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2007/03/24
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カテゴリ: カテゴリ未分類
少し前の話になるが、工学部の志願者が10年で半減しているというニュースを見た。
何も考えずに文系に進学した私が言うのもおこがましいが、国家としては由々しき問題であると思う。

資源を持たない日本がここまでこれたのは、間違いなく「技術力」があればこそだ。
もともと、日本という国は「物を作る技術」に対して大きな敬意を払ってきたと思う。

大工の親方は尊敬の念をこめて「棟梁」と呼ばれた。
刀を作るもの、陶器を作るもの、船を作るもの、
それぞれが「誇り」を持って生きることのできる風土があったのだと思う。

種子島に鉄砲が伝来すると、程なく「国産」の鉄砲が生まれた。
明治維新によって、西欧の技術が入ってくると、あっという間にその技術を自分のものにし、さらにそれを凌駕する。


戦後、敗戦によって日本人としての誇りは失ってしまったようだが、それでも国家のインフラとしての「基礎技術」は残っていたし、それが戦後復興の原動力になった。
これは日本同様「ものづくり」の国であったドイツにも言えると思う。

そこで、工学部の志望者半減の問題である。
日本において「技術」が軽んじられ始めた兆候のような気がしてならない。

技術は「お金」で買えるから、お金の方が優れている。

どうやら、そんな風潮が日本国内に広がっているようだ。

実際、株を動かすだけというきわめて「非生産的」な作業のほうが、「物を作る」という作業よりもよほど大きな利益を上げてしまう。
額に汗して働くなんて格好悪い、という風潮の延長線上に「工学部の人気凋落」があるのではないか。

まったく自慢にならないが、私は法学部を卒業し、いっぱしの「学士」であるわけだが、はっきり言って法学の知識はほとんどない。
これは私だけでなく、法律を職業としようとする一部の学生を除いて大差のない現象だと思う。
法学部に限らず、経済学部にしても大差はないだろう。


文系会社員の多くは「営業」に配属され、そのまた一部が「企画」を任され、そしてまた、「営業成績」を残したものは管理職となり、さらには役員となっていく。
その間、大学で勉強した「法律」や「経済」が役に立つことは稀だと思う。
それ以上に、「人間関係力」や、学業以外のいろんなことを経験することでの「広く浅い知識」が役に立つ。

だからというわけではないだろうが、文系の学生は勉強しない。
大学に入ればコンパをして、サークルで楽しんで、バイトして、旅行して、大学生活を満喫する。


採用する企業も、かれらの「専門的知識」を重要視する。

私が思う、工学部人気凋落の原因

・「物を作る」ということの楽しさや重要性がわからない。(教育制度の問題?)
・大学に入っても一生懸命勉強しないといけないらしいから
・工学部に入っても儲かりそうにないから。(これはかなり大きいと思う)
・数学や理科ができないから、自動的に文系になった
・理系の学部は授業料が高い。(親としては非常に気になる)

といったところだろうか?
「物」というのは確かに「お金」で買えるが、一度失った技術は簡単には取り戻せない。

「プロジェクト X」を、将来をになう学生達に見てもらいたいのだが、どうやら見ていたのは高度成長期にノスタルジーを感じる中年のおじさんばかりだったようだ。












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Last updated  2007/03/25 11:12:43 AM
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