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私:この小説は2004年から1年くらいの間、「サンディー毎日」に連載した小説だ。 演劇界をテーマにした小説だね。 500頁という長編だ。A氏:どういう知的興味から読んだの?私:それがよく分からないんだね。 2、3ヶ月前に、何か、書評を見て読んでみたいと思って、図書館に予約申し込みをしたんだが、すでに百人以上の申し込みがあったので待ちとなったんだね。 先週、図書館から俺の番が来たというEメールが来たけれど、時間たっているので、申し込んだ動機を忘れてしまったんだね。 まぁ、最近、硬い本ばかり読んでいたから、息抜きに読み出した。A氏:俺もあまり小説は読まないほうだが、恩田陸氏は現代小説の若手男性作家なんかね。私:俺も知らなかったね。 ウィキペディアによると、今、40才台で、女性作家だね。 「陸」は男名だが、本名は熊谷奈苗(くまがい ななえ)だという。 一昨年、吉川英治新人賞を受賞しているね。A氏:話は別だが、最近の男の子供の名前で一番多いのは、「陸」だというね。私:俺の孫も陸だよ。 とにかく、恩田陸氏のファンもいるようで、有名らしいね。 この小説は舞台演劇界を扱っているせいか、この業界の動きが分かるね。 こういう世界もあるのかと思って面白かったね。A氏:読書は思いがけない世界を知るという面白さがあるね。私:興味あることに、現代小説なのに、この小説にはIT機器が出てこないことだね。 主人公の脚本家も、道具は原稿用紙、鉛筆、消しゴムだね。 せいぜい、携帯電話だね。 会話が多く、生き生きしている。 EメールなどのIT機器を介したコミュニケーションでなく、まさにフエース・ツー・フエースの密度の高い人間関係が描かれているね。 話の展開がうまく一挙に読んでしまったね。A氏:ミステリィーものではないんだろう。私:そうではないが、ややSF的な雰囲気があるね。 とにかく、この本は俺の後、まだ、図書館で数十人の待ちがあるので早く返さないとね。 まぁ、この知的街道は、「八月の路上に捨てる」、「フルタイムライフ」、「泣かない女はいない」、「薬指の標本」の現代若手小説家街道の一つだね。 こないだ芥川賞を受賞した青山七恵氏は、20才台の若い女性らしいね。 受賞作品の「ひとり日和(びより)」のテーマもニート生活らしいから、現代の若者の考えを読んでみたいね。
2007.01.31
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私:著者が1988年に日本の格差社会化を言い出して、論議を起こしたので有名だね。 この本は、その後の反論を受けながら、昨年安部内閣成立直前に出版された。 バランスよく格差問題をまとめた本だね。 いろいろな本を格差街道で読んできたが、日本の格差問題を考えるときの基本的なテキストだね。 新書版だから、簡潔にまとまっている。A氏:俺も君の格差街道に刺激を受けて、読んだよ。 安部総理は、総理になる前から再チャレンジ計画などと言い出していて、格差を否定しなくなったね。 小泉総理はこの格差問題については、「格差はあるし、あって何が悪い」という姿勢だったが、どうやら無視できない実態になってきたようだね。 ワーキングプアの問題も否定できなくなったしね。 これを塩崎官房長官が「新しい貧困」と言って、なんとかごまそうとして、党から反論されているね。 それに参議院の選挙も控えている。私:著者も格差は存在することは認めているね。 しかし、格差層の固定化と貧困層のひどい生活の放置を問題にしているね。 竹中平蔵氏は、経済の効率化のため、格差は避けられないが、敗者には並行してセイフティネットが必要だと言っていたが、肝心のセイフティネットのほうがめちゃくちゃだったね。 階層の固定化は、政治家、医者などに見られるし、教育の格差にも出ているね。 そして、階層の固定化は、本来、目指していたはずの競争の活性化を逆に抑えるという矛盾になる。 そういう日本社会にしたいのかだね。A氏:経済効率を上げるには格差拡大、社会的な不公平は仕方がないというのが市場原理主義の考えだね。私:しかし、経済効率向上と公平な社会とはどちらかを選択するという対立的なものでないと著者は言うね。 これは内橋氏のフィンランドの例と同じだね。A氏:フィンランドは高負担高福祉でありながら、経済競争力は世界トップだという。 教育は公平で大学まで無料だ。 「教育バウチャー」のように市場原理を教育に適用していないのに、学生の学力調査でも日本を抜いて世界トップだね。私:著者は、格差の問題は、結局、どこまで格差を認めるかだという。 二つの見方があり、一つは、上層と下層の差に注目するもの。 この場合、貧困層の存在を容認することになる。 もう一つは上層と下層の存在を認めつつ、貧困者ゼロにするためにどうしたらよいかという考え方。 著者は、貧困層は大きな社会的な問題の原因となるので、後者の考えに立つという。 アメリカの貧困層は「健康格差」があるというね。これは11の格差のうちの「医療格差」に通ずるが、日本のようは健康保険がないから、俺の日記のように「寿命格差」になっているようだね。 アメリカの富裕層の寿命は日本を越えて世界一だ。 貧困層と平均するから、国としては日本が世界一なだけだね。 その日本も健康保険は赤字で危なくなっているね。A氏:この本で面白い話が載っていたよ。 スウェーデンのプロテニス・プレーヤーでボルグという選手がいた。 名選手で巨額の賞金を得た。私:ときどき、審判にかみついていた選手じゃないの?A氏:ところがスウェーデンは税金が高い。 それで彼は、税金の安いモナコに移住した。 ところが、引退後しばらくして再び母国スウェーデンにもどる。私:スウェーデンは税が高いが、社会保障制度は恵まれており、老後の生活に安心感があるからだね。 まぁ、今、政府の動きは日本をアメリカ型の格差社会にしようとしているね。 そのアメリカは、場合によっては、ブッシュ政権の後、格差解消に取り組む民主党の政権になるかもしれないのにね。 そこで最近、出版されたノーベル賞経済学者ジョセフ・E・スティグリッツ著「世界に格差をばら撒いたグローバリズムを正す」にこの知的街道は続く。 氏は、クリントン政権と世界銀行で実際の政策に携わり、さらに世界中を飛び回って見てきた経験を持っているそうだ。
2007.01.30
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私:ニュースで、JALが小さな事故に対して、あくまで原因を追及することに重点を置き、個人責任を追及した懲戒はしない、ということにしたというね。A氏:これはある意味で常識的なことではないの?私:1988年に「死角・巨大事故の現場」という本を柳田邦男氏が出しているが、次のようなことを言っている。 「小事故こそ、有効な情報を引き出すことのできる宝庫なのである。問題はいかにして小事故を報告させるかである。人は誰しも責任を負いたくない。ミスをあげつらわれたくないという気持ちを抱いている。 かって国鉄の職場には『マルにする』という隠語があった。 小事故は現場で修復して知らん顔をしてしまう(マル秘にする)、という意味である。 それを黙認し、あるいは積極的に隠蔽に加担する運転区長や機関区長は、人望が厚くなる。これでは、全職場に生かすべき『危険要因』の情報が、埋葬されてしまい、どこかで同じような事故が再発することになる。(中略) 日本のように、刑罰や処分を優先する国柄では、どうしても『誰がやったのだ』という発想が、司法当局から行政機関、企業、ジャーナリズム、一般の人々に至るまで、あらゆる階層にしみついている。 そういう中で(中略)科学的・合理的な要因分類の視点は、なかなか受容されにくい。(中略) 高度技術社会におけるリスク・マネジメントはこのような発想の転換をベースにしなければ、前進を期待できないというべきであろう。」A氏:1988年と言えば、もう、20年近くなるね。 その頃から、こういう考えはあるのに、どうしてJALのような大企業が勉強していないのかね。 その原因のほうが問題ではないかね。私:そういう点の原因追求も下手だね。 最近、起きた政治家の事務所の金の問題も、大臣を辞めたり、副議長を辞めたりするとうやむやになるのと似ているね。 個人を責め、その個人が「すみません」と謝ると、それで終わりだ。 そして形式的な対策でお茶を濁すから、本当の原因がつぶれない。 再発をくりかえす。 5万円以上は領収書が必要だと決めたら、全部、5万円未満に分割してあった人もいるそうだね。 公共工事の一般入札もある金額以上だけに適用すると、こまぎれにしてほとんど、一般入札にしないのと似ているね。A氏:逆に、正直に事実を言ったら、大臣、副議長を辞職しなくてよいとしたらどうだね。私:これがアメリカでよくある免責という考えだね。 本当のことを言う代わりに、罪を免ずる。 これで真実を明らかにして確実な再発につなげる。そういう考えだね。A氏:教育再生会議で「ゆとり教育」の見直しと言いながら、どうして数年かけた「ゆとり教育」が問題だったのかの事実の把握が明確でないね。 そして、それによる原因追及なしで、いろいろな案が出ているのも、発想は同じだね。私:「再生」という日本語は、死にかかったものが生き返ること、再びこの世に生まれることなどと辞書にあるが、以前にあって死にかかったものとか、再びこの世に生まれさせることとは何なのかね。 どういう教育を復活させるのかスター時に明らかにすべきなのに、それが全くないね。 今の教育に問題があるから、なんとなく賛成しているようで、その問がないね。A氏:そうだね。 例えば「ふるさと再生」と言えば、「昭和の初期」の再生というようにね。 そうしないと具体的な町や村のデザインができないね。私:ところでJALは航空産業だから、以前から事故の専門家がいるはずだよ。 それが、柳田氏が言うような常識的なことをなんで気がつかなかったのかね。 そのほうが、大きな問題だね。 その真相はまた、ヤミのままだね。 日本型は変わらないね。 まぁ、対応が遅かったけれど今後のJALの無事故の健闘を祈る。
2007.01.29
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私:昨日の朝日新聞の生活欄でTV番組の納豆ダイエットのデータ捏造に関係して、視聴者は「健康情報に踊らされぬ目を」という記事があるね。A氏:このTV番組でスーパーなどの棚から納豆が消えたそうだね。私:納豆は古くから健康によいといわれているから、まぁ、実害はないだろうね。 もっとも血栓症の薬をのんでいる人は危険だと言うね。 いつか、TBSでやった健康食品は害があったらしいがね。 それにしても、たとえ納豆がダイエットによいとしても、毎日、食べて何年続くかだね。 ダイエットは三日坊主がネックだからね。 納豆に限らず、ダイエットは、継続しないと、リバウンドになったりして効果がないのではないの?A氏:みのもんたの「おもいっきりテレビ」で健康に良いとしてとりあげた食品は、その日の夕方のスーパーなどでは、あっという間になくなるという。 何年か前に有名だったのは、ココアだね。 この番組で、ココアが健康に良いというと、その日の夕方から、スーパーのココアはなくなり、品切れの期間がかなりあった。 ココアメーカーも大増産だ。 今、売れ行きはどうなんだね。私:俺は、かなり以前、杜仲茶というのを愛用していた。 健康によいというので飲んでいた。 これは当時、日立造船がサイドビジネス的に作っていたものだ。 スティック状のものもあったので、泊まりの出張などにも持参した。 あまり、誰も知らなかったので、容易に手に入った。 ところがあるとき、おもいっきりテレビで杜仲茶をとりあげたら、たちまち、店頭は品切れ。 入手困難になったよ。 味も良くなかったので、それを機にやめてしまったよ。A氏:俺は、通販でコエンザイムQ10というのをサプルメントとしてかなり以前から買っていた。 ビタミンQとも言うそうで、外国では老化防止とか、心臓によいというので、数年位前から愛用していたよ。 原料は何か知らないが、あまり有名でなかったのか、容易に入手していた。 たしか、一昨年、テレビ番組の「あるある大事典」や新聞広告でコエンザイムQ10の効力が大々的に宣伝された。 途端だよ。 サプルメントを置いているドラッグストアから、いっせいに、このコエンザイムQ10がなくなり、この棚のスペースだけは空となったね。 俺が数年来、継続購入していたところも、注文して2、3日で送ってきたのに、それ以来、20日ほど待たないとだめだという。 それを機にやめたよ。 当時、用事で地方に行くと、冷やかしにいろいろドラッグストアを回ったね。 コエンザイムQ10の棚だけ「品切れ」という札が掲示され、空だった。 この現象が日本全国1年近くも続いたみたいだね。私:今は、コエンザイムQ10は棚にずらり並んでいるよ。A氏:その後、どの程度、継続的な愛用者が増えたのかね。 ジャーナリストは、あおるだけでなく、そういうフォローもしてもらいたいね。私:健康機器も似たような現象があるね。数年前に手頃な値段で、体脂肪計が売られていたので、購入した。 これは、立って、両手で体脂肪計の取っ手を持ち、腕を伸ばして測定する装置だ。 最初、測定したら、肥満に近い体脂肪率で、23%くらいあった。 ところが、2、3年後に、スポーツクラブで何百万円くらいするという体脂肪計で、1000円の料金で体脂肪をはかってくれるということで、測ってもらった。 そしたら、なんと測定結果は15%くらいであり、筋肉質という判定だよ。 この体脂肪計は、裸足で台に乗り、両手はハンドルを握る。この方法だと全身の体脂肪が正確に測定できるという。 そうなると、購入した体脂肪計はなんだったのだということになる。 だまされたようなものだ。 有名メーカーの商品だけに、問題だよ。 スポーツクラブのインストラクターに、「どうしてこんなに違うのか。正しい判断ができないではないか。」と質問したら、手だけ握って測定するので、胸の部分だけの測定になり、測定器の限界だと言い訳をしていた。 俺の場合は、悪いほうに間違って出たので、体脂肪を減らさないといけないと思う方にいったが、逆に、体脂肪が多いのに、少ないと測定結果が出て安心した人の場合は、危険だね。 昨年頃から、そのメーカーは新製品で両手と裸足の全身で測る家庭用の体脂肪測定器を売り出しているよ。A氏:やれやれだね。私:まだ、あるんだ。 1年くらい前だが、スポーツクラブの場所を借り、血管をきれいにするという健康機器の無料体験が行われた。 口のうまい40才近い宣伝マンが血管をきれいにする重要性を説明する。 最初から、その器具の売り込みは一切言わない。 俺もためしに体験をしてみた。 継続効果があるということで、スポーツクラブに行く都度、何日か体験した。 中には肩こりが治ったとか、便秘が治ったとかいう人が出てきたと、固有名詞で宣伝マンが言う。 俺もパソコンで疲れた目の疲労回復が早くなったような気がした。 宣伝は、50日くらい続いたが、最後の2週間くらいのとき、価格を言い出した。 それも「皆さんから質問が多いので」ということであった。 通常価格、80万円くらいのものが、今回、特別に割引で60万円くらいにするという。 結局、20台くらい売れたようだ。A氏:十分、ペイしただろうな。私:実は、俺は、二十年位前に、心臓のカテーテル検査を受けたことがあるんだ。 動脈に造影剤を入れ、心臓のまわりの血管内部、特に冠動脈を検査するんだ。 この血管内部にコレステロールなどが付着して、血管が細くなっているかを見る。 俺の場合、幸い、きれいであった。 もし、動脈硬化で細くなっていると、パイパス手術とか風船による血管拡大という心臓の大手術となる。 この健康器具の宣伝のとき、このカテーテル検査を連想したんだ。 というのは、この健康機器の宣伝に手書きだが血管の断面図が描いてあり、血管の壁にコレステロールがついている絵ときれいな血管の絵が並べて描いたあった。 そのコレステロールをこの器具で落とし、排泄し、きれいな血管にするという説明なんだ。 そうなら、動脈硬化で狭くなった人の血管を造影剤で撮影しておき、この健康器具を使用し、血管の壁のコレステロールを落としてすっきりした動脈を、また造影剤で映し、この2つを比較したら、宣伝は、より説得性があったろうね。A氏:使用前、使用後の比較写真だね。私:そういう効果があるなら、バイパス手術など大変な手術をしないですむ。 健康保険費用の大きな節減にもなる。 そうなれば、ノーベル賞並みの大発明ではないか。 しかし、事実はそういうニュースはない。 しかし、そういうことは、営業妨害になりそうなので、言わなかった。A氏:それは誇大広告の公正取引違反ではないの?私:正式な製品案内のパンフレットにはそれは書いてない。 むしろ、正規の医療器の登録番号まである。 だから、売り場での独自の宣伝だけなんだろうね。 まぁ、毒にはならないようだから、金のある人は健康になった気分になっただけの出費かもね。
2007.01.28
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私:「グレート・ギャツビー」の原作は1926年だね。 野崎氏はこの本を最初1957年に訳したとのこと。 その後、1974年に「華麗なギャツビー」で映画化されたりして、フィツジェラルドの作品が日本でも有名になったので、1974年に改訳して出版した。 この野崎訳を図書館で借りて読んだよ。A氏:しかし、君は村上春樹訳の「グレート・ギャツビー」を買ったんだろう?私:その前に、まず、野崎訳を読んでおこうと思ってね。A氏:なんでそんな迂回をするんだい?私:いや、村上氏の「グレート・ギャツビー」へのほれ込みがすごいことと、この作品の訳に対する重要性を強調しているからなんだ。 その知的興味が出てきたせいだね。 村上氏は「これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な本を三冊あげよ」と言われたら、次の三冊だという。フィツジェラルドの「グレート・ギャツビー」ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」チャンドラーの「ロング・グットバイ」 さらに「一冊に絞れ」となると、「グレート・ギャツビー」だという。A氏:日本ではそんなに評価されていないような気がするがね。私:それは、一つには訳のせいだという。 フィツジェラルドの英語は深いという。 だから、訳がよくないと彼の評価が正確でないというわけだ。 もっとも、彼は自分の訳が最高だとはいっていないがね。 しかし、今までの訳では不満のようだね。A氏:そこで君は例の知的興味とか称するのにひかれて、まず、佐藤訳の出だしを比較したね。私:野崎訳の「グレート・ギャツビー」を全部読んだが、この文章は大きく2つの部分に分かれると思うんだね。 ストーリーをハードボイルド的に淡々と表現する部分と、心理的な内的な部分を表現する部分だね。 こないだの佐藤訳の比較のように、出だしの部分は心理的な内的な部分だね。 おそらく、その部分が訳としてはむずかしいんだろうね。 事実、今回、野崎訳を読んでいて分からない部分があり、そこに該当する部分だけ村上訳を読むとスッキリ理解できる。 なるほどと思ったね。A氏:例えば?私:最初のほうから、つっかかっただけど、例えば、次のような野崎訳がある。「そうだ---最後になってみれば、ギャツビーにはなんの問題もなかったのだ。むしろ、ギャツビーを食いものにしていたもの、航跡に浮かぶ汚ない塵芥(ごみ)のようなギャツビーの夢の後についていたものに眼を奪われて、ぼくは、人間の悲しみや喜びが、あるいは実らずに潰え、あるいははかなく息絶える姿に対する関心を阻(はば)まれているのだ。」A氏:センテンスが長すぎるのか、よく意味が分からないねぇ。私:同じ部分の村上訳は次のようだよ。「そう---ギャツビーは最後の最後に、彼が人としてまっすぐであったことを僕に示してくれた。果たされることなく終わった哀しみや、人の短命な至福に対して、僕が一時的にせよこうして心を閉ざすことになったのは、ギャツビーをいいように食い物にしていた連中のせいであり、彼の夢の航路を汚すように浮かんでいた、醜い塵芥(ちりあくた)のせいなのだ。」A氏:なるほど、スラスラ読めるね。私:実は、この小説を読んでみると、この出だしの部分でこの物語のすべての部分を語っているようだね。 それを村上訳はよく伝えているようだね。 ついでに流れるような原文を掲載しておこう。「No- Gatsby turned out all right at the end; it is what preyed on Gatsby, what foul dust floated in the wake of his dreams that temporarily closed out my interest in the abortive sorrows and short-winded elation of men.」
2007.01.27
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私:格差知的街道からその背景にある労働時間に来た。 この本を読むと、こないだの格差の日記であげた11の格差に追加して、「労働時間の格差」があるね。 どんどん、労働時間が長くなる層と、短くなる層に分離しているんだね。 A氏:長くなる人は、正社員か管理職になる前のホワイトカラーか、それともワーキングプアのように細切れに多くの仕事をこなさざるを得ない人かな。 一方で子育てをしながら、細切れの仕事をこなすパートの増加かな。私:俺はアメリカのテレビドラマのCSIをよく見るんだが、こないだあるスーパーの強盗事件で内部の仲間がいることをCSIが突き止めるというのがあった。 それが深夜の女性のレジ係だった。 彼女は犯行の動機として、週40時間を越えると割増賃金となるが、店長がそれを嫌がるため38時間しか働かせないという。 それで5年たっても昇給もない。 子どもの虫歯さえ治す金がないという。 離婚しているらしい。A氏:こういうテレビドラマにも、アメリカの労働事情が出ているね。 この場合は、労働時間の抑制だね。私:ところで、俺たちが若い頃は日本は労働時間が長いということで問題になり、残業の抑制からはじまり、隔週土曜休日、そして毎週5日制と20年くらいのあいだに労働時間の短縮がすすんできたね。A氏:いわゆる「時短」だね。 最初、有給休暇の買取なんかあったが、労働基準法違反でやめになり、そのうちに、会社側が強制的に休暇をとらせるようになったね。私:ところが、その労働時間短縮の世界的な緩やかな流れが、先進国で逆転し、長くなりだしたんだね。 この本ではじめて具体的に知ったよ。 特にアメリカの25才から54才の間の層の労働時間は、減少傾向にあったのが1980年代から急速に逆転し、長くなっている。A氏:今まで、俺たちがあこがれていた先進国の人が、仕事を終わり早く家に帰り、子どもと遊ぶというモデルがなくなってきたんだね。 日本では猛烈社員、企業戦士という言葉があった頃だからね。 日本人は働きすぎと言われた。 ところがアメリカ人が働きすぎとなってきた。 アメリカに何が起きたのかね。私:まず、1970年代にオイルショックがある。 続いて、日本を始め他の国との競争が激化する。 リストラや企業合併が始まる。 戦後のアメリカの労使関係に特徴的であった雇用の安定、余暇時間、企業福祉など、われわれがあこがれていたアメリカの中流の暮らしが捨てられ、日本顔負けの猛烈経営が広がる。 1990年に入ると、パソコン、携帯電話、EメールなどのIT機器の発達で仕事が私生活に侵入し出した。 だから、特にホワイトカラーの労働時間が延び出した。 そして、仲間同士の競争が激しくなり、自宅にまで仕事を持っていくことも発生した。A氏:なるほど、ホワイトカラー・エグゼンプションの原点はここにあったのか。 労働時間の短縮ではなく、延長に対する残業代の節約の必要が生まれたわけだ。私:教育再生会議で「唯金論」の丹羽社長は、「土、日に会社に来て勉強したい社員もいる」が現在は出勤手当てを出さないといけないから、ホワイトカラー・エグゼンプションに賛成だと発言したという。 ホワイトカラーの競争が激しくなったのが背景にあるね。 しかし、経営的にはそのくらいの出勤手当ては自主申告にして出したらどうだね。 丹羽社長自身も「唯金論」だね。 そして、家に早く帰って家庭サービスを目的とすると言う安部総理の意図とまったく違って、ホワイトカラー・エグゼンプション制度は、土日も自己責任で出勤する姿を経営者は描いているね。私:労働時間の延長はイギリスでも同様で、過労死は日本だけでなくなり、オックスフォード英語辞典にものるようになったというね。A氏:ドイツやフランスは先進国では労働時間が短いので有名だったのではないの?私:ドイツも延長傾向だね。 週35時間制だが、ある職種は40時間労働になったという。 背景に経済の停滞があり、企業側に、賃金が低く労働時間の長い東欧や中国、あるいは他の途上国に仕事を持っていくと言われると労働側も妥協せざるを得ない。 フランスは2000年に週35時間制まできたが、見直しの動きがあるという。 すでに弾力的に運用すべきであるという法案が採択されたというが、激しい労使の闘いは今後も続くと予想されるという。A氏:今まで、先進国の20世紀型資本主義は、経営側も労働者側も利益を享受していたのが、21世紀型は、経営者側が利益を享受しても、労働側はますまず、貧乏になるという昨日の日記のようにマルクスのいう資本対労働の対決型になっているね。 だから、働時間が長くなる背景があるね。私:一方で「なんでそんなにあくせく働くのか」という見直しの考えもあるね。 考えてみれば、資本対労働といっても、労働者は資本が提供する商品やサービスの消費者でもある。 資本は消費の要求にそったものを提供する。 あるいは消費者は資本が提供する中から好みのものを消費する。 消費する商品が品質が良くて安く、提供されるサービスが安くて便利で迅速なほど、好まれて売れる。 しかし、それは同時に労働の変則性や長期化を生むのではないかね。 早く家に帰ってゆっくり家庭サービスというわけにいかない。A氏:消費者も考えないといけないのかね。 君の年賀郵便の日記のようにネ。私:宅配便の便利さ、アマゾンで1500円以上の本は送料無料で翌日に欲しい本が入手できる便利さ、コンビニの便利さなどの裏には不規則な労働時間があるね。 それに問題なのは、環境問題だね。 この本ではあまり環境問題にふれていないが、グローバル経済で、資本が利益を追求し、どんどん労働者が世界中で長時間働くということはそれだけエネルギーを24時間使うことを意味するね。 この面からも考えないとね。 この街道はまだ続きそうだね。
2007.01.26
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私:この本は、この前の日記でふれたね。 野口氏の本は初めて読んだね。 経済は俺の専門ではないが、論旨が明快で読みやすいね。 野口氏は、日本経済が回復したのは認めるが、新しいビジネスモデルの展開による経済回復でないという。 本当の回復でないので、悲観論だね。 小泉さんは従来型の産業構造を延命させただけだという。 そして、日本企業の利益率は依然として外国企業と比較すると低いという。A氏:グーグルのような産業構造を変えるような企業は出ていないからね。 ライブドアとグーグルを比較すると分かるね。私:郵政民営化も20年前なら意味があったが今は意味がないという。A氏:郵便貯金も結局、国債の引き受け手になるだけだものね。私:だから、民間銀行と競合しないという。 民間が引き受ける国債を肩代わりしてくれる。 第一、郵便貯金を有効に運用する人材が育っていないという。 むしろ、民営にすべきは破綻状態の年金だという。A氏:格差問題はどうだね。私:あまり論じてはいないね。 しかし、小泉改革の税制で相続税の低減は、格差固定を促進すると批判的だね。 役員報酬も業績連動の役員報酬は法人税で損金扱いとした。 これも労働者の賃金が減っているが、役員報酬が増加している原因かね。A氏:地方の改革はどうかね。私:野口氏は悲観的だね。 地方も中央も地方分権型を本当に望んでいないという。 地方交付金制度は1940年からだというから戦前からの制度だね。 経団連の前身の「統制会」というのも1941年に設立されているという。 戦前を引きずっているね。 経団連会長の御手洗氏はキャノンのトップだが、キャノンのホームページを見ると「キャノンの企業理念は共生」とあるのは集団的だと批判的だね。A氏:少子化についてはどうかね。私:もう子どもを増やしても遅いという。 それは人口依存率が増加するからだという。A氏:人口依存率とは?私:14才以下と65才以上の人口の和を15才から65才の人口で割ったものだね。A氏:要するに、老人を養うとともに、増えた子どもも養うことになるということだ。 働く階層に負担が両方でかかると言うわけだね。私:氏は日本の農業と流通業は生産性が低いので、これを向上することを提唱しているね。 そうすれば、少子化対策になるという。A氏:グローバル経済についてはどうかね。私:過去は企業の業績向上が賃金に波及していくという形を取ったが、1990年代から経済のグローバル化が進み、大きな構造変化が生じ、それは期待できないという。 中国などの旧社会主義経済圏が資本主義経済に参入し、安価で良質な労働力が急激に増加したことだね。 これとの競争となるね。 すなわち、21世紀型のグローバリゼーションの目的は資本の利益のためだね。 20世紀型の場合は、最終品を輸出していたので、利益はそれを作った先進国の労働者に一部分配されたが、21世紀では先進国の国内の労働が減少し、かつ、賃金の低い国と競争させられるので、儲かるのは資本家だけとなり、労働者は世界的な賃金競争に巻き込まれる。A氏:マルクスが言っていた資本と労働の対立図式が世界規模で復活したわけか。 それから、黒字亡国論についてはどうかね。私:これは間違いとしている。 何故なら、日本の黒字の金がアメリカに行っているのは、それが金利を生むからだという。 事実、日本の国際収支で金利などの黒字が貿易黒字より多いという。 「債務国アメリカが債権国日本を搾取している」のは間違いだという。 むしろ、国民の家計の黒字である貯金を長い間、ゼロ金利でつかっていた債務部門の国内企業が債権部門の家計を搾取している。A氏:そのおかげで銀行は莫大な利益を上げるようになったね。私:この本は、その搾取のほうこそ怒るべきとしているね。 本としてはまとまりがなく、バラバラの話題で終わっているのは、「週刊ダイヤモンド」に一年近く連載していたものをまとめたせいかね。 まぁ、日本経済を別の側面から、相対的思考で見るのに役立ったね。
2007.01.25
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私:今週月曜日のテレビ朝日のたけしのTVタックルは用事があったので録画しておいた。 今日、見たよ。 A氏:俺は当日見たね。私:教育再生会議の民間委員であるワタミ社長が出ていたね。 それと「ゆとり教育」を進めた頃の文部科学省の担当であった寺脇氏も出ていたね。 例の通りのワイワイガヤガヤだったが、面白かったね。 ここで俺が知的興味をひいたのは、2つある。 1つは、寺脇氏の「ゆとり教育」を推進したときの考えだね。 もう一つは、ワタミ氏の発言だ。A氏:寺脇氏は、学校にだけ子どもの教育を押しつけるのでなく、親や地域がもっと子どもの教育に関心を持つように週5日制にしたりして「ゆとり教育」を進めたと言っていたね。 その考えの方向は今でも正しいとね。私:それに対して、三宅氏が子どもは詰め込みでもいいから、必要な基礎は教えるべきだといったら、寺脇氏が「では、なんで『ゆとり教育』を計画しているときに、意見を言ってくれなかったのか」と三宅氏らに反論していたね。 精神科医の和田氏は、必要な最低カリキュラムを決めて、それから授業時間、週5日制とすべきだったのが逆であったと批判していたね。A氏:三宅氏やコラムストの勝谷氏は、当時からさかんに反論していたと言ったが、これは「反論してくれたら『ゆとり教育』は企画しなかった」というように聞こえたね。 要するに、企画段階で基本的な欠陥を持っていたわけだ。私:寺脇氏は理想論を言っていたんだが、現実に「ゆとり教育」の失敗は本人も認めているんだね。 問題は、何故、失敗したのかの原因追求がまた甘いね。 なんでこんないいかげんな企画が通ってしまったのかだね。 これが再生会議でも議論されていないようだね。 また、過去は忘れて心機一転かね。 ワタミ社長が今の教育は崩壊したから、再生だというが、何故、崩壊し、誰の責任かを明確にしないかぎり本当の再生はないのではないの? 人を責めるという意味でなく、失敗から学ぶという姿勢がまったくないね。 このとき、勝谷氏がいいことを言っていたね。A氏:どういうこと?私:「ゆとり教育」の趣旨が親や地域社会がもっと教育に関心を持つようにという趣旨なら、同時にそういうシステムを作ってから「ゆとり教育」をすべきで、親や地域社会に子供は放置されてしまったというわけだ。 金はあっても給食費は払わなかったり、子どもは虐待するという親のもとにね。A氏:子どもに悪影響を与えるとそれはその家庭の自己責任かね。 国家の運命を決める教育が、個々の自己責任論で放置される。 だから、ここで親の意識が高く、地域社会が対応できるところの子どもは対応できるがそうでないところは、学力は低下して格差になる。 要するに、「ゆとり教育」は不公平な押付けシステムだったんだね。 それが国家的な問題になってしまった。 日本では掛け算は九九でやるが、インドは二桁どうしの掛け算まで小学生がすらすらできる。 それはインドの親の個々の選択ではないはずだ。 だから、インドの数学力が今、国力になっているね。私:それでもう一つ、知的興味をひいたのはワタミ社長の発言だね。 彼は詰め込み教育がよいか、ゆとり教育がいいかは学校が教育の特色を打ち出せばいいので、それを親が選択すればいいという。A氏:教育の市場化だね。 教育の商品化だね。 また、商品を選ぶ親の自己責任という点は「ゆとり教育」と同じ発想だね。 それに気がついていない。私:市場の公平とは、売るほうも買うほうも同じレベルの知識をもっているということだよ。 問題は買うほうだよ。 買うほうの親に格差があるとき、その市場は公平でないね。 公正取引委員会では反対するだろうね。 ワタミ社長は、教育の市場化に賛成だから、教育バウチャー制で親が学校を選べば、ダメな学校は良くしようと努力する。 あるいは、ダメな学校は淘汰されると考える。A氏:問題はダメな学校に残るしかない子どもはどうするんだね。私:大竹まことがいいことを言っていたよ。 そういう学校の子供は切れる子どもばかりになる。A氏:暴力学校になるかもね。私:たけしが最後にうまいことを言っていたね。 たけしが子ども時代には、できる子どももできない子どもも同じクラスで勉強するから、自然にできる子とできない子が生まれる。 そうすると、自然に子どもはできる子を認めるし、自分の位置を覚る。 それで力の差を納得する。 ところがその場をなくすと、「あいつらなんだ」となるだろうという。A氏:社会不安の問題となるね。 これは君が所得格差問題で扱っているのと、状況が似ているね。 労働力が市場での商品となる。 労働者と経営者が市場で労働力を売買する。 労働者は自分な好きな働き方を選択できるはずだ。 経営者は自分の好きな労働者を選択できる。 だめな労働者や経営者は淘汰される。 それは個人の自己責任だ。 だから、努力せねばならない。 それによって社会的な効率は上がる。 今度は労働力でなく、教育が市場で売買される。私:しかし、実は市場での労働者と経営者は同じ力関係にない。 だから、政府が労働者保護として経営者を規制して公平を保とうとする。 労働基準法と基準監督署の設置だね。 この規制を緩和して、市場を自由化する話は前提からして不公平だね。 教育も商品化し市場化して、親の自己責任で選択できるという考えも似ているね。 教育の失敗も自己責任だね。 しかし、買い手は正しい選択をする力も経済力も公平に持っていない。 しかも、教育の選択に失敗したら親の問題でなく、責任のない子どもの一生に影響与える。 それどころか国家のレベルにまで影響を与える。 国全体としてレベルが低下する。 藤原国彦氏が「国家の堕落」で教育の商品化に反対していることも理解できるね。 ワタミ社長という人はよく知らないが、このテレビでの発言を聞いていてガッカリしたね。 教育再生会議は、教育商品化会議なのかね。 どうしても教育バウチャー制をやりたいのかね。 これもホワイトカラー・エグゼンプション同様、なれない英語が使われているね。 とにかく親や地域の自己責任にするというのは「ゆとり教育」と同じだね。「ゆとり教育」同様、失敗は明らかだね。
2007.01.24
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私:昨年の朝日新聞で、07年の年賀状は郵政公社の合理化で遅配が予想されるとしていたが、そう大きな問題にならなかったようだね。 しかし、こないだ朝日新聞の報道では12月ギリギリに出した賀状は1月になってかなり遅れたらしいね。A氏:俺は同じ市内にいる友人に年賀状を12月31日に出したが、着いたのは1月9日だったね。 郵政公社はトヨタ生産方式で合理化を強化しているというが、そのせいかね。私:今週の週刊現代でもとりあげているね。 今年は合理化でアルバイトを中心に処理したらしいね。 大体、トヨタ生産方式には平準化といって、できるだけ、仕事の波をなくすことを基本にしている。 今日は残業、明日は昼間はヒマというのは効率が低下する。 平準化がいちばんいい。 こういう年末年始に集中する業務には弱いのかもね。 年賀状は1日2億枚の処理能力だということだね。 これを超えるとパンクして遅配となるらしい。A氏:それだけ、コストをかけて郵政公社はペイするのかね。私:利益は出ているのじゃないの?A氏:しかし、年々、年賀状は減っているのではないの?私:そうかもしれないね。 俺の同期会では年賀状廃止を3、4年前に決めたよ。 それ以来、Eメールだね。 最近の年賀状はパソコンでプリントするから、味気はないね。 昔のような手書きの味はない。 形式化、大量生産化してきたね。A氏:2億枚のはがきを無意味に使っているような気がするね。 環境にもよくないし、何かムダな気がするね。私:まあ、年賀状を正確に受け取るという欲望に対して、正月なのに休まないで2億枚の処理に追われている時給のアルバイトの姿を同時に考える必要があるね。 我々の便利さの裏に常に労働の変則化があるね。A氏:コンビニで便利だが、深夜のアルバイトかパート労働が裏にあるね。 そして、24時間、電灯は煌々と点灯している。 環境にもよくないね。 そういう犠牲の上に便利さがあるんだね。私:我々の便利さの欲望は、残業なしで早く家に帰って、子どもと遊ぶという方向と逆のものを、それを供給する労働側に要求しているような気がするね。 環境にもやさしくない方向だと思うね。
2007.01.23
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私:昨日の日記のなまものの消費期限と言えば、面白いことを思い出したよ。 昨年のクリスマスに、近所に住む俺の娘がクリスマスケーキを手作りで作ることになった。 たまたま、食品の宅配をしている大手が、手作りケーキを宣伝していたので生クリームを頼んだ。 ところが到着した生クリームの消費期限が7日間となっていて、クリスマス前に期限切れになるんだ。 おかしいと思って別のその企業の商品案内のパンフレットを見ると9日間とある。A氏:どちらが正しいかにせよ、消費期間が2通りあるのは管理上問題だね。 しかも、消費期限という重要なことだからね。私:娘が問い合わせたら、担当は即答できず、後で折り返し連絡するということになった。 結局、1日たって、言い訳かもしれないが、他にもクレームがあったとのことで、回収して新品と交換となったね。A氏:回答になっていないね。 パンフレットもおそらく回収だろうね。 責任者はどうなるの。私:これはマスコミには載らなかったようだ。 別な話だが、これも食品管理の問題でおかしなことがあったんだ。 ある乳酸飲料を宅配する大手の情報管理についてのケースだ。 俺の細君はこの乳酸飲料が好きで、孫が来ると飲ませる。 孫は甘いので好きらしい。 ところが娘は、虫歯の原因になりやすいのであまりくれないようにと言っていた。A氏:糖分があるからね。私:俺の細君は、それを宅配の女性に言ったらしい。 そしたら、そのおばさんが会社の説明文書をもってきて、子供に害がないという説明をしたらしい。 それを見て、娘がビックリした。A氏:何を?私:俺もその説明文書を見せられたんだが、そこに「有益な何とか菌は含まれているが、虫歯菌は含まれていません」とあるんだよ。A氏:そんなの当然ではないかね。 それを堂々と書くセンスはどこから来たのかね。 それを書くなら、大腸菌からあらゆる有害菌が含まれていないとズラズラ書くべきだし、第一、虫歯菌を注入するとしたら、その方法はどのようにするか想像しているのかね。私:そして、さらに驚いた。 その下のほうを読むと、糖分が口の中で虫歯菌になると書いてあるんだよ。A氏:結局、虫歯菌に関係するんじゃないの。私:これも別な話だが、食品管理に関することだよ。 もう、数年前のことだ。 娘は鶏卵アレルギーがある。 ある有名なファーストフッドでアップルパイを買おうと思ったら、以前、明記されていた鶏卵を使用している有無の記載がない。 管理が変わったらしい。 そこで不安になり、店の女の子に聞いたら、店長に聞いてくれと言う。 店長が出てきたが、アップルパイの納入業者は2社あり、1社は鶏卵が入っているが、もう1社は含まれていないと言う。A氏:なんだね、その返事は-ーー。 ひどいね。 本当に店長なんかね。私:店長は後で本社に確認して返事するから電話番号を教えてくれと言う。 娘はバカらしくなって、結構ですと言って買わずに帰ったという。 娘は、家に帰ってインターネットでその会社のホームページを見たら、アレルギーの説明が詳しく載っていてアップルパイには鶏卵は使っていないとあったという。A氏:店長はでまかせのウソを言ったわけだ。私:その後、すこしたって、鶏卵は含まれていないという店での表示がまた復活したという。A氏:店長は本社を見ていて、顧客を見ていないんだね。 だから、顧客の常識が非常識となるんだね。私:第一線が弱くなったね。 不二家だけではないみたいだね。 格差のせいかね。
2007.01.22
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私:昨日だと思うがBSデジタルだと思うが、「無印良品」の会社の社長インタビューをやっているのを見たよ。 今、景気は回復したというが、消費の伸びがよくない。 その中で健闘しているのが「無印良品」だというのでテレビで放映していた。 興味があったのは、残業は確か夜7時までで、7時になるとオフィスの電灯は消える。 その真っ暗なオフィスのシーンを放映していたね。 その理由を社長は皆元気がなさそうな顔色をしていたので、元気を出すように強制的に残業を制限したという。A氏:残業問題は経営者の考え方が大きく影響するね。私:俺も工場にいたときは、よく水曜日は定時の日だとして、残業をなくしていたことがあったね。 それから、今日はよくテレビを見たが、まず、TBSの朝6時からの時事放談を見た。 カーティスさんと前宮城県知事の浅野さんが出ていたね。 興味があった発言は、浅野さんは正社員と非正社員が同じような労働で、給与が違うのは格差でなく不公正だと言っていたね。A氏:不公平が結果的に格差になっているのではないの?私:そうだね。 それからテレビ朝日のサンディープロジェクトは出だしに田原総一郎氏がフジテレビの「あるある大事典」の納豆がダイエットに効果があるのはインチキだったという番組捏造をとりあげていたね。 このとき、不二家の例にもふれていたね。A氏:サンディープロジェクトは俺も見た。 レギュラーコメンティターの財部氏が「不二家に対するマスコミのバッシングは異常だ。十年前の問題までとりあげ、まるで雪印の二の舞で会社がつぶれるのを面白がって期待するような報道だ」というようなコメントを言っていたね。私:俺もそう思うね。 食中毒は10年くらい前のことらしいね。 ところで、このサンディープロジェクトでは田原氏が与野党からの出席者の討議で、盛んに格差問題をとりあげ、先送りになったホワイトカラー・エゼンプション制度に対する政府の動きを批判していたね。A氏:日本人は働きすぎだから、この法案で残業を減らして、家に早く帰り、家庭生活を楽しむべきだと言う安部総理の発言が見当違いであることはますます明らかだね。 労働形態の多様化して、働く人の選択肢を増やしたいというが、世界的な労働市場の格差の圧力で労働者の選択肢として使われるよりも、経営者の人件費の抑制に都合よく使われるが落ちだろうね。私:今、2005年に刊行された岩波新書の「働きすぎの時代」を読み出したんだが、実は、アメリカでは1980年代から日本はじめ他の国々との競争の激化に直面し、乗っ取りや大型合併が続く。 そして、猛烈経営がひろがってきた。 1990年代になるとパソコン、携帯電話、Eメールが仕事を楽にするよりむしろストレスを増大させ、私生活への仕事の進入をもたらした。 俺たちも新幹線ができてから大阪出張は日帰りになって、かえって労働強化になったね。A氏:そういえば、数年前から外国に行く人は、よく言うね。 欧米のビジネスマンが飛行機を待つ間に携帯電話をよくしていたり、飛行機内でパソコンをやっていたり、書類を広げたりしているという。 「日本人は働きすぎだ」というのは昔話だという。私:そうなんだね。 日本の風土病のように言われている働きすぎがアメリカでは1990年代からひどくなっている。 この頃、「働きすぎのアメリカ人」という本や、「窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人」(原題は「ホワイトカラー・スウェットショップ:搾取工場」)という本が出ているね。 先進国では、1980年代初めを境に、それまでの緩やかながら着実な時短の流れが止まり、再び働きすぎにへと向う流れが強まってきた。 新市場原理主義のせいかね。A氏:この討議で田原氏がこの1時間ほど前のNHKの9時からの放映を見たらしく、それについてふれていたね。私:俺はNHKのほうはちょっと見た程度だけど、中曽根さんがフリードマンの新市場原理主義に批判的だそうだね。 藤原さんの「国家の堕落」の影響かね。 この本で分かったんだが、ホワイトカラー・エゼンプション制度は、2003年5月の政府の規制改革会議の基本方針にすでに載っていたんだね。A氏:底流はあったのか。私:知らないうちにいろいろな変化がアメリカ化に向って進んでいるんだね。A氏:それを考えると敗戦後のアメリカ文化の到来はたいしたことはなかったね。まさに、戦後60年たって本当の敗戦である「国家の堕落」となったのかね。
2007.01.21
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私:シリーズ日本近現代史10巻の第1巻だね。 今、第2巻まで刊行されているね。 A氏:君の明治維新の知的興味のはじめは、もともと、太平洋戦争の戦争責任街道からだね。 司馬遼太郎の疑問と同じで、昭和の魔法の原因だね。 俺たちも小学生だったけれどどうしてだまされ、後で教科書に墨を塗ったのか。 それが原点だね。私:まず、敗戦時の責任問題、天皇の責任などに分岐した街道があるね。 別な枝分かれした街道は参謀本部の精神論や日本陸軍の独特の考え方の街道。 そして、原因は明治からあるのではないかという幕末、明治維新にさかのぼる街道だね。A氏:司馬遼太郎同様、次第に敗戦からさかのぼり、明治維新の街道ができたね。 「戊辰戦争から西南戦争へ」、「邪教/殉教の明治:廃仏毀釈と近代仏教」、「明治国家と宗教」、「19世紀 日本の歴史 明治維新を考える」などだね。私:それにしても、幕末で興味があったのは、孝明天皇が開国に反対したことだね。 当時は、幕府のほうが現実的な見方をしており、条約を結ぶほうが国益だと判断して、大名の意見をまとめる。 そして、形式的であるが朝廷の許可を得るために堀田老中が京都に行くが、意外に孝明天皇が条約の締結に反対する。A氏:理由は?私:日本は万世一系の天皇を戴く国であり、他国に例がない。 日本は神州であり、欧米との条約は神州のキズで許すことはできないというものだね。 まったく、周囲の世界情勢を知らない無知な発想だね。 太平洋戦争に突入する軍本部と同じなんだろうね。 この本で詳しく述べているが、当時、鎖国とはいえ、日本はオランダとはつながっており、実に詳細に世界の情報を把握していたんだね。 だから、幕府は欧米と事を構えるということは考えられなかったのだが、朝廷のように閉鎖的なお公家の社会では、そういう絶対的思考が生まれやすかったんだろうね。A氏:いや、それで思い出したんだが、君の日記の「終戦後日記・『頑蘇夢物語』」に敗戦間際に、徳富蘇峰が、松岡洋介氏と話す内容が書いてあったね。 松岡洋介と言えば、かって、日独伊の三国同盟を結ぶときの外相であり、日ソ不可侵条約を結んでスターリンと抱き合った人だ。 その松岡氏が、敗戦が近いのに、徳富蘇峰に日本の国体は伊勢神宮をもとしているから、必ず、神が助けてくれる。 だから、日本は絶対負けないと言っていたという。 万世一系の天皇をいただく神の国という考えは、日本人をしてこういう狂気みたいな考えに導く要素があるのかもね。私:相対思考を失わせる魔法があるのかね。 この「幕末・維新」の本では、幕末から明治新政府ができて明治憲法ができる前までを扱っているね。 従来の常識を多少修正する意見があるね。 幕末では、幕府はペリーと堂々と交渉したこと、イギリス、フランス、ロシアは日本の植民地化には実際には熱心でなく、思ったよりも開国の危機は差し迫ったものでないことなどだね。 それにしても驚いたのは、もう、明治政府は明治初年から、朝鮮政府や中国(当時は清国)に侵略的な強硬な外交をしていたんだね。 欧米の真似をし出すね。 心理的には侵略発想が生まれているね。 それにしても、幕末・明治維新というのは、知れば知るほど、知的な興味が湧いてくるね。
2007.01.20
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私:村上春樹氏が若い頃より愛読していたスコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」を氏が訳して昨年11月に出版したね。A氏:君の日記にあったね。 君の村上春樹の知的街道はチャンドラー街道から別れてきているね。 「国家の品格」ともつながったね。私:ちゃんと読んだのは「アフターダーク」だけだけれどもね。 今度、この村上氏の訳を購入したよ。 3千円近い豪華版があったが、820円のほうにした。 この本は、図書館でちょっと調べたら下記の題名ですでに多くの翻訳書があるね。1974 華麗なるギャツビー 橋本福夫1974 華麗なるギャツビー 佐藤亮一1974 グレート・ギャツビー 野崎孝1989 グレート・ギャツビー 野崎孝1990 華麗なるギャツビー 大貫三郎1994 偉大なギャツビー 野崎孝A氏:村上氏は自分なりの翻訳をしたかったのだろうね。私:60歳になったら翻訳すると公言していたそうだが、その前に待ちきれず、前倒しして訳したらしい。 この後、チャンドラーの「ロンググットバイ・長いお別れ」の同氏の翻訳本が3月に出版される予定だね。 待ち遠しいね。 ところで、俺の知的興味が湧いたのは、村上氏の「グレート・ギャツビー」訳がすでに訳されている人のものとどう違うかだよ。A氏:なるほど、面白そうだね。私:しかし、上記の6冊と、それに英文を比較していたら、大論文になり、くたくたになるね。 それは物好きな学生の卒業論文にまかせ、出だしの数行を比較することにした。 まず、図書館で上の2行目の佐藤訳「華麗なギャツビー」を借りた。 原書のほうはペーパーブックで千円ほどなので買ったよ。A氏:訳はかなり違うかね?私:もとの英語は同じだから、そう大きく変わっている点はないように思う。 原文の出だしの10行くらいを比較読みして、知的興味を満足させようと思う。 8つにわけて比較する。1.In my younger and more vulnerable years my father gave me some advice that I’ve been turning over in my mind ever since.佐藤訳:私がまだ若く、いまより心が傷つきやすかったころ、父が私に忠告してくれたことがある。それ以来そのことが心から去らない。村上訳:僕がまだ年若く、心に傷を負いやすかったころ、父親がひとつ忠告を与えてくれた。その言葉について僕は、ことあるごとに考えをめぐらせてきた。私:佐藤訳はすっきりしているね。 村上訳は文体が工夫されていて、あるムードを起こすような感じがするね。 「私」と「僕」、「父」と「父親」が違うね。 「父親」というと威厳を感ずるね。 それから、「心が傷つきやすい」は、「影響を受けやすい」のほうが、次の父親の忠告の内容はほめているんだから適切ではないかと思うがね。2.“Whenever you feel like criticizing anyone,” he told me,佐藤訳「だれとは限らないが、他人のことをかれこれと言いたい気持ちになったときは」と父は言った。村上訳「誰かのことを批判したくなったときには、こう考えるようにするんだよ」と父は言った。私:佐藤訳は原文に忠実に文を切っているね。 村上氏は意訳。3.“just remember that all the people in this world haven’t had the advantage that you’ve had.”佐藤訳「世の中は、お前と同じような長所を持った人間ばかりではないということを、よく覚えておくことだよ。」村上訳「世間のすべての人が、お前のように恵まれた条件を与えられたわけではないのだと」私:村上訳はなんで「と」が最後にあるんだろう。「と」をカギ括弧の外に出すべきだろうね。A氏:第一頁に致命的な校正ミスだね。4.He didn’t say any more, but we’ve always been unusually communicative in a reserved way, 佐藤訳:父はそれ以上は言わなかった。しかし私たちはあまり口数を多く語り合わなくても、いつも相手の言う意味がよくわかっていた。村上訳:父はそれ以上の細かい説明をしてくれなかったけれど、僕と父のあいだにはいつも、多くを語らずとも何につけ人並み以上にわかりあえるところがあった。私:村上氏の訳のほうが親切だね。5.and I understood that he meant a great deal more than that.村上訳:だから、そこにはきっと見かけよりずっと深い意味が込められているのだろうという察しはついた。私:この部分は佐藤氏は訳していないで、とばしているね。 何故だろう?6.In consequence, I’m inclined to reserve all judgments, a habit that has opened up many curious natures to me 佐藤訳:そのために、私はすべて判断は控えめにするにようになったが、この習慣のおかげで、ずいぶん変わった性格にもお目にかかったし、村上訳:おかげで僕は、何ごとによらずものごとをすぐに決めつけないという傾向を身につけてしまった。そのような習性は僕のまわりに、一風変わった性格の人々を数多く招き寄せることになったし、私:村上訳のほうはちょっと語句が長いが、分かりやすいね。7.and also made me the victim of not a few veteran bores.佐藤訳:また少なからず海千山千のうんざりする人間にお目にかからざるを得ない羽目にも陥った。村上訳:また往々にして、僕を退屈きわまりない人々のかっこうの餌食にもした。私:「海千山千」は意訳に近いが古い言葉かもしれないね。8.The abnormal mind is quick to detect and attach itself to this quality when it appears in a normal person,佐藤訳:普通の人間のなかに私のような性格の持ち主がいるとなると、異常な精神の持ち主はすぐにそれを見つけて、愛着を感じて寄って来る。村上訳:このような資質があたりまえの人間に見受けられると、あたりまえとは言いがたい魂の持ち主はすかさず嗅ぎつけて近寄ってくるのである。私:「愛着」よりも「嗅ぎつけて」のほうがピッタリするね。 mindを「精神の持ち主」とか「魂の持ち主」としているが、ちょっと重い感じだね。 「変わった性格の人間」、「風変わりな奴」でもいいような気がするね。 これで比較読みは終わり。A氏:ご苦労さん。私:後、野崎孝氏の訳との比較をちょっとしてみたいが、これから少しずつ村上訳に集中して読むことにする。
2007.01.19
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私:これは文藝春秋の「日本の論点」編集部がまとめたものだね。 下記の表のように11種類の格差をとりあげている。番号格差名内容1雇用格差正社員か非正社員か2会社間格差大企業と中小企業3所得格差ワーキングプア4資産格差億万長者と借金地獄5教育格差金が子どもの偏差値を決める6自治体格差住民サービスの優劣7治安格差犯罪多発地域の増加8対災害格差耐震安全地帯と危険地滞9医療格差金で購う命と健康10結婚・出産格差生みたくても生めない人たち11老後格差介護付老人ホームか孤独死かA氏:俺もこの「格差の予測」は読んだよ。 しかし、もともと、俺がこの2月号を買ったのは例の「硫黄島の栗林中将の衝撃の最後」というのを読みたくてね。 しかし、ネタばらしになるのでこの話題は避けよう。私:まず、「1.雇用格差」だね。 非正社員の増加が社会的危機としてあまり認識されていないのは、彼らの多くは経済的に余裕がある親と暮らしているからで、10年後にその親の経済的な余裕がなくなるときに破綻するという。A氏:しかし、2も3も所得格差になるのではないの?私:そうだね。 ちょっと、違うのは「4.資産格差」だね。 これは、「超・格差社会 アメリカの真実」では資産格差はアメリカの特徴で、日本ではあまり格差がないという。 しかし、現実には内閣府の調査によれば日本の資産格差は所得格差よりも拡大しているという。A氏:日本もアメリカ同様に親代々からの資産階級が生まれつつあるのかね。 両極化だね。私:5.も所得格差が原因だね。 教育バウチャー制度になれば、学校を選択できる自由は、金のある者ほど優位だね。 教育格差を拡大するね。 6.も夕張市のような状態に陥ったら、金があれば逃げ出せばいいということになる。A氏:7.8.9も背景に所得格差があるね。私:少子化で問題になっている10の問題も生みたくても生めないという所得の問題があるね。A氏:最後の11.も所得か資産格差だね。私:まとめると大きく資産格差と所得格差になるね。 今後の日本社会がどうなるか。 恐ろしいのは、これら格差が拡大し、知らない間に階層が固定化することだという。 「十年後、あなたはどの階層に属しているか。その選択肢は、今、目の前にある」でこの特集は終わっているが、君の十年後はどうだね。A氏:介護付老人ホームにはいるほどの資産はないから孤独死か。 選択できるほどの金はないね。 宝くじでも当てるかね。 昔から地獄の沙汰も金次第と言っているね。私:選択の自由も金次第か。 金がものをいう市場では、金があるほど、選択肢が増えるね。 機会の平等ではないね。
2007.01.18
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私:御手洗日本経団連会長は経済成長がなければ日本は「絶望の国」になるとして「希望の国へ」として日本の再生計画を提言しているね。 ここで、アメリカと違って日本人は団結心が強く、組織内のコミュニケーションがとても良い、教育投資が蓄積されやすい。 だから終身雇用は維持するが年功序列は廃止するという。 A氏:しかし、君が格差問題に知的興味を持ったきっかけは松下やキャノンの非正社員の比率が50パーセントを超えそうだということにあったのではないの?私:だから、大きな矛盾があるので、言っている意味がよく分からないね。 非正社員が半分くらいなら、団結心が弱く、組織内のコミュニケーションが悪く、教育投資が蓄積されにくいのではないの? ホワイトカラー・エゼンプション法を推進する同氏の意見だって、意味が分からないしね。 ものごとの明暗を見抜ける相対的な思考がないような気がする。A氏:キャノンは年功序列を廃止して職務給の導入はしているようだね。私:それに分からないのは、経済発展のために企業のイノベーションが必要だと言っているが、どういうイノベーションがあるのかね。 これもまたカタカナ英語だね。 今、並行して野口悠紀雄著「日本経済は本当に復活したのか・根拠なき楽観論を斬る」を読んでいるんだが、野口氏は、経済が回復したのは認めるが、新しいビジネスモデルの展開による経済回復でないという。 だから、本当の回復でないというわけだ。 この新しいビジネスモデルの一つが御手洗氏のイノベーションなんだろうね。 野口氏は経済回復の内容を製造業で見ると一部の業種(自動車、鉄鋼、石油・石炭)に偏っており、これからの産業である情報通信機械、電気機械は減少している。 そして、原油価格と素材の高騰を製品価格に転嫁できたのが鉄鋼、石油・石炭の利益増加の原因で構造的な利益増加でないという。 最近、この製品への転嫁がきかず、経済成長は下がっているようだ。 A氏:御手洗氏はどういうビジネスモデルを描いているんだろうかね。私:具体的なものはないね。 それから、道州制にすることを強調しているね。 その例として宮崎県では投資額が限られているが、九州という道州制にすれば、いろいろ大きなことが宮崎県にできるという。A氏:でも、では夕張市は北海道という道州制みたいな組織の枠内なのになぜ、援助できないのかね。 暗い部分を直視していないね。 大きいほどいいなら、国の補助金制度のほうがもっと金は出るのではないの?私:「日本経済は本当に復活したのか」では野口悠紀雄氏は逆に、新しい産業構造では組織が小さいほど効率的だと言っているから逆だね。 野口氏は人口400万人のアイルランドの例をあげている。 以前は、アイルランドは貧乏な国で有名だった。 「アイルランドの主要輸出品はアイルランド人だ」と言われたほどであったという。A氏:クリント・イーストウッドもアイルランド移民の血を引いているね。私:そのアイルランドの一人当たりの国内総生産が、最近日本を抜いたという。 現在、一人当たり国内総生産が日本より高い国としては、ノルウエー、スウェーデン、デンマーク、スイス、ルクセンブルグ、アイスランドなどがあるという。 日本がイギリスに抜かれるのも時間の問題だという。 イギリスはブレア政権で福祉もよくなった。 一方、ドイツ、フランス、イタリアなどの産業国家の地位も下がったという。A氏:何故?私:産業構造の変化だね。 90年代になってITが経済活動をリードするようになった。 伝統的な製造業は、中国や東アジア諸国に移る。 会社側は儲かるが、日本国内の労働市場は厳しくなる。 だから、大企業の役員の給与は上がるが、労働者の給与は下がる。 市場原理主義のグローバリゼーションだね。 こうなるとITを先取りした「小さな国」が有利だという実態となるね。A氏:日本は森内閣のとき、ITで大分、騒いだがどうなったんかね。私:あまりパッとした効果は出ていないようだね。 経団連はどういう評価をしているのかね。 それにしても、法人税を下げること、消費税を上げること、賃金を下げることについては明確な具体提案はあるが、将来への希望を託す新しいビジネスモデルによるイノベーションについては抽象的だね。 そこに野口氏が指摘する問題があるね。 グーグルみたいな新しいビジネスモデルがあるのかね。 経営者はけちけちして庶民をしめあげる節約で自分の報酬をあげるよりも、新しいビジネスモデルの構築のほうに力を注いで欲しいね。 そのほうが「再生日本--希望ある日本」の期待がもてると思うね。
2007.01.17
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私:この小説は、短編でスラスラ読めたね。A氏:小林氏と言えば映画化もされた「博士の愛した数式」で有名だね。私:海外に翻訳されている作品も多いという。 この小説の主題はある標本を作る会社の話だ。A氏:標本って、昆虫かなんかの?私:それが変わった標本で楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷のキズ跡など思い出を残すもので再び会うこともないものだね。 その標本技術士の男と主人公の若い女性の2人が中心の小説だね。 例によって、外部の社会的な話はほとんど出てこない。 不思議な世界に入った感じだね。 唯一、社会的な場面は、最初、主人公の女性がサイダーの工場に勤めているところだ。 ここで主人公の女性がサイダーを溜めたタンクとベルトコンベヤーの接続部分に指を挟まれる。 左手の薬指の先の肉片がサイダーのタンクに入ってしまったというシーンがあるね。 血がタンクに入りサイダーを桃色に染める。A氏:ちょっと、考えられない事故だね。 それにすぐに監督官庁に届けないといけないね。 たしか法律でそういう事故は防止できるようになっているはずだがね。私:タンクとベルトコンベヤーの接続部分にカバーをかぶせ、カバーを外すと機械が停止するか、停止していないとカバーが外せないようになっているとかね。 そのほうに話を持っていくと、会社が赤字でそういう安全装置に金を惜しみ、管理が不備であったとかいうような社会小説に発展するね。 この小説は、その方向にいかない。 この指先の切れた薬指は別な象徴的な標本の話に展開する。A氏:食品加工と言えば、会社が赤字の食品メーカーの不二家が品質管理で問題になっているね。私:おっと、話題を変えたね。 新聞報道ではまだよく原因がわからないね。 これもきっかけは、内部告発のようだね。A氏:品質管理が問題だということかね。 しかし、今日の読売新聞では、経済産業省の北畑隆生次官は15日の記者会見で、不二家が品質・環境管理の国際規格「ISO(アイエスオー)」の認証を受けていたことについて、「非常に問題がある」と述べ、さらに、企業などにISOを付与する民間の認証機関を認定する団体である「日本適合性認定協会(JAB)」に対し、どこに問題があるのか調べるよう要請したことを正式に明らかにしたとある。 君の日記では、以前、パロマやシュレッダーでISO(アイエスオー)が登場していたね。私:不二家でも金をかけてISO(アイエスオー)を取得しているのに、なんでこういう結果になったのかの説明がないね。 これは環境問題でもISO(アイエスオー)を取得しても法令に違反して環境汚染をしていたのと同じだね。 原因は、おそらくISO(アイエスオー)のシステムが膨大な書類の形式化で終わっていたことだろうね。 それから、核兵器の開発に転用可能な三次元測定器を無許可で輸出したいたというミツトヨも品質・環境のISO(アイエスオー)をもっていたが、認証を辞退したね。 エンロンの粉飾決算の対策として膨大な書類作成で内部統制という対策を考えたSOX法も、同じ運命をたどるだろうね。
2007.01.16
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私:昨日の午前中のテレビを見ると、フジの報道2001とテレ朝のサンディープロジェクトでホワイトカラー・エゼンプションをとりあげたのを見たよ。 このブログでもホワイトカラー・エゼンプションは12.30、01.08、01.12と、一つの街道になってしまったね。 ようやくマスコミでとりあげるようになり、国民の関心が高まるだろうが、まだ、正確な説明ではないようだね。 A氏:俺も見たよ。 報道2001では、竹村健一氏が、この法律の実施を機に、仕事のムダを省いて残業をなくし、生活の質を高めるべきだとさかんに主張していたね。 日本人は仕事のムダが多いから、残業が多いのだという主張だね。私:そういう話は、製造業にいた俺たちの若い頃にあったね。 当時からアメリカの現場は5時になると作業者はさっと仕事をやめて帰るという話が一般的だったね。 仕事が途中でも放り出して帰るという。 日本の現場は切りのいいところまではやる。 ところが、当時、アメリカに行ってきた社長が、「確かに現場はそうだが、技術部門などは夜遅くまで電気がついていて遅くまで残業をしていた」と言っていたね。 竹村氏は、当時のアメリカの現場の中間層をイメージしているのではないのかね。 定時で帰って、家族と余暇を楽しむという姿だね。 その中間層が格差拡大で崩壊したのはその後だね。A氏:欧米人は労働を苦痛だと考えるから、早く定年になって、年金で悠々と自分で好きなことをやることを好む。 労働観が違うね。 日本人は勤勉だという世界的な評価を得るね。 それが日本企業をこれだけ成長させた面もあるね。 もっとも、トヨタは「動いているが働いていない」と区別する。私:入社して10年くらいたった頃かね。 あるとき、アメリカ人が工場に来た。 定時後のラインを案内したら、2、3人、ラインリーダーが残業で明日の準備みたいな仕事をしていた。 早速そのアメリカ人はその残業はムダだと指摘していたね。 当時、ITが進んでいなかったのでCADなどなく、設計はまだ、ドラフターというので手書きで図面を描いていた。 ところが当時からアメリカの設計者はスケッチ図だけ描く。 ドラフターで清書するのは図面工というブルーカラーの仕事だったね。 日本の設計者のほうが貴重な時間をブルーカラーの仕事に費やしていたことになる。 だから、当時、ドラフターに向って夜遅くまで図面を描いているのを見ると、高い図面コストだと思っていたよ。 竹村氏の言う意味なら「ホワイトカラー生産性向上促進法」とすべきだよ。 順序が逆だよ。 その強調が一切出てこない。 もっともこの図面描きがIT化してCADになってから中国でも安い賃金で描けるようになっているね。A氏:しかし、今でも労働基準法に新技術の研究・開発、デザイナー、ソフト開発、企画立案業務などにはすでに裁量労働制があり時間に縛られずに働くことができるようになっているね。 その手続きが面倒なら、簡素化した改訂で済むのではないかと思うね。 なんで英語を持ち出すのかね。私:実は、裁量労働制では深夜労働には割増賃金が必要なんだ。 本音は、この割増賃金をカットしたいのではないかと言う話だね。 こういう裁量労働制と関連した議論がきちとと出ていないな。A氏:サンディープロジェクトではなんとか大臣は残業割り増し率とセットでホワイトカラー・エグゼンプション法案を考えているという。 なんでセットだと問題ないのかね。 ますます、残業ゼロの人は損するではないの。 その大臣の説明をレギュラーコメンティターの草野氏はそれでわかったと言っている。 何がわかったかね。 残業代の賃率があがって、従来の残業が続くなら、サービス残業はますます増えるほうに圧力がかかるだけだね。私:新聞で御手洗日本経団連会長が「多様な働き方の一つとして、ぜひ採り入れたいので承認してもらいたい」とあったが、すでに裁量労働制はキャノンでも行っているのではないかね。 それに第一、何か多様な働き方の一つと言って、労働側に選択の自由が拡大するようなことを言っているが、本来、雇うほうが強者だよ。 だから、雇用保護の基準法の規制がある。 それに今はグローバル化で労働市場は買い手市場だよ。 労働の選択の自由はむしろ強者である企業側にあり、労働者側にない。 企業側は鬼に金棒だね。 経営側の押付けとなりやすいね。 本人の合意が必要だと言っても、買い手市場だと押付け合意になりやすい。 説明にそういう配慮やバランス感覚がないね。 御手洗氏の話でも「ホワイトカラー生産性向上促進法」的な話も家に早く帰るという話も一切出てこない。 安部総理と説明が違うね。A氏:今朝の朝日新聞で資生堂では店頭販売のビューティコンサルタントの売り上げノルマ廃止についてふれているね。 前田社長による目標管理の見直しだね。 一時的な売り上げ減は覚悟だと言う。私:「多様な働き方」というのは本来、従業員を働きやすくし、知恵を出さすようにして、生産性があがるように経営者が提供すべき問題ではないの? 労働者の賃金が減っているのに、役員報酬は上がっているのだから。 役員は報酬に合った知恵を出すべきだよ。 例の「成果主義がソニーを崩壊した」の記事を受けて、今月の文藝春秋は「ソニー神話を壊したのは誰だ」として立花隆とソニー中鉢社長の対談を取り上げている。 結局、経営者として社内カンパニー制をやめたという。 成果主義そのものは廃止しないが、一定期間に少ない投資でどれだけ利益をだしたかという経済付加価値の成果評価はやめたという。A氏:長期的な研究投資はしなくなるものね。 GEの真似をして導入した有名なソニーの従業員向けのシックスシグマも見直しをしているようだね。私:資生堂やソニーのように経営者が多様な経営をしてもらいたいね。
2007.01.15
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私:昨日夜9時前頃、なんとなくBSチャンネルを回していたら、BS日テレで財部ビジネス研究所の番組の最後のほうが眼に止まった。 吉野家の安部社長のインタビューの最後のほうだった。 アレッと思ったよ。 A氏:何故?私:日研ビジネスの吉野家の安部社長とブックオフの橋本社長の対談を読んだ直後だったからだよ。 偶然のタイミングだね。 この二人とも、それぞれの会社のアルバイト、パート出身だね。 日経ビジネスがこの対談を企画した趣旨は、格差問題で「正社員でないと将来を展望できない」という悲観論に対して、出口をさぐるためだという。A氏:二人がアルバイト、パートから抜け出してきた共通点があるのかね?私:二人とも名を成そうと張り切って、アルバイト、パートになったわけではないんだね。 安部社長は音楽で生活できればハッピーという、要するに能天気な若者だったという。 実家が事業をやっていたから、漠然と家業を継ぐことを考えていたという。 橋本社長は、専業主婦が三食昼寝付きという夢の世界に飽きたのがきっかけという。A氏:どこが出口だったんだろうね。私:橋本氏がパートのとき、「ここの棚を1つだけ変えておけば、明日売れるのにな」と思うが、それをやると「橋本さん、パートなのに、なぜ遅くまで働くの?」と言われる。 しかし、「パートだから、何もやっても一緒」とは思えなかったと言う。A氏:安部社長のほうは?私:これはBS日テレのインタビューのほうが明快に言っていたが、自分の好みを優先にするのでなく、とりあえず、与えられた目先の仕事に全力を尽くす。 そうすると結果として自分の本当の長所、短所が見えてくるという。 お二人ともとりあえず目の前の仕事に積極的に立ち向かったんだろうね。 脳が積極的に働くかどうかだね。A氏:養老孟司氏もいっていたね。 自分のやりたいこと、個性にあったことを探すというのはおかしいとね。 それはみつけていくもので最初からあるんだというのは錯覚だとね。 つくっていく部分があるものなんだね。私:吉野家も肌があう人はいろいろ研究し、勉強している。 とてもついていけないと思う人は短期間でやめているという。 両極だという。 安部社長は、アルバイトのときに吉野家の雰囲気に肌が合ったというね。 ブックオフでもアルバイトが本当に店舗をよくしようと考えているのと、早く帰って遊ぼうと思っているでは店内の雰囲気がまったく異なるという。A氏:リーダーと店員の考えがいかに一体化しているかが、ポイントだね。 好業績のダスキン清掃の小山社長も同じことを言っているね。 しかし、二人の成功談は、ワーキングプアなどの人たちの出口になるだろうか。私:成功談というのは、一般性がないことが多いからね。 政治・経済の大きな時の流れには個人はどうしようもないときがあるからね。 それに、あまり貧すると鈍するからこわいね。A氏:しかし、まったく出口がないわけではないかもしれない。 とりあえず、目先の仕事に前向きに集中するしかないかね。私:それから、お二人に共通しているのは、店舗で働く人材育成が最優先だということだね。 特にコミュニケーションだね。 それから経営者としては危機感を常に持っていることだね。 安部社長はBSのインタビューの最後に座右銘として「人間万事塞翁が馬」を色紙に書いていた。 失敗の原因を過去にさかのぼると、いいときの驕りが原因になっているという。A氏:しかし、こういうカリスマ的な経営者が会社を引っ張っているとき、次の経営者が同じカリスマで引っ張っていけるかだね。私:その人材育成も今の経営者の役割だろうね。
2007.01.14
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私:昨日、本屋に寄ったらその一箇所に「ローマ人の物語」全十五巻が並んでいたね。 塩野さんがイタリアに住んで15年かかって、完成したんだね。 文庫本もずらり並んでいた。 実は俺は15年前に第一巻から買ってよもうとしたんだ。 地図や図があり読みやすいと思ったんだがね。 五巻まで買ったが積読になったね。 それ以来買ってない。 本棚を探したら、ほこりをかぶって五冊とも出てきた。 これから読もうかとも思うんだが、十五巻となるとしんどい気もするね。A氏:こないだ、テレビで塩野さんと五木寛之氏との対談があったね。 これで、キリスト教とローマとの関係が分かったよ。 ローマは多神教だったせいか、他民族の信仰に寛容だったんだね。 「ローマ人の寛容」だね。 一神教のキリスト教が入ってから変わってしまうんだね。 それが内からのローマの崩壊となるんだね。私:日本も多神教だが、それは日本国内での多神教だ。 ローマは征服した民族の神をそのまま残した多神教だという。 これは文藝春秋2月号の「大ベストセラー『ローマ人の物語』完結」と題して「ローマ滅亡に学ぶ国家の資格」という鼎談で塩野さんが言っているね。 ほぼ同時代の中国では万里の長城を築いた始皇帝がいるが、ローマは壁を作らず、「すべての道はローマに通ず」という道路網を整備した。A氏:壁で閉鎖するのでなく、「開かれた帝国」にしたんだね。私:塩野さんがこの本を書いているとき、調査でイギリスの博物館に行ったら、先方の研究員が塩野さんの仕事を聞いたという。 そこで塩野さんが「15年かけてローマ全史を書くつもりだ」と答えたら、向こうは驚いて「日本人はついにローマ史を書くところまで進出してきたのか」といったという。 それに対して塩野さんは「日本人は自動車や電気製品だけをつくっているわけではありません」と言い返したという。A氏:俺もこの鼎談は読んだが、その意味で「ローマ人の物語」は一神教の毒に染まった欧米人に対する日本人の「知的な殴りこみ」だと鼎談の佐藤優氏は言っているね。私:塩野さんは文藝春秋には連載でエッセイを載せているが、今月号は「世界史の未履修と知って」というエッセイを残しているね。 広大な世界史を1冊の教科書にするのはムリだと言っているが、それは骨格であるから、社会に出てから必要に応じて肉をつけるのがよいとしている。 骨格は必要だという。 塩野さんはイタリアに住んで向こうで息子さんを育てているので、ヨーロッパの歴史教育は詳しい。 それによると小学校は五年だが、ここから歴史教育が始まる。 日本史も含まれる。 次の中学校の3年間でも世界史を学ぶ。 次の高校5年間でも歴史教育がある。 これに使うテキストは世界史全体をつかむには、最適で塩野さんも参考にしたくらいだという。A氏:塩野さんは世界史の必修は賛成なの?私:せめて受験用早分かりのたぐいは捨てても世界史の教科書は捨てないでほしいという。 絶対にいつか役立つという。 小学、中学、高校と程度をすこしずつ上げたにしろ、繰返して歴史を学んでいるヨーロッパ人と話ができるためにもと言っているね。A氏:それにしても現代は、アメリカのローマ帝国みたいなものだね。 それに対して9.11.テロはイスラム教がアメリカ帝国の内側で原理を掲げて譲らない。 それがアメリカ帝国の内からの崩壊になるのかね。 ローマ帝国がキリスト教で崩壊したように。 内橋氏もグローバルな市場原理主義に全面対決しているのは、今、イスラム教だと言う。 ちょうど、冷戦の社会主義と資本主義の対立のように。私:9.11テロの後、アメリカのネオコンがローマの衰亡史を研究したと言われているね。 ネオコンの市場原理主義がイスラム教で崩壊するかもしれないと思ったのかね。A氏:やはり、世界史の骨格くらいは知らないといけないかね。
2007.01.13
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私:3年位前からかね。 細君が郵便配達夫の配達順序が変わったというんだね。 俺の家の前は4メートルくらいの道路があり、これをはさんで両側に住宅が並んでいるんだが、以前はこの道路をギザギザにバイクを走らせて配達していた。 それが、一旦、向かい側の家並みをずっと配り、それからまたユーターンして俺のうちのほうの家並みを配達するようになったというんだね。 A氏:なるほど、ギザギザより、直線的に配達し、ユーターンするほうが、運転距離が短くなるからかな。私:そうかもしれないね。 チリも積もれば山になるで、配達時間が短くなるし、運転時間も短縮、ガソリン代も浮く。 郵政公社がトヨタ生産方式を導入し出した頃からだから、その影響ではないかとおもったね。A氏:いわゆるカイゼンだね。私:それから俺の近所のポストの集配が一日4、5回だったのが2回になった。A氏:それではサービス低下ではないの?私:ところが娘がいる大きなマンションの玄関にはポストが新設されたね。 まあ、俺の家の近くのポストは近所に郵便局があるし、住宅街だから投函数は多くないと思っていたがね。 何かムダをなくすことを考えて、小さな積み重ねだが実施しているようだね。 こういうように仕事のやり方を改善すると、同じサービスをしても時間が減るので、従来の残業が減る。 さっきの集配を減らしたのだって、夕方の集配がなくなっているから、残業をなくすには効果的だね。A氏:そういえば、先日(1月8日)の朝日新聞の天声人語で、お役所仕事だった開票作業を速くするというカイゼンを紹介していたね。 長野県小諸市は昨年の知事選で開票所のレイアウトを一新し、作業台も10センチ高くし前回の半分以下の34分で終わったという。 福島県知事選では、開票作業を相馬市が職員を2割減らしながら前回の61分を25分に短縮した。 新開発の技術などなく、集票容器の色分けなど小さなカイゼンの積み重ねだという。私:投票は夜やるからどうしても残業になるね。 だから、仕事のやり方を変えない限り、残業時間は同じだね。 同様に残業代をカットするといっても仕事のやり方を変えないかぎり、時間は同じだね。 家に早くは帰れないのは同じだよ。 残業代カットはサービス残業の強制となるだけだ。 フェアではないね。A氏:ところで昨日の新聞によるとホワイトカラー・エグゼンプション案(残業代ゼロ法案)を政府は通常国家に出すという。 年収条件は900万円以上だという。 そして、すでに管理職など年俸制になっている人など除くと、実際に制度ができて企業が適用するのは2万人程度と見ていると報じている。私:ますます、なんでこの英語システムを急ぐ必要性があるのかわからなくなったね。 アメリカの圧力だというが、また、市場原理の押付けかね。 アメリカでは残業は増大しているらしいね。 少子化対策でないことは明らかだが----。 労働側は全面的に反対だしね。A氏:与党内でも将来の年収低下の不安、対象者のイメージがわかないという批判も出ていると言う。私:日本が遅れているというホワイトカラーの生産性向上のためではないようだね。 トヨタは成果主義をとっていないが、それは部下の仕事の問題の原因の半分は上司の問題だと言っているからだね。 それにカイゼンマニアのDNAを持つ会社だしね。 残業代をカットする前に、その残業をなくすカイゼンをしてしまうだろうね。 だから、トヨタは、今、競争に強いのだろうね。A氏:今朝の新聞では、厚労省の幹部は「ホワイトカラー休日確保法」とか「休日家族サービス法」とかすればよかったと言っているというね。私:カイゼンを先にして残業を減らすのが先なのが全然分かっていないのは、総理と同じだね。 残業代カットと関係ないね。
2007.01.12
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私:北朝鮮の金融制裁から知的興味が出て、マネーロンダリング街道で門倉貴史著「マネーロンダリング」、平尾武史・村井正美著「マネーロンダリング」と読んできたが、どうも北朝鮮の口座凍結のいきさつがピンと来ない点があったんだね。A氏:どういう点?私:アメリカがマカオの銀行にある北朝鮮の資金を凍結できたことなんだよ。 だって、これは中国にある銀行だろう。 アメリカは勝手に国外の銀行の資金を凍結できるのかということなんだよ。A氏:なるほど、そういえばそうだね。 何故できるんだね?私:この橘氏の本がわかりやすく説明してくれるね。 君が1万ドルの外貨預金をしようとして、日本のA銀行に行くとする。 そうするとA銀行は120万円を君の口座から引き落とし、通貨市場で1万ドルに交換し、ニューヨークのアメリカのB銀行にあるA銀行の口座に入金する。 ドルを一々、日本に運ばない。 このニューヨークのB銀行をコルレス銀行といい、日本のA銀行の口座をコルレス口座と金融用語では言うんだそうだ。A氏:そうすると俺のドルはニューヨークにあるのか。私:だから、ドルでの決済は、ニューヨークにある世界各国のコルレス口座間の移動で、別に世界をドル札が走り回るわけではない。 君が決済のため、ハワイのC銀行にドルを送金しようとA銀行に依頼すると、A銀行はコルレス口座からニューヨークにあるC銀行の指定口座に振り替えるだけだ。 しかし、このコルレス口座は、外国の銀行の口座だから治外法権になる。 日本のA銀行のコルレス口座はアメリカの治外法権だね。 マカオの銀行はこのニューヨークのコルレス口座の凍結だねA氏:治外法権なのに、何故、マカオのコルレス口座は凍結できたのかね。私:例の9.11の同時多発テロでできた「愛国法」でテロ資金の追及を優先できるようになって、この治外法権が崩れたというわけだ。 全世界のドル建て外貨準備高は総計3兆4千億ドルだと言われるが、これも日本や中国などの世界各国の中央銀行が保有することになっているが、実はすべてニューヨークのコルレス銀行に預けられているんだね。A氏:なるほどね。 マカオの銀行のコルレス口座はニューヨークにあるから、その凍結だということだね。私:この本の帯は「あなたにもできる!」とあり、18歳未満禁止マークが描かれているが、これは本の宣伝のためで、この本はハウツーものでなく、中味は濃いね。 世界とめぐるマネーの動きが具体例でよくわかる。 カシオなど日本人が被害を受けた国際金融詐欺事件やライブドアの事件も詳しく取り上げている。 それとバチカン銀行やCIAの介入など世界的なマネーロンダリングの歴史紹介は圧巻だね。 まるで世界をまたに駆けたミスティリー小説を読んでいるようだ。A氏:ライブドアはマネーロンダリングに関係あるの?私:ライブドアの金の流れは複雑なようで、個々の流れは単純で違法性は少ないようだ。 だから、検察はマネーロンダリングでなく粉飾決算にもっていったようだね。 この複雑な金の動きは宮内氏が中心でやったようで、ホリエモンは宮内氏の差し出す書類を読みもせず、サインだけしていたという。 ホリエモンは、創業時はともかく、最後は事業に対する興味をほとんど失っていたようだというね。A氏:宇宙旅行に興味を持ち出していたからね。 それで検察は次に村上フアンドにいったのかね。私:一時、村上氏がシンガポールに移住するというような話があったね。 要するに、儲けて税金を払いたくなければ、日本に住んでも、日本国籍を放棄して、税金の安い国に移籍すればよいのだよ。 だから、金持ちに高い税をかけると、逃げてしまうので、かえって税収が減るんだという。 経済のグローバル化でマネーが国境を越え、次いで企業が多国籍化し、今、個人の国籍離脱が始まっているという。 この本では個人の「多国籍化」「無国籍化」こそが、グローバル資本主義の終着点だという。A氏:それでは、国家というものはどうなるんだね。 愛国心はどうなるんだね。私:そういうグローバル化の矛盾に満ちた世界に住んでいるということだね。 実は借金財政、年金危機、賃金カットなどを通じて俺たちの生活にまで深く影響している。 まさに、新しい形の植民地戦争、悪夢のサイクルが始まっているのかしれないね。 ワーキングプアという戦死者を出しながら----。
2007.01.11
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私:7日の日曜日にテレビ東京の「日高義樹のワシントンリポート」というのがあり、そこで日本の核武装化のテーマがあるのを新聞の番組欄で見た。 先日、核問題でアンテナを張っていたので、引っ掛かったよ。 知的街道では武侠都市につながるね。 当日、時間がとれないので、録画して今日見たよ。A氏:俺は見逃がしたね。私:例によって日高氏によるキッシンジャーのインタビューだね。 最近、キッシンジャーはイラク問題でブッシュ大統領の相談も受けたようだね。 まだ影響力があるようだ。A氏:キッシンジャーは日本の核武装は反対なのかね。私:日本は重要で、歴史もあるし、伝統もある国家だから、いつまでも安全保障を他国に頼ってはいないだろうという。 だから、ここ十年くらい軍備を増強し、核拡散防止の国際情勢のいかんによっては核武装をするようになるだろうと言っているね。 ただし、これはキッシンジャー個人の意見で、アメリカ政府の考えではないと言う。 日本の核武装にとって国際的な核拡散防止がやはり厳しい壁だね。A氏:防衛庁も防衛省になったし、軍備強化の動きはキッシンジャーの指摘通りかね。私:キッシンジャーは、核開発は、もう、すでに密かに準備していてもおかしくないと言っている。 しかし、北朝鮮問題で日本の政治家が核保有を言い出したのについては、キッシンジャーは見たくはないが驚きはしないと言っていたね。 この字幕の「見たくはない」という訳語がピンとこなくて、英語を再三聞きなおしたが、例のドイツなまりのせいか、英語が分からなかった。 あまり日本の核化には積極的な賛成をしていないようだね。 まぁ、特に新しい情報はなかったように思うね。A氏:そういえば、先日の日曜は、午前中はテレビを見ていたが、中曽根さんが出て核問題について言っていたね。 彼の考えは、日本はアメリカの核の傘の下に入るという考えだね。 だから、非核三原則でなく、「持ち込まない」を除く非核二原則が妥当だという。私:キッシンジャーは北朝鮮の核武装はあまりたいしたことがないとしているようだね。 しかし、北朝鮮の核問題や中国の軍事力の急速な拡大で、日本の長期的な安全保障の展望が迫られているようだね。
2007.01.10
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私:先週だと思うが、塩崎官房長官が記者会見で「センスティブ」という言葉を使ったら、記者から、「日本語ではどういうか」と聞かれて、窮していたね。 俺はこの英語は日本語の会話では使わないね。 念のために広辞苑をひくと「センスティブ」が載っているから、日本語的に使うこともあるのだろかね。 広辞苑では2つの意味がある。 「感じやすい・鋭敏」という意味と、「慎重に扱う」という意味だ。 塩崎長官がどういう話題のときに使ったかは忘れたが、後で「配慮して」と日本語で言い換えていたから、「慎重に」という意味だったようだね。A氏:わざわざ、英語で言うほどのデリケートな話題でないようだね。 私:君のそのデリケートも英語だね。 しかし、これはよく使うね。 広辞苑にもあるが、「デリケート」にも2つ意味があり「センスティブ」とまったく同じ意味だね。A氏:俺も「センスティブ」は使ったことがないね。私:世代的に違うのかね。 「デリケートなお肌」と言うかわりに「センスティブなお肌」というと現代的なんかね。 しかし、気をつけないといけないのは、「センスティブ」と「センシブル」の違いだね。 「センシブル」は広辞苑では「感受性が強い。敏感。鋭敏。」と「センスティブ」の最初の意味とほとんど同じだが英語では違うようだね。 「センシブルsensible」は「思慮分別がある」、「センスティブsensitive」は「敏感。感受性」という意味だから、まったく違うね。 注意が必要な英語だ。A氏:いずれにせよ、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」という教育基本法改訂を推進した内閣だから、できるだけ、専門的な用語以外は伝統的な日本語を使ってもらいたいね。 政府のスポークスマンである官房長官は「美しい日本語」の模範を示してほしいものだね。 安部総理の新英語のホワイトカラー・エグゼンプション、教育バウチャーも同様だね。 こんな国民生活に重要な制度を英語で言うのは政治的「センスティブ」に欠けるね。 その点、明治維新で郵便制度を外国から導入したとき、「スタンプstamp」を「切手」と見事に訳した前島密は偉いね。
2007.01.09
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私:ホワイトカラー・エグゼンプションについての安部総理のコメントにはがっかりしたね。A氏:俺も知ったよ。 ぶら下がり記者からのホワイトカラー・エグゼンプションの質問についてのコメントしたものらしいね。私:俺はテレビで文字にまとめたのを見たよ。 新聞にはなかったと思うがね。 要するに、その論理はこうだ。 日本人は残業が多い。 このホワイトカラー・エグゼンプションで残業代がなくなれば残業がへる。 残業がへれば、家庭に旦那が早く帰れて、家族との時間がもて、子どもの面倒も見られるので少子化対策にもなる。 この論理には俺は唖然としたよ。 最初、ジョークかと思ったよ。 しかし、真面目な発言だね。 この論理でわかることは、何故、残業が発生するのか、ビジネスのイロハを知らない。 この人のレベルを俺の体験から判断して初めて明確に把握できたよ。 今まで、若いから多少の問題はガマンして応援する気持ちがあったがこれで吹き飛んでしまったね。 企業は市場の変動に備え、正社員の数を最小に抑える。 だから、仕事が増加すると、正社員の残業でまかなう。 人を増加するより安く済むからだ。 ホワイトカラー・エグゼンプションが適用されても、企業は収益確保のため、残業はゼロにしない。 経営側と労働側は対等でないから、ホワイトカラー・エグゼンプションは鬼に金棒だ。 経営側は残業を要求しても人件費はゼロだし、基準法の規制はないから、遠慮なく、残業を要求できる。 ホワイトカラーの成果主義など、事実上崩壊しているから、残業時間は延長方向に圧力がかかる。 今まで支払っていた残業代はなくなり、労働者の収入は減り、その分、企業の懐にはいる。 人員を増加しても、賃金の安い派遣社員の増加だ。 それらの未熟な派遣社員に対して、正社員は仕事を指示し、フォローし、管理しなくてはならない。 その面倒を見るための負荷で残業がまた増える。 残業をしたくなくても、せざるを得ない。 ホワイトカラー・エグゼンプションだといって残業をやめたら、会社業務はストップする。 そんなに企業競争は甘くない。 それでも抵抗して残業をやめ、家に帰って家庭サービスするホワイトカラーは、会社はクビにするね。A氏:ファーストフッドなどでは、店長は長時間労働で大変だそうだね。 店員はアルバイト中心だから、欠勤者がでるとカバーしないといけない。 それが残業になるね。 アメリカでは店長のホワイトカラー・エグゼンプションが問題になっているそうだね。私:すでにサービス残業という、一種の違法的なホワイトカラー・エグゼンプションが発生している。 これは労使が対等でないことを示している。 だから、放置すると長時間労働や違法な賃金不払いとなるので、労働基準法で規制されたのだ。 労働ビッグバンによるこの規制緩和は、その違法性を復活させる危険性もある。 安部総理は国民に対して説明が足りないというが、それは間違いで、国民の心配を直感的に感じていないだけだよ。 説明の必要を感じる感性がないだけだよ。 感じていれば、ホワイトカラー・エグゼンプションのコメントは、少子化対策の方向でなく、賃金カットや過労死防止のほうの説明にいくはずだよ。A氏:日曜の午前のテレビは時局ものをやるのでよく見るのだが、慶応大学にもどった竹中氏が登場したね。 そこで、規制緩和と格差は関係がないと言っているが、派遣労働の規制緩和は関係があると思うね。 その竹中氏すら、正社員と非正社員の賃金格差を修正すべきで、同一労働、同一賃金を急ぐべきだと言っている。私:竹中氏の自論に反して、規制強化の意見だね。 経営側は反対だろうね。A氏:そして、安部政権にはその対策の緊迫感がないと批判的なようだったね。 それに竹中氏は貧困層の対応も急ぐとしているね。 貧困層とはワーキングプアのことなのかね。私:それとサンディーモーニングのコメンティターがデータをもとに述べていたが、この数年で正社員の賃金も低下しているという。 成果主義の導入の成果かね。 しかし、逆に大企業の役員の給与は大きく上昇しているという。 そして、興味あるのは中小企業では、経営者の給与はダウンしており、それは従業員の給与のダウンより大きいという。A氏:中小企業では、経営者は自己の給与を削っても、従業員の給与を確保しないと経営自体ができない厳しさだということだね。私:俺の現場感覚でもそれはピンと来るよ。A氏:君が格差問題について知的街道で集中的に興味を持ったのは、キャノン、松下の非正社員が半分以上を占めるという異常さに敏感に感じたのがきっかけとなったのと同じだね。私:俺は安部総理の「再チャレンジ」と言う言葉に、一縷の望みを託していたんだが、このホワイトカラー・エグゼンプションのコメントで完全に望みを絶たれたね。 やたらに英語を使うセンスはやはり、教養の浅さを示すのかね。
2007.01.08
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私:昨年12月末に発表になった第33回の今回の大仏次郎賞はドキュメンタリー物の「黒澤VSハリウッド」と時代小説の「花はさくら木」だね。 図書館で予約したら、「花はさくら木」のほうが先に入手できたので、こちらを先に読んだ。 読み出したら面白くて、やめられず、一気に読んだよ。 これは2005年の朝日新聞の連載小説だね。 A氏:時代はいつかね?私:江戸の田沼意次の時代が舞台だね。 この時代は奈良時代からちょうど千年にあたる江戸中期で、日本が独自に育てた文明がひとつの頂点に達した時代だという。 小説は、その背景をうまく取り入れているね。 最初の出だしは、三島由紀夫の「春の雪」の豪華な貴族の庭の池に遊ぶ若い女性の華やかな風景に似ているね。A氏:江戸の時代小説かね。私:従来の時代小説と違い、構想が壮大で、しかも、京・大阪の文化や自然をうまく描写しているね。 従来の時代小説を近代小説的に書くとこうなるんだね。 田沼意次が中心人物の一人として登場する。A氏:例の賄賂で有名な田沼意次かね。私:この小説では田沼意次は先進的な経済改革者として描かれているが、これも江戸経済の話のスケールが大きいね。 朝廷・幕府との政治的・経済的な関係、幕府と大阪商人との対立、大阪の裏経済、それに朝鮮との関係、秀吉の最後の大土木工事の謎、幕府の情報収集など、豊富な歴史的な事実をうまく折り合わせ、そこを貫くロマンがありで、壮大なエンターテイメントの物語となっている。 このように見ると、江戸文化の多様性は大したものだね。A氏:そうなると歴史を知らないと面白みがわからないね。私:そうだね。 しかし、一面、楽しい日本歴史の復習にもなるよ。 日本の時代小説もこういう観点から構成されると、当時の中国や朝鮮ともつながる日本文化の深さを感じながら知的なエンターテイメントが楽しめるね。
2007.01.07
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私:北朝鮮の核実験問題で、日本の核武装が問題になっているね。 「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則が、何か最近「話せず」が追加になって四原則になったそうだね。A氏:それは国民への情報公開の原則に反するのではないかね?。 封建国家のように「知らしむべからず、よらしむべし」だよ。私:そこで、核武装や原子力開発の問題について、俺は専門的な知識はないが常識的なレベルでの知的興味が生じたね。 この本の筆者は肯定派、反対派のどちらにも安易にくみすることなく、ジャーナリストとして中間的な見地から論じていると言われているので、この文庫本を図書館で選んだよ。A氏:考えてみると日本は地球上ただ一つの被爆国だというが、その被害の後、60年の間に、すぐにでも原子爆弾を開発できる技術力を蓄積してきたというのは矛盾とも言えるね。私:原子力発電と原子爆弾の技術とは、まったく別物でなく、その境目は技術的に灰色なんだね。 だから、日本はその気になれば、すぐ核武装ができるという考えが出てきて当然なんだろうね。 敗戦後、早くも8年後の1953年に「原子炉築造予算2億3500万円」が国会で可決されているよ。 そして、アメリカの原子力発電の売り込みが背景に絡んでいるね。 アメリカの巧妙なシナリオがあったことをこの本は示唆しているね。A氏:なんで原爆反対派はやすやすと原子力開発を認めてしまったのだろうね?私:この本では初代原子力委員長になった正力松太郎氏の宣伝力を高く評価しているね。 正力氏は読売新聞の社主でもあるから新聞もキャンペーンに使うことができた。 力道山の街頭テレビ放送で有名な読売新聞系の日本テレビも活躍しただろうね。 日本テレビとCIAの関係はまた「日本テレビとCIA」という本があるね。 これには知的興味があるので、いつかは読みたいね。 話を「核」論に戻そう。 著者によれば、原子力平和利用を原子力の「光」とし、軍事利用を「影」とする二分法を採用し、自らがかぶった「影」の深さゆえに「光」を享受する特別の権利と義務を持つとする姿勢が一般的だったという。 だから、原子力開発への抵抗はなかったという。 当時、作家の大江健三郎氏も核兵器は否定しながら、核開発は賛成しているね。A氏:ところで原子力開発はアメリカの強力な支援があったのだね。私:もう、30年位前かな。 俺は一人で常磐沿線のある会社に仕事で出張したことがある。 特急列車の普通車が混んでいたのでグリーン車に乗ったら、ここもアメリカ人のグループ客で混んでいた。 隣りにその一人がいた。 片言の英語で聞いたら、十人くらいのGE社のグループで東海村の原子力発電のメンテナンスに行くのだと言う。 彼はそのチーフらしかった。 俺は、原子力ことは知らないから、「GE社では新人の教育に、現場実習をやらせるのか」と聞いたら、やはり、日本と同じようにいろいろな現場を実習させるということを言っていたね。 どっさり、マニュアルらしい書類を持っていた。A氏:当時はまだ、日本の原子力はアメリカ頼りだったんだね。私:驚いたのは清水幾多郎氏が1980年に核武装を提案していたことだね。 この本で知ったよ。A氏:彼は安保反対に学生とデモをしたんではないの?私:この人は転向が多いというが、きれいごとを言って、結局、弱者を助けられない多くの「戦後民主主義者」よりも彼のほうがよほど心優しい人間臭さを感ずると著者は言う。A氏:仕方なく「踏み絵」を踏む人だね。私:日本の原子力開発技術も独立性が高まった頃だと思うが、1999年に東海村のJCOの臨界事故が起きる。 地球上ただ一つの被爆国でありながら、一方で高濃度の核燃料を下請けのなれない作業者がバケツとヒシャクで扱わっていたというこの落差。 さらに、問題は、この事故でできた放射能に汚染された水の水抜き作業を誰がやるかだった。 危険な作業だね。 その決定は「会社が世間に迷惑をかけたのだから社員がそれを償う」という自主性のない「滅私奉公」だという。A氏:硫黄島の戦い、だね。私:原子炉の安全の改善向上も、それを言うと「それでは今までは安全ではなかったのか」という変な議論になりそうだというね。 日本陸軍が「言葉を奪った」のと似ているね。 ここでも、また、冷静な相対性思考ができないので、「話さず」を強制されてしまうのかね。 だから、憲法と同じで9条を守るといっているうちに強大な軍隊ができてしまった。 似ているね。 自衛と攻撃との境はグレーゾーンなのにね。 一筋縄でいかない深い問題を抱えているなぁ。 まぁ、日本の核武装は、技術的な問題よりも政治的な国際協定があるので、容易ではないだろうがね。A氏:いずれにせよ、君が今話してくれたような、そういう共通の事実認識くらいは、議論はしておくべきではないの?私:俺はそう思うがね。 しかし、それを言い出すと「それはダメ」と大声を出す大人がいるからなぁ。 人生いろいろだね。
2007.01.06
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私:昭和期の文化勲章をもらった高名な文芸評論家としてよく小林秀雄氏がとりあげられるが、俺は絵画や文芸評論にあまり興味がないのでこの人の本を読んだことがないんだ。 しかし、よく日本文化についての本を読むとこの人の名前が出てくるね。 たまたま、CDクラブでこの人の雑談みたいなものが配布された。 読書で目が疲れたので聞いてみたんだ。 テーマは「文化の根底を探る」だね。 聞き手は中村光男氏が50分、大岡昇平氏が13分だ。A氏:御三人ともすでに故人だね。私:録音は、1959年とあるね。 やはり小林氏は、日本の文化と西洋文化とは基本的な違うことを話していたね。 20世紀の日本画家が、若いときはフランスから絵を学ぶが、晩年に日本の伝統的な絵に似てくるという点を指摘しているね。A氏:日本的な文化の影響というものが避けられないのかね。私:小林氏は、文化というのはかなり肉体的にしみついたもので、なかなか言葉で表現できないという。 そして、日本の美術的な文化は埴輪時代に完成しているというね。A氏:文化は長い蓄積の産物ということだね。私:自然との関係も、西欧の自然観と違うと言っているね。 特にキリスト教時代から人格と自然が分離したという。 日本は多神教的なアミニズム的な時代の後、仏教が入り哲学化する。 仏教は自然と一体だね。 仏教の影響が強い。 だから、西欧では、自然は分析の対象となり、自然科学が生まれるが、仏教圏では対立した存在としてあまり自覚されない。 ルソーの自然に帰れも自然と分離しているから出る発想だという。 そういう違いが日本文化の根底にあり、外国の文化を取り入れるが日本化する。A氏:1月1日の日記のキリスト教が日本のDNAで変化した、のと似ているね。私:アメリカの市場原理による格差社会文化の日本への導入も日本のDNAで自然に日本式に変化するだろうかね。
2007.01.05
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私:正月三が日のテレビは箱根駅伝はチョコチョコ見たね。 他はバラエティが多かったね。 確か、さんまと木村拓哉の「話したことを実現・即実行!!」という バラエティだと思うが、その中でさんまが「一度、ドラム缶風呂に入りたい」という夢があるという。 そこで即実現・実行ということでドラム缶風呂が用意される。 これは軽井沢かなんかの夜のロケだから、寒い。 トランク姿でさんまはドラム缶風呂にはいる。 それを見ているうちに、俺は学生時代にドラム缶風呂に入ったことを思い出したんだよ。A氏:昔もドラム缶風呂は一般的ではなかったがね。私:それが富士山の富士宮口の確か2合目の山小屋で入ったんだよ。 俺が、学生時代に夏休みでブラブラしていたら、ちょっと、ノイローゼ気味で休学していた同級生にバッタリ会った。 いろいろ話して彼のうちに行ったら、彼の母親に「内にこもってばかりいるのでよろしく」と言われた。A氏:今でいううつ病なのかね。私:そこで、富士山に行こうとなった。 俺は山登りは好きだったが、富士山は登ったことはない。 混んでいる富士山は嫌なので8月初めは避け、8月20日前後を選んだ。 夜、富士吉田口駅を下りて馬返しから登り出した。A氏:当時は、5合目までの自動車道路なんかない頃だね。私:意外に時間がかかり、ご来光は頂上で拝めなかった。 しかし、天気には恵まれたね。 ところで、うつ病の彼は8合目あたりの急な坂になると、苦しいと言い出したんだ。 頑張れと言って、励まして登っていたら、いつの間にかいない。 下を見るとのびている。 下山してくる人に頼んで登ってくるように言ってもらったほどだ。 9合目あたりからは背中を押すようにして登らせたよ。A氏:大分、疲れていたんだね。私:それが愉快なんだ。 頂上の平なところについたら、平気な顔でスタスタと歩き出すんだね。 逆にこっちが背中を押したりして疲れたね。A氏:精神的なものがあったんだね。私:下山は富士宮口にむかって降りた。 頂上に着いたのが遅れたので、下山は午後になってしまった。 2合目あたりまで降りたが、夕方になった。 予定を変えて山小屋に泊まるしかなくなった。 しかし、その予定をしていなかったから金に余裕はない。 幸い、すでにシーズンオフなので小屋は空いている。 手持ちの米や缶詰を提供してなんとかとめてもらうことにした。A氏:当時はのんびりしたもんだね。私:そこで夕方、まだ、明るいうちにそこのドラム缶風呂に入ったんだよ。 だから、ドラム缶風呂はなつかしい思いであるんだね。A氏:どういう印象だった?私:さんまのように別に異常な体験をしたという印象ないね。 自然に普通の野天風呂にはいる感じだったよ。 なんだか、水は雨水だというようなことは聞いた。 翌朝、また、あるいて富士宮駅に向かった。 ところが運のいいことに、カラのタクシーの運転手が歩いている我々に「学生さん、富士宮駅に行くんかね。今、客を乗せて帰るところでクルマはカラだから、タダで富士宮まで乗せてやるよ」という。 もちろん、乗せてもらった。A氏:当時のシーズンオフの富士登山はのんびりしていたんだね。私:しかし、当時から山はゴミだらけだった記憶があるね。A氏:うつ病の彼はどうなったの?私:富士宮駅に着いたら、彼は東京の友だちに会いたいと急に言い出した。 俺は長野方面に行くことを予定していたから、駅で別れたよ。 それから、1週間くらい後に彼の家であったような気がするが、母親から感謝されたが、学校も忙しくなり、それきり彼とは会っていないね。 どういう人生をたどったかね。A氏:人生いろいろだね。私:ドラム缶風呂はそのときだけだね。 富士登山はそれだけで終わりで、二度登る気もしなかったが、ドラム缶風呂はなつかしい思い出だね。
2007.01.04
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私:12月29日の朝日新聞のオピニオン欄で「幸せを呼ぶ?労働ビッグバン」ということで、経済財政諮問会議の民間議員である八代国際基督教大学教授と労働側の立場に立った中野弁護士の討論が載っていたね。 A氏:俺も読んだが、真っ向から対立しているね。 矢代氏は労働市場がグローバル化で変化しているから、経済成長のため労働市場も変化しなくてはならない、だから改革が必要という前提だね。私:中野氏は労働側に立った改革になっているかが問題としているね。A氏:八代氏は、経済を活性化するために、労働市場の規制をどんどん、撤廃しようという考えで、正規社員の解雇規制の緩和、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入、派遣社員の3年後の直接雇用義務の撤廃など、だね。私:要するに、中野氏が言うように、労働力を商品のように徹底的に市場原理で買うようになると、労働者の生活不安定や、労働の質の低下を起こすことになるという心配だ。 要するに労働という商品の質の低下だね。 経営側は労働者より優位の立場にあるから、労働という商品は自由に買い換えて、利益を追求できるというわけだ。 矢代氏は、企業が利益が出れば、労働者にも分配があるという。 しかし、そうはなっていないね。 キャノンの利益の増大は非正社員が5割を超えているというのと無縁ではない。 利益の一部はワーキングプアに象徴される非正社員の犠牲によるね。A氏:それに対して矢代氏は、労働者も市場で戦えとなるね。 正社員も安住できない。 だから、自分の労働力を市場の変化に対応して魅力ある商品として研鑽すべきであるとしている。 自己責任の登場だね。 その方向に政府は支援すべきで多様な生き方を選択できるようにすべきだという。 アメリカ型の市場原理主義のイデオロギーが明確だね。私:タクシーの運転手はどのような技能を獲得して、もっと売れる市場に自分を売り出すのかね。 どういう自己責任があるのかね。 技能というのは、そのようにころころ変わるものなのかね。 それに最近では、チーム活動で仕事が進むことが多いが、徹底的な個人ベースになるとその良さはなくなるのではないの?A氏:労働力は単純な商品でなく、生きた人間じゃないのかね。 仕事を通じて成長するし、人の潜在能力は大きい。 ノーベル賞をもらって田中さんだって、会社のチームの協力ガあったからだと言っている。 それを活用できない経営側の能力も問われるのではないのかね。私:当時の運輸省と喧嘩して、宅配便の労働市場を生み出したヤマト運輸の当時の小倉昌男社長の例もあるね。 運転手も大口配送から慣れないない小口配送に変わるので抵抗があったらしいが、会社の経営危機もあり説得に成功した。 「従業員の採用は学歴・経験不問の定着順」「賃金は年齢序列」「定年なし」を貫く中小企業が愛知県下にあるという。 世界的に競争力がある会社だという。 社長は「リストラで業績回復とは"粉飾決算"と同じ」と言い、「会社は株主のもの」論を笑い飛ばし「なら、株主だけで会社をやってみろ!」と言う。 労働力を商品としてみていないんだね。A氏:「強い会社をつくりなさい」の小山社長の基本発想も労働は商品としてみていないね。 社長自らの人づくりを経営の基本においているね。 トヨタは「人材」と言わず「人財」という。 人は市場から調達する出来合いの材料ではない。 そういう世界のグローバル化に対して勇ましい日本的な経営者が増えないものかね。私:「超・格差社会 アメリカの真実」を書いた小林由美氏は、この本をアメリカで書くためにデータを集めていたら、アメリカ人の同僚が「なんでそんな役に立たない調査に時間をかけているのか」と不思議に思っていたとあるね。 徹底的な自己を高度の商品にする効率化だね。 ムダな努力はしない。 自己を商品として高く売るための努力に絞る。 徹底的な個人主義で金ばかりで味気ないね。A氏:「超・格差社会 アメリカの真実」に描かれた「超・格差社会」に向かうのかね。 同じ市場原理主義が地方格差にも出ているね。 地方経済がうまくないのは、地方の知恵がないからでその自己責任だというわけだ。 経済財政諮問会議の動きを見ると「美しい国」はそちらに行くような気がするね。私:今年の大きなテーマになりそうだね。
2007.01.03
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私:昨日は遠藤周作氏の講演をCDで聴いたが、今日は、小野田寛郎氏の講演を聴いたよ。 少年時代からの話だが、負けん気の腕白坊主だったのだね。A氏:例のフィリピンのルバング島で30年敗戦を知らず、生きていた人だね。私:遠藤氏と一年違いの生まれで、同世代の人だが、未だに元気で活躍されているね。 講演の題名は、当たり間のことなんだが、30年にわたるサバイバル生活をした人の体験だけに、重みがあるね。 服はボロボロになるが、それを繕う針が錆びて穴が欠けてしまう。 そこで鉄の材料や手持ちの道具でなんとか2日くらいかかって失敗しながら作り出す。 しかし、鉄の材料や手持ちの道具は、皆、他人が作ったものだ。A氏:他人に依存しているわけだね。私:小野田氏が30年もいたのは、彼は普通の兵士と違い、敵が攻めてきても生き残り、背後で情報収集を行い、反撃に備えるという役割を持っていたせいだね。 それとアメリカ軍の直接の投降勧誘が何か謀略のように感じたという。 本来、日本の司令官が来て、軍隊の解散を指示していたら、そんなに長くルバング島にこもっていなかっただろうという。A氏:若い冒険家の鈴木紀夫氏と遭遇したことが帰国のきっかけとなったね。私:日本に帰って、あまりにも個人主義的な風潮になっていたことを嘆くね。 そして、左翼からは軍国主義の象徴のように言われ、右翼からは勇敢さをほめられ、迷惑する。A氏:それで、そういう喧騒から離れたブラジルに行くんだね。私:若いときから事業家のセンスがあったようだね。 しかし、ブラジルに行くときも、恩知らずというような非難を受けたそうだね。A氏:確かブラジルでは牧場経営だね。私:数年かかって成功する。 そして日本への恩返しとして日本で小野田自然塾を始める。 現在もお元気のようだが、ここまでやってきたのは夫婦ともに健康だったせいだとその重要性を強調しているね。A氏:ルバング島で若いとときに、飲まず食わずのような生活を30年もしたのに、健康なんだね。私:いや、逆ではないかね。 その生活があったからサバイバルできる基礎的な体力ができたような気がするね。 以前、インドのインパール作戦の生き残りだという80才台の人に会ったけれど、実にしゃんしゃんしていた。 ものすごい飢餓との戦いで生き残った人だがね。 原始的な生活体験を若いときした人は強いのではないかね。A氏:昨日の朝日新聞の「生活欄」で「この手にこめて」というシリーズが始まったようだが、最初は「ぬか床」だね。 これを伝える宮下さん(31)は「手間をかけるものの素晴らしさは教えないと伝わらない。便利なもの、不便なもの。その両方を使い分けて豊かに生きて欲しい」という。私:同じコラムで、子どもの生活科学研究会代表の谷田氏が「子どもの手の機能はあきらかに衰えている」という。 簡単、便利、迅速な生活を追い求めて、達成するごとに、身の回りでどんどん手を使わなくなっている。 子どもは家事を手伝わないから、火や刃物など危ないものから遠ざけられる。 人は手を使うことで脳を進化させてきた。A氏:以前、養老孟司氏が東大で解剖を教えていたとき、学生が解剖ナイフをペンのように持つのでなく、突き刺すように持つので驚いたという。 いつのまにかそういう学生が生まれてくるようになったんだね。私:俺の孫は4才だが、できるだけ料理の手伝いをさせているね。 なんでも効率的な生活をして便利だけを追求していると、本質的な「人中心」の重要な生活を失うのではないかね。 なんでも市場原理主義のイデオロギーで効率を追求して、逆に人間らしい生活を失うのと似ているような気がするね。 この講演の題名とちょっと違うかもしれないが、小野田さんの自然塾もそれを子どもに教えているのだろうね。
2007.01.02
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A氏:あけましておめでとう。 元旦はどうだったね? 私:横浜は曇りがちで昼過ぎからちょこちょこ小雨があったね。 午前中、家族と逗子海岸のほうにドライブしてきたよ。 途中、無料のお屠蘇と甘酒を飲んできた。 ところで、君は「踏み絵」を知っているだろうね。A氏:新年早々、知的街道に踏み出したかね。 もちろん、徳川幕府の最初の頃のキリスト教禁止に対して、信仰していた人を暴くために用いた方法だね。 キリストかマリアの絵を踏ませる。 踏むのを拒むと信者として処罰される。 日本史の常識だよ。私:ところで、信者であったが、踏まない人はどうなったと思うね。 踏み絵を踏まないと信者ということで、ものすごい拷問で仲間を聞かれる。 最後は改宗しない限り命はない。A氏:殉教者の記録はあるようだが、逆に、そういう人のことはあまり聞かないね。私:遠藤周作氏はそれに焦点を合わせて「沈黙」という小説を書いたという。 この講演集でそう言っている。 凡人は死まで覚悟して信仰を明らかにすることはないだろうという見方だね。A氏:遠藤周作氏と言えば、クリスチャンで高名な小説家だね。 1996年に73才で亡くなっている。私:俺が聞いた講演のCDは、1990年のものだ。A氏:ところでその踏み絵を踏んだ人たちはどうなったの?私:信仰を本当に捨てたのではない。 隠れキリシタンとなり、明治の禁止令解除まで続く。 ところが、それらの隠れキリシタンを調べると、聖母マリア信仰が中心だというね。 もとのキリスト教と基礎が違っているんだね。A氏:日本は文化的に母性的なものが中心なせいかね。私:遠藤氏は、キリスト教のような一神教は父親的で、論理的、権威的であるというね。 文明と違い、文化は意識下にある考えだから、キリスト教はストレートには日本人になじまず、変化していたんだね。 フランシスコ・ザビエルが布教に来たとき、神をゴッドと言わず、ゼウスと言ったそうだが、その音から、これを日本人の多くの信者は大日如来と聞き違えたという。 戦国時代にキリシタン信者は60万と言われるが、現在、日本では洗礼を受けたキリスト教信者は100万くらいと言う。 だから、人口比で考えると戦国時代にいかに急速に広まったかがわかる。 しかし、そのキリスト教は、かなり日本化したものであったようだね。A氏:キリシタン大名で有名な高山左近がいるね。私:彼が残した書は、贖罪などキリスト教の本質的なことはふれておらず、世の無常のような仏教的な内容であるという。 遠藤氏は、日本文化は女性的なもので、戦争で兵隊が死んでいくとき、天皇陛下バンザイでなく、無意識のうちにお母さんと言って死んでいったと言う。 日本文化は父性的でなく、母性的なようだね。 遠藤氏は、日本でキリスト教が意外に普及しなかったのは、布教するほうでこの日本文化のDNAを意識しなかったせいだといっているね。 しかし、欧米も次第に日本文化を理解するようになっていると遠藤氏は言っている。A氏:日本文化の根底はわれわれが意識していないが、風土、食、習慣など、日常生活上、奥深いんだね。私:NHKの紅白歌合戦の後に、各地に残っている古い行事を残すことが重要だとその紹介をやっていたね。 眠くて途中までしか見なかったけれど。 今後もそういう特集を期待したいね。
2007.01.01
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