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今日はクサギカメムシの初齢幼虫を紹介する。赤と黒の派手な色彩の幼虫である。クサギカメムシの成虫と幼虫(終齢と若齢)は、一昨年に紹介した様に、全体的に黒っぽい地味な色合いである。この初齢幼虫も2齢になるとそれらと同じ黒っぽい色になる。クサギカメムシの初齢幼虫.孵化直後は無色(透明)と黄色で1時間後には無色、青、黒となり、その後赤と黒になる(2008/07/19) 多くのカメムシは、孵化後卵上やその近くに集団をなして留まり、数日を過ごす。この間、餌らしい餌は摂らず、やがて脱皮して2齢になる。 飯を食わないで何をしているかと言うと、見ていてもまるで動かないので良く分からないが、文献に拠れば、卵の表面に付着している「魔法の薬」を食べたり、葉っぱの上に溜まった水を飲んだりしているそうである。上の写真の部分拡大.殆ど真ん丸.体長約1.8mm(2008/07/19) 植物から師管液を吸汁して生きる虫は、自分独りでは生きて行けず、常にある種の細菌と共生する必要がある。師管液に含まれるアミノ酸は量が少なく、また、ヴィタミン類も不足している。更に、アミノ酸を含んでいるからと言っても、必須アミノ酸をバランス良く含んでいる訳ではない。師管液だけでは、栄養不良になってしまうのである。そこで、師管液に比較的多量に含まれている糖類を摂取して必須アミノ酸やヴィタミン類等を産生する細菌と共生する必要が出て来る。アブラムシの場合は、ブフネラと言う共生菌を発生のかなり早い時期に母胎内で供給され、それを体内に飼っている。次の日.卵殻の跨っている個体は居ない卵殻に付いている洋凧の様なものは卵殻破砕器これをどう使うのかは調べても分からなかった(2008/07/20) 先の「魔法の薬」とは、親が産卵時に肛門から排泄したもので、これに子供の必要とする共生菌が含まれているのである。カメムシはアブラムシの場合とは異なり、初齢幼虫の時に親の排泄物を食べて、その中に含まれている共生菌を腸の盲嚢に送り込む。 草食性のカメムシは、師管液よりはずっと栄養価の高い種子を主に吸汁する種類が多い。種子にはアミノ酸はかなり豊富に含まれているはずだが、ヴィタミン類は足らないのかも知れない。或いは、適当な種子の無い時期に師管液や果汁を吸汁して生き延びる為の用意なのだろうか。上の写真で右側に居る個体.昨日より少し伸長し体長約2.2mm(2008/07/20) このクサギカメムシが孵化する一月半ほど前には、ガラス戸に付いていた卵塊2個からチャバネアオカメムシが孵化してきた。我が家としては珍しいことである。今年はカメムシの流行り年かもしれない。
2008.07.31
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少し前のことになるが、ベランダの椅子に座って一服していると、目の前にあるクリスマスローズの横の空中に何か奇妙なものが漂っているのに気付いた。直径2~3mmの黄色くて丸い霞の様な玉である。空中で静止をしていたかと思うと、ツーと横に移動したり、また、近くを蜂などが飛ぶと、10cm位を「瞬間移動」する。 これは、屹度アブかハエの1種である。早速カメラを持って来て、撮ってみることにした。ショウジョウバエの1種.体長約1.7mm腹部にカメノコ模様がある(2008/07/15) 何分にも相手が小さいので、等倍で撮影しなければならない。しかも、ギリギリの部分拡大になるから、出来るだけ解像度を高くする必要がある。F16以下で撮りたいところだが、何分にも相手は動くので、焦点深度をかなり深くしないとピンぼけ写真の山となる。先ず、F25で撮ることにした。 10枚ほど撮ってから画像を確認してみた。何枚かは使いものになりそうである。そこで、絞りをF16に設定してより鮮鋭な写真を撮るべく前を向くと、虫が居ない! 画像を確認している間に虫は何処かへ行ってしまったらしい。残念!!ショウジョウバエの1種.お尻の先が少し飛び出している(2008/07/15) この虫、ハエの1種であることは確かである。しかし、何バエか? ミバエやハモグリバエに少し似ているが、頭部の構造が違う。双翅目の検索には翅脈と剛毛がキチンと写っている必要がある。写真から剛毛はある程度見分けられるが、空中静止をしているのだから、当然翅脈は全く分からない。これでは、検索は不可能である。 そこで、「一寸のハエにも五分の大和魂」と言う双翅目の掲示板にお伺いを立ててみた。ハエ類をよく知っている人ならば、「空中静止をする微小なハエ」で分かるのではないかと思ったのである。ショウジョウバエの1種.小楯板が白い(2008/07/15) 夏は虫屋のかき入れ時である。前回お伺いを立てた時には1時間後に回答があって素早さに驚いたものだが、今度はもう夏、1日経っても応答がなかった。それでも次の日の夜遅く、アノニモミイア氏からの回答を頂くことが出来た。 「多分、ショウジョウバエ科の1種で、この科の専門家であれば種まで同定出来そう」、との御回答であった。しかし、残念ながら、その後ショウジョウバエの専門家は現れず、種は不明のままである。 アノニモミイア氏は「多分」と書かれているが、詳しい人ほど慎重なものである。北大のサイト「日本産ショウジョウバエ」を参照すると、確かに剛毛の位置や頭部の形などは、ショウジョウバエそのものである。しかし、眼が赤く、白い小楯板を持ち、腹部にカメノコ模様のある種類は見当らなかった。そこで、此処では、例の如く「ショウジョウバエの1種」とすることと相成る。 氏によると、ショウジョウバエ科の他に、ヒメイエバエ科やヤドリバエ科の中にも巧みに空中静止をする種類が居るとのこと。空中静止をするヤドリバエ(寄生バエ)とはかなり意外で、全く「ハエの事情は複雑怪奇」の感を深くした。追記:本稿を投稿した次の日、アノニモミイア(Anonymomyia:<名前のないハエ>の意)氏より、空中静止をする双翅目昆虫について以下の追加情報を賜った。此処に転載して感謝の意を表す。なお、氏の文章には科名、属名などの和名が記されていないので、読者の便宜を鑑み「翻訳」を[]内に付けておいた。 気付いただけでもホバリング飛翔をするDiptera[双翅目]には以下のものがあります.一つは群飛内(オドリバエでは雌も),テリトリー内での雌待ちうけ飛翔,それに狭い生息空間での飛翔,訪花上での飛翔などが,ホバリングを起こさせているように思えます.御参考までに.糸角亜目[蚊の仲間]Axymyiidae[クチキカ科] Axymyia japonica[ヤマトクチキカ]雄Bibionidae[ケバエ科] Plecia[トゲナシケバエ属]雄Simuliidae[ブユ科] 各種雄直縫短角類[虻の仲間]Tabanidae[アブ科] 各種雄Acroceridae[コガシラアブ科] 各種雄Bombyliidae[ツリアブ科] 各種Asilidae[ムシヒキアブ科] 一部の雄のmating displayEmpididae[オドリバエ科] Syneches[ヒロバセダカバエ属](探餌飛翔) Hilara[和名ナシ]、Rhamphomyia[和名ナシ] (群飛,交尾飛翔など)などの一部Dolichopodidae[アシナガバエ科] Diaphorus[和名ナシ]の一部の種(群飛中) Dolichopus[アシナガバエ属]などいくつかの 属の一部の雄(mating display)環縫短角類[蠅の仲間]Opetiidae[ニセヒラタアシバエ科] Opetia alticola[和名ナシ]雄Phoridae[ノミバエ科] Phora[ノミバエ属]の一部の種(雄の群飛中)Syrphidae[ハナアブ科] 多数の属,種(縄張り,交尾,訪花その他の場合)Cypselosomatidae[和名ナシ) Lycosepsis[和名ナシ], Formicosepsis [和名ナシ](雌雄,一般飛翔)Lonchaeidae[クロツヤバエ科] Lonchaea[ヤマトクロツヤバエ属]の一部の雄Milichiidae[コガネバエ科] Milichiella[カケメクロコバエ属]の雄Drosophilidae[ショウジョウバエ科] 各属の雌雄,Paraleucophenga [シロガネショウジョウバエ属]など一部の雄 (群飛内)Anthomyiidae[ハナバエ科] 一部の属(雄の群飛などの集団)Muscidae[イエバエ科] 一部の属(雄の群飛などの集団)Fanniidae[ヒメイエバエ科] 一部の属(雄の群飛などの集団)Calliphoridae[クロバエ科] Stomorhina[ツマグロキンバエ属?]などの雄Tachinidae[ヤドリバエ科] 一部の属(雄の群飛などの集団)
2008.07.28
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先日、朝の散歩から帰ってきたとき、玄関の壁に7mm位の丸い真っ黒な虫が居るのに気が付いた。平らな体で一見ゴキブリの幼虫に似ている。 ヒョッとして、と思い、カメラを持って来て覗いてみると、やはりツチカメムシの幼虫であった。背景が壁のタイルでは写真を撮るのに落ち着きが悪いので、庭の地面の上に移って貰った。ツチカメムシの幼虫(5齢).脚に剛毛が多く一見ゴキブリの幼虫に似る(2008/07/16) この辺りでは余り見ない虫だと思うが、黒光りしているので、注意しないとゴキブリの幼虫や甲虫と間違えてしまう可能性もある。隠れるところを捜すツチカメムシの幼虫(2008/07/16) ツチカメムシの仲間はカメムシ上科ツチカメムシ科に属し、日本では約20種が棲息する。名前の通り、普通は地面の近く、石の下や、草の根ぎわ、落葉の下などで生活するので、余り目に付くことがない。しかし、燈火に飛来し、時に屋内に侵入することもあるので、一応「害虫」とされている様である。 普通は落下した種子や根を吸汁するが、種類によっては他の昆虫を捕食することもあるとのこと。また、植物体に登ってまだ落下していない種子を吸汁する場合もあるらしい。写真の個体は3階まで続く我が家の壁面を一心不乱に登攀中であったが、一体何をするつもりだったのだろうか。暑さで頭がおかしくなったのかも知れない。逃げるツチカメムシの幼虫(2008/07/16) カメムシ君、陽の当たる庭に降ろされて土の上をウロウロ、ウロウロ、少しでも隠れるところがあれば直ぐに潜り込む。こちとらはそれを木の葉で追い立てて撮影する。何回かやっている内に、カメムシ君が哀れになって来た。真横や正面からの写真はまだ撮っていなかったが、数枚撮ったところで解放してやった。
2008.07.27
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まだ冷たい雨が降っていた頃の話である。クロヒラタアブに一見似たアブがホトトギスの葉先に留まっていた。 このアブ、普段は矢鱈に敏感で、今まで写真を撮ることが出来なかった。それが、何故か、触る程に近づいても逃げようとはしない。屹度、寒さで凍えているのであろう。ストロボの光に驚いて、葉の上でウロウロするが、飛ぶことは出来ない様であった。ハイジマハナアブの1種.背中に青白い縦筋が2本ある体長約8mm、後脚の腿節と脛節は太い(2008/05/30) このアブ、見かけは一寸クロヒラタアブに似ているのだが、行動は全く異なる。地面に掘った巣に帰るヒメハナバチの様に、草むらの下側を左右に大きくブレながら飛び回る。 留まるときは常に翅を畳んでしまうので、腹部の模様がよく見えない。横から見ると、クロヒラタの様な白黒の段々模様に見える。横から見ると、腹部は白黒の段々模様に見える(2008/05/30) 写真を見ると、背中に青白い縦筋が2本あり、後脚の腿節、脛節はやけに太い。背側から見た頭部の形もヒラタアブとは違うし、前から見ると顔の大半が複眼で占められている。一体何であろうか。 例によって「ハナアブ写真集」の御世話になる。ページを順に辿って行くと、ハイジマハナアブ(マドヒラタアブ属:Eumerus)の1種であることが判明した。腹部の模様は、横から見て推測される白黒の段々模様ではなく、白帯(青白い)は中央で切れており、しかも少し傾斜しているので、背面から見ると「八」の字を並べた様な図柄になっていた。 この属には20種近くが所属するが、よく似たものが多く、とても写真から種を判別することなど出来ない。まだ、学名の定まっていない種が幾つもあるところを見ると、まだ、研究が充分進んでいない様である。例によって、「ハイジマハナアブの1種」とするしかない。ハイジマハナアブの顔.複眼の占める面積が大きい(2008/05/30) クロヒラタアブはハナアブ科ヒラタアブ亜科ヒラタアブ族に属すが、ハイジマハナアブはハナアブ科ナミハナアブ亜科マドヒラタアブ族に属す。科は同じでも、かなり遠縁である。 幼虫の食性も全く異なり、クロヒラタアブの幼虫はアブラムシを食べる「益虫」だが、マドヒラタアブ類はタマネギなどの鱗茎を食害する「害虫」である。寒さで凍えるハイジマハナアブの1種(2008/05/30) 写真を撮った後、天気は回復し気温も上がった。暫くして、アブの方を見てみると、何処かへ飛んでいったらしく、その姿はもう見えなかった。
2008.07.25
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今日は夏らしい虫を紹介する。タケトラカミキリ、昔からこの辺りにいるトラカミキリの1種である。 トラカミキリ類はカミキリムシとしては動作が敏捷で刺激にも敏感、気を付けないと直ぐに飛んで逃げられてしまう。飛び方も素早いので、このタケトラカミキリの様に黄色と黒の模様の場合は、ハチと見間違える人がかなり居る。体長は10~15mmだから、大きさも普通のハチの範囲に入る。それ故、ハチに擬態しているとされるが、人間の目で見て解釈した「擬態」なんぞ、果たして虫にとって意味があるのか、怪しいものである。タケトラカミキリ.触角はカミキリムシとしては長くないトラカミキリの仲間は全てこう言う形をしている(2008/05/03) タケトラカミキリを見るのは久しぶりである。しかし、今年は出るだろう、と思っていた。何故かというと、その徴候があったからである。 このカミキリムシ、名前が示すように、竹を食害する。生の竹ではなく、竹竿や竹垣などの竹の枯れ材にやって来る。昨年の晩春に、台風でハナモモの木が傾いてしまったので、植木屋さんを呼んで支えを作ってもらった。この支えの一部に竹を使ってあるのだが、今年の春、その竹に穴が開いて粉が吹き出しているのを見付けた。犯人はほぼ間違いなくタケトラである。黄色と黒のトラ模様をした種類が多いのでトラカミキリの名がある(2008/05/03) タケトラカミキリに因る竹の被害はかなりのもので、昔の我が家にあった竹垣は2年もするとボロボロになり、3年ごとに作り直さなければならなかった。余りに経費がかかるので、竹から金網に換えてしまった位である。こう言う這いつくばった様な格好をすることが多い(2008/07/03) 日本には、トラカミキリの仲間が80種以上棲息するが、この辺りにいるトラカミキリは、タケトラの他にエグリトラ、ヨツスジトラ、ブドウトラ位なもので、かなり少ない。この内、エグリトラとヨツスジトラは種々の広葉樹に寄生するが、タケトラとブドウトラは、それぞれタケとブドウにしか付かない。ブドウトラの場合は、生きているブドウの枝に入り込み、枝を枯らすので、ブドウの害虫として有名である。真っ正面から見たタケトラカミキリ余り凶暴な顔はしていない(2008/07/03) 以前にも書いたが、姿の良い虫は得をする。カミキリムシはカッコイイ。特にトラカミキリは、精悍な感じのする虫でもあり、何とも言い難い魅力がある。私は特にカミキリムシが好きな訳ではないが、タケトラが我が家の竹に甚大な被害を与えていても、どうも殺す気にはなれない。ストロボの光を嫌って這い回るタケトラカミキリ(2008/07/03) これで、このWeblogで紹介したカミキリムシは、ルリカミキリに続いてやっと2種になった。日本全国には約800種位のカミキリムシが棲息するそうある。幾ら都内の住宅地とはいえ、その1/400とは何とも情けない。 多くのカミキリムシは、タケトラやブドウトラの様に宿主が限定されている。適切な時期にその宿主の元で頑張っていれば、もっと多くのカミキリムシを見付けることが出来るのだが、我が家に植えてある植物の種類は余りにも少ない。
2008.07.24
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今日は珍しく、トンボを紹介する。オオシオカラトンボ、住宅地の中にいるこの手のトンボは、シオカラトンボではなく、オオシオカラトンボのことが多いらしい。シオカラトンボは水田や湿地帯の様な開けた場所を好むので、住宅地には少ないとのこと。 実は、私はバッタと並んでトンボも苦手で良く分からない。バッタは好きになれなくて苦手なのだが、トンボは回りに殆ど居ないので知る機会がないのである。オオシオカラトンボの雌.オオムギワラトンボとは呼ばない余命幾ばくも無いらしく最早飛ぶことが出来ない(2008/06/15) このオオシオカラトンボの雌(オオムギワラトンボとは呼ばないらしい)も、始めはムギワラトンボ(シオカラトンボの雌)だと思っていた。しかし、掲載前に一応調べてみたら、どうも斑紋の出方が違う。色々なサイトの写真と比較すると、オオシオカラトンボの方がずっとよく似ている。 其処で、図鑑にあるオオシオカラトンボの記載を読んでみると、翅の基部が黒い、とある。このトンボ、少し分かり難いが、チャンと基部に暗色の部分がある。オオシオカラトンボの雌であった。シオカラトンボと異なり翅の基部が黒い(2008/06/15) この個体、先日のアカボシゴマダラと同じく、寿命が幾ばくも無い様で、まるで力がない。物に掴まることは辛うじて出来るが、飛ぶことは最早出来ない。死ぬ前に写真を撮って、その姿をこの世に残してやることにした。トンボの頭部を裏から見る.殆ど空洞である(2008/06/15) トンボの頭と言うのは、後ろから見ると奇妙な構造をしている。複眼は脊椎動物の眼の様に頭部に埋まっているのではなく、まるでヘルメットの様なもので内側は極く薄い。トンボの頭部は、複眼の薄板で被われている様なものである。頭部を解体して調べてみたい誘惑にかられるが、虫を殺すことは若い頃に散々やったので、今はもうしないことにしている。トンボの顔.複眼の個眼が整然と並んでいる(2008/06/15) 眼自体も変な代物である。トンボの複眼をよく見ると、上と下の2つの部分に分かれている。上は個眼が大きく、下側は小さい。このオオシオカラトンボの場合は、大きさが違うだけで複眼全体としては滑らかな丸い輪郭をしているが、アキアカネなどでは個眼の大きい上側の部分は下側より少し盛り上がっており、輪郭は歪になっている。 一体この眼でどんな風に見えているのか、複眼を見る度にそう思うが、これは容易に分かることではない。100年経っても屹度分からないであろう。右側を部分拡大.複眼の上部と下部で個眼の大きさが違う(2008/06/15) この正に死なんとするオオシオカラトンボを撮影しているとき、同じオオシオカラトンボの雄がやって来て日本シャクナゲの上に留まった。こちらの方はまだ元気で、少し遠くで1枚撮った後すぐに逃げられてしまった。 しかし、これで雌雄揃った訳で、掲載する方としては大変好都合であった。オオシオカラトンボの雄.翅(特に後翅)の付け根が黒いのがよく分かる(2008/06/15) 我が家の庭にやって来るトンボと言えば、他にアキアカネとコシアキトンボがいるだけである。先日、久しぶりにオニヤンマと思しき大型のトンボを見かけたが、上空を通過するだけで下りては来なかった。オニヤンマが飛び回るには、我が家の庭は狭過ぎるのである。
2008.07.22
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今日の朝早く、庭を歩いていると、薄黄と黒の模様をした蝶が地面の上でもがいていた。姫柚子の近くなので、羽化に失敗したナミアゲハかと思ったら、何と、死にかかりのゴマダラチョウであった。翅に破れはないが、全体的に色が褪せている。 ゴマダラチョウは、我が家の周辺では昔から少ない蝶で、一年に数回見るだけである。かなりの稀種と言える。採集したこともこれまでに1度しかない。しかし、少数と雖も毎年現れるのは、お隣に食草であるエノキの大木があるからである。 しかし、このゴマダラ、一寸おかしくはないか? 全体的にゴマダラの力強さが無くて華奢だし、後翅後縁近くに赤い斑紋が数個並んでいる。ヒョッとして・・・、図鑑を調べると、やはり噂に聞いていたアカボシゴマダラであった。死にかかりのアカボシゴマダラ.ゴマダラチョウはもっと模様が粗く胴体は太く、赤い斑紋はない(2008/07/20) 地面の上では写真にならないので、葉っぱにでも留まらないかと思ったが、もう脚の力は全く無い。仕方なく、フキの葉の上に載せて写真を撮った。時々翅を拡げるが、直ぐに畳んでしまう。結局、裏面の写真しか撮れなかった。 この蝶、日本では本来奄美諸島にのみ分布する。沖縄には産しない。大陸ではヴェトナム北部から朝鮮半島に分布し、奄美諸島産と大陸産では斑紋、翅形に違いがあるので、奄美諸島のは奄美亜種とされる。 ところが、最近になって埼玉県(1995年)や神奈川県(1998年)で目撃や採集の報告が相次ぎ、次第に関東一円に拡がり始めた。温暖化に伴う漸進的な北上ではなく、突如として関東に現れたのである。しかも、この関東に出現したアカボシゴマダラは大陸の基亜種(名義タイプ亜種)であり、奄美亜種ではない。・・・と言うことは、飼育個体がエスケープしたか、或いは、意図的な放蝶の可能性が高い、と言える。 ここ数年、昔よりもゴマダラチョウの数が少し多くなった様な感じがしていた。これは、或いは、ゴマダラチョウが増えたのではなく、アカボシゴマダラが増えているのかも知れない。日本の自然も、社会の混乱に比例して、おかしなことになって行くのだろう。
2008.07.20
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セミよりずっと小さいが、形はセミに似ている虫としてアワフキムシ、ツノゼミ、ヨコバイ、ウンカ、ハゴロモ、キジラミ等どが挙げられる。これらの中でもアワフキムシは、大きさもかなりあるし、一番セミに近い感じがする。子供の頃、始めてアワフキムシを見たとき、こんな小さなセミが居るのか、と驚いたのを想い出す。シロオビアワフキ.全国に分布する最普通種翅端まで12mm程度(2008/06/10) 写真のアワフキムシはシロオビアワフキ。最普通種で、日本の全土に棲息する。幼虫が自身で作った泡の中で生活するので、アワフキムシの名がある。 昔はこの辺りでも、彼方此方の木にこのシロオビアワフキの幼虫が出す泡が付いていたものだが、最近ではかなり珍しいものになってしまった。キイチゴには特に沢山付いていた記憶がある。 写真のアワフキは、我が家のクチナシに居た幼虫が羽化したもの。幼虫の頃に一度写真を撮ろうかと思っていたのだが、グズグズしている内に成虫になってしまった。幼虫は腹部が赤く、ずっと昔には、ホタルの幼虫だと思われていたこともあるとのこと。ジッとクチナシにしがみ付いているシロオビアワフキ(2008/06/10) Wikipediaの「アワフキムシ」に拠ると、アワフキムシの幼虫は師管液ではなく導管液を吸汁する(他に、蝉の幼虫、オオヨコバイ亜科のヨコバイも導管液を吸汁するとのこと。昨年の夏に掲載した「オオツマグロヨコバイ(吸汁)」では、師管液を吸うとの前提で書いたが、これは誤りであった。導管液と考えると旨く説明出来ること幾つかあり、追記として訂正を入れて置いた)。導管液は師管液よりもずっと薄く、糖分が少ないのでベト付かない。排泄された液には窒素代謝の排泄物としてアンモニアが含まれ、これと幼虫が分泌するワックス成分が反応して石鹸様の界面活性のある物質となる。少し下から撮ると、遠くを見つめる様な「表情」(2008/06/10) 幼虫は尾端に呼吸のための特別な管を持っており、これを空気中に突き出して空気を吸ってから排泄液の中にその空気を吐き出すことを繰り返して泡を作る。虫からは、ワックスの他に繊維性の蛋白も分泌され、泡の補強材となるらしい。 この泡を含んだ液には界面活性があるので、普通の昆虫が中に入ろうとすれば、気門から液が入って気管を塞ぎ、虫は死んでしまう。一見頼りない泡だが、普通の昆虫に対しては、強力な防御壁になるのである。 以上、殆どWikipediaの丸写しとなってしまった。瞑想するアワフキムシ(2008/06/10) このアワフキムシ、拡大してみると瞑想する哲学者の様な顔つき。ヨコバイやキジラミ、ツノゼミ等の顔とは随分印象が違う。セミはまだ撮ったことがないので検索してみたら、結構アワフキに近い顔をしていた。しかし、「瞑想する」と言う感じではない。ストロボの光を嫌うのか直ぐにお尻を向けてしまうので真っ正面から撮るのが難しかった(2008/06/10) 此処暫く晴れの日が続いている。気象庁からの「梅雨明け宣言」はまだ無いが、もう完全に夏の日である。これからは少し夏の虫も紹介せねばならないだろう。
2008.07.18
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今日はまたハチを紹介する。コハナバチ科のヤドリコハナバチ属(Sphecodes)の1種である。このヤドリコハナバチ、ハラアカハナバチとも呼ばれているが、九州大学の目録ではヤドリコハナバチとなっているので、此処ではそれに従った。ヤドリコハナバチ属(Sphecodes)の1種ハラアカハナバチとも呼び、腹部が赤いのが特徴(2008/06/27) 体長は約1cmもあり、コハナバチとしては大型である。九州大学の目録には51種のヤドリコハナバチ属のハチが登録されており、その多くは腹部に赤い部分を持つらしい。しかし、中には全身黒色の種もあり、また、あるサイトに拠れば、雄は赤くないとのこと。横から見ると腹部の前半のみ赤いことが分かる(2008/06/27) ヤドリコハナバチ属のハチは日本に50種以上居るのに、保育社の図鑑には1種も載っていないし、北隆館の圖鑑でも僅か2種である。他に特別な情報も無いので、このハチの名前は「ヤドリコハナバチ属の1種」とするしかない。属が分かっただけでも諒とせねばならないだろう。正面から見ると結構恐い顔(2008/06/27) カメムシの名前には似た様な名前で間違え易いのが多いが、このヤドリコハナバチの名前もまた混乱を生じ易い。北隆館の圖鑑を見ると、このコハナバチ科のSphecodes属のハチは、○○○ハラアカハナバチとなっており、他に○○○ヤドリハナバチと言う名前のハチがコシブトハナバチ科に数種載っている。一方、九大の目録ではSphecodesはヤドリコハナバチで、コシブトハナバチ科の方は殆どが○○○ハナバチヤドリとなっているが、1種だけ○○○ヤドリハナバチの名が付いているのがある。Sphecodes属は○○○ハラアカハナバチとした方が分かり易いかも知れない。斜め横から見るのが一番可愛い(2008/06/27) 「ヤドリ」と付くのは、寄生性のハチだからである。しかし、ヒメバチやヤドリバエなどとは異なり、宿主を食べてしまうのではない。宿主が幼虫の為に用意した餌を横取りしてしまうのである。この種の寄生を「労働寄生」と呼ぶ。 ハナバチ類(ミツバチ上科)には、この手の寄生をする種類が意外と多い。何れも近縁のハナバチに労働寄生し、ヤドリコハナバチ属の場合は、主にアトジマコハナバチ属Halictusやコハナバチ属Lasioglossumのハチに寄生するとのこと。これらは何れもヤドリコハナバチ属と同じくコハナバチ科に属す。オマケにもう1枚斜めから(2008/06/27) この様なハナバチの労働寄生は、カッコウやホトトギスの託卵に似ている。みんな可愛い顔をしていて、結構ズルイのである。
2008.07.16
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もう大分前のことになるが、ゲッケイジュの葉裏に、ハエの様な妙な小昆虫が沢山いるのを見付けた。マクロレンズで覗いて居ると、丁度虫と目が合った。忘れもしないこの漫画的な顔、チャタテムシである。ゲッケイジュの葉裏に居たチャタテムシの1種漫画的な顔?をしている(2008/05/30) 体長2mm強、翅端まで2.5mm、小さな虫である。此処に掲載した写真では、かなりコントラストを上げて虫の存在が目立つ様にしているが、実際はかなり背景に溶け込んでおり、見分けが付き難い。ある1枚の葉の裏にかなりの数のチャタテムシが居たが他の葉では見つからなかった(2008/05/30) チャタテムシは、多くの人にとって余り縁の無い虫ではないだろうか。一部のチャタテムシは屋内害虫としてかなり有名とのことだが、生まれてこの方自宅で発生したことはない。尤も、小さ過ぎて気が付かなかっただけなのかも知れないが・・・。 実はつい最近まで、チャタテムシと言う虫を見たことがなかった。今年の冬に近くの緑地に生えているタラヨウの葉裏に居るのを見付けたのが最初である。この虫も体長僅か2mm、翅が長いので翅端までは3.5mmあったが、やはり小さな虫であることには変わりがない。 しかし、図鑑を見ると「普通」と書かれた種が沢山あり、家の庭で見たことがないのも、屋内同様、居ても気が付かなっただけの可能性が高い。横から見たチャタテムシの1種翅脈が見えそうだが、やはりよく分からない(2008/05/30) Wikipediaに拠ると、チャタテムシはかつては独立のチャタテムシ目に属していたが、最近ではシラミやハジラミと一緒に咀顎(そがく)目に入れられて居り、その中のコチャタテ亜目、コナチャタテ亜目、チャタテ亜目の3亜目が旧チャタテムシ目に相当する。 室内害虫として知られているチャタテムシの多くは、コチャタテ亜目やコナチャタテ亜目に属し一般に無翅で小さく体長2mm以下。有翅チャタテムシの殆どは、チャタテ亜目に属し、一般に屋外で生活する。大きさは様々で、図鑑を見ると、オオチャタテの様に雌の前翅長が8mmに達する大型種もある。正面から見たチャタテムシ.面白い顔をしている(2008/05/30) チャタテムシは一般にカビや地衣類などを餌とする。屋内に発生するのは、通気の悪いところに生えたカビが餌になるからである。乾燥食品や動物標本、書籍等に集るのも、其処に生えたカビを食べる為らしい。斜めから見たチャタテムシ(2008/05/30) ところで、このチャタテムシ、例によって種も分からなければ、科も分からない。小さ過ぎて細部の構造は判別不能だし、翅脈もよく見えない。日本産は100種位記録されているらしいが、北隆館の大図鑑でも僅か20しか載っていない。チャタテ亜目に属すと思われるが、それ以上は「チャタテムシの1種」とする以外に手がない。 屋外で撮影したチャタテムシの写真を検索してみると、その殆どが「チャタテムシの1種」かそれに類する表題になっている。皆さん、何れも小さ過ぎるのと資料不足でお困りの様である。チャタテムシの幼虫.不完全変態をする(2008/05/30) このチャタテムシを見ていると、カイガラムシと思われるもの(2番目の写真の右端)の周辺を探索?していたりするので、ヒョッとして捕食性!?かと思った。しかし、調べてみると、捕食性のチャタテムシと言うのは何処にも出て来ない。やはり、古い葉裏に沢山付いている寄生性昆虫の排泄物などに生えたカビ目当てと考える方が順当らしい。チャタテムシの幼虫と目が合ってしまった(2008/05/30) なお、チャタテムシは漢字で書くと、「茶立虫(茶点虫)」となる。これは、ある種のチャタテムシが抹茶をたてるときの様な音を出すからだそうである。北隆館の大図鑑には「発音器として後脚基節内側のヤスリ状器官と尾端部、口器が挙げられている」と書かれている。こんな小さな虫が一体どんな音を立てるのか、聞いてみたいものである。
2008.07.14
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我が家の庭には、科すら容易に判明しない小さなハエが色々居る。ハエの検索には、少なくとも翅脈と頭部や胸部に生えている毛が充分鮮明に写っていることが必要である。しかし、余りにハエが小さ過ぎて毛の生え方が良く分からなかったり、ハエが翅を畳んでいて翅脈がよく見えなかったりするから、科の検索が行き詰まってしまうのである。 しかし時に、体や翅に極めて特徴的な模様あると、検索をしなくても種が分かってしまう場合がある。勿論、絵合わせだけでなく、細部の記載が一致することを確かめる必要があるのだが・・・。 今日紹介するのは、その手のハエ、クロオビハナバエである。クロオビハナバエ.独特の模様をしている(2008/06/11) 体長約5mm、我が家に出没するハエとしては比較的大型である。 図鑑の記載に拠れば、中胸楯板の横線後部に黒い横帯があり、小楯板の前半と、時に横線前部に1対の黒斑、また、腹部の3~5節の前縁にも特徴的な黒斑がある。写真のハエは、正にその通りの模様をしている。この写真では少し拡大率が不足しているが、原画を拡大すると胸部側面の下側剛毛は無く、翅側剛毛も存在しない様に見える(2008/06/11) ハナバエ科はイエバエ上科に属し、イエバエ科、クロバエ科、ヤドリバエ科、ニクバエ科等では中脈(M1+2)が前方に大きく湾曲するが、ハナバエ科やフンバエ科ではほぼ直線的である。これは1枚目の写真で確認できる。 また、ハナバエ科では、胸部側面の下側剛毛も翅側剛毛も存在しない。上の写真では些か拡大率が足りないが、その原画を拡大すると、前者は明らかに無く、後者の剛毛も存在しない様に見える。 まァ、これだけ一致すれば、クロオビハナバエとして問題ないであろう。正面から撮ったクロオビハナバエ.ハナアブ類とは大部違う顔をしている(2008/06/11) このクロオビハナバエ、名前は「花蠅」でも、成虫は動物の死骸や鳥獣の糞に集り、幼虫はそれらを食べて育つとのこと。その生態は、余り名前にそぐわない様である。 図鑑に載っているハナバエ科昆虫の解説を読んでみると、かなり多くの種類で「幼虫は○○○の潜葉虫」と書いてある。「潜葉虫」とは、所謂「絵描き虫」のことである。ハモグリバエ科の絵描き虫には、普通「○○○ハモグリバエ」と言う名称が付いているが、ハナバエ科潜葉虫の多くは「○○○モグリハナバエ」となっている。絵描き虫はハモグリガ科やハモグリバエ科だけではなかった。なお、ハナバエ科には、一部捕食性の種類も居る。手を擦るクロオビハナバエ(2008/06/11) しかし何故、名称が「花蠅」なのか? 調べてみると、花に集まる種類が多いことに由るらしい。特に、高山では、訪花昆虫の優先種だそうである。この辺りでも、花には小型のハエが色々来ている。今度真面目に撮って、ハナバエかどうか調べてみよう。オマケにもう1枚.虫を見るときは、斜め上から見る機会が一番多いのではないかと思う(2008/06/11) 今日の写真は先月撮ったもので些か古い。しかし、どうも我が家では5月と6月に面白い虫が一番多く現れる様である。最近は天候も悪いし、新顔の虫は殆ど姿を現さない。暫く、先月撮った写真を続ける予定である。
2008.07.11
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今日は、先日の「メンハナバチの1種」と同じく、撮影後約1年経って漸く種類が分かったハチを紹介する。 スミゾメハキリバチとムナカタハキリバチである。この2つの名称のハキリバチ、実は同一種の雌雄であることが分かり、現在では雄の方のムナカタハキリバチが標準和名とされているらしい。しかし、此処では種の特徴を良く表したスミゾメハキリバチの名称を先に置くことにした。ニワナナカマドに訪花したスミゾメハキリバチ恐ろしくせわしないハチで撮るのが大変体長は約15mm(2007/05/31) このスミゾメハキリバチ、名前の通り全身真っ黒なハキリバチである。昨年ニワナナカマドが開花したとき、連日の如くやって来て花粉集めに余念がなかった。いや、余念がないと言うよりも、花穂の中をバタバタと暴れ回っている感じで、こんなに落ち着きのないハチは今まで見たことがない。コマルハナバチなども留まることなく動き回って撮影のし難いハチだが、このスミゾメハキリバチと較べれば遙かに撮り易い。カメラの視野の中にハチを入れるのさえ難しく、視野の中にハチが見えたら即シャッターを切る、と言う感じで撮影したので、無駄写真を山ほど作ってしまった。横から見ると、腹部下面に花粉を多量に付けているハキリバチの花粉運搬は腹で行う(2007/05/31) ・・・と言う訳で、何時もなら掲載する筈の前から撮った写真や、極く近接で撮った写真がない。 しかし、このハチ、今年別の所でシッカリ撮ることが出来た。近くで撮ると、中々可愛い顔をしている。それらの写真は別のWeblogに載せてあるので、関心のある向きはこちらを参照され度。腹部に白帯がみえるが、黴でも生えているのか?(2007/05/31) 次は雄バチの方である。このハキリバチもスミゾメとほぼ同時期に撮ったのだが、種類が分からなくて殆ど迷宮入りになっていたのである。つい先日、ムナカタハキリバチ=スミゾメハキリバチの雄であることが判明した。 ハキリバチの種類の判別は難しい。しかし、このムナカタは触角の先端が平らに楔形になっており、また、前脚に長い毛を持っているとのこと。写真のハキリバチは正にその特徴を持っているので、ムナカタハキリバチとしたのである。ムナカタハキリバチ.スミゾメハキリバチの雄(2007/06/08) ハキリバチの雌は花粉を腹部下面の花粉運搬毛に付けて巣に運ぶ。雄は花粉を運ぶ必要がないから、その運搬毛を持たない。下の写真では腹部下面は見えないが、2番目の雌の写真を見ると腹部側面の上部まで花粉が付いているのに対し、このハキリバチの側面には何も付いていない。これは雄バチであることを示している。ムナカタハキリバチは前肢に長毛を持ち、触角の先端は楔状(2007/06/08) 最近は雨模様の日が続いており、虫も少なく、写真は殆ど撮っていない。ネタ切れにはなっている訳ではないが、昨年撮った写真を掲載するには良い機会だと思っている。
2008.07.09
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今日は久しぶりにテントウムシを紹介する。ナミテントウと並んで、我が家で最も普通のダンダラテントウである。 最も普通なのにも拘わらず何故今まで掲載していないのか我ながら良く分からないが、テントウムシの中でも特にチョコマカして撮影し難いのがその理由かも知れない。寝ている?ダンダラテントウ.肩の所に赤いスジが残っている(2008/05/28) 「ダンダラ」と言う言葉を調べてみると、本来は「段だら染め」から来ており、間隔が同じ横段の縞模様(段々模様)のことを言うのだそうである。一方、「段だら模様」と言うと、これは新撰組の着ていた羽織(半被?)の袖にある波形のギザギザで染め分けた模様とのこと。 私の語感では、「だんだら=まだら」なのだが、どうやら、これは間違いらしい。しかし、Internetで調べてみると、「だんだら=まだら」の意味で使っている人が少なからず居る。こちらの方には、赤いスジの他に赤色斑が4つある(2008/05/28) このダンダラテントウ、此処に掲載した写真を見る限り、何れの「だんだら」にも該当しない。しかし、ダンダラテントウはナミテントウ同様に斑紋の変化が著しく、6紋型と言う殆ど赤い地に黒の波形模様が入るものもある。恐らく、この波形模様からダンダラテントウと名付けられたのであろう。ダンダラテントウは、本州中部以南(以西)から熱帯にかけて広く分布し、北方(関東)のものでは赤色の部分が少なくなり、殆ど黒になってしまう。しかし、全身真っ黒になることはなく、前翅の肩の部分に三日月状の赤色紋が若干は残る。アブラムシを捕まえたダンダラテントウ犠牲者は多分ハギオナガヒゲナガアブラムシ(2008/05/28) 大きさにはかなりの変化があり、図鑑に拠れば3.7~6.7mm。一般にナミテントウよりも小さく、ヒメカメノコテントウよりは大きい。虫体の輪郭はナミテントウによく似ており、ナミテントウと間違えることもあり得る。しかし、ダンダラテントウ属(Menochilus)の触角は先端が細く尖るのに対し、ナミテントウでは太く丸い。ムシャムシャと食べてしまう(2008/05/28) ダンダラテントウは、我が家に居るナミテントウ、ムーアシロホシテントウ、ヒメカメノコテントウ、或いは、我が家では見られないナナホシテントウ等と同じく、幼虫、成虫共にアブラムシを捕食する。しかし、クサカゲロウやヒラタアブ類の幼虫とは違って、テントウムシにより食べるアブラムシの種類がかなり限定されている様である(なお、ムーアシロホシテントウは、「シロホシテントウ」と付くのでシロホシテントウの所属するカビクイテントウ族と間違えて、白渋菌(うどん粉病菌)を食べる、としているサイトがかなりあるが、ムーアシロホシテントウはテントウムシ族のシロトホシテントウ属に属し、アブラムシを食べる)。ダンダラテントウの顔.口から出ている2本の黒っぽい棒はアブラムシの脚であろう(2008/05/28) これらのアブラムシを食べるテントウムシの中で、一番広食性なのはダンダラテントウの様に見える。今日掲載した写真はハギに居たものだが、他に、コナラ、フヨウ、その他の色々な木本、草本でアブラムシを捜して走り回っている。一方、ナミテントウはハナモモに居たアブラムシを好み、一時は1本の木に数100頭が群がって正にゴマンと居たアブラムシを全滅させた。このテントウムシもコナラやクリ等、かなり多くの木本植物に付くアブラムシを食べる様だが、ハギやフヨウに付くアブラムシには無関心に見える。 ハギに付くアブラムシ(ハギオナガヒゲナガアブラムシ)を最も好むのは、この中ではヒメカメノコテントウである。このテントウムシが来ると、双方の数のバランスにも由るが、数日でハギのアブラムシは全滅する。コナラにも来ていることがあるが、その他の木や草で見た記憶はない。また、ムーアシロホシテントウは、コナラに居るものしか見たことがない。この倍率では分かり難いが、ダンダラテントウの触角は先が尖っている(2008/05/28) ナナホシテントウは我が家には居ないが、少し奥の草地には沢山居る。何故我が家にやって来ないのか疑問であったが、この春観察したところに拠ると、草地のヒメジオン、ハルジオン等にはナナホシテントウの幼虫、蛹、成虫が無数と言っても良いほど居るのに対し、その10m奥の木が茂っている所にあるケヤキの樹に居るのは全てナミテントウで、ナナホシテントウは全く見られなかった。その他の樹を調べても、居るのは全てナミテントウだけであった。 どうやら、ナナホシテントウはキク科その他の草本に付く特定のアブラムシを食べ、木本植物のアブラムシは食べないらしい。逆にナミテントウは木本植物に付く特定のアブラムシを食べ、草本植物に付くアブラムシは食べない様である。 我が家の庭には、アブラムシが沢山付く草本は一つも無い。これが、我が家にナナホシテントウの居ない理由と思われる。葉裏からヒョッコリ顔を見せたダンダラテントウ(2008/05/28) 世間では、テントウムシはアブラムシであれば何でも食べるかの如く思われているらしい。しかし、テントウムシとアブラムシの間には、種による捕食選択性があることは明らかである。アブラムシを退治して貰おうと、アブラムシの集っている所にテントウムシを連れてきても、相性?が悪ければ、何の役にも立たないのである。
2008.07.08
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写真を撮った虫の所属が分からなくても、他に見られない奇妙な形をしていたり、特異的な模様を持っていたりすると、調べさえすればわりと簡単に分かりそう、・・・と思ってしまう。 確かに普通はそうなのだが、中には幾ら調べても分からない、と言う虫も出て来る。そういう時は、「その内種類が分かってから掲載しよう」と考えてしまうので、結果的にその虫は御蔵入りになってしまうことが多い。 しかし、1年以上経って偶然に種類が分かった、と言う場合もある。今日はその様な経過をたどった虫を紹介する。但し、分かったのは属までで、種に関しては分からずじまいである。 ムカシハナバチ科、メンハナバチ属(Hylaeus)の1種で、体長は約8mm、かなり小さいハチである。独立行政法人「森林総合研究所」の「竹筒ハチ図鑑」と言うサイトに掲載されているニッポンメンハナバチの標本と斑紋の分布は一致するのだが、調べてみると、この属の多くは同じ様な斑紋を持っている様で、斑紋だけでは種の判別は無理らしい。メンハナバチの1種(Hylaeus sp.)(2007/06/09) 撮影したのは、昨年の6月9日、まだニワナナカマドが咲き乱れている頃であった。ギボウシの葉の上に小さなハチが留まっており、口から蜜を出したり引っ込めたりしている(下の写真)。まるで牛が反芻している様。複眼の間に黄色の三角斑が1対ある.口から花蜜を出したり引っ込めたりしている(2007/06/09) 良く見てみると、複眼の間に逆三角形の小さいが極めて明瞭な黄色斑が1対ある。こんなハチは見たことがない。しかし、これ程明確な特徴があるのだから、調べれば簡単に種類が分かるだろう、とその時は思った。。 しかし、図鑑は標本の背側を撮った写真しか載せていないし、Internetで調べてもハチを正面から撮った写真は少ない。幾ら捜しても、顔面に三角の黄色斑を持つハチは見つからなかった。本来ならば、検索表を辿るべきだが、膜翅目の検索表と言うのはどれも実体顕微鏡下で調べなければ分からない様な微小な構造の違いに基づいているので、この程度の写真から科を検索することは全くの不可能事である。 殆ど迷宮入りと諦めていたが、先日「裏庭観察記」と言うサイトを見ていたら、顔面に逆三角形の黄色斑を1対持つハナバチの写真がページの一番下に載っているではないか。ムカシハナバチ科のハチで、「ニッポンメンハナバチ?」と書かれていた。メンハナバチ属のハチは、肩板の前半、各脚の脛節基部に淡黄色斑を持つものが多い(2007/06/09) 多くのハナバチは、昨日のコマルハナバチの様に後脚の何処か(ハナバチ類の大半)か腹部下面(ハキリバチ類)に特殊な毛を持っていて、其処に花粉をくっ付けて巣に運ぶ。しかし、このメンハナバチ属のハチは、蜜ばかりでなく花粉も呑み込んで胃に蓄える。だから、体の何処にも花粉運搬毛を持たない。 口から出した蜜を良く見てみると、花粉の様な粒子が極く少しだが混じっているのが見える。恐らく普通はもっと沢山花粉が入っているのであろう。牛の様に反芻するのも、蜜と花粉を良く混ぜ合わせて均質にする作業なのかも知れない。
2008.07.06
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庭にやって来る虫の種類とその数は、年によりかなり大きく変動する。例えば、今年はスズメバチ科のハチ、コマルハナバチ、ツマグロヒョウモン、ヒトスジシマカが少ない。逆に、ルリシジミは例年よりもかなり多いのではないかと思う。 ヒトスジシマカが少ないのは大変難有いが、コマルハナバチが少ないのは何とも寂しい。コマルハナバチは毎年我が家の通風口(ベランダへの出入り口の直ぐ上にある)に巣を作り、6月には新女王も出てブンブンと大層賑やかなのだが、今年はシーンと静まりかえっている。 コマルハナバチが少ないのは、我が家の通風口に巣を作らなかったせいばかりではない。この辺り全体として少ないのである。毎年5月になれば、何処の御宅のサツキにもかなりの数のコマルハナが来るのだが、今年は1頭も来ていないことが多かった。 それでも、時折コマルハナの働きバチがやって来る。普通ならば余りにありふれていて撮る気がしないのだが、こう少ないと、せっかく来たのだから撮ってやろうと言う気になってしまう。ビョウヤナギの花の周りを飛び回るコマルハナバチの働きバチ(2008/06/09) 撮影したのは1ヶ月程前である。些か旧聞に属すが、何卒御寛恕被下度候(ナニトゾゴカンジョクダサレタクソウロウ)。後脚脛節外側には花粉をシッカリ貯めている(2008/06/09) コマルハナが吸蜜・花粉収集に来ているのは、ビョウヤナギの花。余り好きになれない花だが、自然に生えて来たのでその儘にしてある。茶花になると言う人も居るが、こんなものを茶花として採って来たら、茶人であった祖母は黙ってそのまま縁側に投げ棄てたであろう。花にしがみつくコマルハナバチの働きバチ.ビョウヤナギは花糸が長いので、ハチとしては止まるのに苦労する(2008/06/09) コマルハナバチが少ないのは、ヒョッとすると、以前掲載したマルハナバチに寄生するオオマエグロメバエが増えたせいかも知れない。実は、今年も通風口の下で羽化したばかりのオオマエグロメバエを見付けたのである。恐らく、通風口の中で越冬していたコマルハナバチの新女王(寄生により死亡)の体内から出て来たのであろう。死んでしまった新女王は、寄生されていなければそのまま通風口に巣を作り、今年の「家のマルハナちゃん」になった可能性が高い。 このオオマエグロメバエは羽化に失敗したのか翅が異常に短く、シャーレの中に入れて置いたら次の日にはもう死んでいた。オオマエグロメバエは中々見映えのするハエ(普通のハエの形ではなく、ハチの様な姿をしている)だが、「家のマルハナちゃん」に寄生するのは何としても許し難い。
2008.07.05
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我が家の狭い庭には、時に4匹のカナヘビが現れるが、その内の2匹は我が家に定住しているらしい。先日「ニホンカナヘビ(その3)」として掲載した「我が家のカナヘビ君」(別名「赤古」)は2年以上前から居るが、今日紹介するのは昨年辺りに引っ越して来たらし個体で、かつて「ニホンカナヘビ(再登場)」に出演したカナヘビ君はこれではないかと思われる。この比較的新参者のカナヘビ君の名前は「赤新」。他の我が家に定住していない2個体は色が白っぽいのに対し、定住しているこの2匹は赤味が強いのである。 色の違いは雌雄の差かと思っていたが、調べてみると色では区別が付き難いとのこと。カナヘビの雄は尾の付け根がやや太く、雌ではやや細い・・・、飼育でもして観察眼を養わないと区別は難しそうである。我が家のカナヘビ君2号「赤新」.シッポを何回も切った跡がある(2008/06/24) この「赤新」君には、尾っぽが切れて再生した跡がある。再生部分の詳細を接写しようと思ったのだが、まだ撮っていない。しかし、上の写真を見ても、何回かに亘って切った形跡が認められるから、かなりドジなのか、或いは、よほど運が悪いらしい。 この赤新君、昔は直ぐ逃げたが、最近は余り逃げない。其処で前例に倣って頭部を等倍接写してみた。「ニホンカナヘビ(その3)」に出演した赤古と比較すると、体の腹側は白っぽいが、基本的な模様の入り方は同じである。「赤新」の顔.下側がかなり白い(2008/06/24) 眼の部分だけを拡大すると下の写真の如し。「ニホンカナヘビ(その3)」の赤古とは虹彩の模様がかなり異なる。やはり、虹彩の模様で個体識別が出来そうである。 興味深いのは、鱗の基本的な配列方式は同じでも、例えば写真の右下部分を見ると、何処が鱗の境目になるかは2匹の間でかなり異なる。しかし、色の配置は鱗の配列とは関係なく同じになっている。「赤新」の眼.虹彩の模様は「赤古」とは異なる鱗の配列と模様の配置の関係を「赤古」と比較すると面白い(2008/06/24) 鱗の境目や色の配置がどの様に決定されるのかは、かなり厄介な発生生物学上の問題である。昔から「発生の場」(「場所」ではなく「磁場・電場」の場(field))と言う概念があるが、今では分子生物学的にどう説明されているのであろうか。時間的余裕があれば、また、勉強してみたいものである。
2008.07.04
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先日、等倍以上の接写をする方法を羅列したとき、1つだけ書き忘れたやり方がある。コンバージョンレンズを使う方法である。 コンバージョンレンズとは、カメラに付いているレンズに装着することによりそのレンズの焦点距離を変更する簡単なレンズで、普通は焦点距離を長くする為に使用する。カメラ・メーカーから出ている場合もあるが、昔からケンコーのテレプラスが有名である。 これは、お金がなくて値段の高い長焦点レンズが買えない、極く稀にしか長焦点を必要としない、或いは、全体の重量を軽くしたい場合等に使う方法で、私も40年前のビンボー学生時代に使ってみたことがある。しかし、解像力の低下が甚だしく、コンバージョンレンズを付けないで撮った写真の部分拡大と大して変わらなかったので、その後「無用の短物」として頭から消えていたのである。 しかし、このコンバージョンレンズを接写に使えば撮影倍率を上げることが出来る。焦点距離を2倍にするコンバージョンレンズの場合、画角は1/2になっても撮影最短距離は変わらないので、撮影倍率は2倍になるのである。また、この方法では被写体と焦点面の距離が長くなるので、巧く行けば、内臓ストロボでもケラレが生じることなく、外付けストロボとディフューザーを必要としないかも知れない。これは撮影の簡便性にとって重要なことである。 先日、どうせ解像力が落ちるだろうと思って考慮外にしていたクローズアップレンズを使って良い結果を得た。其処で2匹目の泥鰌を狙って、コンバージョンレンズも買ってみた。値段はクローズアップレンズの5倍位するが、まァ、1万円を少し超える程度だから、もし巧く行かなくても大した痛手にはならない。ナシグンバイ.我が家のサンザシ、ボケ等にジンダイな被害を与える翅端まで3.3mm、小さなステンドグラスの様な虫である(2008/07/01) 上は2倍のコンバージョンレンズを使って撮った写真である。ナシグンバイの大きさは翅端まで約3.3mm、以前撮った写真や、その後ギリギリまで拡大して掲載したアワダチソウグンバイの写真と較べると、かなり解像力が上がっている。横から見たナシグンバイ.背中の突起が印象的、眼は一寸異様(2008/07/01) これに使ったカメラとレンズは、クローズアップレンズを付けて巧く行った方ではなく、此処約2年間、このWeblogの写真を撮るために使っていたカメラとレンズである。 クローズアップレンズで巧く行った方の組み合わせでは、クローズアップレンズで2倍、あわよくばコンバージョンレンズで更に2倍、合わせて4倍を狙ったのだが、欲張りは失敗の元、全然駄目でクローズアップレンズを外しても解像力の低下が甚だしく、全く使いものにならなかった。それでも、マクロレンズではない普通の望遠ズームでは解像力の低下は余りなく、マズマズの成績を修めた。レンズの相性により、随分異なる結果が出るものである。正面から見ると疫病神みたいな顔!! 背中の突起に毛が生えている(2008/07/01) 残念ながら、このカメラとレンズでは等倍(コンバージョンレンズを付けて2倍)まで鏡筒を伸ばすと、内臓ストロボがけられてしまう。内蔵ストロボで撮るには、その少し手前(レンズの距離目盛り0.31m)で我慢せねばならず、画面横幅の実寸法14.5mm、拡大率は約1.63倍となる。もう一方のシステムの拡大率1.86倍と較べると少し低いが、外付けストロボとディフューザーを使わなくて済む利便性は大きい。 しかし、クローズアップレンズの方は、横幅4672ピクセルのボディーが使える。これに対し、コンバージョンレンズの方は3872ピクセルなので、実質的な倍率には更に差が付くことになる。この両者の比較は、近日中に紹介したいと思っている。
2008.07.03
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先日紹介した「新接写システム」を使って、今花盛りのクチナシに集っているアザミウマを撮ってみた。このアザミウマは以前にも紹介しているので、「新システム」でどの程度解像力が上がったかを比較するには丁度良い被写体なのである。 今日の写真は、先日のとはカメラ本体が異なり、横幅4672ピクセル(以前は3872ピクセル)のボディーで撮っているので、解像力が多少上がっている筈である。6番目の2頭一緒に写っている写真を除いて、何れも原画で横幅750ピクセル(表示は500ピクセルに縮小)、実際の長さにして約2.0mmである。写真を調整し終わってから見てみると、もう少し拡大した方が細部が明確になったと思うが、やり直すのがメンドーなので、そのままにしてしまった。クチナシの花に集るアザミウマ.全体的に暗褐色ハナアザミウマの雌と思われる(写真の拡大率は6番目を除いて全て同じ.横幅約2.0mm)(2008/06/25) 写真を撮っていてアレッと思ったのは、1種類だと思っていたアザミウマに3通りのタイプがあったことである。上に掲げた全身色が濃い褐色(頭部胸部がやや淡色の個体もある:下から2番目の写真)で大型のタイプが最も多く、下に示した色の薄く小型のものは全体の1/5かそれ以下である。他に中ぐらいの大きさで全体的に色が少し薄い個体(5番目の写真)も居たが数は少ない。雄の個体.雌と較べるとずっと小さい.下の写真とは少し異なるどちらかがハナアザミウマの雄であろう(2008/06/25) 以前掲載したアザミウマの写真は、顕微鏡写真の様な感じで平面的な像になっているが、新システムでは普通の写真の様に立体感が出ている。触角の1つひとつの節や、毛の生え方もかなり良く分かる。残念ながら、毛の生え方は、掲載した写真では倍率が不足でやや不明瞭だが、原画をピクセル等倍に拡大するともう少しはっきり見える。同じく雄.上の個体よりもかなり小さい(2008/06/25) これだけ詳細が分かると、巧く行けば、このアザミウマの種類が判別出来るかも知れない、と言う気になる。すっかり忘れていたが、1年ほど前に「農作物のアザミウマ」と言う本を買ってあった。これには26種のアザミウマ(クダアザミウマ科7種、アザミウマ科19種)についての詳細な記述がある。この本に拠ると、クチナシに寄生するアザミウマとして、クロトンアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ハナアザミウマ、ヒラズハナアザミウマの4種が挙げられている。この内、前2者は全く異なる外観をしており、明らかに写真のアザミウマとは異なる。残るは、ハナアザミウマとヒラズハナアザミウマの2種である。真横から見たハナアザミウマの雌(2008/06/25) この2種は、外見的には非常によく似ている。しかし、ヒラズハナは単眼域に長い刺毛が一対、前胸背板の前縁と後縁の双方に長い刺毛を持つのに対し、ハナでは単眼域に2対、前胸背板の後縁のみに長刺毛を持つ。横から見た写真(上)を見ると、単眼域には2対の長刺毛があり、また、前胸背板の前縁には長い刺毛は認められない。これは、ハナアザミウマの特徴と一致している。 九州大学の「日本産昆虫目録データベース」には、アザミウマ科だけで176種が登録されている。これに対し、「農作物のアザミウマ」に載っているアザミウマ科はたったの19種。しかし、このクチナシに毎年集るアザミウマは極く普通種であろうし、濃色型と淡色型(下から2番目の写真:頭部胸部が淡色)の2型あること、「本種(ハナアザミウマ)は各種の花卉からも発見されるが、その被害の実態については不詳である」と書かれていることなどから、少なくとも色の濃い大型の雌は、ハナアザミウマとして良いのではないだろうか。やや淡色で小型のアザミウマ.ハナアザミウマではない可能性が高い(2008/06/25) しかし、上に示したやや小さく色も少し淡色の個体は、横から撮った写真がないので、何だか良く分からない。ヒラズハナアザミウマかも知れないが、文献に拠ればヒラズハナの方が一般に大きいとされている。 小型の色の薄い個体は、アザミウマの雄である。アザミウマの雄は常に雌よりも淡色で小型の様である。雄の形態については詳しい記述がないので何とも言えないが、多分ハナアザミウマの雄であろう。しかし、2枚の写真を較べると、大きさや触角の色に差異がある。或いは、ヒラズハナその他の雄が混じっているのかも知れない。踊るハナアザミウマの雌.頭部胸部が淡色(2008/06/25) ところで、このアザミウマの雌は、時々妙な踊りをする。腹部をくねらせてフラダンスの様な踊りをするのである。忙しく歩き回って居たかと思うと、突然止まって踊り始める。暫くすると、また走り回る。この繰り返しである。 雄が求愛行動として踊るのなら分かるが、雌が何故この様な行動をとるのか全く不可解である。同じく、踊るハナアザミウマの雌.翅がよく見える(2008/06/25) 今日の写真は、真っ白に近いクチナシの花を背景にしているので、カブリを生じてやや鮮鋭度が落ちている感じがする。被写体によっては、もう少しカチッとした写真が撮れるのではないだろうか。
2008.07.02
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