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YAMAMOTOさん
から 『注文の多い料理店』
でバトンを受け取ったとき、次のテーマはすぐに決まりました。 「猫」
です。だって、注文の多い料理店の店名は 「山猫軒」
ですから。
『猫にかまけて』町田康(講談社)
私は決して 町田康
のよい読者ではありません。彼の初期作品のパンクな文体にほぼついて行けず、早々に彼の読者になることを諦めてしまいました。けれども、上記のような理由で次々に手に取った猫の本の中に、彼の書いた 『猫にかまけて』
が紛れ込んだのは、本にかかった帯からこちらを見つめる猫( 町田の愛猫ヘッケ
)の寂しそうな顔が印象に残ったから、そして、手にとって内容を拾い読むと、全然パンクじゃなくて、すらすらと読めたからです。
読み終えたとき、 町田康
は私の中で、 内田百閒
と並ぶ
「愛さずにはいられない猫好き作家」
になっていました。ただの猫飼いだった彼が、 ヘッケ
の死をきっかけにいつのまにか猫の保護活動に巻き込まれ、続編ではついに、猫舎を建てるための広い土地を求めて、多くの猫と共に移住までしてしまいます。猫のために、自分が生活を変えるのです。究極の 「猫バカ」
です。
この本ではおもに、白血病に感染した状態で保護した 仔猫「ヘッケ」
が、保護からわずか半年ほどで命を落とすまでの日々、そして、もともと飼っていた 愛猫「ココア」
が老衰で亡くなるまでの日々を綴っています。
町田
はあとがきで
「どうでもいいようなことで悲しんだり怒ったりしているとき、彼女らはいつも洗練されたやりかたで、人生にはもっと重要なことがあることを教えてくれた」
と書いています。
猫を飼うこととは猫を看取ること。彼らを看取るうちに、人間が彼らに学ぶべき多くのことがあることを知ってゆく道程が、この本なのです。
言うまでもなく、猫たちを活写する 町田
の筆は生き生きとしていて、それゆえ、死に瀕した彼らの姿には胸のつぶれる思いがします。 町田夫妻
が撮影した猫たちの写真も、日常的で愛情に満ちています。
「猫にかまけて」
「猫とあほんだら」
「猫のよびごえ」
ということで、今回はこのへんで。猫好きの語る猫の話は、ほどほどがちょうどいい、なんてね。では、 KOBAYASIさん
、お願いします。
K・SODEOKA2020・06・24
追記2024・01・20
100days100bookcoversChallenge
の投稿記事を
100days 100bookcovers Challenge備忘録 (1日目~10日目)
(11日目~20日目)
(21日目~30日目)
(31日目~40日目)
というかたちまとめ始めました。日付にリンク先を貼りましたのでクリックしていただくと
備忘録
が開きます。
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