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WiiUの『レゴ ムービー ザ・ゲーム』を始めました。一昨年の9月にやった『レゴシティ アンダーカバー』が面白かったので期待して買いました。発売が2014年11月6日、買ったのが年末。ちょっと積んじゃってましたね。その間なにやってたかって、モンハン4G。それはともかく。見ていませんが映画があって、それを元に作られたゲームです。ストーリーモードとフリープレイモードがあります。エリアが4つ(ブロックシティ、西部の町、雲の上の楽園、オフィスタワー)あって、そこに付属するストーリーが16話。ストーリーモードで1回ストーリーをクリアすると、フリープレイモードが解放されそのストーリーは自由に遊べるようになります。アンダーカバーでは主人公が変装を手に入れると、それにより出来ることが変化し、あっちこっちの仕掛けを解いていくと仕組みでしたが、ムービー ザ・ゲームは仲間が増えていき、動かす人をチェンジすることで仕掛けを解いていきます。初期段階では仲間がそろっておらず、解けない仕掛けが多いので、とりあえずストーリーをエンディングまで見て、必要な仲間を手に入れてからじっくり探索する作戦にしました。ほとんど寄り道せずにストーリーを解いていったら…ボリュームあまりない感じ?9/23に始めて、9/27にはエンディング。しかも戦い方が限定されていて、やらされている感が強い。さらには、アンダーカバーに比べると、ずいぶんと操作性が悪くなっている。アンダーカバーもバグが多かったですけど、今回は操作キャラが隙間にひっかかって動けなくなるとか、仲間が邪魔で動けない内にスタッズが消えるとか、かなりある。ハッキング時のミニゲーム(パックマン)、移動速度が速くなったり遅くなったりでやりにくい。しかも、落ち着きなくしゃべるキャラ達がうるさいし、映画見てないせいか、アメリカンジョークなのか、何を言っているのか意味不明で面白くないし。我慢してストーリーをクリアした、という印象でした。ようやく、フリープレイモードへ突入。まずはブロックシティの街中の探索から。キャラの中にスーパーマンとワンダーウーマンがいて、この人達は空を飛べるのが超便利。もっぱらワンダーウーマンでプレイしています。楽しかったのは、ミセス・ネコスキーに頼まれた迷子の猫探し。街中に隠れている5匹の猫を見つけ出して、ネコスキーの所まで連れて行けばOK。この探索が発生していると、出会ったネコが自分についてきてくれるのが可愛い♪次はブロックシティに付属のストーリーで、フラットブッシュ渓谷。ここはゴールドマニュアルを手に入れるのに苦労しました。最初は高所からの落下で、その途中にスタッズ(お金)でできたリングをくぐるんだけど特定のリングの中心にゴールドマニュアルがある。その先の坂をずっと滑り降りる途中にも。落ちながらの一発勝負なので、失敗しては頭からやり直しで時間かかりました。フリープレイを始めて、ようやく楽しくなってきた感じ。先がまだまだ長いので頑張ります。
2015.09.27
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2015年03月 光文社より出版社の営業部員・馬締光也は、言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれた。新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まる。定年間近のベテラン編集者。日本語研究に人生を捧げる老学者。辞書作りに情熱を持ち始める同僚たち。そして馬締がついに出会った運命の女性。不器用な人々の思いが胸を打つ本屋大賞受賞作!(裏表紙 紹介文より)玄武書房の辞書出版部を舞台に、『大渡海』という新しい辞書の出版に携わる人々の話。主人公は馬締(まじめ)という言語オタクというか、辞書マニアというか、言語一筋で他にあまり興味が向かず、周囲からは変人と思われている青年。でも、読んでいく内に馬締だけが主人公なのではなく、部内の関わる人々それぞれを主人公として描いた作品なのではないかと感じました。編集部で長年勤めてきたが、定年を迎えて外部手伝いという形で辞書作りに参加し続ける荒木。元大学教授で、荒木と共に辞書作りに半生を捧げた松本先生。チャラい印象で言語センスはイマイチ、広告宣伝部への異動がきっかけで自分がどれほど『大渡海』の出版に最後まで参加したかったかを知る西岡。誰もが辞書の編纂に情熱を傾けている様子が、じわじわと染みてくるような感動を与えてくれます。遂に出版にこぎ着けて、お披露目パーティーの時には思わず涙ぐみました。世間から愛される良い辞書を出版できると、会社の屋台骨は20年は持つのだそうです。企画から13年かけて出版された『大渡海』は、きっとそういう辞書になったのだろうと思いました。余談ですが、広辞苑が中型辞典と書かれていて、あの分厚い広辞苑って中型なんだ、じゃあ大型って?と思いました。そうしたら、全20巻というすごい辞典があるらしい。知らなくてびっくりでした。
2015.09.18
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2007年02月 偕成社より2011年06月 新潮社より文庫化ロタとカンバルが動いた!北の諸国のうねりを背に、品詞の故国へ帰還するチャグムに父との対決の時が迫る。緒戦の犠牲となったタンダの行方を必死に探し求めるバルサ。大地が揺れ、天変地異が起こるとき、金の鳥が空を舞い、地を這う人々の群れは、ひたすらに生きのびようとする。十年あまりの時をかけて紡ぎ出された大河物語の最終章『天と地の守り人』三部作、ついに完結!(裏表紙 紹介文より)ついにクライマックス!展開が早く、先が気になって電車乗り過ごしましたよ。(^^;以下、粗筋と感想になります。ネタバレに注意。タルシュ軍と遂に開戦。徴兵されて緒戦に参加していたタンダは重傷を負う。マーサの店がある四路街は、タルシュ軍の侵攻に備えた新ヨゴ皇国軍から食料を強制的に徴収された上に、タルシュ軍がそこで物資調達ができないようにと火をかけられ街全体が炎上。市民達はロタを目指して避難を開始。途中でロタ・カンバル連合軍を率いたチャグムと出会う。チャグムは、ロタのイーハン王子に避難民の受け入れを依頼する文書と資金を渡し、「そなたらが故郷に帰れる日は必ずくる。それまで耐えてくれ」と言い残し、市民の歓声に送られて行軍を再開。もう、すっかり王の風格です。そして、ロタ・カンバル連合軍はタルシュ軍と激突。タルシュ軍に包囲されそうになった味方を救うため、チャグムは「仲間達を包み込ませるな!志あらば、我に続け!」と叫んで戦場に飛び出していく。続いて一気に動き始めた連合軍は勝利をおさめます。他国の兵を死地に向かわせ、背後で守られていたくないというチャグムの心意気はりっぱだけど、一軍の将としてはこれはダメだなあ。将の仕事は最後まで討たれずに指示を出し続けること。将が死んだら、勝てる戦も負けてしまうこともあるんだし。まだ若いし経験もないから仕方ないけど。その頃、バルサはタンダを探して緒戦の地へ。片手の先が壊死して死にかけているタンダを見つけます。バルサがタンダの手を切り落とし、タンダは一命を取り留める。でも手が…。(T_T)ヨゴノ宮で国を救う方法を探して悩んでいたシュガは、陸軍将軍・ラドウの弟であるカリョウと共に、タルシュに内通。都を焼かない代わりに、帝を暗殺し無抵抗でタルシュ軍を受け入れ、タルシュの枝国となる道を選択。トロガイから青弓川が氾濫することを教えられ、民の避難のため、帝の暗殺を早める決意をする。そこへチャグムが連合軍を率いて帰還。現在の状況と青弓川が反乱することを告げる。帝は「そなたは、そなたの道を行くがい。わたしは扇の上に残る」と答える。チャグムがやろうとすることは止めない。でも、自分は他国の穢れとは関わらない、天の神が望んだ清らかな姿を最後まで貫く。「わたしと、そなた。天の神はいずれか正しき者に光をもたらすだろう」2人は生き方が違うんですね。帝は生まれた時から清浄なる天の神の子として生きてきた。チャグムは、 自分は地を行く。地にまみれ、死臭を纏い、迷いながら見つけた道を、歩んでいく。と、帝に別れを告げるのです。帝は嫌いだけど、この人はこういう生き方しか教えられず、こういう生き方しかできず、最後まで見苦しく足掻くこともなくその生き方を選ぶんだなと思いました。感動まではしなかったけど、ちょっと見方は変わりました。都へタルシュ軍が侵攻。ロタ・カンバル連合軍は、青弓川が氾濫する地域を選んでタルシュ軍を誘い込み、タルシュ軍をほぼ壊滅させます。これによりタルシュとは停戦。これから和睦交渉です。チャグムは帝となり、この難しい状況に対応しています。都を再建設し、他国との外交をしながらタルシュと和睦交渉。都では噂が流れ、タルシュとの戦いで新ヨゴ皇国軍が敗れようとした時に、空から光が射し、輝く天の道をチャグム皇太子が大軍を率いて降りてきてタルシュ軍を追い払った、と。国民達が、チャグムは天の神の子だからと、噂を信じているのが悲しい。でもチャグムは、今は国民の心の支えとして必要だからと噂を受け入れて、いつか、国も国民も神や誰かに責任を全部預けて頼りきりになるのではなく、それぞれが応分の責任を負って生きていける国となるといい、と考えるのです。美しい国の姿で、難しいけれど、理想を掲げて目指すことは大事。さて、長いシリーズですが、あっという間に読んでしまった気がします。上橋菜穂子さんの話は、舞台がファンタジーと言いつつもリアリティのある国で都合のいい魔法とか一切ないので、面白いけど読み続けるのはしんどい。フィクションには娯楽とハッピーエンドを求める私にとっては。いずれ獣の奏者シリーズも読んでみようと思っていますが、しばらく休みます。楽しかったです。
2015.09.11
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2008年11月 偕成社より2011年06月 新潮社より文庫化再び共に旅することになったバルサとチャグム。かつてバルサに守られて生き延びた幼い少年は、苦難の中で、まぶしい脱皮を遂げていく。バルサの故郷カンバルの、美しくも厳しい自然。すでに王国の奥深くを蝕んでいた陰謀。そして、草兵として、最前線に駆り出されてしまったタンダが気づく異変の前兆…。迫り来る危難のなか、道を切り拓こうとする彼らの運命は。狂瀾怒濤の第二部。(裏表紙 紹介文より)以下、粗筋と感想になります。ネタバレに注意。バルサとチャグムはロタからカンバルへ山越えをします。その途中で、山越えの商人一家を護衛している護衛士(用心棒)仲間のゴルに会う。山賊がいるのでゴルを手伝う形で、バルサは山賊と戦います。その時に、ホイ(捨て荷)というものの存在をチャグムは知る。襲ってきた盗賊をある程度叩きのめし、盗賊が「この獲物は強そうだ。やめようかな。でも、このまま引くのもなんだし」と迷った時に、わざと荷物を落として逃げるのだそうです。すると盗賊の頭は、少ないながらも成果はあったし、手下への面子も立つしでやめる方向に気持ちが傾き、それ以上は追ってこなくなる、というもの。クマと出会ったら、荷物をそっと地面において後ろ向きにゆっくり遠ざかる、というのを思い出しました。うん、ちょっと違うか。その商人はホイを捨てるのを嫌がったのですが、チャグムは荷物の綱を切って落とし、バルサの馬を引いていってバルサと共に戦闘からの脱出に成功する。盗賊から完全に逃げ切ってから、商人がチャグムに文句を言うのですが、バルサはその分のお金を払おうとするチャグムを止め、商人に「あなたの命と家族の命がそれで助かったと思えば納得できませんかね」と諭す。その後、ロタとカンバルの国境あたりで、2人はタルシュの刺客に襲われます。バルサは傷を負い、チャグムも死にかけたところへカシャル達が駆けつけて2人は助けられます。カシャルはイーハンからの文書を持っていて、2人を守るよう命じられていました。文書の内容は、カンバル王へ宛てて、ロタは同盟を受けるつもりがあること、チャグム皇太子が同盟の仲立ちをしてくれることに感謝している旨が書かれています。チャグムは自分が必要とされる人材であることを知り、同盟が成功した場合には新ヨゴ皇国もその同盟に加えて欲しいと依頼する。頑張っています、チャグム。チャグムはバルサから、イーハンがタルハマヤの力があれば…と思っていると聞きます。「そんな力を欲しいかい?」と聞かれ、チャグムは「それがあれば楽だろうと思う。でも、そんな力を振るったあとの光景を見るのは、自分はいやだ」と答える。本当にえらい、チャグム。バルサとチャグムはカンバルの王城へ行く前に、カンバル人の内通者を警戒して先にカーム・ムサの館を訪ねることに。でも、スーアン大領主の館でチャグムが出会ったカンバル人はカームでした。そんなことじゃないかと思った。2人は捕らえられ、地下室に閉じ込めれます。そこへカームがやってきて、カンバルが既にロタ南部領主と同盟を組んでタルシュの枝国になることで、カンバル王も承知していると話す。この話の中でカームが、ロタ南部領主が南翼のハザール王子の軍に後押しされていると思い込んでいることが明らかになります。本当はハザール王子に軍を動かす権限はない。それを知るチャグムが真実を話そうとすると、そこへ南翼の刺客が飛び込んできて妨害。3人とも殺されかけるのですが、危ないところをカシャルの治療師・チカリに助けられる。この人はねずみに魂を乗せて室内に入り込んでいたんですが、バルサが縛られている縄をかみ切っていてくれたのです。そうとは知らずにチャグムは、そのねずみを刺客に向かって蹴り飛ばしちゃう。まあ、おかげで刺客の注意が逸れてバルサは助かるんですけども。チカリ、いい人なのにさんざんです。(^^;これがきっかけでカームは真実を知ることになり、カンバル王へ、ロタ南部領主達との同盟を取りやめて、ロタ王と同盟を結ぶよう進言。もちろん、ロタからの同盟の仲立ちの使者はチャグム。しかし気が小さく自信がないカンバル王は、一度決定した同盟を取りやめたら家臣達に馬鹿にされるのではないかと決断ができない。そこで、チャグムが「伏してお願い申し上げる」とカンバル王の前に膝を折ったところ、カンバル王がロタ王との同盟を決意するのです。チャグムはずっと願ってきた同盟がやっとかなったことで、ほっとするのですが、「膝をついた」という事実に、自分で思ったより誇りが傷ついてしまい、ふさぎ込む。するとバルサが「みごとなホイだったね」と。神の子孫である誇り高き新ヨゴ皇国の皇太子が、カンバル王に頭を下げたからカンバル王はそれを聞き入れてやったのだ、とカンバル王の面目を守ったがゆえの同盟。チャグムも少し慰められたようです。牧童達に呼び出されて、カンバル王と王の槍達とともに、チャグムとバルサは王城地下の山の王の広間に入ります。そこはナユグと重なっていて、ナユグではすっかり水の底。牧童達から、ナユグの春で水かさが増し、大河を渡って南からやってきたナユグの民達が番っているために、その影響で地割れが発生している。その地割れに、暖かさで増えた雪解け水が流れ込み、雪崩が頻発。恐ろしいのは山の王の婚礼で、どれほどの災害が起こるかわからないと告げられます。カンバルのいくつかの地区では民の避難が必要、新ヨゴ皇国の光扇京も大きな被害があると教えられる。こうして、バルサは一足先に新ヨゴ皇国へ向かい、チャグムはカンバル軍を率いてロタへと向かいます。
2015.09.08
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幕張のホテルニューオターニのラウンジでハワイアンビュッフェがあったので家族と行ってきました。量を食べられないのでビュッフェは元を取れないことがほとんどであまり行きませんが、嫌いではありません。ビュッフェテーブルに食べ物がたくさん並んでいる様子を見るのは楽しいし、どれを食べようかなと少しずつお皿に取るのも好き。15:00スタートで、16:30まで。時間が短くて、私達は食べるのが早くないので、急ぎめの進行です。だからビュッフェテーブルの写真もなし。席はこんな感じ。木の植えられた小さな中庭に面した席で、景色自体はさほど楽しいわけではないですが、明るくて開放感のある席です。まずは食事から。サラダは一般的な野菜の中に青パパイアが入っていたり、ハワイアンドレッシングがあったりというのがそれっぽい。右のお皿は ココナッツシーフードグラタン エッグベネディクト リゾットの固め焼き レモン風味 ガーリックシュリンプ モチコチキン 揚げ物(アメリカンドックみたいな感じ)その場で作ってくれるロコモコ丼ローストビーフ オニオンリング、マッシュポテト添えメガバーガーとラップサンド(ナンプラーと柑橘の香り)焼きそばカレー ココナッツトッピングまだパンとかロールライスとかヌードルがありましたが、もうこれ以上は無理なのでデザートへ移行。フルーツ(グレープフルーツとオレンジとパイナップル)フルーツタルトハウピアパイレモンタルトニューオータニ特製パンケーキ ドライラズベリー、ドライブルーベリー、ココナッツ メープルシロップ、生クリーム、スイートバターアーモンドストロベリープリンメロンゼリーハワイアンカップケーキタロイモシフォンブルーベリーチーズタルトアサイーゼリーパイナップルパウンドケーキドラゴンフルーツヨーグルト ドライフルーツ(ラズベリー、ブルーベリー、レーズン、バナナ)添えフルーツカクテルパンケーキ 生クリーム、ドライラズベリー、ドライブルーベリー メープルシロップがけ 生クリーム、マカダミンナッツ チョコレートソースがけ飲み物はアイスティー、アイスコーヒー、ミント水、簡単なジュース類、ホット類はティーパックで紅茶、レモングラス、カモミール、アップルテイーなどをドリンクバーから。ミント水が飲みやすくて美味しかったです。人手が少なくて、基本放置です。食べ終わったお皿を寄せておくと下げてくれるくらい。でも、何か話したりする時は、笑顔で感じのいい対応です。薬を飲みたいから水をくださいとお願いしたら、わざわざ白湯にしてくれたり、ビュッフェテーブルでメガバーガーを取っていたら、通りすがりに近くに置いてあったオススメソースを教えてくれたりとか、親切です。ホテル全体、施設がやや古いらしくて、会場となっているラウンジも地味な印象。ビュッフェテーブルのレイアウトも派手さはなく、食べるための実用的な感じですが、ハワイ料理は好きなので、とても楽しかったです。BGMはずっとハワイアンでしたし。料理もスイーツも手を付けられなかったものが結構あって、少し残念でしたが、苦しいくらいお腹いっぱいになりました。楽しかったです。(^^)
2015.09.05
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2007年11月 偕成社より2011年06月 新潮社より文庫化大海原に身を投じたチャグム皇子を探して欲しい-----密かな依頼を受けてバルサはかすかな手掛かりを追ってチャグムを探す困難な旅へと乗り出していく。刻一刻と迫るタルシュ帝国による侵略の波、ロタ王国の内側に潜む陰謀の影。そして、ゆるやかに巡り来る異界のナユグの春。懸命に探索を続けるバルサは、チャグムを見つけることができるのか……。大河物語最終章三部作、いよいよ開幕!(裏表紙 紹介文より)タルシュの侵攻が本格的になり、国同士のかけひきが複雑になってくる話です。チャグムとバルサはようやく再開。壮大な世界の物語は、どう決着したらあれこれ納得がいって、主人公達が不幸でなく終われるのかとドキドキです。以下、粗筋と感想になります。ネタバレに注意。海に飛び込んだチャグムは無事に最寄りの島に泳ぎ着き、そこからラッシャローの家船に乗せてもらってロタ王国南部のツーラム港にたどり着きます。ツーラムの大領主・スーアンの館を訪ねますが、スーアンを含むロタ南部の領主達は既にタルシュに取り込まれており、軟禁状態に置かれます。ロタ南部を取り込んだのは、タルシュの長男・ハザール王子の『南翼』。ラウル王子(北翼)が北の大陸で軍を動かす優先権を得ているため、王位継承に不利なハザール王子は、計略でロタを手に入れようとしているのです。現在のロタはヨーサム王が病に倒れ、王弟・イーハンが代理を務めている。ロタの南北の対立につけ込んで、タルシュ軍が南部に味方すると思わせて南部の領主達に王位を取らせ、そのまま交渉でロタを枝国にする作戦。実際には、北の大陸で軍を動かす権利を持っているのはラウル王子なので、イーハンには軍を動かすことはできません。ラウルとハザールは親しいわけでもなく、互いに王位を奪い取りたいと思っているのでツーラムには北翼・南翼ぞぞれの密偵、南部領主の動きを押さえたいロタ王に仕えるカシャル達が入り乱れて暗躍しています。そんな所へ、ジンからチャグムの状況を知らされて救援を依頼されたバルサがチャグムを探して飛び込んでいく。情報を集めている途中で、南翼の密偵に痺れ薬を盛られ、あわやと言うときに助け出してくれたのがヒュウゴでした。ヒュウゴはタルシュの宰相になりたい。そのためにラウル王子に王位に就いて欲しい。ハザール王子が戦わずしてロタを手に入れてしまったら、王位はハザール王子に決まってしまうので、なんとしても阻止したい。また、ヒュウゴはタルシュの政策の限界についてもバルサに話します。タルシュは次々と隣国を征服し、その国の兵士を取り込んで巨大化するわけですが、巨大化した国・軍を維持するために、さらに次の国を征服する必要がある。しかし、そうやって全ての国を征服してしまったら、タルシュは国を維持する術がなくなってしまうわけです。タルシュは早くそこに気付いて、別の政策を見いださなければならない。でも目の前に『北の大陸』というおいしい果実があったら、ラウルは莫大な戦費をかけても「あれを手に入れてから」と考えてしまうので、思い直させたいと考えている。個人的にチャグムに肩入れしているのも事実ですが、そういう事情があっていろいろとチャグムに好意的&協力的だったのですね。ヒュウゴの隠れ家がカシャル達に知られ、カシャルの襲撃を受けます。痺れ薬の影響で身体がきかないバルサをヒュウゴが連れて逃げ、そのために怪我を負い、2人は協力して小舟で川を下って逃げる。バルサの身体が回復した頃、小舟がカシャルに発見され、動けないヒュウゴをかばってバルサは川岸に飛び降り、一人でカシャルの郷へ向かう。カシャルの郷でバルサは、チャグムがスーアンの館から自力で脱出したところをカシャルに助けられ、護衛を受けながらロタ王国のイーハンの元へと向かったと知らされます。護衛がシハナ。シハナは能力が高いので、カシャル達にこのまま埋もれてしまうには惜しいと思われていてイーハンに忠実に仕えるのなら自分達に害はないと、好意的に迎え入れられています。でも、何かやらかしそうで信用できないなあ、シハナは。もう自分の出る幕ではない、と新ヨゴ皇国へ帰ろうとするバルサ。しかし、ヒュウゴからの秘密の文で、南翼の暗殺者がチャグムを狙っていることを知る。スーアンの館で、チャグムはカンバルの王の槍の1人に出会ってしまっているのです。チャグムからカンバルに、南翼には軍を動かす力がないという情報が渡ると困るのでその阻止のため手練れの暗殺者が派遣されたのです。バルサはチャグムを追いかけてカンバルへ。カンバルでイーハンに会いますが、イーハンが新ヨゴ皇国との同盟を断ったためチャグムがカンバルへ向かったと知らされます。カンバルへ向かう道中は、カンバル兵士2人だけが護衛。刺客に狙われたら大ピンチ。イーハンがバルサに「もしもあの時、神の力を手に入れていたら、タルシュを恐れることはなかったと考えてしまう」と言うのです。人間って弱いよね。間近に残虐な神の力を見たのに、あの神の力を許してしまったらタルシュ云々の前にロタ王国は存在しえなかったかもしれないのに、それでも「もしも」と考えてしまう。バルサは「ロタとカンバルの同盟なら受けるか?」とイーハンに尋ねる。これはヒュウゴの助言です。イーハンは「カンバルなら受ける」と約束し、その答えを持ってバルサはチャグムの後を追います。カンバルに向かう途上で、バルサは、刺客に襲われて命を落としかけているチャグムをあわやというところで助け、ようやく2人が合流。もうチャグムの方が背が高い。皇太子としての責務から逃げ出してもいいんだよと言うバルサに、チャグムは「これはおれの責務ではなく、夢だから」と答える。頑張ってます、チャグム。2人でカンバルを目指そうというところで、次巻へ続きます。一方でタンダが大変なことになっています。タンダは新ヨゴ皇国から徴兵を受けた弟の身代わりで、徴兵に応じて草兵となって戦場へ向かうのです。そこで、北の大陸全体に関わる天変地異の先触れを知る。ナユグの影響で暖かくなってきた北の大地。山々の根雪が溶けたら大洪水が起きてしまう。戦と自然災害の両方の危機が新ヨゴ皇国に迫ります。
2015.09.02
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