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早速出ましたね、A1試乗レポート。これはAuto C One森口将之のレポートです。
プレミアムコンパクトというコンセプトは、「小さな高級車」として、昔からあった。でも、なかなか主流になれなかった。「大きくリッパに見えるのが高級車」という呪縛から逃れられなかったからだ。 それが21世紀になって、急にメジャーになった。 環境問題という後押しもあって、MINIに続いてフィアット 500、アルファロメオ ミト、シトロエン DS3が登場した。 そして今度はアウディ A1である。 個人的にプレミアムコンパクトだと思っている(というか自ら堂々と主張してほしい)日産 ジュークを含めれば、コンパクトカーを得意とする日欧5カ国が持ち駒を登場させたことになる。 しかし、A1は他の4台とは立ち位置が異なる。 MINIのように過去の遺産を現代によみがえらせたわけでも、DS3のように最新トレンドを反映したわけでもない。まったく新しいブランドを起用せず、他のアウディと同じ「A」という文字を継承したことでわかるように、あくまで既存のアウディの延長線上にある。 プラットフォームはフォルクスワーゲン ポロと共通だが、ボディは3ドアのみとなる。日本仕様のポロには逆に3ドアがないから、結果的にうまく棲み分けができている。 さらにエンジンはポロが1.2リッターなのに対し、1.4リッターの直噴ターボとすることで差を付けた。組み合わせられる7速Sトロニックが、基本的にDSGと共通のメカであることは、改めて説明するまでもないだろう。
ボディサイズは3970×1740×1440mmと、ポロより少し短く、幅広く、低い。そのとおり、実車を前にすると、ワイド&ローに見える。 しかもフロント/リアまわりはアウディそのものなのに対して、サイドビューはどのアウディにも似ていない。 試乗車にはスポーツパッケージだけに選べるコントラストルーフが装備されていて、赤いボディに対してルーフ左右のアーチ部分がシルバーに塗装されていた 別の試乗車では、白ボディにグレーのアーチという組み合わせもあった。これが端正なフォルムに独自の個性を与えている。 インテリアは基本的に、アウディらしい精緻な仕立て。ナビの画面が格納式だったり、エアコンのダイヤルにシルバーをあしらったり、このクラスとしてはかなり凝った作りだ。 そのうえで、エアコンのルーバー周辺に赤をあしらったりしている。別のクルマでは2トーンのシートもあった。 エクステリアを含めて、デザインやコーディネイトは先発のライバルほど弾けてはいない。落ち着きの中に適度な遊びをまぶしたシックな仕立てが、ドイツ生まれのプレミアムコンパクト、A1のキャラクターと言えそうだ。 シートは前後ともにアウディらしく低い。言い換えれば、ポロとはまったく違う。 2人掛けの後席は、身長170cmの僕が不満なく座れる広さで、シート中央にはカップホルダーなどが備わっている。 パワートレインはアウディA3やVWゴルフと基本的に共通かと思いきや、アイドリングストップがついている。 スターターモーターを用いたシンプルな方式だが、再始動はスピーディで、停止時間もかなり長かった。 ひとまわり大きいA3のボディを不満なく走らせるパワートレインだけあって、加速は活発で、クルージングに入れば回転をかなり低く抑えてくれる。 回せばかなり強力なダッシュが得られるけれど、上質なキャビンに身を置いていると、その力を余裕として使いたくなる。 1.2リッターのポロと比べると、あらゆる場面でプレミアムブランドらしい落ち着きが感じられる。 音は硬質なエンジンサウンドがメインで、排気音の演出はない。 Dレンジで約2,000rpmの100km/hはボディサイズを考えれば静粛だが、プレミアムコンパクトという位置づけを考えれば、ロードノイズをもう少し抑えてほしいとも思った。 ポロとの違いに驚いたのは乗り心地だ。 基本的には固めだけれど、街中を流すようなスピードでもしっとりストロークし、無駄な上下動をしっかり抑え、フラットなフィーリングを提供してくれる。いい意味で車格を感じさせないというか、ひとクラス上のクルマに乗っているようだ。加速同様、この面も落ち着いているのである。 都内での試乗だったのでハンドリングについてはファーストインプレッション程度しか書けないが、他のアウディとは違って路面の感触を明確に伝えるステアリングと、ポロより腰の低さを感じる、路面にピタッと貼り付いたようなコーナリングマナーは、山道でも走ってみたいという気にさせる。 ともすれば人工的な印象もある最近のアウディの中にあって、かなりリアル感のある走りの持ち主だった。 輸入車のマーケットは、圧倒的にドイツ車が強い。しかしこのカテゴリーでは、MINIをイギリス車と考えれば、ドイツ車のA1が最後発となる。 ライバルよりもシックなデザインとジャーマンメイドらしい作りの良さが、個性派揃いのこの分野でどこまで通用するか注目だ。
プレミアムコンパクト車の中で、後発となるA1ですが。やはり、基本性能に優れた、相当に競争力のあるクルマに仕上がっているようです。
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