生活日記

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2004年05月21日
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  「信長の末商(まつえい)」相模原にいた

 天下統一を目指し、志半ばで命を絶たれた織田信長(一五三四~~八二年)。
 いつの時代も人を引き付けてやまない戦国武将の血を引く男性が、相模原市内に住んでいると聞いた。
 でも尾張国(今の愛知県)で勢力を拡大、近江国(今の滋賀県)に城を築いた信長は、関東、とりわけ神奈川県とは縁が薄いはず。
 なぜ相模原に? 話を聞くと、血縁が判明するまで六十三年かかった彼乱の人生があった。

   この人は同市南台一、織田信成(のぶしげ)さん(82)。 マンションを訪ねると、緑色のシャツに短パン、サンダル履きで登場し「駐車場、空けておいたから、止めてくださいよ」。小柄で普通の、優しいおじいちゃんだ。
 信成さんは系図を見せなが説明する。信長の家督を継いだ二男の信雄(のぶかつ)の子孫にあたるんです。
 また私の祖父は、安土城内にある織田家の菩提寺「そう見寺(そうけんじ)」の、織田家から出た最後の住職・宗敦(そうとん)です」。
 血縁については系図と滋賀県安土城郭調査研究所の見解=別稿=を見てほしい。


 誇らしげに語る姿から、「信長の末裔」として、肩で風を切って生きてきたんだろう… と思いきや、違った。

 聞いてみると、由緒ある家系とは無縁の人生を歩んだという。
 信成さんは一九二一(大正十)年、樺太(サハリン)で生まれた。名家が樺太に渡った理由を、こう推察する。
「祖父の宗敦は、明治維新の廃藩置県で安土山を丸ごと没収された。悔しかったんだろう。父は当時、実入りがよかった漁業で一旗揚げ、織田家の再興を狙ったんだと思う」

  63歳で知った「安土の100坪」

 だがその後、父は妻と不仲になり幼い信成さんを樺太に置いて安土へ戻った。
 間もなく母も他界。
 信成さんは物心付かぬころから、血のつながらない“両親”に育てられた。

 「自分がどんな家系か、知る由もなかった」
終戦後は二年間、ソ連に抑留されたのち里親の郷里・青森県に渡った。樺太時代に知り合いから習った納豆・こうじ作りで生計を立てた。
織田信長系図織田信長の子孫


 「安土城跡の自転車道を拡張するので、お宅の敷地の木を切りたい」
 「何のことですか」。自分が安土城跡内にある百坪の土地の所有者だ、と聞かされる。
 安土へ赴いて調べると、実の父は一九四五年に病死。
 没収された安土山は後に一部、個人に返却され織田家の土地として継承されていた。
 そう見寺にある信長の墓は実父の死後、信成さんの親族が名目上、引き継いでいた。

 「そりゃあ、驚いたよ」。

   それから二十年。交友関係は広がり、先月十日には甲府市の武田神社を訪問。
 戦国時代に敵対した武田家の宗家の男性と初めて会い、互いの家系の発展を祈念し合った。
 そして六月、信長の首塚があるとされる静岡県芝川町に引っ越す。血縁を守りながら、静かに余生を過ごすという。
 そうそう、激動の人生に圧倒され、肝心なことを聞くのを忘れていた。相模原に来たのは一体?
 「あっ、それはね。長男の嫁が勤めていた会社の寮があったから。三〇年ぐらい前に引っ越してきて。ここでは、その寮の管理人をしていた」驚いた。理由が単純だからじゃない。
 かつての戦国領主が、時を超えて“寮主”をしていたから!


  だれを「宗家」とする
  安土城郭調査研究所の話
 織田家は信長の2何信雄の家系が代々、家督を継いでいた。でも、明治維新期の混乱が原因で、現在、どの家系を宗家とするのか、家系の消息がどうなっているか、はっきりしない。
 家督がどんな形で引き継がれたか不明だけに今日、だれを宗家と見るかは断言できない。
 ただ、信成さんが安土山に所有する土地の権利は確か。血のつながりは間違いないだろう。






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最終更新日  2004年05月21日 20時47分14秒
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