「節目である100円を割り込んだことでユーロ安・円高に歯止めがきかない」(市場関係者)状況だ。
「過去の値動きから予測すると、最高値の1ユーロ=88円を突破し、85円になってもおかしくない」
(経済評論家の杉村富生氏)というから、もう冒頭から「世界恐慌」みたいなものだ。
ユーロ安の加速は、欧州への輸出依存度が高いソニーやキヤノンといった日本企業の業績を直撃する。
しかも「打つ手なし」だから、絶望的だ。
「12年の世界経済はヨーロッパ次第です。
ギリシャのデフォルトは織り込み済みですが、問題はその先です。
ギリシャがユーロ離脱に追い込まれれば、市場は“次のギリシャ探し”を始めます。
ポルトガルかイタリアか。不安の連鎖が止まらなくなり、世界経済は恐慌入りするでしょう」
(第一生命経済研究所首席エコノミストの嶌峰義清氏)
1月は、ユーロ崩壊の引き金をひきそうな出来事が次から次へと押し寄せる。
11日のギリシャ国債の償還(1600万ユーロ=約16億円)に始まり、
12日と19日はスペイン国債の入札、2月1日にはイタリア国債の償還(258億ユーロ=約2兆5800億円)が控える。
その後も、財政悪化国の国債償還が続く(記事末尾を参照)。
1月、2月、3月をしのいだとしても、市場では「4月にはどうしようもなくなる」という見方が支配的だ。
4月後半にギリシャの総選挙が予定され、フランスでは大統領選の第1回投票(4月22日)が行われる。
ドイツのメルケル首相と連携を強め、ユーロ救済に動く仏サルコジ大統領は大苦戦。
「サルコジ再選が危うくなれば、救済スケジュールそのものが破綻する」(市場関係者)
ユーロ崩壊のXデーは早ければ1月、遅くとも4月だ。
99年に誕生したユーロは幕引きとなる。
◇1月11日/ギリシャ国債償還(1600万ユーロ=16億円)
◇2月1日/イタリア国債償還(258億ユーロ=2兆5800億円)
◇2月28日/スペイン国債償還(13億ユーロ=1300億円)
◇3月1日/イタリア国債償還(149億ユーロ=1兆4900億円)
◇3月5日/アイルランド国債償還(55億ユーロ=5500億円)
◇3月20日/ギリシャ国債償還(145億ユーロ=1兆4500億円)
◇4月15日/イタリア国債償還(155億ユーロ=1兆5500億円)
◇4月22日/フランス大統領選
◇4月30日 /スペイン国債償還(119億ユーロ=1兆1900億円)
◇4月30日 /イタリア国債償還(123億ユーロ=1兆2300億円)
◇4月下旬 /ギリシャ総選挙
【このカテゴリーの最新記事】
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image