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2007/03/03
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カテゴリ: カテゴリ未分類
マイパソコンのハードディスクの空き容量を増やすため、録画したテレビ番組を古い順番に見ているのだが、昨日みたのは、昨年の5月19火放送分の「NHKスペシャル」だった。
「アマゾンの攻防-大豆争奪戦」というものだ。

大豆畑を作るためにアマゾンのジャングルが伐採されているということは知っていた。
アマゾンのジャングルにを守るために、国産大豆を使った豆腐を買おう!と思ってもいる。

衛星写真からアマゾンを見ると、道路沿いにジャングルが侵食されているのが一目瞭然で、まるで魚の骨のように見える、という話も聞いていた。

この番組は、なぜそうなったかということを、非常に分かりやすく教えてくれた。

最大の原因は「中国の近代化」だ。
中国が悪い、と言っているのではない。
中国も当然、先進諸国と同様に近代化される権利もあるし、ましてやすでに大きな利便性を手に入れた先進諸国にはそれを止める権利はない。

すでに先進国と言われている国々の人口をすべて束にしても中国1国に追いつかないくらいだ。
そしてすでに一部の国々の「近代化」だけで、地球は悲鳴をあげ、温暖化だとか資源不足、食料不足だとか、いろいろな問題を引き起こしてしまっっている。

「お前ら、これ以上やると地球はおかしくなるからおとなしくしておけ!」
なんていわれても、中国としては当然納得できる話ではない。

なにしろ人口13億人だから、その影響がすごい。

その番組によれば、現在すでに

・全世界の大豆の輸入量の4割は中国である。
・大豆の消費量の97パーセントを輸入に頼っている日本の、なんと6倍の量を中国は輸入している。

らしい。

「近代化」がどうして大豆の消費を拡大するのか?
大豆を言えば思い浮かぶのが「豆腐」や「枝豆」「納豆」。

戦後の日本人の食生活の変化を考えてみると分かりやすい。
増えたのは「揚げ物」などの油を使う料理と、「肉料理」だ。
大豆は食料油となり、そして油をとった残りの「大豆カス」は鶏肉生産のために不可欠な飼料となる。
だからこそ近代化が大豆の消費を拡大してしまうらしい。

少なくとも、上海の日本料理ブームで、中国人が納豆を食べ始めたからではない。


しかし、大豆の場合には「人口増加X近代化」に比例する、という、二次関数的な曲線で商品が増えてしまう。

農業大国アメリカの生産量もすでに限界だ。
そこで「穀物メジャー」とよばれるアメリカの巨大商社が目をつけたのが「アマゾン」でした。

アマゾンに道路を付ける。
一攫千金を目指すものがアマゾンの入植する。
穀物メジャーは農民に金を貸す。
森林は焼かれ、大豆畑に変貌する。

大豆の需要は伸び続けるが、世界中どこを探しても「アマゾン」以外に生産拡大をできる場所がない。
人々はさらにアマゾンに入植。
アメリカの穀物メジャーのみならず、日本の商社、中国の国営企業までブラジルに進出し資金を投下する。

すでにアマゾンの15パーセントが農地となったという。
あと10年もするとアマゾンのジャングル自体がなくなってしまうかもしれない。

アマゾンのジャングルは、ジャングルがあるがゆえに大陸の内陸部にもかかわらず大量の雨が降る。
でも、ジャングルがなくなってしまったらどうなるのだろう?
ジャングルもなくなり、農地には雨が降らず、なんてことにならないのだろうか?

誰にも中国を止めることはできない。
そのためには先進諸国が「近代化」で手に入れたものの多くを放棄する覚悟が必要だ。

アマゾンを守るために日本がすべきことはなんだろう?
国産大豆を使った豆腐を買うことも確かに重要だが、解決にはならない。
日本は本気で食糧の自給を考える必要がありそうだ。

戦国時代の例でも分かるように、「兵糧攻め」が一番効く。
最大の防衛は「兵糧の心配をしなくてもいい」ということだ。
北朝鮮からテポドンが飛んでくることよりも、食料が入らなくなるほうがよほど影響が大きいのは間違いない。
防衛費の一部を国内農業の振興にまわし、農家を保護育成。
日本中の遊休農地は国が買い上げ、農家希望者に貸し出す、とか。
そしてまた、食生活そのものを変化させることも重要だ。
メタボリックというのはある意味、地球の叫びなのかもしれない。
環境破壊の呪いが、メタボリックとなって人間を蝕んでいくとしたら・・。

ああ恐ろしい!

昨年5月のテレビ番組からすでに10ヶ月。
世の中の状況はさらに悪化しているのだろう。
あれから、アマゾンの森林はどれだけ減ったのだろうか?








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Last updated  2007/03/04 05:50:21 PM
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