2005年10月04日
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カテゴリ: OPERA
第2幕

罪を押し付けられそうになったレポレッロは怒っている。もうお暇を頂きたいと言っている。おそらく真剣にドン・ジョヴァンニは困っている。
いくら言っても、彼は行ってしまった。
「レポレッロ!!」
返事はない。
ドン・ジョヴァンニは怒りを爆発させ、自分の剣をがっちゃんと投げ捨てる。マントを荒々しく叩きつける。
「何ですか?」
レポレッロがようやく返事を返した。
おそらく必死のドン・ジョヴァンニ。

実際には紙幣を4枚渡した。
つまり買収ですね。
レポレッロはあつかましく手を出してさらに2枚まきあげる。レポレッロもそうとうワルですな。
『戻ってもいいけど、条件がありますよ。」
「なんだ?」
「女をやめてください。」
ドン・ジョヴァンニ天を見上げて大笑する。
「あっははははは!」
初めて笑ったぞ。
「ばか、俺にとって女は空気みたいなもんさ。」
空気を吸い込むドン・ジョヴァンニ。


「シニョーレ、また何をたくらんでるんですか」
「いいからさ」
2人、下手に退場する。
エルヴィラが窓に現れ、歌う。
服を替えて戻ってきた二人。

恋の歌を歌いながら、こっそり大笑いしているドン・ジョヴァンニ。寝転んで身をよじっておもしろがっている。そしていきなり大声を出して二人を走り去らせる。
自分はゆうゆうとエルヴィラの女中を誘惑する歌を歌い始める。
マンドリンのソロに乗せて、ものすごく甘い恋の歌を歌うドン・ジョヴァンニ。でもそれは彼にとってゲーム。それがわかる歌い方をしている。つまりマックスでうたっていない。彼は愛を歌うが、歌に愛はこもっていない。それがわかる彼の芝居なので、逆にすごい。感情を込めないで歌う芝居をしているわけですよ。わかるかなあ~。

ところがそこに怒りに燃えるマゼットと、その仲間達が銃を手にやってくる。
「ドン・ジョヴァンニの野郎、ぶっ殺してやる!」
ドン・ジョヴァンニは見つかってしまうが、自分はレポレッロだと言い張る。ここが非常にサイモンの芝居のうまさが出て面白かったシーン。彼は仲間達を追い払おうと二手に分かれろと命令する。レポレッロのショルダーバッグをかけていて、その中に例の仕込み杖がさしてある。それをそのままに、ぐるぐると回るもんだから、仕込み杖が飛んでいった。
ドン・ジョヴァンニは慌てて拾うと自分の袖口でその特徴的な握りを隠す。そしてまたバッグにおさめる。これはアクシデントじゃありません。芝居です。そうやって回りを怖がらせて厄介払いする。そして、
「マゼット君はここに残りたまえ。」
そうしてマゼットを滅多打ちにする。
銃で背中を銃でどつき、足で蹴って、片足を取ってぐるぐる回して、のしかかって殴りつける。そして脱兎のごとく逃げ出した。
マゼットは
「あい~」と情けない声を出している。駆けつけるツェルリーナ。
甘えまくるマゼット。「ここも痛いの~」
「ここ?」
「大事なとこが無事でよかったわ♪」
ここからツェルリーナのピンクシーンというのか何と言うのか、なんとも微笑ましい歌が歌われる。
「いいお薬をあげるわ…」
このお薬とは「あたしの胸を触らしてあげるわ」ということなのよ。
幸せな二人。

一方人々に追われる、レポレッロとエルヴィラ。ついに見つかってしまう。ドンナ・エルヴィラはレポレッロがドン・ジョヴァンニだと思い込んでいるので必死でかばう。
「私の夫なの、助けてやって!」
でもレポレッロは正体を自らばらす。
一同、ドン・ジョヴァンニは許せないと歌う。
脱兎のごとく逃げ出すレポレッロ。

墓場。
ここからがすごくなる。

ドン・ジョヴァンニはある墓の上で寝転がる。
「まだ12時前だ。まだ女はくどけるな。」
「あいつらはどうしたかな?エルヴィラとレポレッロ!」
そこへレポレッロ。
レポレッロは怒っている。
「おい、ここへ座れよ。」
墓にもたれかかって座る。
「今俺をお前と思い込んでる女を誘惑してたんだ、」と大笑い。
レポレッロ憮然。
ドン・ジョヴァンニはレポレッロに膝枕してもたれかかる。
大笑いしていると、
「その笑いが続くのも夜明けまでだ!!」
と怖ろしい声が響く。
そこはドン・ジョヴァンニが殺した騎士長の墓の前だった。
ドン・ジョヴァンニは怖れず墓から墓に飛び乗る。
「おもしろい。おい、レポレッロ、こいつを晩餐に呼べ!」
レポレッロは脅えてまともにしゃべれない。
「おい、ちゃんと言わないとお前を先に殺すぞ!」
そこで剣を突きつける。ここでサイモンが剣を落としてしまう。(アクシデント)
しかし、さすが、慌てず、すぐに拾うようなことはしない。鞘の方を、じりじりとレポレッロに突きつけながら、もう一方の剣を拾った。

ドン・ジョヴァンニはレポレッロに業を煮やして、自分で「晩餐に来い!」と招待する。ドン・ジョヴァンニは騎士長の墓の上を歩き回り、ミイラのような気持ち悪い銅像の回りをひらひらジャンプする。
レポレッロは恐怖で叫ぶ「銅像がうなずいたぞ!」
(実際は動いていない。)
ドン・ジョヴァンニはびっくりして思わず墓から落ちてしまう。
しかし平然と銅像の頭にキスする余裕を見せる。
二人は銅像の前を逃げるように去る。

ドン・ジョヴァンニの屋敷。
こっからますますすごい。
ドン・ジョヴァンニが完全に切れている。普通だとこうではない。このシーンの演出はすごい。
長い晩餐のテーブルにただ一人、ドン・ジョヴァンニ。楽団に演奏させ、自分は晩餐を食う。(ほんとに食ってる!)

まずスープ。レポレッロが皿についだものを飲み、スープ鍋に入っているものを自分で皿に注いで、今度はそれをざーっとまた鍋に戻して、鍋ごと飲む! もうだいぶこのへんでおかしい。

レポレッロはお腹がすいているのでこっそりチキンをいただく。(ほんとに食ってる!)

ドン・ジョヴァンニはからかってやろうとしている。
楽団がいろんな当時流行っていたオペラを演奏しているが、曲が「フィガロの結婚」に変わった。
レポレッロ「これは有名な曲だな~」
笑。(モーツァルトのジョウクです)
ドン・ジョヴァンニ「おい、口笛を吹け」
できません」
「コゼ?(なぜ?)」
「食べてるからです。あんまり料理長の腕がいいので。」
「食べてるからです。あんまり料理長の腕がいいので。」
彼の発言をまねして繰り返すドン・ジョヴァンニ。
この節は「フィガロの結婚」にのせて歌われる。

いやー普通だとおもしろいシーンなんだけど。
怖すぎ!

次の瞬間、ドン・ジョヴァンニは大皿に載った食材をレポレッロに投げつける。大騒ぎ。半ばふざけて、半ば切れて。怖すぎ。

そこへエルヴィラ。飛んで火にいる夏の虫。
ドン・ジョヴァンニはエルヴィラをさんざん馬鹿にしてコケにしていじめまくる。すごい!
ちょっと~演出行き過ぎと言われてもおかしくないくらい。
「食事してるんだ、今、食事しよう!」と食べ物を投げつけて、おまけにワインを頭からかける。半分おかしくなっている発狂寸前のドン・ジョヴァンニ。そうかあ。騎士長の亡霊に取り殺されるんじゃなくて、自ら狂って死ぬってことなんだ! そういう演出。

そして出て行ったエルヴィラの悲鳴
ギャーッ!
やってきた。騎士長が。
ゾンビ。肋骨がはみ出して、顔は半分がいこつ。くわばらくわばら。
「ほんとに来たのか。おいレポレッロ、食事をもう1名分用意しろ!」
レポレッロは舞台の一番端で震えている。
「我々は地上の食物はいらないんだ。」
「お前は俺の晩餐に来るか?」
「ダメですよ!行くって言っちゃ!」
「俺は卑怯者じゃない。行くとも!」
テーブルにすがりついて、恐怖と苦しみで悶えながら叫ぶドン・ジョヴァンニ。
騎士長は彼の手をねじ上げる。
「悔い改めよ!」
「いやだ!」
「悔い改めよ!」
「いやだ!」
うしろの壁が真っ赤になってどくろの天使が現れる。死の鎌を持っている。
騎士長はあきらめて去っていく。
床に倒れて苦しんでいるドン・ジョヴァンニ。
巨大などくろの鎌が振り下ろされた瞬間、
ものすごい悲鳴をあげてドン・ジョヴァンニが絶命する。
その悲鳴に重なるようすごい悲鳴でとりすがるレポレッロ。

ほかの人々が登場し、今後はどうしましょ~と歌う。
めっちゃ残酷。
皆は彼の屍骸を舞台のオケピとの境にあるしゃれこうべの墓場に投げ捨てる。ドン・ジョヴァンニはごろんとオケピに落ちる寸前まで転がった。口を開けて死んでいる。苦しかったのかな。

この最後の6人の歌唱だけはカットして欲しかったな。マクヴィカーさん。

暗転。

すぐに明るくなり、はだけたシャツの前のボタンをとめながらサイモンが一人で舞台中央に進み出る。
すかさずブーイング!
そして嵐のような拍手。
サイモンの表情は今までとまったく違う。
柔和な、穏やかな笑顔。
はじめて見せた素顔。
すっと素に戻りましたね。
お疲れ様でした。(あたしもな)









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最終更新日  2005年10月08日 18時26分19秒


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