キプロス中銀が発表した規制によると、預金引き出し額の上限が1日当たり300ユーロ(約3万6000円)に設定されているほか、キプロス国外の口座 への送金が制限される。
キプロス中銀 の監査局責任者、ヤンゴス・ディミトリオウ氏が国営放送CYBCを通じて明らかにしたところによると、銀行は現地時間正午(日本時間午後7時)に営業を開始し午後6時に終了する。同氏は国民に冷静かつ注意深い対応を呼び掛け、「銀行に駆け込み、預金を引き出す手段を考えたところで意味がない」と述べた。
EUがキプロスに対し100億ユーロの支援と引き換えに預金課税を求める計画が16日に発表されて以降、同国の銀行は営業を停止。抗議活動や政治混迷の中で議会は預金課税案を否決したものの、その後の合意で同国2位の銀行キプロス・ポピュラー銀行 の整理のほか、預金保険対象外の預金からさらに多くを徴収することが決まった。
ディミトリオウ氏によれば資本規制の効果は毎日検証される。キプロスのデメトリアデス中銀総裁とサリス財務相は先週、資本規制に向け広範な権限を議会から付与され、この数日間、実施案を検討していた。
定期預金の解約禁止
実施が決まった資本規制には定期預金の中途解約と小切手の現金化の禁止などが含まれる。金融機関1社の口座から移せる金額は月額5000ユーロまでとされた。
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは27日、キプロスのカントリーシーリングを「Caa2」に引き下げた。同国のユーロ圏離脱のリスクが高まっていることを理由に挙げた。キプロス国債の格付け「Caa3」と格付け見通し「ネガティブ(弱含み)」は据え置かれた。
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