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今日は、ヨツモンホソチャタテ(Graphopsocus cruciatus)の終齢幼虫(6齢)を紹介する。ホソチャタテ科(Stenopsocidae)のチャタテムシである。 多くの蝶やカメムシでは通常5齢が終齢である。しかし、鱗翅目でも蛾には6齢や7齢の種類が沢山あるし、ノコギリカメムシでは4齢で終齢となる。チャタテムシの場合は、「Handbooks for the Identification of British Insects」の一冊である「Psocoptera(噛虫目=チャタテムシ目)」に拠ると、長翅の種類では多くの場合6齢だが、無翅や短翅の種類では齢数がもっと少なくなるとのこと。ヨツモンホソチャタテの終齢(6齢)幼虫5齢と較べて翅芽がずっと長い左の触角の先が折れている(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/20) 6齢幼虫では、翅の突起(翅芽と呼ぶ)が5齢よりもずっと長くなる。腹部の半分には届かないが、1/3位の所にまで達している(腹部は成長に伴い伸長する)。 体長は2.4mm、複眼の幅(左右の複眼の端から端まで)は0.60mm、5齢では体長1.9~2.1mm、複眼の幅は0.54mmであったから、1割以上大きくなっている。肉眼で見ても、5齢と較べて明らかに大きいし、漸く虫らしくなって来たと云う感じがする(それまでは小さ過ぎて埃かゴミの如し)。横から見たヨツモンホソチャタテの終齢(6齢)幼虫糸を吐いて作った簡単な「巣」の下に居る(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/20) 以前紹介したクロアゲハやルリタテハの終齢(5齢)幼虫は、4齢と較べてかなり姿が変わり、見映えがする様になる。しかし、チャタテムシの場合は、体全体が大きくなるのと翅芽がそれよりもずっと大きくなる以外に大した変化は認められない。終齢だからと云っても、何も変哲はないと言える(だから、書くことがない)。翅芽が長いのと全体的に大きくなったこと以外に特に目立った変化は認められない(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/20) 写真の個体は、前回紹介したグループとは少し離れた場所に居た。恐らく、最初に孵化し途中で散開したグループ(初齢、2齢)の中の1頭ではないかと思うが、確証はない。トベラの葉裏を探して見つけた5頭の内、この個体のみが6齢で、他は全て5齢であった。この写真を撮った後、他の5齢幼虫と一緒に飼育箱に入れた。正面から見たヨツモンホソチャタテの終齢(6齢)幼虫5齢と大して変わらないので書くことが無くて困る(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/20) この幼虫は、写真を撮ってから4日の後に成虫になった。成虫は、近日中に、別に紹介する予定である(今すぐ見たいセッカチな御仁は此方をどうぞ)。 現在では、飼育した5頭の内、1頭がまだ終齢幼虫に留まっているが、他は何れも羽化した。この手のチャタテムシの飼育は結構容易と思われるので、先日、町の少し奥の方からチャタテムシの幼虫を何種か拉致して来た。尤も、これは「我が家の庭の生き物」ではないので、もう一つの別のWeblogで紹介することになる。同じ様な写真だが、オマケにもう1枚(2010/04/20) 昨日、一昨日は雨、今日はまた日本海低気圧の通過で大風が吹いている。全く今年は碌でもない天気ばかりである。 天気が思う様でないと、気象庁に電話して「どうしてくれる!!」と文句を言う人が居るらしい。全く馬鹿げた話だが、今年は、その手の人の気持ちが少しは分かる様な気もする。[追記]以下に、これ以前と以降のヨツモンホソチャタテ幼虫の成長記録一覧を示しておく。 内 容 掲 載 日 撮 影 日 卵と初齢幼虫 2010/03/13 2010/02/25,03/12 2齢幼虫 2010/03/23 2010/03/22 3、4齢幼虫 2010/04/19 2010/04/10 5齢幼虫 2010/04/25 2010/04/18,20 成 虫 2010/05/11 2010/04/20,24
2010.04.29
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先日、触角の短い、白っぽくて丸々としたハナバチがやって来た。体長は1cmを少し越えた程度、せわしなく飛び回る。この手のハナバチとしては、この辺り(東京都世田谷区西部)では触角の非常に長いニッポンヒゲナガハナバチ位しか居ないと思っていたのだが、この触角の短いハナバチは一体何だろうか。 北隆館の圖鑑を見ると、似た様なハナバチが何種類が出ていた。しかし、春期に出現し触角の黒いのは、他にシロスジヒゲナガハナバチが居るだけである。尤も、圖鑑に出ていない種類の可能性もあるが・・・。クチナシの葉上で休むニッポンヒゲナガハナバチの雌漆黒の眼と丸くてコロコロした姿が何とも可愛い(写真クリックで拡大表示)(2010/04/25) 圖鑑の解説を読むと、ニッポンヒゲナガもシロスジヒゲナガも、雌はみな触角が短い。どうやら、この何れかの種の雌らしい。 ニッポンヒゲナガの解説には、最近、従来のEucera属(シロスジヒゲナガが属す)とTetralonia属(ニッポンヒゲナガが属す)の見直しが行われたが、「その内容は複雑なので、ここでは便宜上前翅の肘室が2個のものをEucera、3個のものをTetraloniella(旧名Tetralonia)と扱う」とある。其処で翅脈を見てみることにした。スミレの花に留まるたニッポンヒゲナガハナバチの雌.矢印の先が肘室(写真クリックで拡大表示)(2010/04/25) 上の写真で明らかな様に、肘室は3個ある。検索表で上の方から落としたのではないから全く別の属の可能性もあるが、まァ、圖鑑に載っている種類の中ではTetraloniella属と云うことになる。 九州大学の日本産昆虫目録を見ると、このTetraloniella(九大目録では旧名のTetralonia)には5種しか載って居らず、その内、本州に産するのはニッポンヒゲナガの他にミツクリヒゲナガがあるだけである。このミツクリは秋に出現する種類なので、除外して問題ないだろう。 次に確認の為、Web上にあるニッポンヒゲナガの画像を探してみる。雄は沢山出ているが、雌は意外と少ない。しかし、農業環境技術研究所の「ナタネ等アブラナ科植物の訪花昆虫検索表」に雌の標本写真が載っており、それと較べると充分よく似ている。・・・と云うことで、今日のハチ君(雌だが)はニッポンヒゲナガハナバチ(Tetraloniella nipponensis=Tetralonia nipponensis)と相成った。邪魔な矢印を取り去った写真をもう一枚(写真クリックで拡大表示)(2010/04/25) ハナバチ類は、落着きなく動き回るか、花の中に頭を突っ込むかで、中々良い写真が撮れない。それが理由で余り撮影したくないのだが、久しぶりに撮ってみると、やはりハナバチは可愛い。チャタテムシの幼虫も可愛いが、それよりず~~と可愛い。
2010.04.27
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先日掲載した「チャタテムシの幼虫(3齢と4齢)」の最後に、トベラの葉裏に残った5齢の2頭(その内の1頭が下の写真)を飼育箱に入れてしまうか思案中である、と書いた。次の日見に行くと、更に減って1頭しか居ない。もうこうなったら飼育するしかない。トベラの葉裏に作った「巣」に潜むヨツモンホソチャタテの5齢幼虫4齢と較べて翅の突起が太く大きくなり、先端が腹部にかかっている体長1.8mm、複眼の幅(本文参照)は0.54mm不安定なフィールドで撮影したので、画像が良くない始めは2頭一緒であったが、1頭は「家出」した上にあるのは脱皮殻.6齢を経て成虫になる(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/18) しかし、これまでチャタテムシの飼育などしたことが無いので、上手く飼育出来るか、まるで自信がない。5齢幼虫1頭だけでは途中で死なせてしまうかも知れず些か心許ない。其処で、回りの葉裏を丹念に探してみた。その結果、更に5齢3頭と終齢(6齢)1頭の合計5頭が見付かった。飼育箱、と云っても100円ショップで売っている用途不明のやや縦長のプラスティックの箱だが、その中に花瓶を置いて幼虫の付いた葉を枝ごと挿し、他の幼虫は葉と一緒に切り取って、枝に密生しているトベラの葉の間に挟んでおいた。幼虫が溺れたりしない様に、枝に脱脂綿を捲いて花瓶に挿してあるが、脱脂綿が水を吸ってそこから水分が蒸発するので、チャタテムシの餌となるカビを生やすのに充分な湿度になるものと思われる。また、トベラは常緑樹で葉は厚みもあるせいか、葉だけ入れて置いても容易に萎れなかった。飼育は順調に進みそうである。最初と同一個体.行方不明になると困るので飼育を決定体長は2.0mmと成長したが複眼の幅は変わらない(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/20) 勿論、その前に写真を撮った。今度は机の上に葉を置いて撮ることが出来る。据え物撮りだから姿勢は安定しており、以前の様に100枚以上も撮る必要はない。 今回は、フィールド環境で4月18日に撮影(最初の写真)したのと同じ個体を主に撮影した。これまではチャタテムシの居た葉の位置の関係で、背面以外の方向から撮ることが出来なかったが、据え物撮りならば基本的に任意の方向から撮ることが出来る。しかし、この個体は枝付きの葉に居たので、葉の位置の関係で背面からの写真は少し斜めになってしまった(上)。正背面からの写真は、最後に別個体のものを載せておいた。横から見たヨツモンホソチャタテの5齢幼虫(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/20) この5齢幼虫、4齢に較べて翅の突起がかなり太く長くなっている。また、体長は4月18日(最初の写真)で1.8mm、2日後の20日には2.0mmとなった(最後の別個体は2.1mm)。しかし、複眼の幅(左右の複眼の端から端まで)は何れも0.54mmで同じである。体長は成長に伴い増加しても、複眼の幅は同じ齢では変化しないことが分かる。 また、先日掲載した4齢幼虫では、それぞれ1.5mmと0.47mmであったから、5齢以降かなり急激に大きくなるものらしい。正面から見たヨツモンホソチャタテの5齢幼虫(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/20) 生態に関する変化としては、多くの個体は4齢までは小さいながらも集団で生活していたのに対し、5齢以降では分散する傾向が見られた。4齢以下でも葉裏に1頭だけ居た場合もあるし、5齢でも2頭が一緒に居るのを見たこともある。しかし、飼育中の5頭は何れもそれぞれ別の葉裏で単独生活をしていたし、飼育箱に入れてからも、葉から葉への移動はしているが、それぞれバラバラに生活している。斜めから見たヨツモンホソチャタテの5齢幼虫(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/20) 実は、これらの写真(最初のを除く)を撮った4日後、まだ紹介していない6齢幼虫が遂に羽化して成虫となった(チャタテムシは不完全変態なので蛹にはならない)。チャタテムシは成虫でも種類が分からないことが多いが、幸いなことに、他と間違えることのない極めて特徴的な種、ホソチャタテ科(Stenopsocidae)のヨツモンホソチャタテ(Graphopsocus cruciatus)であった。 謎解きを途中でしてしまうと面白味に欠けるが、表題を「ヨツモンホソチャタテの幼虫」としたいので、敢えて答えを出してしまった次第である。このヨツモンホソチャタテに付いては、何れ成虫を紹介する時に詳述する。キチンと背面から撮ったヨツモンホソチャタテの5齢幼虫これまでとは別個体.体長2.1mm、しかし複眼の幅は0.54mmで最初の個体と同じ(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/20) 今日現在では、飼育箱の中に成虫1頭、6齢3頭、5齢1頭と、1頭も欠けることなく順調に成長している。 この手の、幼虫も成虫も葉裏で生活するチャタテムシ(主にホソチャタテ科、ケチャタテ科)は、意外と容易に飼育出来るものなのかも知れない。我が家の庭でこれらの科のチャタテムシを見ることは稀だが、少し奥に行けば色々な種類が生息している。今後、卵を見つけたら持って帰って飼育し、卵から成虫までの過程を撮影出来れば、結構貴重な記録になるかも知れない。[追記]以下に、これ以前と以降のヨツモンホソチャタテ幼虫の成長記録一覧を示しておく。 内 容 掲 載 日 撮 影 日 卵と初齢幼虫 2010/03/13 2010/02/25,03/12 2齢幼虫 2010/03/23 2010/03/22 3、4齢幼虫 2010/04/19 2010/04/10 6齢幼虫 2010/04/29 2010/04/20 成 虫 2010/05/11 2010/04/20,24
2010.04.25
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今日は久しぶりに庭の雑草を紹介することにした。調べてみると、このWeblogで草本植物を最後に取り上げたのは2008年11月末のアメリカイヌホオズキで、約1年半前のことである。草本には随分無沙汰をしてしまった。 今日紹介するのはトキワハゼ(Mazus pumilus=M. japonicus)、植木鉢の中に寄寓していた比較的小さな個体である。植木鉢の中に生えていたトキワハゼ左右に見えるのはツボスミレの花(写真クリックで拡大表示)(2010/04/19) トキワハゼはゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)に属し、この辺りの都会の雑草に多い帰化植物ではなく、在来種である。 最近は温暖化とやらで、子供の頃は見なかった雑草が生えているが、このトキワハゼは昔から我が家の庭に生えていた。花に結構風情があるので、時として抜かないで残しておいた様な気もする。トキワハゼの花.斜めから見ると良く形が分かる(写真クリックで拡大表示)(2010/04/19) 花は、如何にもゴマノハグサ科でござい、と云う形をしている。尤も、この様なシソ科に近い2唇形ではなく、4裂した花冠を持つオオイヌノフグリもゴマノハグサ科だから、ややこしい。正面やや上からみたトキワハゼの花.幅は約7mm(写真クリックで拡大表示)(2010/04/19) 花を良く見ると、下側に位置する花冠の内側には、一見花糸の様な小さな突起が沢山ある。しかし、図鑑に拠れば、ゴマノハグサ科の雄蕊は「4本で2本が長いかまたは2本で、花冠の筒に裂片と互生してつく」とあるので、これは単なる飾り?らしい。花の中を覗いてみた.奥に見えるのは柱頭で雄蕊はその裏にあるらしい(写真クリックで拡大表示)(2010/04/19) 上の写真で一番奥に見えるのは雌蕊(柱頭)であろう。これでは雄蕊が何処にあるのか良く分からないので、今、庭に出て花を裂いてみた。雄蕊は4本で何れも花の奥の方にあった。 上の写真を良く見ると、柱頭の上部に胡麻塩模様の一寸違った感じの部分がある。どうもこれが葯の様で、その殆どは柱頭の後に隠れているらしい。柱頭の左右に見える管状の構造と思しきものは、恐らく花糸であろう。真横から見たトキワハゼの花.結構平たい(写真クリックで拡大表示)(2010/04/19) トキワハゼの花は幅約7mm、花冠の長さは約1cmとかなり小さい。同属のムラサキゴケ(最初「紫後家」と変換されてしまった)も似た様な花を着けるが、幅は1cm以上ありずっと大きい感じがする。また、後者は走出枝を出して匍匐するので、植物全体の見た感じも随分違う。真上からみたトキワハゼの花.萼の付け根まで約10mm(写真クリックで拡大表示)(2010/04/19) 今日、飼育していたチャタテムシの幼虫が羽化した。幸いなことに、極めて特徴的な種なので、一目で種が判明した。次回からは、チャタテムシの話が続くかも知れない。
2010.04.24
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さて、今日はトベラの葉裏で成長中のチャタテムシ幼虫[羽化するまで観察しヨツモンホソチャタテ(Graphopsocus cruciatus)であることが判明した]のその後を紹介する。3齢と4齢幼虫である。前回の2齢から1ヶ月近く経っているが、今日紹介する集団は前回のとは別の葉に居たもので、2齢に非常に時間がかかったと云うよりは、同一の卵塊からかなり遅れて孵化した連中らしい。 糸を張り巡らした共通の「巣」の中に、3齢幼虫2頭と4齢幼虫3頭の合計5頭が一緒に居た。トベラの葉裏で成長中のチャタテムシ(種不明)の幼虫左から4齢、3齢×2、4齢×2の合計5頭(写真クリックで拡大表示)(2010/04/10) 「巣」には、御覧の通り、チャタテムシの糞が無数と言っても良い程沢山絡んでいて、かなりバッチイ感じ。こう沢山あると、写真を撮るのにかなり邪魔になるが、チャタテムシの餌であるカビを生やすにはこの方が良いのかも知れない。3齢幼虫.翅の原基が後上方を向いた透明な突起として認められる(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/10) チャタテムシの幼虫に関しては今まで何らの情報もなかった。しかし、先日、英国の古本屋から「Handbooks for the Identification of British Insects」の一冊である「Psocoptera(噛虫目:チャタテムシ目)」を入手したので、少しは知識が増えた。 それに拠ると、長翅型のチャタテムシの多くは幼虫期が6齢まであり、翅の原基は3齢から6齢に至る間に次第に大きくなる、とのこと。 2齢幼虫では、翅の原基(胸部にある4つの茶色の部分)が少し起き上がった様にも見えたが、これは気のせいらしい。一方、3齢では明らかに後上方を向いた透明な突起として認められる(上)。これが、4齢ではもっと長い棘状の構造になっている(下)。4齢幼虫.翅の原基は長い棘状の突起に成長している(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/10) ところが、体長を計ると、何故か3齢も4齢も同じで1.5mm。2齢は0.9mmであったから、かなり成長していると言えるが、3齢と4齢で同じなのは何とも奇妙である。恐らく、3齢は4齢への脱皮直前で、4齢は脱皮直後なのであろう。 しかし、良く見ると眼の間隔と云うか頭部の幅は明らかに3齢と4齢で異なる。左右の複眼の最外側間を測定すると3齢では0.42mmであるのに対し、4齢では0.47mmである。眼の間隔は脱皮後基本的に変化しないが、体長は増加するものと思われる。両側が3齢、中央は4齢.体長は同じだが、眼の幅は異なる腹が黒っぽいのは食べた餌の影(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/10) 今日の写真も拡大すると何れもピクセル等倍となる。かなり酷い写真だが、実は、虫体全体にシッカリ焦点の合った写真は1枚もないと言ってよい。画像処理で誤魔化しているのである。100枚以上撮ったが、満足のいく写真は遂に撮れなかった。 これは、チャタテムシの居る場所が目の高さよりやや高い位置にあり、カメラを向けるとフラフラして姿勢が安定せず、写真が非常に撮り難いからである。少し下向きの姿勢で撮ればかなり楽なのだが、この幼虫は今後も観察しなければならないので葉っぱを切り取って安定した環境で撮影する訳にも行かない。全く困ったものである。左1頭が3齢(前の写真の右端)、他は4齢(写真クリックでピクセル等倍)(2010/04/10) この写真を撮った時点では、この5頭の他に、別の葉にもう1頭の合計6頭が居た。しかし今日調べたところ、もうこの集団は既に散開しており、別々の葉に5齢が1頭ずつ合計2頭が居るだけとなってしまった。回りの葉を調べてみたが、成長した幼虫は他には居なかった。 その代わり、全然別の場所に、極く若齢の集団と、まだ孵化していない卵塊を見つけた。恐らく同じ種類と思われる。こうなると、1回は失敗しても良いから飼育するのも一案である。長期間の飼育は葉が枯れかかった場合にどうなるか見当が付かないが、5齢から成虫までの期間ならば何とかなるかも知れない。この5齢の2頭を飼育箱に入れてしまうか、現在思案中である。[追記]この幼虫は無事成虫にまで成長し、ホソチャタテ科(Stenopsocidae)のヨツモンホソチャタテ(Graphopsocus cruciatus)の幼虫であることが判明した。表題や本文中にある[]の中は判明後に追加訂正したものである。以下に、これ以前と以降のヨツモンホソチャタテ幼虫の成長記録一覧を示しておく。 内 容 掲 載 日 撮 影 日 卵と初齢幼虫 2010/03/13 2010/02/25,03/12 2齢幼虫 2010/03/23 2010/03/22 5齢幼虫 2010/04/25 2010/04/18,20 6齢幼虫 2010/04/29 2010/04/20 成 虫 2010/05/11 2010/04/20,24
2010.04.19
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今日の朝、表を見ると、何と雪が積もっている。4月半ばも過ぎた17日に積雪である。全く、今年の天候は異常としか言い様がない。 7時の気温は1℃、しかし、雪は既にかなり溶けており、降っているのは氷混じりの雨。マンリョウの幹が地に接するまで倒れているにも拘わらず、その上に雪がないところを見ると、2cm程度は積ったが、直ぐに雨となり溶けてしまったらしい。シュロの葉に積もった雪.大部溶けているが2cm位は降ったのかも知れない(写真クリックで拡大表示)(2010/04/17) 4月半ばに雪とは、全く参ったが、気象庁の「過去の気象データ検索」で調べると、1979年の同じ4月17日に2cmの積雪がある。残念ながらこの年、私は東京に居なかったので全く記憶がない。理科年表を引っ張り出して見てみると、この記録は1877年の統計開始以来最も遅い雪となっている(単に「雪」とあるので降雪か積雪は不詳だが、多分降雪)。リュウノヒゲの上に積った雪(写真クリックで拡大表示)(2010/04/17) 私はTVを見ないのでよく知らないが、昨日の早い内から雪が降るかも知れない、と予報が出ていたらしい。しかし、TVは見なくても、気象庁の天気図は毎日何回かInternetで眺めているので、非常に雪が降り易い気圧配置であったことには気が付いていた。低気圧が関東の南を通り、三陸沖に高気圧がある。こうなると、湿った冷たい北東気流が関東に入り込んで屡々大雪になるのである(勿論、上空の寒気団が必要)。 只、今回は低気圧が北側に膨らんでいたので、北東風ではなく北風となった。この「膨らみ」がなければ、昨日の夕方位から雪になり、かなり積もったかも知れない。地面の上にもチャンと積っている(写真クリックで拡大表示)(2010/04/17) 理科年表(2005年版)に拠ると、日本で最も遅い「雪」は、網走と根室の1941年6月8日である。それから較べると、4月17日は随分「早い」と言える。因みに、札幌の最晩雪は1941年5月25日、大阪では1996年4月12日、九州で一番遅いのは長崎と厳原(いずはら:対馬市)の1982年4月9日である。クリスマスローズの咲き終わった花の上にも雪が残っている(写真クリックで拡大表示)(2010/04/17) 今日は、例のチャタテムシ幼虫のその後を掲載するつもりであった。しかし、記録的な晩雪が降ったので急遽変更した。雪は「我が家の庭の生き物たち」ではないが、植物が一緒に写っている(シュロとリュウノヒゲは初出)ので、まァ、御勘弁の程を。
2010.04.17
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漸く春らしくなって来て些か心も浮き立つが、虫の方はどうかと言うと、これがサッパリである。アシブトハナアブとホソヒラタアブ等は殆ど常駐して居るが、新顔は容易に現れない。其処で今日は、昨年の今頃撮ったハナアブを紹介することにした。 実はこの写真、ISOが高く設定されているのに気が付かないまま撮ってしまったので、かなり荒れており、今までお蔵にしていたのである。しかし、普段は見ない種類なので一寸調べてみたところ、Web上では余り紹介されていないケコヒラタアブ(Psilota)属のハナアブであることが分かった。体長は約5.5mm、翅長も約5.5mmの小さめのハナアブである。クロケコヒラタアブ.体長約5.5mm、翅長も5.5mmm横脈がほぼ直角に曲がっている(写真クリックで拡大表示)(2009/04/03) 双翅目の掲示板「一寸のハエにも五分の大和魂・改」で調べると、日本産ケコヒラタアブ属は3種のみで、クロケコヒラタアブ(Psilota nigripilosa)が各地に多産する以外は極めて稀な種類らしい。この辺り(東京都世田谷区西部)に「極めて稀な種類」など居る筈も無いが、同掲示板に載っている写真や、ハナアブの研究者である市毛氏の「ハナアブ写真集」にある標本とは一寸違って見える。また、東京都本土部昆虫目録を見ると、皇居で「クロ」の付かないケコヒラタアブ(P. brevicornis)の記録がある。 何となく不安を感じたので「一寸のハエ・・・」に御伺いを立ててみた。すると・・・、ハナアブの研究者であるpakenyaが対応して下さった。触角第3節が長い(幅の3倍以上)ことが確認できるので、クロケコで良いとのこと。先ずは一安心である。横から見たクロケコヒラタアブ.全身毛だらけ(写真クリックで拡大表示)(2009/04/03) また、「触角が短めのメス個体は、今のところ正確に同定することができません」との御話であった。掲示板の他の記事を読むと、どうもこのこのケコヒラタアブの分類には少し混乱がある様である。クロの付かないケコヒラタアブのホロタイプ(正模式標本:原記載時に原著者がただ1個指定した標本)とパラタイプ(副模式標本:原記載で参照された標本の内、ホロタイプを除いた全ての標本)との間に違いがあるらしい。 まァ、分類学では良くあることだが、今日の主人公、クロケコヒラタアブには関係ないことなので、気にしないことにする。斜め上から.複眼にも長い毛が生えている(写真クリックで拡大表示)(2009/04/03) このクロケコヒラタアブ、名前はヒラタアブだがナミハナアブ亜科(Milesiinae)マドヒラタアブ族(Eumerini)に属す。ホソヒラタアブ等の普通のヒラタアブはヒラタアブ亜科(Syrphinae )ヒラタアブ族(Syrphini)だからかなり遠縁で、一般のヒラタアブよりはナミハナアブ等のハナアブ類の方に近い。。全く、誤解を招く紛らわしい和名だが、私の知らない何らかの来歴があるのであろう。 ケコヒラタアブの「ケコ」の意味も良く分からない。多分、小さくて毛が多いから「毛小」なのだと思う。同じ様な写真をもう一枚.触角は平らで長い(写真クリックで拡大表示)(2009/04/03) 幼虫の食性は樹液食とのこと。普通のヒラタアブ類幼虫はアブラムシ等を食べ、ナミハナアブ等の幼虫は水の中で暮らすオナガウジ(尾長蛆)、それらから較べると一寸変わったグループだが、ハナアブ類の食性は双翅目らしく多岐に亘っているから、そう驚くことはない。ベッコウハナアブ類の幼虫は、何と、スズメバチの巣に寄生する。オマケにもう一枚.腹部は丸味が強い(写真クリックで拡大表示)(2009/04/03) どうも春になっても虫の出方は余り芳しくない様である。しかし、画像倉庫を見るとまだ未掲載の写真は結構残っているし、これまで撮った虫や花でも超接写するとかの工夫をすれば、重複掲載にならないでネタとなり得る。 同じ種類を同じ様に撮る重複掲載はしない方針なので、必然的に深刻なネタ不足に陥りつつあるが、私は楽観主義者なので、まァ、何とかなるでしょう、と気楽に構えている。
2010.04.14
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昨日は、待ちに待った春らしい晴天で、我が家の狭い庭にも春がやって来たことを漸く実感出来た。虫も色々飛んでおり、新顔も現れたが、気温も高く非常に敏感で、中々写真を撮らせてくれない。今日は、辛うじて1枚だけ撮ったユスリカの1種を紹介する。 ユスリカ科(Chironomidae)エリユスリカ亜科(Orthocladiinae)のフタスジツヤユスリカ(Cricotopus bicinctus)、体長2.5mm、翅長は1.9mmの小さなユスリカである。 ユスリカ科は日本産だけで1000種以上もある大きなグループで、しかも小型種が多く、私が同定することなどとても不可能である。実は、少し前に我が家の庭ではない所で撮影した同種を、双翅目のBBS「一寸のハエにも五分の大和魂」で見ていただいたところ、ユスリカの専門家であるエリユスリカ氏がフタスジツヤユスリカであることを教えて下さったのである。 氏に拠れば、かなり前の調査だが東京の都市河川ではこの時期[冬]最優占種になっており、冬期に出現するものは腹部の斑紋が殆ど認識できなくなり全体真っ黒となる個体が増える、とのこと。今日の個体は、氏が示された図(drawing)とソックリの斑紋をしているが、先の個体では一寸模様が違っていた。フタスジツヤユスリカ.この次に横から撮ろうとしたら逃げられた体長は2.5mm、翅長は1.9mmと小さい(写真クリックで拡大表示)(2010/04/10) このフタスジツヤユスリカは、我が家から500m程離れた川や泉のある所では屡々見かける。しかし、駅前商店街から大して離れていない我が家の様な場所で見るのは初めてである。 ツヤユスリカ(Cricotopus)属には、この様な黄色と黒のトラ模様でツヤのある種類が少なからず居る。ユスリカと言えば、灰褐色の模様に乏しい種類を思い浮かべるが、中にはこの様な綺麗な種類も居るのである。写真1枚でも紹介した所以である。
2010.04.11
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