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今日は赤紫色の花が咲く北米原産シオンの1種を紹介する。世間様ではこれを「友禅菊」と呼んでいるらしい。 しかし、「友禅菊」などと京を思わせる如何にも日本的な名前を付けるとは、半分詐欺の様なものである。ソモソモ雑草に毛の生えた様な植物なのだから、そんな名前は使わず、帰化植物並に「北米原産シオンの1種」としたいところだが、それでは白花の方と区別が付かなくなって些か困る。そこで表題を「北米原産シオンの1種(紫花)」とした。北米原産シオンの1種(紫花).巷間では友禅菊と呼んでいるらしい(2008/10/26) この「紫花」、やはり雑草に近いと見えて虫集めに関しては甚だ成績が宜しい。セイタカアワダチソウや「白花」に殆ど引けを取らない位に虫が集まる。一方、日本の栽培種の菊は「集虫度」がかなり低い。日本の栽培種の菊は種子では繁殖させないから、「集虫度」は淘汰の網に引っ掛からず、その結果として自然に低下したのであろう。花が開く前の舌状花は色が濃いが、開くとその内側は色が薄くなり、暫く経つとまた濃くなる(2008/10/25) どんな虫が来るかと言うと、先日紹介したハラナガツチバチ類、ハナバチ類、ハナアブ類、ツマグロキンバエやその他のハエ類、蝶や蛾類、更に何故か、ヒトスジシマカ(特に雄)がやって来る。「紫花」にやって来たホソヒラタアブ(2008/10/25) 先日紹介したブドウトリバもこの花がお気に入りの様で、一昨日はこの「紫花」と隣にあるセイタカアワダチソウの回りに5頭位が飛び回っていた。吸蜜するブドウトリバ(2008/10/25) こう言うキク科の花に虫がやってくるのは、殆ど花に陽が射している間だけである。しかし、陽が射す前にやって来る虫もいる。ヒラタアブ類とツマグロキンバエは出勤が早い。ハチ類は、最近は朝晩かなり寒いせいか、陽が射して暖かくならないとやって来ない。或いは、陽が射すと花の匂いが発散し、それにつられて虫達がやって来るのだろうか。ヒトスジシマカもやって来る(2008/10/26) 虫が沢山集まっていれば、当然捕食者もやって来る。ハラビロカマキリの「カマちゃん」はすっかりこの場所が気に入ったらしく、この1週間ばかりず~と御逗留である。その間に、分かっているだけでキンケハナラガツチバチの雄雌各1、ハナバチ類1、アシブトハナアブらしきアブ1,ツマグロヒョウモン雄1を食べている。ハラナガツチバチの様な固い虫は食べるのに時間が掛かるが、普通の虫は直ぐに食べ終わってしまうから、実際はこの2~3倍は食べているであろう。お腹が一杯になると?、目立たぬよう少し下がって下向きのままジッとしている。獲物を待ちかまえるハラビロカマキリの「カマちゃん」(2008/10/26) この「紫花」、虫集めには絶好だが、一つだけ気に食わないことがある。花がやや赤っぽいのである。欧米から入った、或いは、逆輸入された青い花は、必ず少し赤味がさしている。キク類然り、テッセン(クレマチス)然り・・・。茶人であった祖母の薫陶を受けたものとしては、何故か知らぬが、これが何とも下品に感じられる。この花色では、姿がどんなに野菊風でも、祖母の目には叶わぬであろうと思う。 しかし、この花には今まで我が家では見たことのないハナアブもやって来たし、其処に集まる小型のアブやハエを狙う狩り蜂も出現した。御蔭で、これから何回かは、新顔の虫を紹介することが出来る。「紫花」様々である。
2008.10.31
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先日、キンケハラナガツチバチの雌と雄を掲載したが、今日は近縁種のヒメハラナガツチバチの雌を紹介する。 ヒメハラナガツチバチ(以下「ヒメ」と略す)の雌の写真は以前撮ったのが画像倉庫の中に何枚かあると思っていたのだが、倉庫の中を調べてみると、ヒメの写真は何れも家以外の場所で撮ったものばかりであった。我が家の庭では、キンケハラナガツチバチ(以下「キンケ」)は最普通種だが、ヒメの方はかなり稀なのである。年に1~2度しか見かけない。 もう10月も終わりである。今年はもうヒメの写真を撮る機会は無いだろうと思っていたところ、一昨日、北米原産の赤紫のシオン(友禅菊)にヒメの雌が留まっているのを見付けた。ヒメハラナガツチバチの雌.毛が白く頭や胸背に毛が少ない(2008/10/27) 北隆館の圖鑑に拠ると、キンケ雌の体長は17~27mm、ヒメ雌は15~22mmである。これだと範囲がかなり重複しているが、これまでの印象としては、ヒメ雌はキンケ雌の小型の個体程度の大きさ、と言う感じである。 一見して明らかな様に、キンケの毛が正に「金毛」なのに対し、ヒメの毛はずっと白っぽく、頭や胸背に余り毛が生えていない。また、キンケの翅の色は茶色を帯びているが、ヒメの方は殆ど無色透明で、写真では一寸分かり難いが、翅の先端近くに明らかな暗色斑がある。友禅菊の花を渡り歩くヒメの雌.翅の先端近くに暗色斑があるのだが、この写真ではよく分からない(2008/10/27) このヒメの個体がやって来た場所は、前回紹介したハラビロカマキリの「カマちゃん」が潜んでいる場所から僅か10cm位のところである。大きさとしては、丁度手頃の獲物なので、カマちゃんにやられるのではないかとヒヤヒヤしながら撮影していたが、やがて隣のセイタカアワダチソウの方に移った。先ずは一安心。セイタカアワダチソウに移ったヒメの雌花穂を持って角度を変えながら撮影したのだがその程度の刺激では逃げない(2008/10/27) ヒメの雄は、何れ紹介するが、非常に臆病で直ぐに逃げてしまう。しかし、雌の方は余裕があると言うか、落ち着いていて簡単には逃げない。これはハラナガツチバチ類全体に通用することで、中には体を突いても逃げない雌が居る位である。 このヒメの個体も落ち着いており、セイタカアワダチソウの花穂を左手で持って、色々角度を変えながら撮影したのだが、逃げる気配は全く無かった。ヒメ雌の頭部.キンケ雌よりも毛が少ない(2008/10/27) ハラナガツチバチ類の幼虫は、ネキリムシを食べて育つ。聞くところに拠れば、雌バチはネキリムシのいる場所を感知すると、地上に降りてネキリムシの居る方へ地面を掘り進み、ネキリムシを刺して麻痺させてからその横に卵を産むとのこと。 しかし、どうも良く分からない。以前紹介した「クロヒメバチ?」の仲間の多くはスズメガ類の幼虫に寄生する。スズメガの幼虫は、普通のネキリムシよりもずっと大きいが、それ丸一匹を食べて育つヒメバチの大きさ(体重)は、普通のハラナガツチバチ類よりもかなり小さい。大型のキンケになると、その体重はクロヒメバチ類の数倍はあると思う。と言うことは、蛋白質量にしてスズメガ終齢幼虫の数倍のネキリムシを食べなければならないことになる。口吻をのばしているヒメの雌(2008/10/27) スズメガの終齢幼虫は普通のネキリムシの10倍近い重さがあると思われる。そのスズメガ終齢幼虫の数匹分となると、1匹のハラナガツチバチの幼虫は数10匹のネキリムシを食べなければならない計算になる。 と言うことは、ハラナガツチバチの幼虫は親が用意したネキリムシを食べ尽くした後、更なる餌を求めて土中を探し回り、次から次へとネキリムシを食べて行くのだろう。キンケ雌の3枚目の写真と較べると明らかに毛が少ない(2008/10/27) 土中で餌を探し回るのはそれ程難しいことではないらしい。同じく幼虫がネキリムシを餌とするシオヤアブ等のムシヒキアブ類では、親は餌を用意することもなく木や草に産卵するので、孵化した幼虫は直ぐに地面や朽木の中に潜り込んで獲物を探し回らなければならない。 それから較べれば、ハラナガツチバチ類の幼虫は、少し大きくなるまでは親が用意した餌があるのだから、ずっと恵まれていると言える。
2008.10.29
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今年の春は、我が家で生まれたチビカマども(ハラビロカマキリ)が庭の彼方此方に居た。夏になる前にみな何処かへ行ってしまったが、秋になってまたハラビロカマキリが姿を現した。背中(前翅)の模様(損傷や汚れ)から判断すると、今のところ全部で3頭の様である。ハラビロカマキリは毎年我が家に現れるので、これらが我が家で生まれたチビカマの成長した姿である可能性は低い。しかし、3頭とは何時もより少し多いし、何となく例年のカマキリよりも親しみを感じるので、今年は個体を区別せず一様に「カマちゃん」と呼んでいる。 ハラビロカマキリの捕食風景?はこれまでに3回も掲載した(例えばこちら)。捕食に関してはもう充分だと思うので、今日は、捕食ではなく、獲り逃がすところを紹介する。「カマちゃん獲物を獲り逃がすの巻」である。 カマキリ類が捕まえた餌を食べているのは屡々見かけるが、捕まえる瞬間や獲り逃がすところを見る機会は比較的少ない。食べるにはある程度の時間が掛かるのに対し、捕まえるのは一瞬だし、獲り逃がすのも捕まえてから30秒以内位だから、当然見る機会は少なくなる訳である。 カマキリ類が獲り逃がし易い獲物は、カマキリの鎌にあるトゲが刺さらない様な外骨格の硬い昆虫であろう。カナブン類を襲うところは見たことがないが、これは恐らく非常に捕まえにくい相手に違いない。ハチにも外骨格が固く鎌の刺が利き難いと思われる種類がかなりある。 我が家の秋の庭に一番多い大型のハチは、先日掲載したキンケハラナガツチバチ(雌、雄)である。このハチの外骨格はかなり固い。標本にするとき、ピンを刺すのが楽でなかった記憶がある。これまでに、ハラビロカマキリがキンケハラナガツチバチ(以下キンケと略す)を食べているのを見たのは3回(今日の分=後述を含む)なのに対し、獲り逃がしたのは5回以上見ているから、カマキリにとっては、やはりかなり捕まえにくい相手らしい。食べられてしまったのは雌1雄2で、逃げた内で記憶のハッキリしているのは雌3雄2である。キンケハラナガツチバチの雌(左)を狙うハラビロカマキリのカマちゃんキンケの上に以前掲載したブドウトリバの姿が見える(2008/10/25) さて、開花中のセイタカアワダチソウにやって来たハラビロカマキリの「カマちゃん」、回りにキンケの雌が沢山居るので、キョロキョロと彼方此方に頭を向けていたが、やがてその内の1頭が、目の前にある隣の花穂に留まった。早速、体を徐々に伸ばしながら、キンケに迫る。4秒後、キンケはカマちゃんに掴まってしまった(2008/10/25) 一瞬の内に、キンケはカマちゃんに掴まってしまった。チャンと刺されない様に背側から翅を押さえている。キンケの方は、不思議なことに毒針を出していない。この写真では、些か分かり辛いが、セイタカアワダチソウの花粉かキンケの毛らしき粉が飛び散っているのが、下の方に写っている。14秒後、背後から翅を押さえられて為す術のないキンケ(2008/10/25) その後、カマちゃんは体を回転させた。14秒後が上の写真である。キンケは背側から翅を押さえられて、為す術を知らず、と言う感じであった。 しかし、お尻の方から食べるのは一寸マズくないか。頭から食べなければ、ハチは容易に死なず、刺されたり噛みつかれたりする可能性が残る。3秒後、キンケはカマキリの鎌の間からずれて来た大顎を思い切り拡げて噛みつこうとするキンケ(2008/10/25) しかし3秒後、キンケの外骨格に鎌のトゲが刺さっていないせいか、キンケが鎌の間からずれて来た。キンケは体を捻り、強大な大顎を思いっきり拡げて、カマキリに噛みつこうとする。獲物を獲り逃がして悔しがる?カマちゃん(2008/10/25) 次の瞬間、余りに一瞬の事なので何が起こったのかよく解らなかったが、キンケは逃げてしまった。悔しがる?カマちゃん(上)。その前の写真を見ると、お尻の先端近くにカマちゃんの頭があるから、顔を刺されそうになったのかも知れないし、或いは、単にキンケがスルリと抜け出たのかも知れない。しかし、やはりあの大顎で噛みつかれたのではないだろうか。「腕」を舐める?カマちゃん.キンケにやられたのか?(2008/10/25) 実を言うと、この日私が見ている間にカマちゃんがキンケの雌を獲り逃がすのはこれが2回目で、また直ぐ後にも1頭を獲り逃がした。やはりハラナガツチバチの様な外骨格の硬い虫は容易に掴まらない様である。 その後、カマちゃんは「腕」を舐める様な行動を暫く取っていた(上)。キンケに攻撃され何らかの傷を受けたのかも知れない。「腕」に付着したキンケの毛を食べている様には見えなかった。 不思議なことに、キンケは上のどの写真を見ても毒針を出していない。しかし、別の個体で毒針を出している写真が1枚だけあった(下)。カマちゃんは、その毒針で刺されるのを巧く回避している様に見える。刺されない様なハチの扱い方を、本能的に知っているのであろう。毒針を出しているキンケ.カマちゃんには届かない(2008/10/25) この原稿を書いている間に、一服しにベランダに出た。今、カマちゃんはセイタカアワダチソウの隣に置いてある北米原産の赤紫色のシオン(友禅菊)の方に移って居る。どうしているかと思って花の間を探してみると、何と、キンケの雌を捕らえて食べていた。キンケを背側から頭部を上にして確保している。やはり、この態勢でないと逃げられてしまうのだろう。もう、頭は殆どないが、それでもまだキンケは動いており、お尻の先を時々カマちゃんの方に向ける。しかし、そのお尻はカマちゃんには全然届かない様であった。 以上を書き終わってからまた一服しに出た。カマちゃんはもう先程のキンケを食べ終わって、次の獲物を狙っていた。すると、小型のキンケが目の前に留まった。今日は久しぶりの晴天のせいか、実に沢山の虫がいるのである。カマちゃんは、勿論攻撃を仕掛けたが、捕まえた次の瞬間、サッと身を引いてキンケを放してしまった(上の回数に入れていない)。どうも、腹側から捕らえたので噛みつかれるか刺されそうになったらしい。暫くすると、今度は非常に大型のキンケがやって来た。しかし、それがワサワサと目の前を通るにも拘わらず、カマちゃんは全く手を出さない。やはり、相手の大きさを見て攻撃するか否かを判断しているらしい。 オオスカシバはこの大型のキンケよりもずっと大きい。しかし、以前掲載した様に、容易にハラビロカマキリの餌食になってしまう。・・・と言うことは、カマキリはハチが危険な相手であることをチャンと知っているのである。
2008.10.27
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秋の庭と言うのは、本来風情のあるものなのだが、我が家の庭は、今かなり殺風景である。秋咲く花が少ないのである。キク科の花が少々ある他は、ホトトギスが打ち捨てられた様に咲いているだけ。 このホトトギス、親から家を継いだときには、庭中に蔓延っており、徹底して引っこ抜いて定住地を1平米程の範囲に落ち着かせた。ところが、どうもこの場所はネキリムシが跋扈するに適した環境にあるらしく、春先は成長がよいのだが、段々と下降線を辿る様になり、酷い年には殆ど花が着かないこともある。今年はどうかと言うと、まァ、平年並みに花が着いた。ホトトギスとタイワンホトトギスの交雑種(多分)右の花は咲き始めで3つに分かれた花柱が斜上する左は少し時間が経っており花柱の先が垂れている(2008/10/19) 例によって掲載する前に、これが本当のホトトギスか否か、一応図鑑で確認してみた。すると・・・、図鑑の記載とは一致しない所がある。図鑑には、花は葉腋から2~3個束生するとあるが、上の写真では束生していない。この部分は茎の先端部で、下の方を見ると、確かに束生している。しかし、図鑑の絵では先端に着いている花も束生である。 調べてみると、他にタイワンホトトギスと言う種類があり、これは散房花序が頂生する。しかし、下位の葉から腋生する花は殆ど無い。我が家のホトトギスには腋生の花が沢山着いているから、タイワンホトトギスでもないことになる。上から見た「ホトトギス」の花.花弁6、下向きの葯6花柱の先端は3つに分かれ、その先は2裂する(2008/10/18) これはどうやら、在来種のホトトギスとタイワンホトトギスとの交雑種らしい。今、庭で咲いている「ホトトギス」は昔からあったものではなく、改築後に植えたものである。今園芸店で売られている「ホトトギス」の多くは、タイワンホトトギスとホトトギスの交雑種だと言うから、まず間違いないであろう。花柱先端の拡大.一見蜜の様な透明な突起が沢山ある(2008/10/18) この花、ユリ科だが、よく見ると随分変な花である。6本の雄蕊と雌蕊が一体になって花の中央に突出し、雄蕊は下を向いて開裂し、雌蕊の先端はその上で3つに分かれ、更にその先が2裂する。 その雌蕊が3つに開いている部分に、透明で黄色を帯びが突起が沢山着いている。この突起、初めは、色と言い屈折率と言い花蜜かと思った位で、触ってみたり舐めても見たが、ベタ付きもせず味もなく、只の透明な突起であった。花柱先端にある突起.これだけ拡大してもまるで蜜の様(2008/10/19) 蜜線があるのは、花柱の付け根である。こんなところに蜜線がある筈はない。それが証拠に、ホシホウジャクはチャンと花柱の付け根に口吻を向けている(下の写真)。「ホトトギス」で吸蜜するホシホウジャク.口吻は花柱の付け根に向いている.6年前にコンパクトデジタルカメラで撮った写真(2002/10/22) この構造、一体何の為にあるのだろうか。花蜜風に見せて虫を引き寄せる為か、それとも・・・???、No idea!!。虫ばかりでなく、「植物の天地?も複雑怪奇」と言って逃げることにする。
2008.10.25
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先日、キンケハラナガツチバチの雌を掲載したが、今日はその雄を紹介する。 大体、昆虫の雄と言うのは、雌よりも小さく頼りないことが多いが、ハラナガツチバチ類の雄は、雌が逞しいせいか、特にひ弱な感じがする。キンケハラナガツチバチの雄.第1腹節は他より細い第1~4腹節後縁に黄色帯紋がある.その他にも翅の付け根、触角第1節などに黄色斑が見える(2006/10/17) 一般に、ハラナガツチバチの雄は、体が細長く、体毛の色が雌より白っぽい。第1腹節がそれ以降よりも細いので、腰が括れた感じになる。雄のくせに妙に柳腰なのである。 しかし、触角は長い、雌の3倍位はある。昆虫の世界では、一般に、触角だけは雄の方が雌よりリッパである。これは触角が、雌を捜す為の感覚器でもあるからだろう。 体長は、雄の方がかなり小さい。しかし、ハラナガツチバチ類は体長の変異が大きいので、2頭の雌雄を比較した場合、雄の方が大きいこともあり得る。この仲間の雄は何れも触角が長い.第1腹節は他より細い毛は雌に比して少なく、色も白っぽい(2006/10/18) 黒地に黄色の毛帯を持つハラナガツチバチ類の雄は、何れも腹部の背板後縁に黄白~黄色の帯紋を持つ。雌の様な毛帯ではなく、外骨格自体に色が付いているのである。この辺り(東京都世田谷区西部)に居る可能性のある黄と黒のハラナガツチバチの雌で毛帯ではない帯紋を持つのは、只のハラナガツチバチ(シロオビハラナガツチバチ:以下「シロオビ」と略す)だけである。 雄の方は、キンケハラナガツチバチ(以下「キンケ」と略す)では第1~4節、ヒメハラナガツチバチ(以下「ヒメ」とする)では第1~5節に帯紋を持つ。また、シロオビでは第1~5節だが、第5節のは消失する場合もあり、これは、オオハラナガツチバチ(以下「オオ」とする)でも同様だそうである。吸蜜中のキンケハラナガツチバチの雄(2006/10/17) キンケとヒメの雄は腹部の背版以外にも、体の各所に黄白~黄色の斑紋を持つ(オオとシロオビについては圖鑑に記述がないが、実物を見たことがないのでよく分からない)。ヒメの場合は、普通小楯板の2紋と後胸背版の黄色斑が目立つのでキンケと容易に区別出来る。しかし、小型の個体では消失する場合もあるとのこと。圖鑑に拠れば、ヒメの雄は体長11~19mmとあり、キンケの16~23mmに比して相当小さいので、小楯板の黄紋が無くても15mm以下であればヒメと考えて良いと思われる。 キンケでは、一般に複眼内縁下部、頭楯の基部と周囲、前脚脛節上縁、前胸背板肩部に黄色部を持つが、個体差が大きい。最後の写真では、中脚腿節や前胸背板の所々にも黄色斑が見える。これらの黄色紋は、基本的にヒメとよく似ており、ヒメの方が黄紋のある場所が少し多くなる。この個体はキンケハラナガツチバチと思われるが、上の3個体とは異なり胸部の褐色毛が目立ち、その他の毛も少し長く、また、固めの様に見える.羽化直後なのかも知れない(2006/10/29) 腹部の帯紋は、一般にキンケの方は普通の黄色だが、ヒメのはやや白みがかる。しかし、キンケでも小型の個体では白っぽくなるので紛らわしい。一番安定しているのは、第5腹節の帯紋の有無らしい。ヒメにはあるのに対して、キンケには無い。圖鑑には、ヒメの帯紋は「第5節では非常に細い」と書かれているが、消失する場合があるとは書いてない。 纏めると、小楯板や後胸背版に黄紋があればヒメ、無くても体長15mm以下、或いは、第5腹節に帯紋があればヒメ、それ以外はキンケ、と言うことになる。上の個体を前斜め下から撮ったもの.雄でもかなり恐ろしそうな顔をしている.複眼内縁下部、頭楯の基部と周囲、前脚脛節上縁、中脚腿節前面、前胸背板の所々に黄色斑が見える(2006/10/29) 今日もまた無味乾燥な形態の話になってしまった。どうも、このキンケの雄と言うのは好きでないのである。臆病で直ぐ逃げるし(雌は余り逃げない)、ナヨナヨしていて、雌にある様な逞しさは微塵も感じられない。「シッカリしろ!!」と、どやし付けたくなる。 雄だから毒針はなく、手で掴んでも刺されることはない。それでも腹を曲げて刺す様な行動をとる。お尻の先には3本の棘があるので、少しチクチクするが、只それだけである。
2008.10.23
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昨日の夕方、久しぶりに大きなヒメバチが出現した。体長25mmはある。最近の我が家では、こんな大型のヒメバチは1年に1、2度しか現れない。しかも、普通は少し飛び回るだけで直ぐに隣家へ行ってしまうのだが、昨日は庭の彼方此方に留まり、何とか数枚の写真を撮ることが出来た。滅多にないことである。 全身青味のある黒で、所々に白い斑紋がある。翅は褐色を帯びる。大型のヒメバチ.クロヒメバチか?体長は25mm程度(2008/10/20) 幾らヒメバチの分類が難しいからと言っても、25mm以上のヒメバチはそう多くはない。早速圖鑑で調べてみると、イヨヒメバチと言うのが見つかった。「体黒色、額側部、小盾板、触角中央数節の上面は白色・・・翅は全体黒褐色を帯びる」とあるから、これらの点では一致している。しかし「脚はおおむね黒色、前脚の脛節および付節の下面は白色を帯びる」は一致しない。脚には白いところがもっと多い。また、前胸背板、頸部、その他にも白斑がある。全体に青味のある黒色で、翅は褐色を帯びる(2008/10/20) そこで、また「北海道大学所蔵ヒメバチ科タイプ標本」の御世話になる。その標本写真をみると、イヨヒメバチ(Amblyjoppa proteus satanas)は殆どまっ黒で、白斑は標本が古いせいか殆ど認められない。どうも違う様である。 同属のヒメバチを順に見てゆくと、クロヒメバチ(Amblyjoppa cognatoria)が一番よく似ている。だが、何れの標本写真でも後肢付節の大部分は白いのに対し、ここに掲載したヒメバチでは全体に黒ずんでいる。 しかし、同属でクロヒメバチより似た種類は見当たらないし、白色の部分にはかなりの個体変異が認められる(5個体の写真がある)。だから、クロヒメバチである可能性は高いと言える。体の彼方此方に白斑がある(2008/10/20) 実は、その前にもっと大きな問題がある。属が間違っている可能性もあるのである。しかし、属の検索表はないし、北大のタイプ標本を見てゆけば切りがない。 これは、もう素人の限界と言うべきであろう。そこで、此処では「クロヒメバチ?」と「?」を付けてお茶を濁しておいた。
2008.10.21
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「北米原産シオンの1種」はもう花期を終えたが、その次の紫色のシオンの1種はまだ咲いていない。そこで、虫集めの繋ぎとして日本の普通のキクを買って来た。だが、やはり園芸品種は駄目な様で、思ったほど虫は集まらない。ツマグロキンバエやホソヒメヒラタアブ等が一寸やって来るだけで、ハチもチョウも殆ど興味を示さない。 些かガッカリしていたのだが、その白いキクの花の上に焦げ茶色の三角形が留まっているのに気が付いた。白い横筋が入っている。シロオビノメイガ(白帯野螟蛾)、ツトガ科ノメイガ亜科の小さな蛾である。キクの花で吸蜜するシロオビノメイガ.開張2cm程度(2008/10/16) この辺りでは最も普通のノメイガ(野螟蛾)で、以前紹介したヨスジノメイガやクロモンキノメイガ等よりもずっと多い。町の一寸奥の方にある草原を歩けば、1歩で1~2頭は飛び出すほど沢山いる。 我が家の庭でもしょっちゅう見かけるのだが、余りに普通種なのと、直ぐに葉裏に逃げ込むので、中々撮る気にはならなかった。それがどうした訳か、葉裏に逃げ込まないで葉表に留まった。丁度撮影に良い位置だったので、シッカリ撮ってWeblogのネタとすることにした。木の葉の上に留まるシロオビノメイガ(2008/10/16) このシロオビノメイガ、屡々日中花にやって来て、チョウやハチと一緒に吸蜜していることがある。それ故、昼行性の蛾とされる様だが、葉裏に逃げ込むことが多いところを見ると、本来はやはり夜行性で「昼間も活動することがある」と言った方が適切なのではないだろうか。イカリモンガ等の様な、完全な昼行性の蛾とは一寸違う。少し近づくと、触角がオリックスの角の様(2008/10/16) 食草の範囲は広く、ザクロソウ科、スベリヒユ科、ウリ科、キク科、アオイ科等にも寄生するそうだが、アカザ科とヒユ科が特に好きらしい。ホウレンソウ、サトウダイコン(ビート)、フダンソウ(以上アカザ科)、ケイトウ、ヒユ(以上ヒユ科)等の害虫として名が知られており、「"シロオビノメイガ" (駆除|防除)」でGoogle検索すると、650件もヒットする。かなりの悪者の様である。 分布も広く、日本全土はおろか、インド、アフリカ等の旧大陸の熱帯、亜熱帯から、オーストラリア、北米、北はシベリアにまで棲息する。これだけ広い範囲に棲む蛾も一寸珍しいのではないだろうか。シロオビノメイガの顔.テリア犬に何処か似ている(2008/10/16) 最後にシロオビノメイガの顔写真を掲げておく。蛾にしては中々表情に富んだ顔をしていると思う。何処か、テリア犬に似た感じがする。以前、キベリクビボソハムシを掲載したとき、正面からみた顔が仔犬に似ていると思った。虫の顔とイヌの顔が本当に似ているのだろうか?? そこで、実際のイヌの画像と比較してみた。すると・・・まず輪郭が似ている。また、このシロオビノメイガの場合は、毛の向きや質感がテリア犬に似ている。しかし、虫の複眼はイヌの耳に対応するが、イヌの眼に対応する構造は虫には無い。思うに、人間の意識の中で、虫の複眼はイヌの耳と眼の両方を兼ねているらしい。人の顔を見て狸やカマキリを思い浮かべたりするのと同じく、人間の頭脳の為せる複雑な精神活動の結果なのであろう。
2008.10.19
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毎年晩夏から秋になると、黄と黒と茶色の大きなハチが姿を現す。我が家の大敵ネキリムシを食べて育ったハラナガツチバチ(ツチバチ科)の仲間である。 数も多いし姿も悪くないのだが、この仲間でこれまでに紹介したのは全身殆どまっ黒で第3腹背板に黄色斑をもつキオビツチバチだけであった。何故かと言うと、今までこの黄、黒、茶色のツチバチの分類に自信がなかったのである。 この辺りに居る可能性があるのは、何も形容の付かない只のハラナガツチバチ(シロオビハラナガツチバチ)、オオハラナガ(以下「ツチバチ」を省略)、キンケハナラガとヒメハラナガの4種の様で、その区別が何ともハッキリしなかったのである。今年の冬に、改訂された北隆館の圖鑑を購入して、漸く種の判別が出来る様になった。キンケハラナガツチバチの背面.翅が少し曇っている(2008/10/10) 今日紹介するのは、キンケハラナガツチバチの雌である。ハラナガツチバチ類は雄と雌で非常に外見が違うので雌雄を別々に紹介することにした。 キンケは頭部と胸部背面に褐色の長毛があり、腹部ではやや色薄く、腹部の第1~4節の後縁に白っぽい毛帯がある。オオハラナガでは、この腹部の毛帯が第1~3節の3本しかないので、区別は容易である。上と同じ個体.後肢脛節に泥が付いているところを見ると羽化後間もないのかも知れない。花には行かずジッとしていた(2008/10/10) 只のハラナガはどうかと言うと、この腹部の2~4背板の後縁に毛帯ばかりでなく、雄バチの様な白色の帯状紋がある。この白色紋は毛帯の下に隠れて見難いが、出現の時期が他とは異なり春から夏にかけてなので、この時期に見ることはないらしい。 ヒメハラナガは全体に毛が白っぽい。胸部背面(中胸背板)の長毛はキンケとは異なりずっと疎らである。また、キンケの翅は褐色を帯びているが、ヒメの翅は透明に近く先端に明確な暗色斑がある。 これで何とかこの4種の雌を区別することが出来る。なお、雄の判別はこれとは全く別物である。同じ個体の頭胸部.複眼が腎臓形をしている(2008/10/10) これで分かったことは、この辺りにはオオハラナガは全く居らず、ヒメハラナガも住宅地で見ることは少なく、殆どは、このキンケハラナガだけだと言うことである。晩春に現れた只のハラナガらしき個体を今年撮ったが、腹部の白色紋は毛帯に隠れて良く分からなかった。これは来年の課題である。笑っている様にも見える.大顎が見るからに強力そうこれで地面に穴を掘るのだろうか?.上とは別個体(2008/10/12) キンケは黒い体に褐色の密毛を生やし頑丈そうである。かなり厳つい体付きだが、性格は非常に温和しい。これまでにハラナガツチバチ類に刺されたと言う人を知らない。写真を撮るときには、留まっている花をひっくり返したりすることもあるが、刺される可能性なんぞ、考えたこともない。コマルハナバチと同じで、掌の中に入れても多分刺さないだろうと思う。セイタカアワダチソウにやって来たキンケの雌(2008/10/10) キンケに限らずハラナガツチバチの仲間は、キク科の花が好きである。しかし先日、面白いことを発見した。「北米原産シオンの1種」には雌雄共に来るが、セイタカアワダチソウには殆ど雌しか来ない。雄も全く来ない訳ではないが、非常に少ない。 考えてみると、雄は自分の体力さえ維持すればよいのだから、エネルギー源になる花蜜だけを探せばよい。しかし、雌の方は卵を成熟させるために多量の蛋白質を必要としている。恐らく、セイタカアワダチソウの花には花粉(蛋白質に富んでいる)は沢山あるが、花蜜は少ないのであろう。「北米原産シオンの1種」の上を歩き回るキンケの雌(2006/10/20) 最後の写真は一昨年に撮ったものである。実は、一昨年撮ったハラナガツチバチ類の写真が画像倉庫の中にゴマンとある。勿体ないので、キンケの雄を紹介するときには、この倉庫の写真を大いに活用するつもりである。
2008.10.17
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今日は我が家の雑草を紹介する。キツネノマゴ科のキツネノマゴ、高さ20cm程度の、どう見てもパッとしない草である。 実は、ダンドボロギクと言う背より高い雑草の花を経時的に撮っていたのだが、茎が非常にひ弱で一寸の強雨で全部倒れてしまった。代わりの雑草に適当なものがないので、仕方なく、このキツネノマゴを掲載することにしたのである。キツネノマゴ.何とも冴えない雑草ではある(2008/10/10) 御覧の通り、冴えない草である。9月頃であればもう少し花が着いていたと思うが、まァ、それでも精々花穂当たり3個着けば良い方で、今は平均1個程度。花自体は後で見る様に悪くはないが、小さいし、数が余りに少な過ぎる。キツネノマゴの花穂.同時に咲く花は多くても3つ程度、今は1つ(2008/10/10) 子供の頃は祖母の命令で庭の草取りをさせられていた。だから、庭にどういう雑草が生えるかは、たとえ名前は知らなくても、姿はよく知っている。しかし、このキツネノマゴ、昔見た記憶がない。そこで、これは最近入って来た帰化種だと思っていた。しかも、花穂はシソの穂に似ているし、葉は対生で茎は4角、てっきりシソ科と信じ込んでいた。 しかし、帰化植物図鑑のシソ科を調べてみると該当する種は無い。その他の科も当たってみたがやはり無い。当たり前である。 そこで普通の植物図鑑を引っ張り出す。しかし、日本産のシソ科の中にも見当たらない。仕方なくその周辺を探して、やっと見つかった。何と、キツネノマゴであった。キツネノマゴ科もキツネノマゴも、名前はよく知っているのに、実物を知らなかったのである。花を拡大.幅は約4.5mmと小さい(2008/10/10) キツネノマゴ科は、図鑑には5属7種しか載っていないが、解説によると世界に約240属2200種(Wikipediaに拠れば約250属2500種)、主に熱帯に分布するとのこと。昔見た記憶がないのに、今方々で眼にするのは、ヤブミョウガと同じく、温暖化による北上と思われる。 写真を見れば分かる通り、外見的にはシソ科やゴマノハグサ科に似た植物である。図鑑に拠れば、「茎が4角で花が唇形で外見はシソ科に似ているが、子房が深く4つに分かれていないので大いにちがう」とある。こちとらは、こんな小さな花をバラして子房の形を見たりはしないから、間違えるのも無理はない。上の花を出来るだけ下側から撮ったもの(2008/10/10) 図鑑に拠ると、キツネノマゴ科の雄蕊は4本ないし2本で、花筒にくっ付いているとのこと。ゴマノハグサ科やシソ科も同様である。このキツネノマゴでは2本で、写真で花の上部に見えるのがそれであろう。横から見た図(2008/10/10) 別の花の上部をピクセル等倍まで拡大したものを下に示した。これは、まだ咲き始めの花らしい。丸くて黄色っぽいのが葯であることは明らかである。しかし、その他はどうなっているのか、まるで分からない。別の花を使って花の上部を拡大.ピクセル等倍(2008/10/14) 図鑑には「葯は2室で1室はほぼそれと同長の距がある」とも書いてある。真ん中の2つに分かれた部分が距で、真ん中に見える白い半透明のが雌蕊なのか、それとも花柱の先端が2つに分かれているのか。また、葯から斜め下に伸びている半透明の構造は何なのか・・・。先に示した他の花の写真と比較すると、更に分からなくなる。 この様な普通に撮った写真では、何とも判断し難い。そこで、花を分解してみようと思ったが、今の時期は花も小さく幅約4.5m、一寸やってみたが、やはりこれは実体顕微鏡下でなければ出来るものではない。 何とも中途半端な記事になってしまったが、実体顕微鏡は無いし、等倍マクロ撮影だけではこれが限界の様である。
2008.10.14
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さて、今日は前々回の「サトクダマキモドキの幼虫」の続きである。 この幼虫、何時も木本植物(稀に草本)の高いところに居て、ジッとしている。葉っぱの上に居るのだからよく目立つ。少し位の雨が降ってもその儘で、かなり酷くなると葉裏に逃げ込む。風の強い日に、ビョウヤナギの花の上で触角を畳んでいるサトクダマキモドキの2齢幼虫(2008/06/15) 上の写真はビョウヤナギの花に居た2齢幼虫である。この日は風が強かった。サトクダマキモドキの触角は、成虫も幼虫も非常に長い。やはり風が強いと、触角に加わる刺激が強過ぎるのか、或いは、傷つけられたりすることもあるのか、写真の様に触角を体の側に寄せていた。こう言う格好をしていることは、滅多にない。洋種のミツバツツジの上に留まる2頭のサトクダマキモドキの3齢幼虫葉っぱの黄色を押さえた分だけ幼虫の青味が強くなっている(2008/06/24) 初齢幼虫は群を成すと言うほどではないが、2~3頭が直ぐ近くにいることが多かった。これはその後も同じで、全体の頭数が次第に減って来たので見る機会は少なくなったが、時折上の写真の様な光景を見ることがあった。 この幼虫、どうも良く分からないのだが、3齢ではないかと思う。体側の斑紋に2つあった黒色斑が1つになっており、その他の不明瞭な斑は無くなっている。撮影したのは6月24日。最初に見付けたのが5月20日だから、35日は経っている。3齢になってもおかしくはないと思われる。 留まっている木は、外国産のミツバツツジで、威勢が悪く葉が黄色になっている。余りに黄色いので、少し黄色を押さえた結果、虫の体色が実際より緑に寄ってしまった。ドウダンツツジの徒長枝の上で下を向いてジッとしているサトクダマキモドキの3齢幼虫(2008/06/27) 高いところでジッとしてる習性はその後も変わりがない。上の写真では、ドウダンツツジの徒長枝の上で、下向きになったままジッとしている。この徒長枝は、ベランダの椅子に座るとよく見える位置にある。一服する度に確かめてみたが、一日中同じ様にして居た。相変わらず、カマキリの幼虫と似ている。西洋シャクナゲの葉上で下を向いてジッとしているサトクダマキモドキの3齢幼虫(2008/06/27) こうした習性は、捕食性昆虫のすることの様な気がする。しかし、シャクナゲの葉の付け根で下を向いて居たりする(上の写真)こともある。この場合、もし他の昆虫が来るのを待っているのならば、もう少し葉の先の方で待ち受けなければ、獲物を捕まえる機会は少ないだろう。どうも良く分からない習性である。 写真の幼虫の触角は、一本は真っ直ぐだが、もう一本は横を向いている。これは、このサトクダマキモドキの幼虫が警戒しているときに取る行動で、普段はその前の写真の様に2本とも真っ直ぐである。写真を撮るために近づいたので、警戒し、一本を横に振り向けたのである。何故、こう言うことをするのかはこれまた良く分からないが、何時も同じである。ヒメリンゴ?の葉上に留まるサトクダマキモドキの3齢幼虫我が家のサトクダマキモドキの幼虫は、この数日後に姿を消した(2008/07/01) 初齢幼虫は体長5mm程度であった。キチンと計っていないので不正確だが、この頃には12mm位には成長していたと思う。数は次第に減り、7月に入ると遂に1頭だけになってしまった。上の写真は、一寸枯れかかったヒメリンゴ(コリンゴ?)の葉上でジッとしている最後の個体。 これまでもそうであったが、サトクダマキモドキの幼虫は、雨風の強い日があると、必ずその数を減じた。風雨位で死ぬとは考えられないから、何処かへ避難した後、今まで居たところとは別の所に移動してしまうのだと思われる。この個体も、風雨の強かった日(上の写真の数日後)を最後に姿を消してしまった。 気象庁の「過去の気象データ」を参照すると、東京(大手町)では7月4日にかなりの雨が降っており、風も最大風速11.8mを記録している。多分、この日がその姿を見た最後の日であったのだろう。上の写真の部分拡大.体側の斑紋が2齢とは異なることに注意(2008/07/01) その姿を消したサトクダマキモドキの中の1頭かも知れない個体が先日現れた。その次の日にはもう居なかったから、何処か別の所からやって来た個体なのかも知れない。だが、本来我が家に棲み着いており、まだ背の高い高いクリやヤマモミジの木の何処かに居る可能性も否定は出来ない。 何れにせよ、気分的には、これでサトクダマキモドキの生活環に関しては一巡したと言う感が深い。 ところで、サトクダマキモドキと一緒に居たハラビロカマキリの幼虫がどうなったかも、ついでに書いておこう。 写真は撮っていないが、3齢に達すると体の幅がずっと広くなり、脚の縞模様が殆ど無くなった。しかし、お尻を曲げてピンと立てるのは相変わらず同じである。行動範囲が拡がって、最初にいた辺りからかなり離れた場所で見ることが多くなり、やがてサトクダマキモドキの幼虫同様、その姿を消してしまった。 9月の中旬になってハラビロカマキリの成虫が出現した。しかし、この個体が我が家で生まれたチビカマの成長した姿である可能性は低い。サトクダマキモドキはこの辺り(東京都世田谷区西部)ではかなり稀な虫であるのに対し、ハラビロカマキリは毎年やって来る普通種だからである。
2008.10.12
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前回掲載した「サトクダマキモドキの幼虫」の続編は次に回して、今日はツヤホソバエの1種を紹介することにした。ツヤホソバエはこれまでに2回登場しており、最初は翅に黒斑のない不明種、2回目は翅に黒斑のあるヒトテンツヤホソバエ(本当にヒトテンなのか確証はないが・・・)であった。 今回のは翅に黒斑が無く、最初に掲載したツヤホソバエによく似ているが、体長約4.5mmと少し大きい。ツヤホソバエの1種.腹部は艶がよい.胸部の周辺は白っぽい(2008/09/25) 真上から見ると、殆どまっ黒。腹部と頭部(複眼を除く)は名前の通り非常に艶がある。しかし、胸部は光沢が鈍く、またその周囲は白く粉を吹いている様に見える。真横から見たツヤホソバエの1種.腹部下面と胸部側面は白い腰の括れが少なく、細い部分が比較的短い中肢脛節末端付近に黒くて長い棘が見える(2008/09/25) 真横から見ると、腹部の下側は真っ白、胸部の側面や下側も白い部分が多い。前に紹介した不明種では、腹部の下側は同様に白いが、胸部側面には白い部分が少ない。 トンボ類の多くは、成虫になってから、加齢に伴い次第に粉を吹いてくる。ハエでも同じ様な加齢に伴う変化があるのだろうか。身繕いをするツヤホソバエの1種中肢脛節末端付近の棘が白く光って見える(2008/09/25) 白粉が当てにならないとしても、もっと基本的な違いが認められる。真横から見たとき、腹部の第1腹と第2が以前の種では細長く括れが強いのに対し、今日のツヤホソバエでは余り細くなく(短い)括れも小さい。これは、決定的な違いと言って良いだろう。 違いは他にもある。中肢脛節の棘である。以前の種では、少なくとも脛節の途中と先端の内側に短い棘が2本認められるだけである。それに対して、今日のツヤホソバエは、その他に外側に向いた大きな黒い棘が脛節の先端近くにある。以前の写真の解像力は現在よりやや劣るので正確な比較は出来ないが、この外側に向かう大きな黒い棘が以前は写らなかったとは思えない。また、今日のツヤホソバエは後翅腿節上面に棘があるが、以前の写真では不明瞭である。真っ正面から見たツヤホソバエの1種顔の下にあるのは口器.中肢脛節に数本の棘が見える(2008/09/25) と言う訳で、今日のツヤホソバエは以前紹介した「ツヤホソバエの1種」とは別種とするのが順当であろう。 ツヤホソバエは世界で約600種、日本では今のところ35種が記録されているとのこと。今日のツヤホソバエが以前の不明種と違うとすると、我が家に合計3種が出現したことになる。これは全体の約1/12である。一方、ハムシは日本産700種に対して我が家は7種だから1/100。ハムシが少ないのか、ツヤホソバエが多いのか・・・。身繕いの最中に口から何か透明な液体を出して、また呑み込んでしまった(2008/09/25) ツヤホソバエは、艶があり、腰が括れていて姿は美しいが、幼虫も成虫も糞食とされている「衛生害虫」である。一方、ハムシは「葉虫」で、主に葉っぱを食べるのだから農業害虫とされることはあっても、衛生害虫には成り得ない。 バッチイ虫の方の種類が多いと言うことは、それだけこの辺りに汚いものの種類が多いと言うことか? 些か面白くない話ではある。
2008.10.09
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先日、我が家で育った可能性の高いサトクダマキモドキの雄を紹介した。そのずっと前、今年の晩春にサトクダマキモドキの初齢幼虫を掲載したが、幼虫のその後は未掲載の儘であった。勿論、写真は撮ってあるのだが、7月の上旬に姿を見せなくなってから、また何時か現れるだろうと思っている間に、掲載の機会を失ってしまったのである。しかし、それらの幼虫の中の1頭が、先日のサトクダマキモドキに成長したのであれば、その間の写真も紹介すべきであろう。 と言う訳で、今日は今年の春から初夏にかけて撮ったサトクダマキモドキの幼虫のその後を掲載することにした。なお、写真が多いので、2回に分けることにする。雨に濡れるサトクダマキモドキの初齢幼虫(2008/05/30) まず最初は、比較の為に初齢幼虫の写真を掲げておく。体側に沿って黒い筋があるのが初齢幼虫の特徴である。写真としては完全な前ピンで、本来は没にすべきものだが、一応手前の眼は辛うじて被写界深度に入っているし、触角と前肢に付いた水滴が印象的なので出すことにした。まだ、如何にも子供、と言う顔をしている。2齢になって間もないサトクダマキモドキの幼虫(2008/06/04) 次は、2齢になったばかりの幼虫で、ニワナナカマドの葉上に居た5~6頭の内の1頭である。体側にあった黒い筋は、第2腹節側面の少し大きな黒斑と、第1腹節、胸部の淡い斑紋だけになっている。触角の掃除をするサトクダマキモドキの2齢幼虫(2008/06/14) 10日経って撮ったのが上の写真。その前の写真と同じ個体か否かは不明だが、シッカリ御飯を食べたらしく腹部が大きく膨らんでいる。丁度、身繕いをしているところで、触角の掃除中である。成長したサトクダマキモドキの2齢幼虫初齢と較べると少し貫禄が付いてきた(2008/06/14) 2齢幼虫をもう少し大きく撮ると上の写真の如し。初齢幼虫と較べると、少し貫禄が付いてきたと言える。 初齢幼虫は灌木のテッペン近くの葉の上で何時もジッとしており、何かを待っている様な感じであった。これはハラビロカマキリの幼虫と全く同じで、捕食者を思わせる行動である。それは2齢になっても同じであった。 2齢幼虫の行動と、3齢と思われる幼虫は、また、次の機会に紹介することにしよう。
2008.10.07
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今日は久しぶりにヒラタアブの仲間を紹介する。ホソヒメヒラタアブ、体長7mm以下の小さなヒラタアブである。 ホソヒメヒラタアブには、非常に良く似たキタヒメヒラタアブと言う近似種が居る。この両者の識別は外部形態だけでは困難で、普通はゲニタリアを見る必要があるとされる。しかし一方で、ホソヒメは8mm以上になることはなく、また、キタヒメは7mm以下にはならない、と言われている。写真の個体は体長6.0mm、ホソヒメヒラタアブとした所以である。ホソヒメヒラタアブ.体長6.0mmこの個体は腹部に黒い部分が非常に多い(2008/10/05) しかし、随分腹部に黒い部分が多い。最初肉眼で見たときは何か別の種かと思った。しかし、顔面が真っ白で細長く体長6mm以下のヒラタアブは、ホソヒメしか居ない筈である。図鑑類や市毛氏の「ハナアブの世界」も参照してみたが、やはりホソヒメ以外に該当する種類は見つからなかった。 ホソヒメヒラタアブはこの辺り(東京都世田谷区西部)で決して珍しいヒラタアブではない。これまで紹介しなかったのは、肉眼的に8mm以上か7mm以下かの区別が容易でない(一般に虫の体長は実際よりも大きく見える)ので、ついつい撮らずじまいになっていたからである。今回は、確実に「小さい」と思ったので撮影し、漸くの登場となった次第である。真横から見たホソヒメヒラタアブ.黄、黒、白の綺麗なアブである(2008/10/05) アブさんがやって来たのは、写真でお分かりの通り「北米原産シオンの1種」。もう筒状花(中心部の黄色い部分)が茶色になってきた花が多く、人間にはそろそろ終わりの様に感じられるが、虫の方はそれと関係なくやって来る。花粉などは少し古くなった方が分解が進んで、食べ易いのかも知れない。顔面は真っ白で頭頂部は黒く、その間に黄色の部分がある(2008/10/05) ホソヒメヒラタアブは最近、もう一つのWeblogでも紹介した。その時の個体は非常に敏感で容易に近づけなかったが、今回はまるでその逆であった。と言っても撮影が楽だった訳ではない。 このアブさん、小さいので花の中に頭を突っ込んでしまう。すると体が花に隠れて背側以外からは写真が撮れなくなる。留まっている花の茎を一寸手で突っついたりしても全然動ぜず、翅に触っても数cm動くだけで、まるで逃げる気配無し。この「北米原産シオンの1種」は虫達にとって余程魅力のある花らしいが、御蔭で写真を撮るのに随分時間がかかってしまった。花粉を舐めているところ(2008/10/05) 此処まで書いて一服しに外に出た。その途端にツーンと強い花の香り、どうやら御隣のキンモクセイが咲き始めたらしい。兪々今年も終わりである。 年を取ると一年の過ぎるのの何と速いことか!!
2008.10.06
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新しく買い入れた北米原産シオンの1種(巷間では孔雀草と呼ばれているらしい)には、毎日様々な虫達がやって来る。先日は、久しぶりにスカシバの1種がやって来た。スカシバと言っても、スズメガ科に属すオオスカシバの類ではない。スカシバガ科の蛾で、翅の大部分はオオスカシバと同様透明だが、ずっと小さいし、分類学的にはかなり離れた間柄である。北米原産シオンの1種で吸蜜するヒメコスカシバ開張2cm前後.この仲間はみな昼行性である(2008/10/03) 開張は2cm位、胴体が黒地に黄色の横帯なので、飛んでいるところは一寸ドロバチ類に似ている。しかし、留まれば翅に紋があるので、直ぐに蛾だと言うことが分かる。正面からの写真は一寸小さ過ぎたが一応載せておく(2008/10/03) 写真を一通り撮ってから、書斎に戻って種類を調べてみた。我が家に来る様な蛾はみな普通種だから、当然手元の図鑑に載っていると思っていたのだが、見当たらない。コスカシバによく似ている。しかし、腹部の黄色横帯の入り方が違う。 例によって「みんなで作る日本産蛾類図鑑」の御世話になる。直ぐにヒメコスカシバであることが判明した。コスカシバは腹部背面の第4、5節に黄帯を持つが、ヒメコスカシバは第2、4、6節に黄帯を持つ。横から見た方が色々な色が見えて綺麗裏から見た翅は、色合いも模様も洒落ている(2008/10/03) このスカシバガ科に属す蛾の幼虫は、みな樹木の樹皮下で形成層付近の柔らかい組織を食害するらしい。形成層の外側にある師部を食べながら枝の周りを一周されると、環状剥皮されたのと同じになり、師部の再生が追い付かなければ、それより先の部分は枯れてしまう。 調べてみると、このヒメコスカシバは柿の害虫としてその名が知られている様である。しかし、カキノキ科の他にヤナギ科、ブナ科、バラ科、マメ科、カバノキ科等の非常に多くの樹木に寄生するとのこと。どうもこの蛾(個体?)は体を右に曲げて吸蜜する真っ直ぐな写真は遂に撮れなかった(2008/10/03) 樹を枯らすことがあるのだから、スカシバガ科の蛾はみな「害虫」と相成る。その中でも特にブドウスカシバはブドウの害虫として有名である。なお、釣りに使う「ブドウ虫」とはこのブドウスカシバの幼虫のことである。尤も、最近は数が少ないので、ミツバチの巣を荒らすので有名なハチノスツヅリガ(ハチミツガ:メイガ科ツヅリガ亜科)の幼虫を養殖して代用しているとのこと。近くから見た方がもっと綺麗(2008/10/03) しかし、害虫でも中々綺麗な蛾である。黒、黄、白、青の4色刷で、特に青の部分は構造色なのでキラキラ輝いている。写真はストロボを使っているが、ファインダーを覗いているときでも、太陽の光を反射して青く光っていた。もっと拡大すると、鱗状の鱗粉がまるで鎧の様口から上方に曲がって伸びているのは下唇鬚(2008/10/03) 北米原産シオンの1種は、虫集め用の花としては第一級である。そろそろ花期も終わりだが、大きな鉢に植え換えて、来年もまた頑張って貰うつもりでいる。 この白花の「シオンの1種」の次には、赤紫色の花が咲くやはり北米原産のシオンの1種が控えている。世間様では友禅菊などと呼ばれているらしい。昨年買ったもので、今年は少し大きな株になった。どの程度、虫が集まるか、楽しみにしている。
2008.10.05
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先日、ベランダで一服していると、クリスマスローズの葉上で何かがキラリと光った。まるで、アシナガキンバエの様な鮮やかな燦めきであった。 しかし、良く見てみると、何と、ハエトリグモの1種。腹部に太い黄色い縦筋があり、これに日光に当たってキラリと光って見えたのであった。 中々綺麗なハエトリグモである。シッカリ撮影した後、早速図鑑で名前を調べてみた。メスジロハエトリの雄.雄は雌と違って白くない(2008/09/20) その途中で、アレッ、と思った。以前掲載したメスジロハエトリの雄であることに気が付いたのである。全く、年を取ると、一度掲載したことのある種類すら憶えていない。困ったものである。 昔のページを開いてみると、その時は直ぐにクモを見失ってしまって、載せた写真はたったの2枚、しかも同じ様な写真である。それに対して、今回は様々な方向から撮れた。これはもう一度掲載し直しすべきであろう。 ・・・と言う訳でメスジロハエトリ(雄)の再登場と相成った。真横から見たメスジロハエトリの雄背面から見たのとは随分感じが違う(2008/09/20) ハエトリグモの模様や形は、雌雄でかなり違うのが普通である。特に、このメスジロハエトリではその違いが大きく、雌は白地に暗色の小斑が多数散在し、雄とは全く異なる外観をしている。恐らく、昔はそれぞれ独立の種として記載されていたに違いない。真っ正面から見たメスジロハエトリの雄これが上2枚の写真と同じ個体とは信じ難い第1脚の内側が青く、前中眼が非常に大きい(2008/09/20) しかし、このクモ、見る方向によって随分違って見える。特に背面(最初の写真)から見たのと真っ正面から(上の写真)とでは、とても同じクモとは思えない。真横から見た場合(2番目の写真)も、これが最初の写真や上の真っ正面から見た写真のクモと同じとは、俄には信じがたい。斜め前から見ると、最初と3番目とが同じクモであることが分かる(2008/09/20) これは、第1脚の内側が青いのと、前中眼がハエトリグモの中でも特に大きいのが、背面や横からでは見えないのが主な原因であろう。 斜めから撮った写真を見れば、な~るほど、と納得できる。やはり、生き物の写真は様々な方向から撮らないと全体像を掴めない、と言うことである。白、黄、黒、青と彩りに富んでいる(2008/09/20) 今日は、ここ数日とは打って変わった雲一つ無い秋晴れ。投稿が終わったら、カメラでもぶら下げて散歩に出掛けることにしよう。
2008.10.02
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昨日は殆ど一日中霧雨の降りそぼつ寒い日であった。部屋の中では、既にストーブに火を入れ、長袖のシャツに長袖のセーターを着込み、ベランダで一服する時には更に上着を羽織って外に出る有様。全く、一気に晩秋になってしまった。 その雨が僅かに止んだ隙に一寸庭に出てみると、南天の葉の上に大きなバッタが留まって居た。長い触角、綺麗な緑色で体長は約45mmと大型、一見してサトクダマキモドキである。早速、カメラを取りに戻って写真を撮った。南天の葉に留まるサトクダマキモドキの雄触角が非常に長いことに注意(2008/09/30) このサトクダマキモドキ、相当長い間同じ場所に居て雨に濡れていたらしい。体中雨粒だらけ、下の写真の右端に何か余り芳しくないものも見える。 今年の春は、サトクダマキモドキの幼虫と思われる仔虫が全部で20匹ほど居た。3齢まで成長したのを確認したが、7月上旬(4日?)の大雨の日から姿を消してしまった。しかし、サトクダマキモドキは樹木上で生活するバッタである。こちとらの背より高い木の上に上がってしまえば、姿はもう見えなくなるだろう。・・・もしやして、その中の一匹では??雨に濡れるままジッとしていたらしく雨粒だらけ右下に何やら芳しくないものが見える(2008/09/30) しかし、サトクダマキモドキだと思ったのだが、写真を良く見てみると、一昨年掲載した雌の写真とは随分姿が違う。体の大小は兎も角、背側から見たときの翅の付け根と思しき部分(バッタは苦手で部分の名称が分からない)の形が違う。 一昨年の雌の写真では、翅の基部に接する部分がかなり直線的で、全体として細い逆三角形をなしている。しかし、今回の虫では翅に接する部分が相当丸味を帯びており、三角形とは言い難い妙な形になっている。果たして、本当にサトクダマキモドキであろうか。しかし、触角がこれ程長くて、大型のバッタは他には居ない。出来るだけ背側から撮った写真.翅の付け根の部分に丸味がある(2008/09/30) 圖鑑では良く分からないので、Internetで検索してみる。色々なサイトを参照すると、サトクダマキモドキの雌と雄ではかなり形が違うことが分かってきた。どうやら、これは雄のサトクダマキモドキでよいらしい。サトクダマキモドキの頭部と前肢.頭に水滴が乗っている前肢脛節基部が2つに割れて、赤くなっている(2008/09/30) このバッタ、前脚の脛節の基部近くが2つに分かれており赤味を帯びている。初めは奇形かと思ったが、図鑑の検索表をみると、何と、これは耳だそうである。そう言えば、昔、コオロギの耳は前脚にあると言う話を聞いたことがある。バッタにはまるで興味が無いので、すっかり忘れていた。 検索表に拠ると、この前肢脛節に耳を持つのがキリギリス亜目、持たないのがバッタ亜目だそうである。但し、キリギリス亜目でも、カマドウマ科、コロギス科等は耳を持たない。上の写真の部分拡大.2つに分かれている部分は耳(2008/09/30) 今日の早朝、起きて直ぐ同じ場所に行ってみた。しかし、もう虫の姿は無かった。まァ、当然であろう。しかし、まだ何処か近くに潜んでいるかも知れない。 我が家で育ったサトクダマキモドキの一匹かも知れないと思うと、バッタと雖も妙に愛着を感じるものである。
2008.10.01
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