若いってすばらしい
作詞:安井かずみ 作曲:宮川泰
あなたに笑いかけたら
そよ風がかえってくる
だからひとりでもさびしくない
若いってすばらしい
あなたに声をかけたら
歌声がかえってくる
だから涙さえすぐにかわく
若いってすばらしい
夢は両手にいっぱい
恋もしたいの
やさしい気持ちになるの
ああ誰かが私を呼んでいる
あなたがいつか言ってた
誰にでも明日がある
だからあの青い空を見るの
若いってすばらしい
3月17日は、安井かずみ(愛称:ZUZU)の命日でした。
1994年なので、もう19年前になります。
夫の加藤和彦(2009年歿)とのカップルは、ジョン・レノンとオノ・ヨーコを髣髴させる、未来系の洗練された夫婦スタイルを演出していました。
数多 あります。
さらにアニメソングで一番好きな『宇宙少年ソラン』まで安井かずみ作品でした。
まさに僕の青春歌謡時代は、安井かずみによって作られていたようなものです。
そして何かを取り上げなければと考えた時、ラブソング以外で記憶に残っている作品はないかと探してみたらこの曲に到達しました。
作詞家としてのスタートは、岩谷時子と同じく洋楽の訳詩が始まりでした。
デビュー作は坂本九の『GIブルース』(ペンネーム:みナみカズみ)・・・♪故郷を離れてはるばるGIさ~
元歌はエルビス・プレスリーです。
その他訳詩には、『ドナドナ』や『オーシャンゼリゼ』『アイドルを探せ』・・・多数。
『若いってすばらしい』は昭和41年の作で、前年の40年に『おしゃべりな真珠(歌:伊東ゆかり)』でレコード大賞作詞賞を受賞した翌年です。
レコード大賞となれば、ベテランのステータスのようですが、当時はまだ26歳のピチピチギャル(そんな言葉はまだなかった)、本人も自分の将来が4000曲も残す大作詞家であるなどとは夢にも思っていない時でした。
この時代に海外旅行など夢の話でしたが、世界旅行をして有名人と交流を結びます。
この時知り合ったアダモに『雪が降る』の訳詩を頼まれます。
42年にローマで青年実業家と結婚、翌年ニューヨークで離婚、以後パリで過ごします。
46年日本に帰国、この辛い経験を糧として、本格的な作詞活動が始まります。
アイドルスターの曲も多く手がけますが、商業的作品に留まらない、男女の情感が鮮やかに描かれていました。
その中で47年、沢田研二と仕事をするようになり(3枚目のシングル『あなただけでいい』)、ふたりは接近していきます。
日本歌謡大賞の『危険なふたり(48年)』はZUZUとジュリーの実話でありました。
『若いってすばらしい』を歌ったのは槇みちる。
画像は「なつかしの~」の録画でかなり年齢を経ていますが、当時はバリバリのアイドルでした。
45年に引退をしますが、その後はスタジオ・ミュージシャンとして活動を続け、3000曲のCMソングや、その後あふれ出る数々のアイドルスターのコーラスを担当しています。
確かにアイドルとしては地味ですが、歌唱力は優れているので正しい選択だったでしょう。
アイドルは歌がうまいとダメと言うのが業界のセオリーなんだそうで。
作曲の宮川泰は、ザ・ピーナツの育ての親と呼ばれるほど、『ふりむかないで』『恋のバカンス』『ウナ・セラ・ディ東京』『銀色の道』など多数手がけていました。
その他、園まり『逢いたくて逢いたくて』、伊東ゆかり『青空のゆくえ』、沢田研二『君を乗せて』・・・。
変わったところで『宇宙戦艦ヤマト』のシリーズ。
その中で、宮川泰が自作の中で一番気に入っているといっていたのが『若いってすばらしい』でした。
この突き抜けるような明るさと、未来への希望を持った曲は、この時代の多くの若者に夢を与えたでしょう。
この曲といい、前回の青春シリーズの歌といい、世の中は若者の夢と情熱がいっぱい膨らんでいました。
それは同時に日本の夢と情熱を語ることでもありました。
この時の日本の若者とは、紛れもなく"団塊の世代(堺屋太一命名による昭和22~26年生まれの人々)"と呼ばれる、戦後のベビーブーマーのことです。
安井かずみは14年生まれで、岩谷時子にいたっては大正生まれですので、自らの青春時代を謳歌したものではありません。
まさしくこれからの時代を切り開く、若者達のまぶしさを描いたものでした。
安井かずみがまぶしく見えたのは、沢田研二(23年生まれ)であり、加藤和彦(22年生まれ)でした。
日本は彼らの歌声とともに成長し、発展し、熟成して行きました。
団塊の世代が65歳を超え、70歳を迎えようとする今、日本の輝きは薄れ、たそがれの時を迎えようとしています。
半周遅れで彼らの後姿を追っていた僕ら世代は、常に憧れと嫉妬を抱えて見ていました。
まもなく僕ら世代の人生も、たそがれの闇に包まれる時が来ます。
まばゆい青春時代、沸き立つ朱夏時代、智に至る白秋時代。
そして、なすがままの玄冬時代を迎えるのです。
しかしその時が来ても、嘆かず、うろたえず、淡々と受け入れ、新しい光の導きを待つことにしたいものです。
そして、こんな詩もー
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