ロシアの通貨ルーブルは、中央銀行による政策金利の大幅引き上げにもかかわらず暴落した。
プーチン大統領は市場の投機筋を繰り返し批判するが、
プーチン氏は18日、国内外の記者を招いて大規模な記者会見を行う予定で、
ウクライナ情勢をめぐる欧米の経済制裁をにらみ、どのような見方を示すかが注目される。
「中銀はルーブルを葬った」(独立新聞)
「道を見失ったロシア」(ベドモスチ)。
暴落から一夜明けた17日、ロシアの主要各紙には厳しい見出しが躍った。
プーチン氏は4日の年次教書演説で、
「政権は誰が投機筋かを知っている。彼らに影響を及ぼす手段も持っている」
と、ルーブル下落の要因は投機にあるとし、それに全面的に対処する姿勢を強調した。
しかし、翌5日の露メディアには、
「政権は下落の要因が投機にあると信じて疑わないが、
もっと本質的な理由があるのではないか」(コメルサント)
などと疑問を示す記事も出た。
ロシアの連邦歳入の約5割は石油・天然ガスの税収だ。
プーチン政権下で原油頼みの経済構造から全く抜け出せず、
石油価格は通貨の信頼に直結している。
ただ今回の暴落は、2008年のリーマン・ショック以後の通貨の下落幅を大きく超えた。
理由として考えられるのが中銀の手法だ。
中銀は11月、ルーブルが一定の価格幅を超えた場合に介入していた仕組みを撤廃、
完全な変動相場制への移行を発表した。
しかし、ルーブルに対する不安をむしろ増大させたとされる。
加えて実施された利上げが、
「経済への悲観的な見通しを強めた」(ジェトロモスクワ事務所の齋藤寛氏)
との見方が出ている。
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