺人発生率がこの45年間で最悪だという「ウソ」は、発生率は2015年に上昇したとはいえ、1990年の半分しかないと簡単に検証できる。 さらに、主張の「ウソ」が証明された後も、とにかく繰り返し言い続けているのが今までにない特徴だという。 私:ここで問われるのは、いったいだれが彼を止めるのか、という点だと教授は言う。 共和党議員が道徳性に欠け、大統領を制止するような行動をとりそうにもないことは、日に日にはっきりしている。 現在の選挙制度の状況では、本選挙が多くの政治家にとってあまり意味を持たなくなっていて、現実的には共和党予備選の有権者が政治を決しているが、やっかいな真実は決して入り込まない、FOXニュースの世界しか知らない人たちだ。 A氏:ジャーナリズムはどうか。 トランプ政権発足後の数週間には、ジャーナリズムの栄光の日々があり、独裁気質の連中が隠し通そうとしている秘密を、記者たちは洗い出してきて、そのプロ意識と勇気は、高く評価しなければならないと教授は評価する。 私:しかし、問題は、その後にトランプ大統領が議会で行った施政方針演説への反応だと教授は言う。 大半のニュースメディアを見ると、絶望を感じるという。 演説内容は、「ウソ」とひどい政策提案だらけで、それがプロンプターに映し出され、落ち着いた口調で読み上げられると、だれもが突然、「『ウソ』つき長官」を「大統領にふさわしい」と断言するようになったという。 教授は、最後に「たったそれだけで、かつてなく欺瞞に満ちた男のみそぎが済み、米国の最高位に就任できるのなら、絶望的だ。そんなことが再び起きないように、願おう」と絶望的な言葉で終わっている。 日本も覚めた目で、米国政治の真の姿を見つめる必要があろう。
2017.03.10
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私:ネット検索大手グーグルが、同社のガイドラインに反する不適切な手法で検索結果の表示順位を引き上げたとして、企業サイトやまとめサイトの順位を強制的に下げるペナルティーを相次いで科していたことが分かり、ペナルティーは、多数の上場企業にも広がっていると報じている。 低品質なまとめやリライト記事を量産していたメディアが順位を下げているという。 A氏:検索順位で1ページ目の1番目と5番目でもアクセス数は天と地の差があり、2ページ目ではユーザーの目にとまらず、サイトの存続に関わるという。 私:IT業界では、今回のグーグルの検索順位を決めるアルゴリズム変更は閉鎖された医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」の問題が引き金になったとみられている。 WELQを運営していたIT大手「DeNA」は、外部筆者に対し、「サプリメントはがんに効く」といった不正確な情報や他のサイト情報を丸写しする手法を指示し、大量のまとめ記事を投稿し、内容が充実したサイトと見せかけてアルゴリズムを欺き、検索上位を確保していた。 「DeNA」は昨年末に謝罪会見を開き、WELQなどのまとめサイトを一斉に閉鎖した。 A氏:グーグルはペナルティーの存在を認めていないが、その対象は幅広い業種に及んでいるという。 朝日新聞が2月に実施した上場100社アンケートでは、23社が最近5年間にペナルティーを受けたと認め、内訳は保険9社、金融5社、IT・サービス4社、運輸2社、自動車販売2社、教育1社で、一方、ペナルティーを「受けていない」は49社、無回答や回答拒否が28社だったという。 私:もう一つの例として、ネットメディア企業「リブセンス」(東京)は2012~14年、運営するアルバイト情報サイト「ジョブセンス」がグーグルから警告を受け、順位は1ページ目の上位から2ページ目以降に下落し、売り上げも一時落ち込むなど業績に響いた例がある。 同社は当初、「被リンク型」と呼ばれる方法で検索上位を確保していたが、この手法は、各自治体サイトの広告枠にジョブセンスのバナー広告を出したり、自社で多数の別サイトを立ち上げたりして、他のサイトとジョブセンスとのリンク数を増やし、利用者からの評価やアクセス数を上げるものだ。 A氏:「検索エンジン最適化」(SEO)の手法を大別すると、自社や顧客のサイトの充実度や価値を上げる「内部対策」と、外部からの評価を高める「外部対策」に大別されるという。 日本で当初主流だったのは「外部対策」で、サイトに対するリンク数を「人気投票」に見立て、リンクが多いサイトほど利用者に支持されていると考えるが、実際は有用ではないサイトでも、リンク数が多いと上位に表示されることもあった。 リンクを水増しするために内容の乏しい外部サイトを大量保有し、大もうけした業者もいたという。 このためグーグルは2011年、他サイトからの転載や内容が乏しいサイトなどの評価を下げるアルゴリズムを導入(日本語適用は12年)し、12年には、関連性が薄かったり、低品質だったりするサイトからのリンクを評価しないよう改善を進めたという。 私:これにより、コンテンツの内容をより重視するグーグルの方針変更に応じ、企業はサイト自体の価値を上げる「内部対策」に重点を移したという。 利用者にとってはいいことだね。
2017.03.09
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私:君は「糖質制限食」をしているが、この欄の宗田氏のオピニオンは、まさにそのすすめだね。 氏は、現代人は甘い食べ物や飲み物をとりすぎていて、甘さがこれほど容易に手に入る時代は、人類史になく、せいぜいこの60年で、この変化で、食べ物から生命体に必要なエネルギーを得る代謝回路に狂いが生じ、糖尿病など多くの病気の原因になっているという A氏:甘さと一口にいうが、栄養学では炭水化物から食物繊維を除いた糖質で、なかでも、現代の甘さを支えているのは、精米や精製小麦粉、清涼飲料に含まれている糖類といった「精製された糖質」だね。 私:歴史的にみると、人間の代謝回路には、糖を分解するものと、脂肪を分解するものの二つがあり、縄文時代の遺跡から日本人の食事内容を推測した研究では、主食は魚や貝、クルミで、たんぱく質と脂肪が80%、炭水化物が20%。 当然、代謝の主役は脂肪を分解する回路だった。 A氏:ところが、その後、農耕が始まり、炭水化物の摂取が増えたが、人体は数千年ではその変化に対応できず、代謝の主役が逆になり、糖を分解する回路が常にフル稼働。 膵臓から出るインスリンが、血液に溶けた糖の量を調整し、かつては代謝の脇役だった膵臓が長年の長時間労働で疲れ果て、糖尿病を起こすともいえるという。 特に「精製糖質」は、血糖値を短時間で急激に上げ、調整役のインスリンが一気に大量分泌され、これを繰り返す膵臓の疲れは、たまる一方。 私:糖質のやっかいさは、必ずしも強い甘みを伴わないことにもあることで、茶わん1杯のご飯150グラムに含まれる糖質は55グラム、角砂糖なら17個。 角砂糖を一度に17個も食べられないが、ご飯1杯は食べられるという「糖質のワナ」だね。 A氏:糖質は体に欠かせないエネルギー源なので、医師の間でも、とり方や適量には様々な意見があるが、多くの人は甘い物には甘い。 なぜ、人間は糖質から逃れられないのかというと、脳が甘さを感じると、快感をもたらす神経伝達物質のドーパミンを分泌し、この味を覚えると中毒になるから。 メカニズムは、危険な薬物に似ていて、中毒性を持ち、徐々に体をむしばむ糖を「マイルドドラッグ」と呼ぶ医師もいるほど。 私:人体は糖質の多くを、植物由来の食べ物から得るが、植物は美しい花を咲かせて昆虫を集め、受粉を手伝わせて広く繁殖する。 これと同じように、糖質をとりすぎてしまう原因は、脳内で甘さの中毒症状を起こして動物にたくさん食べさせ、繁殖域を広げる植物の戦略に、動物がのせられてしまっているからではないかと、宗田氏はいう。 A氏:宗田氏は、この欄ではふれていないが、「糖質制限食」に反対する医師は、糖は脳の活動に重要だからだというが、実は糖不足になると、人体はケトン体というものを作り補うのだという。 ケトン体のほうが脳にすぐれているという医師もいる。 私:とにかく、君の「糖質制限食」に理論的な説明が追加されたね。
2017.03.08
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浅田 次郎 帰郷【中古】afb 私:この本は、このブログの「14日朝日新聞・日曜書評」よりでとりあげたが、その後、 第43回大佛次郎賞に決まったね。6作の戦争小説を収めた短編集。 6作中、気になった3作についてまとめておく。 1.短編「帰郷」:庄治は松本のある庄屋の長男に生まれた。昭和16年、22才で、春に女学校を出たばかりの糸子と結婚したが、その年の12月8日、太平洋戦争がはじまった。 弟の精二は小児麻痺で体が不自由だったが、頭がよかった。17年に娘が生まれ、翌年、2人目の子供が女房の腹にいるとき「赤紙」がきた。 松本の連隊の補充隊にいたが、昭和19年動員令が出て、満州でなく、マリアナのテニアン島に到着し、松本連隊はここに集結した。 南国のテニアン島は夢のような島だったが、そうこうするうちに、青い海が真っ黒に見えるくらいの敵が押し寄せてきて、松本連隊は玉砕した。日露戦争のさなかに編成され、郷土の誇りだった歩兵50連隊は南洋の孤島で消滅した。 何人か生き延び、結局、庄治は捕虜になり、敗戦後、帰郷の旅につく。 ようやく松本駅に降りたら、駅で待っていた姉の夫の三郎がぴったりと横につき、家に帰るなという。 すでに庄治の戦死公報が家に来たので葬儀も終わり、弟の精二が妻と結婚し、子供もなついているという。その平和を乱してくれるなという。 庄治は、松本駅を後にしてあてもなく焼け野原の東京に向かう。2.短編「鉄の沈黙」 吾市は小舟で、ニューギニアの小さな分隊の陣地にある高射砲の修理を命ぜられ、派遣される。 彼は大阪の軍需工場に勤務していた技術者であった。 分隊にはマラリアにかかった兵士もいたが、薬はきれていた。 高射砲は修理できた頃、敵襲があり、高射砲は使えたが、反撃を覚悟していたら、敵は近くの別の地域の日本軍に攻撃目標を変えたようで、こっちに反撃はなかったが、その近くの日本軍は全滅したらしく、一瞬の静寂が訪れた。 その間、吾市は壕に入り軍隊手帳の余白に書きつけた。「我が砲兵は熟練の職人のごとく、正確に目測し、的確なる操作を行うが、米国の新兵器は計算機にて電気的に照準するという。技術が及ばないのは虚しい。国が貧しいのは宿命だが、科学技術の及ばないのは怠慢だ。米軍の爆撃に続く濠洲軍の砲撃は正確無比。科学技術の敗北、技術者のはしくれとして認めざるを得ない。お父さん、吾市は不勉強でした。とても頑張ったが敵いません。」3.短編「夜の遊園地」 勝男は、遊園地の案内のアルバイトをしていた。幼い時、父親はレイテ島で戦死したという公報がきた。 遊園地の公園内にお化け屋敷がある。担当の女性に「15分位たつが出てこない親子連れがいる」と言われ、さがしにお化け屋敷に入る。すこしいくと、少年が路上にぽつねんと佇んでいた。「ボクどうした」というと、少年は路端の茂みを指差した。作り物の木立ちの根方に父親が、うずくまって正座して、震える手で合掌していた。そこは、戦国時代の合戦場というしつらえで、あたりかまわず累々と死体がころがっていた。勝男は理解した。この父親は南洋の玉砕の島から生還したのだと。弾丸も尽き果て、口にする食糧の一粒とてない地獄から。 、戦争経験者は、次第に減少し、日本では4人に1人くらいになっていて、語り部も減り、平和ボケで、次第に戦争に対する想像力が乏しくなりつつある。最近、国会でも問題になっている「森友学園」の教育がそうで、日本の戦争の反省の影は皆無。戦争の残酷性もついでに教えるべきだ。「帰郷」のように文芸作品で、その想像力を高めるという方法が ある。
2017.03.07
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私:15日投開票のオランダ総選挙が迫っているね。 もともと、オランダは、近隣国との良好な関係は死活問題だから、常に欧州統合(EU)を推進してきた経緯がある。 だが、EU統合に邁進するエリート層と、国民の思いは次第に乖離してきた。 その表れが、EU憲法条約をめぐる05年6月の国民投票で、61・5%が反対し、否決されたことだ。 欧州統合の牽引役だったオランダが、統合深化に「ノー」を突きつけたことに、EUや各国に驚きが広がった。 移民流入への懸念や、EU分担金の負担が重い割に見返りが少ないことへの不満が反対の理由とされる。 A氏:この時、「反EUキャンペーン」を主導したのが、自由党のヘルト・ウィルダース党首(53)ウィルダース氏だった。 徹底した「反イスラム」が特徴で、イスラム教を、「自由」を脅かす存在とみなし、国内のモスク(イスラム教礼拝所)の撤去や聖典コーランの発行禁止を掲げ、一方で、低所得者層や高齢者への福祉の充実を訴える。 私:背景にオランダ経済の悪化があり、リーマン・ショック後、欧州経済の減速のあおりをうけて、経済成長率が急激に落ち込み、財政赤字は拡大し、政府は社会保障の見直しを迫られた。 国民には負担増が重くのしかかり、オランダ統計局のデータでは、08年以降、9割の国民の資産が減り続けていて、不動産を売却したり、貯金を取り崩したりしているとみられる。 生活への不満が、移民や難民の「福祉ただ乗り」批判につながっている。 A氏:この経済状態を背景に、自由党のヘルト・ウィルダース党首は、移民排斥やEU離脱を訴えて、第1党をうかがう勢いだという。 私:ただ、最近の世論調査ではEU離脱反対が多数派だという。 英国のEU離脱決定後の混乱を目の当たりにした国民は、安定を優先しているとみられる。 それでも、既成政党への反発を追い風に、総選挙で自由党が下院の第1党になる可能性は高く、EUに与える衝撃は少なくなく、今後の統合のあり方にも影響を与えることは必至とみられるという。 15日の選挙結果に目が離せないね。
2017.03.06
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私:7世紀、倭国(日本)の国書を携え、中国大陸に向かった遣隋使について、初めて派遣された年や、隋に対する優位感情が国書から読み取れるというとらえ方は変わってきているという。 遣隋使の記録は、「日本書紀」と中国の「隋書」に残り、本居宣長以来戦後の一時期までは、国内史料を特に重視する立場から、「日本書紀」に記述がない600年は顧みられる機会が少なかったが、史料分析が進み「日本書紀」の一部に誇張があることが明らかになり、隋書に残る600年を第1回と考える見方が広がってきたという。 A氏:学校では、遣隋使は「607(群れなす)船」と語呂合わせで覚えたもんだが、第1回の派遣は、600年という見方が現在では優勢なんだね。 私:この7年の差は大きい。 607年に次の遣隋使が派遣されるまでの間に、「冠位十二階」や「憲法十七条」が制定されるなど矢継ぎ早に改革が断行されたからだ。 その原因は、隋書に書いてあり、600年の遣隋使に隋の皇帝側が倭の為政方針を尋ねた時、「夜明け前に政務をし、日が昇るとやめる……」と答えたため皇帝はあきれ、政治のやり方を改めるよう諭したとあることによるという。 A氏:「野蛮な国」扱いされた衝撃が、倭に改革熱を呼び込んだというわけだね。 私:しかし、改革後の倭から派遣された、小野妹子ら607年の遣隋使は、「日出処の天子、書を日没処の天子に致す」の国書を持参した。 受け取った隋の2代皇帝・煬帝が激怒したという記録が残る。 怒りの理由について、かつては「日出処・日没処」に、倭が隋に対して優越か対等の関係にあるというメッセージを込めたためと解釈されることが多かった。 A氏:しかし、そうではなく、今は仏典を分析した奈良大の東野治之教授による「単に東と西を指す表現で使ったに過ぎない」という考え方が広がっているという。 私:中華思想では、「天子」は、天から委ねられた唯一の存在という意味で、皇帝以外に使うのは言語道断というわけだ。 「天子」という言葉について、倭は仏教用語の「仏法により国を治める王」の意味で使ったのではとする説もあり、煬帝は激怒したが、帰国する妹子に若手官僚を同行させた。 「倭と友好関係を築き、朝鮮半島の高句麗などを牽制する意図があったかもしれない」と気賀沢保規・明治大元教授はいう。 A氏:翌608年、再び隋に赴いた妹子は「東の大王(天皇)、敬(つつし)みて西の皇帝に白(もう)す」という国書を携えた。 「形だけかもしれないが、文書からは隋への恭順の姿勢が読み取れる」と東野教授は指摘する。 蛮国扱いの衝撃から8年。倭もしたたかな外交ができる国になっていたというわけだ。 私:派遣前夜6世紀後半の倭では、仏教を国として受け入れるか否かで対立があり、受容派の蘇我馬子らが反対派の物部氏らを暴力で一掃した。 当時の仏教は、中国皇帝が保護と世界的な普及を担う一方で、中国中心の国際秩序をつくる戦略にも使われ、それを受け入れたのだとみられ、それが遣隋使派遣の背景にある。 A氏:もう一つの背景が、朝鮮半島情勢で、半島にある高句麗、新羅、百済の3国は早くから仏教を受容し、隋への朝貢も始めていたことだね。 私:倭以外の周辺国は隋を共通のボスと認め、国際秩序ができていた中で倭だけ隋を無視して朝鮮諸国と外交をするのは難しいし、まして紛争など起こしたら、大国の隋に秩序を乱すとにらまれる恐れもあったと考えられるという。 中国との関係で、「国王」が問題になるのは、後の14世紀の明王朝のとき、足利義満は、明に朝貢の使者を派遣するが、明の皇帝からの親書では、朝貢してきたことを褒めてとらすと言う内容で「爾、日本国王源同義(義満)に対し、以後も朝貢を欠かさず『天下をして日本をもって忠義の邦たらしめよ』」とあったということだね。 「お前が日本国王であることを朕も認める」という明の皇帝からの国書で、隣国の皇帝から臣下となる「国王」を任ぜられるとは何ごとかとなり、これで義満は後の「大日本史」や「日本外史」で天皇に対する逆臣とされるね。 A氏:これは、このブログの「足利義満・消された日本国王」でとりあげているね。 私:そのブログでは、「日本書紀」で聖徳太子の言葉として「東の天皇、敬して西の皇帝に申す」と対等のような発言があるが、聖徳太子の頃は「天皇」の用語は生まれていないし、最近では聖徳太子の存在すら疑念が出ているという。 日本史は「天皇の歴史」に修正されている点が多いと指摘されているね。 遣隋使もその観点から、理解すべきだね。
2017.03.05
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私:石原氏の3日の記者会見を俺はテレビ中継で見ていたが、東京都はなぜ、土壌汚染が残る豊洲を、食品を扱う市場用地に選んだのかということで、当時知事だった石原慎太郎氏は折々でどんな判断をしてきたのかという事実の説明を期待したが、「専門家が決めた」「任せていた」「記憶にない」と連発し、事実解明は進まなかったね。 A氏:土壌汚染を認識した当初の石原氏の判断は大きな焦点だが、同じ質問が繰り返されたが、石原氏は「専門家が専門性を駆使して多角的に決めた。私が関与する余地も知見もありません」と、自身の専門外だと何度も強調。 司会者が、「何のために知事がいるのか」と問われると、「知らないものは知らないし、任せるしかない」と堂々と突き放したね。 要するに、説明が肝心のところに来ると、「私は専門家じゃない。知見も、能力もない」「総意として上がってきたものを認可した。議会も是とした。責任はみんなにある」と淡々と繰り返すだけだったね。 私:俺は、石原氏の発言を聞きながら、丸山真男氏が指摘した日本人の戦前から日本の「無責任論」的体質を連想したよ。 太平洋戦争に負けて、「一億総責任」「一億総懺悔」の再現だね。 A氏:石原氏は都知事というトップの仕事を理解していなかったようで、週2日ぐらいしか登庁していなかったという。 私:石原氏は、「専門家」「専門家」というが、自分は都のマネジメントの「専門家」だという自覚が皆無だね。 十数年位前だと思うが、ある大手製造企業で、「現場主義」ということで5つある工場のそれぞれの工場長は、1日何回かの現場巡回が要求されていた。 ところがあるとき、ある工場の工場長が交代になった。 新任の工場長はアメリカの工場に10年ほどいた人だが、彼は現場巡回をあまりしなかった。 彼は、現場は担当に責任と権限をまかせているのでやたらに介入すべきではないというアメリカ式のマネジメントが身についていたんだね。 そのかわり、現場担当から、常に詳しい報告を求めていたね。 工場全体のマネジメントの責任は工場長にあることを明確に自覚していたね。 A氏:「まかせっきり」はマネジメントをしていないことになるんだね。 石原氏は責任には「作為の責任」と「無作為の責任」があるといい、豊洲移転延期は小池知事に「無作為」の責任があるといいたかったらしいが、「まかせっきり」も「無作為の責任」だね。 私:マネジメントの専門家は、技術的な専門家の報告を聞くときは「シロートにも分かりやすく、かつ、ポイントを明らかにして説明してくれ」と要求する。 そうでないと、安易にハンコを押せないからだ。 A氏:その意味で週2日しか登庁しなかった石原氏より、毎日、忙しく登庁している小池都知事のほうがマネジメントを理解していると思うね。 私:マスコミも石原都政では、マネジメント不在だったことを追及すべきだね。 石原氏のマネジメントなしの「無作為の責任」をだね。 記者会見で石原氏から東京ガスとの交渉をめぐるキーマンと名指しされた元都知事本局長の前川燿男練馬区長は3日、同区役所で記者会見し、「とばっちりで、いい加減にしてほしい。私は関係ない」と憤りをあらわにした。 都が東ガスに土壌汚染対策の追加負担を求めないとした23年の協定書についても前川氏は「(締結は)私が辞めた6年後。知りません」と述べた。 また、部下の動きを掌握していない石原氏のマネジメントの盲点が顕になったね。
2017.03.04
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私:日本の防衛費は、三木内閣が平和主義を掲げる国家として、防衛費を青天井にしないという狙いがあり、1976年、国民総生産(GNP)の1%以内に抑える方針を閣議決定したが、その後、中曽根内閣が1%枠撤廃を決め、87~89年度の3年間は1%を突破したが、財政事情を反映し、それ以降は民主党政権の10年度を除き、1%弱で防衛費は推移。 A氏:安倍首相は2日の参院予算委員会で、「国内総生産(GDP)比1%」にとらわれず、防衛費を増やしていく意向を示したという。 トランプ米政権が国防費を1割増やし、同盟国に「応分の費用の負担」(トランプ大統領)を求める中、日本としても1%突破に向け意欲を見せた格好だと報じている。 私:安倍政権はもともと、「中国は27年間で軍事費を40倍増やしている」(首相)などと、中国の国防費増を強く意識しつつ、日本の防衛費の増額を優先課題に据えてきており、2017年度当初予算案の防衛費は過去最大の5兆1251億円。 それでも、対GDP比は0・93%にとどまっている。 A氏:首相は「安倍政権においては、GDPの1%以内に防衛費を抑えるという考え方はない」と明言。 「アジア太平洋地域の安全保障環境等々を勘案しつつ、財政状況もあるなか、効率的にわが国や日本人の命を守るために必要な予算を確保する考えであり、1%という上限があるわけではない」と強調 また、第2次安倍政権発足以来、防衛費を前年度比で毎年0・8%以上伸ばしてきたことに触れ「米国に大変高い評価を得た」と胸を張っているという。 私:首相はトランプ氏から直接、防衛費の増額を要求されてはいないが、米国は「現状に決して慢心してはいけない」(マティス米国防長官)と自衛隊の役割拡大に期待を寄せているという。 A氏:2日の参院予算委員会で、日本維新の会の片山虎之助氏は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の多くが「GDP比2%」の軍事費目標を達成していないことを米国が問題視している点に触れた。 安倍政権は米国の意向をテコに、これまで以上に防衛費の増額に力を入れるとみられるが、日本の防衛費増が東アジア情勢の緊張感をさらに高める恐れもあり、片山氏は「他国の軍拡を誘発しないか」と懸念を示したという。 私:しかし、トランプ米政権の国防費1割増や、東アジア情勢の緊張、北朝鮮の動きに対して、少子高齢化の厳しい財政事情の中で、防衛費の増加はさけられそうもないね。 軍需品の購入は米国よりのものが増加し、トランプ氏が歓迎するかもしれない。
2017.03.03
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私:日銀の政策委員会の佐藤健裕審議委員と木内登英審議委員の両名が、大規模な金融緩和を行う日銀で、政策決定に異論を唱えてきて、最近、相次いで現在の政策を批判したという。 両氏は7月に退任する予定で、異例の政策を続ける日銀内での「歯止め役」が、今後はいなくなりかねないという。 A氏:佐藤氏は、2013年4月の大規模緩和の導入には賛成したが、その後、日銀は「物価上昇率2%」達成に向け、マイナス金利、長期金利操作を繰り出した。 佐藤氏はこれらの追加策には反対し、「政策の持続性を確保すべく、意見してきた」と語り、「2%」達成にこだわって、柔軟な政策運営ができなくなることに懸念を示したという。 日銀が金利を低く抑える中、政府が財政再建の努力を怠ることへの懸念も表明し、「財政への信認が低下して長期金利が上昇する場合、日銀の買い入れでリスクプレミアムを抑えることができるかは不確実だ」と述べたという。 私:佐藤氏は、「前例のない大規模な金融緩和策をソフトランディングさせることが今後非常に重要だ」と述べ、緩和策の先行きへの危機感をにじませたという。 同様に反対姿勢を示してきた木内氏は、最近、米国の金利上昇で日本でも金利が上がっており、日銀の金利抑制策は「最初の大きな試練になっている」「国債市場の機能を著しく損ねて不安定化させる」と指摘したという。 A氏:両氏は、白川前総裁時代の2012年7月に審議委員に就任し、佐藤氏はモルガン・スタンレーMUFG証券、木内氏は野村證券のエコノミスト出身で、当初は「緩和積極派」とされた。 私:13年3月に黒田総裁が就任し、大規模な緩和策の導入には両氏も賛成したが、その後、物価が「2%」に届かない中、追加策を続ける黒田総裁ら執行部と、「この政策は短期決戦型のいわばショック療法」(佐藤氏)と慎重な両氏の違いが目立つようになったという。 これまでの追加策の決定では、両氏以外の反対があり、政策委員9人で賛成5人、反対4人というケースもあったが、委員が交代するごとに反対は減り、最近、反対するのは両氏だけになったという。 A氏:両氏は、7月に5年の任期を終えて退任するが、これで、執行部案に反対票を投じる人がいなくなる可能性があり、現在の執行部は、反対意見を取り込まないようにみえるという。 私:多様な意見がないと議論が活性化しない懸念が増えそうだね。 株価の問題もこのブログ「公的マネー、東証1部の半数980社で大株主に・GPIF・日銀の『2頭のクジラ』株高演出、運用40兆円の巨大投資、ゆがむ株価」でふれたように異常な状態なのにいつ「出口」が見えるのかね。
2017.03.02
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私:25日のブログの「アマゾン宅配急増、ヤマトに集中 『今の荷物量、無理』」でとりあげたヤマト運輸の宅配便問題について、会社側はドライバーの労働環境の改善に向けて、時間帯指定の配達を見直す方針を固め、今春闘の労使交渉で組合側に提案すると報じられているね。 A氏:現在、荷物の受け取りを指定できる時間帯として、午前中▽正午~午後2時▽午後2~4時▽午後4~6時▽午後6~8時▽午後8~9時の6つを用意しているが、配達が特定の時間帯に集中すると、ドライバーの負担は重くなるため、指定が比較的少ない正午~午後2時と、時間帯の幅が短く多忙になりがちな午後8~9時の二つの時間帯の指定をとりやめ、正午~午後4時のように時間帯の幅を広げることを検討しているという。 ドライバーの負担軽減につなげる狙い。 私:俺のところは時間指定となると、在宅の確実な午後8~9時となるね。 アマゾンプライムだから、翌日配達の場合、時間指定はしていないね。 A氏:俺もそうだね。 私:「アマゾン宅配急増、ヤマトに集中 『今の荷物量、無理』」でふれたように、インターネット通販の普及で、宅配便の荷物量は急増し、組合側は今春闘で、荷物の取扱量の抑制を要求しており、より抜本的な対策が求められる可能性もあるという。 しかし、宅配便のサービス低下は人手不足の影響で避けられそうもないね。
2017.03.01
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