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このWeblogで既に何回も登場した北米原産シオンの1種は、どうやらもう駄目らしい。そこで、また新しいのを買ってきた。チョウやハチもやって来るが、一番出席率が良いのはハエの類である。種類の分からないハエが多くて困るが、分かるのもいる。ツマグロキンバエである。一昨年の秋に紹介済みなのだが、先日紹介したアメリカミズアブの所で書いた様に、このハエの眼にも縞模様がある。この縞模様は一体何なのか、ツマグロキンバエの複眼を超接写してみることにした。ツマグロキンバエ.体長約6mm翅の先端部が黒いので「ツマグロ」等倍接写の部分拡大(2008/09/28) いきなり眼だけを出しても全体像が分からないので、先ず普通の接写写真を掲げておく。体長は6mm前後、大きさは手頃だが、体に厚みがあるので、多少撮り難い相手である。 翅の先端が黒くなっているのが分かる。「ツマグロ」の所以である。体に艶があるので「キンバエ」と付いているが、汚物に集るキンバエとは関係ない。しかし、汚いキンバエも、このツマグロキンバエも同じクロバエ科に属す。横から見ると眼の模様が良く見える等倍接写の部分拡大(2008/09/28) 以前、ツマグロキンバエ(Stomorhina obsoleta)には近縁種が何種か居るのではないかと書いたが、九大の目録を見るとこの属は日本では1属1種である。他にコシアキツマグロキンバエ(Idiella sternalis)と言う種があるが、別属だし「コシアキ」と付くからにはかなり外見の異なるハエだと思われるので、写真のハエはツマグロキンバエとして良い様である。 複眼の縞模様が良く見える。体にも縞があるが、ずっと細かい。ツマグロキンバエの頭部.超接写の部分拡大本当は、複眼の手前の部分は少しボケている(2008/09/28) さて、これを超接写するなると、結構シンドイ。今まで掲載した超接写の写真は全て「据え物撮り」である。テーブルの上に被写体を置き、カメラは手持ちだが、椅子に座り肘をテーブルに載せて撮るのでかなり安定している。 しかし、今回は花の上を歩き回る虫を撮らなければならない。絞りを16に絞って(倍率を最大にした状態では実効F32)も被写界深度は0.5mm位、この範囲にハエの眼を入れなければならない。 更に、つい最近分かったことだが、この様な超接写をすると、F16に絞った場合、実際に焦点が合うのは、ファインダーで像がキチンと見える面よりも0.5mm位後になる。絞り開放(F2.8)で実験すると、殆どズレはないから、レンズが非球面でないことによる焦点移動らしい。 焦点は、絞り開放でファインダーで覗きながら、目視で合わせる。開放で0.5mm違うと完全にぼけた状態である。1.5mmもズレれば殆ど何だか識別できない。ソモソモ何処に焦点が合っているのか非常に分かり難いのだが(開放ではフレーアが出た様なボワーとした像になる)、その分かり難い焦点面から少し引いて、0.5mm前でシャッターを切らなければならない。これは、真っ暗な部屋で落とした十円玉を拾うより遙かに難しい(慣れると音で何処にあるかすぐ分かる)。撮った写真の9割5分以上は無駄写真であった。ツマグロキンバエの複眼.超接写の部分拡大(2008/09/28) このハエの複眼の幅(=頭部の幅)は2.1mm、原画の横幅は約12mmなので、何れも部分拡大である。 ストロボの光が直接当たった部分は、模様が不明瞭となり、ややこしい色を反射している。複眼の単位をなす個眼は小さいとは言え複雑な構造をしているので、何らかの構造色が出ているのかも知れない。 複眼にある模様は、正面のよりも、横面の方がハッキリしている。斜めに見た方が模様が分かり易いのか、或いは、ストロボの光が影響しているのかは良く分からない。上と同じ個体.角度が少し違うが眼の色は変わらない(2008/09/28) 少し横から撮った写真(上)と比較しても、大した変化は認められない。やはり複雑な色をしている。この程度の倍率だと、複眼の模様は個眼の中央にあるレンズの色ではなく、レンズの周りにある組織の色の違いにより生じている様に見える。 そこで、上の写真の片眼をピクセル等倍に拡大してみた(下)。上の写真の中央左側をピクセル等倍で表示.写真の横幅は約1.3mm(2008/09/28) 画面中央上の少し青みがかった部分を見ると、縞模様の色の濃い部分とそうで無い部分で、個眼のレンズの色にも多少の違いがある様に見える。しかし、カメラの方向に対して垂直に近い面(画面やや右下側)を見ると、レンズの部分の色には変化が少ない。 どうも、レンズ部分の色はストロボの光が個眼の中で複雑に反射した結果生じたもので、レンズ自体に色は付いていない様な気がする。そうであれば、複眼にどんな奇妙な模様があっても、見る方にとっては何の問題も無い訳である。 しかし、何となく解決した気にならない。推測に過ぎる。やはりこう言う問題は、ストロボで撮ったマクロ写真等ではなく、実体顕微鏡下で資料をためつすがめつし、更に必要であれば、より高度な手法を使って解決すべき問題だと言う気がする。 (なお、これは、専門家にとっては、当然解決済みの問題なのであろう。)
2008.09.30
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一昨年に紹介した北米産原産のシオンの1種は、毎年9月になると真っ白な花を無数に着けて我が家の秋の庭を飾っていた。株全体がかなり大きいので見映えも中々良く、虫集めに於いても非常に優秀だったのだが、昨年からどうも成長が思わしくない。アワダチソウグンバイが付く様になって、何かウイルス病でも移されたのかも知れない。 昨年は、2鉢ある内の1鉢だけはまァ何とかまともに咲いたが、今年はその1鉢もチョボチョボと成長の良くない花を少し着けているだけ、やって来る虫の数も少ない。しかし、昨日、その白い花の上に妙なものを見付けた。 初めは何だか分からなかった。ハリカメムシの若齢幼虫が何匹か絡まっている様な感じで、枯れ草の一部が何処からか飛んできて絡まっているのかと思った。しかし、それは良く見ると、トリバガ科の蛾が1頭、花に留まって吸蜜しているのであった。北米原産シオンの1種で吸蜜するブドウトリバ開張約15mm(2008/09/27) トリバガと言うのは、変な格好をしているし、飛び方もカガンボみたいな感じがするので、蛾とは思わない人が多いらしい。留まるときに翅を畳んでしまうと、翅が殆ど棒状になってしまうので、妙な格好になるのだが、御蔭で、翅の模様も良く分からなくなり、種類の識別が難しい。 しかし、この写真のトリバガはかなり特徴的な模様をしているので、例によって「みんなで作る日本産蛾類図鑑」で調べてみた(図鑑は展翅標本なので、生態写真とは見え方が全く違い、使えない)。個体変異の大きい種が多いが、ブドウトリバの中に、胴体も含めて掲載の蛾と全く同じ紋様を持つ写真を見付けた。ブドウトリバとして良いであろう。正面から見たブドウトリバ昼間吸蜜するとは昼行性らしい(2008/09/27) 幼虫の食草は、名前の示す通りブドウ、ノブドウ、エビヅル、ヤブガラシなどのブドウ科植物の花、蕾、幼果、或いは、葉とのこと。調べてみると、一応ブドウの害虫とされている様である。この辺りでは、ブドウを植えている御宅も無くはないが、まァ、ヤブガラシなら幾らでも生えているので、それを食べているのではないかと思われる。斜め横から見ると、後翅の後縁に長い細毛が並んでいるのが良く分かる(2008/09/27) トリバガ科の蛾は、前翅の先端が2つに分かれ、後翅は3本に分かれる。撮影しているときには気が付かなかったが、後翅は羽毛状でその後縁から細毛の様な長い羽毛が出ている。下に拡大写真を示した。 なお、以前紹介したアヤニジュウシトリバは、前翅が6本、後翅も6本に分かれ、左右で24本になるので、ニジュウシトリバの名がある。トリバガの近縁ではあるが、トリバガ科ではなくニジュウシトリバガ科に属す。翅の片側を拡大表示.細毛が良く見える.左下に巻いた口吻が見える(2008/09/27) このWeblogでは、写真の横幅を500ピクセルに統一している。この程度の大きさでは、この蛾のおもしろさは良く分からない。そこで、例外措置として、もう一つのWeblogの方にも同じ写真(+もう1枚)を掲載することにした。横幅400ピクセルの写真をクリックすると、別画面に横幅1024ピクセル(最後の写真だけは750ピクセル)で拡大表示されるので、些か迫力が違う。御興味のある向きはこちらをどうぞ。
2008.09.28
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最近、ニシキハギに付いていたキチョウの羽化が続いている。そのキチョウが羽化する時に、奇妙な光景に出会した。 枝の先端に近い所にあるキチョウの蛹に雄のキチョウがやって来て、その蛹に留まっているのである。しかも、2頭も。蛹から羽化するのを待つキチョウの雄(2008/09/21) 蛹をよく見ると、もう羽化直前である。昨年キチョウの羽化を観察したとき、背中に黒斑が明瞭に透けて見える様になってから約6時間後に羽化した。背中にある黒斑の見え方は、その後羽化するまで変化がなかったので、この蛹は多く見積もっても6時間以内に羽化すると考えられる(実際、その後40分以内に羽化した)。蛹は背中の黒斑が明確で、羽化直前であることが分かる(2008/09/21) その羽化直前の蛹の左右に、2頭の雄が仲良く?留まっている。 当然、考えられるのは、羽化待ち即交尾である。先に羽化した雄が羽化してくる雌の前で待っていて、雌が羽化したら直ぐに交尾すると言う図で、虫の種類は忘れたが、これまで何回か写真を見たことがある。 調べてみると、キチョウでも例があり、蛹に留まって待っているところと、その後交尾している写真とを並べているサイトもあった。左右対称に御行儀良く羽化を待つキチョウの雄(2008/09/21) しかし、羽化して来たのは黄色味の強い個体(下の写真)で、どうも雄の様である。上の写真との間には約45分のズレがある。雄と言う明確な証拠はないし(今思えばキチンと調べれば良かった)、その45分間の間に交尾した可能性もある。 しかし、時々雄の個体がやって来て周りを飛ぶが、どうも雌雄の仲と言う感じではない。また、交尾をする形勢もまるでない。羽化してきたキチョウ.黄色味が強く雄だと思われる直ぐ下に周りを飛ぶ個体がぼやけて写っている(2008/09/21) 雌が羽化して来るのを待っているのであれば、雌の蛹からフェロモンでも出ていて、それにつられて雄がやって来たと考えられる。しかし、雄が出て来るのを雌と間違えたとすると、一寸面倒なことになる。 雄の蛹も集合フェロモンの様なものを発散するのか、或いは、キチョウの成虫が自己の蛹の形を先天的に知っていて、目視で蛹を見付けてやって来たのか?? 何れにしても妙な話である。今後、同様の光景を見付けたら、シッカリ観察しようと思う。
2008.09.27
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双翅目が続くが、今日は前回とは違って「汚い」アブを紹介する。アメリカミズアブ、堆肥を作っていれば、必ずと言っても良い程その周りを飛び交っているアブである。 私が子供の頃のゴミ処理と言えば、庭の裏の方に一辺1.5m位の穴を掘って其処に生ゴミを棄て、一杯になれば埋めてまた別の所に穴を掘ったものである。何しろその頃は、酢や醤油等の液体は、瓶を持って買いに行く量り売りだったし、肉屋で豚肉百匁(375g:6人でたったこれだけ、それでも肉があれば大御馳走)買っても包むのは経木であった。当時は、まだプラスティックと言うものが普及していなかったのである。だから、紙くずなどの燃える物は風呂を沸かすときの焚き付けとして使い、燃えない物や燃やし難い物はこのゴミ溜めに棄ててしまうと、もう残るゴミは殆ど無かった。 その穴を掘っただけのゴミ溜めに行くと、必ずいたのがこのアブである(尤も、スイカの皮を棄てておくと、カブトムシが来ることもあったが・・・)。アメリカミズアブ.戦後進駐軍と共に入って来た外来種コウカアブにやや似るが、脚の白いのが目立つし触角が長い体長は15mm前後(2007/08/25) 当時は、もう1種汚いアブがいた。コウカアブである。コウカとは後架と書き、雪隠、憚り、御不浄、厠のことである。このアブもゴミ溜めの辺りに何時も飛んでいた。 しかし、コウカアブの方は圖鑑に載ってたが、もう一方の今日掲載しているアブは載っていなかった。何故、こんな普通種が載っていないのか、随分不思議に思ったものである。生ゴミや厠に集る汚いアブだが、身繕いはチャンとする(2007/08/25) その圖鑑に載っていない理由が分かったのは、かなり後になってからのことである。この汚いアブ、アメリカミズアブと呼ばれているそうで、戦後になって進駐軍と共に米国からやって来た新参者の外来種なのであった。私が子供の頃使っていた圖鑑は、叔父が学生の頃に使っていた戦前の圖鑑である。朝鮮や台湾の昆虫は載っていたが、戦後に入って来た外来種が載っている筈がない。眼に青い模様がある.昨年後から撮った写真(2007/08/25) 子供の頃、このアメリカミズアブの標本は作らなかった様に思う。汚い虫には触りたくなかったのであろう。御蔭で、つい最近まで、このアブの眼に奇妙な紋様のあることを知らなかった。 最近、世の中が清潔になり過ぎて、この20~30年コウカアブを見たことがない。アメリカミズアブも随分減ったが、この辺りの住宅地でも時々は見かける。昨年の夏、久しぶりに我が家にやって来たので何枚か撮ったのだが、その時、眼に青い紋様のあることを初めて知った。しかし、アブの後ろ姿しか撮れなかった。眼の模様は、やはり前から撮りたい。前から撮れたらこのWeblogに掲載しようと思った。アメリカミズアブの顔.アブにしては触角が長い(2008/09/24) 漸く撮れたのは、昨日である。しかし、非常に敏感なヤツで、真っ正面からは遂に撮れなかった。仕方なく、斜め前からの写真で我慢することにした。 眼の部分拡大を下に示す。アブやハエには眼に紋や斑を持つものがかなり居る。一昨年に紹介したツマグロキンバエやオオハナアブの眼にも模様がある。しかし、これ程派手な色をした模様は他に知らない。 それにしても、眼にこんな模様があったら、見るのに邪魔にならないのだろうか。一体何の為に眼に模様があるのか、人間は大いに訝るが、そう言う風に進化したのには、それなりの理由があるに違いない。但し、その理由は、人間の浅知恵では到底図り知ることの出来ない奥深い世界に属すものと思われる。上の写真の拡大.個眼の配列は模様とは無関係(2008/09/24) このアメリカミズアブが我が家に来たのは、例の虫寄せバナナと関係があるらしい。但し、目当てはバナナの果肉ではない様である。ベランダの片隅に、一寸した庭木の剪定や除草をしたとき等に枝葉を入れておくバケツが置いてあり、其処にバナナの皮を棄てておいた。これが腐敗してアメリカミズアブを呼んだらしい。昔、ゴミ溜めに集っていたのと同じ理屈である。
2008.09.25
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今日はハエの1種を紹介することにする。ツマホシケブカミバエ、体長は4mm程度、ミバエとしてはやや小さめである。 ミバエ科に属すハエの多くは翅に模様を持っている。先日紹介したミスジミバエの紋は極く一部にしかなく、良く見ないと気付かない程度だが、このツマホシケブカミバエの紋は明瞭である。ツマホシケブカミバエ.体長4mm程度(2008/09/14) 逆に紋のあるハエは、みなミバエ科に属すかと言うと、そんなことはない。その名も「縞蠅」のシマバエ科の他に、ヒロクチバエ科、ヤドリバエ科等にも紋様を持つハエがいる(先日、近くの緑地でヤドリバエ科で翅に黒色紋を持つEuthera tuckeri(和名なし)に酷似するハエを撮影したが、まだ掲載していない)。お尻の先端が飛び出ているのは雌(2008/09/14) 北隆館の圖鑑に拠れば、このツマホシケブカミバエ、キク科のヤクシソウ(薬師草)の蕾の中で成長するとのこと。この辺りでは、少なくとも最近は余り見かけない植物だと思うが、近縁種の蕾でも食べているのかも知れない。 このミバエを見るのは今回が初めてではない。毎年1~2度見かける。実は、去年も写真を撮ったのだが、うかうかしている間に時期遅れになってしまい、そのままお蔵入りになっていた。しかし、昨年撮ったのは5月中旬、今年は9月中旬、Internetで調べると、4月、6月、越冬中の成虫の写真もある。ヤクシソウが咲くのは夏から秋にかけてらしいから、やはり、他の植物も餌にしているに違いない。片方の翅を拡げて歩き回る(2008/09/14) このツマホシケブカミバエは奇妙な習性を持っている。翅を片方開いたまま、くるくると輪を描いて踊るのである。何時も同じで、ジッとしているのを見たことがない。 これは、明らかに求愛の動作ではない。求愛は雄のとる行動、写真の個体は何れもお尻の先が尖ってるから、みな雌なのである。 昆虫の「不可解な踊り」は、以前、トガリキジラミのところでも紹介した。何方の場合も、全く人間の理解を超えている、としか言い様がない。昨年の春に撮ったツマホシケブカミバエ.やはり片方の翅を開いている(2007/05/14) ・・・とうとう秋になってしまった。どうも夏が終わると一年が終わってしまった様な気になる。後は暗くて寒い冬が待っているだけ、としか思えない。 こう思うのは、夏という季節が好きなせいなのか、或いは、子供の頃の夏休みが終わったときの無念の思いが未だに尾を引いているのか、自分でも良く分からない。
2008.09.24
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最近、もう一つのWeblogの為に、1kmほど北にある世田谷区の家庭菜園に時々出かける。やはり、菜園は菜園、住宅地や草原では見かけない農業上の害虫が居る。その中で最も典型的な農業害虫だと思ったのが、ウリハムシである。ニガウリを除くウリ科作物には集っているが、その他の野菜には全く付いていない。かなり敏感なハムシなので、人が近づくと直ぐに飛んで別の作物に移ることがあるが、やがて本来のウリ科作物に戻る。 そのウリハムシが、何故か我が家の庭に現れ、一泊してまた何処かへ去っていった。ウリハムシ.色は違うが同属のクロウリハムシに体形はそっくり(2008/09/06) 同属のクロウリハムシや別属だが姿が似ているウリハムシモドキなどはかなり広範囲の植物を食べる。しかし、このウリハムシはウリ科専門の様である。我が家には、ウリ科植物は雑草を含めても1種も生えていない。何故やって来たのか知るよしもないが、まァ、生き物のすること、時として意外な行動を取ることもあるのだろう。ウリ科の大害虫だが、我が家にウリ科植物は無い腹が大きいので雌であろう(2008/09/06) 写真で見ると少し茶色っぽいが、肉眼では真っ赤に近く見える。ウリハムシモドキと較べるとずっと色鮮やかで、綺麗と言えば綺麗である。ハムシを前から見ると同じ様な顔をしているのが多い(2008/09/06) しかし、どうも我が家に現れるハムシは同じ様な形のものが多くて面白くない。ハムシ科には10以上の亜科があり、日本には700種以上が棲息するが、これまでに掲載したのは、ヒゲナガハムシ亜科(ウリハムシ、クロウリハムシ、ウリハムシモドキ)、ノミハムシ亜科(ルリマルノミハムシ、テントウノミハムシ)、クビボソハムシ亜科(キバラルリクビボソハムシ、キベリクビボソハムシ)の3亜科7種に過ぎない。ハムシ科の中にはトゲハムシ亜科、コブハムシ亜科(ムシクソハムシ)、カメノコハムシ亜科の様な変わった連中も居る。もう少し変わったハムシが現れないものであろうか。ハムシでもやはり斜め前からが一番写りがよい(2008/09/06) すっかりグチになってしまったが、無い物ねだりをしても仕方がない。その内、ハッとする様なハムシの現れることを期待して、地道に庭の偵察をするしかないであろう。
2008.09.21
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今日は一寸変わった虫を紹介する。一般にgrotesqueとされている虫で、こう言う虫を掲載すると、今後閲覧者が激減する可能性もある。 虫と言っても勿論昆虫ではない。コウガイビルの1種、今時の人は「郊外に建てられたビル」のことかと思うかも知れないが、漢字で書くと「笄蛭」、私自身は子供の頃「山蛭」との連想から「郊外に棲む蛭」の意味だと思っていた。 しかし、「ヒル」と付いても血を吸うヒルとは全く無縁である。血を吸うヒルは環形動物門に属し、まァ、言ってみればミミズやゴカイの親戚だが、コウガイビルはプラナリア、サナダムシ、吸虫類と同じ扁形動物門に属す。血を吸うヒルよりはずっと「下等」な生き物なのである。 ついでに「笄」とは、字引を引くと色々書いてあるが、私の記憶としては髪に挿す簪(かんざし)の様なもので、片側がイチョウの葉の形をしていた。祖母が使っていた鏡台の引き出しの中に入っていたのを憶えている。コウガイビルの頭部がこの笄のイチョウ型をしているので、笄蛭の名が付いたらしい。コウガイビルの1種.体長10cm程度最初の写真なので小さめに表示(2008/09/20) 御覧の通り「ケッタイ」な生き物である。体長は10cm程度。この辺り(東京都世田谷区西部)では、昔から居る真っ黒なクロイロコウガイビルと、最近目立つ様になった東南アジア(中国南部?)原産の外来種オオミスジコウガイビルをよく見かける。写真のコウガイビルは、クロイロコウガイビルかも知れないが、「日本産土壌動物」には「背面は一様な黒色、腹面は灰黒色で、体側縁は浅い鋸歯状である」と書かれているので、一致しない。「コウガイビルの1種」とした所以である。次は縦長にしてやや大きめに表示.前半は黄褐色、後半は黒色体の正中線に沿って細い筋が認められる(2008/09/20) 体の後半は黒いが、前半は黄褐色、体表の正中線に沿って細い筋が認められる。全身ヌメッとしており、特に目立つ器官も見当たらない。そこで、頭部を接写してみた。頭部と言っても、神経節の多少の固まり(頭神経節)が有るだけで、口はない。口は裏面の真ん中辺にあり、表側からは見えない。 コウガイビルはガラに似合わず?捕食性で、ナメクジやミミズ等を捕らえて食べる。口から咽頭を外に出して相手を包み込んでから呑み込むのだと思っていたが、消化液を体外に出して相手を溶かして吸う様なこともするらしい。コウガイビルの頭部.笄の形をしている(2008/09/20) 先端部には小さな黒点が散在している(下の写真)。これらは恐らく何らかの感覚細胞であろう。若い頃に勉強した「Integrated Priciples of Zoology」を引っ張り出してみると、プラナリアの場合、頭部の側面に味覚、臭覚、触覚に関する感覚細胞があり、この部分を除去すると、プラナリアは餌を探すことが出来なくなる、と書いてある。コウガイビルの場合は、プラナリアとは異なり眼点がないので、光を感じる細胞もこれらの中に含まれているものと思われる。頭部の拡大写真.先端近くに細かい黒点が沢山ある何らかの感覚細胞であろう(2008/09/20) この連中は、カタツムリやナメクジとは異なり、体表にある繊毛運動により移動すると言う。ガラス板の上を這わせても、波模様は見られないとのこと。しかし、その割にはかなりの速度で移動する。写真が著しい露出不足であったので、撮り直そうかと思ったが、もう、何処に行ったのか分かるはずもなかった。最初の写真の部分拡大.尾部に青色の部分が認められる著しい露出不足を増感で誤魔化しているので荒れが酷い(2008/09/20) 写真を見て驚いたのは、尾部に鮮やかな青色の部分があったことである。昆虫の場合とは違って、これは構造色(光の反射と干渉によって生ずる色)ではなく、実際の色であろう。このコウガイビル、中々の隠れた洒落者なのかも知れない。 なお、コウガイビルの属名Bipaliumで画像検索すると、外国産の様々なコウガイビルの写真を見ることが出来る。中には、横縞の入ったビックリする程の「美麗種」もある。興味のある御仁は検索され度。但し、「不気味」な種類の方がずっと多いので、その御積もりで。
2008.09.20
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今日は以前に予告していたハリカメムシの5齢(終齢)幼虫を紹介する。これは、もう1つのWeblogの方では、既に昨年秋に掲載したので、御覧になられた読者も居られるかも知れない。 5齢幼虫は、これまでに紹介した2齢や4齢とはかなり形が違っている。まず第1に横幅が相当広くなって、全体の形が丸味を帯びている。成虫はかなり細長い。4齢から5齢になると幅が増大し、羽化して成虫になるとまた細くなる訳である。ハリカメムシの5齢(終齢)幼虫.4齢までに比して棘が少ない(2008/09/02) また、体全体の棘がずっと少なくなる。腹部の棘が事実上、腹部背側の真ん中にある腹背盤上の2対だけになり、胸部や頭部の棘も消失する。しかし、軍配を連ねた様な触角の形は変わらない。4齢にはない逞しさ?が感じられる(2008/09/02) 色彩的にも変化がある。4齢までは腹部に緑色の部分があったのが消失して全体的に青みを帯びた灰~黒系の色合いに変わり、脚や触角は赤味を帯びて来る。また、頭部胸部は真っ黒に近かったのが、終齢ではかなり薄くなっている。棘は減っても触角の形は基本的に変わらない(2008/09/02) まァ、一言で言えば、「奇怪な虫」だったのが、終齢になって漸く普通の虫に近くなった、と言う感じである。「小学生の頃は天才、・・・大人になれば凡人」の昆虫版か? しかし、それでも、この終齢幼虫は普通の虫よりはずっと変わった形をしている。裏側から見た5齢幼虫.先日掲載したイヌタデの葉鞘が見える(2008/09/02) 5齢幼虫がこの様な色合いになるには、少し時間がかかる様である。勿論、脱皮直後は真っ白に近いが、その後、中々色が濃くならず、下の写真の様な状態がかなり長く続いた。丁度、雨模様の天気が続いた時だったので、日光が当たらないと色が濃くならないのかも知れない。脱皮後時間がかなり経ってもこんな色(2008/08/29) 最後に些か悪趣味な写真(下)を載せておく。5齢幼虫の腹部を後から撮ったものである。 幼虫は性的に成熟していない。だから、お尻の先は排泄口があるだけの極めて単純な構造をしている。しかし、この写真を出したのは、それだけを示すのが目的ではない。 腹部背側中央に、2本の棘を持つ大地状の盛り上がりが2つ見える。これを腹背盤と言う。その左右の側面に黒っぽい色をした横向きの穴が1対、全部で4個見える。これが臭線の開口部である。此処から、くさい(種によっては爽やかな)匂いを出す。終齢幼虫のお尻.臭線の開口部が見える(2008/08/15) 面白いことに、成虫の臭線は腹部ではなく、胸部の中脚と後脚との間に開口する。カメムシは不完全変態だから、この5齢幼虫は蛹を経ることなく脱皮して直接成虫になる。一皮剥いただけで、臭線の開口部が腹部から胸部へと移るのである。 恐らく、5齢幼虫の体内では既に胸部への通導が出来ており、老熟するにつれて胸部の開口部が形成され、腹部の開口部は閉鎖されるのだろう。不完全変態と言っても、成虫への変化は外部生殖器の形成と翅が伸びるだけではないのである。・・・当たり前か。
2008.09.19
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今日は何か植物を掲載したくなって、少し庭を探索してみた。昨日無かった植物が急に現れる筈はないのだが、雑草の合間に薄紫色の穂状の花を見付けた。葉っぱの付かない花序だけが、雑草の間から顔を出している。まだ咲き始めらしくて、咲いているのは花序の下の方だけ、写真に撮るには丁度良い。ツルボの花穂.ユリ科で地下に2~3cmの鱗茎を持つ(2008/09/17) この花、昔から庭で良く見る花である。我が家ばかりでなく、町から1kmくらい奥の方にある林の中でも良く見た記憶がある。だが、今までまるで興味を感じたことのない花で、名前も知らなければ、何処に植わっていたか、いつ頃咲くのか、まるで記憶にない。まァ、我が家の庭では、今咲いて所に植わっているのは確かだし、今咲いているのだから、今頃咲くのだろう。下の方から咲いて行く.花被片の外側には緑色の部分がある(2008/09/17) かなり生い茂った雑草の合間から咲いているので、葉っぱが見えない。ヤブ蚊に食われながら葉を探す気にもなれないが、記憶によれば、この花の葉はランの様な単子葉で、花茎に葉は付いていなかった筈である。 写真を撮ってから、植物図鑑の単子葉類編を取り出して調べる。花は放射相称だから、ラン科やアヤメ科ではない。ユリ科であろう・・・。直ぐにユリ科のツルボであることが判明した。花の直径は6~7mm.花被片、雄蕊共に6(2008/09/17) 拡大してみれば、中々綺麗な花である。花被片6に雄蕊6、子房は妙に膨らんでいる。図鑑には「子房に短毛の3縦列がある」と書かれているが、それもチャンと見える。 虫も少しは来るらしい。1枚目の写真にはコハナバチに似た小さなハチが写っている。丸い子房が目立つ.子房表面の短毛の3縦列が白く見える(2008/09/17) このところ、何故か妙に疲れが溜まっている。虫ネタもあるのだが、何となく植物を掲載したくなった。疲れると、植物が恋しくなるのだろうか?
2008.09.17
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今年はどうした訳かデュランタの咲き方が宜しくない。蕾は着いているのだが、花が充分に開かなかったり、蕾の儘落ちてしまうことが多い。肥料も水も例年と同じ様にやっているのだが・・・。当然、虫も余り吸蜜に来ない。 代わりに一昨年買ったキク科の雑草もどきが咲いている。植木鉢の分も入れて高さ30~40cmの小さな株ではあるが、流石はキク科の雑草、結構色々な虫達がやって来る。このキク科の雑草の鉢はベランダの椅子のすぐ前に置いてある。だから、一服しながら虫が来るのを待ち受ける格好と相成る。 昨日の夕方、何時もの如く椅子に座って一服していると、この菊の花に極く小さなハエがやって来た。橙色に近い綺麗な色をしている。Weblogのネタとして使えそうなので、早速テーブルの上に置いてあるカメラを掴んで撮影を始めた。花の高さがしゃがんで撮るのに丁度良いので、非常に撮り易い。ショウジョウバエ属の1種.体長約2.5mmキイロショウジョウバエかも知れない(2008/09/15) 体長は約2.5mm。肉眼では何だか分からなかったが、データをコムピュータに移してみると、どうやらショウジョウバエの1種らしい。しかし、その先が分からない。何しろ、日本産だけで300種近くもある。 画像を探して見ると、このショウジョウバエは遺伝学の実験に使われているので有名なキイロショウジョウバエによく似ていることが分かった。しかし、北大の「日本産ショウジョウバエデータベース」を見てみると、キイロショウジョウバエの属すショウジョウバエ属(Drosophila)の中に似た様な種類が幾つもある。このデータベースには種の記載は載っていないし、画像の解像度は余り高くないし、更に種類は多いしで、種を特定することなど到底不可能である。色はもう少し橙色だったと記憶しているが薄青い色を背景にすると色が変になることが多い(2008/09/15) 手元には、ショウジョウバエの分類に関する文献なんぞ、当然置いていない。だから、本当はショウジョウバエ属に属すのか否かも定かではない。しかし、外見はショウジョウバエ属のハエに非常によく似ている。そこで、此処では「ショウジョウバエ属の1種」として置くことにした。学術論文ではないから、まァ、良いでしょう・・・(本当は良くない!! ハエ類は外見はソックリでも、毛1本有るか無いかで属が異なる場合もあるのだ!!)。足場が良いとF16でも1~2発で決まる(2008/09/15) このショウジョウバエ、或いは、虫寄せに庭に置いてある発酵したバナナに引き寄せられてきたのかも知れない。発酵バナナには色々な虫がやって来る。ナメクジも含めて・・・。
2008.09.16
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今日は、虫に関して、我が家始まって以来の椿事がシュッタイした。何と、ミドリヒョウモンが現れたのである。 昨日は些か酒を過ごして起きたのは9時近く、何時もより3時間程遅く庭に出ると、茶色いヒョウモンチョウが産卵場所を探す雌の様な感じで庭の彼方此方を偵察している。この辺りで茶色いヒョウモンと言えば、ツマグロヒョウモンの雄に決まっている。しかし、昔取った杵柄、一瞬でツマグロヒョウモンの雄ではないことを察した。 ヒョウモン類の翅表の紋は互いに似たものが多い。だから、飛んでいるヒョウモンの種類を翅表から判別するのは難しい。初めは、翅の輪郭から何となくクモガタヒョウモンかと思ったが、留まったときに後翅の裏面が見えた。波模様になっている。ミドリヒョウモン以外に有り得ない。ヒメリンゴに留まったミドリヒョウモン後翅裏面の波模様が見える(2008/09/14) これは一大事である。生まれてこの方、この辺り(東京都世田谷区西部)でミドリヒョウモンなんぞ見たことがない。アカボシゴマダラと同じで、誰かが放蝶したのかと思った。 しかし、「東京都本土部昆虫目録」を見てみると、世田谷区でも多くのヒョウモン類が記録されており、特にミドリヒョウモンは都内で最も数多くの場所で記録されている。それでも「月刊むし」や「昆虫と自然」の記事になる位だから、やはり世田谷区では相当に珍しい蝶であることに変わりはない。横から葉裏を撮ろうとしたが、翅を閉じることなく逃げられた(2008/09/14) ミドリヒョウモンは、最南部を除く日本全国に分布する。だから、ツマグロヒョウモンの様な温暖化に伴う分布拡大とは関係ない。また、昔から都内に於ける採取の記録がポツポツとあるので、アカボシゴマダラの様な人為的な放蝶とも関係ないであろう。 この蝶は、暑さが苦手で盛夏には活動が見られなくなり、秋になって発生地から離れた耕作地や住宅地に現れることがあるという。我が家に現れたのも、屹度、この行動様式に拠るものであろう。 ただ、写真の個体は雌だし、産卵場所を探していた様な雰囲気だったので、何処かに卵を産んでいった可能性がある。ミドリヒョウモンの母さんが子供思いでないことは有名で、食草のスミレとはまるで関係のない場所、例えば、大きな木の樹幹とか壁、墓石、酷いのになると、洗濯物に産卵していった例もあると言う。卵を探すのは無理な様である。 幼虫はツマグロヒョウモンとよく似ている。しかし、背中の筋が赤ではなく、濃い黄色。ヒョウモンの幼虫を見付けたら、これからは背中の色に注意せねばならない。サツキに留まったミドリヒョウモン.前翅前縁が白っぽく前翅翅脈上に発香鱗条が見られないので雌である(2008/09/14) しかし、特徴的な波模様のある翅裏と、表からのキチンとした写真が撮れなかったのは、返すがえすも残念無念!! 珍種を採り(撮り)逃がした時の行動は、子供の頃と変わるところはない。何回も外に出ては、また来ていないか、ウロウロ庭を探し回る。今日一日は、仕事になりそうもない。
2008.09.14
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今日は一寸サボりである。写真1枚のみ。しかし、この1枚を撮っただけで逃げられてしまったのだから、まァ、仕方がない。 今日の朝、鉢植えのスミレに水をやっていたら、急にこの蛾が飛びだして来て、直ぐ近くの土の上に着陸した。半分寝ている様な感じで、身動きしない。枯れ草などがあって写真が撮れないので、一寸指を出して頭をつついてやったら、直ぐに指に這い上がってきた。これをサンザシの葉に移して撮ったのが下の写真。スジキリヨトウ.普通はこんなに黄色くない(2008/09/13) この手の蛾は夜行性である。ストロボを浴びたら余程ビックリしたのか、慌てて何処かへ飛んで行ってしまった。 さてこの蛾、種類は何か。ヤガの類であることは間違いない。しかし、何とも特徴の無い、曖昧模糊とした模様。図鑑を見ても該当するものがない。そこで、何時もの様に「みんなで作る日本産蛾類図鑑」の御世話になる。ヤガ科の中から、先ずタバコガ亜科を調べたが該当するもの無し。ツマキリヨトウ亜科も駄目。この2亜科は種類が少なく合計30種程度。しかし、ヨトウガ亜科は400種近くもある。頭から探して行って、漸くスジキリヨトウに落ち着いた。 スジキリヨトウは、全体の色調も斑紋も非常に変化に富んでおり、この個体が図鑑に載っているものと同じ種類とはとても思えない程見た感じに違いがある。特に、この様な黄色味を帯びた個体は少ない様である。 世間様の常識として、「ヨトウ」と名が付けば「悪いヤツ」と相場が決まっている。実際、イネ科の植物、特にシバ(芝)の害虫(幼虫)として著名な存在らしい。しかし、我が家に芝生は無いし、イネ科植物と言えば除草しなければならない雑草だけである。これを食べて枯らして貰えるならば大いに結構。スジキリヨトウも、我が家ではリッパな「益虫」と相成る。
2008.09.13
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先日、珍しい来客があった。トラマルハナバチである。この辺りには居ないものだとばかり思っていたので、種類を確認した時には少し驚いた。 メドーセージがお気に入りの様で、それ以外の花、例えばデュランタやキク類などには全く興味を示さなかった。聞くところに拠ると、トラマルハナバチは、ハチとしては口吻(中舌)の長いマルハナバチ類の中でも特に口吻が長いとのこと。長くなければ、あの細長いメドーセージの花に頭を突っ込んで吸蜜はできないだろう。メドーセージの花に留まったトラマルハナバチの働きバチコマルハナバチの雄に似るが、胸部は赤味を帯び、腹部は黒が基調(2008/09/05) しかし、幾らトラマルハナの口吻が長いとは言え、メドーセージの花も花としては相当細長い方に属す。下の写真の様に、殆ど頭が隠れる位に突っ込まないと吸蜜が出来ない様である。 写真と言うものは、虫と雖もやはり顔というか頭が写っていないと絵にならない。花に頭を突っ込むのも、其処から出て来るのも一瞬だから、写真を撮る方にとっては、シャッターを切る頃合いが難しい。花に頭を突っ込んで吸蜜するトラマルハナ(2008/09/05) 実を言うと、御恥ずかしい話だが、子供の頃からつい最近まで、コマルハナバチの雄のことをこのトラマルハナバチだと思い込んでいた。この誤解には色々な理由がある。弁解は別のWeblogでコマルハナバチの雄を掲載したときに済ませたので、此処では繰り返さない。 しかし、Internetで検索してみると、コマルハナの雄をこのトラマルハナと間違えている人は結構いる様で、「トラマルハナバチは刺さない」という様なことを書いているサイトが幾つかある。しかし、「日本の真社会性ハチ」という書籍に拠れば、トラマルハナバチはマルハナバチ属の中で最も攻撃性が強いとされている。「刺さないマルハナバチ」は、恐らくコマルハナバチの雄の間違いであろう。雄バチには針がないから、刺したくても刺すことが出来ない。花から出来てたところ.口吻が長い飛び散っているのは花粉(2008/09/05) トラマルハナバチが現れたのは、後にも先にもこれ1回きりである。マルハナバチはかなり遠くまで吸蜜に出かけるそうだが、一体何処に巣があるのだろうか。マルハナバチ好きの私としては一寸気になるところである。
2008.09.12
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今日は、先日掲載したミズヒキと同じく、何時咲いているのか分からない様な小さな花を着ける植物を紹介しよう。 タデである。今まで、ハリカメムシの脇役として何回も出演しているが、今日は主役である。しかし、写真の枚数が多いので、全体写真は省略して、拡大写真ばかりを掲載する。イヌタデの花穂と、それを吸汁するカメムシ類右はハリカメムシの4齢幼虫、左はツヤマルシラホシカメムシ(2008/09/04) このタデ、今まで種類を調べてなかったので、保育社の「原色日本植物図鑑」で検索してみた。タデ類の検索は面倒かと思ったら、思いの外簡単で、直ぐに最普通種のイヌタデに落ちた。 イヌタデの特徴は、花は密な穂状で花柄に線毛を欠き、葉鞘の縁は緑色ではなく同じ程度の長さの縁毛があり、葉は葉鞘の下部に付き広披針形で鋭頭、花被の脈は明らかでない、と言うことになる。葉鞘の縁毛はかなり特徴的なので、下に写真を示した。イヌタデの葉鞘と縁毛(2008/09/10) しかし、このタデの花、何時開くのか。1週間ほど観察して、一番開いている状態が次の2枚の写真である。Internetで探してみると、ハルタデなどはシッカリ開くようだが、イヌタデの開き方はこんな程度らしい。 写真を見ると、花柱は3つに別れ、雄蕊は幾つあるのか良く分からない。図鑑のタデ科の解説には、雄蕊は6~9個、または稀に多数と書いてある。イヌタデの花(その1).花被には脈が認められない(2008/09/10)イヌタデの花(その2).花柱は3つに分かれている(2008/09/10) 花の直径は2mmを少し超える程度である。しかし、こんな小さな花の中にも虫が居た。写真を撮り始めたら花の中から出て来て、花の周りを一周してまた中に入ってしまった。花粉が付いていて良く分からないが、アザミウマの1種ではないかと思う。イヌタデの花に居た小さな虫.アザミウマか?(2008/09/04) タデもミズヒキと同じく、花被は花が閉じても落下せずに残る(しかしミズヒキとは異なり花柱は落下する)。この為、肉眼的にはず~と花が着いている様に見えるが、実際は桃色の花被の中で種子が成熟して行くのである。この種子を目当てに、カメムシどもがやって来る(カメムシが無数に集ったタデの花穂が見たい方はこちら)。 しかし、不可解なのは、花の咲く順序である。普通、穂状に着いた花は、その先端あるいは基部から順に咲いて行くものなのだが、タデの花の開き方はまるで無秩序である。下の写真の様に、種子が出来ている花のすぐ隣にまだ蕾や開いている花があったりする。イヌタデの花穂.黒く見えるのは成熟した種子の表皮開いている花や蕾らしきものも見える(2008/09/10) ミズヒキやタデでも、花を拡大してみると結構面白い。そこで、次は何にしようかと庭に出てみたが、意外とネタになりそうな雑草がない。ツメクサ、オランダミミナグサ、チドメグサなど、植木鉢の隅に何時でも生えていると思ったら、チドメグサが少しあるだけ。ツメクサとオランダミミナグサは全く見当たらない。雑草と雖も、やはり季節と無関係ではないのだろう。或いは、真夏の酷暑が苦手な種類もあるのかも知れない。 実を言うと、「雑草シリーズ」を始めれば、このWeblogの「植物(草本)」部門は安泰だと前々から思っていた。しかし現実は、中々こちとらの思惑通りには行かない様である。
2008.09.11
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1週間ほど前のことである。何時ものベランダの椅子で一服しているとき、3m程向こうに生えているホトトギスの葉上に何やら黒い小さな粒々が沢山落ちているのに気付いた。どう見ても虫の糞である。やはり来たか?!と思って見に行くと・・・、いた!!ルリタテハの幼虫である。 まだ体長2cm位、3齢幼虫かと思ったが、数日後に脱皮したらしく棘が白くなった(終齢)ので、見付けたときは4齢であったらしい。 ルリタテハの幼虫を我が家で見るのは非常に珍しいことである。この7年で僅か3回に過ぎない。ホトトギスの葉裏に居たルリタテハの幼虫(多分4齢)何だか猫がひっくり返っている様な形(2008/09/04) 「やはり来たか」と思ったのには次の様な事情があった。実は、今年の5月に南方から帰ってきた数日後、同じ場所のホトトギスにルリタテハの終齢幼虫が居るのを見付けた。丁度雨が降っていたし、帰国直後で大儀ではあるしで、写真は撮らなかったから、このWeblogには載せていない。このルリタテハは寄生もされず、肉団子にもされなかった様で、2週間位後に新鮮なルリタテハが庭から飛び立つのを見ることが出来た。このルリタテハの雌雄は分からないが、それが帰って来て、また我が家に卵を産んだのだと思ったのである。別個体.摂食時以外この様に体を丸めるのはアカタテハ族に共通とのこと(2008/09/04) 飛翔力のない蝶や蛾のメスは、自分が育った食草のある場所を離れず、また、同じ所に産卵するのが普通である。飛翔力のある種類は違うと思っていたのだが、数年前に妙な経験をした。 我が家で飼育し羽化したナミアゲハをある日庭に放した。このナミアゲハは羽化の時に下に落ちて尾状突起が折畳まれたように曲がっていた。ただし、飛翔には全く支障がない。曲り方は独特で、偶然で同じ様な折り畳まれ方が生ずる可能性は零に等しい。その独特に折り畳まれた尾状突起を持ったナミアゲハが、10日位後にまた我が家の庭に現れたのである。ナミアゲハの様な飛翔力のある蝶でも、育った場所に帰って来ることがあるらしい。上と同じ個体.頭も横になっている.ハリネズミ的防御態勢??(2008/09/04) そんなことがあったので、あのルリタテハもまた戻って来て家のホトトギスに産卵したのか、と思ったのである。しかし、「原色日本蝶類生態図鑑」を見たら少し怪しくなった。 ルリタテハの発生は、東京付近では6月上~中旬、7~8月、9~10月の3回だと書いてある。南方から帰って来て直ぐに見た終齢幼虫は6月上旬に羽化したはずである。今居る幼虫の羽化は9~10月だから、その間にもう1回発生していることになる。その間、ホトトギスには何らの食痕も認められなかった。これはかなりキチンと調べていたから間違いない。 ・・・と言うことは、1回抜けていることになる。どうやら、些か情緒的発想に陥った様である。やはり年かな・・・。
2008.09.10
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以前掲載した「ハリカメムシの幼虫(多分2齢)」の最初の所で、朝晩急に涼しくなって来てから現れ始めた色々な虫の一種として「黄と赤と黒のハッとするほど綺麗なハエ(多分ミバエ科)」と言う些か大袈裟な表現をしたハエを挙げた。このハエはその後も何回か現れ、一昨年に掲載したことのあるミスジミバエであることが分かったが、その時の記事には、虫が居たのが背よりかなり高い位置にある葉の裏だったので、背側の写真しか載せられなかった。しかし、今回は色々な角度からシッカリ撮れたので、もう一度取り上げることにする。日本シャクナゲの葉上を歩き回るミスジミバエ(雄)体長は7mm程度で、動作は機敏全体が分かる様にわざと虫を小さく表示している(2008/09/01) ミバエ科のハエは、先日紹介した「クチジロハススジハマダラミバエ?」の様に翅に派手な模様を持つものが多い。このミスジミバエの翅は殆ど透明だが、翅の前縁に沿った部分、後縁の基部寄り、更に良く見るとm脈(先端に近い所にある横脈)に沿っても暗色の部分が認められる。翅が良く見える。ミバエでお尻の先が出っ張っていないのは雄(2008/09/01) ミバエ科の顕著な特徴の一つは、「クチジロハススジハマダラミバエ?」で明らかな様に、メスの第7腹節が長く伸びることである。しかし、このミスジミバエのお尻は丸い。と言うことは、オスである。シャクナゲの枯葉を調べるミスジミバエ(2008/09/01) Internetで調べると、ミスジミバエの幼虫は、自然状態ではカラスウリの落下した雄花を餌にする、と書いてあるサイトが多い。保育社の図鑑にも同じ様なことが書かれている。しかし、北隆館の圖鑑には「ウリ類の果実を食害する」とあるし、実際、畑のウリ科植物やナスなどの果実への寄生も認められている。本当は、かなり色々な植物に寄生しているのではないだろうか。 この個体は、何故か、日本シャクナゲの枯れた葉に御執心であった。枯れて巻いた葉の中に入ったり出たり、或いは、葉の上を歩き回りながら何かを調べている様に見えた。御蔭で写真が色々撮れた訳だが、10分以上も同じ行動をしていた。一体何をしていたのであろうか。丸まった枯葉の中を調べる.完全に入ってしまって暫く出て来ないことも多々あった(2008/09/01) この個体はオスである。だから、産卵場所を探していたのではない。オスがこれ程熱心に興味を示すのは、メスに関すること以外には考え難い。枯れたシャクナゲの葉にメスのフェロモンでも付いていたのかも知れない。正面から見たミスジミバエ.眼は金色をしているがこれが赤っぽく見える(2008/09/01) 秋が近づいて、我が家の庭に訪れる虫の種類も急に多くなった。先日は、遂にナガサキアゲハ(メス)がやって来た。我が家の庭で見るのは「生まれて初めて」である。後翅の白斑が小さく、まるでモンキアゲハの無尾異常型の様に見えた。「日本産蝶類標準図鑑」に拠れば、南方ほど白斑が大きくなるそうなので、「北方」に当たるこの辺り(東京都世田谷区西部)では白斑は小さいのかも知れない。残念ながら、庭を一回りしただけで何処にも留まらずに去ってしまった。 先日のアカボシゴマダラの様な外来種には漠然とした不安を感ずるが、ツマグロヒョウモンやナガサキアゲハの様な在来種が分布を拡大しても大した危機感はない。この心理は、生態学的な知識に基づくものなのか、あるいは、単なる排他性なのか、我ながら良く分からない。
2008.09.09
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7月の末にクサギカメムシの初齢幼虫を掲載したが、今日は2齢幼虫を紹介しよう。 勿論、7月に掲載した初齢幼虫が2齢になったのではない。あの初齢幼虫が孵化したのは多分7月18日、クサギカメムシの孵化から成虫に至るまでの平均日数は夏では40日位だから、もうとっくに成虫になっている。クサギカメムシの2齢幼虫.体長約3mm(2008/09/05) 初齢幼虫は橙色と黒の派手な出立ちであった。変わって2齢以降は白斑と灰~黒だけの地味な配色と思っていたのだが、写真を拡大してみると背中の所々にまだ赤い部分が残っている。3齢からは各脛節の中央が白くなり少し雰囲気が変わるが、背中の赤い斑点はどうだろうか。 一昨年に掲載したクサギカメムシの記事に5齢と3齢の幼虫が載っている。それを見ると、5齢の背側は全体的にかなり赤っぽい色をしている。3齢の方は分かり難いが、別の写真(未掲載)を見てみると、やはり2齢と似た様な赤い部分がある。クサギカメムシの幼虫も思いの外オシャレな様である。触角の一部と腿節は白い.腹部背側の腹背盤の周囲が赤い(2008/09/05) ところで、読者諸氏はカメムシはどの位の期間生きるのか、御存知だろうか。 実は、カメムシ(カメムシ科)成虫の寿命は、見かけによらず?長い。この写真の2齢幼虫は、成虫になっても年内に産卵することはなく、来年の春にシッカリ栄養を摂った後、6~7月になって漸く産卵を始める。それが孵化したのが前回紹介した初齢幼虫である。カメムシの成虫はほぼ丸1年生きるのである。頭部の比率が大きい(2008/09/05) クサギカメムシは1頭がかなりの期間(2~3ヶ月)に亘って10回位産卵する。そのせいか、今、我が家の庭の中には、この2齢幼虫の他にも3齢や4齢の幼虫がウロウロしている。デュランタ・タカラズカにも居るし、先日紹介したオオクロセダカカスミカメが寄生しているツユクサや、ハリカメムシの好きなタデの生えている辺りにも居る。行き場が無くなって情けない格好(2008/09/05) この写真のカメムシ君、実は、初めから葉っぱの上に居たのではない。ネタ探しに庭を少し歩き回ってから、机に向かってキーボードを叩いていると、左足のふくらはぎの辺りがモゾモゾする。何か居るのかと思って、ズボンの裾をひっくり返してみたら、このカメムシが居たのである。カメムシの御家芸「おひけぇなすって」の練習中(2008/09/05) こう言うことは屡々ある。昨年紹介したシラヒゲハエトリも服に付いて来て書斎で一泊した後(一旦見失った)やっと見付けて庭に放した個体だし、今年はチビカマも2回位書斎でウロウロしているのを捕まえて庭に放してやった。 犬好きは犬に好かれる。虫好きも、やはり虫から好かれるのだろうか。
2008.09.08
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まだ日中は暑いこともあるが、かなり秋めいて来た様で、我が家の庭にも色々な虫が現れ始めた。新顔も何種か出て来て、これからは更新が忙しくなりそうである。 今日はその中から、我が家にとってはかなり珍しい来客を紹介する。ベニスズメ、鳥のベニスズメ(Amandava amandava)ではなく、スズメガ科ホウジャク亜科のベニスズメ(Deilephila elpenor)である。和名はいい加減だから、こう言うややこしい事態が惹起する。ベニスズメ.ホウジャク亜科で空中静止をする些か被写界深度が不足だが、敢えて載せておく(2008/09/07) ホウジャク亜科の蛾は、皆そうなのか分からないが、このベニスズメ、ホウジャク類やオオスカシバと同様にリッパに空中静止する。だから写真が撮れた訳だが、一つの花に付き2秒も留まらないので、撮影には苦労をした。花から花への移動はホウジャク類の様に忙しく、オオスカシバの方がずっと撮り易い。真横から見ると、胴体は真っ赤(2008/09/07) ベニスズメを背側から見ると、翅や胴体に赤い部分が多い。それ故、ベニスズメの名が付いたのだと思っていたが、写真を見ると、胴体の側面と裏面の方がずっと赤い。混じり気のない真っ赤である。こんなに赤いとは思っても見なかった。こう言うところにも、生態写真を撮る意味があると言える。デュランタは背が高いので下から撮ることが多い腹部の側面と下面は、名前に相応しく真っ赤(2008/09/07) 写真でお分かりの通り、ベニスズメのお目当てはデュランタ・タカラズカである。この花は、全く虫集めに植えている様なものである。蝶や蛾ばかりでなく、ハムシやカメムシもやって来る。庭に出る度に、何か来ていないか調べる癖が付いてしまった。 デュランタの近くに、花数は少ないがメドーセージも咲いている。この花もホウジャク類やオオスカシバのお好みである。ベニスズメの趣味も同じらしく、やはりこの花で吸蜜した。こちらは、デュランタよりはずっと背が低いので、撮影は比較的楽であった。メドーセージで吸蜜するベニスズメ背が低いので背面から撮ることが出来た(2008/09/07) このベニスズメ、暫く我が家の庭の彼方此方を飛び回っていたが、急にトベラの木の中に入り込んで、其処に留まってしまった。時々、こうやって休憩するものらしい。 トベラは葉が濃い。しかし、幸いなことに葉と葉の隙間から留まっているベニスズメが見える。一昨日のアカボシゴマダラと同じく、300mmと外付けストロボを引っ張り出して撮ったのが下の写真。何分にも木の中心部に近い所なので、別の方向から撮ることは出来なかった。トベラの茂みの中で休むベニスズメ(2008/09/07) なお、鳥のベニスズメは熱帯の鳥である。だから、この辺り(東京都世田谷区西部)に居る筈がないと思われる向きもあろうが、この鳥、我が家から数kmの多摩川河畔でかなり以前から繁殖して群を作っているとのこと。まかり間違えば、我が家の庭に現れる可能性も零ではないのである。
2008.09.07
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先日、アカボシゴマダラを紹介したが、それは瀕死の個体であった。昨日の朝、今度はチャンと飛べる個体がやって来たので、再度掲載する。 と言っても、余り新鮮な個体ではない。右前翅が少し破れている。発酵したバナナにやって来たアカボシゴマダラ(2008/09/04) 実は、数日前に買ったバナナを食べようとしたら、表皮はまだ黄色いのに、中身の方はもうグジャグジャでアルコール発酵している。少しだけ食べて、後は虫寄せにハナモモの支柱の上に置いておいた。カナブンや(サト)キマダラヒカゲでも来るのではないかと思ったからである。支柱が邪魔して翅表が良く見えない(2008/09/04) 一番沢山やって来たのは予想外のナメクジ!! 5cm位のが一杯集っている。陽が射して来ると何処かへ逃げてしまうので、頃合いを見計らい、そこいら中にナメクジ退治の薬を撒いた。口吻は黄色.先が妙に曲がっている口吻は本来柔らかいものらしい(2008/09/04) アカボシゴマダラがやって来たのは、その次の日である。余程発酵したバナナに御執心と見えて、目の前でストロボをバンバン焚いてもまるで気にしていない。 留まった位置の関係で、翅表を撮ろうとすると支柱が邪魔になる。其処で、翅をつついて少し体をずらしたのだが、まだ充分でない。更に、今度はもう少し強くつついたら、逃げてしまった。・・・当たり前か。口吻は左右2本1対で出来ているらしい(2008/09/04) しかし、何故かチャンと飛べない。直ぐ近くのブルーベリーの枝に逆さまに留まってしまった。弱っているのではなく、バナナの発酵過程で生じたアルコールで酔っぱらっている、と言う感じ。虫でも酔っぱらうのだろうか?? 葉っぱの裏では写真が撮れない。そこで、また少し刺激を与えたら、今度はトベラの高さ2.5m位の所へ移ってしまった。これでは写真は撮れない。部屋へ戻る。翅表がよく撮れなかったので、代わりに翅を拡大普通の接写システムで撮影(超接写ではない)(2008/09/04) 一仕事済ませて、一服しにベランダに出たら、かなり強い雨が降っている。庇の下にある椅子に座ろうとすると、その直ぐ横に置いてある水遣り用のバケツの端で、何と、先程のアカボシゴマダラが水を飲んでいる。チョウも酒の後は水が欲しくなるのか?? バケツの端では写真にならないので、また翅をつついて移動させた。雨の降る中を暫くウロウロ飛び回っていたが、やがてハナモモの木のかなり上の方に留まった。雨の当たる所である。酒で体が火照っていて、雨で冷やそうとでもいうのだろうか?ハナモモの高い所に留まって雨に打たれるアカボシゴマダラ(2008/09/04) アカボシゴマダラが留まったのは、高さ3.5mm位の所だが、一応下から見える。しかし、完全な逆光なので、普段使っているシステムでは写真は撮れない。 其処で、300mmの望遠に切換え、強力な外付けストロボを焚いて撮ったのが上の写真。右側に見える白い筋は雨の跡である。 アカボシゴマダラをこの辺り(東京都世田谷区西部)で見るのは、これで4回目である(全部今年)。どうやら、この外来のチョウは関東で急激に増えているらしい。食草のエノキは小さな草本とは違い大木になる。エノキを食草とするオオムラサキ、ゴマダラチョウ、テングチョウの他に、新たにアカボシゴマダラが加わった位でエノキが急に丸坊主になるとは思えないが、今後何らかの問題を引き起こすのではないかと、何となく気になる存在である。
2008.09.05
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今日はまた、我が家の嫌われ者、コガネムシの類である。 我が家にやってくるコガネムシの仲間で、小型の種類と言えば、ハナムグリ類を除くと、マメコガネとビロウドコガネの類くらいなものである。しかし、何時も見付け次第駆除しているので、種類を調べたことがない。 マメコガネ属(Popillia)は日本全国に3種しか居らず、しかも、マメコガネ以外の2種は沖縄周辺の島嶼部にのみ産するので、この辺り(東京都世田谷区)に居るのはマメコガネだけである。そこで、ビロウドコガネも、まァ、似た様なもので1種だけかと思っていたら、大間違い、類似種が沢山ある。 ビロウドコガネ属(Maladera)は、九大の目録で22種、保育社の「原色日本甲虫図鑑第3巻」には11種が載っていて、しかも、その内の6~7種は黒っぽい色をしており非常によく似ている。この内本州に産するのは、九大の目録でも図鑑でも4種。さて、写真のコガネムシはその何れであろうか?ホトトギスの葉に留まったビロウドコガネ(2008/09/01) 保育社の図鑑に拠ると、ビロウドコガネは「触角は10節、前脛節は3外歯をそなえるが、第3歯は鈍い。頭楯は密に点刻されるが横じわ状とならない」とある。触角が何節あるかは、原画を拡大しても分からないし、前脛節の外歯も良く見えない。頭楯は点刻されている様に見え、横じわが認められないのは確かである。しかし、これだけでビロウドコガネとするには、幾ら何でも証拠不足と言わねばなるまい。悪いヤツだが眼と触角は可愛い(2008/09/01) 其処で、他の3種を見てみよう。ヒメビロウドコガネは「前胸背版の前縁が中央にも直立した縁毛をそなえる」とあるが、どの写真を見ても前縁中央に縁毛が無いのは明らかなので、ヒメではない。 オオビロウドコガネは「・・・後脛節の外端刺は第1付節よりも長い」とある。横から見た写真で分かるとおり、後脛節の外端刺は第1付節の半分位しかないので、これも違う。 残るはマルガタビロウドコガネだが、これは「頭楯はしわ状に点刻される。後腿節は・・・前縁は細かい鋸歯状となる」とある。頭楯に皺は認められないし、2番目、3番目の写真の原画を拡大しても、後腿節の前縁は滑らかである。従って、マルガタではない。前から撮ろうとしたが枝が邪魔して駄目腹部が随分赤いのは意外であった(2008/09/01) ・・・と言うことで、消去法により、このコガネムシの名前はビロウドコガネと相成った。もう少し変な種類の方が面白かったのだが、残念!!
2008.09.04
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どうも夏の我が家には花が少ない。デュランタ・タカラズカと先日紹介した花付きの良くないフヨウ、他には冴えないキク科の雑草擬きがチョボチョボと咲いているだけである。 しかし、考えてみると、小さい花ならば無いこともない。何しろ昆虫ならば2mm以下のものでも普段掲載しているのだから、花だってミリ単位のものを出してもおかしくはない。 ・・・と言うことで、今日はミズヒキの花を取り上げることにした。ミズヒキの花.花軸に沿って一斉に開いている(2008/09/02) 花の直径4mm強、虫ならば「撮り易い」大きさと言える。昨日掲載したハリカメムシ幼虫(4齢)の体長より少し小さいだけ。 雄蕊5本、雌蕊は2つに分かれているのが分かる。子房や雄蕊の基部の辺りは妙に凸凹している。調べてみると、4枚の花弁の様に見えるのは萼片だそうで、花は閉じることはあっても散ることはない。一つの花は直径約4mm.花弁のように見えるのは萼片上側が赤く、下側は白い(2008/09/02) 萼片は上側の1枚が赤く、下側の1枚は白い。左右の2枚はどうかと言うと、御丁寧にもその上半分が赤く、下半分は白い。花が上下で赤白の染め分けになっているので、水引と言う名前が付いたらしい。横からの方が雄蕊や雌蕊が良く見える(2008/09/03) しかしながら、この花、何時開くのかどうも良く分からない。実は、数日前にも撮ろうとしたのだが、かなり広い範囲に亘って彼方此方に生えているにも拘わらず、開いている花が一つも見当たらなかった。 ところが、昨日の朝は一番上の写真の様に沢山開いていた。他の写真も多くはその時に撮ったのだが、一部気に食わないのがあって、午後になってから撮り直そうとしたら、花はみな閉じてしまっている。今日の朝はどうかと言うと、一応開いている花があったが、昨日とは異なり探さないと見つからない程度。一日花なのか、或いは、同じ花が開いたり閉じたりするのか、花に印でも付けて毎日観察しないと分かりそうにない。閉じた花.2つに分かれた雌蕊だけが飛び出しているなお、倍率は他の花と同じ(2008/09/03) 小さい花だが、割りと虫に人気があるらしい。小さなハナバチやハエの類ばかりでなく、アリもやって来る。この写真のアリは、特にミズヒキが好きらしく、かなり離れたところにある花に同じ種類のアリが来ていた。種類を調べてみたが、何分にも小さ過ぎて良く分からない。しかし、アメイロアリかその近縁種らしい。ミズヒキの花にやってきたアリ.体長2.5mm程度(2008/09/02) 最近は植物を紹介することが少ない。春は別として、もう紹介済みの植物ばかりだからである。昆虫は飛んだり這ったりして我が家にやって来るから、常に新顔が登場する可能性があるが、植物はお隣の庭からノコノコ歩いてきたりはしないから、その可能性は少ない。風で飛んでくる種子や、鳥の落とし物に期待するだけである。 しかし、極く小さな花を着ける雑草には、まだ掲載していない種類が沢山ある。これからは、精々雑草を面白く撮って紹介する以外に手立てが無い様である。
2008.09.03
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先日、ハリカメムシの2齢幼虫を掲載したが、今日は、少し大人になった4齢幼虫を紹介する。5齢になると、かなり形が変わるのだが、4齢まではかなり2齢に近い形をしている。 なお、3齢幼虫は2齢に非常によく似ているので、此処には掲載せず、もう一つのWeblogの方に掲載した。ハリカメムシの4齢幼虫.翅の原基が出来ている(2008/08/29) 写真は何れの齢でも虫体を来るだけ大きく表示する様にしているので、中々本当の大きさが実感出来ないと思う。2齢幼虫の体長(吻の先からお尻の先端まで)は約2.5mmであったが、この4齢幼虫では倍の5.0mmである。 タデの花の大きさは変わらないから、それと比較すればある程度実感出来るのではないかと思う。2齢ではその体長はタデの花の長さより少し長い程度であったが、4齢では花の2~3倍に成長している。軍配を連ねた様な触角と体の棘は2齢と同様(2008/08/29) 触角が軍配を連ねた様な形をしていることや、腹部、胸部、頭部の棘の数も2齢幼虫と同じだが、棘の大きさは相対的に小さくなっている。 2齢では腹部の色が白っぽかった。これは脱皮後どの位時間が経っているかで異なるかも知れないが、3齢、4齢では明確な緑色をしている。体の正中線に沿った胸部の白縦線と腹部中央の隆起が目立つ(2008/08/29) 4齢になると、黒い胸部の左右の後縁が腹側に向かって丸く突出している。これは翅の原基である。3齢幼虫にはこれが全く見られない。また、5齢になるともっと発達して長くなる。 また、胸部背側の正中線に沿う白くて細い縦線が目立つ。これは2齢にもあるのだが不明瞭で、3齢になるとかなりハッキリし、4齢で非常に際だって見える様になる。屡々触角を下に向けて歩く(2008/08/29) 2齢幼虫は、お尻を上に向けてハラビロカマキリの幼虫の様な格好をしていたが、4齢ではその曲がり方が少ない。腹部背側の正中線に沿って縦に隆起が生じているのが見える。これは3齢幼虫には殆ど認められない構造である。こう言うものがあるので、お尻を上に曲げるのが難しくなるのかも知れない。オマケにもう1枚(2008/08/29)草取りをサボった御蔭で、ハリカメムシの2~5齢幼虫を観察する機会が得られた。その内、5齢(終齢)幼虫も紹介する予定である。
2008.09.02
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