窓辺でお茶を

窓辺でお茶を

September 10, 2006
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カテゴリ: 舞台
 東京国立劇場にて文楽9月公演第1部を見てまいりました。


 江戸時代には、政治的な事件をそのまま芝居にできなかったので、時代は足利尊氏の頃という設定にし、浅野内匠頭を塩谷判官、吉良を高師直(こうのもろなお/もろのう)、大石内蔵助を大星由良之助と名前を変えています。

故鶴沢八介さんのメモリアルサイトで 床本 (太夫さんが語る脚本のようなもの)が読めます。
鶴沢八介
wikipedia 仮名手本忠臣蔵

 四十七士の士にかけて、11段構成になっているそうです。

 善悪の区別が分かりやすいよう、史実と違い(ですよね?)高師直が塩冶判官の妻顔世御前に横恋慕し、それがきっかけで塩冶家に悲劇が降りかかることになっています。現実の事件では、私はどうも浅野内匠頭がそんなところで刀を抜いたということが、一国一城の主として適性がなかったとしか思えず、喧嘩両成敗といっても刀を抜いたのは一方だけ、家老の大石内蔵助の世論操作がうまかったということではないか、と思ってしまってどうも感情移入できないのです。吉良家の養子は罪もないのに切腹しなければならず、一番の被害者ではないか?と。

 それはともかく、判官切腹の段は歌舞伎同様「通さん場」といって、途中で客席に出入りできないことになっています。舞台と客席がしーんと集中するのです。眠気に襲われることもなく、息を呑んで見つめてしまいました。

 「城明け渡し」の場面は大星由良之助が閉鎖された門の前にひとり佇み、万感を胸に提灯の家紋を切り取るのですが、この場面もとても印象的です。太夫さんの語りは「はったとにらんで」の一言だけ。タイミングも難しいそうで、ずいぶんと緊張することでしょうね。


 由良之助役簔助さんは本公演では初役らしいですが、さすがです。書いていたら、また見に行きたくなってしまいました。





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最終更新日  September 11, 2006 12:32:38 AM
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