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2025.01.06
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​ゴイティソーロ「パレスチナ日記」(山道佳子訳 みすず書房)​
​  2024年 6月 「エドワード・サイードOUT OF PLACE」 ​という 佐藤真監督 の映画を見て以来、 パレスチナ をめぐって、映画を見たり、本を読んだりという意図の中で、細々と続いてきたボク自身の関心が、再びというか、三度というか燻りはじめていて、とりあえず本棚にあった本の再読が始まっています。 ​​
​わからなさ​
​​ パレスチナ 「わからなさ」 ですね。細々と関心は持ち続けているのですけれど、少しも燃え上がらない理由は、読んでも読んでもわかったという印象が湧いてこないことです。
​だいたい、
「シオニズムって何だったんだ?」
「パレスチナってどこなんだ?」
という疑問が、ボクの中では、いまだにトグロをまいていてとけないのですからねえ(笑)。
 その上
​​ 「インティファーダはどうなったの?」
「オスロ合意って、なんやったんや?」 ​​
が畳みかけてきます。 1950年代 から、 2000年代 にかけて 半世紀に渡る話 です。
 で、久しぶりに読み終えた本です。 フアン・ゴイティソーロ「パレスチナ日記」(山道佳子訳 みすず書房) です。実は、二度目です。
 横文字で書くと Juan Goytisolo Gay です。 1931年1月6日、 バルセロナ の生まれで 、 カタロニア で育ち、 2017年6月4日 モロッコ マラケシュ で亡くなった スペインの作家 です。
独裁者フランコ が登場し スペイン ファシズム化した時代 に大きくなった人で、 1956年 、故郷を捨て パリ に移って以来、いわば
​「旅する人」​​
だったようですが、一方で、あくまでも カスティーリャ語 で書きつづけた人だったそうです。
 ボクは、二十年以上前に本書と出会いましたが、それは、 「第一次インティファーダ1988年~」 とか 「オスロ合意1993年」 とかいう、
​パレスチナをめぐるボクのわからなさ​​
​  を、まあ、自分なりに解こうという意図から探し出した本との出会いでした。
本書 「パレスチナ日記(1988年6月)」 「戦争でも平和でもなく(1995年2月)」 という二つの パレスチナ訪問記 とでも呼ぶべき文章で構成されています。
 それぞれの時期に、 フアン・ゴイティソーロ という、故郷のスペインを捨て、モロッコに暮らしている作家が パレスチナを訪ねた日記 です。
今回、読みなおして、ボクの中の霧が晴れたわけではありません。しかし、こんな文章に出合って、今、 イスラエルの空爆下 で暮らしている パレスチナの人たち が、この 30年の間 、暴力によって追いやられている 「場所」 を想像することはできました。
​私のモロッコ訛りのアラビア語も、モロッコに移住したユダヤ人と間違われるために、見知らぬパレスチナ人と話す際に使うことができない。不信感を抱かせないためである。しかし同じ訛りも、友人たちと話す際には、連帯の道具となり、一気に互いの距離を縮める役割を果たしてくれるのである。この「記号論」を学んでいくと、最後には訳が分からなくなる。境界線上に生きる者の身分は何をもって決まるのか。人間か、それとも記号か 。​​
​​ 本来、 友情」の絆 を手探りし、 「連帯」の意志 を伝えるための 「ことば」 が、その訛りによって、口にしたとたん、その場に
​「敵か、味方か」という疑いの空気を醸し出していく ​​
場面を思い浮かんできます。何も、 ​パレスチナ​ アラビア語 に限るわけではありません。
 この一節を読みながら、 日本 にだって、そういう時代、そういう社会があった、今でもそうだと思いますが、そのことをボクは思い浮かべます。
 たとえば、 ​2021年​ に亡くなった 中山ラビ 「私ってこんな」 というアルバムで歌っている 「十三円五十銭」 の響きと共に想起するのです。関東大震災の東京であれ、パレスチナであれ、そこで生きている人たちには 「ことば」の響き こそが疑いを生み出す 歴史的現実 があることを、ここで、 ゴンティソーロ 「記号論」 といっていますが、この 記号論 の向うには 「国家」の本質が浮かびあがってくる はずであることを、たとえば批評家の 柄谷行人 が一連の近代文学批評で論じていたような気もします。
 ともあれ、 1980年 代から 2000年 にかけてのルポルタージュが伝える 「場所」の記憶 が、 2024年の今 読んで、まったく古びないままだという悲惨について
​「やっぱり、わからない。もう、知らない。」​
といって目を背けようとする老人の肩を、もう一度叩いてくれる本でした。関心を失ってはダメですね(笑)。
 最後に、まあ、とりあえず、作家の紹介です。
 フアン・ゴイティソーロJuan Goytisolo Gay
 1931年、バルセローナに生まれる。フランコ体制下での創作活動の限界から1956年にパリに移住。パリとマラケシュを往来しながら文筆活動を続けていたが2017年78歳で亡くなった。小説には『フィエスタス』(1956)、『アイデンティティーの証明』(1966)、『戦いの後の光景』(1982)、『マルクス家の系譜』(1993)、『包囲の包囲』(1995)、評論集『サラセン年代記』(1981)など。1985年、エウロパリア賞、1993年、ネリー・ザックス賞を受けた。


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最終更新日  2025.01.06 11:32:59
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