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少し寒さを感じる時期になりました。日によって異なるのですが日中でも10度Cに届かない日は室内でも暖房のないところは寒さを感じます。
さて、先回ご紹介したバッテリー式の高一付4球(UX-201Ax4)ラジオですが、少しいじってみましたのでご報告いたします。
まず、このラジオが到着した時の様子です。
部品を固定しているエボナイト?製のパネルと所謂回路部品を固定しているシャーシーが木製ケースから外れて遊んだ状態でした。
拡大図 金属製の留め金が緩んで反対向きになっています。これでは固定できません。
そして、問題の中身なのですが.......
なんと貴重なナス型真空管UX-201Aの3本が箱の中に散乱しているという悲惨な状態でした。
幸い1本も割れてはいませんでしたが、ロック付きのソケットですので、きちんと装着されていれば内部に緩衝材を入れなかったとしても(本来は入れなくてはいけないと思いますが)運送中に抜けるようなことは無かったものと思います。
さらに中身のご紹介です。
1:3の低周波(段間)トランスが2個です。修理記事にあったように、13年前に専門業者によって巻き直してもらったもので、多分性能を維持しているものと思います。
シャーシーの一番後ろに電源端子が5個見えます。
左から、B+90V、B+45V、B-A+6V、A-C+、C-4V? となっています。A-C+の端子が全体のアースです。
手前にあるのが再生コイル。大きなコイルが同調コイル、手前の小さめのコイルが再生コイルで、ダイヤルによって2つのコイルの距離が変化し(結合度が変化)再生量の調整を行います。
ざっと見た感じ修理の必要は無いように思いました。
1か所気になっていたのは、「修理体験記」では不具合があって追加していた検波回路のグリッドリーク抵抗とコンデンサーです。
記事では、「検波用のグリットリーク。抵抗は無限大。コンデンサーは75PFでした。」という記述があったのですが、確認してみると抵抗は断線しているのではなく、容器が錆ているために接触不良を起こしておりそのため測定ができず「無限大」になったようでした。
それで、抵抗器の両端とソケットを600番程度の耐水ペーパーにて磨いたところ問題なく所定の抵抗値をしましました。
こちらが磨いた抵抗器をセットして抵抗値を測った場面です。
800KΩを指しています。
抵抗器を外して測定すると
1.2MΩです。修理に使った抵抗器の抵抗値ですね。
で、修理に使った抵抗器を外してみると....
2.4MΩでした。本来の抵抗器の値を示しています。
さらにコンデンサーも外して容量を測ってみました。
0.23nF=230PF で、こちらも正常値です。
「修理体験記」で、どうして75PFだったのかは不明ですが、これで追加部品無しでオリジナルで検波できるはずです。
さらに付属していた4本の真空管のフィラメントを確認してみました。
2本はフィラメントOK、2本は断線しているようでした。
断線している1本は、赤でXマークがついています。多分「修理体験記」でも言及している見せかけの高周波増幅段に挿入されていた真空管を思われます。(日本製?)
その後、ebayで調達したUX-201Aを1本足して、検波・再生、低周波増幅、出力の3本の真空管を挿し、以前の3球ラジオ用に用意した電源を繋いでみました。
3球ラジオには無かったグリッドバイアス用のC-は単三3本で約4.5Vにして試したところ、再生ラジオ特有の ”ピュー~~”といった音がでましたので、回路としては正常に動いているものと思われます。
残念ながらこの時点では、放送を受信して音を聞くことができませんでした。
次回は、この4球ラジオで放送局が受信できるか書きたいと思います。
以上、「 アンティークラジオのレストアその7 UX201A4球ラジオの修理① 」 でした。
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