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2012/08/02
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カテゴリ: 木の話
ウッドデッキは、樹脂と高耐久木材へ?
IPE.jpg


ウッドデッキのブームは、ウエスタンレッドシダーから始まりました。
しかし、形だけがウッドデッキであれば、とりあえずOKといった雰囲気もあり、2X4住宅用のランバー(SPF)が使われたりした結果、「木は腐るし、メンテが大変」という声も聞かれ始めました。
ウッドデッキブームの初期では、天然の木を使っていた大手エクステリアメーカーでも、おそらくお客様からのクレーム(反った・割れた、腐った)が出てきて、アルミばかりを売っていた営業マンからも「木はクレームがつく」という声が出始めたのでしょう。
10年くらい前から、大手エクステリアメーカーでは、一気に「人工木」という名の「樹脂デッキ」の販売に力を入れ始めます。

「メンテナンスフリー」「反らない、割れない、腐らない」というのが、売りです。

これだけ聞くと、「夢の木材」という印象ですが、実際の質感というのは、本物の木とは大きく違います。
ただ、家の外側にデッキ状の場所を作って、家族がくつろぐ、という機能だけを樹脂すれば、それもまた選択肢の一つでしょう。
ただ、それでも「本物の木がいい」と思う人が世の中の一割でも居れば、WOODPROのような小さな会社は十分成り立ちます。

樹脂に半分以上の木粉を混ぜれば「木質」といってもいいらしいのですが、所詮は石油を原料とした樹脂です。


大手のエクステリアメーカーが工業化された樹脂デッキに力を入れる一方で、木材関係の業者が力を入れてきたのが「高耐久ハードウッド」です。
イペ、ジャラ、アイアンウッドといった、東南アジアやアマゾンのジャングルから出てくる、きわめて堅く腐りにくい材料です。
あまりに堅いので、下穴を開けないとビスうちできません。
その上重く、扱いも大変、ということで、インテリア材としては適しておらず、かつては利用価値が少なかったのですが、ベイエリアとかいって、港湾施設にウッドデッキを張ったり、公共施設にも多用されています。
確かに、土足で、多くの人が歩く場所であれば、堅く強く、腐りにくい高耐久ハードウッドというのは非常に適しています。

ウッドデッキを広く張った場所として、横浜の大桟橋が有名ですが、もしあれが樹脂のデッキであったなら、まぶしさも数倍、暑さも、もって激しかったと思います。
木というのは、光を反射した際に、紫外線を吸収するという性質があるので、広い面積に張った場合も、照り返しがぜんぜん違うんですね。

ということで、一体「杉」はどこにいったのか?という感じですが、結局それが「杉」の立場でもあります。
メンテナンスしたくなければ「樹脂」になり、耐久性を重んじれば「高耐久ハードウッド」になる。
それでもあえて「杉」にこだわるのは、一番身近にあるから、です。

家族四人が、時々外に出てくつろく、家付きのウッドデッキに、不特定多数の人が土足であるくようなウッドデッキをつけることが、果たして正しいことなのでしょうか?


日本にはたくさんの杉材があり、それも使い方次第では十分エクステリアに使えます。
その「使い方」を工夫することで、もっと「杉」の需要を掘り起こすことの方が、安易に「樹脂」や「ハードウッド」を扱うよりも価値がある、というのがWOODPROの考え方でした。

先にも書きましたが、世の中の1割、いや5%の人に支持されれば、それで会社は成り立ちます。
逆に、樹脂やハードウッドも売っていたのでは、企業コンセプトも曖昧になりますし、多くの会社の中に埋もれてしまって、将来は会社そのものがなくなるでしょうね。

なんてことを思いながら、今日も、杉にこだわった商品作りをしております。










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Last updated  2013/12/20 11:44:55 AM
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