《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

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2020年06月19日
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日本の場合は『緊急事態宣言』という、法の縛りのほぼない要請だったが、他国は『都市封鎖(ロックダウン)』という、法の強制力を持つ強硬な政策を発動した。

日本だっていろいろ自粛をしたじゃないかと思うかもしれないが、『都市封鎖』を行うと次なようなことになる。

・住民の外出制限
・生活必需品販売店以外の営業停止
・公共交通機関や空港、高速道路の閉鎖
・キーワーカー以外の出勤禁止

都市封鎖令に違反すれば罰金を取られるし、禁錮もされる。
フィリピンではドゥテルテ大統領が、移動制限など政府の政策に抗議した場合、射殺を含めた強硬措置をとる意向を表明し、実際に射殺された違反者もいた。

各国必死に感染拡大を防ぐ方策を苦心する中、はっきり『都市封鎖をしない政策』をとった国もあった。

特筆すべきはスウェーデンとブラジルだ。
両国は同じ反都市封鎖策をとったが、主旨がちょっと違う。
ブラジルは国民の不安を無視して、経済対策を主眼において『都市封鎖』を拒否した。
(他にもアフリカのタンザニアの大統領も「神に祈れ、経済を回せ」と都市封鎖を拒否している。)

今回はスウェーデンについて述べる。

スウェーデンは北欧のバルト半島に位置し、人口約1000万人、GDP・5560億ドル(世界23位)で、よく東京都(人口1300万人、DNP約1兆ドル)と比べられる。

思いつく有名人は、ABBA、ビヨン・ボルグ、ドルフ・ラングレン、イングリッド・バーグマン・・・。

僕らの年代の若いころは、フリーSEXの国として、わけもわからずスウェーデンに憧れていた。
第1次・第2次大戦では中立を守り、国王のいる立憲君主制であり超福祉国家であり、ノーベル財団も運営するという、なにやら常に正しい国というイメージだ。

僕の印象は、「スウェーデンはいつも正しい」

そのスウェーデンが、先進国には珍しく『都市封鎖』をしなかった。
それも、ブラジルやタンザニアの変わった大統領の強権によるものではなく、国民が納得した上の政策として。
しかもその理由が、経済重視のためではなく、『集団免疫』を獲得する目的だったのだ。

『集団免疫』とは多くの人がワクチン接種や自然感染によって免疫を付けることでウイルスを封じ込め、新たな感染を防ぐ考え方。
集団の多くが感染すれば、感染者の体内につくられた抗体や細胞性免疫が病原体を抑え込むため、感染が広がりにくくなる。
ただし、免疫が広く獲得されるまでに多くの重篤な患者が出て、医療崩壊や社会機能のまひを招きかねない。

もちろんスウェーデンもそこは理解していて、万全の策を持って迎え撃つ態勢であった。
にもかかわらず・・・。

スウェーデンの新型コロナ対策の指揮を執ったのは、スウェーデン公衆衛生局に勤務するアンデシュ・テグネル氏だ。
テグネル氏は、WHOでエボラ出血熱や、炭疽症、天然痘などの感染症の対策の活動をしていた、公衆衛生の専門家だ。

スウェーデンは法的な罰則を伴う『都市封鎖』を実施しないどころか、店舗の休業や学校の休校、外出禁止も行わない。

それは国民を信頼し、行動制約を最小限にとどめ、国民の理性的な行動に新型コロナウイルス感染症への対応を委ねているからである。

ところが、「いつもと変わりなく人生が流れている」というスウェーデンの対応は、世界中から激しい罵詈雑言の集中砲火を浴びた。

「スウェーデンは他の惑星にあるのか。国民に簡単な指示を与えるだけで新型コロナウイルス感染症を撲滅できると信じている!」などの表現を使って、ヨーロッパの主要メディアが困惑や驚きよりも軽蔑と怒りを爆発させていると伝えられる。

しかし、都市封鎖否定論者には希望の国であった。

僕も「薄ーく罹って、いつの間にか免疫が付いているのが一番いい」という考え方だったので、スウェーデンの挑戦を支持している。

世界が同じ問題に対し、同じ対策の手法を取ったら、それが正しかったかどうかが検証できない。
初めてのことには、いろいろな試みがあってよい。
スウェーデンの勇気に対し、エールを贈って見守っていた。




そして現在、公衆衛生局のデータによれば、感染者数は6月14日の時点で5万人を超え、死者数も4874人に達している。

隣国のノルウェーが感染者8309人・死亡者数235人、フィンランドが感染者6537人・死亡者数306人、デンマークが感染者11428人死亡者数561人と桁が違う。

亡くなった人の9割が70歳以上で、その半数は高齢者施設に集中している。


感染者数は検査の数によって左右されるので、不顕性感染者の多いこの病気には、あまり重要でない。
しかし、死亡者の多さは問題がある。

ただ、スウェーデンの場合、もともと80歳以上の高齢者に対し、集中治療室などの延命措置は取らないことになっていたらしい。
それは保険料のことなどいろいろな理由があるだろうが、確かに80歳以上の医療費は無駄に思える。
いずれ日本もこの方針に寄っていくだろう。

ただ今回の新型コロナウイルスは、80歳代以上の患者が急激に悪化するという特徴があったことで、数字に表れてしまった。

ただし、80歳以上が感染すれば死に至るのは、インフルエンザや肺炎球菌も同じで、助かる可能性は低い。

テグネル氏はラジオ局のインタビューに「もし、今と同じだけの知識を手に同じ病気と遭遇したとしたら、スウェーデンと他の国々の中間の対策を取っただろうと思う」と答えている。
もしかして、日本を意識しての答え?

日本は『都市封鎖』は行わなかったけど(憲法の縛りで出来ない)、人の接触を8割減らすという目標で自粛要請をした。
結果、医療崩壊を免れ、死亡者数も1000人を切っている。

テグネル氏の目にはさぞかし羨ましく映っているだろう。

それで、肝心の『集団免疫』の方はどうかというと、こちらも芳しい数字が上がってこない。
テグネル氏は同じインタビューで、集団免疫形成への進展は「驚くほど遅い。なぜそうなのか、説明は難しい」と述べた。

スウェーデン民間企業のウィーアーラブスが過去6週間にストックホルム地方の5万人を検査し分析したところ、新型コロナ感染症(COVID19)の抗体を持っていたのは14%程度にとどまった。
今月発表された調査によると、イタリアで感染被害が特に大きかったベルガモでは、抗体保有率が57%に上ったにもかかわらず。


スウェーデンのマグダレナ・アンデション財務相は、「われわれが新型ウイルス対策の方針を決めた時、経済対策については考慮しなかった」と語っていた。
集団免疫策は経済的損失のことは考えていないとしながらも、普通に考えて経済を守る意味はあったのだろうと思う。
しかし、他国と比べてGDPの落ち込みに差はなかった。

欧州委員会の予測では、スウェーデン経済は前年比6.1%減(ドイツは6.5%減、ユーロ圏は7.7%減)となっている。
スウェーデン経済の急減速は、輸出がGDPの約50%を占めるという貿易依存度の高さによるものだと説明できる。
グローバル化が進んで、EUの中で1国だけ違う道というわけにはいかないのだろう。

それどころか、他国は往来を復活させつつある中、スウェーデンだけは認められないという、逆鎖国状態が生まれつつある。
他国民がやってきても集団免疫があれば怖くないという発想が逆転し、他国から来訪を拒否されてしまった。

『集団免疫』は『第2波』に備えたものである。
国民の半分に集団免疫があれば、もう広がらない。
スウェーデンはそこを目指したが、いまだ道遠し。

医療崩壊を起こしたイタリアやイギリスは40%ぐらい免疫ができているというから、どっちが勝ったかは微妙な状況だ。
秋以降に訪れる『第2波』襲来で結果がわかるだろう。
『第2波』があればの話だが。

ただこういうことも考えられる。
新型コロナウイルスは、体が常に抗体を備えなければならないような危険なウイルスではなく、やってきたら交番のおまわりさんでも対処できるような軽微なウイルスであるということ。
いちいち抗体を備蓄していたらきりがないから、弱いウイルスはほっとけということかもしれない。

そもそもRNA型ウイルスはやたら変異するので、抗体を準備しても意味がないのだ。
それは毎年ワクチンを打っても効果がない、インフルエンザが証明している。





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最終更新日  2021年04月03日 06時57分21秒
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