まず簡単に審査会の概要を紹介しよう。エントリー部門は、グランドコンプリケーション、メンズウォッチ、レディスウォッチ、スポーツウォッチ、デザインウォッチなどが中心になり、また開催年よって変わるその他いくつかの部門がある。部門を超えた最優秀賞として、グランプリの「エギューユ・ドール(L'Aiguille d'Or=金の針)賞」と審査員特別賞が設けられている。さらに別枠として、一般人による人気投票部門もある。審査員は、世界主要地域のジャーナリストや専門家、リテーラーなどで構成される。ちなみに筆者も2003年の第3回から2006年の第6回まで4年連続して審査員を務めた。審査は予選と本選、2回の投票を経て行われ、最終的に主催者側が部門賞やグランプリを決定する仕組みになっている。エントリーに際しては、完全に動く市販品であることが条件になっているため、場合によっては、時計フェアなどでの発表から若干年数を経たものも含まれる。
2011年度のグランプリ「エギューユ・ドール賞」に見事輝いたのは、ドゥ ベトゥーンの独創的な複雑時計「DB28」だった。各部門の受賞作を列記すると、グランドコンプリケーション部門賞がゼニスのトゥールビヨン「クリストファー・コロンブス」、メンズウォッチ部門賞がエルメス「タン シュスポンデュ」、スポーツウォッチ部門賞がタグ・ホイヤーの「マイクロタイマー フライング1000コンセプト クロノグラフ」、デザインウォッチ部門賞がウルベルクの「UR-110」、レディスウォッチ部門賞がブシュロンの「クレイジー ジャングル ハティ」、ジュエリーウォッチ&メティエダール部門賞がヴァン・クリーフ&アーペルの「レディアーペル ポーラーランドスケープ」である。
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