「小学生の息子が、1回300円のくじを100回も購入した」
「5歳の子供が10万円の高額アイテムを購入した」
携帯電話やパソコンで利用できるオンラインゲームやソーシャルゲーム。基本サービスは無料だが、アイテムなどを入手する場合は有料になるケースが多い。こうしたビジネスモデルは「フリーミアム」と呼ばれ、子供や未成年者がサービスの仕組みを理解せずにのめり込み、保護者や本人が破格の請求額を負わされる事例が急増している。
国民生活センターによると、携帯とパソコンを合わせたオンラインゲームの苦情・クレーム相談件数は、2009年度に555件だったのが10年度は665件、11年は4月から12月27日までに478件となり、10年度を突破しそうな勢いだ。
業者のなかには「完全無料」と思い込ませる悪質なゲーム会社もあることから、消費者庁では、最近になって『「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」の公表について』とのリリースを公表。「景品表示法上問題となる表示が行われた場合は、厳正かつ迅速に対処する」(表示対策課)と厳しい対応に出る姿勢を明らかにした。
「2ちゃんねる宣言」などの著書で知られるITジャーナリストの井上トシユキ氏は、「一般の商習慣では当たり前の常識が、ネットの世界では通用しない。(消費者庁も業者に対して)『無料といいつつ後から課金するな』と厳しい姿勢を鮮明にせざるをえなくなったのでしょう」と背景を説明する。
携帯ゲームにとどまらず、ネット上のサービスは便利な半面、問題点も少なくない。
井上氏は「こうした仕組みを作る側の人間は非常に優秀で、携帯ゲーム大手の採用者は東大、京大、早慶出身者のほか、大手メーカーからの転職者も多い。ただ、優秀だからといって倫理観も優れているというわけでない。サービスを売る前に最低限のモラルを身につけてほしい」と警鐘を鳴らす。
利用者よりも利益優先のビジネスモデルは“ウインウイン”の関係にはならず、長続きはしないはずだが…。
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