東京電力は11日、今月9日に福島第1原発で作業中に心肺停止状態となり病院に搬送された男性が、当日午後5時に死亡していたことを発表した。死亡から2日たっての発表について、病院から連絡を受けていなかったため、と釈明した。
セシウムは心臓にたまる
東京電力では同作業員の外部被ばく量を6ミリシーベルトにとどまっており、死亡は放射性汚染物質とは無関係、と説明した。
ただ内部被ばく量については発表されていない。呼吸や食物から体内に取り込まれたセシウムは筋肉にたまる性質を持つ。人体では心臓に集中する。セシウムから放射されるγ線により細胞内のミトコンドリアが破壊され、筋肉が機能しなくなることはよく知られている。
東京電力では、死亡した作業員について氏名などを発表していない。今後、報道機関などにより臓器の状態や内部被ばく量などが追跡調査されるのを避けるため、と見られる。
町田では子どもたちが原因不明の病気に
子どもたちの健康被害についても、少しずつ報告が増えている。東京都町田市に本拠を置く「子どもと未来をつなぐ会・町田」では、昨年12月14日、低線量被曝が原因と疑われる症例について、報告を集めた。
鼻血、血便、全身倦怠などを訴える子どもが急増しており、中には手指2本の爪がいきなりはがれてしまった例なども報告された。
医師に相談したケースでは、「首都圏で放射線の影響はありえない」、「ストレスのせい」などとされ、とりあってもらえないことが多いという。
実際には、ホットスポットが関東でも数多く報告されている。また、セシウムよりも内部被曝のリスクが高いストロンチウムについては、放散するβ線を計測できる機器がほとんどないため、無視されているのが現状だ。
たび重なる原発作業員の死が教えてくれることを無視すべきではない。
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