2006年02月24日
XML
カテゴリ: BALLET
「マラーホフの贈り物」Aプロ 

Part1 の続き

第2部

1.「白鳥の湖」より第2幕
 振付:レフ・イワーノフ
 音楽:チャイコフスキー
ジュリー・ケント
 ジークフリート王子: ウラジーミル・マラーホフ

 ロットバルト:高岸直樹 
 四羽の小さい白鳥:高村順子 門西雅美 小出領子 長谷川智佳子
 三羽の白鳥:大島由賀子 奈良春夏 田中結子
 ほか東京バレエ団

 なんて贅沢なことでしょう。ケントとマラーホフのスワン・レイク、第2幕、コールド付とは! ここはMETかと錯覚してしまいます(しません)。


 第2幕の序曲。ハープの音と共に、オーボエが旋律を奏でる。情景。もう、これ聴くだけでへなへなへなとなります。理性がぶっ飛んでしまいます。
 森の向こうには光る夜の湖の湖面。音楽が劇的になると、舞台にはロットバルトが現れる。彼は森の支配者。森の闖入者に気づき隠れます。
 下手から王子が登場。弓を持っています。不思議な音楽が鳴り、オデットが上手から登場。歩いてきて最後にグランジュテ。
 王子は思わず弓を持ったまま彼女に近寄ります。彼女は怖がる。弓を置いた王子は彼女にどうしてこんな姿になったのか尋ねます。
 彼女はパントマイムで応えます。
「私は王女です。」
「王女さまですか」恭しく礼をする王子。
「悪魔の呪いによって白鳥の姿に変えられました」
「この呪いを解くには真実の愛を誓う男性が現れるしかありません。」
いろいろここはパントマイムしている。ジュリーはうまい!女優です~
ロットバルトが現れ、オデットはいなくなる。

下手から2組、上手から2組、小さい白鳥。
3組目の先頭はすてきな美人、吉川留衣さんです。
小さい白鳥が出てきたとき、わー小出さんだ~とうれしくなってしまう。
大きな白鳥は真ん中が大島さんでさすがに美しい踊りです。
オデットが現れる。王子とオデットのパドドゥ。甘いヴァイオリンのカデンツァにのせて二人の世界が語られる。ジュリー・ケントは美しく、すごくここは良かった。マラーホフも共鳴するように踊っている。すばらしいコンビネーションだ。

大きな白鳥。
オデットのソロ。
コーダ。白鳥達が入り乱れて踊る。
ずらりと並んだコールドの前を、王子はオデットをリフトしながら進む。頭上高く持ち上げて、オデットの頭が下向きになるリフト、2回。
二人が愛を確信しあってコーダが終了した時、またロットバルトが現れ、夜明けと共にオデットはまた呪いどおりに白鳥になり、彼から去っていってしまう。
了。

第3部

1.「白鳥の湖」より“黒鳥のパ・ド・ドゥ” 
 振付:マリウス・プティパ
 音楽:チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ
 アルテム・シュピレフスキー


 ポリーナちゃん、オディールになりきってます。目力が強くて、目線が強くて、なぜか、ホセ・ティラードのストレンジャーを連想してしまいました。王子を誘惑しはねつける。なかなかよかったです。ロホには演技では及びませんが…
 ポリーナちゃんは完璧です。ルシアもそうですが、絶対ミスをしません。

 アルテム君はうう~んまだまだでした。マチューの時もそうでしたが、プティパの白鳥、眠り、くるみなどの古典ではまったく基礎学力(基礎ダンス力)があらわになってしまいます。古典はいかにがんじがらめな踊りかということです。でもアルテム君は生まれついての王子様という雰囲気で、4回転ピルエットして4回転目にぐらついても、まあ大目に見てあげましょうという気になってしまいます。
 アルテム君、上手方向に足をパンパンと2回打ち鳴らすバットゥリー、下手でピルエット(だったかな)。
 ポリーナのソロ。すごい!!!
 最初アラベスクで回って、ピルエット2回転、その足をそのまま下に下ろさずに、またフェッテのようにアラベスクで回ってピルエットという繰り返し。超絶技巧です。
 コーダ。
 アルテム君。グランジュテ。にアントルラセ。飛びすぎ~というぐらいすごい迫力で飛んでいる。
 ポリーナ、2回転ピルエットの連続での移動。だったかな。
 ポリーナのフェッテは出だしは何回転で入ったか不覚にもアルテム君を見ていたためにわかりませんが、その後は前半はずっとダブルのピルエットでした。連続ダブルのフェッテです。スーパーな超絶技巧です。


2.「ライト・レイン」
 振付:ジェラルド・アルピノ(ジョフリーバレエ芸術監督)
 音楽:ダグ・アダムス
ルシア・ラカッラ
 シリル・ピエール


 これもすばらしかったです。インド風の音楽で、ひたすらエロチックな踊りを繰り広げますが、ルシア・ラカッラ、驚異的にすばらしいです。ゴム人間です。まったく信じられません。すごい作品です。衣装は全身白っぽいタイツ。

 明かりがつくと、中央で不思議な形で組んで、両手をひらひらひらと振っている。ラカッラ、足を前に大きくあげる。額に足がついている、これを繰り返す。
 後半、上体を大きく後ろに反らすポーズが多い。い、、イナバウアー?(笑)。アンビリーバブルなもっとすごい反り。

 ピエールが床に寝そべって、ルシアを地面と平行にリフトする。まるで空中に浮かんでいる。

 最後のポーズもすごすぎる。


3.「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
 振付:マリウス・プティパ
 音楽:ルートヴィヒ・ミンクス
マリーヤ・アレクサンドローワ


 セルゲイ・フィーリンのバジルを見るのは初めてでしょうか。短い黒い上着の裾を握って、粋なバジルらしさを出しています。
 彼は完璧です。
 最初のアダージョは華やかに、ゆっくりと、おごそかに踊ります。
 そしていよいよソロ・パート。
あいだに踊り子のダンスがはさまらないので、大柄なマリーヤと踊った直後のフィーリンは息があがっています。でも間をおかずに袖から出てきます。さすが。はぁはぁ息を吐いています。でも完璧に踊りました。
ザンレールの後、続けて足を180度前後に開く、その連続技を見せました。すごい!!

 マリーヤのソロ。エシャペでない、パッセヴァージョンですが、扇子の使い方が上手です。完璧でした。

 コーダのフィーリンのソロ、やっぱり息をついています。

 マリーヤのフェッテはものすごいスピード。最初ダブルで入ってあとはすべてシングルでしたが、スピードがすごくて迫力がありました。

 フィーリンのフェッテ。マリーヤはすごいスピードでシェネして下手へ。

 最後はリフトして下に落してポーズ。大拍手。

4.「ヴォヤージュ」 
 振付:レナート・ツァネラ
 音楽:モーツァルト ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K488 第2楽章
ウラジーミル・マラーホフ

 これに…しびれました。
 この作品はすごいです。映像では見てましたが… 彼の悲しみが、寂しさが、ダイレクトにびんびん伝わってきて、もう取り込まれました。これは人間の普遍的な感情です。これを最後に持ってきてくれて感謝したい。これが最高でした。最高のマラーホフを見ました。まったく彼は憑依しきっていました。踊り終わっても醒めていませんでした。それがカーテンコールを繰り返すうちにだんだん日常に戻っていくのです。
 やはり彼は踊るために生まれた。神が彼をこの世につかわしたのです。
 このダンス、また見たい…

 彼は旅人。多くのダンサーがそうであるように、世界を放浪する。その寂しさ。寂寥感。無常観。自分の故郷への憧憬。帰りたくても帰れない故郷。会いたくても会えない愛する人。
 手を振ってバイバイ…!と別れのあいさつ。笑顔で。でもその笑顔は凍りつき、その手を口にあてる。そしてその手を別の手でそっと押しやる。だめだめ… このモチーフが何回か繰り返される。
 下手へのグラン・ジュテが美しいこと。ビーーーンとしびれました。

5.フィナーレ
 全員

 超絶技巧を披露してくれてとても楽しいです!

 マラーホフのすばらしいグラン・ジュテ、グランジュテ、ジュテ・アントルラセ。あぁ神だ。そして極めつけの、ジャンプして上体をぐっと後ろに反らすもの。美しすぎる。空中で2段階上に上がった感じ。信じられない。もう会場の拍手が終わらない。

 ルシア、ピエール組のものすごいリフト。ルシアがグランジュテしてそのまま頭上高くリフトする。これにはどよめいた。

 アルテムとフィーリンが二人並んでフェッテ。

 ポリーナのフェッテ。

 マリーヤとフィーリンの揃ってのグランジュテ。マリーヤのグランジュテがやっと出ました。彼女は女性にしては驚異的にグランジュテが高いのです。見事。彼女は男性のソロパートも踊れると思います。(山岸先生の「テレプシコーラ」の空美ちゃんかい!)

 これらフィナーレは、回を繰り返すともっと揃ってもっとすごくなることでしょう。

 カーテンコール。気配りマラーホフさん、とても優しい。花束を最初はジュリーに、次はルシアに。おつかれさまでした。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年03月02日 21時00分50秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

サイド自由欄


YBGgi9BO.jpg


TENOR


小原啓楼


Ten.笛田博昭~2016
Ten.笛田博昭2017
公式サイト


小野弘晴(テノール)
UPCOMING


Ten.城宏憲 INDEX 2014~2017


Ten.又吉秀樹 INDEX
Ten.又吉秀樹2017


Ten.澤崎一了~2017
澤﨑一了2018~2019


Ten.小堀勇介2015
小堀勇介2016~2017
小堀勇介2018
小堀勇介2019


金山京介
2025


吉田連
UPCOMING
Ten.吉田連


Ten.前川健生


伊藤達人
UPCOMING
PAST


Ten.宮里直樹
UPCOMING
PAST
~2017
2018~2019


下村将太 テノール
2025

工藤和真
UPCOMING
PAST

BARITONE


青山貴
UPCOMING
2015


KS Tomohiro Takada, Bariton 概要
2024~2025


Bar.大沼徹
UPCOMING
2015~2016
2017
2024
His repertory 1


今井俊輔
UPCOMING


高橋洋介
UPCOMING
PAST


飯塚 学
UPCOMING


小林啓倫
UPCOMING2026
2024~
2012~2023


清水勇磨
UPCOMING


大西宇宙
UPCOMING


池内 響
UPCOMING
PAST


井出 壮志朗
UPCOMING
PAST


市川 宥一郎
UPCOMING
PAST


大塚博章
UPCOMING
Bs-Br大塚博章 2014-2015


Bs-Br狩野賢一2015


Bs河野鉄平


後藤春馬(バス・バリトン)
UPCOMING


水島正樹
UPCOMING

IL DEVU

HIGHLIGHT 2014
Francesco Meli Il Trovatore
Micheal Fabiano La traviata
Juan Diego Flórez IL BARBIERE DI SIVIGLIA
Tézier vs Kaufmann La forza del destino
OperadeLyonJapan tourHoffmann
Stefano Secco Madama Butterfly
Bryan Hymel Guillaume Tell
Dmitry Korchak I Puritani
Celso Albelo Lucia di Lammermoor
Teatrodell'OperadiRomaJapantour2014
Wolfgang Koch Arabella
Lawrence Brownlee I Puritani
Tomasz Konieczny Das Rheingold
Torsten Kerl Die tote Stadt


Best Opera 2025


Best Opera 2024


Best Opera 2023


Best Opera 2022


Best Opera 2021


Best Opera 2020


Best Opera 2019


Best Opera 2018 Index

Best Artists in Opera 2017

Best Opera 2017
Photo:©Shevaibra, courtesy of the artist

2016 Best Opera
表紙10.jpg
2015 Best Opera
2014 Best Opera
2013 Best Opera
2012 Best Opera
2011 Best Opera and Ballet
2010 Best Opera and Ballet
2009 Best Opera and Ballet
2008 Best Opera and Ballet
[BALLET]
2009

2008 Ballet Top 10 in Japan
2008 BALLET INDEX
What's New 2007
What's New 2006
Past Articles 2005
Past Articles 2004
Past Articles 2003


[OPERA]
Simon Keenlyside What is NEW ?

Robert Gambill
What's new
Biography

2008 Opera Top 10 in Japan
2007 Top 10
What is NEW ? 2006
What is NEW ? 2005


STAGE What is NEW ?

Second Top -Sheva's Sporting World

Football
[José Mourinho - Chelsea 2007 Index]
[José Mourinho - Chelsea 2006 Index]
What Mourinho said - 抱腹絶倒モウリーニョ語録
Last edited 1 Jul 2007

FOOTBALL What is NEW ?
2005

Tennis

2006
Roger Federer First time in JAPAN - AIG Japan Open INDEX


Cinema, Books brand new and privat


Cinema
2005年5月3日


音楽関係更新 Classical Music


BOOKS 2006
BOOKS 2004年  
1月31日 Books by Jeffery Deaver


LINKS
Theatre official
Bayerische Staatsoper
Bayreuther Festspiele
Lyric Opera of Chicago
MET
Royal Opera House
Salzburger Festspiele
Teatro alla Scala
Wienerstaatsoper
ZurichOperaHouse
New National Theatre,Tk
Tokyo Nikikai
Singers official
Takashi Aoyama
Aris Argiris
Johan Botha
Fabio Maria Capitanucci
Massimo Cavalletti
Markus Eiche
Alex Esposito
Burkhard Fritz
simonkeenlyside.info
Wolfgang Koch
Tomasz Konieczny
Zeljko Lucic
Alexey Markov
Tetsuya Mochizuki
Ryoichi Nakai
Evgeny Nikitin
Toru Onuma
Takashi Otsuki
René Pape
Detlef Roth
Andreas Schager
Jörg Schneider
Kasumi Shimizu
Yuri Vorobiev
Koji Yamashita
Kwangchul Youn
Operabase Artist
Orchestra
Berliner Philharmoniker
NHK Symphony Orchestr
Opera Fan Blog
Alex Vinogradov(Valenci
By The Thames(dognora
Cafe Klassiker H(Hiroto
猫の日記(camelstraycat
FOOD FOR SOUL(Sarda
東海岸-音楽、食(Kinox
Impression(娑羅)
In fernem Land(galahad
Intermezzo
ネコにオペラ(kametaro)
Opera Chic
OperaOperaOper(Madok
右舷日記(starboard)
taqkkawanamiさんのブログ
備忘録(euridice)
Ballet Fan Blog
きょんのバレエ日記(きょん)
Web Radio
Oe1 Programm
Bayern 4 Klassik
Deutschlandradio Kultur
NDR Kultur
RBB Kultur
BBC Opera on 3
RAI radio3
WFMT-Chicago
Sydney ABC
Radio New Zealand Conc
operacast

劇場座席数・残響時間
SITE MAP

Sheva's Blog( What people tweeted )

Since Apr 2003

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: